JP2007118452A - リテーナ及びインクリボンユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】コアの径が小さくなった場合でも安定した装着感を得て、かつ衝撃を受けた場合には、コアの端部を保護し、インクシートの巻きずれを防止することにある。
【解決手段】リテーナ1は、カバー部2における装着部(ギアG)が挿入される側の径を、該装着部の径より小さくし、装着部の挿入方向と平行な切欠部4を、該カバー部2及び固定部3の周方向に連続的に形成した。
【効果】コアCの筒状内を付勢するのではなく、コアCにおける装着部を外周側から付勢するので、コアCの径が細くなっても装着部をカバー部2内に挿入しやすいと共に十分な付勢力でもって抜けにくくできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクシートを巻装したり巻き取る際に用いられるコアの径が例え細くなった場合であっても、装着しやすいと共に抜けにくく、さらに、衝撃を受けた際に、確実にコアの端部を保護し、かつインクシートの巻きずれを防止することができるリテーナ及びインクリボンユニットに関する。
例えばサーマルプリンタやファクシミリなど(以下、「装置」という)で用いられる感熱型のインクシートは、長尺状とされ、製造及び出荷時に筒状の送出コアに巻き取られて使用時に送出コアから巻取コアに巻き取られる。以下、これら送出コアと巻取コアのいずれか一方又は両方を示すときは「コア」と称す。また、コアの一方又は両方の、両端又は一端には、装置側において駆動力を伝達するためのギアと噛合するギアが設けられている。以下、このような構成を有したものを「インクリボンユニット」ということとする。
インクシートはコアの軸方向の中央部に巻装されるのであるが、コアにギアを有する構成の場合であって、例えばインクリボンユニットを装置側に取り付ける作業中や搬送途中に衝撃を受けると、インクシートが中央部の巻装位置からギアの位置する部位まで巻きずれが生じるという不具合や、ギアが衝撃を受けて損傷してしまうという不具合を生じる。
上記不具合が発生すると、装置側における使用時のトラブルの原因となるのは言うまでもないが、インクシートが中央部からずれてギアを設けた部分にはみ出してしまったり、該ギアが損傷した場合は、該ギアと装置側のギアとを噛合できなくなる。
こうした不具合を解消するために、例えば以下の特許文献1,2のように、送出コアや巻取コアにおけるギア部分を保護すると共にインクシートの巻装端面を中央部で位置決めするための治具(以下、リテーナという)が提案されている。
特開2001−261242号公報 特開2005−82275号公報
上記特許文献1,2のリテーナはいずれも、ギアの周面及び端面を覆うための蓋部と、インクシートが巻装された端面に当接させるために蓋部の開放側の端縁部から拡径状に形成された当接部と、蓋部をコア(ギア)に取り付けて容易に抜けないようにするために蓋部の内底面中央部から延設され、かつコアの筒状内に挿入された状態で該筒状内周面を付勢する取付部と、を備えている。
また、特許文献2には、コア(ギア)の外周に嵌合させる蓋部を有する構成とされたリテーナも記載されている。
特許文献1,2のリテーナはいずれも樹脂成型品が前提とされ、かつ実際においても樹脂成型で製作されることが予測されるが、この場合、離型後に樹脂が冷却収縮すると、収縮後の位置や形が内部応力により僅かながら変化する。
そのような樹脂の内部応力による収縮時の僅かな形状や位置の変化までを予めコントロールすることは極めて困難である。特に特許文献2に記載されているコアの外周に嵌入する蓋部を有したリテーナは、樹脂の内部応力による形状の変化により、コアから蓋部が外れやすいとか嵌めにくいなどといった完成製品の品質のばらつきが発生する。
一方、昨今では、装置の小型化に伴って、インクリボンユニットを小型にする要請があり、また、少しでもインクシートを長く巻装できるように、コアを縮径する傾向がある。このとき、上記特許文献1,2の取付部をコアの筒状内に挿入する構成のリテーナでは以下の問題が発生する。
特許文献1,2の取付部をコアの筒状内に挿入する構成のリテーナは、いずれも取付部を弾性変形により縮径してコアの筒状内に挿入し、挿入後に取付部が弾性復元により拡径してコアの筒状内周面を付勢する原理によって容易に抜けないように構成されている。コアが縮径されると当然に前記コアの筒状内径も小さくなるから、これに伴って取付部も筒状内に挿入できるように細くしなければならない。
