JP2007117912A - 緊急浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、呼び水と必要とする自吸式ポンプを用いて、速やかに水質が改善された水を供給できる緊急浄化装置を提供する。
【解決手段】本発明の緊急浄化装置は、原水取水用のポンプとして、呼び水が必要な自吸式ポンプ2を採用して、取水距離が十分に確保されるようにした。また手動ポンプ40の手動操作により、原水を自吸式ポンプ2の内部へ呼び水として供給して、入手が困難な現地で、容易、かつ迅速に自吸式ポンプ2の呼び水が確保されるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、緊急時の飲用水や生活水などの確保に用いられる緊急浄化装置に関する。
地震、水害、台風等の災害時における、被災者や避難者に対する飲用水や生活水を確保する装置として、貯水槽、池、水質に難点の有る井戸など水源地の水を飲用水に適した水質にまで浄化させる緊急浄化装置がある。
こうした緊急浄化装置は、災害時など緊急な状況下で使用されるため、特に簡便な取り扱い性が求められる。
そこで、従来、緊急浄化装置には、取水ポンプとして、自吸が不要な容積式ポンプ、多くはゴム製のベーンを採用したラバーベーンポンプを用い、同ポンプの吐出側に水質を浄化する水質浄化機器を接続した構造を用いて、自吸に要する作業をできるだけ省いて、迅速に取水できるようにすることが行なわれている。すなわち容積式ポンプは、ラバーベーンなど羽根車の一部を相手部材に接触させてシールし、この状態で羽根車を回して容積を変化させる構造である。この構造から、容積式ポンプは、運転さえ始めれば、ラバーベーンが相手部材と摺接し続けながらドライ回転して、当初、ポンプ吸込部から延びる吸込管内の空気を排出するという自吸運転が行なわれ、ポンプ内部が水で満たされるにしたがい、水を汲み上げる揚水運転に代わる。
ところで、ラバーベーンポンプのような容積式ポンプが行なう自吸は、ラバーベーンが相手部材と摺接し続けるドライ運転なので、ラバーベーンなどの部品は、かなりの負担が強いられる。そのため、ラバーベーンポンプのような容積式ポンプの自吸揚程は、摩擦熱によりゴムが溶けるなど耐久性の点から、自吸式の渦巻きポンプやカスケードポンプなど遠心式ポンプに比べ、かなり低い。例えば自吸式井戸ポンプ(渦巻きポンプやカスケードポンプ)の自吸揚程は、8m程度であるが、ラバーベーンポンプになると、4m程度である。
緊急浄化装置の取水距離は、この自吸揚程によって制限を受ける。このため、ラバーベーンポンプなど容積ポンプを採用している緊急浄化装置の場合、取水場所によっては、満足な取水が行なえないおそれがある。
そこで、ラバーベーンポンプの代わりに、自吸性能が優れた(自吸揚程:高)自吸式の渦巻きポンプやカスケードポンプ(自吸式井戸ポンプ)を用いることが考えられる。
こうした自吸式の渦巻きポンプやカスケードポンプなど自吸式ポンプは、容積式ポンプとは異なり、ポンプ運転に先立ち、ポンプ内部を呼び水で満たしておかないと、自吸運転、すなわちポンプ自身の運転で、該ポンプの吸込部から延びる吸込管から空気を排出する運転が行なえない。
ところが、緊急浄化装置が用いられる災害発生場所の多くは、水道が復旧せず、飲用水や雑用水などの入手が困難となっている場所なので、呼び水といえども調達は難しい。このため、呼び水と必要とする自吸式ポンプを用いた緊急浄化装置は、現在、製品として無い事情にある。
そこで、本発明の目的は、呼び水と必要とする自吸式ポンプを用いて、速やかに水質が改善された水を供給できる緊急浄化装置を提供する。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、緊急浄化装置には、呼び水が必要な原水取水用の自吸式ポンプと、自吸式ポンプの呼び水が確保できない運転開始時の際、手動ポンプの手動操作で原水を取水し自吸式ポンプへ呼び水として供給する呼び水供給手段とを採用した。
