JP2007113166A - 感染防護服及び抗ウイルス部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】有害な微生物やウイルスに感染した患者からの感染を防止することができるとともに、該微生物やウイルスが拡散することを防止することができ、かつ、着用する患者は呼吸を楽に行うことができ、更に、必要に応じて患者自らが自力で移動し、患者に着用させた状態で治療を施すことができる感染防護服を提供する。
【解決手段】患者の鼻及び口を覆い、患者に吸気を供給するポンプに接続された内部マスク用空気供給チューブ、及び、患者の呼気を排出するポンプに接続された内部マスク用空気排出チューブが連通された内部マスクと、内部マスク及び患者の頭部全体を覆い、内部マスクから漏れ出した患者の呼気を排出するポンプに接続された外部マスク用空気排出チューブが連通された外部マスクとが一体になった2重マスクを有し、2重マスクは、少なくとも患者の上半身を覆う着衣と接合する。
【選択図】図1
【解決手段】患者の鼻及び口を覆い、患者に吸気を供給するポンプに接続された内部マスク用空気供給チューブ、及び、患者の呼気を排出するポンプに接続された内部マスク用空気排出チューブが連通された内部マスクと、内部マスク及び患者の頭部全体を覆い、内部マスクから漏れ出した患者の呼気を排出するポンプに接続された外部マスク用空気排出チューブが連通された外部マスクとが一体になった2重マスクを有し、2重マスクは、少なくとも患者の上半身を覆う着衣と接合する。
【選択図】図1
Description
本発明は、有害な微生物やウイルスに感染した患者からの感染を防止することができるとともに、該微生物やウイルスが拡散することを防止することができ、更に、必要に応じて患者自らが自力で移動し、患者に着用させた状態で治療を施すことができる感染防護服、及び、ウイルスの透過を好適に遮断できる抗ウイルス部材に関する。
近年の交通手段や輸送網の発達は、社会や文化の交流に大きく寄与する一方で、人類に危害を与える微生物やウイルス感染の範囲を拡大している。特に、未知の微生物やウイルスは、極めて殺傷力のある伝染方法、すなわち呼吸による伝染や接触による伝染等によって、人類の生命に多大な脅威を及ぼすことがある。
また、このような未知の微生物やウイルスは、付着力や貫通力が強いことが多く、一旦発生すると、その感染規模は一地域だけに収まらず、全世界に拡大する危険もはらんでおり、その特徴と根源とが徹底的に理解できていないという状況下では、これらの微生物やウイルスに対する防護の要求が極めて高い。
また、このような未知の微生物やウイルスは、付着力や貫通力が強いことが多く、一旦発生すると、その感染規模は一地域だけに収まらず、全世界に拡大する危険もはらんでおり、その特徴と根源とが徹底的に理解できていないという状況下では、これらの微生物やウイルスに対する防護の要求が極めて高い。
有害な微生物やウイルスに感染した患者に対する防護方法として、例えば、非感染者がマスクを着用する方法が行なわれている。しかしながら、非感染者がマスクを着用する方法は、マスクと顔面との隙間をなくするように完全に密着させることは困難であり、しかも長時間マスクを着用して呼吸を行うと、マスクの防護効果は直接的に低下してしまう。そうすると、吸入した空気が濾過や消毒されず、吸入した空気中に微生物やウイルスが混入していても除去されないために、極めて簡単に感染してしまう恐れがある。また、有害な微生物やウイルスが氾濫している雰囲気下では、たとえマスクを頻繁に交換したとしても感染しやすいという問題があった。
また、マスクを着用する方法のほかに、例えば、特許文献1に、非感染者が着用するオーバーオール型の防護服が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示の防御服は、液体及び微生物の貫通を好適に防御することができるものの、着用した非感染者が消毒や濾過された空気を吸うことができないため、呼吸による伝染を防御することができず、空気感染する微生物やウイルスに対しては、簡単に感染してしまうことがあるという問題があった。
このような問題に対して、例えば、特許文献2に、空気濾過装置を備えた防護服が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示された防護服は、空気感染する微生物やウイルスの非感染者への感染を防護することはできるが、非感染者が着用するものであり、空気濾過装置は、非感染者が吸引する空気の微生物やウイルスを除去する役割を有するものであるため、感染患者からの微生物やウイルスの拡散という根本的な問題に対しては何の対策もなされていない。
このような感染患者からの微生物やウイルスの拡散を防止する方法として、例えば、病院内に患者を収容する隔離室等の設備を作り、有害な微生物やウイルスに感染した患者を隔離する方法も考えられる。例えば、隔離室から出る空気を浄化する装置を備え付けたり、隔離室に至る予備室を設けたりする等の設計によって、感染の拡大を防ぐことができる。しかしながら、治療や検査時には、医師及び検査者が上述の防護マスクや防護服を装着する必要があり、患者の容態変化時に迅速に対応できず、医師や検査者を充分に保護できないという問題があった。また、設備化には膨大な費用がかかるうえ、ベッド数(部屋数)等収容人数には限界があり、患者の急増時には全く対応できないという問題があった。
また、例えば、特許文献3には、空気感染防止手段を施して患者を隔離搬送するクリーン隔離搬送カプセルが開示されている。このクリーン隔離搬送カプセルによると、有害な微生物やウイルスに感染した患者からの空気感染防止と、微生物やウイルスの拡散防止とを実現できる。しかしながら、微生物やウイルスに感染した患者の状態やその環境等によっては、患者自身に自力で移動することや、患者に治療を施すことが求められることがあるが、特許文献3に開示のクリーン隔離搬送カプセルでは、患者自身が自力で移動したり、患者に治療を施したりすることはできず、患者の緊急運搬にのみ使用できるものであった。
特開2005−508721号公報
特開2005−2545号公報
特開2005−28058号公報
本発明は、上記現状に鑑み、有害な微生物やウイルスに感染した患者からの感染を防止することができるとともに、該微生物やウイルスが拡散することを防止することができ、更に、必要に応じて患者自らが自力で移動し、患者に着用させた状態で治療を施すことができる感染防護服、及びウイルスの透過を好適に遮断できる抗ウイルス部材を提供することを目的とする。