そのように取付部を細くすると、取付部の軸方向と直交する方向からの力に対する強度が著しく低下するから、衝撃で該取付部が変形してしまうことがある。取付部が変形してしまうと付勢力は得られないからリテーナは簡単にコアから外れてしまう。
また、取付部を細くして上記強度が低下することにより、弾性復元力が得られにくくなり、すなわち挿入時に縮径させた後に拡径するように復元せず、この場合も付勢力は得られないからリテーナは簡単にコアから外れてしまう。
取付部を細くして上記強度が低下する点を解消しようとして、取付部の上記強度を高くした場合は、上記した弾性復元力が得られなくなるのとは反対に弾性変形させにくくなり、すなわち挿入時に縮径させにくくなり、この場合はリテーナをコアに取り付けにくくなってしまう。
また、径が小さくなる傾向にあるコアの筒状内において、縮径状態で挿入し、かつ挿入後に弾性復元力で拡径して付勢力を発揮する特許文献1,2の取付部は、内部応力による収縮後の位置や形の僅かな変化によって、コアに取り付けにくくなったり、コアから容易に外れたり、といったように完成製品の品質にばらつきが生じる。取付部の弾性変形できる領域が小さくなることにより、内部応力による取付部の変形を許容できる範囲が小さくなるためである。
以上のことから、特にコアの径が細くなると、取付部をコアの筒状内に挿入する構成、コアの外周に蓋部を嵌入する構成、いずれにおいても内部応力による僅かな形状や位置の変化が如実に品質のばらつきに現れるのである。そして、樹脂成型品の内部応力による形状や位置の変化を成型後に亘ってコントロールすることは事実上不可能である。
本発明が解決しようとする問題点は、コアの筒状内を付勢して取り付けるリテーナでは径が小さくなった場合に強度不足となって変形したり、また、弾性変形及び弾性復元が困難となって取り付けにくくなったり、容易に外れたりする点、及び樹脂成型品の場合は特に内部応力による樹脂の収縮後の位置や形の僅かな変化によって完成製品の品質にばらつきが生じる点、を解消することにある。
上記した課題を解決するために、本発明のリテーナは、コアにおける装着部が挿入されるカバー部と、このカバー部の装着部が挿入される側の端縁部から拡径状に形成された固定部とを備え、カバー部の装着部が挿入される側の径を、該装着部の径より小さくし、さらに、装着部の挿入方向と平行な切欠部を、カバー部及び固定部の周方向に連続的に形成したのである。
また、本発明のリテーナは、上記構成において、カバー部における端縁部に、装着部が挿入される側へと拡径する斜面又は曲面を形成してもよく、さらに、カバー部における装着部の側周面を囲う部位の内周面に、該装着部の挿入方向と平行のリブを形成してもよく、また、カバー部における装着部が挿入される側とは反対の端部の内面に、該装着部の孔に嵌入する嵌入部を形成してもよい。
さらに、本発明のインクリボンユニットは、インクシートを巻装した送出コア、該インクシートを巻き取る巻取コア、の一方又は両方の一端部又は両端部に形成された装着部を備え、この装着部に上記のいずれかのリテーナを装着したものである。
本発明に係るリテーナは、コアの筒状内を付勢するのではなく、コアにおける装着部を外周側から付勢するので、コアの径が細くなっても十分な付勢力を得ることができる。すなわち、本発明に係るリテーナは、装着部が挿入される側が該装着部の径より小さくされたカバー部を切欠部により拡径するように弾性変形させて、該カバー内に装着部を挿入する。
そして、カバー内に装着部が挿入されると、弾性復元によりカバー部が装着部を外周から付勢する。このことから、本発明に係るリテーナは、コアの径の影響を全く受けず、かつコアの径の影響を受けないから、樹脂製における内部応力による位置や形状の僅かな変化及び寸法誤差に起因した、装着部を挿入しやすいとか挿入しにくいとかという品質精度上のばらつきが生じない。
また、本発明に係るリテーナは、上記構成において、カバー部における端縁部に、装着部が挿入される側へと拡径する斜面又は曲面を形成した場合は、装着部をカバー内に挿入しやすくなる。また、本発明に係るリテーナは、カバー部における装着部の側周面を囲う部位の内周面に、該装着部の挿入方向と平行のリブを形成した場合、及びカバー部における装着部が挿入される側とは反対の端部の内面に、該装着部の孔に嵌入する嵌入部を形成した場合は、装着部をカバー部内で安定させることができる。
さらに、本発明に係るインクリボンユニットは、上記した本発明に係るリテーナを装着することで、衝撃を受けても、確実に装着部が保護されると共に、インクシートの巻き端面にずれが生じることを防止できる。さらに、本発明に係るインクリボンユニットは、リテーナからの設計の制約を受けることなく自由にコア(や装着部)の径を細くすることができる。
