JP2007117124A - 歯冠修復用作業模型の製作トレーとその使用法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯冠修復用作業模型を容易に製作でき、その製作トレーのトレー本体盤を基台とする作業模型や分割歯型の抜き差し操作並びに歯列の繰り返し再現も便利良く行なえるようにする。
【解決手段】合成樹脂から対応的な半楕円形の平面形状に各々一体成形されたトレー本体盤(A)とその底面カバープレート(B)とから成り、上記トレー本体盤(A)における縁取り壁(12)と仕切り壁(13)との向かい合う相互間を、平面形状が馬蹄形となる一定深さ(D)の空洞(S)として、底無し貫通状態に区成すると共に、そのトレー本体盤(A)の空洞(S)へ下方から上記底面カバープレート(B)を抜き差し自在に差し込み嵌合させた施蓋状態のもとで、上記空洞(S)へ作業模型(14)の成形用石膏ペースト(P)を注入できるように定めた。
【選択図】 図8

Description

本発明は歯冠修復用作業模型の製作トレーとその使用法に関する。
従来、歯冠修復物を製作する場合、歯科医が患者の口腔から採取した歯形のゴム陰型に基き、1次石膏で印象した歯列模型を作り、これを入手した歯科技工士が、先ずその歯列模型の底面を平坦に切削すると共に、ピン孔を穿設して、そのピン孔へ金属製のダウエルピンを垂直に差し込み、接着剤により固定一体化し、必要に応じて回転防止溝も付与する。
上記ダウエルピンが植え付けられた歯列模型(石膏模型)の底面やそのダウエルピンへ、引き続き離型剤(石膏分離剤)を塗布して、予じめ石膏ペーストが注入された基台用のシリコンゴム型枠へ押し込み、その2次石膏の硬化後に脱型し、上記1次石膏と2次石膏との境界面を美しくトリミングする。
そして、このように完成した作業模型の修復対象部分となる歯型を、ダイヤモンドディスクや糸鋸などにより切り取り分割し、その分割歯型の支台歯部をトリミングした後、基台への抜き差し操作を繰り返し再現して、隣在歯との接触度や対合歯との咬み合わせなどを微調整し乍ら、歯冠修復物を製作している。
しかし、このような所謂ダウエルピン方式では多大の労力と時間だけでなく、高度の手技と豊富な経験も要するため、その改良を目的とした特開2000−245749号や特開2004−283259号が提案されている。又、上記ダウエルピン方式に代るチャンネル付きのトレーとしても、特公昭53−5476号や特表2000−511797号が提案されている。
特公昭53−5476号公報 特開2000−245749号公報 特開2004−283259号公報 特表2000−511797号公報
ところが、特開2000−245749号公報と特開2004−283259号公報に記載された作業模型の基台では、連結ピン部材(20)が合成樹脂やアルミニウムなどの軽金属から成り、このような材料の馬蹄形プレート(22)も印象模型(A)と一緒に切り取り分割しなければならないので、その切り取り作業をすばやく円滑に行ない難く、使用工具に制約を受けることとなる。
しかも、その馬蹄形プレート(22)の下面から予じめ多数のピン(24)が連続一体に突設されているため、これによって切り目(C)の位置が決められてしまい、修復対象部分の歯型ブロック(B)が1本に限られればともかく、2本以上ある場合には希望の最適な位置から歯型ブロック(B)を切り取り分割することができず、必らずや隣在歯や支台歯部を傷付けてしまうことになる。
又、上記歯型ブロック(B)がたとえ1本であっても、これとの両隣りに並ぶそれを切り取り分割することによって、その隣在歯との接触度や対合歯との咬み合わせなどを微調整することが必要になるが、そのための切り取り分割位置が制限される結果、患者毎の歯列模型に応じた希望する精密な歯冠修復物を製作できないのであり、対応性に劣る。
他方、特公昭53−5476号公報に開示の有根型分割歯型製作用チャンネル付きトレーでは、そのコアー部(1)が有底長溝をなすため、石膏硬化した歯列模型やこれから切り取られた分割歯型を、コアー部(1)より抜き取ることが困難であり、その溝底面に堆積する石膏のカスや塵埃などの異物が、作業模型としての精度低下をもたらす結果となる。これと同様な問題は、特表2000−511797号公報に記載の歯科用トレーについても言えることである。