本発明は、患者の鼻及び口を覆い、前記患者に吸気を供給するポンプに接続された内部マスク用空気供給チューブ、及び、前記患者の呼気を排出するポンプに接続された内部マスク用空気排出チューブが連通された内部マスクと、前記内部マスク及び患者の頭部全体を覆い、前記内部マスクから漏れ出した前記患者の呼気を排出するポンプに接続された外部マスク用空気排出チューブが連通された外部マスクとが一体になった2重マスクを有し、前記2重マスクは、少なくとも前記患者の上半身を覆う着衣と接合されており、かつ、患者が着用した際に、前記内部マスク内は大気圧より陽圧に保持され、前記外部マスク内は大気圧より陰圧に保持される感染防護服である。
また、本発明は、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤である。
また、本発明は、ウイルスの有する電荷と反対電荷を帯びた抗ウイルス帯電部材からなる抗ウイルス部材である。
以下に本発明を詳述する。
また、本発明は、ウイルスの有する電荷と反対電荷を帯びた抗ウイルス帯電部材からなる抗ウイルス部材である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の感染防護服は、有害な微生物やウイルスに感染した患者自身が着用するものであり、患者の鼻及び口を覆い、該患者に吸気を供給するポンプに接続された内部マスク用空気供給チューブ、及び、該患者の呼気を排出するポンプに接続された内部マスク用空気排出チューブが連通された内部マスクと、該内部マスク及び患者の頭部全体を覆い、内部マスクから漏れ出した患者の呼気を排出するポンプに接続された外部マスク用空気排出チューブが連通された外部マスクとが一体になった2重マスクを有する。本発明の感染防護服を着用する患者は、鼻及び口を覆うように内部マスクを着用するが、該内部マスク内は、患者が着用した際に大気圧より陽圧に保持されるため、楽に呼吸をすることができる。また、上記外部マスク内は、上記内部マスク及び患者の頭部全体を覆った状態で大気圧に対して陰圧に保持されるため、上記内部マスクから患者の呼気が一部漏れだした場合であっても、該漏れ出した患者の呼気は、外部マスク用空気排出チューブ以外の箇所、例えば、患者の上半身服部分と皮膚との接触部分等から外部に漏出することがなく、有害な微生物やウイルスが拡散することを防止することができる。
また、本発明の感染防護服を着用した患者は、必要に応じて自力で移動することができ、更に、上記感染原因となる部位以外は、本発明の感染防護服により覆われていないため、本発明の感染防護服を着用させた状態で患者に治療を施すこともできる。
更に、本発明の抗ウイルス部材は、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤からなる、或いは、ウイルスの有する電荷と反対電荷を帯びた抗ウイルス帯電部材からなるものであり、内部をウイルスが透過することを好適に遮断することができる。そのため、例えば、本発明の感染防護服の服部分と患者の皮膚との間や、感染防護服に患者に処置を施すための処置用ゲートが設けられている場合における該処置用ゲートの周囲を、本発明の抗ウイルス部材を用いて密封することで、これらの間からウイルスが漏出することを好適に防止することができる。
以下、本発明を実施の形態に即して説明する。
図1は、本発明の感染防護服を患者が着用した状態の一例を示す模式図である。
図1に示すように、本発明の感染防護服1は、内部マスク2と外部マスク14とが一体となった2重マスクを有し、該2重マスクは、患者の上半身を覆う着衣と接合されている。
内部マスク2には、ポンプ11に接続された内部マスク用空気供給チューブ3と、ポンプ(図示せず)に接続された内部マスク用空気排出チューブ4が連通されており、患者の鼻と口とを覆うように装着されている。また、外部マスク14には、ポンプ(図示せず)に接続された外部マスク用空気排出チューブ6が連通されており、内部マスク2及び患者の頭部全体を覆うように装着されている。また、上記2重マスクは、少なくとも患者の上半身を覆う着衣と接合されている。
このような本発明の感染防護服は、図1に示すように、外部マスク14に空気を送り込むためのポンプ11に接続された外部マスク用空気供給チューブ5が連通されていてもよく、更に、内部マスク、外部マスクの一部に、急激に圧力が変化した場合に備え、ダンパー構造を取り入れてもよい。また、図1は、本発明の感染防護服1を着用した患者が診察台等の上に寝かされた状態を示すが、この場合、患者の頭部は、エアクッション15で保持され、かつ、患者の胴体及び両腕は、固定ベルト13で固定されることが好ましい。診察等を行う際に患者の頭部を保護するとともに、患者の不意な動きを抑えるためである。
図1は、本発明の感染防護服を患者が着用した状態の一例を示す模式図である。
図1に示すように、本発明の感染防護服1は、内部マスク2と外部マスク14とが一体となった2重マスクを有し、該2重マスクは、患者の上半身を覆う着衣と接合されている。
内部マスク2には、ポンプ11に接続された内部マスク用空気供給チューブ3と、ポンプ(図示せず)に接続された内部マスク用空気排出チューブ4が連通されており、患者の鼻と口とを覆うように装着されている。また、外部マスク14には、ポンプ(図示せず)に接続された外部マスク用空気排出チューブ6が連通されており、内部マスク2及び患者の頭部全体を覆うように装着されている。また、上記2重マスクは、少なくとも患者の上半身を覆う着衣と接合されている。
このような本発明の感染防護服は、図1に示すように、外部マスク14に空気を送り込むためのポンプ11に接続された外部マスク用空気供給チューブ5が連通されていてもよく、更に、内部マスク、外部マスクの一部に、急激に圧力が変化した場合に備え、ダンパー構造を取り入れてもよい。また、図1は、本発明の感染防護服1を着用した患者が診察台等の上に寝かされた状態を示すが、この場合、患者の頭部は、エアクッション15で保持され、かつ、患者の胴体及び両腕は、固定ベルト13で固定されることが好ましい。診察等を行う際に患者の頭部を保護するとともに、患者の不意な動きを抑えるためである。