本発明は、図1〜図6に示す各形態で実施可能である。本発明のリテーナ1を装着した本発明のインクリボンユニットRは、図1に示すように、コアCにインクシートSが巻装され(図示するコアCは送出コア)、コアCの端部にギアGが形成されている。
なお、コアCについては、特に必要とならない限り、送出コア、巻取コアの一方又は両方を意味し、かつギアGはコアCの一端又は両端に設けられているものとする。本例では、図示しないが、インクシートSを製造出荷時に巻装し、使用時に巻取コアへと送り出す送出コアCにおける軸方向の両端にギアGを形成した例で説明する。
また、本例では、ギアGがコアCから軸方向に突出し、ここにリテーナ1を装着することから、ギアGが特許請求の範囲に記載する「装着部」に相当する。つまり、本発明において、リテーナ1が装着されるのは装着部であり、ギアGに限定されるわけではない。
図1及び図2において、リテーナ1は、ギアGが挿入されるカバー部2が形成され、このカバー部2においてギアGが挿入される側の端縁部から拡径して固定部3が形成されている。また、リテーナ1は、弾性変形及び弾性復元し得る素材、本例では樹脂製とされており、全体の厚みは樹脂の弾性変形及び弾性復元を阻害しない程度とされている。
カバー部2は、ギアGが挿入される側(以下、挿入側という)の径が該ギアGの外径よりも小さくされている。つまり、カバー部2の断面は、極端に示すと図6(b)のように構成されている。カバー部2における挿入側の径を、ギアGの外径よりも小さくする理由は、次の通りである。
例えば図6(a)のように、カバー部2における挿入側から、カバー部2においてギアGが挿入される側とは反対の端部の内面(以下、内底面という)まで、の内径をギアGの外径と略同一とすると、カバー部2の内周面との接触面積が小さいギアGが簡単に抜けてしまう。したがって、カバー部2は、ギアGから外れにくくするために、ギアGの外周を付勢すべく挿入側の経をギアGの外径より若干小さくしたのである。
また、固定部3は、インクシートSの巻き径と同じ径であればよいが、望ましくは、インクシートSの巻き径より若干大きい径とすればよい。このようにすることで、次の効果が得られる。すなわち、固定部3の主目的は、衝撃により、インクシートSのコアCにおける巻き位置がずれないようにすることである。
例えばインクリボンユニットRを平面載置したとき、固定部3がインクシートSの巻き径と同じ径であると、載置面と(未使用の)巻装されたインクシートSの最外周が接触してインクシートSに疵を付けたり、載置面を汚す可能性がある。
このとき、固定部3の径をインクシートSの巻き径より若干大きい径としておけば、コアCの両端部における固定部3の周面が載置面に接触するから、(未使用の)巻装されたインクシートSの最外周が保護されることとなり、前記したようにインクシートSに疵を付けたり、載置面を汚すようなことが防止できる。
また、リテーナ1は、カバー部2及び固定部3の周方向の図1では4箇所、図2では3箇所に、ギアGの挿入方向(図1における矢印方向)と平行なスリット状の切欠部4を形成している。この切欠部4は、本例では、カバー部2における内底面から、ギアGの側周面を囲う部位を介して固定部3の外周縁に亘って形成している。
切欠部4を要する理由は次の通りである。上記したようにカバー部2は、図6(b)に示した通り、挿入側が若干ギアGの外径より小さくされている。よって、切欠部4が存在しないと、ギアGにリテーナ1を装着できない可能性がある。したがってリテーナ1を弾性変形できるように切欠部4を形成したのである。
また、切欠部4を形成しておくことで、極端には図6(b)に示すようにカバー部2を形成しておくことも可能となる。例えば図6(b)に示す程度に挿入側の径を小さくした場合、カバー部2の挿入側を弾性変形により拡径してギアGを挿入した後、弾性復元により縮径しようとしてカバー部2から大きな付勢力をギアGの外周に与えることになる。つまり図6(b)の程度に挿入側の径を小さくすれば、リテーナ1はギアGから容易に外れることがないのである。
また、切欠部4を設けることにより、カバー部2における内底面の内径がギアGの外径より大きく、かつカバー部2の挿入側の径がギアGの外径より小さい、という条件を満たせば、付勢力の若干の高低が生じるが多少の寸法誤差や、樹脂の内部応力による形状や位置の誤差を許容できるようになり、1サイズのリテーナ1で幅広い外径サイズのギアGに利用できることになる。