上記チャンネル付きトレーについて更に言えば、石膏硬化した歯列模型はコアー部(1)の両端に設けられた楔型チャンネル(3)を、ドライバーなどでこじ上げることにより、そのコアー部(1)から抜き取られるとしても、分割歯型は修復対象部分の位置により変化するため、その楔型チャンネル(3)を活用して抜き取ることができない。
その場合、コアー部(1)とその両側壁面の細いU字型チャンネル(2)が、上向きに拡開したテーパー面を有するとしても、その摩擦抵抗が大きいと、上記歯列模型や分割歯型の抜き取り操作は困難となり、そのドライバーでのこじ上げ操作上、歯列模型の両端を欠損してしまうおそれがある。逆に、摩擦抵抗が小さいと、トレーを上下反転した場合、その歯列模型や特に分割歯型が容易に脱落してしまうのである。
又、上記コアー部(1)の両端は開放状態にあるため、セロテープ(登録商標)を貼って施蓋しない限り、石膏ペーストを注入することができず、その作業上甚だ煩らわしく、不便という問題もある。
本発明はこのような諸問題の抜本的な解決を企図しており、その目的を達成するために請求項1では、歯冠修復用作業模型の製作トレーとして、合成樹脂から対応的なほぼ半楕円形の平面形状に各々一体成形されたトレー本体盤とその底面カバープレートとから成り、
上記トレー本体盤における縁取り壁と仕切り壁との向かい合う相互間を、平面形状が馬蹄形となる一定深さの空洞として、底無し貫通状態に区成すると共に、
そのトレー本体盤の空洞へ下方から上記底面カバープレートを抜き差し自在に差し込み嵌合させることを特徴とする。
又、上記請求項1に従属する請求項2では、一定深さの空洞における上部を縁取り壁の傾斜内壁面と仕切り壁の傾斜内壁面とから、上向き拡開するラッパ状に造形して、
その向かい合う傾斜内壁面に多数のチャンネル溝を、上下方向に沿ってほぼ平行に切り欠き列設する一方、
同じく空洞における下部を縁取り壁の垂直な内壁面と仕切り壁の垂直な内壁面とから、上部での開口幅よりも狭い一定な開口幅のストレート状に造形したことを特徴とする。
同じく上記請求項1に従属する請求項3では、トレー本体盤の中央部を仕切り壁により区画形成された一定深さの凹段面として、その凹段面へ左右一対の咬合器装着用石膏流通口を、上記トレー本体盤の2等分線から対称となる平面形状に切り抜き分布させたことを特徴とする。
更に、上記請求項1に従属する請求項4では、トレー本体盤との位置決め係止用並びに把手用となる前後一対の円弧状鍔片を、底面カバープレートから連続一体に張り出すと共に、
上記トレー本体盤の空洞へ差し込み嵌合される対応的な馬蹄形の嵌合凸条を、同じく底面カバープレートのフラットな板面から一定高さだけ隆起させたことを特徴とする。
他方、請求項5では上記製作トレーの使用法として、合成樹脂から対応的なほぼ半楕円形の平面形状に各々一体成形されたトレー本体盤とその底面カバープレートとから成る製作トレーを使用して、
上記トレー本体盤における縁取り壁と仕切り壁との向かい合う相互間が、馬蹄形の平面形状として底無し貫通状態に区成された一定深さの空洞へ、その下方から上記底面カバープレートを抜き差し自在に差し込み嵌合させた施蓋状態のもとで、先ず上記空洞へ上方から2次石膏ペーストを注入し、
予じめ1次石膏で印象されている患者の歯列模型を、引き続き上記空洞の2次石膏ペーストへ上方から押え付けた結合状態において、その2次石膏ペーストを硬化させることにより、作業模型として成形した後、
上記底面カバープレートをトレー本体盤から抜き出し分解することにより、そのトレー本体盤の開口した空洞の下方から、上記作業模型を突き出すことを特徴とする。
又、上記請求項5に従属する請求項6では、トレー本体盤の中央部を仕切り壁により区画された一定深さの凹段面として、その凹段面へ左右一対の咬合器装着用石膏流通口を、上記トレー本体盤の2等分線から対称となる平面形状に切り抜き分布させておき、
