JP2007113673A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 リンクに固定されたピンの回動を確実に防止し、長期間安定した動力伝達ができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 動力伝達チェーン1は、複数のリンク11と、複数のピン14および複数のインターピース15とを備えている。固定は、ピン14およびインターピース15の凸円弧状上下縁部が対応するリンク11の挿通部12,13の凹円弧状部分に圧入されることにより行われている。ピン14およびインターピース15の上縁部に、ピン長さ方向にのびる凹部21,23が形成されており、各挿通部12,13のピン14およびインターピース15が固定される部分に、凹部21,23に嵌め合わされてピン14およびインターピース15の回動を阻止する凸部22,24が設けられている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよびこれを用いた動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図5に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
特開2005−233275号公報
この種の動力伝達チェーンでは、ピンの所定位置においてピンとリンクとを固定する必要があるが、その固定に際しては、例えば、各ピンの凸円弧状上下縁部を対応する挿通部の凹円弧状部分に圧入することが行われている。リンクに固定されたピンは、これに対して転がり接触移動するピンから回動方向の力(ピンの長さ方向に平行な軸を中心としてピンを回転させる力)を絶えず受けるため、圧入力が弱いと、回動してしまい、リンクとピンの固定が不安定になり、振動・騒音や伝達効率低下につながる可能性が生じる。
この発明の目的は、リンクに固定されたピンの回動を確実に防止し、長期間安定した動力伝達ができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されている動力伝達チェーンにおいて、固定は、各ピンの凸円弧状上下縁部が対応する挿通部の凹円弧状部分に圧入されることにより行われており、各ピンの上下縁部の少なくとも一方に、ピン長さ方向にのびる凹部が形成されており、各挿通部のピンが固定される部分に、凹部に嵌め合わされてピンの回動を阻止する凸部が設けられていることを特徴とするものである。
圧入は、ピンの上下(チェーンの進行方向を前後、チェーンの幅方向を左右とし、これらの両方に直交する方向)の縁と挿通部の上下の縁との間で行われ、圧入代は、0.005mm〜0.1mmとすることが好ましい。凸部と凹部とは、実質的に接触している程度の嵌め合わせとされる。
凸部が挿通部の凹円弧状部分の中央部に、凹部が凸円弧状部分の中央部に(したがって、凸部および凹部の両端部にそれぞれ圧入用の円弧状部分が残るように)形成されてもよく、凸部が挿通部の凹円弧状部分の一方の端部に、凹部が凸円弧状部分の一方の端部に(したがって、凸部および凹部それぞれの中央部および他方の端部に圧入用の円弧状部分が残るように)形成されてもよい。
凸部の凹部に当接している面および凹部の凸部に当接している面の形状は、特に限定されないが、いずれも平坦面とされていることがより好ましい。凸部と凹部とは、圧入されるものではないので、これらの当接面を平坦面することが可能であり、平坦面とすることで、円弧面に比べて回動阻止効果を高めることができる。
この動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
第1ピンおよび第2ピンは、異なる断面形状であってもよく、同一形状であってもよい。また、リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の転がり接触面が平坦面とされ、他方の転がり接触面が相対的に転がり接触移動可能なように所要の曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの転がり接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。いずれの場合でも、各ピンの転がり接触面形状がそれぞれ2種類(例えば相対的に曲率が大のものと相対的に曲率が小のもの)形成されることで、転がり接触移動の軌跡が相違するピンの組が2種類存在するようにしてもよい。第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡は、例えば、円のインボリュートとされる。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
上記の動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記いずれかに記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンおよび動力伝達装置によると、固定は、各ピンの凸円弧状上下縁部が対応する挿通部の凹円弧状部分に圧入されることにより行われているので、リンクをピンに固定することができ、さらに、ピンに形成された凹部と挿通部に形成された凸部との嵌め合わせにより、円弧状部分同士の圧入のためピンの回動の抑制力が小さいという欠点が解消され、固定されているべきピンの回動が確実に防止される。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図3の上下をいうものとする。
図1および図2は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。
図3に示すように、前挿通部(12)は、ピン(14)(実線で示す)が固定されるピン固定部(12a)およびインターピース(15)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(12b)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(13a)およびインターピース(15)(実線で示す)が固定されるインターピース固定部(13b)からなる。そして、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に固定されかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の後挿通部(13)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の転がり接触面(15a)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から円弧部分へまたは円弧部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(12b)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15a)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動し、後挿通部(13)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(13a)内を移動する。なお、図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
