JP2007117152A - 電子内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 低画素CCDで撮像される映像に関して、飽和されるべき部分を確実に飽和させた状態で表示させる。
【解決手段】 管腔をカラーで撮像可能な撮像素子を有した電子内視鏡と、撮像素子の各画素の輝度信号の値を検出する輝度検出手段と、検出された輝度信号の値に基づいてその画素が飽和しているか否かを判定する飽和判定手段と、飽和していると判定された画素に対応したカラー信号を減衰させるカラー信号減衰手段とを備えた電子内視鏡システムを提供する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、その先端部に低画素CCDを搭載した電子内視鏡を備えた電子内視鏡システムに関する。
その先端部に撮像素子を備えた電子内視鏡と、該撮像素子から出力される信号を処理してモニタに出力するプロセッサとを備えた電子内視鏡システムが広く知られ実用に供されている。
電子内視鏡は例えば患者の管腔内に挿入されて用いられる。電子内視鏡による管腔の圧迫を軽減させて患者に対する負担を軽減させるため、電子内視鏡をできる限り細径化させることが恒常的に要求されている。電子内視鏡を細径化させるための方法の一つとして、例えば先端に設置されるべき撮像素子に低画素CCD(Charge Coupled Devices)を採用することが挙げられる。低画素CCD(例えば30万画素以下のCCDとする)は高画素CCDと比較してそのサイズ(受光面の面積)が小さい。このため、電子内視鏡を細径化させる要因となり得る。例えば下記特許文献1には低画素CCDを搭載した電子内視鏡が記載されている。
電子内視鏡システムには、観察対象である管腔を照明するための光源が備えられている。ここで、光源からの照明光が強く当てられている部分は非常に明るい。従ってその部分からの反射光量は非常に多く、これを受光した画素(CCDの受光面上に配列された受光素子)の出力電圧は飽和し得る。このため、光源からの照明光が強く当てられている部分はモニタ上で白く表示され得る。
特開2002−112958号公報
低画素CCDは高画素CCDと比較して取得画像が荒く且つノイズが目立ち易い。このため、低画素CCDの駆動制御系ではゲインの設定値を低くしてノイズを目立たなくさせることが一般的に行われている。
また、低画素CCDは出力(信号振幅)が小さい。しかし上述した理由によりゲインを高く設定できないため、最大信号振幅に対して少ないマージンで画素の飽和レベルを設定しなければならない。本来であれば最大信号振幅の例えば半分を飽和レベルとすることが望ましい場合であっても、実際には70%を飽和レベルに設定する等を余儀なくされる。ところがこのような低画素CCDを搭載した電子内視鏡を用いて管腔の映像を撮像した場合、最大信号振幅に対するマージンを減少させて出力レベルを確保したことに対するトレードオフとして、画素の感度ばらつきを吸収できず本来白く表示されるべき上記部分(照明光が強く当てられている部分)が例えば赤みや青み又は黄み掛かった色合いでモニタ上に表示されてしまうことがある。すなわち飽和すべき部分が飽和せず、不要な色むらが表示され得る。
そこで、本発明は上記の事情に鑑みて、低画素CCDで撮像される映像に関して、飽和されるべき部分を確実に飽和させた状態で表示させることができる電子内視鏡システムを提供することを課題としている。
上記の課題を解決する本発明の一態様に係る電子内視鏡システムは、管腔をカラーで撮像可能な撮像素子を有した電子内視鏡と、撮像素子の各画素の輝度信号の値を検出する輝度検出手段と、検出された輝度信号の値に基づいてその画素が飽和しているか否かを判定する飽和判定手段と、飽和していると判定された画素に対応したカラー信号を減衰させるカラー信号減衰手段とを備えたことを特徴とする。
なお、飽和判定手段は、検出された輝度信号の値が白レベルを示す値以上であるとき、その画素が飽和していると判定し得る。
また、上記電子内視鏡システムは、各画素の出力信号に所定の処理を施す信号処理手段と、信号処理手段を経由してカラー信号減衰手段に入力するカラー信号の入力タイミングと、輝度検出手段と飽和判定手段を経由してカラー信号減衰手段に入力する該カラー信号に対応した信号の入力タイミングとを同期させる入力タイミング同期手段とを更に備えたものであっても良い。
入力タイミング同期手段は、信号処理手段を経由するカラー信号を所定時間遅延させる遅延回路であっても良い。
本発明の電子内視鏡システムを採用すると、低画素CCDで撮像される映像に関して、飽和されるべき部分を確実に飽和させた状態で表示させることができる。