上記トレー本体盤の空洞から突き出した作業模型を、その空洞へ抜き差し自在に差し込み操作した再現状態のもとで、
その作業模型を上記トレー本体盤の石膏流通口へ廻り込む如く盛り付けられる咬合器装着用硬質石膏により、咬合器へ装着することを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、トレー本体盤の空洞は底無し状態に貫通形成されているが、その空洞へ下方から底面カバープレートを抜き差し自在に差し込み嵌合させることができ、その差し込み嵌合した施蓋状態のもとで、2次石膏ペーストを注入することにより、患者の歯列模型(石膏模型)と結合一体化した作業模型を、支障なく製作し得るのである。
又、上記空洞は底無し状態に開口しているため、その内部に石膏のカスや塵埃などの不純物が堆積せず、高精度な作業模型を得られるほか、その空洞から底面カバープレートを抜き出し分解した状態において、上記作業模型やその歯冠修復対象部分の分割歯型(模型セグメント)をすばやく便利に突き出すこともでき、修復作業性の向上に役立つ。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、作業模型やその分割歯型を上記空洞のストレート状に開口する下部の相当深さ分だけ、下方から突きさえすれば、その空洞のラッパ状に拡開する上部の傾斜内壁面によって、上記作業模型や分割歯型がすばやく浮き上がり離型するため、これを基台とするトレー本体盤に対して容易に抜き差し操作でき、歯列の反復的な再現とその歯冠修復作業を便利良く行なえる効果がある。
請求項3の構成を採用するならば、トレー本体盤の中央部に区成された一定深さの凹段面や、その凹段面に開口分布する石膏流通口へ廻り込む咬合器装着用硬質石膏により、咬合器への装着を便利良く行なえる効果がある。
更に、請求項4の構成を採用するならば、底面カバープレートから張り出す前後一対の円弧状鍔片を把手として摘まみ持つことにより、その底面カバープレートをトレー本体盤へ便利良く、しかも馬蹄形の嵌合凸条により正確な位置決め状態に嵌合させることができ、又トレー本体盤から底面カバープレートを容易に抜き出し分解できる効果もある。
他方、請求項5の構成によれば、トレー本体盤とその底面カバープレートとから成る製作トレーを使用して、高精度な歯冠修復用作業模型を能率良く製作することができ、多大の労力と時間のみならず、高度な手技や豊富な経験を必要としない。
冒頭に述べた公知のダウエルピン方式と異なり、その作業模型から歯冠修復部分の分割歯型(模型セグメント)を切り取り分割することも、一切の制約なく自由自在に行なえ、又有底長溝のコアー部分を有する公知のチャンネル付きトレーとも異なって、作業模型やその分割歯型をトレー本体盤の空洞へ抜き差しする操作と、これによる歯列の反復的な再現をすばやく便利に行なえる効果がある。
殊更、請求項6の構成を採用するならば、トレー本体盤の中央部に区画形成された凹段面や、その凹段面の石膏流通口へ廻り込む咬合器装着用硬質石膏により、作業模型を咬合器へ容易・確固に装着させることもでき、その作業模型と対合歯との向かい合う一対から、歯列の咬み合わせ状態を精密に調整し得る効果がある。
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、本発明に係る作業模型の製作トレーはトレー本体盤(A)とその底面カバープレート(B)とから成り、これらを着脱自在に組み合わせ使用して、歯冠修復用作業模型を成形することができるようになっている。
先ず、トレー本体盤(A)はABS樹脂やポリプロピレンなどの硬質な合成樹脂から、図1〜4のような一定深さ(D)(例えば約14〜15mm)を有するほぼ半楕円形の平面形状に一体成形されており、これには歯列模型(1次石膏模型)(11)と対応する馬蹄形の空洞(S)が底無し状態に貫通形成されている。
茲に、空洞(S)はトレー本体盤(A)の縁取り壁(12)と、これと平行な仕切り壁(13)とから馬蹄形の平面形状に区画されているが、その一定深さ(D)の空洞(S)における約5分の4を占める上部(d1)は、上向きに拡開するラップ状をなしている。その上端開口縁部での開口幅(w1)は例えば約6〜8mmとして広い。上向き拡開角度(θ)は同じく約25〜30度である。