内部マスク2に連結された内部マスク用空気供給チューブ3及び内部マスク用空気排出チューブ4は、着用した患者が呼吸するための空気を内部マスク2内に供給及び排出するためのチューブである。本発明の感染防護服1において、内部マスク2内は、大気圧に対して陽圧に保持されている。これにより、本発明の感染防護服を着用した患者は、ポンプ11から内部マスク用空気供給チューブ3を通して供給された空気を楽に吸い込むことができる。内部マスク2内の陽圧の度合いとしては、高すぎると患者の呼吸を阻害するため、好ましい下限は0.001kPa、好ましい上限は10kPa(ゲージ圧)である。
このような内部マスク2内を大気圧に対して陽圧とする方法としては、例えば、内部マスク用空気供給チューブ3から吸気される空気の流量V1(mL/min)と内部マスク用空気排出チューブ4から排出される空気の流量V2(mL/min)を調整する方法が挙げられ、V1>V2の関係となるように調整することで、内部マスク2内を大気圧に対して陽圧に保持することができる。
また、本発明の感染防護服は、内部マスク用空気排出チューブから排出される空気を浄化するための浄化装置が設けられていることが好ましい。本発明の感染防護服から排出される排気中に患者が感染した微生物やウイルスが混入しておらず、感染患者からの微生物やウイルスの拡散をより好適に防止することができるようになるからである。
上記浄化装置は、図1に示す浄化装置12のように、内部マスク用空気排出チューブ4に設けられていてもよく、内部マスク用空気排出チューブ4が接続されたポンプ(図示せず)に設けられていてもよい。
上記浄化装置は、図1に示す浄化装置12のように、内部マスク用空気排出チューブ4に設けられていてもよく、内部マスク用空気排出チューブ4が接続されたポンプ(図示せず)に設けられていてもよい。
上記浄化装置としては特に限定されず、従来公知のものを使用することができ、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター、ULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルター、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルター等が挙げられる。また、上記浄化装置は、上記HEPAフィルター等の前にプレフィルターと中性能フィルターとを設けることが好ましい。
更に、通常、ウイルスは電荷を帯びているため、上記HEPAフィルター等は、ウイルスの電荷と反対の電荷を帯びていることが好ましい。ウイルスを電気的にトラップすることができるからである。
更に、通常、ウイルスは電荷を帯びているため、上記HEPAフィルター等は、ウイルスの電荷と反対の電荷を帯びていることが好ましい。ウイルスを電気的にトラップすることができるからである。
本発明の感染防護服1において、内部マスク2から排出される患者の呼気は、内部マスク用空気排出チューブ4を通して外部に排出されるが、内部マスク2は、患者の鼻及び口の周りに軽く当て、ゴムバンド等で止めるだけであり、また、内部マスク2内が上述の通り陽圧であるために、内部マスク2の外部に若干の呼気が漏れる可能性がある。しかしながら、本発明の感染防護服1は、内部マスク2及び患者の頭部全体を覆うように外部マスク14が設けられており、かつ、外部マスク14内が陰圧に保持されているので、内部マスク2から漏れ出した患者の呼気は、外部マスク14に連結された外部マスク用空気排出チューブ6から排出され、外部に拡散することを防止することができる。外部マスク14内の陰圧の度合いとしては、呼気が外部マスク用空気排出チューブ6以外から外部に排出されない程度に陰圧であればよく、好ましい下限は0.001kPa、好ましい上限は10kPa(ゲージ圧)である。
このような外部マスク14内を大気圧に対して陰圧とする方法としては、例えば、外部マスク用空気排出チューブ6から排出される空気の流量V3(mL/min)を内部マスク2から一部外部マスク14内に漏出してくる空気の流量V4(mL/min)に合わせて調整する方法が挙げられ、V3>V4の関係となるように調整することで、外部マスク14内を大気圧に対して陰圧に保持することができる。また、例えば、外部マスク用空気供給チューブ5から外部マスク14内に供給する空気の流量を適宜調整することで、外部マスク14内の圧力を調整することも可能である。
また、本発明の感染防護服は、外部マスク用空気排出チューブから排出される空気を浄化するための浄化装置が設けられていることが好ましい。本発明の感染防護服から排出される排気中に患者が感染した微生物やウイルスが混入しておらず、感染患者からの微生物やウイルスの拡散をより好適に防止することができるようになるからである。
上記浄化装置は、図1に示す浄化装置12のように、外部マスク用空気排出チューブ6に設けられていてもよく、外部マスク用空気排出チューブ6が接続されたポンプ(図示せず)に設けられていてもよい。
上記浄化装置としては特に限定されず、例えば、上述したものと同様のものが挙げられる。
上記浄化装置は、図1に示す浄化装置12のように、外部マスク用空気排出チューブ6に設けられていてもよく、外部マスク用空気排出チューブ6が接続されたポンプ(図示せず)に設けられていてもよい。
上記浄化装置としては特に限定されず、例えば、上述したものと同様のものが挙げられる。
また、図示しないが、本発明の感染防護服1は、内部マスク用空気供給チューブ4及び内部マスク用空気排出チューブ4、並びに、外部マスク用空気供給チューブ5及び外部マスク用空気排出チューブ6には、本発明の感染防護服1内の空気がこれらのチューブを通じて外部に流出しないように、逆止弁が設けられていることが好ましい。上記逆止弁は、空気を供給する場合、本発明の感染防護服1方向には流すことができるが、その逆方向には流すことができないようにする部材であり、空気を排出する場合、本発明の感染防護服1方向から排出する方向には流すことができるが、その逆方向には流すことができないようにする部材であり、従来公知のものを用いることができる。
また、本発明の感染防護服は、上記2重マスクと患者の上半身を覆う着衣とが接合されているため、患者が着用した際には、上記着衣内も外部マスク内と同様に大気圧に対して陰圧に保持される。従って、上記2重マスクと着衣との接合部や上記着衣と患者の皮膚との間から、患者の呼気に含まれる有害な微生物やウイルスが外部に排出されることを防止することもできる。なお、上記着衣は、少なくとも患者の上半身を覆うものであればよく、患者の下半身までも覆うようなつなぎ状であってもよい。
