JP2007111655A - 脱臭装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脱臭装置が、オゾンガスを溶解させたオゾン水を貯留する反応液槽と、オゾン水中にオゾンガスを曝気する散気管と、オゾン水の液面下に端部が没し、反応液槽の液面上の空間を投入室と排気室とに仕切る仕切板と、投入室に設けられ、この投入室の上部から投入室の液面に向けて有臭空気を噴出する投入口と、排気室に設けられ、オゾン水により脱臭された脱臭空気を外部に導く排気口とを備える。
【選択図】 図1
Description
大規模処理施設から排出される腐敗臭やアンモニア臭等の悪臭を含んだ空気(有臭空気という。)を大量に処理する場合に、例えば、図6に示す散水式の脱臭装置においては、有臭空気の脱臭を行うために、有臭空気を処理塔101の下方に導入し、有臭成分の濃度や処理風量に応じて調合した薬品を薬品タンク102から注入ポンプ103により処理塔101の底部に貯留されている工業用水等の水に注入して溶解し、この薬液を循環ポンプ104で汲み上げて処理塔101の上方の散水管105から洗浄層106へ散布して下方から上昇してくる有臭空気と薬液とを洗浄層106で接触させ、この気液接触により有臭空気の有臭成分を脱臭して脱臭された空気(脱臭空気という。)を上方の放出口107から外部に放出している。
上記の脱臭処理における有臭空気と薬液との接触機会を確保するためには、薬液中に有臭空気を曝気する曝気式の脱臭装置が有効である。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、有臭空気とオゾン水との接触機会を確保しながら大量の有臭空気の脱臭処理を行う手段を提供することを目的とする。
図2において、1は脱臭システムであり、フード2等を利用して集められた有臭空気を送風機3により搬送ダクト4を通じて脱臭装置5に導入し、これをオゾン供給管6を通じて脱臭装置5に供給されるオゾンガスにより酸化分解して脱臭し、脱臭後の脱臭空気を排風機7により排気ダクト8を通じて吸引して外部に放出している。
本実施例の脱臭装置5は、数10〜数100Nm3/minの有臭空気を脱臭する機能を有している。
図1において、11は脱臭装置5の反応液槽であり、工業用水や井戸水、上水等の水にオゾンガスを溶解させた反応液としてのオゾン水12を底部に貯留する比較的大型のタンクである。
また、仕切板13のオゾン水12側には、一の端部が液面12a下に没し、他の端部が蝶番等で排気室16側へのみ揺動可能に支持された揺動部13aが形成されており、常時は図示しないバネ部材により投入室15側に付勢されている。
18は投入口であり、搬送ダクト4を通じて供給される送風機3により加圧された有臭空気を投入室15の下部の液面12aに向けて噴射する噴射ノズルであって、投入室15の天板14の中央部に設置されている。
19は排気口であり、排気室16の天板14の中央部に設置されて排気ダクト8に接続しており、後述する脱臭処理により脱臭された脱臭空気を排気ダクト8へ導く機能を有している。
21は気液反応層であり、ガラスや樹脂、金属等で形成された繊維材を層状にして、または網状に編んだシート材を螺旋状に丸めて形成された充填材等を充填して形成された反応層であって、投入室15の液面12aと投入口18との間に液面12aと平行に設けられており、投入口18から噴射された有臭空気の有臭成分と、散水管22から散布されたオゾン水12および液面12aから気散したオゾンガスとを気液接触反応させる機能を有している。
散水管22は、投入室15の気液反応層21と投入口18との間に液面12aと平行に設けられた先止りのパイプ状部材であって、反応液槽11に貯留されているオゾン水12を塵等を除去するためのフィルタ23を介して吸引する給水ポンプ24で汲み上げ、給水管25を通じて供給されるオゾン水12をシャワー状にして気液反応層21上に散布する機能を有している。
32は水位調整口であり、液面12aの水位が高すぎる場合にオゾン水12をオーバフローさせる機能を有している。
この補給水口30と水位調整口32とによりオゾン水12の液面12aは常に一定に維持され、仕切板13の端部(本実施例では仕切板13の揺動部13aの一の端部)が常時は液面12a下に没してその水封機能が維持される。
上記の各部位の中でオゾンガスまたはオゾン水12に触れる部位は、オゾンによる腐食を防止するためにステンレス等の金属材料やポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂材料等の耐食性に優れた材料が用いられる。