一方、特許文献1,2の取付部をコア(ギア)の筒状内に挿入する構成のリテーナでは、コアの径が小さくなると必然的に取付部の弾性変形できる領域がなくなる方向になるため、また、特許文献2のコア(ギア)の外周に嵌合させる蓋部を有する構成とされたリテーナでは、そもそもほとんど弾性変形しないため、どちらも本発明の構成に基づく効果を得ることはできない。
図3に示すリテーナ1は、上記した図1及び図2に示した構成において、カバー部2における挿入側の端縁部に、該挿入側へと拡径する斜面2Aを形成している。例えば図6(b)に示したようにカバー部2の挿入側が極端にギアGの外径より小さいとき、ギアGをカバー部2内へ挿入しにくい可能性がある。このとき、斜面2Aが形成されていることにより、ギアGをカバー部2内へ導きやすくなる。
ここで、斜面2Aは、カバー部2における挿入側の端縁部に形成するのであって、カバー部2内周面にはおよばないことが条件である。この理由は、カバー部2の内周面に斜面2Aが形成されると、ギアGが抜けやすくなる可能性が生じるからである。
なお、図3では、斜面2Aを示したが、ここを曲面としても構わないが、好ましくは斜面2Aの方がよい。その理由は、曲面であると、ギアGをカバー部2内へ導きやすい効果が若干低下するからである。
図4(a)(b)に示すリテーナ1は、例えば、本例では上記した図3に示した構成において、カバー部2におけるギアGの側周面を囲う部位の内周面に、ギアGの挿入方向と平行のリブ2Bを(図4においては3箇所に)形成している。図4(a)に示すリブ2Bは、カバー部2の内底面から挿入側までに、図4(b)に示すリブ2Bは、カバー部2の内底面から挿入側に至る途中部位までに、各々形成されている。
リブ2Bを設けた理由は次の通りである。本例の場合、カバー部2内へはギアGが挿入されるが、カバー部2内周面に接触するのはギアGの歯頂部であり、接触面積が限られている。したがって、ギアGの歯谷部にリブ2Bが位置して接触することで、摩擦力によってリテーナ1がギアGから抜けにくくなる。
また、リブ2Bにより、ギアGに装着したリテーナ1がギアGとは別個に回転することがなくなり、安定した状態で装着しておけるという利点もある。リブ2Bは、図示するように、挿入側から内底面へ向けて縮径するように斜面2Baが形成されている。この斜面2Baにより、ギアGがカバー部2内で引っかかることが防止でき、したがってギアGがカバー部2内へ挿入しやすくなる。
図4(a)と図4(b)のリブ2Bの差について説明する。図4(a)のリブ2Bの方が、図4(b)のリブ2Bに較べてギアGをカバー部2内へ挿入しやすい。その理由は、図4(a)のリブ2Bはカバー部2の挿入側から内底面へと斜面2BaによりギアGを導くことができるからである。
図5に示すリテーナ1は、本例では、例えば上記した図3に示す構成において、カバー部2における内底面に、ギアGの孔Ga(図1参照)に嵌入する嵌入部2Cが形成されている。この嵌入部2Cは、孔Gaに嵌入されることで、ギアGを確実に安定させるためのものである。
例えば、上記したように本発明のリテーナ1は、その効果の一つとして、1サイズのもので、異なる外径のギアGに装着できることを記した。このとき、ギアGにおけるカバー部2の挿入側は付勢力を受けて把持されることになるが、極端な場合はギアGの内底面側では該ギアGの側周面とカバー部2の内周面とが接触しないことも考えられる。
こうした事態を想定して、孔Gaに嵌入部2Cを嵌入させる構成とすれば、ギアGの側周面とカバー部2の内周面とが接触しない場合であっても、該ギアGをがたつくことなく安定した状態とすることができる。
また、本発明のインクリボンユニットRは、以上説明したリテーナ1をギアG(装着部)に装着したものであるから、リテーナ1の上記作用効果を得て、衝撃を受けても、確実にギアGを保護できると共に、インクシートSの巻き端面にずれが生じることがない。
さらに、インクリボンユニットRは、リテーナ1がコアCの径に左右されることがなく確実に上記効果を奏するから、リテーナ1の設計の制約を受けることなく自由にコアCの径を細くすることができる。
以下、本発明の効果を確認するために行った実験と結果について説明する。
実験1(装着テスト)は、外径10mmのギアGを有する内径3mmのコアCに、図1及び図2に示した構成の本発明のリテーナ1(実施例1)と、特許文献2に示されたギアGの外周に蓋部を嵌入させる構成のリテーナ(比較例1)と、特許文献1,2に示された取付部をコアの内部に挿入する構成のリテーナ(比較例2)とを、無作為に各々100個用意して、それぞれ装着したときの、装着感について判断した。
