JP2007106692A - 環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩ならびにその医薬用途 - Google Patents

環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩ならびにその医薬用途 Download PDF

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雅和 小岩
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Abstract

【課題】新規な血小板凝集抑制または予防薬を提供する。
【解決手段】一般式(I)
Figure 2007106692

[式中、R1は無置換、または1もしくは複数のハロゲンもしくは炭素数1〜6のアルキル基によって置換された−-(CH2)m−COOR5であり、R5は水素、または炭素数1〜6のアルキルであり、mは1〜3の整数であり、R2は炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、またはフェニル、nは0〜4の整数、R3、R4は無置換、もしくは1つもしくは複数の置換基で置換されたアリール、またはヘテロアリールである]で示される環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩、およびそれらを含有する医薬。
【選択図】なし

Description

本発明は、強力な血小板凝集抑制作用を有する環状アミン誘導体、及びそれらを有効成分とする医薬に関するものである。
血管が傷つき出血が起こった場合、血管の傷口をふさぐように血液の凝固が起こり、やがて止血する。止血は生命が存続するために必要な機能であり、血液の凝固は重要な生体防御反応のひとつである。血液の凝固はまず血小板の凝集を介して起こるが、血管の内部に形成される血液の凝固、いわゆる血栓は、それが過剰となると血液の循環を阻害し、心筋梗塞、脳梗塞、その他多くの血栓性疾患を発症させる。この血栓性疾患はガンと並び、現代の死因の主要なものであり、その予防と治療が強く求められている。血栓性疾患の治療と予防のためには、血栓の形成、すなわち血小板の凝集を強力に抑制する医薬が必要である。
これまでに血小板の凝集を抑制するための様々な化合物が開発されており、特にアスピリンやチエノピリジン誘導体(チクロピジン、クロピドグレル)等が知られている。しかしながら、アスピリンの血小板凝集抑制作用は弱く、不十分であり、胃炎、消化性潰瘍などの副作用も懸念される。
また、チエノピリジン誘導体については、血小板減少性紫斑病や肝障害などの副作用が知られている。そのため、より安全で、有効な新規血小板凝集抑制剤の開発が現在も求められている。
本発明者らは、血小板凝集を強力に抑制する新規な化合物を創出すべく種々検討した結果、ジアリールアミド構造からなる側鎖を有する環状アミン誘導体が、強力な血小板凝集抑制作用を有することを見出した。
特許文献1には、本特許の環状アミン誘導体を包含するような広範囲の化合物が請求されている。しかしながら、それらの化合物は接着分子阻害による喘息やアレルギー関連疾患の治療薬であり、血小板凝集抑制作用については全く触れられていない。また、当該文献には、本発明の化合物の特徴であるジアリールアミド構造を有する環状アミン化合物は具体的に記載されていない。
特許文献2には本特許類似の環状アミン誘導体が開示されている。しかしながら、該文献中には本特許の環状アミン誘導体に該当する化合物は開示されておらず、血小板凝集抑制作用についても全く触れられていない。
国際公開第01/58871号パンフレット 特開2004−51600号公報
本発明は、血小板凝集抑制作用を有する新規な化合物を提供することを課題とするものである。
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(A)(一般式I)
Figure 2007106692
(式中、R1は無置換、または1つもしくは複数の(a)ハロゲンもしくは(b)炭素数1〜6のアルキル基によって置換された−-(CH2)m−COOR5であり、R5は水素、または炭素数1〜6のアルキルであり、mは1〜3の整数であり、
2は(1)炭素数1〜6のアルキル、(2)炭素数1〜6のアルコキシ、または(3)フェニルであり、nは0〜4の整数であり、R3、R4は無置換、もしくは以下の群から独立に選ばれる1つもしくは複数の置換基によって置換されたアリール、またはヘテロアリール
(a)炭素数1〜6のアルキル、(b)炭素数1〜6のアルコキシ、(c)ハロゲン、(d)炭素数1〜6のハロアルキル、(e)炭素数1〜6のハロアルコキシ、(f)炭素数2〜6のアルケニル、(g)シアノ、(h)炭素数2〜7のシアノアルキル、(i)炭素数2〜12のジアルキルアミノ、(j)炭素数1〜6のヒドロキシアルキル、(k)炭素数1〜3のアルキレンジオキシ、(l)フェニル、(m)炭素数1〜6のアルキルチオ、および(n)炭素数1〜6のアルキルスルホニルである。)
で示される、環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
(B)前記一般式(I)において、mが1であり、R2が炭素数1〜6のアルキルである(A)記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
(C)前記一般式(I)において、R3、R4のアリール、またはヘテロアリールがフェニル、ピリジル、イソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、チエニル、またはピロリルである(B)記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
(D)前記一般式(I)において、R3、R4のアリール、またはヘテロアリールがフェニル、ピリジル、またはインドリルである(C)記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
(E)前記一般式(I)において、R1が置換されない−-(CH2)m−COOR5である(D)記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
(F)前記一般式(I)において、R3、R4の置換基が以下の群から独立に選ばれる1つもしくは複数である(E)記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
(a)炭素数1〜6のアルキル、(b)炭素数1〜6のアルコキシ、(c)ハロゲン、(d)炭素数1〜6のハロアルキル、(e)炭素数1〜6のハロアルコキシ、および(f)炭素数1〜3のアルキレンジオキシ
(G)(A)〜(F)のいずれか1項に記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
(H)(A)〜(F)記載のいずれか1項記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する血小板凝集抑制又は予防薬。
(I)対象疾患が血栓症、又は血栓が関与する疾患である(H)記載の血小板凝集抑制又は予防薬。
(J)該血栓症が冠動脈、脳動脈、末梢動脈又は末梢静脈における血栓症である(I)記載の血小板凝集抑制又は予防薬。
(K)血栓が関与する疾患が、心筋梗塞、不安定狭心症、脳梗塞、一過性脳虚血発作又は慢性動脈閉塞症である(I)記載の血小板凝集抑制又は予防薬。
