JP2007110876A - アクチュエータ巻線とこれを用いたアクチュエータおよび駆動システム - Google Patents
アクチュエータ巻線とこれを用いたアクチュエータおよび駆動システム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】電磁アクチュエータに用いられる巻回された巻線4において、前記巻線の少なくとも1箇所に巻線4の中途からコンデンサ6が並列接続されたものである。
【選択図】 図3
Description
このために従来の推力あるいはトルクのリップルの低減する方法としては、PWMアンプの出力に低域通過フィルタを挿入して、キャリア周波数を含む高周波成分の推力あるいはトルクリップルを除去するものや、アクチュエータに短絡巻線やダンパー巻線など別個に巻線を追加するなどしているものがある(例えば、非特許文献1参照)。
PWMアンプの出力に低域通過フィルタを挿入する方法について図4を用いて説明する。この装置は無停電電源システムであり、負荷の電機品への高周波リップルを低減する為、インバータの出力にL−Cフィルタを挿入している。無停電電源であるために各種の負荷の電気品に対応しなければならないが、負荷の方には高周波リップルの影響を受けないようにする工夫がされていない場合が多く、電源側に大きな出力フィルタが用いられている。
アクチュエータに短絡巻線およびダンパー巻線を具備した例について図5を用いて説明する。図5はダンパー巻線を持つ電磁石である。ダンパー巻線7は主に時定数を小さくする目的で使われるが、高周波のリップル成分はダンパー巻線7に流れるために、リップル成分の電磁力は軽減される。
宮入庄太著「基礎パワーエレクトロニクス」丸善 H9年2月 P.135
アクチュエータに巻線を追加しインダクタンスを増やす方法は、この追加した巻線にリップル電流を流すフィルタをアクチュエータ内に構成したことと、同じであり、アクチュエータの損失が増え、効率は低くなり、推力やトルクリップルも残るというような問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、PWMアンプに大きな出力フィルタを挿入せず、アクチュエータには追加巻線を設けることなく、滑らかな推力あるいはトルクが得られる電流にすることにより、リップルが生じないアクチュエータを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、電磁アクチュエータに用いられる巻回された巻線において、前記巻線の中途に少なくとも1箇所にコンデンサが並列接続されたものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記巻線が多相巻線からなり、各相の巻線の少なくとも1箇所に巻線の中途からコンデンサが並列接続されたものである。
また、請求項3に記載の発明は、前記コンデンサが巻線の一部と接続され、コイルエンド部に配置されているものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のアクチュエータ巻線であって、前記アクチュエータ巻線を励磁するものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のアクチュエータと前記アクチュエータを駆動するPWMアンプからなる駆動システムにおいて、前記PWMアンプの出力側に、低域通過フィルタが挿入されたものである。
また、請求項4に記載の発明によると、巻線に並列接続されたコンデンサを具備したアクチュエータ巻線を用いることで、高周波電流のリップルが除去できることから、アクチュエータが発生するトルクあるいは推力のリップルを無くすことができる。
また、請求項5に記載の発明によると、従来の巻線の配置はそのままで、高温に弱いコンデンサを、冷却効果の良好な個所にすることができ、アクチュエータの構造を変えることなく、信頼性も確保することができる。
アクチュエータの巻線の部分インダクタンスLi,LirとコンデンサCiは、駆動するPWMアンプのキャリアの角周波数をωとすると、次式の関係がある。
ω2・Lir・Ci=1+1/Pi (1)
Li/Lir=Pi (2)
ここで、Piは正の数である。
このとき、PWMアンプのキャリア角周波数ωに対して並列共振となっている。次に、部分インダクタンスLi,Lirの起磁力の関係について説明する。キャリア角周波数ωに対する部分インダクタンスLiの電圧と電流は、式3で示される。
Vi=jωLiIi (3)
また、部分インダクタンスLirの電圧と電流は、コンデンサCiにより式4で示される。
Vir=jωLirIir/(1−ω2LirCi) (4)
