JP2007116111A - セラミックス回路基板の製造方法 - Google Patents

セラミックス回路基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ネジ止め等のためにセラミックス基板に貫通孔が形成されると共に、この貫通孔を保護するために補強部材が設けられたセラミックス回路基板を製造するための製造方法を提供すること。
【解決手段】表裏両主面を貫通する貫通孔2を有する板厚が0.8mm以下のセラミックス基板1と、前記セラミックス基板の主面上に設けられた回路板と、前記貫通孔の前記主面側の端部に設けられた補強部材3とを具備するセラミックス回路基板の製造方法であって、前記貫通孔を有するセラミックス基板の少なくとも前記回路板が設けられる部分に金属板4を接合すると共に、前記補強部材が設けられる部分に金属板を接合した後、前記回路板が設けられる部分に接合された金属板および前記補強部材が設けられる部分に接合された金属板をエッチングすることにより前記回路板および前記補強部材とするもの。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に高出力用トランジスタ、パワーモジュール等の実装に用いられるセラミックス回路基板の製造方法に係り、特に他部材との固定に用いられる貫通孔の強度に優れたセラミックス回路基板の製造方法に関する。
近年、パワートランジスタモジュール用基板やスイッチング電源モジュール用基板等の回路基板として、セラミックス基板上に銅板、アルミニウム板、各種クラッド板等の金属板を接合したセラミックス回路基板が広く使用されている。また、上記セラミックス基板としては、安価で汎用性が高いアルミナ(Al)基板、または電気絶縁性を有すると共に熱伝導性に優れた窒化アルミニウム(AlN)基板や窒化けい素(Si)基板等が一般的に使用されている。
上述したような銅板等で回路を構成したセラミックス回路基板は、例えば図3に示されるように、セラミックス基板1の一方の表面に金属回路板としての銅板4を接合する一方、他方の表面に裏金属板としての銅板を接合して形成されている。
このようなパワートランジスタモジュール用基板やスイッチング電源モジュール用基板等に使用されるセラミックス回路基板には、高い電気絶縁性と熱衝撃に対する信頼性が要求されるとともに、ヒートシンク、実装ボード、機械ケーシング等のベース部材との間に高い接合強度が要求されている。
セラミックス回路基板とベース部材等との接合には、はんだ等のろう材を介して接合する手法が広く利用されているが、さらに信頼性を向上させるため、例えば図3に示されるように、セラミックス回路基板1の角部付近に貫通孔2を形成し、この貫通孔2を利用してネジ等で固定する手法も多用されるようになっている。
しかしながら、このような貫通孔を有するセラミックス回路基板においては、ベース部材等へネジ止めする際の締着力が僅かでも大きくなると、セラミックス基板とネジとの接触部分、特にセラミックス基板の貫通孔周辺部分にクラックが入ってしまうことがある。
また、半導体素子の高集積化および高出力化に伴い熱サイクル負荷も大幅に上昇しており、セラミックス基板とネジとの接触部分、特に負荷が集中しやすい貫通孔周辺部分を起点としてクラックが発生しやすくなっている。
さらに、近年、セラミックス回路基板の薄型化が進んでおり、これに使用されるセラミックス基板についても薄型化が求められている。このためセラミックス基板の強度は必然的に低下しており、特に上記したようなセラミックス基板の貫通孔周辺部分には、ネジ止めの際や使用時の応力によりクラック等が発生しやすくなっていることから、その抑制が求められている。
本発明は上記したような課題を解決するためになされたものであって、ネジ止めの際や使用時の応力によるセラミックス基板の貫通孔周辺部分における損傷が抑制されたセラミックス回路基板を製造するための製造方法を提供することを目的としている。
本発明のセラミックス回路基板の製造方法は、表裏両主面を貫通する貫通孔を有する板厚が0.8mm以下のセラミックス基板と、前記セラミックス基板の主面上に設けられた回路板と、前記貫通孔の前記主面側の端部に設けられた補強部材とを具備するセラミックス回路基板の製造方法であって、前記貫通孔を有するセラミックス基板の少なくとも前記回路板が設けられる部分に金属板を接合すると共に、前記補強部材が設けられる部分に金属板を接合した後、前記回路板が設けられる部分に接合された金属板および前記補強部材が設けられる部分に接合された金属板をエッチングすることにより前記回路板および前記補強部材とすることを特徴とする。