本発明の感染防護服の生地は、有害な微生物やウイルスの貫通、及び、該微生物等を含む呼気の通過を許さないものであれば特に限定されないが、ガスバリア性のある樹脂材料が好適に用いられる。上記ガスバリア性のある樹脂材料としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやこれらのラミネート材料、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、エチレンビニルアセテート等が挙げられる。
また、本発明の感染防護服は、不織布や織物で補強された生地であることが好ましい。上記生地が不織布や織物で補強されることで本発明の感染防護服は、引っ掛けた場合に裂けが生じ難くなる。
更に、本発明の感染防護服の生地は、例えば、長繊維不織布スパンボンド等の不織布の間に、湿気は透過させるが微生物やウイルスは透過させない多孔質フィルムが挟持させた構造であってもよい。上記多孔質フィルムとしては、例えば、タイベックス(デュポン社製)等が挙げられる。
更に、本発明の感染防護服の生地は、例えば、長繊維不織布スパンボンド等の不織布の間に、湿気は透過させるが微生物やウイルスは透過させない多孔質フィルムが挟持させた構造であってもよい。上記多孔質フィルムとしては、例えば、タイベックス(デュポン社製)等が挙げられる。
また、本発明の感染防護服は、その全体が同一材料で構成されていてもよく、一部が異なる材料で構成されていてもよい。
例えば、場合によっては、本発明の感染防護服は、背中部分が微多孔フィルム等のフィルム材料、発泡ポリエチレンシートにフィルムをラミネートしたマット材料、2層以上のフィルムを溶着して間に空気を入れることでエアーマットとなるもの、最外層のフィルムと最内層の不織布との間に化繊綿が超音波等の溶着でキルティングしたもの等であってもよい。
例えば、場合によっては、本発明の感染防護服は、背中部分が微多孔フィルム等のフィルム材料、発泡ポリエチレンシートにフィルムをラミネートしたマット材料、2層以上のフィルムを溶着して間に空気を入れることでエアーマットとなるもの、最外層のフィルムと最内層の不織布との間に化繊綿が超音波等の溶着でキルティングしたもの等であってもよい。
本発明の感染防護服は、内部の衛生を確保するために内側面が抗菌・抗ウイルス材を印刷や練りこみで加工していることが好ましい。
本発明の感染防護服は、着用した患者の全部又は一部を視認できることが好ましい。着用した患者の顔色や肌の色を外部から視認することができ、更に、医師が外部から聴診器等の視認が必要な診察が可能となる。
なお、患者のプライバシー保護の観点から、着用させた患者の胸部に相当する部分は非透明であることが好ましい。
なお、患者のプライバシー保護の観点から、着用させた患者の胸部に相当する部分は非透明であることが好ましい。
また、本発明の感染防護服は、内部に供給する空気の温度と湿度とを制御する調整装置を有することが好ましい。このような調製装置は、上記内部マスク用空気供給チューブや外部マスク用空気供給チューブに接続されており、内部に供給する空気の温度を制御することで、患者の体温調整をすることができ、また、湿度を制御することで、患者の状態に応じて最適な湿度の空気を供給することができる。
本発明の感染防護服は、着用した患者の状態を測定する測定機器が接続されていることが好ましい。上記測定機器が接続されていることで、本発明の感染防護服を着用させた患者の状態をチェックすることができる。また、上記計測機器は、図1に示すモニタリングコード7によって外部モニター接続され、患者の状態が外部モニターにより確認できるようになっていることが好ましい。なお、本発明の感染防護服において、上記測定機器と外部モニターとは、無線にて接続されていてもよい。
上記測定機器としては、例えば、着用した患者の体温、血圧、脈拍及び動脈酸素濃度等を測定する装置等が挙げられる。
上記患者の体温を測定機器としては、例えば、鼓膜から体温を測定する装置が挙げられ、上記患者の血圧及び脈拍を測定する装置としては、例えば、マンシェット型又は埋め込み型の測定装置が挙げられ、上記動脈酸素濃度を測定する装置としては、例えば、オキシパルスメータ等の動脈酸素濃度計測器等が挙げられる。これらの測定機器は、市販されているものを用いることができる。
上記患者の体温を測定機器としては、例えば、鼓膜から体温を測定する装置が挙げられ、上記患者の血圧及び脈拍を測定する装置としては、例えば、マンシェット型又は埋め込み型の測定装置が挙げられ、上記動脈酸素濃度を測定する装置としては、例えば、オキシパルスメータ等の動脈酸素濃度計測器等が挙げられる。これらの測定機器は、市販されているものを用いることができる。
本発明の感染防護服は、着用した患者に処置を施すための処置用ゲートを有することが好ましい。上記処置用ゲートを有することで、微生物やウイルスに感染した患者に輸血、点滴、痰の除去、気管挿管チューブの挿入等種々の処置を、本発明の感染防護服を着用させたまま行うことができる。
上記処置用ゲートとしては、例えば、本発明の感染防護服の一部が開平自由に設けられた小窓状のゲートが挙げられる。
上記処置用ゲートが設けられる部位としては、首、口、鼻部、上腕内側部、肘正中静脈部分、鎖骨下静脈部分等が挙げられ、必要な処置に応じてこれらの部分の処置用ゲートを開けて処置を施すことができるようになっている。
なお、上記処置用ゲートとして、図1に、輸血を行うための輸血用ゲート8、及び、点滴を行うための点滴用ゲート9を示す。
上記処置用ゲートとしては、例えば、本発明の感染防護服の一部が開平自由に設けられた小窓状のゲートが挙げられる。
上記処置用ゲートが設けられる部位としては、首、口、鼻部、上腕内側部、肘正中静脈部分、鎖骨下静脈部分等が挙げられ、必要な処置に応じてこれらの部分の処置用ゲートを開けて処置を施すことができるようになっている。
なお、上記処置用ゲートとして、図1に、輸血を行うための輸血用ゲート8、及び、点滴を行うための点滴用ゲート9を示す。
本発明の感染防護服が上記処置用ゲートを有する場合、該処置用ゲート部分から患者の呼気が漏れ出し、有害な微生物やウイルスに感染したり外部に拡散したりすることがある。そのため、上記処置用ゲートを有する場合、該処置用ゲートの周囲と患者の皮膚との間が密封されることが好ましい。