請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、既存の部品を流用した簡単な構造で呼び水がポンプ内部に供給されるよう、自吸式ポンプには、吸込み側に逆流防止用の逆止弁を有した構造を用い、呼び水供給手段には、手動ポンプの吸込部が逆止弁の一次側に接続され、手動ポンプの吐出部が自吸式ポンプの吐出側に接続された構造を用いて、手動ポンプの手動操作により、原水を自吸ポンプの吐出側からポンプ内部へ注入させて、該ポンプ内部を原水で満たされるようにした。
請求項3に記載の発明は、簡単な構造で呼び水がポンプ内部に供給されるよう、呼び水供給手段には、手動ポンプの吸込部が自吸式ポンプの吐出部から出水部までの経路の一部に接続され、手動ポンプの吐出部が経路外に開口させて、手動ポンプの手動操作により、原水を自吸ポンプの吸込側からポンプ内部へ注入させて、該ポンプ内部を原水で満たされるようにした。
請求項4に記載の発明は、同じく、水質浄化機器は、自吸式ポンプの吐出部から出水部間に、順に直列に接続された、浄水器、滅菌器、マイクロろ過装置を有した構成とし、呼び水供給手段には、手動ポンプの吸込部が浄水器の二次側に接続され、手動ポンプの吐出部が当該浄水器の二次側から分岐した流出部にさせた構成として、さらに、手動ポンプの手動操作により、浄水器を通過した後の処理水を雑用水として用いられるようにした。
請求項5に記載の発明は、上記目的に加え、最も飲用水や生活水などの供給に適するよう、自吸式ポンプには、自吸式の渦巻きポンプもしくはカスケードポンプを用いた。
請求項1に記載の発明によれば、自吸式ポンプの採用により、取水距離の制限を受けずにすむ。しかも、自吸式ポンプの運転開始時の際、別途、呼び水が確保できなくとも、手動ポンプの手動操作だけで、現地で、容易に自吸式ポンプの呼び水を調達ならびに補給することができ、呼び水と必要とする自吸式ポンプで迅速に対応できる。
それ故、緊急浄化装置は、自吸式ポンプの利点、すなわち取水距離の制限を受けないという利点を活かして、どのような場所や状況でも、速やかに被災者や避難者などへ、水質が改善された水を供給することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ポンプ吸込み側に組み付く逆止弁以外は不要な構造で、自吸式ポンプの内部に呼び水を与えることができ、部品点数の削減化、コスト的の軽減化が図れ、簡単な構造、さらには低コストで、緊急浄化装置の性能の向上を図ることができる。
請求項3、請求項4に記載の発明によれば、簡単な手動ポンプの設置により、自吸式ポンプの内部に呼び水を与えることができる。特に浄水器の二次側に手動ポンプの吸込部を接続する構造だと、手動ポンプは、呼び水の確保だけでなく、雑用水の確保にも利用できる。
請求項5に記載の発明によれば、十分に取水距離が確保でき、飲用水や雑用水などの供給に好適である。
[第1の実施形態]
以下、本発明を図1〜図3に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1は、例えば災害発生場所に緊急浄化装置1を据え付けて、水源地、例えば水質に難点の有る井戸Wから、飲用水や雑用水を確保しようとする状態を示している。
緊急浄化装置1は、例えば枠線Aで囲まれる部分の各機器をベース(図示しない)や台車(図示しない)に搭載して、可搬可能としたユニットである。緊急浄化装置1について説明すると、2は、運転開始時に呼び水が必要な原水取水用の自吸式ポンプ、例えば自吸式の渦巻きポンプ2aで構成された自吸式井戸ポンプを示し、3は、同ポンプ2の吐出側に接続された浄化回路、4は、同ポンプ2へ呼び水を供給するための呼び水供給機構部(本願の呼び水供給手段に相当)を示している。