本発明の一般式(I)で表される環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩は、強力な血小板凝集抑制作用を有しており、血栓症、又は血栓が関与する疾患の治療及び予防薬として有効である。具体的には、血栓症が冠動脈、脳動脈、末梢動脈又は末梢静脈における血栓症、血栓が関与する疾患が心筋梗塞、不安定狭心症、脳梗塞、一過性脳虚血発作又は慢性動脈閉塞症である場合有効である。
本明細書で使用する次の用語は、特に断りがない限り、下記の定義の通りである。
「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードを意味する。
「アルキル」は、特に断りがない限り、炭素原子及び水素原子からなる、一価の直鎖又は分岐状の飽和炭化水素基を意味する。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「アルコキシ」は、−OR基を意味し、このRは、ここで定義されているアルキルである。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「アルキレン」は、特に断りがない限り、炭素原子及び水素原子からなる二価の直鎖又は分岐状の飽和炭化水素基を意味する。例えば、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレンなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「ハロアルキル」は、ここで定義されている1個以上のハロゲン原子で任意の位置に置換された、ここで定義されているアルキル基を意味する。ハロアルキル基の例としては、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチルなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「ヒドロキシアルキル」は、1個以上のヒドロキシル基で任意の位置に置換された、ここで定義されているアルキル基を意味する。ヒドロキシアルキル基の例としては、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピルなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「アリール」は、少なくとも1個の環が芳香族である1個以上の環を有する炭素数18以下の一価の芳香族炭化水素基を意味する。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インダニル、アントリル、フェナントリルなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「ヘテロアリール」は、環内に1ないし3個のヘテロ原子(窒素、酸素、硫黄から選択)を組み込んだ1個以上の環を有する炭素数17以下の一価の芳香族基を意味する。ヘテロアリール基の例としては、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、チエニル、フリル、ピリジル、キノリル、ベンゾフリル、インドリル、ピロリルなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「シアノアルキル」は、1個以上のシアノ基で任意の位置に置換された、ここで定義されているアルキル基を意味する。シアノアルキル基の例としては、シアノメチル、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、3−シアノプロピルなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「アルキレンジオキシ」は、−ORO−基を意味し、このRは、ここで定義されているアルキレンである。アルキレンジオキシ基の例としては、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリメチレンジオキシなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「ハロアルコキシ」は、ここで定義されている1個以上のハロゲン原子で任意の位置に置換された、ここで定義されているアルコキシ基を意味する。ハロアルコキシ基の例としては、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「アルケニル」は、特に断りがない限り、炭素原子及び水素原子からなり、少なくとも1個の二重結合を有し、かつ一価の直鎖又は分岐状の不飽和炭化水素基を意味する。アルケニル基は、非対称性の炭素により生じるシス又はトランス((E)又は(Z))異性体の基を含む。アルケニル基の例としては、エテニル、1−プロペニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、1,3−ブタジエニルなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「ジアルキルアミノ」は、独立する2個のここで定義されているアルキル基で置換されたアミノ基を意味する。ジアルキルアミノ基の例としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「アルキルチオ」は、−SR基を意味し、このRは、ここで定義されているアルキルである。アルキルチオ基の例としては、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「アルキルスルホニル」は、−SOR基を意味し、このRは、ここで定義されているアルキルである。アルキルスルホニル基の例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニルなどが挙げられ、これらは限定的なものではない。
「薬学的に許容される」は、通常安全で毒性が低く、生物学的にも、その他の点でも問題なく、かつ動物薬及びヒトの医薬として許容しうる製剤の調製に有用であることを意味する。
「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容され、かつ親化合物の望ましい薬理活性を有する塩を意味する。そのような塩としては、例えば、次のものが挙げられる。塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で生成される酸付加塩、又は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、酪酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ラウリル硫酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で生成される酸付加塩。
親化合物中に存在する酸性プロトンが、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン又はアンモニウム陽イオンなどで置換されて生成される塩基付加塩。もちろん、その他の金属、例えばアルミニウム、亜鉛又は鉄の陽イオン型も本発明に含まれる。
