JP2007114026A - 粒子分析装置用標準物質。 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、被測定粒子と同程度に染色可能で、従来とは異なる新規な標準粒子を含有する標準物質を提供することである。
【解決手段】 検体に含まれる被測定粒子に対して水溶性色素による染色処理を施し、染色された被測定粒子を分析する粒子分析装置に用いられる標準物質であって、実質的に水溶性色素により染色されない粒子を水溶性ポリマーで被覆した標準粒子を含み、該標準粒子が前記染色処理により被測定粒子と同程度に染色されることを特徴とする粒子分析装置用標準物質を提供する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、粒子分析装置の精度管理などに用いられる標準物質に関する。
血液や尿などの検体に含まれる粒子を分析する装置として、検体中の被測定粒子を色素で染色し、染色した被測定粒子に光を照射して個々の被測定粒子から発せられる蛍光や散乱光などの光学的情報を測定し、その光学的情報に基づいて被測定粒子を分類・計数する粒子分析装置が知られている。
このような粒子分析装置を用いた分析において、常に正確な測定結果を得るためには、粒子分析装置の精度管理を実施する必要がある。すなわち、精度管理用の標準物質を粒子分析装置で測定し、得られた測定値の正確性及び精密性を確認し、正確な測定値が得られない場合には、粒子分析装置を較正して標準物質の測定値が所定の範囲に入るようにしなければならない。特に、色素を用いて粒子を染色処理する機構を含む粒子分析装置の場合、その染色機構の正確度や精密度が測定結果に大きく影響を及ぼすことから、精度管理が重要である。
上述した標準物質には、粒子径などの特性が被測定粒子と類似した標準粒子が含まれる。このような標準粒子としては、例えば、ラテックス粒子が挙げられる。ラテックス粒子は、比較的、均一な粒子径を有する粒子を得やすく、安定性が良好なことから標準粒子として非常に有用な粒子である。しかし、ラテックス粒子は疎水性の粒子であり、一般に水溶性色素で染色することができない。ゆえに、ラテックス粒子を標準粒子として用いて、粒子分析装置の染色機構の異常を検出することはできない。
特許文献1には、尿と染色液とを混合して測定用試料を調製し、調製した測定用試料をフローセルに流し、フローセルを流れる粒子の静止画像を撮像して尿中の粒子を分析する粒子分析装置において使用される標準物質が記載されている。この標準物質に含まれる標準粒子は、色素が結合可能な官能基を表面に有しており、その官能基と色素イオンが結合することにより標準粒子が染色される。
しかし、特許文献1には、標準粒子としてラテックス粒子を用いる場合、ラテックス粒子の表面に凹凸がないことから、粒子の表面に結合できる官能基の量に制限があり、染色濃度が高まらず、染色に時間がかかる欠点があると記載されている。
特許第3261918号明細書
本発明の目的は、被測定粒子と同程度に染色可能で、従来とは異なる新規な標準粒子を含有する標準物質を提供することである。
上記の課題に鑑み本発明は、検体に含まれる被測定粒子に対して水溶性色素による染色処理を施し、染色された被測定粒子を分析する粒子分析装置に用いられる標準物質であって、実質的に水溶性色素により染色されない粒子を水溶性ポリマーで被覆した標準粒子を含み、該標準粒子が前記染色処理により被測定粒子と同程度に染色されることを特徴とする粒子分析装置用標準物質を提供する。
本発明の粒子分析装置用標準物質に含まれる標準粒子は、表面が水溶性ポリマーで被覆されている。このように粒子の表面を水溶性ポリマーで被覆することにより、ラテックス粒子のような実質的に水溶性色素により染色されない粒子であっても水溶性色素により染色可能となり、粒子分析装置の精度管理において、被測定粒子と同程度に染色可能な標準粒子として使用することができる。
本発明の標準物質は、実質的に水溶性色素により染色されない粒子の表面を水溶性ポリマーで被覆した標準粒子を含有する。ここで、実質的に水溶性色素により染色されない粒子とは、水溶性色素により染色されない又は染色されるがその染色性が低い粒子のことをいい、通常このような粒子は、粒子分析装置の精度管理において、被測定粒子と同程度に染色される標準粒子として使用することができない。しかし、水溶性ポリマーで粒子の表面を被覆することにより、水溶性色素による染色が可能な粒子となり、被測定粒子と同程度に染色される標準粒子として使用することが可能になる。この詳細については不明であるが、おそらく粒子を被覆している水溶性ポリマーの水酸基と水溶性色素が結合することにより粒子が染色されると考えられる。