しかも、上記トレー本体盤(A)の縁取り壁(12)と仕切り壁(13)とが向かい合うラッパ状の傾斜内壁面(12a)(13a)には、後述する作業模型(14)やその分割歯型(模型セグメント)(14s)の位置決め用並びに補強リブ造形用となる多数のチャンネル溝(12b)(13b)が、上下方向に沿ってほぼ平行に切り欠き列設された状態にあり、その全体的な鋸歯状又は波状の平面形状を呈している。
他方、同じく一定深さ(D)の空洞(S)における残る約5分の1を占める下部(d2)は、上記縁取り壁(12)と仕切り壁(13)との向かい合う垂直内壁面(12c)(13c)からストレート状に開口している。その下端開口縁部での開口幅(w2)は約2.2〜2.6mmとして一定であり、上端開口縁部での上記開口幅(w1)よりもかなり狭い。
(15)は上記仕切り壁(13)によりトレー本体盤(A)の中央部に区画形成された凹段面であって、その仕切り壁(13)の上端縁部から一定深さ(g)(例えば約6.5〜7.0mm)だけ陥没しており、ここには左右一対の咬合器装着用石膏流通口(16)(16)が、トレー本体盤(A)の2等分線(O−O)を境界とする対称なほぼ足跡状の平面形状に切り抜き分布されている。
各石膏流通口(16)(16)の開口外縁部は上記仕切り壁(13)に沿って円弧状に屈曲している。しかも、その各石膏流通口(16)(16)の内壁面はほぼく字状に張り出すアンダーカット面(17)(17)として、後述する咬合器への装着用硬質石膏が脱落しないようになっている。
次に、底面カバープレート(B)はABS樹脂やポリプロピレンなどの硬質な合成樹脂から、図5〜7のような一定厚み(T)(例えば約2.5〜3.0mm)を有するほぼ半楕円形の平面形状として、上記トレー本体盤(A)と同じ大きさに一体成形されており、そのトレー本体盤(A)の上記空洞(S)と石膏流通口(16)(16)を下方から施蓋できるようになっている。
但し、その底面カバープレート(B)からは把手となる前後一対の円弧状鍔片(18)(19)が、連続一体に張り出されており、ここを指先で摘まみ持つことができるようになっている。(18a)(19a)はその各鍔片(18)(19)の基端部に隆起された位置決め用の受け止め段差面であり、上記トレー本体盤(A)の前後両端縁部へ各々係止する。
又、(20)は底面カバープレート(B)のフラットな板面から隆起する空洞用嵌合凸条であって、上記トレー本体盤(A)の空洞(S)と対応合致し得る馬蹄形の平面形状をなし、その空洞(S)へ下方から抜き差し自在に差し込み嵌合される。
更に、(21)は同じく底面カバープレート(B)のフラットな板面から隆起する位置決め用嵌合凸条であって、上記トレー本体盤(A)の石膏流通口(16)(16)と対応合致し得る足跡状の平面形状を呈し、その石膏流通口(16)(16)へやはり下方から抜き差し自在に差し込み嵌合されるが、茲に平面形状は上記足跡状のみに限らない。
その場合、上記位置決め用嵌合凸条(21)の隆起する一定高さ(H1)は例えば約2mmとして、空洞用嵌合凸条(20)の一定高さ(H2)(例えば約0.5〜1.0mm)よりも若干高く寸法化することが好ましい。尚、上記トレー本体盤(A)とその底面カバープレート(B)には、例えばシルバーやゴールド、その他の希望する着色カラーを与えることができ、その着色カラーによる製作トレーの識別を行なうことも考えられる。
本発明に係る作業模型の製作トレーは上記した構成を備えているため、その使用に当っては歯科医が患者の口腔から採取したゴム陰型に基き、1次石膏で印象した歯列模型(11)を受け取った歯科技工士において、その歯列模型(石膏模型)(11)の底面を平坦に切削し、後述する2次石膏との喰い付き力を昂めるアンダーカットも付与しておく。このような歯科技工士が行なう予備作業については、冒頭に述べた従来技術と同じである。
そして、上記製作トレーにおけるトレー本体盤(A)の空洞(S)と石膏流通口(16)(16)へ、その下方から底面カバープレート(B)を差し込み嵌合させて、そのトレー本体盤(A)の空洞(S)を図8〜10のように、底面カバープレート(B)での施蓋状態に保つ。