又は親化合物中に存在する酸性プロトンが、有機塩基と配位結合することによって生成される塩基付加塩。塩基付加塩の生成に用いられる無機塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。塩基付加塩の生成に用いられる有機塩基としては、第1級、第2級又は第3級アミンであり、適当なアミンの例は、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ジブチルアミン、トリイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、アリルアミン、クロチルアミン、シクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、α−フェニルエチルアミン、β−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、又は18個までの炭素原子を含有する第1級、第2級又は第3級アミンである、脂肪族、脂環式及び複素環式アミン類、例えば1−メチルピペリジン、4−エチルモルホリン、1−イソプロピルピロリジン、2−メチルピロリジン、1,4−ジメチルピペラジン、2−メチルピペリジン等、更に水溶性又は親水性基を含有するアミン類、例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミン、エチルジエチルアミン、N−ブチルエタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオ−ル、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ガラクトサミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、N−メチルグルコサミン、エフェドリン、フェニレフリン、エピネフリン、プロカイン等、更には塩基性アミノ酸、具体的にはリジン、アルギニン等である。
本発明の一般式(I)で示される環状アミン誘導体において、R1について、mとしては1、2が好ましく、1が特に好ましい。Rの炭素数1〜6のアルキルとしては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシルが挙げられる。Rとしては、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが好ましく、水素、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルが更に好ましく、水素、メチル、tert−ブチルが特に好ましい。
1の置換基について、ハロゲンとしてはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードが挙げられる。炭素数1〜6のアルキルとしては、例えばメチル、エチル、tert−ブチルが挙げられる。これらの中で、同じ、または異なる1〜2個のクロロ、フルオロ、メチルが好ましく、同じ、または異なる1〜2個のフルオロ、メチルが更に好ましく、1〜2個のフルオロが特に好ましい。
について、炭素数1〜6のアルキルとしては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシルが挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシとしては、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシが挙げられる。Rとしては水素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、フェニルが好ましく、水素、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、イソプロポキシが更に好ましく、水素、メチル、イソプロピルが特に好ましい。nとしては、0、1、2、4が特に好ましい。
について、アリールとしては、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、インダニルが挙げられる。ヘテロアリールとしては、例えばイミダゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、チエニル、フリル、ピリジル、キノリル、ベンゾフラニル、インドリル、ピロリル、イソオキサゾリル、ベンゾチアゾリルが挙げられる。これらのなかでフェニル、ナフチル、ピリジル、イソオキサゾリル、ベンゾチアゾリルが好ましく、フェニル、ピリジル、ベンゾチアゾリルが更に好ましく、フェニル、ピリジルが特に好ましい。
の置換基について、炭素数1〜6のアルキルとしては、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルが挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシとしては、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシが挙げられる。ハロゲンとしては、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードが挙げられる。炭素数1〜6のハロアルキルとしては、例えばトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルが挙げられる。炭素数1〜6のハロアルコキシとしては、例えばトリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシが挙げられる。炭素数2〜6のアルケニルとしては、例えばエテニル、1,3−ブタジエニル、アリルが挙げられる。炭素数2〜6のシアノアルキルとしては、例えばシアノシメチル、2−シアノエチルが挙げられる。炭素数2〜12のジアルキルアミノとしては、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノが挙げられる。炭素数1〜6のヒドロキシアルキルとしては、例えばヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチルが挙げられる。Rの置換基としては、同じ、又は異なる1個〜3個のメチル、エチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、ジメチルアミノが好ましく、同じ、又は異なる1個〜3個のメチル、エチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロが更に好ましく、同じ、又は異なる1個〜2個のメチル、エチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロが特に好ましい。
について、アリールとしては、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル、インダニルが挙げられる。ヘテロアリールとしては、例えばイミダゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、チエニル、フリル、ピリジル、キノリル、ベンゾフラニル、インドリル、ピロリル、イソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリルが挙げられる。Rとしてはフェニル、ナフチル、チエニル、フリル、ピリジル、ベンゾフラニル、インドリル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニルが好ましく、フェニル、チエニル、フリル、ピリジル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニルが更に好ましく、フェニル、チエニル、フリル、ピリジル、インドリル、ベンゾフラニルが特に好ましい。