実質的に色素により染色されない粒子としては、例えばラテックス粒子が挙げられる。なお、粒子分析装置の精度管理において標準粒子として使用される粒子は、染色性だけでなく、大きさや形状などの特性が被測定粒子と類似するように設計されたものを用いることが好ましい。比較的均一な粒子径を有する粒子を得やすい、安定性が良好といった特徴から、ラテックス粒子は標準粒子として非常に有用な粒子である。また、ラテックス粒子は溶液中で自然凝集を起こす場合がある。しかし、ラテックス粒子の表面を水溶性ポリマーで被覆することにより、溶液中での自然凝集を抑制することができる。
粒子を被覆している水溶性ポリマーとしては、特に限定されないが、合成の水溶性ポリマーが好ましい。また、合成の水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどが挙げられ、この中でもPVAが特に好ましい。
水溶性ポリマーで粒子の表面を被覆する方法としては、特に限定されず公知の被覆方法を用いることができる。このような方法としては、例えば、粒子を緩衝液等に懸濁して粒子懸濁液とし、粉末状の水溶性ポリマーを粒子懸濁液に攪拌しながら直接添加して粒子の表面を被覆する方法、又は、水溶性ポリマーを緩衝液等に溶解もしくは懸濁して溶液又は懸濁液とし、これら溶液又は懸濁液を前記粒子懸濁液と攪拌しながら混合して粒子の表面を被覆する方法などが挙げられる。さらに、前記水溶性ポリマーの溶液又は懸濁液と前記粒子懸濁液を混合した混合液に超音波を印加することによって水溶性ポリマーで粒子の表面を被覆する方法が挙げられる。
なお、水溶性ポリマーによる被覆の程度は特に限定されず、例えば水溶性ポリマーが粒子の表面を完全に被覆していてもよいし、部分的に被覆していてもよい。要するに、被覆方法を適宜選択したり、使用する水溶性ポリマーの量を適宜調節するなどして、水溶性ポリマーによる被覆の程度を調節し、最終的に、実質的に水溶性色素により染色されない粒子に被測定粒子と同程度の染色性を持たせることができればよい。
本発明の標準物質は、このようにして得られた標準粒子を含有するものである。標準物質の具体的な様態としては、上述した標準粒子を水や緩衝液などの適当な溶媒に懸濁した懸濁液が挙げられる。
標準物質は、さらに粒子凝集防止剤を含有してもよい。粒子凝集防止剤としては、界面活性剤、BSA、塩などが挙げられる。また、尿を検体として用いる場合、尿の屈折率が高いので、標準物質の屈折率を調整するために屈折率調整剤を含有してもよい。屈折率調整剤としては、例えば、糖類、尿素、グリコール類、グリセリンなどが挙げられ、その中でもグリセリンが好ましい。その他にも、防腐剤などを含有しても良い。また、標準物質は、大きさ、染色性、素材などの特性が異なる複数の標準粒子を含有してもよい。
上述した標準物質は、検体中の粒子を分析する粒子分析装置の精度管理や較正に使用される。標準物質が適用される粒子分析装置としては、尿や血液等の検体を水溶性色素によって染色して測定用試料を調製する試料調製機構を備え、調製された測定用試料をフローサイトメータに供給して、フローサイトメータを通過する測定用試料中の粒子に光を照射し、染色された粒子からの光学的情報を検出器で検出して分析を行う血液分析装置や尿中有形成分(尿沈渣)分析装置が挙げられる。
ここで、検体としては、特に限定されないが、例えば血液や尿などの体液が挙げられる。そして、このような検体に含まれる粒子が被測定粒子となる。例えば、検体が血液の場合、被測定粒子としては赤血球、白血球、血小板などの血球成分が挙げられる。また、検体が尿の場合、被測定粒子としては赤血球や白血球などの血球成分、上皮細胞や円柱といった細胞が挙げられる。さらに、局所感染や全身感染などにより、検体中に細菌、真菌、原虫、寄生虫などの微生物が含まれる場合があり、これら微生物も被測定粒子として挙げられる。その他にも、検体中に化学成分、医薬品や遊離の脂肪からなる結晶が含まれる場合があり、これら微生物も被測定粒子として挙げられる。