このうち自吸式井戸ポンプ2(渦巻きポンプ)のポンプ部2bは、例えば、羽根車5を回転自在に収めた渦巻き形状のポンプ室6、ポンプ室4の前面側に分離用の仕切り部5を隔てて形成された戻り室8、仕切り部5の下部側に形成された再流入口9、ポンプ室4および戻り室8の上方に形成された分離室10を有している。戻り室8の前面には、羽根車5の中央の吸込部5aと連通する吸込室11が形成してある。この吸込み室11の前面上部には、吸込口部12が設けられ、分離室10の上部には、吐出口部13が設けられていて、運転開始に先立ち、羽根車5が浸るまで、ポンプ内部を水で満たしてから、羽根車5を回転させると、自吸が行なえる構造にしてある。すなわち、自吸は、羽根車5の回転により水と空気とを混合させる泡立作用、分離室10で空気を分離する分離作用、水だけをポンプ室6へ戻す戻し作用により行なわれる。また吸込口部12には、逆流防止用の逆止弁14が内蔵されていて、ポンプ内部の水がポンプ外へ逆流しない構造としてある。羽根車5には、駆動源として例えば電動モータ16が接続され、与えられる電力により、電動モータ16を励磁すると、自吸や揚水が行なわれるようにしてある(電動モータ駆動式)。なお、17aは、例えば分離室10の上部に形成された呼び水投入口、17bは、同呼び水投入口17aを開閉するキャップを示す。
この自吸式井戸ポンプ2(渦巻きポンプ)の吸込部12が、接続管18を介して、緊急浄化装置1の原水用の流入部1aに接続してある。そして、この流入部1aに、継ぎ手19を介して、井戸Wの内部から延びる吸込管20が接続され、井戸Wから原水である井戸水を取水可能としている。
浄化回路3には、各種の水質を改善する機器、例えばプレフィルタとして役割を果たす、不織布フィルタや活性炭フィルタなどのろ材25aが内蔵された浄水器25、滅菌処理(殺菌を含む)を施す、薬液タンク26aや薬液注入ポンプ26bをもつ滅菌器26、微細な色度成分や有機物や滅菌を免れた細菌等を除去する膜式ろ過装置、例えばMFフィルタ(例えば0.1μ程度のポリプロピレン製精密中空糸膜)27をフィルタハウジング28内に封入させた構造のマイクロろ過装置29などを組み合わせた構造が用いられている。詳しくは、浄化回路3には、自吸式井戸ポンプ2の吐出口部13に、接続管30を介して、順に直列に浄水器25、滅菌器26、マイクロろ過装置29を接続した構造が用いられる。そして、マイクロろ過装置29の出口部には、出水部として、蛇口で形成される給水栓31が接続され、飲用に適した水質まで改善された水が給水栓31から流出されるようにしてある。
また浄水器25と滅菌器26間をつなぐ接続管30aからは、雑用水用の流出部1bにつながる管部32が分岐している。そして、この流出部1bに、中継管33aを介して、蛇口で形成された複数の散水栓33が接続され、浄水器25を通過して、雑用に適した水質(中間水質)となった水が散水栓33から流出されるようにしている。なお、34は、接続管30aに介装されたメンテナンス用の開閉弁を示す。
呼び水供給機構部4には、手動ポンプ、例えば手押しポンプ40で、自吸式井戸ポンプ2の内部を原水で満たせる構造が用いられている。同構造には、例えば自吸式井戸ポンプ2の吸込側に組み付けてある逆止弁14の一次側と、同ポンプ2の吐出側との間をバイパスするように手押しポンプ40を組み付けた構造が用いられている。詳しくは、手押しポンプ40には、例えば底部に吸込部42をもち、上段側部に吐出部43をもつシリンダ44内に、手押しレバー45による操作で往復動するピストン46を内蔵させたピストン式のポンプ構造が用いてある。この手押しポンプ40の吸込部42が、一次側のバイパス管47aを介して、逆止弁14の一次側に配管された接続管18に接続され、また吐出部43が、二次側のバイパス管47bを介して、自吸式井戸ポンプ2の吐出側となる吐出口部13と浄水器25間に配管された接続管30bに接続してある。ここで、例えば吸込部42には、吸込弁(図示しない)が内蔵され、例えばピストン46や吐出部43には吐出弁(図示しない)が組み込まれていて、呼び水投入口17aを開いて自吸式井戸ポンプ2の内部を大気開放(給水栓31、散水栓33:閉)させてから、手押しポンプ40を操作(手動)すると、ピストン40の往復動がもたらす吸・吐動作(ポンプ動作)により、井戸Wから井戸水(原水)が取水され、該井戸水が同ポンプ2の吐出口部13からポンプ内部(ポンプ室6、戻り室8、吸込室11)へ送り出される(逆流)ようにしている。そして、自吸式井戸ポンプ2に組み付けてある逆止弁14により、吸込口部12から逃げずに、ポンプ内部が井戸水で充満されるようにしている。また呼び水投入口17aを閉じて、手押しポンプ40を操作(手動)すると、逆止弁14により、井戸Wから取水された井戸水が浄化回路3へ送り出されるようになっていて、自吸式井戸ポンプ2が使用できないとき、該ポンプ2に代替して井戸水の取水ができるようにもしてある。