上記処置用ゲートの周囲と患者の皮膚との間を密封する方法としては特に限定されないが、例えば、粘着剤によって貼り付ける方法、両面粘着テープで貼り付ける方法等が挙げられる。なお、これらの粘着剤等については、後述する本発明の感染防護服の着衣部分と患者の皮膚との接合部を接合する粘着剤等と同様のものを用いることができる。
本発明の感染防護服は、マイク及びスピーカーが内蔵されていることが好ましい。上記マイク及びスピーカーが内蔵されていることで、本発明の感染防護服を着用した患者との間で状態等について情報交換することができる。
上記マイクは、本発明の感染防護服を着用した患者の口元付近に設けられていることが好ましく、上記スピーカーは、本発明の感染防護服を着用した患者の耳元付近に設けられていることが好ましい。
上記マイクは、本発明の感染防護服を着用した患者の口元付近に設けられていることが好ましく、上記スピーカーは、本発明の感染防護服を着用した患者の耳元付近に設けられていることが好ましい。
更に、本発明の感染防護服は、全地球測位システムを利用した位置認識装置が内蔵されていることが好ましい。上記全地球測位システムとは、いわゆるGPS(Global Positioning System)であり、移動する患者の位置情報を管理することができる。図1に、上記位置認識装置として、頭頂部に設けられたGPSアンテナ10を示すが、本発明の感染防護服では、上記位置認識装置の設置位置特に頭頂部に限定されることはなく、任意の場所に設置されていてもよい。
このような位置認識装置は、特に、本発明の感染防護服は、感染患者が着用し、患者自らが自力で移動することができるものであるため、大人数の感染患者が発生し、野外での使用となった場合、患者の場所特定が必要となるときに有効な装置である。
本発明の感染防護服は、全身を覆うタイプであってもよい。ただし、この場合は、患者の排泄物を貯蔵するための排泄タンクを有することが好ましい。更に、患者が装着している際に自力で歩行することが可能なようにするため、足裏部分は固い素材で形成されることが好ましい。このような全身被覆タイプの本発明の感染防護服は、患者の病状が不明な場合や、皮膚感染を起こす可能性のウイルス疾患等である場合に好適に用いられる。
本発明の感染防護服において、患者の上半身を覆う着衣部分の皮膚との接合部の接合方法としては、本発明の感染防護服を着用した場合に大きく隙間が空かない程度あれば特に限定されず、例えば、ゴムバンド等で縛り付ける方法であってもよい。上述の通り、本発明の感染防護服は、衣部分を含めた外部マスク内が大気圧に対して陰圧に保持されるため、上記接合部から微生物やウイルスが漏れ出すことを防止することができるからである。
ただし、より確実に上記接合部から微生物やウイルスが漏れ出すことを防止するために、上記接合部の接合方法は、例えば、粘着剤を帯状にした粘着剤層を上記接合部に設置し、該粘着剤層を介して患者の皮膚と接合部とを接合する方法、上記粘着剤を用いた両面粘着テープを介して患者の皮膚と接合部とを接合する方法等が好適に用いられる。
ただし、より確実に上記接合部から微生物やウイルスが漏れ出すことを防止するために、上記接合部の接合方法は、例えば、粘着剤を帯状にした粘着剤層を上記接合部に設置し、該粘着剤層を介して患者の皮膚と接合部とを接合する方法、上記粘着剤を用いた両面粘着テープを介して患者の皮膚と接合部とを接合する方法等が好適に用いられる。
上記粘着剤としては、例えば、アクリル系、ゴム系又はシリコン系の高分子粘着剤が好適に選択されるが、ヒト皮膚への刺激性の低さや気密性の確保のための粘着力の強さから、アクリル系粘着剤が好ましく、特にアクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸2−エチルへキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体が好適である。また、人体がかぶれにくい粘着剤として、ペプチドのりも使用することもできる。
また、必要によりこれらの粘着剤に物性を改質するためのロジン類やテルペン系樹脂等の粘着付与剤、流動パラフィンやミリスチン酸イソプロピル等の軟化剤、炭酸カルシウムや架橋型ビニルピロリドン等の充填剤等を添加してもよく、これらを添加することで最適な粘着物性を得ることができる。なかでも、架橋型ビニルピロリドン(クロスポビドン)を添加した粘着剤は、人体からの汗等の水分の蒸散を吸収し、粘着剤層の表面と人体の面に水分が蓄積することを防止するので、耐汗性に優れ、本発明の感染防護服のように長期間(1週間以上の)の固定を行う場合に適している。
また、必要によりこれらの粘着剤に物性を改質するためのロジン類やテルペン系樹脂等の粘着付与剤、流動パラフィンやミリスチン酸イソプロピル等の軟化剤、炭酸カルシウムや架橋型ビニルピロリドン等の充填剤等を添加してもよく、これらを添加することで最適な粘着物性を得ることができる。なかでも、架橋型ビニルピロリドン(クロスポビドン)を添加した粘着剤は、人体からの汗等の水分の蒸散を吸収し、粘着剤層の表面と人体の面に水分が蓄積することを防止するので、耐汗性に優れ、本発明の感染防護服のように長期間(1週間以上の)の固定を行う場合に適している。
上記両面粘着テープの製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
すなわち、まず、分量の各種成分、例えば、分量のアクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸2−エチルへキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体等をとり、酢酸エチル等で溶解し、更に架橋型ビニルピロリドン等を加えて均一に混合することで粘着剤溶液を調製する。
次いで、調製した粘着剤溶液を、予め準備したシリコン等で剥離処理をした剥離紙の剥離面に延展し、加熱して酢酸エチルを乾燥して除去し粘着剤層とする。
その後、剥離紙を設けていない方の面にシリコン等で剥離処理をした剥離紙の剥離面を貼り合わせることで、粘着剤層が剥離紙に挟まれた両面粘着テープを製造することができる。なお、粘着剤が熱可塑性である場合、該粘着剤を加熱して液状とし、延展の後に冷却して粘着剤層を得ることもできる。
すなわち、まず、分量の各種成分、例えば、分量のアクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸2−エチルへキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体等をとり、酢酸エチル等で溶解し、更に架橋型ビニルピロリドン等を加えて均一に混合することで粘着剤溶液を調製する。