また、水溶性色素は、上述した粒子分析装置において被測定粒子の染色に用いられる水溶性の色素であれば特に限定されない。例えば、水溶性の蛍光色素が挙げられる。特に、尿中有形成分(尿沈渣)分析装置において、尿中の有形成分を染色するために用いられる蛍光色素としては、以下の式で表される縮合ベンゼン誘導体を用いることができる。
Figure 2007114026
上記式中、Aは−O−,−S−又は−C(CH32−を表し、Rは炭素数が1〜3の低級アルキル基を表し、Xはハロゲンを表し、Yは−CH=又は−NH−を表し、mは1又は2を表し、nは0又は1を表し、Bは下記式を表す。なお、下記式中、AとRは上記と同義である。
Figure 2007114026
上記の式で表される蛍光色素の具体例としては、以下の式で表されるNK-529、NK-136、NK-1533(いずれも日本感光色素研究所株式会社製)などが挙げられる。
Figure 2007114026
Figure 2007114026
Figure 2007114026
なお、尿中有形成分分析装置では、赤血球の溶血を防ぐために、赤血球の細胞膜に損傷を与えない条件下で分析が行われる。また、上述した蛍光色素は、血球成分や細胞などの核酸成分を強く染色する色素である。ゆえに、尿中有形成分分析装置の分析において、核酸を有していない赤血球が上述した蛍光色素で染色されるのは、その細胞膜のみということになる。一方、本発明の標準物質に含まれる標準粒子は、実質的に水溶性色素により染色されない粒子を水溶性ポリマーで被覆することによって染色可能となった粒子であり、色素により染色される部分は被覆した水溶性ポリマーである。以上のことから、実質的に水溶性色素により染色されない粒子を水溶性ポリマーで被覆した標準粒子は、特に、尿中有形成分分析装置の精度管理における赤血球用標準粒子として有用である。
なお、赤血球に対応する標準粒子としては、赤血球と同程度の大きさを有する粒子が好ましく、平均粒径3〜20μm、好ましくは5〜10μmのものが好適である。
以下、本実施形態の標準物質が適用される粒子分析装置の一例である尿中有形成分分析装置について説明する。この尿中有形成分分析装置は、尿中に含まれる粒子として、白血球、赤血球、上皮細胞及び円柱を測定可能である。測定には、試薬として希釈液と染色液を用いる。
図1は、尿中有形成分分析装置の外観を示したものである。この尿中有形成分分析装置は、装置本体1と、レーザ電源2と、空圧源3とを備えている。装置本体1は、電源スイッチ4と、生体試料である尿を収容した試料容器を移送して自動的に吸引部5に供給するための搬送ユニット6と、尿を試料容器から吸引するための吸引部5と、吸引部5による尿の吸引を開始させるためのスタートスイッチ7と、使用者からの操作指示の入力を受け付けるとともに、尿の分析結果などの情報を表示するタッチパネル式液晶ディスプレイ8とを備えている。
装置本体1は、図2に示すように試料調整部11、検出部41及び解析部56を備えている。試験管14に収容された試料(尿)がシリンジポンプ15の動作により吸引ピペット16から吸引される。吸引された試料はサンプリングバルブ17によって定量され、反応チャンバ18にそれぞれ分配供給される。つまり、元となる同一の試料から反応チャンバ18それぞれに所定量の試料が分注される。希釈液を収容した容器20及び染色液を収容した容器21は、反応チャンバ18に接続され、それぞれシリンジポンプ22および23によりチューブを介して希釈液及び染色液が反応チャンバ18に所定量供給され、測定用試料が調製される。
検出部41は、測定用試料に含まれる各粒子から蛍光や散乱光といった光学的情報を検出するためのものであり、フローサイトメータによって構成される。フローサイトメータは、測定用試料を流すためのフローセル42、フローセル42を流れる測定用試料にレーザ光を照射する光源47、測定用試料中の粒子から発せられた側方蛍光を受光するフォトマルチプライヤチューブ49、前方散乱光を受光するフォトダイオード52を有する。