つぎに、このように構成された緊急浄化装置1の作用について説明する。
今、緊急浄化装置1は、災害発生場所、例えば電力の供給は発電機などで受けられるが、飲用水や雑用水などの入手が困難な地区に据え付けられているとする。そして、吸込管20、散水栓33などの配管作業や各種機器に対する電力供給の準備を終えて、これから飲用水の給水を行なうとする。
このときには、緊急浄化装置1の運転開始に先立ち、まず、自吸式井戸ポンプ2に呼び水を与える。
このとき、通常であれば、給水栓31、散水栓32を閉め、自吸式井戸ポンプ2の呼び水投入口17aを開放させ、同呼び水投入口17aから、別途、用意した水を入れて、呼び水とするが、災害地では、水道が復旧していないので、呼び水用の水を調達することは難しい。
そこで、このときには呼び水の確保のため、手押しポンプ40を使用する。具体的には、手押しポンプ40の手押しレバー45を上下方向に繰り返し揺動操作して、吸込管15から井戸Wの井戸水(原水)を汲み上げる。
ここで、呼び水投入口17aは「開」、給水栓31、散水栓33は「閉」なので、汲み上げられた井戸水は、図2に示されるように接続管18、バイパス管47a、バイパス管47bおよび接続管30bを経て、吐出口部13へ送り出される。そして、井戸水は、吐出口部13から逆流して自吸式井戸ポンプ2の内部へ注水される。なお、呼び水投入口17aからは、注水にしたがいポンプ内部や配管内の空気が大気へ排出される。この井戸水の流入により、図3(a)に示されるようにポンプ内部の各室(ポンプ室6、戻り室8および吸込室11)は、次第に井戸水で満たされ、呼び水となっていく。
この呼び水の供給を、井戸水で各室6,8,11が充満されるまで続ける。供給作業を終える時点では、例えば図3(a)に示されるように羽根車5のほぼ全体が井戸水で浸された状態となる。その後、呼び水投入口17aをキャップ17bで塞ぐ。これで、自吸式井戸ポンプ2は、再び密閉され、自吸が行なえる体制が整う。つまり、呼び水が確保される。
その後、例えば非常用電源としての発電機で、電動モータ16や滅菌器26へ給電してから、給水栓31を開く。
すると、自吸式井戸ポンプ2の羽根車5が回転し、自吸が始まる。自吸は、羽根車5内の水が遠心力により飛ばされ、吐出側へ移動して、羽根車5の内部が空気だけの状態となることを利用して、吐出側へ移動した水の一部を例えば羽根車5に戻し、羽根車5内の空気と混合させ、空気を気泡状にして、ポンプ内部の水の流れに乗せて吐出側に運ぶことに行なわれる。具体的には、例えば図3(b)に示されるように自吸は、羽根車5の回転により水と空気を混合して空気を気泡状にする泡立作用と、分離室10で水と空気とに分離して空気だけを排出する分離作用と、残る水だけを戻り室8および再流入口9からポンプ室6へ還流させる戻し作用とを繰り返すことによって行なわれる。これにより、吸込管20内や接続管18内に残留していた空気は徐々に排出され、次第に吸込管20内や接続管18内に井戸水が流れ込む。そして、図3(c)に示されるよう吸込管20内の水面が吸込口部12に達するまで上昇すると、自吸が完了し、以後、図3(c)に示されるような羽根車5の遠心力により井戸水を汲み上げる揚水運転に切り換わる。なお、一旦、自吸式井戸ポンプ2の内部は、呼び水で満たされると、その後は、自吸式井戸ポンプ2が停止しても、逆止弁14による吸込管20のサイホン現象の遮りにより、ポンプ内部から水は井戸Wへ落ちない。
すると、自吸式井戸ポンプ2から吐出された井戸水は、浄水器25へ送られる。そして、浄水器25を通過する間に同浄水器25のろ材(不織布フィルタ、活性炭フィルタなど)により、井戸水に含まれるごみや有機物や濁度成分が取り除かれる。浄水器25で処理された処理水は、開閉弁34を経て、滅菌器26へ送られ、同滅菌器26を通過する間に、該処理水へ薬液が注入される。これにより、処理水に含まれる一般細菌などが殺菌される。