次いで、調製した粘着剤溶液を、予め準備したシリコン等で剥離処理をした剥離紙の剥離面に延展し、加熱して酢酸エチルを乾燥して除去し粘着剤層とする。
その後、剥離紙を設けていない方の面にシリコン等で剥離処理をした剥離紙の剥離面を貼り合わせることで、粘着剤層が剥離紙に挟まれた両面粘着テープを製造することができる。なお、粘着剤が熱可塑性である場合、該粘着剤を加熱して液状とし、延展の後に冷却して粘着剤層を得ることもできる。
上記剥離紙としては特に限定されず、一般的に用いられるポリエチレンで表面をコートしたグラシン紙やポリエチレンテレフタレート等を好適に用いることができる。
このようにして製造した両面粘着テープを用いて本発明の感染防護服の接合部と患者の皮膚とを接合する方法としては、例えば、製造した粘着剤層を必要に形状に切断して、片方の剥離紙を剥がして本発明の感染防護服の接合部に貼り付け、他方の剥離紙を剥がして患者の皮膚に貼り付ける方法が挙げられる。
なお、上記粘着剤を直接的に本発明の感染防護服の接合部に塗布し、乾燥させて粘着剤層を形成し、その表面を剥離紙で保護することにより、上記接合部に両面粘着テープを貼り付けていてもよい。
より具体的な両面粘着テープの製造方法の一例を以下に示す。
アクリル酸2−エチルシキシル・メタクリル酸2−エチルへキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体23重量部を酢酸エチル73重量部に溶解し、クロスポビドン(コリドンCL、BASF社製)4重量部を加えて均一に混合して粘着剤溶液とする。
この粘着剤溶液を、乾燥後の厚みが90μmとなるように厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコン処理をした離型面に延展し、80℃で15分間乾燥し粘着剤層とする。この粘着剤層の面に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコン処理をした離型面を貼り合わせることで両面粘着シートを得る。
アクリル酸2−エチルシキシル・メタクリル酸2−エチルへキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体23重量部を酢酸エチル73重量部に溶解し、クロスポビドン(コリドンCL、BASF社製)4重量部を加えて均一に混合して粘着剤溶液とする。
この粘着剤溶液を、乾燥後の厚みが90μmとなるように厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコン処理をした離型面に延展し、80℃で15分間乾燥し粘着剤層とする。この粘着剤層の面に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコン処理をした離型面を貼り合わせることで両面粘着シートを得る。
また、上記粘着剤層は、ウイルスの透過を遮断できるものであることが好ましい。上記粘着剤層がウイルスを透過してしまうと、本発明の感染防護服の接合部と患者の皮膚との間からウイルスが漏出してしまうため、本発明の感染防護服をウイルスに感染した患者に使用することができなくなるからである。
本発明の感染防護服は、患者の皮膚と接する接合部が抗ウイルス部材により密封されていることが好ましい。
上記抗ウイルス部材としては、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤が挙げられる。
上記抗ウイルス部材としては、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤が挙げられる。
上記抗ウイルス剤としては特に限定されず、従来公知のものが挙げられ、患者の感染したウイルスに合わせて適宜選択される。例えば、酸化に弱いウイルス等の場合は、強力な酸化力を有するスーパーオキサイド等を発生させる光触媒リン酸チタニアを用いることができる。
また、上記抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲルとしては特に限定されず、従来公知のものが使用できる。
また、上記抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤としては、例えば、上記粘着剤に抗ウイルス剤を含有させたもの等が挙げられる。
また、上記抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲルとしては特に限定されず、従来公知のものが使用できる。
また、上記抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤としては、例えば、上記粘着剤に抗ウイルス剤を含有させたもの等が挙げられる。
また、上記抗ウイルス部材としては、ウイルスの有する電荷の反対電荷を帯びた抗ウイルス帯電部材であってもよい。通常、ウイルスは電荷を帯びた状態にあるため、ウイルスの帯びた電荷と反対電荷を帯びていると、上記ウイルスを電気的にトラップすることができ、ウイルスの透過を遮断することができる。
このようなウイルスの有する電荷の反対電荷を帯びた抗ウイルス部材としては特に限定されず、例えば、ウイルスの有する電荷の反対電荷を帯びた、上記抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤や、ウイルスの有する電荷の反対電荷を帯びた不織布等が挙げられる。なかでも、ウイルスの有する電荷の反対電荷を帯びた、上記抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤は、抗ウイルス剤によるウイルスの遮断効果と、電気的トラップによるウイルスの遮断効果とを併用できるため好適である。例えば、マイナスの電荷を帯びたウイルスには、プラスの電荷を帯びたキトサンを含む抗ウイルス剤を用いることができる。
図2は、抗ウイルス部材の実施形態の一例を模式的に示す断面図である。なお、図2における抗ウイルス部材は、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲルである場合を示す。