フローサイトメータの詳細を図3に示す。図2に示されるように反応チャンバ18及び19はフローセル42と接続されている。測定用試料を流すためのフローセル42は、レーザ光が照射される部分であり、内部流路が細く絞られているオリフィス部43、測定用試料をオリフィス部に向かって上方へ噴射するノズル44、シース液供給口45、廃液口46を有する。レーザ光源47は、波長633nmのレーザ光を出射する赤色半導体レーザ光源である。検出部41は、レーザ光源47から照射されたレーザ光をフローセル42へ集光するコンデンサレンズ48、レーザ光を照射された測定用試料中の粒子から発せられた前方散乱光を受光して電気信号に変換するフォトダイオード49、フォトダイオード49へ前方散乱光を集光するためのコレクタレンズ50とピンホール51、レーザ光を照射された測定用試料の粒子から発せられた蛍光を受光して電気信号に変換するフォトマルチプライヤチューブ52、フォトマルチプライヤチューブ52へ蛍光を集光するためのコレクタレンズ53、フィルタ54、ピンホール55、フォトダイオード47やフォトマルチプライヤチューブ52から出力された電気信号を増幅し、前方散乱光信号及び蛍光信号として解析部56へ出力するアンプ57、58を有する。フローセル42に測定用試料が流されると、測定用試料中に含まれる粒子がレーザ光源47によるレーザ光の照射領域を横切る度に、蛍光や散乱光が生じる。フォトマルチプライヤチューブ52によって側方蛍光が、フォトダイオード49によって前方散乱光が、それぞれ受光・光電変換され、側方蛍光信号や前方散乱光信号といった光検出信号として解析部56に出力される。
図3の解析部56は、検出部41で検出された粒子毎の光検出信号を増幅したり、ノイズを除去する回路や、 CPU、ROM、RAMなどからなるコンピューターによって構成されている。解析部56は、検出部41で検出された粒子毎の光検出信号を解析し、二次元分布図を作成して、測定用試料中に含まれる粒子を計数する。光検出信号のパルスのピークレベルから信号強度が得られる。蛍光信号の強度は、測定試料中の各粒子から検出された蛍光の強度を示し、蛍光色素による染色度合いを反映するパラメータとなる。前方散乱光の強度は、測定試料中の各粒子から検出された前方散乱光の強度を示し、粒子の大きさを反映するパラメータとなる。これらのパラメータを組み合わせ、二次元分布図を作成する。二次元分布図上に出現する粒子は、測定試料中に含まれる各粒子のそれぞれの出現位置に応じて設定される領域内に出現した粒子のプロットを計数して測定結果を得る。
次に、上述した尿中有形成分分析装置を用いて標準物質を測定した測定例を示す。なお、ここで用いた標準物質は、表面がPVAで被覆されたラテックス粒子を標準粒子として含有する。また、ラテックス粒子は、赤血球に相当する大きさ(平均粒子径7.1μm)のものを用いた。
測定で使用する試薬類は以下の通りである。
(ラテックス粒子懸濁液の調製)
平均粒子径が7.1μmのラテックス粒子を含むDYNOSPHERES(JSR社)250μLを1%PVA溶液(PVA 0.5gを精製水 50mLに溶解したもの)1mLに懸濁した。この懸濁液に超音波処理(50mW、30秒×2回)を施し、懸濁液中のラテックス粒子をPVAで被覆した。この懸濁液に緩衝液Aを適量加えて洗浄し、12000rpmで遠心して上清を除去した。この洗浄工程を2回繰り返した後、緩衝液A12mLを添加してラテックス粒子懸濁液1を調製した。また、前記1%PVA溶液の代わりに6%PVA溶液(PVA 3gを精製水 50mLに溶解したもの)を用いて、同様の方法によりラテックス粒子懸濁液2を調製した。さらに、比較のために、前記1%PVA溶液の代わりに精製水を用いて、同様の方法によりラテックス粒子懸濁液3を調製した。
(緩衝液Aの調製)
精製水1Lに、塩化ナトリウム 1.95%、防腐剤 0.08g、酢酸 0.035g、グリセリン 9.0gを添加して、緩衝液を調製した。なお、緩衝液Aでは、屈折率調整剤としてグリセリンを含有する。
(希釈液の調製)
精製水を1Lに、HEPES 50mM、EDTA−3K 0.40%、2−フェノキシエタノール 0.75%、プロピオン酸ナトリウム 0.6%、水酸化ナトリウム 0.052%、トミサイドS 350ppm、プロキセルGX-L 350ppmを添加して希釈液を調製した。
(染色液の調製)
蛍光色素であるNK-529(日本感光色素研究所株式会社製)を240ppm、NK-136(日本感光色素研究所株式会社製)を25.2ppmとなるようエチレングリコールに溶解させたものを染色液とした。