図3(a)において、ピン(14)の上下縁部(14b)(14c)およびインターピース(15)の上下縁部(15b)(15c)は、その断面形状が凸円弧状とされており、これに対応して、リンク(11)の前挿通部(12)のピン固定部(12a)の上下縁部(12c)(12d)および後挿通部(13)のインターピース固定部(13b)の上下縁部(13c)(13d)は、その形状が凹円弧状とされている。そして、ピン(14)とリンク(11)との固定は、ピン(14)の凸円弧状上下縁部(14b)(14c)が対応するリンク(11)の前挿通部(12)の凹円弧状上下縁部(12c)(12d)に圧入されることにより行われており、同様に、インターピース(15)とリンク(11)との固定は、インターピース(15)の凸円弧状上下縁部(15b)(15c)が対応するリンク(11)の後挿通部(13)の凹円弧状上下縁部(13c)(13d)に圧入されることにより行われている。圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。
ピン(14)の上縁部(14b)には、その中間部を長さ方向にのびる凹部(21)が形成されており、これに対応するリンク(11)の前挿通部(12)のピン固定部(12a)の上縁部(12c)には、この凹部(21)に嵌め合わされてピン(14)の回動を阻止する凸部(22)が設けられている。同様に、インターピース(15)の上縁部(15b)には、その中間部を長さ方向にのびる凹部(23)が形成されており、これに対応するリンク(11)の後挿通部(13)のインターピース固定部(13b)の上縁部(13c)には、この凹部(23)に嵌め合わされてインターピース(15)の回動を阻止する凸部(24)が設けられている。
各凹部(21)(23)は、断面方形状であり、各凸部(22)(24)は、略直方体状とされている。この結果、凸部(22)(24)の凹部(21)(23)に当接している面および凹部(21)(23)の凸部(22)(24)に当接している面は、いずれも平坦面とされている。
図3(c)には、リンク(31)の各挿通部(32)(33)に凸部が設けられておらず、凹部がないピン(34)(36)およびインターピース(35)(37)を使用した従来の実施形態が示されている。同図において、リンク(31)に固定された実線で示すピン(34)およびインターピース(35)は、これと対をなして転がり接触移動する二点鎖線で示すインターピース(37)およびピン(36)から回動方向の力を絶えず受け、圧入がピン(34)およびインターピース(35)の凸円弧状上下縁部(34a)(34b)(35a)(35b)とこれに対応する挿通部(32)(33)の凹円弧状上下縁部(32a)(32b)(33a)(33b)との間だけで行われているため、リンク(31)に固定されたピン(34)およびインターピース(35)が図の矢印の方向に回動しやすいものとなっている。したがって、圧入力が弱いと、これらが回動してしまい、リンク(31)とピン(34)およびインターピース(35)の固定が不安定となる可能性が生じる。
これに対し、図3(a)に示したものでは、断面方形状の凹部(21)(23)と略直方体状の凸部(22)(24)とが嵌め合わされていることにより、凹部(21)(23)と凸部(22)(24)との平坦面同士の当接によって回動が防止され、この結果、リンク(11)に固定されたピン(14)およびインターピース(15)が対をなすインターピース(15)およびピン(14)から回動方向の力を絶えず受けても、圧入による固定状態を継続して維持することができ、リンク(11)とピン(14)およびインターピース(15)が長期間安定してされる。
図3(b)には、異なる実施形態が示されている。以下の説明において、図3(a)と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図3(b)において、ピン(14)の上縁部(14b)には、その端部を長さ方向にのびる断面方形状の凹部(26)が形成されており、これに対応するリンク(11)の前挿通部(12)の上縁部(12c)には、この凹部(26)に嵌め合わされてピン(14)の回動を阻止する略直方体状の凸部(27)が設けられている。同様に、インターピース(15)の上縁部(15b)には、その端部を長さ方向にのびる断面方形状の凹部(28)が形成されており、これに対応するリンク(11)の後挿通部(13)の上縁部(13c)には、この凹部(28)に嵌め合わされてインターピース(15)の回動を阻止する断面略直方体状の凸部(29)が設けられている。
図3(b)に示したものでは、断面方形状の凹部(26)(28)と略直方体状の凸部(27)(29)とが嵌め合わされていることにより、凹部(26)(28)と凸部(27)(29)との平坦面同士の当接によって回動が防止され、この結果、リンク(11)に固定されたピン(14)およびインターピース(15)が対をなすインターピース(15)およびピン(14)から回動方向の力を絶えず受けても、圧入による固定状態を継続して維持することができ、リンク(11)とピン(14)およびインターピース(15)が長期間安定して固定される。
なお、図3(a)(b)において、凹部(21)(23)(26)(28)および凸部(22)(24)(27)(29)は、上縁部ではなく下縁部に設けてもよく、上下縁部の両方に設けてもよい。
また、上記実施形態において、前挿通部(12)と後挿通部(13)とは、それぞれ独立の貫通孔とされているが、これらの挿通部(12)(13)を得るための貫通孔は、図示省略するが、孔縁の応力集中を緩和するために、前後挿通部(12)(13)同士を連通部によって連通させ、全体として前後に長い1つの貫通孔となるようにしてもよい。
この動力伝達チェーン(1)は、図5に示したV型プーリ式CVTで使用されるが、この際、例えば、インターピース(第2ピン)(15)がピン(第1ピン)(14)よりも短くされ、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの第1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、同拡大斜視図である。 図3は、リンクの拡大側面図であり、(a)はリンクおよびピンの第1実施形態を、(b)はリンクおよびピンの第2実施形態を、(c)はリンクおよびピンの従来の形態をそれぞれ示している。 図4は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図5は、この発明による動力伝達チェーンが使用される一例の無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(12c)(12d) 凹円弧状上下縁部
(13) 後挿通部
(13c)(13d) 凹円弧状上下縁部
(14) ピン(第1ピン)
(14b)(14c) 凸円弧状上下縁部
(15) インターピース(第2ピン)
(14b)(14c) 凸円弧状上下縁部
(21)(23)(26)(28) 凹部
(22)(24)(27)(29) 凸部

Claims (3)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されている動力伝達チェーンにおいて、
    固定は、各ピンの凸円弧状上下縁部が対応する挿通部の凹円弧状部分に圧入されることにより行われており、各ピンの上下縁部の少なくとも一方に、ピン長さ方向にのびる凹部が形成されており、各挿通部のピンが固定される部分に、凹部に嵌め合わされてピンの回動を阻止する凸部が設けられていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 凸部の凹部に当接している面および凹部の凸部に当接している面は、いずれも平坦面とされている請求項1の動力伝達チェーン。
  3. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1または2に記載のものである動力伝達装置。
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