図2に示すように、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲルを用いて本発明の感染防護服の接合部と患者の皮膚との間を密封する場合、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル32を本発明の感染防護服の接合部22と患者の皮膚との間に設置し、更に、接合部22の外側から固定用テープ31で患者の皮膚と接合部22とを固定する。
図2に示すように、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲルを用いて本発明の感染防護服の接合部と患者の皮膚との間を密封する場合、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル32を本発明の感染防護服の接合部22と患者の皮膚との間に設置し、更に、接合部22の外側から固定用テープ31で患者の皮膚と接合部22とを固定する。
固定用テープ31は、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル自体は粘着力を有していないため、本発明の感染防護服の接合部と患者の皮膚とを固定する目的で用いられる部材であり、上記抗ウイルス部材が抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤の場合、特に必要としない。
固定用テープ31としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
固定用テープ31としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
また、本発明の感染防護服が消化器系疾患の患者に用いることができるオムツ型である場合、上記抗ウイルス部材としては、抗ウイルスゲルが好適に用いられる。消化器系疾患の場合、患者の排出する尿等により水分が多く排出されるが、上記抗ウイルスゲルは、上記水分を好適に吸収することができる。
また、上記オムツ型の感染防護服は、排泄物貯蔵部、特に吸水シートに上記抗ウイルス剤を含有することが好ましい。
また、上記オムツ型の感染防護服は、排泄物貯蔵部、特に吸水シートに上記抗ウイルス剤を含有することが好ましい。
このように抗ウイルス部材を用いることで、本発明の感染防護服の接合部と患者の皮膚との間をウイルスが透過することがなく、本発明の感染防護服をウイルスに感染した患者にも使用することができる。
このような抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス部材、並びに、ウイルスの有する電荷と反対電荷を帯びた抗ウイルス帯電部材からなる抗ウイルス部材もまた、本発明の1つである。
このような抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス部材、並びに、ウイルスの有する電荷と反対電荷を帯びた抗ウイルス帯電部材からなる抗ウイルス部材もまた、本発明の1つである。
本発明の抗ウイルス部材は、上述したように、本発明の感染防護服が処置用ゲートを有する場合の該処置用ゲートと患者の皮膚との間を密封する用途や、本発明の感染防護服の接合部と患者の皮膚との間を密封する用途に好適に用いることができるが、その他、本発明の感染防護服の空気浄化装置等のようなウイルスの漏出する恐れのある部分を密封する用途に好適に用いることができる。
本発明の感染防護服は、例えば、鳥インフルエンザやSARS等の感染情報が不明確な新興感染や、ペストや天然痘等の感染情報が明確な再興感染が発生した場合、感染範囲の拡大を防止したり、医療スタッフへの感染防止したりするために、感染者自身が着用するものである。
隔離室等の設備では、ある程度の患者数に対しては有効に対応することができるが、急に多量の患者が発生した場合、特に、pandimic(大流行)の危険がある場合には充分に対応することができない。従って、このような場合に、本発明の感染防護服を患者に着用させることで有効に対応することができる。
また、本発明の感染防護服を着用した患者は、自ら移動することができるため、患者の移動にかかる時間や人員を大幅に削減することができ、更に、本発明の感染防護服を着用した状態で治療を施すこともできる。
更に、感染患者を隔離する必要がなくなったときは、本発明の感染防護服を取り外し、その後感染防護服を焼却処理することで、更なる感染を確実に防止することができる。例えば、隔離室等の設備の場合、患者を退室させた後は、更なる感染を防止するために部屋及び用具等の徹底的な洗浄を行う必要があり、手間と非常に大きなコストがかかるが、本発明の感染防護服は、使用を終えた後の処理は、焼却処分とする使い捨てであるため、隔離室等の設備に比べてコストが低く、しかも環境を汚染することがない。
更に、本発明の抗ウイルス部材は、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤からなる、或いは、ウイルスの有する電荷と反対電荷を帯びた抗ウイルス帯電部材からなるものであり、内部をウイルスが透過することを好適に遮断することができる。そのため、本発明の感染防護服が処置用ゲートを有する場合の該処置用ゲートの周囲や本発明の感染防護服の接合部と患者の皮膚との間に抗ウイルス部材を用いることで、これらの間からウイルスが漏出することを好適に防止することができる。
隔離室等の設備では、ある程度の患者数に対しては有効に対応することができるが、急に多量の患者が発生した場合、特に、pandimic(大流行)の危険がある場合には充分に対応することができない。従って、このような場合に、本発明の感染防護服を患者に着用させることで有効に対応することができる。
また、本発明の感染防護服を着用した患者は、自ら移動することができるため、患者の移動にかかる時間や人員を大幅に削減することができ、更に、本発明の感染防護服を着用した状態で治療を施すこともできる。
更に、感染患者を隔離する必要がなくなったときは、本発明の感染防護服を取り外し、その後感染防護服を焼却処理することで、更なる感染を確実に防止することができる。例えば、隔離室等の設備の場合、患者を退室させた後は、更なる感染を防止するために部屋及び用具等の徹底的な洗浄を行う必要があり、手間と非常に大きなコストがかかるが、本発明の感染防護服は、使用を終えた後の処理は、焼却処分とする使い捨てであるため、隔離室等の設備に比べてコストが低く、しかも環境を汚染することがない。