その場合、上記空洞(S)の下部(d2)をなすストレート状の開口には、底面カバープレート(B)の空洞用嵌合凸条(20)が嵌合するため、その空洞(S)から2次石膏ペースト(P)の漏出するおそれはなく、トレー本体盤(A)とその底面カバープレート(B)とが正しく位置決めされることになる。
その後、上記底面カバープレート(B)での施蓋状態にあるトレー本体盤(A)の空洞(S)へ、上方から2次石膏ペースト(P)を満杯に注入すると共に、上記歯列模型(11)の底面を水や石膏ペーストにより濡らした上、その空洞(S)の2次石膏ペースト(P)へ歯列模型(11)を図11〜13のように上方から押し付けて、その結合状態のまま石膏ペースト(P)が硬化するまで待つ。
そうすれば、上記歯列模型(11)と固着一体化した作業模型(14)が、トレー本体盤(A)の空洞(S)により成形される結果となるため、その作業模型(14)の充分乾燥した後、上記底面カバープレート(B)の円弧状鍔片(18)(19)を把持して、これをトレー本体盤(A)から抜き出し分解する。
そして、上記トレー本体盤(A)の凹段面(15)における石膏流通口(16)(16)同志の左右相互間に位置する中央部を、木槌や合成樹脂製ハンマーなどにより繰り返し軽く叩打して、そのトレー本体盤(A)の空洞(S)から上方へ上記作業模型(14)を抜き出すのである。
その際、上記空洞(S)における一定深さ(D)の約5分の1を占める下部(d2)は、向かい合う垂直な内壁面(12c)(13c)から開口幅(w2)の狭いストレート状に開口しているが、同じく一定深さ(D)の約5分の4を占める上部(d1)は、向かい合う傾斜内壁面(12a)(13a)から上向きラッパ状に拡開しているため、その作業模型(14)はラッパ状の傾斜内壁面(12a)(13a)によって、すばやく浮き上がり離型することになり、これをトレー本体盤(A)から容易に取り出すことができる。
そこで、その製作トレーにより成形硬化された2次石膏と、上記歯列模型(11)の1次石膏との境界面を、美しくトリミング加工して、引き続き図14〜16のように、上記作業模型(14)から患者の歯冠修復対象部分となる分割歯型(模型セグメント)(14s)を、糸鋸やダイヤモンドディスクなどにより切り取り分離する。
(C)はその切り目を示しているが、上記修復対象部分の両隣りに並列する隣在歯も、分割歯型(14s)として切り取ることが好ましい。その修復対象部分として切り取られた分割歯型(14s)の両サイド面も、露出状態として良く目視点検することができるため、隣在歯との接触度を調整しやすくなり、修復作業性の向上にも役立つからである。
但し、上記作業模型(14)を成形硬化後トレー本体盤(A)から取り出す前に、そのトレー本体盤(A)から露出している歯列模型(11)に切り目(C)を加工しておき、トレー本体盤(A)の空洞(S)から抜き出した後に、それまで埋没していた作業模型(14)へ引き続き切り目(C)を施すことにより、その分割歯型(14s)として完全に切り離してもさしつかえない。(14r)は上記チャンネル溝(12b)(13b)により、作業模型(14)に賦形された補強リブを示している。
このような作業模型(14)やその修復対象部分の分割歯型(14s)を、その基台となるトレー本体盤(A)の空洞(S)へ抜き差し自在に差し込み操作して、その歯列の再現を繰り返し乍ら、患者に応じた歯冠修復物を製作することは、冒頭に述べた従来技術と実質的に同一であるが、本発明の製作トレーを形作っているトレー本体盤(A)の空洞(S)は、図1〜4のような底無し状態に貫通しているため、その内部に石膏のカスや塵埃などの異物が沈澱せず、万一空洞(S)の内壁面(12a)(12c)(13a)(13c)やそのチャンネル溝(12b)(13b)に付着したとしても、これらの異物を簡便に洩れなく排除することができる。
