JP2007118837A - 車両用デッキボード及びその成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スチームピンを中空成形体内に挿入しなくても中空成形体内での発泡を可能にした車両用デッキボード及びその成形方法を提供する。
【解決手段】 非発泡性パリソン12a,12bにより形成されてなる中空成形体12と、該中空成形体12内に挿入後加熱されることで前記中空成形体12に熱ラミネートされてなる板状の予備発泡樹脂13とより構成されてなる。
【選択図】 図3
【解決手段】 非発泡性パリソン12a,12bにより形成されてなる中空成形体12と、該中空成形体12内に挿入後加熱されることで前記中空成形体12に熱ラミネートされてなる板状の予備発泡樹脂13とより構成されてなる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、自動車などの車両用デッキボード及びその成形方法に関する。
自動車などの車両用デッキボード及びその成形方法として、例えば、シートバック背面に形成されるラゲッジルームなどの床に配されるもので、非発泡性パリソンを、ブロー成形用金型内でブロー成形した後に、冷却固化して中空成形体にし、これをブロー成形用金型から取り出し、この中空成形体に予備発泡樹脂粒子を充填し、更に、これにスチームピンを挿入して、該スチームピンにより加熱水蒸気を吹き込んで発泡樹脂粒子を加熱して更に発泡させ、該発泡樹脂粒子が互いに融着することで、発泡成形体を成形するものが提案されている(例えば、特許文献1。)。
特公昭62−19239号公報
しかしながら、このような従来の技術にあっては、加熱水蒸気を吹き込むためにスチームピンを中空成形体内に挿入しなければならないので、その分、中空成形体の全体の厚さが大きくなり、その分重量が嵩み、材料費も多く必要となることで原価高騰の一原因になるおそれがある。
本発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、スチームピンを中空成形体内に挿入しなくても中空成形体内での発泡を可能にした車両用デッキボード及びその成形方法を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、非発泡性パリソンにより形成されてなる中空成形体と、該中空成形体内に挿入後加熱されることで前記中空成形体に熱ラミネートされてなる板状の予備発泡樹脂とより少なくとも構成されてなることを特徴とする車両用デッキボードである。
請求項2に記載の発明は、ブロー成形用金型内で、ブローピンにより空気を吹き込んで非発泡性パリソンをブロー成形して中空成形体となし、該中空成形体内に板状の予備発泡樹脂を挿入した後、加熱することで、板状の予備発泡樹脂を発泡させてなることを特徴とする車両用デッキボードの成形方法である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用デッキボードの成形方法であって、発泡金型内に挿入した加熱された前記中空成形体の端部にエアーピンを挿入して、該エアーピンにより空気を吹き込んで、前記中空成形体の非発泡性パリソンを金型の内面に圧接することにより、金型の内面の形状に沿わせて形成してなることを特徴とする車両用デッキボードの成形方法である。
請求項1に記載の発明によれば、中空成形体内に挿入するのは、板状の予備発泡樹脂であることと、中空成形体そのものを加熱すれば中空成形体内で発泡して、中空成形体に熱ラミネートできるものであるから、中空成形体内にスチームピンを挿入しなくても良く、中空成形体の厚さ方向の寸法は、スチームピンの挿入代が不要な分、板状の予備発泡樹脂の挿入可能且つ所望の発泡倍率分だけの厚さで良いことになり、従来より薄くできる。
請求項2に記載の発明によれば、中空成形体内に挿入するのは、板状の予備発泡樹脂であるので、該板状の予備発泡樹脂を発泡させるには、中空成形体そのものを加熱するだけでよい。中空成形体内にスチームピンを挿入しなくても良い分、中空成形体の厚さ方向の寸法は、スチームピンの挿入代が不要となり、従来より薄くできる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の効果に加え、発泡金型内に挿入した加熱された前記中空成形体の端部の形状が、該端部に挿入したエアーピンにより吹き込まれた空気により、前記中空成形体の非発泡性パリソンを金型の内面に圧接することにより、金型の内面の形状に沿わせて形成してなるので、所望の端部形状が確実に形成でき、見栄えが著しく向上する。