以下、図面を参照して、本実施形態の電子内視鏡システムの構成及び作用について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の電子内視鏡システム10の外観を概略的に示した図である。また、図2は、本発明の実施の形態の電子内視鏡システム10の構成を示したブロック図である。本実施形態の電子内視鏡システム10は、患者の管腔を観察・診断するためのシステムであり、電子内視鏡100、プロセッサ200、及び、モニタ300を有している。
本実施形態の電子内視鏡100の末端部にはコネクタユニット110が設けられている。コネクタユニット110は二本のピンプラグを有している。また、プロセッサ200のフロント面にはプロセッサ側コネクタ部210が設けられている。プロセッサ側コネクタ部210は二つのジャックを有している。各対のピンプラグ−ジャックはそれぞれ光学的接続と電気的接続を果たすためのものである。従ってコネクタユニット110とプロセッサ側コネクタ部210とが接続されることにより、電子内視鏡100とプロセッサ200とが光学的且つ電気的に接続される。
コネクタユニット110にはユニバーサルコード120の一端が結合している。ユニバーサルコード120は可撓性を有しており、もう一端が操作部130に結合している。
操作部130は電子内視鏡100を術者に操作させるための入力インターフェースである。操作部130を操作することにより、例えば観察領域を変更させたり管腔内に洗浄液を噴射させたりすることができる。操作部130には挿入部可撓管140の一端が結合している。
挿入部可撓管140は患者の管腔に挿入される管であり、可撓性を有している。その先端には先端部150が設けられている。操作部130の操作によって先端部150根元付近の挿入部可撓管140が屈曲されると先端部150のアングルが変化し、それに伴って観察領域も変更される。
先端部150は硬質性の素材(例えば樹脂)で形成されており、撮像処理に必要とされる各要素が設けられている。本実施形態における上記要素は、配光レンズ152、対物レンズ154、及び、CCD156である。配光レンズ152、及び、対物レンズ154は先端部150の前面に設置されたレンズである。CCD156は例えばベイヤー方式の低画素(例えば画素数が30万以下)のカラーCCDである。受光面には多数の画素(受光素子)がマトリクス状に配列されている。受光面前面にはオンチップカラーフィルタが搭載されている。カラーフィルタは、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の何れかのカラーチップが各画素に対応してマトリクス状に配列されたものである。なお、ここで用いられるCCD156は原色フィルタを搭載したものに限定されず、例えば補色フィルタを搭載したものであっても良い。
なお、電子内視鏡100内部にはその長手方向に沿ってライトガイド160が設置されている。ライトガイド160は光ファイバであり、その一端は光学的接続を果たすためのピンプラグ近傍(コネクタユニット110内部)に配置され、もう一端は配光レンズ152近傍に配置されている。また、コネクタユニット110内部には、CCD156を駆動制御するためのCCD駆動制御回路170、及び、CCD信号(後述)を所定の増幅率で増幅するアンプ172が実装されている。
プロセッサ200は、装置全体の制御を統括的に行うシステムコントロールユニット220を有している。システムコントロールユニット220の制御下で、各構成要素での処理が実行される。また、光源装置として、ランプ230、ランプ制御回路232、及び、集光レンズ234を有している。
ランプ230は管腔内を照射するための白色光の光源である。ランプ230には例えばメタルハライドランプや、キセノンランプ、ハロゲンランプ等が想定される。ランプ230はランプ制御回路232の制御により白色光を放射する。ランプ230からの放射光は、ランプ230の前方に設置された集光レンズ234によって集光される。集光された光は、プロセッサ側コネクタ部210を介して電子内視鏡100内部(より正確にはライトガイド160のコア)に入射する。
ライトガイド160に入射した光はその内部を伝送されて、先端部150側の端部から出射する。出射後、配光レンズ152を介して外部に放射されて管腔を照明する。これにより、光の届かない管腔内が明るく照らされる。
配光レンズ152から放射された照明光は、管腔において反射されて対物レンズ154に入射する。ここで、CCD156は、その受光面が対物レンズ154の結像面と実質的に同位置となるように配置されている。従って対物レンズ154に入射した光は、対物レンズ154のパワーによりCCD156の受光面上で管腔の光学像として結像される。CCD156はCCD駆動制御回路170の制御により駆動して、各画素において結像された光学像をその光量に応じた電荷として蓄積してCCD信号に変換する。変換されたCCD信号は、CCD駆動制御回路170の制御により、CCD156から所定のタイミングで出力される。出力後、アンプ172により所定の増幅率で増幅されてプロセッサ200に出力される。なお、プロセッサ200には各画素のCCD信号が所定の順序で出力される。