本実施例では、気液反応層21の充填材および水分分離層26の充填材以外はステンレスを用いて各部位が形成されている。
本実施例の反応液槽11のオゾン水12中には、散気管20によりオゾンガスが曝気されている。これによりオゾンガスが水に溶解してオゾン水12のオゾン濃度が高濃度に維持される他、散気管20が投入室15側に設けられているので、オゾン水12中に溶解しなかったオゾンガスの気泡が液面12aから気散して投入室15内の空間にオゾンガスを充満させる。
気液反応層21上へは、散水管22から給水ポンプ24により汲み上げられたフィルタ23により濾過されたオゾン水12が散布される。
すなわち、送風機3により加圧された有臭空気は、投入口18から噴射され、その噴流は気液反応層21を通過して液面12aに衝突し、貯留されているオゾン水12の液面12aを内部まで陥没させる。
この噴流の衝突により、オゾン水12の液面12aが激しく波立ち、貯留されているオゾン水12が攪拌され、有臭空気の多くの気泡がオゾン水12中に分散し、オゾン水12の飛沫が投入室15内に充満する。
また、投入室15内においては、飛散したオゾン水12の飛沫、および散気管20からの曝気により液面12aから気散したオゾンガスと、オゾン水12中に気泡として分散せず投入室15内に残留した有臭空気の有臭成分とが接触してオゾンによる酸化分解反応によって有臭成分が脱臭され、無臭化された脱臭空気となる。
また、仕切板13の揺動部13aは、投入室15の圧力が所定の圧力以上となったときに排気室16側に回動して揺動部13aの一の端部を液面12a上に持ち上げて液面12aと一の端部との間に隙間を形成するように構成され、投入室15の圧力の異常時に投入室15の圧力を下げる安全弁としての機能する。
この水分分離層26の通過のときに、液面12aから気散した脱臭空気に含まれる水滴が充填材に付着し、および脱臭空気に含まれる水蒸気が充填材で結露して脱臭空気から水分が分離され、水分が除去された脱臭空気が排気口19から排出されると共に、分離された水分が反応液槽11に貯留されているオゾン水12へ落下により戻され、オゾン水12aの減少を防止する。
更に、散気管20からオゾンガスを曝気して水にオゾンガスを溶解させたオゾン水12を生成するので、オゾンガスより反応性の高いオゾン水12により有臭成分を酸化分解することができ、有臭空気の脱臭処理を迅速に行うことができる。
更に、比較的大きな直径を有する投入口18から有臭空気を液面2aに向けて噴射するので、有臭空気中に異物が含まれていたとしても、投入口18が詰まりにより塞がることはなく、脱臭装置としての信頼性を向上させることができる。
更に、オゾンガスを投入室側に曝気する散気管を設けたことによって、オゾンガスを水に溶解させた反応性の高いオゾン水を生成することができると共にオゾン水中に溶解しなかったオゾンガスで投入室内の空間にオゾンガスを充満させることができる他、オゾンガスの気泡の浮上に伴って貯留されているオゾン水に循環流を形成することができ、オゾン水中に分散した気泡を投入室側から排気室側へ移動させる一助とすることができる。
更に、投入室の投入口と気液反応層との間にオゾン水を散布する散水管を設けたことによって、反応性の高いオゾン水を気液反応層に散布して、気液反応層における有臭成分の酸化分解反応を更に促進させることができる。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図3において、41は投入口18の伸張部であり、挿入室15の投入口18からオゾン水12の液面12aに向かって伸張し、その端部が貯留されているオゾン水12の内部に達する円筒部材である。
なお、本実施例では、気液反応層21、散水管22は省略されており、これに伴ってフィルタ23、給水ポンプ24および給水管25が省略されている。
上記の構成の作用について説明する。
本実施例の脱臭装置5を用いた脱臭処理は、以下のように行われる。
すなわち、送風機3により加圧された有臭空気は、投入口18から伸張部41に導かれてオゾン水12中に噴射され、その噴流によりオゾン水12の液面12aが実施例1に比して激しく波立つと共にオゾン水12が実施例1に比して激しく攪拌され、より多くの有臭空気の気泡がオゾン水12中に分散し、オゾン水12の飛沫および液面12aから気散した有臭空気が投入室15内に充満する。