の置換基について、炭素数1〜6のアルキルとしては、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルが挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシとしては、例えばメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシが挙げられる。ハロゲンとしては、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードが挙げられる。炭素数1〜3のアルキレンジオキシとしては例えばメチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリメチレンジオキシが挙げられる。炭素数1〜6のハロアルキルとしては、例えばトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルが挙げられる。炭素数1〜6のハロアルコキシとしては、例えばトリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシが挙げられる。炭素数2〜6のアルケニルとしては、例えばエテニル、1,3−ブタジエニル、アリルが挙げられる。炭素数2〜12のジアルキルアミノとしては、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノが挙げられる。炭素数1〜6のアルキルチオとしては、例えばメチルチオ、エチルチオが挙げられる。炭素数1〜6のアルキルスルホニルとしては、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニルが挙げられる。Rの置換基としては、同じ、又は異なる1個〜3個のメチル、エチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、クロロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシが好ましく、同じ、又は異なる1個〜3個のメチル、エチル、メトキシ、フルオロ、クロロ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシが更に好ましく、同じ、又は異なる1個〜2個のメチル、エチル、メトキシ、フルオロ、クロロ、メチレンジオキシが特に好ましい。
薬学的に許容される塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、α−フェニルエチルアミン塩、β−フェニルエチルアミン塩、エチレンジアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、メグルミン塩が挙げられる。これらの中で、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、α−フェニルエチルアミン塩、β−フェニルエチルアミン塩が好ましく、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩が更に好ましく、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩が特に好ましい。
本発明の環状アミン誘導体のうち、分子内に不斉炭素を有する場合には各種の光学異性体が存在し、更に少なくとも2個の不斉炭素を有する場合には各種のジアステレオマーが存在する。本発明はそれらの光学異性体、及びジアステレオマーをも包含する。また、本発明はシス−トランス異性体をも包含する。
本発明の一般式(I)で示される環状アミン誘導体の具体例を表1〜6に示すが、これらは本発明を限定するものではない。
Figure 2007106692
Figure 2007106692
Figure 2007106692
Figure 2007106692
Figure 2007106692
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本発明の環状アミン誘導体は、以下の合成スキームに示す方法によって製造することができる。なお、これらの化合物の製造に使用する出発物質と試薬は一般に入手することができるか、又はOrganic Reaction (Wiley & Sons)、Fieser and Fieser's Reagent for Organic Synthesis (Wiley & Sons)などの参考文献に記載の手順に従って、当業者に既知の方法によって合成できる。
以下のスキームは、一般式(I)で示される本発明の環状アミン誘導体のうち、Rにおけるmが1、Rが水素である一般式(Ia)(式中の記号は前記と同じ意味を表す)で示される環状アミン誘導体を製造する方法のひとつを単に例示するものであり、本発明の範囲はこれによって何ら制限をうけるものではない。
Figure 2007106692
特に断りがない限り、ここで述べる反応は大気圧で−100℃〜150℃までの温度で、より好ましくは−20℃〜125℃までの温度で、特に好ましくは0℃〜100℃の温度で行われる。また、式中のPGは適当な保護基、Lvは適当な脱離基を示す。
Figure 2007106692
工程1は窒素への保護基導入反応である。ここでは、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニルなどの各種カルバメート型保護基を利用することができる(式中の記号は前記と同じ意味を表す)。アミンのカルバメート化反応は公知であり、テトラヒドロフランやジクロロメタン溶媒中、ピリジンやトリエチルアミンなどの塩基存在下、アミン誘導体を各種クロロギ酸エステル誘導体と反応させることで行われる。
Figure 2007106692
工程2は水酸基のエーテル化反応である。ブロモ酢酸誘導体を用いたエーテル化反応は公知であり、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、又はこれらの混合溶媒中、アルコール誘導体を水素化ナトリウムや水素化カリウム等の塩基で処理した後、ブロモ酢酸誘導体を添加することで行われる。あるいは、アルコール誘導体とブロモ酢酸誘導体を、テトラブチルアンモニウムブロミドや硫酸水素テトラブチルアンモニウムなどの相間移動触媒存在下、トルエンまたはベンゼンと水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム水溶液中で反応させることでも行える。
Figure 2007106692
工程3は窒素の脱保護反応である。カルバメート型保護基の脱保護反応は公知であり、ベンジルオキシカルバメートの脱保護は、パラジウム/炭素や水酸化パラジウム/炭素触媒存在下、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸又はこれらの混合溶媒中、カルバメート誘導体を加水素分解することで行われる。アリルオキシカルバメートの脱保護は、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムやジベンジリデンアセトンパラジウム触媒存在下、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、カルバメート誘導体をモルホリンやピペリジンのような塩基、あるいは1,3-ジメチルバルビツール酸のような炭素求核剤で処理することで行われる。