滅菌処理を終えた処理水は、マイクロろ過装置29へ送られる。この最終のマイクロろ過装置29を通過する間に、同マイクロろ過装置29のMFフィルタ27にて、処理水に残る微少な色度成分や微少な有機物が取り除かれる。こうした処理により、井戸水(水源水)は、飲用に適した水質となる。この水質の水が給水栓31から出水され、被災者や避難者などへ飲用水として供される。なお、散水栓33を開けば、浄水器25で処理されただけの水質の水が出水される。
このような緊急浄化装置1によると、自吸式井戸ポンプ2(自吸式渦巻きポンプ)は、容積式ポンプよりも、自吸揚程がかなり高いので、緊急浄化装置1は、容積式ポンプのような取水距離の制限は受けずにすみ、取水距離を十分に確保することができる。しかも、自吸式井戸ポンプ2の運転開始の際、別途、呼び水が確保できなくとも、原水さえ確保されてさえいれば、手押しポンプ40で行なう原水の取水作業により、呼び水は、入手な困難な災害地といった現地でも、容易、かつ迅速に調達ならびに補給することができ、迅速に対応ができる。
これにより、取水距離の点で利点の有る自吸式井戸ポンプ2を活用して、緊急浄化装置1の性能を大幅に向上させることができる。
したがって、現地が、たとえ水源と緊急浄化装置1間で大きな落差がある場合、さらには水源と緊急浄化装置1との距離が離れているような場合など、どのような場所や状況でも、緊急浄化装置1を駆使して、速やかに被災者や避難者などへ、水質の改善された水を供給できる。特に自吸式井戸ポンプ2として、自吸式の渦巻きポンプ2aを用いてあると、十分な取水距離が確保でき、飲用水や雑用水(散水など)の給水には好適である。しかも、渦巻きポンプ2aのような遠心式ポンプは、容積式ポンプのベーンのような摺接部品はないので、騒音も低い。
そのうえ、手押しポンプ40は、吸込部42を逆止弁14の一次側に接続し、吐出部43を自吸式井戸ポンプ2の吐出側に接続して、手動ポンプ40で取水した原水を吐出口部13から自吸式ポンプ2の内部へ導く構造を採用したので、無駄に弁類を用いず、自吸式ポンプ2の内部に呼び水が供給できる。すなわち、例えば手動ポンプで自吸式ポンプ2の吸込口部12から原水をポンプ内部へ流出させるために、手動ポンプの吸込部を逆止弁14の一次側に接続する場合、同手動ポンプの吐出部も逆止弁14の一次側に接続させることになる。これだと、手動ポンプ40から吐出された原水が吸込部42側へ戻らないようにするため、別途、吸込部42と吐出部43間を遮る弁装置が必要となる。これに対し、原水を吐出口部13へ逆流させて呼び水を供給する構造だと、通常、自吸式ポンプ2の吸込側に組み付く逆流防止用の逆止弁14以外、弁類は不要なので、その分、簡単な構造、低コストで、緊急浄化装置1の性能向上を図ることができる。
そのうえ、手押しポンプ40は、自吸式井戸ポンプ2の故障時や非常用電源の停電時に、そのまま取水用ポンプとして使用できる利点がある。
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、手押しポンプ40(手動ポンプ)の吸込部42を、自吸式井戸ポンプ2の吐出口部13(吐出部)から給水栓31(出水部)までの経路の一部に接続し、吐出部43を経路外となる外部に開口させることによって、部品点数を増やさずに、手押しポンプ40で汲み上げた井戸水(原水)を、自吸式井戸ポンプ2の吸込口部12からポンプ内部へ注水できるようにしたものである。
具体的には、手押しポンプ40の吸込部42は、管部32を介して、浄水器25と滅菌器26との間に接続してある。吐出部43は、雑用水の中継をなす中継管33aに接続され、自吸式井戸ポンプ2の吐出口部13から給水栓31(出水部)までの経路外に開口させる配管としてある。これで、手押しポンプ40によって汲み上げられた井戸水が、接続管18、自吸式井戸ポンプ2、接続管30bおよび浄水器25を経て、管部32から吐出部43へ送り出される。これにより、自吸式井戸ポンプ2の内部には井戸水が注水され、さらに内部の空気も大気へ排出され、ポンプ内部が呼び水で満たされる。なお、この場合、呼び水投入口17aは閉じたままでよい。
したがって、第1の実施形態と同様、自吸式井戸ポンプ2の運転開始の際、別途、呼び水が確保できなくとも、原水さえ確保されてさえいれば、手押しポンプ40で行なう原水の取水作業により、呼び水は、入手な困難な災害地といった現地でも、容易、かつ迅速に調達ならびに補給することができる。そのうえ、手押しポンプ40は、浄水器25を通過した井戸水を外部へ送り出す構造なので、呼び水の確保だけでなく、自吸式井戸ポンプ2の運転時や故障時などの際、容易に雑用水が確保できる利点がある。