また、投入室15内においては、実施例1と同様にして投入室15内に気散した有臭空気の有臭成分がオゾンによる酸化分解反応によって脱臭され、無臭化された脱臭空気となる。
上記のようにして、オゾン水12中に気泡として分散し脱臭された脱臭空気の気泡、および投入室15の空間内において脱臭され、激しく波立つ液面12aに巻込まれてオゾン水12中に気泡として分散した脱臭空気の気泡は、実施例1と同様にして排気室16側に運ばれ、排気室側16の液面12aから気散して脱臭空気が排気室16の空間内に充満し、水分分離層26を通過して排気口19から外部に排出される。
このように、本実施例の脱臭装置5においても、実施例1と同様に大量の有臭空気を反応液槽11のオゾン水12中を通過させて脱臭した後に排気室16の排気口19から排出することができ、有臭空気とオゾン水との接触機会を確保しながら大量の有臭空気の脱臭処理を行うことができる。
更に、散気管20からオゾンガスを曝気して水にオゾンガスを溶解させたオゾン水12を生成するので、オゾンガスより反応性の高いオゾン水12により有臭成分を酸化分解することができ、有臭空気の脱臭処理を迅速に行うことができる。
本実施例の脱臭装置5をゴミ処理施設に設置した場合の評価結果を図4に示す。
この評価試験に用いた脱臭装置5の反応液槽11は、幅2m、奥行き2m、高さ2mの筐体であり、仕切板13は投入室15が排気室16の2倍となるように液面12a上の空間を仕切る位置に設けられている。
図4に示すように、排気口19で測定した臭気指数(図5に示す臭気指数表における臭気指数をいう。)および臭気度は、投入口18での臭気指数および臭気度に比べて臭気指数が4から1に、臭気度が45%に減少し、有臭成分も不快な石油系臭気や生ゴミ臭が脱臭により消失して蒸気臭のみの脱臭空気が得られることが判る。
更に、オゾンガスを投入室側に曝気する散気管を設けたことによって、オゾンガスを水に溶解させた反応性の高いオゾン水を生成することができると共にオゾン水中に溶解しなかったオゾンガスで投入室内の空間にオゾンガスを充満させることができる他、オゾンガスの気泡の浮上に伴って貯留されているオゾン水に循環流を形成することができ、オゾン水中に分散した気泡を投入室側から排気室側へ移動させる一助とすることができる。
2 フード
3 送風機
4 搬送ダクト
5 脱臭装置
6 オゾン供給管
7 排風機
8 排気ダクト
9 オゾン発生器
9a 酸素ボンベ
11 反応液槽
12 オゾン水
12a 液面
13 仕切板
13a 揺動部
14 天板
15 投入室
16 排気室
18 投入口
19 排気口
20 散気管
21 気液反応層
22、105 散水管
23 フィルタ
24 給水ポンプ
25 給水管
26 水分分離層
30 補給水口
31 フロート
32 水位調整口
33 水抜口
41 伸張部
101 処理塔
102 薬品タンク
103 注水ポンプ
104 循環ポンプ
106 洗浄層
107 放出口
Claims (7)
- オゾンガスを溶解させたオゾン水を貯留する反応液槽と、
前記オゾン水中にオゾンガスを曝気する散気管と、
前記オゾン水の液面下に端部が没し、前記反応液槽の前記液面上の空間を投入室と排気室とに仕切る仕切板と、
前記投入室に設けられ、該投入室の上部から該投入室の前記液面に向けて有臭空気を噴出する投入口と、
前記排気室に設けられ、前記オゾン水により脱臭された脱臭空気を外部に導く排気口とを備えたことを特徴とする脱臭装置。 - 請求項1において、
前記投入室の投入口と、前記液面との間に気液反応層を設けたことを特徴とする脱臭装置。 - 請求項1において、
前記投入室の投入口と、前記液面との間にオゾン水を散布する散水管を設けたことを特徴とする脱臭装置。 - 請求項2において、
前記投入室の投入口と、前記気液反応層との間にオゾン水を散布する散水管を設けたことを特徴とする脱臭装置。 - 請求項1において、
前記投入室の投入口に、前記貯留されたオゾン水の内部に達する伸張部を設けたことを特徴とする脱臭装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
前記仕切板の端部に、前記液面下に没する揺動部を設けたことを特徴とする脱臭装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか一項において、
前記散気管が、前記オゾンガスを前記投入室の側に曝気することを特徴とする脱臭装置。
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