Figure 2007106692
工程4はアミンのアルキル化反応である。N−アルキル化反応は公知であり、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、トルエン、又はこれらの混合溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の塩基存在下、アミン誘導体を対応するハロゲン化アルキルで処理することで行われる。
Figure 2007106692
工程5は水酸基の脱離基への変換反応である。ここで脱離基としては、クロロ基やメタンスルホニル基が使用できる。水酸基のメシル化反応は公知であり、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、ジメトキシエタン又はこれらの混合溶媒中、トリエチルアミン、モルホリン等の塩基存在下、アルコール誘導体をメシルクロリド又はメタンスルホン酸無水物で処理することで行われる。
Figure 2007106692
工程6−1は1級アミン(H2N−R)の一般式(VII)(式中の記号は前記と同じ意味を表す)で示される環状アミン誘導体によるN−アルキル化反応である。N−アルキル化反応は公知であり、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、トルエン、又はこれらの混合溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の塩基存在下、アミン誘導体を対応するハロゲン化アルキルやアルキルメシラートで処理することで行われる。
また、一般式(VIII)(式中の記号は前記と同じ意味を表す)で示される中間体は、工程6−2で製造することもできる。
Figure 2007106692
工程6−2は一般式(X)の試薬による、一般式(V)(式中の記号は前記と同じ意味を表す)で示される中間体のN-−アルキル化反応である。N−アルキル化反応は公知であり、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、トルエン、又はこれらの混合溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の塩基存在下で行われる。
Figure 2007106692
工程7はアミンのアシル化反応である。N−アシル化反応は公知であり、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、アセトン、ジメトキシエタン又はこれらの混合溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基存在下、アミン誘導体を対応する酸クロリド(RCOCl)又は酸無水物((RCO)2O)で処理することで行われる。又は、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はこれらの混合溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の適当な縮合剤存在下、アミン誘導体を対応するカルボン酸(RCOOH)で処理することで行われる。
Figure 2007106692
工程8はエステルの加水分解反応である。塩基性条件下、あるいは酸性条件下でのエステル加水分解反応は公知であり、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ジメトキシエタン又はこれらの混合溶媒等の水と混和しうる有機溶媒中、エステル誘導体を水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液、あるいは塩酸で処理することで行われる。
一般式(II)で示される化合物、及び各工程で用いる試薬は、それ自体公知であるか、又は当業者には自明の方法によって製造することができる。例えば、次の公知文献を利用することで、当業者は種々置換された環状アミン誘導体(II)を製造することができる。
Synthesis, 1982, 605、Tetrahedron Asymmetry, 1993, 4, 625、Tetrahedron, 1997, 53, 697、Liebigs Ann, 1996, 1283、Org. Lett., 2002, 4, 3727、Synth. Commun., 1992, 22, 3115、J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 4018
また、環状アミン誘導体(V)については、その製造方法が、J. Med. Chem., 1992, 35, 4393 に記載されている。アルキル化試薬(X)については、その製造方法が米国特許第2,892,871号に開示されている。
本明細書の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば常圧下又は減圧下における蒸留、シリカゲル又はケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、あるいはカラムクロマトグラフィー、又は洗浄、再結晶等の方法により精製することができる。精製は反応ごとに行ってもよいし、いくつかの反応終了後に行ってもよい。
本発明の環状アミン誘導体は、医薬として使用することができる。例えば、強力な血小板凝集抑制作用を有するため、本発明の環状アミン誘導体、あるいは本発明の環状アミン誘導体を含む組成物は、哺乳類、特にヒトにおける、過剰な血小板凝集が関与する種々の疾患の予防、及び治療に有効である。
より具体的には、本発明の環状アミン誘導体は、血栓症、特に冠動脈、脳動脈、末梢動脈における血栓症あるいは血栓が関与する疾患の予防、及び治療薬として有効である。
ここでいう血栓症とは冠動脈血栓症、肺動脈血栓症などの動脈血栓症、深部静脈血栓症などの静脈血栓症、壁在血栓症などの心臓における血栓症、あるいは体外循環路における血栓症である。血栓が関与する疾患とは、心筋梗塞、不安定狭心症、脳梗塞、一過性脳虚血発作、急性あるいは慢性動脈閉塞症、PTCA後の再狭窄、播種性血管内血液凝固(DIC)、脳塞栓症、肺塞栓症等である。
本発明は、薬学的に許容されるその塩、並びに1種類以上の薬学的に許容される担体、及び場合によりほかの治療用及び/又は予防用成分を含む医薬組成物を包含する。
一般に、本発明の環状アミン誘導体は、同様の用途に有用な薬剤について許容されているどのような投与方法によっても、治療上有効な量が投与される。通常は静注、動注、筋注、皮下注、経皮、経肺、経鼻、点眼、直腸又は経口投与で本発明の環状アミン誘導体が投与される。
通常の経皮、経肺、経鼻、点眼、直腸又は経口投与の際には、0.1μg/kg/日〜100mg/kg/日の範囲で1日1〜4回にわけて投与される。点滴静注又は動注の場合には、1ng/kg/分〜1mg/kg/分の範囲で投与すれば好ましい結果が得られる。通常の静注、動注、筋注、皮下注の場合には、0.01μg/kg/日〜100mg/kg/日の範囲で1日1〜4回にわけて投与する。これらの投与の場合、その投与量は前記の範囲から患者の年令、性別、状態及び薬剤の投与回数等を考慮して選択される。