ここで、ω2LirCiが2となるように、Ciを設定すると、式4は式5で示される。
Vir=−jωLirIir (5)
ここで、1つの巻線だけを考えて巻線の中点からタップを取り出すと式2のPiを1となり、部分インダクタンスLiおよびLirにかかる電圧は同じであり、LirにはLiと同じ大きさで反対方向に流れる電流が作用することになる。すなわち、キャリア周波数の高周波電流による起磁力は相殺され、基本波成分のみの推力またはトルクが発生し、リップル成分は相殺される。
また、アクチュエータの巻線のインピーダンスは、抵抗RとインダクタンスLの直列等価回路で表されるが、本発明では、キャリア角周波数ωの成分が相殺されることからキャリア周波数のインピーダンスは、抵抗成分のみとなる。従って、PWMアンプの出力にキャリア周波数の高周波電流を抑制する若干のローパスフィルタが必要となる。アクチュエータの駆動系の1例を図2に示す。図2は、PWMアンプで、本発明の巻線の一部分にコンデンサが接続されたアクチュエータを駆動するブロック図であるが、PWMアンプ2とアクチュエータ巻線1の間に、前述のようにキャリア周波数に対して若干のインピーダンスを持つ低域通過フィルタ3を挿入している。
このように、アクチュエータの巻線に別途巻線を巻回する必要がなく、また高周波のリップル成分の起磁力をキャンセルでき、基本波成分にはほとんど影響しないようになっている。
非特許文献1との違いは、低域通過フィルタの設計に於いて、PWMキャリアのリップル電流によるアクチュエータの推力あるいはトルクリップルは発生しないので、推力あるいはトルクリップルよりも電流リップルを一定の値以下にするという考え方で、低域通過フィルタの特性を厳しく設計しないで済む。すなわち、小さなフィルタ、とりわけ直列に接続するコイルは、より小さなインダクタンスでよい。
具体的なアクチュエータ巻線の構造について図3を用いて説明する。図3は、アクチュエータの巻線部の第2実施例を示す図である。アクチュエータの巻線は、プリント基板5に取り付けられていて、コイル4の途中からタップ6が出ており、これにコンデンサが接続されている。
このように、従来の巻線からタップを出し、コンデンサを取り付けただけの構成をしているので、簡単に実現することができる。
ここでは、平面型の巻線を例にアクチュエータ巻線構造を説明したが、これに限定されるものではなく、円筒型巻線や回転型モータに用いられる巻線構造でも良い。
このような構成をとることで、リニアモータは推力リップルが生じることなく、動作することができる。
ここでは、アクチュエータについてリニアモータを例に説明したが、これに限定されるものではなく、回転型のモータや、電磁石で構成したアクチュエータでも良い。
2 PWMアンプ
3 低域通過フィルタ
4 コイル
5 基板
6 タップ
7 ダンパー巻線
8 移動子
81 磁石
9 ガイドレール
10 固定子
Claims (5)
- 電磁アクチュエータに用いられる巻回された巻線において、
前記巻線の少なくとも1箇所に巻き線の中途からコンデンサが並列接続されたことを特徴とするアクチュエータ巻線。 - 前記巻線は、多相巻線からなり、各相の巻線の少なくとも1箇所に巻線の中途からコンデンサが並列接続されたことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ巻線。
- 前記コンデンサは、巻線の一部と接続され、コイルエンド部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ巻線
- 請求項1のアクチュエータ巻線であって、前記アクチュエータ巻線を励磁することで駆動されることを特徴とするアクチュエータ
- 請求項4に記載のアクチュエータと前記アクチュエータを駆動するPWMアンプからなる駆動システムにおいて、
前記PWMアンプの出力側に、低域通過フィルタが挿入されたことを特徴とする駆動システム
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CN109586541A (zh) * | 2018-11-05 | 2019-04-05 | 兰州万里航空机电有限责任公司 | 应用于直线式电作动器的气压平衡装置 |
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CN109586541B (zh) * | 2018-11-05 | 2020-07-14 | 兰州万里航空机电有限责任公司 | 应用于直线式电作动器的气压平衡装置 |
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