特に、上記空洞(S)における一定深さ(D)の約5分の4を占める上部(d1)が、一定角度(θ)のラッパ状に拡開しており、その空洞(S)は底無し状態にあるため、これによりトレー本体盤(A)自身に与えられた撓み性能とも相俟って、下方からマイナス型ドライバーやその他の適当な用具を使って、上記作業模型(14)やその分割歯型(14s)を容易に突き出すことができる。又、それにも拘らず、残る約5分の1を占める下部(d2)での狭いストレート状開口によって、上下反転した場合にも、上記作業模型(14)やその分割歯型(14s)が空洞(S)から自然に脱落するおそれはなく、安定な納まり状態を確保し得るのであり、このことには上記空洞(S)の拡開角度(θ)やチャンネル溝(12b)(13b)も有機的に働く。
尚、このような効果を達成できる上向き拡開するラッパ状の上部(d1)と、これよりも狭い一定開口幅(w2)のストレート状下部(d2)とが造形された空洞(S)であるならば、その上部(d1)と下部(d2)との比率は上記した数値のみに限らず、空洞(S)の上部(d1)が下部(d2)よりも相対的に深いものとして、適当に選定可能である。
上記歯冠修復作業中には、トレー本体盤(A)を作業模型(14)の基台として使用し、その底面カバープレート(B)を使う必要性はないと言えるが、歯科技工士にとって何回も作業模型(14)を成形するため、上記トレー本体盤(A)とその底面カバープレート(B)を繰り返し使用することができ、消耗した最終的に廃棄し、何れも合成樹脂製品としてリサイクルに供すれば良い。
更に、上記トレー本体盤(A)の中央部をなす凹段面(15)には、左右一対の咬合器装着用石膏流通口(16)(16)が開口分布されているため、その石膏流通口(16)(16)や凹段面(15)へ図17、18のように廻り込む如く盛り付けられる咬合器装着用硬質石膏(M)により、そのトレー本体盤(A)を咬合器(E)へすばやく確固に装着させることができる。
(22)は咬合器(E)の金属枠、(23)はその開閉支点軸、(24)は同じく咬合器(E)に装着された対合歯を示しており、これによって咬み合わせ状態の調整が行なわれることは言うまでもない。尚、図示の実施形態では上顎模型用の製作トレーについて説明したが、下顎模型用やその他の全体模型用、前歯のみ、臼歯のみなどの部分模型用製作トレーとしても、本発明を適用することができる。
本発明に係る製作トレーのトレー本体盤を抽出して示す平面図である。 図1の2−2線断面図である。 図1の3−3線断面図である。 図3の拡大図である。 本発明に係る製作トレーの底面カバープレートを抽出して示す平面図である。 図5の6−6線断面図である。 図5の7−7線断面図である。 トレー本体盤の空洞へ作業模型用2次石膏ペーストを注入した状態の平面図である。 図8の9−9線断面図である。 図8の10−10線断面図である。 図8の2次石膏ペーストへ歯列模型(石膏模型)を押し付けた結合状態の平面図である。 図11の12−12線断面図である。 図11の13−13線断面図である。 トレー本体盤から取り出した作業模型を示す平面図である。 図14の15−15線断面図である。 作業模型の分割歯型(模型セグメント)を抽出して示す斜面図である。 咬合器に作業模型を装着した状態を示す側面図である。 図17の18−18線断面図である。
符号の説明
(11)・歯列模型
(12)・縁取り壁
(13)・仕切り壁
(12a)(13b)・傾斜内壁面
(12b)(13b)・チャンネル溝
(12c)(13c)・垂直内壁面
(14)・作業模型
(14s)・分割歯型
(14r)・補強リブ
(15)・凹段面
(16)・咬合器装着用石膏流通口
(17)・アンダーカット面
(18)(19)・鍔片
(18a)(19a)・受け止め段差面
(20)・空洞用嵌合凸条
(21)・位置決め用嵌合凸条
(22)・金属枠
(23)・開閉支点軸
(24)・対合歯
(A)・トレー本体盤
(B)・底面カバープレート
(E)・咬合器
(M)・咬合器装着用石膏
(P)・2次石膏ペースト
(S)・空洞
(D)・空洞の深さ
(d1)・上部
(d2)・下部
(H1)・位置決め用嵌合凸条の高さ
(H2)・空洞用嵌合凸条の高さ
(w1)(w2)・空洞の開口幅
(O−O)・製作トレーの2等分線