アンプ172の増幅率について説明する。アンプ172の増幅率は、再現性の高い映像が得られるレベルにCCD信号を増幅させるよう設定される。ここで、画素における入射光量と出力電圧値との関係には、リニアな状態となる線形領域と飽和状態となる飽和領域とが存在する。高い再現性で映像を表示させるためには、入射光量と出力電圧値とが線形領域内のCCD信号を用いることが望ましい(換言すると、飽和領域内のCCD信号を用いないことが望ましい)。なお、上記線形領域と上記飽和領域との境界に対応した電圧値を、「出力飽和電圧値」と記す。
各画素における出力飽和電圧値は、画素毎の感度特性のばらつきに起因してそれぞれ異なる。ここでいう感度特性とは、入射光量に対する出力電圧値の比で表される。出力飽和電圧値が最も低い画素に合わせてアンプ172の増幅率を設定すると、全ての画素において、CCD信号の出力電圧値が線形領域内に収まる。アンプ172の増幅率は、最も低い出力飽和電圧値を所定範囲の上限値(白レベル)にさせる値に設定される。なお、出力電圧値が所定範囲の上限値であるとき、その部分はモニタ300上で白く表示される。また、出力電圧値が所定範囲の下限値(黒レベル)であるとき、その部分はモニタ300上で黒く表示される。
次に、プロセッサ200で実行される信号処理について説明する。プロセッサ200は、CCD信号の処理に関わる手段として、絶縁回路240、CCD信号処理回路242、飽和レベル検出回路244、アッテネータ制御回路246、遅延回路248、ビデオ信号処理回路250、アッテネータ回路252、及び、出力回路254を有している。
電子内視鏡100から出力された各画素のCCD信号は、プロセッサ側コネクタ部210及び絶縁回路240を介してCCD信号処理回路242に入力する。なお、絶縁回路240は、電子内視鏡100とプロセッサ200との間を伝送する信号を、例えばフォトカップラ等で別の媒体(ここでは光)に一時的に変換することにより、電子内視鏡100とプロセッサ200とを電気的に絶縁させている。
CCD信号処理回路242は周知の信号処理を実行し、入力される各画素のCCD信号を一つ一つ順次演算して、色成分(R成分、G成分、B成分の何れか)に関する信号(以下、「色成分信号」と記す)、及び、輝度信号を生成する。なお、CCD信号処理回路242で生成された色成分信号、及び、それに対応した輝度信号のセットを「画像信号」と記す。CCD信号処理回路242は、一画素に対応した画像信号を生成する毎に、当該画像信号を遅延回路248に出力すると共に、それに対応した輝度信号の電圧値を示す情報(以下、「輝度値情報」と記す)を算出して飽和レベル検出回路244に出力する。
飽和レベル検出回路244は、順次入力される各輝度値情報と所定の閾値とを比較して、その比較結果をアッテネータ制御回路246に出力する。なお、所定の閾値とは上記所定範囲の上限値すなわち白レベルに対応した値である。
出力飽和電圧値は色成分毎(すなわちR、G、B成分毎)にそれぞれ異なる。これに伴って各色成分の上記所定範囲の上限値もそれぞれ異なる。従って飽和レベル検出回路244は、上記比較処理において、各色成分に対応した輝度値情報毎にそれぞれ異なる閾値を設定する必要がある。ここで、飽和レベル検出回路244には画素の配列に対応して、所定の順序で輝度値情報が入力する。このため飽和レベル検出回路244にとっては、順次入力される各輝度値情報とそれぞれに対応した色成分との関係が既知である(具体的には、順次入力される各輝度値情報とそれぞれに対応した色成分とを関連付けたデータテーブルを有している)。飽和レベル検出回路244は上記データテーブルを参照することにより、順次入力される各輝度値情報に対してそれぞれ適切な閾値を設定して比較処理を実行することができる。例えばG成分、R成分に対応した輝度値情報が交互に入力されるとき、飽和レベル検出回路244は、先ず、(1)入力された輝度値情報に対して、G成分に対応した閾値を設定して比較処理を実行する。次いで、(2)入力された輝度値情報に対して、R成分に対応した閾値を設定して比較処理を実行する。(1)、(2)の処理を繰り返し実行することにより、例えば1ラインの画素に対応した比較処理が実現される。
アッテネータ制御回路246は、飽和レベル検出回路244からの比較結果に基づいて画素(より正確には輝度信号)の飽和判定処理を実行する。具体的には、比較結果において輝度値情報が所定の閾値以上を表す場合、それに対応した輝度信号が飽和していると判定する。これに対して、比較結果において輝度値情報が所定の閾値よりも低いことを表す場合、それに対応した輝度信号が飽和していないと判定する。前者の判定結果を下した場合、アッテネータ回路252に所定の制御信号を出力する。後者の判定結果を下した場合、何れの信号も出力しない。