[第3の実施形態]
図5は、本発明の第3の実施形態を示す。
本実施形態は、カスケードポンプ2c(渦流れ式ポンプ)で構成される自吸式井戸ポンプ2を用いた例を示す。カスケードポンプ2cを用いても同様な効果を奏する。
図4中、14は逆止弁、50はポンプ部、51は電動モータ、52はカバーをそれぞれ示している。
[第4の実施形態]
図6は、本発明の第4の実施形態を示す。
第1〜3の実施形態では、予め逆止弁14が組み付けられた自吸式井戸ポンプ2を採用したが、これに限らず、図6に示されるように逆止弁が付いていない自吸式井戸ポンプ2を用い、この自吸式井戸ポンプ2の吸込側に、別途、逆止弁14を設ける構造でもよい。
但し、図4〜図6において第1の実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略した。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。例えば上述した実施形態では、手動ポンプとして、手押しポンプを用いたが、これに限らず、他の構造、形式の手動ポンプを用いてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る緊急浄化装置の構成を説明するための図。 手動ポンプを用いて自吸式ポンプに呼び水を供給するときを説明する図。 自吸式ポンプで行なわれる自吸ならびに揚水を説明するための断面図。 本発明の第2の実施形態の要部を説明するための図。 本発明の第3の実施形態の要部を説明するための断面図。 本発明の第4の実施形態の要部を説明するための図。
符号の説明
1a…流入部、1b…流出部、2…自吸式井戸ポンプ(自吸ポンプ)、4…呼び水供給機後部(呼び水供給手段)、14…逆止弁、25,26,29…浄水器,滅菌器,マイクロろ過装置(水質改善機器)、31…給水栓(出水部)、40…手押しポンプ(手動ポンプ)、42…吸込部、43…吐出部、47a,47b…バイパス管。

Claims (5)

  1. 呼び水が必要な原水取水用の自吸式ポンプと、
    前記自吸式ポンプから吐出された水の水質を浄化する水質浄化機器と
    前記水質浄化機器で水質が改善された水を出水する出水部と、
    手動ポンプを有し、前記自吸式ポンプの呼び水が確保できない運転開始時の際、該手動ポンプの手動操作で原水を取水して、前記自吸式ポンプの内部へ呼び水として供給する呼び水供給手段と
    を具備したことを特徴とする緊急浄化装置。
  2. 前記自吸式ポンプは、吸込み側に逆流防止用の逆止弁を有し、
    前記呼び水供給手段は、前記手動ポンプの吸込部が前記逆止弁の一次側に接続され、前記手動ポンプの吐出部が前記自吸式ポンプの吐出側に接続されてなることを特徴とする請求項1に記載の緊急浄化装置。
  3. 前記呼び水供給手段は、前記手動ポンプの吸込部が前記自吸式ポンプの吐出部から前記出水部までの経路の一部に接続され、前記手動ポンプの吐出部が経路外に開口させることを特徴とする請求項1に記載の緊急浄化装置。
  4. 前記水質浄化機器は、自吸式ポンプの吐出部から前記出水部までの経路の間に、順に直列に接続された、浄水器、滅菌器、マイクロろ過装置を有し、
    前記呼び水供給手段は、前記手動ポンプの吸込部が前記浄水器の二次側に接続され、前記手動ポンプの吐出部を経路外に開口させることを特徴とする請求項3に記載の緊急浄化装置。
  5. 前記自吸式ポンプは、自吸式の渦巻きポンプもしくはカスケードポンプであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4および請求項3のいずれか一つに記載の緊急浄化装置。
JP2005314673A 2005-10-28 2005-10-28 緊急浄化装置 Active JP4624906B2 (ja)

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