本発明の環状アミン誘導体には、必要に応じて薬学的に許容される添加剤を加えてもよく、澱粉、乳糖、ショ糖、D−マンニトール、ソルビトール、微結晶セルロースのような賦形剤、この他、結合剤、崩壊剤、被覆剤、安定剤、保存剤、可溶化剤、着色剤、滑沢剤等を含む固形物の形で経口投与できる。又本発明の環状アミン誘導体は、無菌製剤の形で非経口的に投与してもよく、添加剤として塩化ナトリウム、D−マンニトール、キシリトール又はグルコ−ス等の等張剤、pH調節剤、溶解補助剤を含んでいてもよい。本発明の環状アミン誘導体は、化学構造上の安定性を有しているため、医薬品形態としては、薬学的に許容される投与形態であれば特に限定されるものではなく、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ剤等の前記経口用の製剤、各種注射剤、坐剤、軟膏、ゲル剤、エアゾール剤、懸濁剤、液剤、テープ剤及びローション剤等、幅広い剤形を選択できる。
本発明の環状アミン誘導体は、例えば他の抗血栓薬、又は他の疾患(例えば高血圧、糖尿病、高脂血症、狭心症など)の予防又は治療薬と組合せて用いることもできる。
他の抗血栓薬としては、例えば、チクロピジン、クロピドグレル、CS-747などのADP受容体拮抗薬、シロスタゾール、ペントキシフィリン、ジピリダモールなどのホスホジエステラーゼ阻害薬、サルポグレラートなどの5-HT受容体拮抗薬、アブシキシマブ、チロフュバン、ロキシフュバンなどのGpIIb/IIIa拮抗薬、オザグレルなどのトロンボキサン合成酵素阻害剤、フォンダペリヌックスなどのXa因子阻害薬、アルガトロバンなどのトロンビン阻害薬、エノキサパリン、レビパリンなどの低分子ヘパリン、t-PA、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼなどの血栓溶解剤、更にアスピリン、ヘパリンなどが挙げられる。
高血圧の予防又は治療薬としては、例えば、ドキサゾシン、プラゾシンなどのαブロッカー、アムロジピン、ニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬、カプトプリル、イミダプリルなどのアンジオテンシン変換酵素阻害薬、ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、オルメサルタンなどのアンジオテンシンII受容体拮抗薬、アテノロールなどのβブロッカー、フロセミドなどの利尿薬などが挙げられる。
糖尿病予防又は治療薬としては、例えば、ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾンなどのインスリン抵抗性改善薬、トルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘザミド、グリクロピラミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド、レパグリニド、ナテグリニドなどのインスリン分泌促進薬、メトホルミン、ブホルミンなどのビグアナイド剤、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール、エミグリテートなどのα−グルコシダーゼ阻害薬、SR-58611-A、SB-226552、AZ40140などのβ3アドレナリン受容体作動薬、インスリン、エロゴセット、プラムリンチド、レプチン、BAY-27-9955などが挙げられる。
高脂血症の予防又は治療薬としては、例えば、メバロチン、アトルバスタチンなどのHMG-CoA還元酵素阻害薬、コレスチラミンなどの陰イオン交換樹脂、ベザフィブラートなどのフィブラート系薬剤、ニセリトロールなどのニコチン酸誘導体、又はプロブコールなどが挙げられる。狭心症の予防又は治療薬としては、例えば、ニトログリセリンなどの硝酸薬が挙げられる。
以下、参考例、及び実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、各化合物の核磁気共鳴スペクトルは、日本電子製 JNM-AL400核磁気共鳴装置を用い、LC/MS 分析および分取 LC/MS は、Waters社製 XterraTM Prep MS C18 カラム(分析:粒子径 5mm, 4.6 mm×50 mm 流速 1.5 mL/min、分取:粒子径 5mm, 10 mm×50 mm)を用い、分析にはWaters 社製MicroMass ZQを、分取にはAgilent 社製 System1100用いて行った。
参考例1
窒素のアルキル化反応(General Procedure)
文献(J. Med. Chem., 1992, 35, 4393)に従って合成した4-ピペリジルオキシ酢酸tert-ブチル(459.5g, 2.13mol)、4-クロロ-N-(2-クロロエチル)アニリン塩酸塩(533g, 2.35mol)、ヨウ化カリウム(35.3g, 0.213mol)のDMF溶液(3.68L)に、氷冷下、DBU(812.1g, 5.33mol)を加え、続いて100℃で6時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後酢酸エチルで抽出し、続いて酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥、濃縮して得られた粗生成物をエタノールから再結晶し、目的の(1-(2-(4-クロロフェニルアミノ)エチル)ピペリジン-4-イルオキシ)酢酸tert-ブチルを淡黄色粉末として得た(638.4g, 収率81%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.48 (9H, s), 1.66 (2H, m), 1.92 (2H, m), 2.17 (2H, t, J=9.8 Hz), 2.59 (2H, t, J=5.9 Hz), 2.76 (2H, dd, J=5.6, 5.6 Hz), 3.10 (2H, dt, J=5.4, 10.8 Hz), 3.43 (1H, ddt, J=4.3, 4.3, 8.5 Hz), 3.99 (2H, s), 4.35 (1H, s), 6.54 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.11 (2H, d, J=8.4 Hz)
IR(KBr, cm-1): 3354, 2980, 2943, 2858, 2793, 1745, 1601, 1516, 1482, 1451, 1409, 1368, 1322, 1236, 1161, 1118, 1084, 1051, 1018, 971, 847, 821, 785, 757
MS(EI, m/z):368(M+)
参考例2
アシル化反応(General Procedure)
参考例1で得られた(1-(2-(4-クロロフェニルアミノ)エチル)ピペリジン-4-イルオキシ)酢酸tert-ブチル(369.3g, 1.00mol)、ピリジン(104.3g, 1.32mol)のアセトニトリル溶液(2.0L)に、氷冷下ピペロニル酸クロリド(203.3g, 1.10mol)のアセトニトリル溶液(1.0L)を滴下し、続いて室温で30分撹拌した。反応混合物に5% 炭酸カリウム水溶液を加えた後酢酸エチルで抽出し、続いて酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥、濃縮して得られた粗生成物をエタノール/n-ヘキサンから再結晶し、目的のアシル化体を白色粉末として得た(485.9g, 収率94%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.48 (9H, s), 1.60 (2H, m), 1.88 (2H, m), 2.15 (2H, brt, J=9.9 Hz), 2.54 (2H, t, J=6.7 Hz), 2.77 (2H, dd, J=5.8, 5.4 Hz), 3.38 (1H, dddd, J=8.8, 8.8, 4.4, 4.4 Hz ), 3.96 (2H, d, J=6.8 Hz), 3.98 (2H, s), 5.92 (2H, s), 6.77 (1H, dd, J=8.0, 1.5 Hz), 6.79 (2H, d, J=1.5 Hz), 7.03 (2H, d, J=8.5 Hz), 7.20 (2H, d, J=8.5 Hz)