本発明のセラミックス回路基板の製造方法においては、前記補強部材は前記貫通孔の周囲に連続的に形成され、かつ前記貫通孔の縁部から所定の範囲まで形成されていることが好ましい。前記貫通孔は、例えば前記セラミックス回路基板をネジ止めするための孔として使用されるものであることが好ましい。前記貫通孔は、前記セラミックス基板の長手方向の中心を通り、かつ長手方向に垂直な直線に対して対称に形成されることが好ましく、またレーザー加工により形成されることが好ましい。
前記セラミックス基板は、窒化アルミニウム、窒化けい素、アルミナ、およびアルミナとジルコニアの化合物の中から選ばれる少なくとも1種を主成分とする焼結体からなることが好ましく、シート成形により形成されたものであることが好ましい。前記補強部材が設けられる部分に接合される金属板は、活性金属ろう材またはAlろう材を用いて前記セラミックス基板に接合されることが好ましい。
前記回路板が設けられる部分に接合される金属板と、前記補強部材が設けられる部分に接合される金属板とは材質が同じものであることが好ましく、一体の金属板であればより好ましい。そして、前記回路板と前記補強部材とは、前記エッチングにより同時に形成することが好ましい。また、前記補強部材の厚さは0.1mm以上0.3mm以下であることが好ましい。
本発明によれば、セラミックス基板に形成された少なくとも1つの貫通孔に補強部材が設けられ、ネジ止めの際や使用時の負荷による貫通孔からのクラック等の発生が抑制されたセラミックス回路基板を容易に製造することができる。
また、本発明によれば、セラミックス基板の貫通孔に補強部材が設けられ、貫通孔からのクラック等の発生が抑制されることにより、従来よりもセラミックス基板の厚さが薄くされたセラミックス回路基板を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明により製造されるセラミックス回路基板の一例を示した外観図であり、図2は本発明により製造されるセラミックス回路基板の一例を示した断面図である。
セラミックス回路基板を構成するセラミックス基板1には、少なくとも1つの貫通孔2が形成されている。この貫通孔2は、例えばネジ止め等に利用されるものであり、その端部には補強部材3が設けられている。本発明では貫通孔2の少なくとも1つに補強部材3が設けられていることによって、ネジ止めの際や使用時にかかる負荷により、貫通孔を起点とするクラックの発生等を抑制することができる。
また、セラミックス基板1の両主面には、貫通孔2が形成された部分を除いて、金属板4が接合されている。この金属板4のうち少なくとも一方は回路板として使用される。回路板として使用する際は、所定の回路形状のものを使用してよいことは言うまでもない。また、回路板として使用しない際の裏金属板は貫通孔を覆うサイズでもよく、また貫通孔を覆わないサイズでもよく、特にサイズは限定されるものではない。
セラミックス基板1に形成される貫通孔2は、少なくとも1つ設けられていればよいが、貫通孔2への負荷を低減させるために複数設けることが好ましい。貫通孔2の形成位置はセラミックス基板1やこれに接合される金属板4の形状や大きさにより適宜選択することができるが、例えばセラミックス基板1の各角部等に形成することが好ましい。また、貫通孔2の内面のネジ溝の有無は、特に限定されるものではない。
貫通孔を複数形成する場合には、セラミックス基板の長手方向の中心を通り、かつ長手方向に垂直な直線(中心線5)を引いた場合、この中心線5に対して対称な位置となるように形成されていることが好ましい。このような配置とすることにより、各貫通孔2にかかる負荷を均等にし、クラックの発生を低減することが可能となる。また、このような配置とすることにより、セラミックス回路基板の方向性がなくなるため、セラミックス回路基板を固定する際に左右または上下の区別なく固定することが可能となり、作業性も向上する。
補強部材3は必ずしも貫通孔2の両端部に設ける必要はなく、貫通孔2の少なくとも一方の端部に設けられていれば、貫通孔2を起点とするクラックの発生を抑制することができる。
補強部材3を貫通孔2の一方の端部のみに形成する場合には、ネジ止めの際にネジの頭部が接触する側の貫通孔2端部に形成されていることが好ましい。このような部分に形成されていることで、ネジ頭部とセラミックス基板との直接的な接触を防ぎ、クラックの発生を有効に抑制することが可能となる。好ましくは、貫通孔2の両端部に補強部材3を形成することで、貫通孔2周辺部の強度をより一層向上させることが可能となり、クラックの発生を有効に抑制することが可能となる。