更に、本発明の抗ウイルス部材は、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤からなる、或いは、ウイルスの有する電荷と反対電荷を帯びた抗ウイルス帯電部材からなるものであり、内部をウイルスが透過することを好適に遮断することができる。そのため、本発明の感染防護服が処置用ゲートを有する場合の該処置用ゲートの周囲や本発明の感染防護服の接合部と患者の皮膚との間に抗ウイルス部材を用いることで、これらの間からウイルスが漏出することを好適に防止することができる。
本発明によれば、有害な微生物やウイルスに感染した患者からの感染を防止することができるとともに、該微生物やウイルスが拡散することを防止することができ、かつ、着用する患者は呼吸を楽に行うことができ、更に、必要に応じて患者自らが自力で移動し、患者に着用させた状態で治療を施すことができる感染防護服、及び、ウイルスの透過を好適に遮断できる抗ウイルス部材を提供できる。
1 感染防護服
2 内部マスク
3 内部マスク用空気供給チューブ
4 内部マスク用空気排出チューブ
5 外部マスク用空気供給チューブ
6 外部マスク用空気排出チューブ
7 モニタリングコード
8 輸血用ゲート
9 点滴用ゲート
10 位置認識装置
11 ポンプ
12 浄化装置
13 固定ベルト
14 外部マスク
15 エアクッション
22 接合部
31 固定用テープ
32 抗ウイルスゲル
2 内部マスク
3 内部マスク用空気供給チューブ
4 内部マスク用空気排出チューブ
5 外部マスク用空気供給チューブ
6 外部マスク用空気排出チューブ
7 モニタリングコード
8 輸血用ゲート
9 点滴用ゲート
10 位置認識装置
11 ポンプ
12 浄化装置
13 固定ベルト
14 外部マスク
15 エアクッション
22 接合部
31 固定用テープ
32 抗ウイルスゲル
Claims (12)
- 患者の鼻及び口を覆い、前記患者に吸気を供給するポンプに接続された内部マスク用空気供給チューブ、及び、前記患者の呼気を排出するポンプに接続された内部マスク用空気排出チューブが連通された内部マスクと、前記内部マスク及び患者の頭部全体を覆い、前記内部マスクから漏れ出した前記患者の呼気を排出するポンプに接続された外部マスク用空気排出チューブが連通された外部マスクとが一体になった2重マスクを有し、
前記2重マスクは、少なくとも前記患者の上半身を覆う着衣と接合されており、かつ、患者が着用した際に、前記内部マスク内は大気圧より陽圧に保持され、前記外部マスク内は大気圧より陰圧に保持されることを特徴とする感染防護服。 - 内部マスク用空気排出チューブ及び外部マスク用空気排出チューブから排出される患者の呼気を浄化するための浄化装置が設けられていることを特徴とする請求項1記載の感染防護服。
- 着用した患者の全体又は一部を視認できることを特徴とする請求項1又は2記載の感染防護服。
- 内部に供給する空気の温度と湿度とを制御する調整装置が設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の感染防護服。
- 着用した患者の状態を測定する測定機器が接続されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の感染防護服。
- 着用した患者に処置を施すための処置用ゲートを有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の感染防護服。
- マイク及びスピーカーが内蔵されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の感染防護服。
- 全地球測位システムを利用した位置認識装置が内蔵されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の感染防護服。
- 患者の皮膚と接する2重マスク及び少なくとも前記患者の上半身を覆う着衣に抗ウイルス部材が塗布されており、前記抗ウイルス部材が、抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の感染防護服。
- 抗ウイルス部材は、ウイルスの有する電荷の反対電荷を帯びていることを特徴とする請求項9記載の感染防護服。
- 抗ウイルス剤を含有する抗ウイルスゲル及び/又は抗ウイルス剤を含有する抗ウイルス粘着剤からなることを特徴とする抗ウイルス部材。
- ウイルスの有する電荷と反対電荷を帯びた抗ウイルス帯電部材からなることを特徴とする抗ウイルス部材。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112617309A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-04-09 | 齐鲁工业大学 | 新型清洁空气正压防护服 |
CN112641148A (zh) * | 2020-12-17 | 2021-04-13 | 绍兴标点纺织科技股份有限公司 | 医用抗病毒防护服 |
WO2022107887A1 (ja) * | 2020-11-19 | 2022-05-27 | 学校法人東京医科大学 | 隔離袋 |
CN115379881A (zh) * | 2020-04-17 | 2022-11-22 | 通用电气公司 | 医学成像过程中用于遏制病原体的患者隔离单元 |
-
2006
- 2006-09-21 JP JP2006256416A patent/JP2007113166A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115379881A (zh) * | 2020-04-17 | 2022-11-22 | 通用电气公司 | 医学成像过程中用于遏制病原体的患者隔离单元 |
WO2022107887A1 (ja) * | 2020-11-19 | 2022-05-27 | 学校法人東京医科大学 | 隔離袋 |
CN112641148A (zh) * | 2020-12-17 | 2021-04-13 | 绍兴标点纺织科技股份有限公司 | 医用抗病毒防护服 |
CN112641148B (zh) * | 2020-12-17 | 2023-10-13 | 绍兴标点纺织科技股份有限公司 | 医用抗病毒防护服 |
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