IR(KBr, cm-1): 3069, 2957, 2935, 2895, 2863, 2809, 2781, 1739, 1652, 1591, 1577, 1506, 1491, 1443, 1409, 1391, 1368, 1350, 1307, 1295, 1245, 1174, 1159, 1147, 1134, 1116, 1094, 1061, 1039, 1015, 970, 936, 927, 870, 847, 824, 795, 782, 761, 743, 721, 679
MS(ESI, m/z):517((M+H)+)
実施例1
加水分解反応(General Procedure)
参考例2で得られたアシル化体(20.0g, 38.7mmol)のメタノール溶液(200mL)に、室温で水酸化リチウム・1水和物(5.68g, 135mmol)の水溶液(30mL)を滴下し、続いて2.5時間撹拌した。次に氷冷下、反応混合物に5N 塩酸(27.0mL, 135mmol)を加え、中和した。反応混合物を濃縮して得られた粗生成物を水から再結晶し、目的のカルボン酸・2水和物体を白色粉末として得た(13.5g, 収率76%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.80-1.94(2H, m), 1.94-2.07(2H, m), 2.77-2.94(2H, m), 2.94-3.05(2H, m), 3.05-3.16(2H, m), 3.58(1H, s), 3.94(2H, s), 4.16(1H, d, J=7.3Hz), 4.18(1H, d, J=7.3Hz), 5.93(2H, s), 6.59(1H, d, J=7.9Hz), 6.77(2H, d, J=7.9Hz), 6.99(2H, d, J=8.5Hz), 7.21(2H, d, J=8.5Hz)
IR(KBr, cm-1): 3367, 2911, 2842, 1857, 1645, 1621, 1590, 1504, 1487, 1459, 1441, 1401, 1378, 1311, 1292, 1254, 1218, 1177, 1113, 1093, 1043, 1011, 968, 953, 941, 930, 898, 870, 834, 817, 761, 740, 719, 703, 695, 678
MS(ESI, m/z):461((M+H)+)
同様の方法で、市販あるいは公知文献から合成した出発物質から種々の環状アミン誘導体を合成した。生成物とスペクトルデータを表7〜10に示す。また、本特許の化合物は以下に示す固相反応を利用しても合成できる。
Figure 2007106692
Figure 2007106692
Figure 2007106692
Figure 2007106692
参考例3
窒素への保護基導入反応(General Procedure)
4-ヒドロキシピペリジン(4.00 g, 39.6 mmol)及びトリエチルアミン(16.5 mL, 119 mmol)の ジクロロメタン 溶液(50 ml)に0 ℃でクロロギ酸アリル(6.29 mL, 59.3 mmol)を滴下して1時間撹拌し、さらに室温で15時間撹拌した。反応溶液に水(60 mL)を加え、続いて酢酸エチル(60 mL x 3)で抽出した。有機層をあわせ、乾燥、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、1-アリルオキシカルボニルピペリジン-4-オールを無色オイルとして得た(5.43 g, 収率74%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.45-1.54 (2H, m), 1.85-1.88 (2H, m), 2.26 (1H, d, J=11.7 Hz), 3.09-3.16 (2H, m), 3.82-3.91 (3H, m), 4.58 (2H, d, J=8.3 Hz), 5.21 (1H, dd, J=1.5, 9.5 Hz), 5.29 (1H, dd, J=1.5, 17.2 Hz), 5.94 (1H, ddt, J=8.5, 9.5, 17.2 Hz)
MS(ESI, m/z): 186 ([M+H]+), Retention Time, 5.15 min.
参考例4
エーテル化反応(General Procedure)
参考例3で得られた1-アリルオキシカルボニルピペリジン-4-オール(5.43 g, 29.3 mmol)のトルエン溶液(100 mL)に10N 水酸化ナトリウム水溶液(50 mL)、テトラブチルアンモニウムブロミド(4.72 g, 14.7 mmol)を加えた。続いてブロモ酢酸 tert-ブチル(10.8 mL, 73.3 mmol)を滴下した後50 ℃に加熱し、14 時間撹拌した。水層と有機層を分液した後、水層を酢酸エチル(50 mL x 3)で抽出した。有機層をあわせ、乾燥後濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル= 5:1)で精製し、1-アリルオキシカルボニル-4-ピペリジンオキシ酢酸 tert-ブチルを無色オイルとして得た(5.41 g, 収率62%)。
1H NMR (400 MHz. CDCl3) δ(ppm): 1.43 (9H, s), 1.52-1.61 (2H, m), 1.78-1.86 (2H m), 3.15-3.22 (2H, m), 3.51-3.59 (2H, m), 3.75-3.82 (2H, m) 3.96 (2H, s), 4.53 (2H, d, J=8.3 Hz), 5.15 (1H, dd, J=1.5, 9.5 Hz), 5.25 (1H, dd, J=1.5, 17.2 Hz), 5.89 (1H, ddt, J=8.5, 9.5, 17.2 Hz)
MS(ESI, m/z): 300 ([M+H]+), Retention Time, 6.47 min.
参考例5
固相担時反応(General Procedure)
参考例4で得られた1-アリルオキシカルボニル-4-ピペリジンオキシ酢酸 tert-ブチル(6.60 g, 22.1 mmol)にトリフルオロ酢酸 の50% ジクロロメタン溶液を加え、3 時間撹拌した。反応溶液を濃縮した後、トルエン(60 mL x 2)で共沸した。反応残渣に DMF(40 mL)を加え、基質溶液を調製した。この基質溶液を、ワング樹脂(6.0 g, 1.30 mmol/g)の入った反応容器に加え、続いて4-ジメチルアミノピリジン(1.50 g, 12.3 mmol)、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(4.15 mL, 27.0 mmol)を順次加えた。15時間撹拌した後、固相担体をDMF、メタノール、THF、およびジクロロメタン (それぞれ 50 mL x 5)で順次洗浄後、真空乾燥し、固相担持 1-アリルオキシカルボニル-4-ピペリジンオキシ酢酸を得た(7.99 g, 0.976 mmol/g)。
MS(ESI, m/z): 244 ([M+H]+), Retention Time, 5.35 min.