(θ)・空洞の拡開角度

Claims (6)

  1. 合成樹脂から対応的なほぼ半楕円形の平面形状に各々一体成形されたトレー本体盤(A)とその底面カバープレート(B)とから成り、
    上記トレー本体盤(A)における縁取り壁(12)と仕切り壁(13)との向かい合う相互間を、平面形状が馬蹄形となる一定深さ(D)の空洞(S)として、底無し貫通状態に区成すると共に、
    そのトレー本体盤(A)の空洞(S)へ下方から上記底面カバープレート(B)を抜き差し自在に差し込み嵌合させることを特徴とする歯冠修復用作業模型の製作トレー。
  2. 一定深さ(D)の空洞(S)における上部(d1)を縁取り壁(12)の傾斜内壁面(12a)と仕切り壁(13)の傾斜内壁面(13a)とから、上向き拡開するラッパ状に造形して、
    その向かい合う傾斜内壁面(12a)(13a)に多数のチャンネル溝(12b)(13b)を、上下方向に沿ってほぼ平行に切り欠き列設する一方、
    同じく空洞(S)における下部(d2)を縁取り壁(12)の垂直な内壁面(12c)と仕切り壁(13)の垂直な内壁面(13c)とから、上部(d1)での開口幅(w1)よりも狭い一定な開口幅(w2)のストレート状に造形したことを特徴とする請求項1記載の歯冠修復用作業模型の製作トレー。
  3. トレー本体盤(A)の中央部を仕切り壁(13)により区画形成された一定深さ(g)の凹段面(15)として、その凹段面(15)へ左右一対の咬合器装着用石膏流通口(16)(16)を、上記トレー本体盤(A)の2等分線(O−O)から対称となる平面形状に切り抜き分布させたことを特徴とする請求項1記載の歯冠修復用作業模型の製作トレー。
  4. トレー本体盤(A)との位置決め係止用並びに把手用となる前後一対の円弧状鍔片(18)(19)を、底面カバープレート(B)から連続一体に張り出すと共に、
    上記トレー本体盤(A)の空洞(S)へ差し込み嵌合される対応的な馬蹄形の嵌合凸条(20)を、同じく底面カバープレート(B)のフラットな板面から一定高さ(H2)だけ隆起させたことを特徴とする請求項1記載の歯冠修復用作業模型の製作トレー。
  5. 合成樹脂から対応的なほぼ半楕円形の平面形状に各々一体成形されたトレー本体盤(A)とその底面カバープレート(B)とから成る製作トレーを使用して、
    上記トレー本体盤(A)における縁取り壁(12)と仕切り壁(13)との向かい合う相互間が、馬蹄形の平面形状として底無し貫通状態に区成された一定深さ(D)の空洞(S)へ、その下方から上記底面カバープレート(B)を抜き差し自在に差し込み嵌合させた施蓋状態のもとで、先ず上記空洞(S)へ上方から2次石膏ペースト(P)を注入し、
    予じめ1次石膏で印象されている患者の歯列模型(11)を、引き続き上記空洞(S)の2次石膏ペースト(P)へ上方から押え付けた結合状態において、その2次石膏ペースト(P)を硬化させることにより、作業模型(14)として成形した後、
    上記底面カバープレート(B)をトレー本体盤(A)から抜き出し分解することにより、そのトレー本体盤(A)の開口した空洞(S)の下方から、上記作業模型(14)を突き出すことを特徴とする歯冠修復用作業模型における製作トレーの使用法。
  6. トレー本体盤(A)の中央部を仕切り壁(13)により区画された一定深さ(g)の凹段面(15)として、その凹段面(15)へ左右一対の咬合器装着用石膏流通口(16)(16)を、上記トレー本体盤(A)の2等分線(O−O)から対称となる平面形状に切り抜き分布させておき、
    上記トレー本体盤(A)の空洞(S)から突き出した作業模型(14)を、その空洞(S)へ抜き差し自在に差し込み操作した再現状態のもとで、
    その作業模型(14)を上記トレー本体盤(A)の石膏流通口(16)(16)へ廻り込む如く盛り付けられる咬合器装着用硬質石膏(M)により、咬合器(E)へ装着することを特徴とする請求項5記載の歯冠修復用作業模型における製作トレーの使用法。
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