補強部材3の形状は特に制限されるものではないが、図1に示されるように貫通孔2の周囲に連続的に形成されていることが好ましい。これは、補強部材3が連続していない部分があると、その部分に負荷が集中してしまい、クラックが発生しやすくなる場合があるためである。このような形状としては、例えば円状、多角形状のものであって、その中心部に貫通孔を有するものが挙げられる。
また、補強部材3は、貫通孔2の縁部から一定の距離まで形成することが好ましい。補強部材3の形成範囲が少ないと、クラックの発生を有効に抑制することが困難となり、また形成範囲を必要以上に大きくしても、クラックの発生を抑制する効果は大きく変化せず、かえって回路板等の金属板の形成範囲を狭めてしまう。例えば、金属等からなるネジを利用して他部材と固定する場合、補強部材3の形成範囲はネジの頭部と同等の大きさ、あるいはそれより僅かに大きくすることが好ましい。
一応の目安として、ネジの頭部と同じ大きさから2mm程度大きいことが好ましい。2mmを超えて大きくしても、セラミックス基板上での回路板の形成面積が小さくなってしまうので、必ずしもよいとは言えない。また、補強部材3の厚さは0.1mm以上、さらには0.1〜0.3mmとすることが好ましい。補強部材3の厚さが0.1mm未満では補強の効果が小さい。また、0.3mmを超えたものは補強の効果は十分であるが、補強部材として金属板を使用した場合に、あまり厚い金属板を使用すると金属板とセラミックス基板との熱膨張差によりセラミックス基板にクラックが生じる可能性がでてくるので必ずしもよいとは言えない。
なお、本発明においては必ずしもネジ溝を有するようなネジのみに限られず、セラミックス回路基板の貫通孔2を利用して固定する一般的な固定部材、例えばピン状、釘状の固定部材を用いる場合であっても十分な効果を有するものである。また、固定方法に関してもネジ溝を利用したボルト(雄ネジ)とナット(雌ネジ)のような方式で固定する方法であってもよいし、ネジ溝のないネジ(ピン等の固定部材)を使用し、ネジの先端をかしめる方式または半田等のろう材や接着剤で固定する方式であってもよい。
セラミックス回路基板を構成するセラミックス基板としては、特に限定されるものではなく、酸化アルミニウム(アルミナ:Al)、ジルコニア(ZrO)等の酸化物系セラミックス基板の他に、窒化アルミニウム(AlN)、窒化けい素(Si)、窒化チタン(TiN)等の窒化物、炭化けい素(SiC)、炭化チタン(TiC)等の炭化物、または窒化ホウ素(BN)等の非酸化物系セラミックス基板でもよい。しかしながら、より高い電気絶縁性を確保するためには、AlN、Si、Al、ZrOの少なくとも1種を主成分とするセラミックス焼結体からなるセラミックス基板が好ましい。なお、本発明におけるアルミナとジルコニアの化合物とは、アルミナ:ジルコニアの重量比(質量%比)が20:80〜80:20、かつ焼結体中のアルミナとジルコニアの合計量が90質量%以上となるものを示すものである。
これらのセラミックス基板には酸化イットリウムなどの希土類化合物、酸化カルシウムなどのアルカリ土類化合物、タングステン酸化物などの遷移金属化合物などの各種焼結助剤等が含有されていてもよい。
また、セラミックス基板の板厚は0.8mm以下であることが好ましい。セラミックス基板の板厚を0.8mm以下とすることにより、熱抵抗が低減され、回路基板の放熱性が向上される。また、本発明では、セラミックス基板の貫通孔の端部に補強部材を設けることにより、特に0.8mm以下といった薄いセラミックス基板についてもネジ止めする際や使用時にかかる応力によりクラックが発生することを有効に抑制することができる。
本発明におけるより好ましいセラミックス基板の板厚は、0.15〜0.7mm、さらには0.15〜0.5mmである。セラミックス基板の熱伝導率はアルミナ基板で20〜40W/m・K、窒化けい素基板で60〜120W/m・K、窒化アルミニウム基板で160〜230W/m・K程度であり、銅板(400W/m・K程度)と比べると熱伝導率は劣ってしまう。そのため、セラミックス基板は銅板等の金属板と比べるとどうしても熱抵抗体になってしまう。そこで、セラミックス基板の板厚を薄くすることにより熱抵抗を下げ、実質的に回路基板としての放熱性を向上させる。しかしながら、セラミックス基板の板厚が0.1mmより薄くなると基板の強度が低下し、ネジ止め等の応力に耐えられなくなるおそれがあるため本発明では好ましい板厚として上記数値を示した。
このようなセラミックス基板に接合される金属板または回路板を構成する金属としては、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、銀、モリブデン、コバルトの単体またはその合金またはクラッド材が挙げられ、特に限定されるものではないが、導電性などに優れる銅、アルミニウムまたはその合金またはクラッド材が好ましい。