スチームピンを中空成形体内に挿入しなくても中空成形体内での発泡を可能にした車両用デッキボード及びその成形方法を提供する目的を、非発泡性パリソンにより形成されてなる中空成形体と、該中空成形体内に挿入後加熱されることで前記中空成形体に熱ラミネートされてなる板状の予備発泡樹脂とより少なくとも構成されてなることで、実現した。
以下、本発明の最良の実施例を図1〜図3に基づいて説明する。この実施例の車両用デッキボード1は、自動車2のラゲッジルーム3の床4に配されるもので、ラゲッジルーム3の床4の前後左右を覆うと共に、前後の途中に形成されるヒンジ部5により前パネル6,後パネル7の何れかが折畳み自在である。図1に示す二点鎖線は、後パネル7を持ち上げて、床4の下側の荷室8内の荷物の出し入れを可能とした状態を示す図である。尚、符号9は、ラゲッジルーム3の前壁である後席である。符号10は、ラゲッジルーム3の後壁であるバックドアである。符号11は、ラゲッジルーム3の上壁であるルーフパネルである。
この車両用デッキボード1の前パネル6,後パネル7は、フィラー強化ポリプロピレンとフィラー強化ポリエチレンとの複合材による板厚1.1ミリの非発泡性パリソン12a及び12bにより形成されてなる上下幅が15ミリの中空成形体12と、該中空成形体12内に挿入後加熱されることで前記中空成形体12に熱ラミネートされてなるポリプロピレン製の板状の予備発泡樹脂13と、前記中空成形体12の非発泡性パリソン12a及び12bを溶融することにより形成されてなる前記ヒンジ部5と、ラゲッジルーム3側の非発泡性パリソン12a上を覆う不織布よりなる表皮14とより構成されてなる。非発泡性パリソン12a及び12bの外周のカットは、成形と同時である。符号12cは、非発泡性パリソン12a及び12bの端部19に形成した段部で、前記表皮14の端部14aが該段部12c内に納められて、端部14aに作業中の乗員が触れるなどして、該端部14aがめくれることがないだけの深さに形成されてなる。
前記ヒンジ部5は、ラゲッジルーム3側の平滑に形成された非発泡性パリソン12aの一部に形成した凹部15を中心に前後(図1乃至図3の左右方向)に形成されるもので、前記荷室8側の非発泡性パリソン12bの前記凹部15を中心に前後に離れた第2凹部16、16と、前記凹部15の裏面側に対応する凸部17とにより形成されてなり、該凸部17の麓に相当する位置に前記ラゲッジルーム3側の非発泡性パリソン12aと同じ板厚となる溝部18,18とにより形成されてなる。
次に、車両用デッキボード1の成形方法について、説明する。
図示しないブロー成形用金型内で、図示しないブローピンにより空気を吹き込んで非発泡性パリソン12a,12bをブロー成形して中空成形体12となし、該中空成形体12内に板状の予備発泡樹脂13(図2及び図3に示す符号13は発泡後の発泡樹脂であり、挿入時は更に薄いが、同一符号を用いた。)を挿入した後、加熱することで、板状の予備発泡樹脂13を15倍まで発泡させてなる。
また、図示しない発泡金型内に挿入した加熱された前記中空成形体12の端部19に、注射針のような細管である図示しないエアーピンを挿入して、該エアーピンにより空気21を吹き込んで、前記中空成形体12の非発泡性パリソン12a,12bを金型の内面に圧接することにより、金型の内面の形状に沿わせて形成してなる。この空気21による端部19の内部の圧力が高まることにより、非発泡性パリソン12a,12bの端部19内へのへたりが防止でき、平滑化するし、自動車2内の温度が上昇した際のへたりにも耐え得ることになる。
前記ヒンジ部5は、上側に重い荷物などを載せても耐えられるように、第2凹部16,16周りの端部19,19に断面H状をなし且つアルミニュウム製のリンフォース20,20を挿入してある。
従って、この実施例によれば、中空成形体12内に挿入するのは、板状の予備発泡樹脂13であることと、中空成形体12そのものを加熱すれば中空成形体12内で発泡して、中空成形体12に熱ラミネートできるものであるから、中空成形体12内にスチームピンを挿入しなくても良く、中空成形体12の厚さ方向の寸法は、スチームピンの挿入代が不要な分、板状の予備発泡樹脂13の挿入可能且つ所望の発泡倍率分だけの厚さで良いことになり、従来より薄くできる。