上述した尿中有形成分分析装置及び試薬類を用いた測定により得られた結果を図4〜6に示した。図4〜6は、縦軸に前方散乱光強度(Fsc)を、横軸に蛍光強度(Fl)をとった二次元分布図である。図4は精製水を用いて調製したラテックス粒子懸濁液3を測定して得られた二次元分布図であり、図5は1%PVA溶液を用いて調製したラテックス粒子懸濁液1を測定して得られた二次元分布図であり、図6は6%PVA溶液を用いて調製したラテックス粒子懸濁液2を測定して得られた二次元分布図である。
図4〜6の結果より、PVAで被覆していないラテックス粒子(図4)よりも、PVAで被覆したラテックス粒子(図5、6)の方が蛍光強度の高い位置に出現することがわかった。これより、ラテックス粒子をPVAで被覆することにより、染色可能になることがわかった。図5及び図6の結果より、被覆処理に用いたPVAの濃度が高いほどラテックス粒子の染色性が向上することがわかった。これより、被覆処理に用いるPVAの濃度(量)を調節することで、ラテックス粒子の染色性を調節できることがわかった。
また、図4では、各粒子の前方散乱光強度にばらつきが見られた。これは、一部のラテックス粒子が自然凝集により凝集し、その凝集したラテックス粒子が凝集していないラテックス粒子よりも高い前方散乱光強度を示すからである。これに比べて、図5及び図6では、各粒子の前方散乱光強度にばらつきが見られなかったこれより、ラテックス粒子をPVAで被覆することにより、ラテックス粒子の自然凝集を防止できることがわかった。
本例では赤血球用の標準粒子として、平均粒子径7.1μmのラテックス粒子を用いた。尿を検体として装置を用いて測定すると、通常尿中の赤血球は図4〜6で示した領域Rに出現する。図4では、領域R以外のところにおいても粒子の出現が見られたが、図5及び図6では、ほぼすべての粒子が領域R内に出現していた。これより、PVAで被覆したラテックス粒子は赤血球の標準粒子として使用できることがわかった。
尿中有形成分分析装置の外観を示す図である。 尿中有形成分分析装置の内部構成の概略図である。 尿中有形成分分析装置の検出部であるフローサイトメータを説明する図である。 PVA溶液の代わりに精製水を用いて調製したラテックス粒子懸濁液3を測定して得られた二次元分布図である。 1%PVA溶液を用いて調製したラテックス粒子懸濁液1を測定して得られた二次元分布図である。 6%PVA溶液を用いて調製したラテックス粒子懸濁液2を測定して得られた二次元分布図である。

Claims (9)

  1. 検体に含まれる被測定粒子に対して水溶性色素による染色処理を施し、染色された被測定粒子を分析する粒子分析装置に用いられる標準物質であって、
    実質的に水溶性色素により染色されない粒子を水溶性ポリマーで被覆した標準粒子を含み、該標準粒子が前記染色処理により被測定粒子と同程度に染色されることを特徴とする粒子分析装置用標準物質。
  2. 前記水溶性色素が水溶性の蛍光色素であり、
    前記標準粒子が、前記染色処理により被測定粒子と同程度の蛍光強度を示す請求項1に記載の粒子分析装置用標準物質。
  3. 前記標準粒子が被測定粒子と同程度の散乱光強度を示す請求項1又は2に記載の粒子分析装置用標準物質。
  4. 前記検体が尿であり、前記被測定粒子が赤血球である請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒子分析装置用標準物質。
  5. 前記実質的に水溶性色素により染色されない粒子が、ラテックス粒子である請求項1〜4のいずれか一項に記載の粒子分析装置用標準物質。
  6. 前記水溶性ポリマーが、合成の水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の粒子分析装置用標準物質。
  7. 前記合成の水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項6に記載の粒子分析装置用標準物質。
  8. さらに屈折率調整剤を含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の粒子分析装置用標準物質。
  9. 屈折率調整剤がグリセリンである請求項8に記載の粒子分析装置用標準物質。
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