金属板とセラミックス基板とは、例えば直接接合法、活性金属接合法、あるいはAlろう材接合または接着剤により接合される。
以下に直接接合法による金属板の接合方法を説明する。例えば、金属板として銅板を使用し、直接接合法によって金属板をアルミナ基板に接合する場合には、酸素を100〜1000ppm含有するタフピッチ電解銅からなる銅板を使用し、さらに後述するように銅板表面に所定厚さの酸化銅層を予め形成し、直接接合時に発生するCu−O共晶の量を増加させ、セラミックス基板と銅板とを接合することが好ましい。
上記酸化銅層などの酸化物層は、例えば金属板を大気中において温度150〜360℃の範囲にて20〜120秒間加熱する表面酸化処理を実施することによって形成することができる。また、窒化けい素や窒化アルミニウムのような窒化物系のセラミックス基板に接合する場合には、あらかじめセラミックス基板の表面に酸化膜を形成しておくことが好ましい。
そして、セラミックス基板がアルミナ基板の場合には、銅板を所定位置に接触配置して基板方向に押圧した状態で銅の融点未満の温度(1083℃)で、かつ銅−酸化銅の共晶温度(1065℃)以上に加熱し、生成したCu−O共晶化合物液相を結合剤として銅板を直接的に接合する。また、セラミックス基板が窒化物系のセラミックス基板の場合には、酸化膜を形成した部分に銅板を接触配置して、上記したような加熱処理を行う。
また、アルミニウムからなる金属板とSi基板とを接合する場合には、Si基板表面に金属板を押圧した状態でアルミニウム−けい素の共晶温度以上に加熱し、生成したAl−Si共晶化合物を接合剤として金属板をSi基板表面に直接的に接合することができる。
このように直接接合法を使用して金属板をセラミックス基板表面に直接接合することで、金属板とセラミックス基板との間に、接着剤やろう材のような介在物が存在しないため、両者間の熱抵抗が小さく、金属板上に設けられた半導体素子等の発熱を系外に迅速に放散させることが可能である。
次に活性金属法による金属板の接合方法を説明する。活性金属法では、Ti,Zr,HfおよびNbから選択される少なくとも1種の活性金属を含有し適切な組成比を有するAg−Cu−Ti系ろう材等でセラミックス基板表面に、厚さ20μm前後の活性金属ろう材層(金属接合層)を形成し、この金属接合層を介して金属板を接合する。活性金属は、基板に対するろう材の濡れ性を改善し、接合強度を高める作用を有する。
活性金属ろう材の具体例としては、重量%で上記活性金属を1〜10%,Cuを15〜40%,残部が実質的にAgからなるろう材組成物が好適である。また、このようなろう材にはInやSnを添加してもよい。
上記金属接合層は、このろう材組成物を有機溶媒中に分散して調製した接合用組成物ペーストをセラミックス基板表面にスクリーン印刷する等の方法で形成される。そしてスクリーン印刷した金属接合層上に、金属板を接触配置した状態で、真空中または不活性ガス雰囲気中で、例えばAg−Cu共晶温度(780℃)以上で、かつ金属板の融点(銅の場合は1083℃)以下の温度に加熱することにより、金属板が金属接合層を介してセラミックス基板に一体に接合される。
また、ろう材としてAlろう材を使用して、金属板とセラミックス基板とを接合してもよい。このAlろう材としては例えばAl−Si系ろう材が挙げられ、この場合Siを1〜10wt%含み、残部がAlであるようなろう材を使用することが好ましい。
このようなろう材組成物を有機溶媒中に分散して調製した接合用組成物ペーストをセラミックス基板表面にスクリーン印刷する等の方法で形成し、この部分に金属板を接触配置した状態で、真空中または不活性ガス雰囲気中で、加熱処理することによりこれらを接合することができる。
セラミックス基板に設けられる補強部材は、金属材料からなるものである。金属材料としては、上記金属板と同様のものが使用でき、具体的には銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、銀、モリブデン、コバルトの単体またはその合金またはクラッド材である。
補強部材とセラミックス基板とは、上記金属板と同様の方法、すなわち直接接合法、活性金属接合法、またはAlろう材接合により接合されている。金属板と補強部材が同一材質の場合、上記直接接合法、活性金属接合法、Alろう材接合法により金属板と補強部材の接合を一度に行うことができるので製造性が向上する。