また、かかる成形方法によるから、中空成形体12内に挿入するのは、板状の予備発泡樹脂13であるので、該板状の予備発泡樹脂13を発泡させるには、中空成形体12そのものを加熱するだけでよい。中空成形体12内にスチームピンを挿入しなくても良い分、中空成形体12の厚さ方向の寸法は、スチームピンの挿入代が不要となり、従来より薄くできる。
発泡金型内に挿入した加熱された前記中空成形体12の端部19の形状が、該端部19に挿入したエアーピンにより吹き込まれた空気21により、前記中空成形体12の非発泡性パリソン12a,12bを金型の内面に圧接することにより、金型の内面の形状に沿わせて形成してなるので、所望の端部21形状が確実に形成でき、見栄えが著しく向上する。
リンフォース20を内蔵したことにより中空成形体12上に重たい荷物を載せても十分耐え得ることになる。
尚、以上の説明では、表皮14の材料としては、不織布を例にしたが、これに限定されず、その他のオレフィン系樹脂、プラスチック製段ボール、ハードボードなどを用いることもできる。また、荷室8側の非発泡性パリソン12bには、着色層積層基材又はオレフィンシートを配することで、リバーシブル仕様とすることができる。また、リンフォース20の断面がH状に限定されず、真円、楕円、四角形などでも良い。
また、予備発泡樹脂13の発泡倍率は、15倍を例にしたが、これに限定されず、20倍でも良い。また、非発泡性パリソン12a及び12bの板厚は、1.1ミリを例にしたが、これに限定されず、1.3ミリでも良い。また、中空成形体12の上下幅は、15ミリを例にしたが、これに限定されず、10ミリから25ミリのものでも良い。
1 車両用デッキボード
2 自動車
3 ラゲッジルーム
4 床
5 ヒンジ部
6 前パネル
7 後パネル
12 中空成形体
12a及び12b 非発泡性パリソン
13 板状の予備発泡樹脂
14 表皮
19 中空成形体の端部
2 自動車
3 ラゲッジルーム
4 床
5 ヒンジ部
6 前パネル
7 後パネル
12 中空成形体
12a及び12b 非発泡性パリソン
13 板状の予備発泡樹脂
14 表皮
19 中空成形体の端部
Claims (3)
- 非発泡性パリソンにより形成されてなる中空成形体と、該中空成形体内に挿入後加熱されることで前記中空成形体に熱ラミネートされてなる板状の予備発泡樹脂とより少なくとも構成されてなることを特徴とする車両用デッキボード。
- ブロー成形用金型内で、ブローピンにより空気を吹き込んで非発泡性パリソンをブロー成形して中空成形体となし、該中空成形体内に板状の予備発泡樹脂を挿入した後、加熱することで、板状の予備発泡樹脂を発泡させてなることを特徴とする車両用デッキボードの成形方法。
- 請求項2に記載の車両用デッキボードの成形方法であって、
発泡金型内に挿入した加熱された前記中空成形体の端部にエアーピンを挿入して、該エアーピンにより空気を吹き込んで、前記中空成形体の非発泡性パリソンを金型の内面に圧接することにより、金型の内面の形状に沿わせて形成してなることを特徴とする車両用デッキボードの成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005315420A JP2007118837A (ja) | 2005-10-28 | 2005-10-28 | 車両用デッキボード及びその成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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ID=38143135
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---|---|---|---|---|
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-
2005
- 2005-10-28 JP JP2005315420A patent/JP2007118837A/ja active Pending
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