実験2(落下テスト)は、外径10mmのギアGを有する内径3mmのコアCに対して、図1及び図2に示した構成の本発明のリテーナ1を装着したインクリボンユニット(実施例2)と、比較例1のリテーナを装着したインクリボンユニット(比較例3)と、比較例2のリテーナを装着したインクリボンユニット(比較例4)を、無作為に各々100個用意して、それぞれ高さ1mから6面落下させたときの、各リテーナの状態について判断した。
(実験1:装着テスト)
実施例1は、100個とも容易に装着でき、かつインクリボンユニットを下に向けても抜けるものがなかった。一方、比較例1は10個は装着できない又は著しく装着しにくいものがあり、また、15個についてはまったくコアの外周を付勢してないためにインクリボンユニットを下に向けると抜けてしまうものがあった。比較例2は、著しく装着しにくいものが3個及びインクリボンユニットを下に向けると抜けてしまうものが2個あった。
(実験2:落下テスト)
実施例2は、100個ともリテーナが抜けることなかったので、インクシートSの巻き位置にずれは見られないと共にギアGに損傷は見られなかった。一方、比較例3は、25個についてリテーナが抜けてインクシートSの巻き位置がずれた。この現象は、コアの外周を適切にリテーナの蓋部が付勢していなかったためと思われる。比較例4は、16個についてリテーナが抜けた。この現象は、リテーナの取付部が折れたり、弾性復元しない状態に曲がってしまったため、コアの内周を適切にリテーナの取付部が付勢しなかったためと思われる。
以上のことから、本発明に係るリテーナ及びこれを装着したインクリボンユニットは、従来のものに較べて、例えコアCの径やギアGの径が細くなった場合であっても確実に機能することが判明した。
上記した図4及び図5は、特に図3の構成に採用した例で説明したが、図1及び図2に採用しても互いの効果を阻害することなく各々の効果を得ることができる。また、図1及び図2に示した構成に図3、図4、及び図5の構成を選択的に1又は2以上付加しても、互いの効果を阻害することなく各々の効果を得ることができる。
また、本発明のリテーナ1は、切欠部4の数や、カバー部2の内底面に至るまでの距離を、上記に限らず、必要とする付勢力(弾性変形や弾性復元)に応じて適宜調整して設けてもよい。
本発明のリテーナ及び本発明のインクリボンユニットを示す図である。 本発明のリテーナを示す図である。 斜面を形成した本発明のリテーナを示す図である。 (a)(b)はリブを形成した本発明のリテーナを示す図である。 嵌入部を形成した本発明のリテーナを示す図である。 (a)(b)は本発明のリテーナにおけるカバー部の断面を示す図である。
符号の説明
1 リテーナ
2 カバー部
2A 斜面
2B リブ
2Ba 斜面
2C 嵌入部
3 固定部
4 切欠部
C コア
G ギア
Ga 孔
S インクシート
R インクリボンユニット

Claims (5)

  1. インクシートを巻装した送出コア、該インクシートを巻き取る巻取コア、の一方又は両方の一端部又は両端部の装着部を挿入して使用するリテーナにおいて、前記装着部が挿入されるカバー部と、このカバー部の前記装着部が挿入される側の端縁部から拡径状に形成された固定部とを備え、前記カバー部の前記装着部が挿入される側の径を、該装着部の径より小さくし、さらに、前記装着部の挿入方向と平行な切欠部を、前記カバー部及び前記固定部の周方向に連続的に形成したことを特徴とするリテーナ。
  2. カバー部における端縁部に、装着部が挿入される側へと拡径する斜面又は曲面を形成したことを特徴とする請求項1記載のリテーナ。
  3. カバー部における装着部の側周面を囲う部位の内周面に、該装着部の挿入方向と平行のリブを形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のリテーナ。
  4. カバー部における装着部が挿入される側とは反対の端部の内面に、該装着部の孔に嵌入する嵌入部を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリテーナ。
  5. インクシートを巻装した送出コア、該インクシートを巻き取る巻取コア、の一方又は両方の一端部又は両端部に形成された装着部を備え、この装着部に請求項1〜4のいずれかのリテーナを装着したことを特徴とするインクリボンユニット。
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