補強部材の形成は、セラミックス基板に、その主面全体を覆うような金属板を接合した後、この金属板をエッチングして回路等を形成する際に、その金属板の一部を補強部材として利用して行うことができる。
このような本発明のセラミックス回路基板は、例えば高出力トランジスタ、パワーモジュール等の実装に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施の形態について実施例を参照して説明する。
(実施例1〜7、比較例1〜2)
セラミックス粉末を焼結助剤および粘結助剤と混合し、シート状に形成した後、脱脂処理および焼結を行い、板厚0.635mm、長辺60mm、短辺40mmのセラミックス基板を作製した。このセラミックス基板に、レーザー加工にて、所定の位置に両主面間に連続する直径1mmの貫通孔を形成した。
この後、実施例1〜3、7については、酸素含有量100〜300ppm、板厚0.3mmのタフピッチ銅板をセラミックス基板上に配置し、窒素雰囲気中、1065〜1083℃の範囲内で加熱処理を行い、銅板とセラミックス基板とを直接接合させた。
なお、窒化アルミニウム基板については、酸素雰囲気中、1000〜1250℃の範囲内で加熱処理を行い、基板表面に厚さ1〜3μmのα型酸化アルミニウム膜を形成した後、直接接合を行った。また、実施例4〜6については、エポキシ樹脂系接着剤にて実施例1と同様の金属板を接合した。
次に、接合された銅板部分をエッチングすることにより金属板(回路部分)および補強部材を同時に形成し、実施例1〜7のセラミックス回路基板を作製した。補強部材はセラミックス基板の貫通孔の周囲に形成し、外径3mm、内径1mmとした。なお、セラミックス回路基板の他方の主面の金属板については、回路を形成せずベタパターンのままとした。また、比較のために、補強部材を設けない比較例1および2のセラミックス回路基板を作製した。なお、比較例1は直接接合法、比較例2はエポキシ樹脂系接着剤により接合したものである。また、アルミナ基板は熱伝導率25W/m・K、窒化アルミニウム基板は190W/m・K、窒化けい素基板は90W/m・K、アルミナ−ジルコニア基板(アルミナとジルコニウムの化合物)は30W/m・Kのものを使用した。
次に、実施例および比較例のセラミックス回路基板について、実際にネジ止めを行い、その際の基板の割れ等の発生率を測定した。測定は各実施例、比較例のセラミックス回路基板について、それぞれ300枚ずつ行った。結果を表1に示す。
Figure 2007116111
表1に示されるように、直接接合あるいは接着剤による接合のいずれの方法により補強部材を設けた場合においても、本発明のセラミックス回路基板では、不良発生率が大幅に改善されていることが認められた。
(実施例8〜14、比較例3〜4)
セラミックス基板(縦60mm×横40mm×厚さ0.635mm)として窒化アルミニウム基板(熱伝導率200W/m・K)または窒化けい素基板(熱伝導率80W/m・K)を用い、活性金属接合法またはAlろう材接合によりセラミックス基板と無酸素銅板(板厚0.25mm)あるいはアルミニウム板(板厚0.2mm)とを接合した。なお、活性金属接合法による接合はAg−27wt%Cu−3wt%Tiろう材を用いて、830℃で熱処理を行い、Alろう材による接合は、Al−5wt%Siろう材を用いて、650℃で熱処理を行った。
さらに、接合された銅板またはAl板部分をエッチングすることにより金属板(回路部分)と補強部材とを同時に形成し、セラミックス回路基板を作製した。補強部材はセラミックス基板の貫通孔の周囲に形成し、外径3mm、内径1mmとした。
また、比較のために、窒化アルミニウム基板または窒化けい素基板に同様の方法により銅板あるいはアルミニウム板を接合し、これをエッチングすることにより金属板(回路部分)のみを設け、補強部材は設けない比較例3および4を作製した。
次に、各セラミックス回路基板に対し、実施例1と同様の測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2007116111
表2に示されるように、活性金属法またはAlろう材接合により補強部材を設けた本発明のセラミックス回路基板についても、不良発生率が大幅に改善されていることが認められた。また、前述の直接接合法および接着剤を用いた接合法と比較して、活性金属接合法およびAlろう材接合法は接合強度が高いので補強部材とセラミックス基板の接合強度が向上したためネジ止め時の不良率が相対的に改善されたものと思われる。
(実施例15〜20、比較例5〜6)