なお、CCD信号処理回路242から出力される各画像信号は、遅延回路248において所定時間格納される。所定時間格納後、ビデオ信号処理回路250に出力される。ビデオ信号処理回路250は、入力される画像信号を処理してモニタ300で表示可能な形態(カラー信号と輝度信号)に変換する。変換後、輝度信号は出力回路254に直接入力される一方で、カラー信号はアッテネータ回路252を介して出力回路254に入力される。各画像信号が遅延回路248で所定時間遅延されることにより、アッテネータ回路252において、ビデオ信号処理回路250からのカラー信号の入力タイミングと、当該カラー信号に対応した、アッテネータ制御回路246からの所定の制御信号の入力タイミングとが同期する。
アッテネータ回路252には、各画素に対応したカラー信号が所定の順序で入力される。カラー信号入力時にアッテネータ制御回路246からの信号入力がない場合、アッテネータ回路252は、そのカラー信号を、何れの処理を施すこともなく出力回路254に出力する。これに対してカラー信号入力時に上記所定の制御信号が入力した場合、当該カラー信号の成分を減衰させて出力回路254に出力する。すなわちアッテネータ回路252は、飽和したと判定された輝度信号に対応したカラー信号の成分を減衰させて、それに対応する映像部分の色味をなくす(すなわち白にする)。
出力回路254は、カラー信号及び輝度信号を各形式のビデオ信号(例えばコンポジットビデオ信号やSビデオ信号或いはRGBビデオ信号等)に変換してモニタ300に出力する。これにより、モニタ300に管腔の映像が表示される。本実施形態では、飽和した輝度信号に対応したカラー信号の成分をアッテネータ回路252によって減衰させて、それに対応した画素の映像の色味を低減させている。このため、飽和すべき部分の映像が、不要な色味の付いたものではなく本来の状態(すなわち白又は極めて白に近い色味)で表示される。このため術者は、モニタ300上において、管腔の映像をより正確に再現された状態で観察することができる。
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。
なお、本実施形態では画素の一つ一つに対してカラー信号を減衰させる処理が実行されるが、別の実施形態では複数の画素に対して上記処理が一括して実行されるようにしても良い。
上記の別の実施形態では、例えば各画素に対する所定の閾値との判定処理がシリアルで実行されて、その結果が図示しないメモリに記憶される。システムコントロールユニット220はそのメモリを参照して、上記判定結果で閾値以上と判定された画素が所定数以上連続した場合、それらの画素に対してカラー信号を減衰させる処理を一括して実行する。別の観点では、閾値以上と判定された画素が所定数以上連続しない場合、それらの画素に対してカラー信号を減衰させる処理を実行しない。すなわち別の実施形態では、モニタ300上における飽和部分がある程度の大きさを有していない限り、カラー信号を減衰させない。これにより、カラー信号を減衰させるための制御系の処理負担が軽減される。
本発明の実施の形態の電子内視鏡システムの外観を概略的に示した図である。 本発明の実施の形態の電子内視鏡システムの構成を示したブロック図である。
符号の説明
10 電子内視鏡システム
100 電子内視鏡
154 CCD
200 プロセッサ
220 システムコントロールユニット
244 飽和レベル検出回路
246 アッテネータ制御回路
248 遅延回路
250 ビデオ信号処理回路
252 アッテネータ回路
300 モニタ

Claims (4)

  1. 管腔をカラーで撮像可能な撮像素子を有した電子内視鏡と、
    前記撮像素子の各画素の輝度信号の値を検出する輝度検出手段と、
    検出された輝度信号の値に基づいてその画素が飽和しているか否かを判定する飽和判定手段と、
    飽和していると判定された画素に対応したカラー信号を減衰させるカラー信号減衰手段と、を備えたこと、を特徴とする電子内視鏡システム。
  2. 前記飽和判定手段は、検出された輝度信号の値が白レベルを示す値以上であるとき、その画素が飽和していると判定すること、を特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡システム。
  3. 各画素の出力信号に所定の処理を施す信号処理手段と、
    前記信号処理手段を経由して前記カラー信号減衰手段に入力するカラー信号の入力タイミングと、前記輝度検出手段と前記飽和判定手段を経由して前記カラー信号減衰手段に入力する該カラー信号に対応した信号の入力タイミングとを同期させる入力タイミング同期手段と、を更に備えたこと、を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の電子内視鏡システム。
  4. 前記入力タイミング同期手段は、前記信号処理手段を経由するカラー信号を所定時間遅延させる遅延回路であること、を特徴とする請求項3に記載の電子内視鏡システム。
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