次に、セラミックス基板のサイズを変えた以外は実施例9と同じ窒化アルミニウム基板を用いたセラミックス回路基板を実施例15〜17、基板サイズを変えた以外は実施例12と同じ窒化けい素基板を用いたセラミックス回路基板を実施例18〜20として用意し、同様にネジ止め時の不良発生率(%)を測定した。また、比較のために本発明の好ましい範囲外である基板厚さを具備するものを比較例5、6として用意し同様の測定を行った。結果を表3に示す。
Figure 2007116111
表3からも分かる通り、本実施例にかかる基板厚さが0.15〜0.8mmと薄いものであっても、不良発生率は低くなった。また、窒化アルミニウム基板と窒化けい素基板とを比べた場合、窒化けい素基板の方が強度が高いため不良発生率が相対的に低くなった。このことから、ネジ止めを行う際は窒化けい素基板の方が好ましいことが分かった。一方、比較例5や6のようにセラミックス基板の板厚があまり薄いと補強部材を設ける効果が小さいことが分かった。
本発明により製造されるセラミックス基板の一例を示した外観図 本発明により製造されるセラミックス基板の一例を示した断面図 従来のセラミックス基板の一例を示した外観図
符号の説明
1…セラミックス基板、2…貫通孔、3…補強部材、4…金属板

Claims (12)

  1. 表裏両主面を貫通する貫通孔を有する板厚が0.8mm以下のセラミックス基板と、前記セラミックス基板の主面上に設けられた回路板と、前記貫通孔の前記主面側の端部に設けられた補強部材とを具備するセラミックス回路基板の製造方法であって、
    前記貫通孔を有するセラミックス基板の少なくとも前記回路板が設けられる部分に金属板を接合すると共に、前記補強部材が設けられる部分に金属板を接合した後、前記回路板が設けられる部分に接合された金属板および前記補強部材が設けられる部分に接合された金属板をエッチングすることにより前記回路板および前記補強部材とすることを特徴とするセラミックス回路基板の製造方法。
  2. 前記補強部材は前記貫通孔の周囲に連続的に形成され、かつ前記貫通孔の縁部から所定の範囲まで形成されることを特徴とする請求項1記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  3. 前記貫通孔は前記セラミックス回路基板をネジ止めするための孔であることを特徴とする請求項1または2記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  4. 前記貫通孔は、前記セラミックス基板の長手方向の中心を通り、かつ長手方向に垂直な直線に対して対称に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  5. 前記セラミックス基板が、窒化アルミニウム、窒化けい素、アルミナ、およびアルミナとジルコニアの化合物の中から選ばれる少なくとも1種を主成分とする焼結体からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  6. 前記補強部材が設けられる部分に接合される金属板は、活性金属ろう材またはAlろう材を用いて前記セラミックス基板に接合されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  7. 前記回路板が設けられる部分に接合される金属板と、前記補強部材が設けられる部分に接合される金属板とは、材質が同じものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  8. 前記回路板が設けられる部分に接合される金属板と、前記補強部材が設けられる部分に接合される金属板とは、一体の金属板であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  9. 前記回路板と前記補強部材とを、前記エッチングにより同時に形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  10. 前記セラミックス基板がシート成形により形成されたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  11. 前記補強部材の厚さが0.1mm以上0.3mm以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
  12. 前記貫通孔がレーザー加工により形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項記載のセラミックス回路基板の製造方法。
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