参考例6
脱保護反応(General Procedure)
参考例5で得られた固相担持 1-アリルオキシカルボニル-4-ピペリジンオキシ酢酸(1.44 g, 0.971 mmol/g)の THF スラリー(10 mL)にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(578 mg, 0.50 mmol)、および1,3-ジメチルバルビツール酸(2.19 g, 14.0 mmol)を加え、15時間撹拌した。固相担体を DMF、メタノール、THF、およびジクロロメタン(それぞれ 5 mL x 5)で順次洗浄後、真空乾燥し、固相担持 4-ピペリジンオキシ酢酸を得た(1.77 g, 0.790 mmol/g)。
その後、固相担体(20 mg)に TFA の 10% ジクロロメタン溶液(1.0 mL)を加え 30分間撹拌した。固相担体と溶液を分離した後、固相担体をジクロロメタン(1.0 mL)で洗浄した。この洗浄液と反応液をあわせ、濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をLC/MS(H2O/CH3CN)で分析した。
MS(ESI, m/z): 160 ([M+H]+), Retention Time, 0.50 min.
参考例7
N−アルキル化反応(General Procedure)
参考例6で得られた固相担持 4-ピペリジンオキシ酢酸 (1.36 g, 0.971 mmol/g) の DMF スラリー (5.0 mL) に炭酸カリウム (933 mg, 6.75 mmol) および 2-ブロモエタノール (390 mL, 5.5 mmol) を加え一晩撹拌した。固相担体を水、 DMF、メタノール、THF、およびジクロロメタン(それぞれ 5.0 mL x 5)で順次洗浄後、真空乾燥し、固相担持 1-(2-ヒドロキシエチル)-ピペリジン-4-イルオキシ酢酸を得た(1.56 g, 0.884 mmol/g)。その後、固相担体(20 mg)に TFA の 10% ジクロロメタン溶液(1.0 mL)を加え 30分間撹拌した。固相担体と溶液を分離した後、固相担体をジクロロメタン(1.0 mL) で洗浄した。この洗浄液と反応液をあわせ、濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をLC/MS(H2O/CH3CN)で分析した。
MS(ESI, m/z): 204 ([M+H]+), Retention Time, 0.46 min.
参考例8
N−アルキル化反応(General Procedure)
参考例7で得られた固相担持 1-(2-ヒドロキシエチル)-ピペリジン-4-イルオキシ酢酸 (74 mg, 0.856 mmol/g)及びトリエチルアミン(56 mL, 0.40 mmol)のジクロロメタンスラリー(1.0 mL)に0℃でメタンスルホニルクロリド(19 mL, 0.25 mmol)を滴下し、 30 分撹拌した後、さらに室温で2時間撹拌した。固相担体を DMF、THF、およびジクロロメタン(それぞれ 1.0 mL×5)で順次洗浄後、真空乾燥し、固相担体 A を得た。つづいて、固相担体 A のアセトニトリルスラリー(1.0 mL)に、ヨウ化メチル(83 mg, 0.50 mmol)および4-クロロアニリン(64 mg, 0.50 mmol) を加え、70℃で一晩撹拌した。固相担体をDMF、メタノール、THF、およびジクロロメタン(それぞれ 250 mL x 5)で順次洗浄後、真空乾燥し、固相担持 1-{2-(4-クロロフェニル)アミノエチル}-ピペリジン-4-イルオキシ酢酸を得た(74 mg, 0.856 mmol/g)。その後、固相担体(20 mg)に TFA の 10% ジクロロメタン溶液(1.0 mL)を加え 30分間撹拌した。固相担体と溶液を分離した後、固相担体をジクロロメタン(1.0 mL)で洗浄した。この洗浄液と反応液をあわせ、濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をLC/MS(H2O/CH3CN)で分析した。
MS(ESI, m/z): 313 ([M+H]+), Retention Time, 3.23 min.
実施例2
縮合、及び加水分解反応(General Procedure)
参考例8で得られた固相担持 1-{2-(4-クロロフェニル)アミノエチル}-ピペリジン-4-イルオキシ酢酸(63 mg, 0.856 mmol/g)の THF(1.0 mL)スラリーに、トリエチルアミン(63 mL, 0.45 mmol )およびベンゾイルクロリド(24 mL, 0.25 mmol)を加え、一晩撹拌した。反応後の固相担体を DMF、メタノール、THF、およびジクロロメタン(それぞれ 1.0 mL x 5)で順次洗浄後、真空乾燥した。その後、固相担体に TFA の 10% ジクロロメタン溶液(1.0 mL)を加え 1 時間撹拌した。固相担体と溶液を分離した後、固相担体をジクロロメタン(1.0 mL)で洗浄した。この洗浄液と反応液をあわせ、濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物を分取LC/MS(H2O/CH3CN)で精製し実施例1-19と同一の化合物(3.6 mg, 収率16%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ(ppm): 1.97-2.07 (4H, m), 3.30-3.40 (4H, m), 3.45-3.53 (2H, m), 3.73-3.76 (1H, m), 4.04 (2H, s), 4.27-4.32 (2H, m), 7.18-7.33 (9H, m)
MS(ESI, m/z): 417 ([M+H]+), Retention Time, 3.57 min.
同様の反応、操作で種々のアミンと酸クロリドから対応する誘導体を合成した。生成物とMSスペクトルデータを表11〜22に示す。
Figure 2007106692
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実施例3
ヒト血小板凝集抑制試験
ヒト肘正中静脈より採血した血液を800rpmで10分間遠心し、上部を多血小板血漿(PRP)として採取した。PRPを小試験管に分注し、ADP 5 μMを添加して血小板凝集を誘発させ、その大きさを血小板凝集測定装置(ヘマトレ−サ−1、二光バイオサイエンス)により濁度の変化として測定した。化合物はADP添加の1分前に加え、凝集を50%抑制する濃度をIC50値として計算した。
本方法で本発明の化合物の活性を評価した結果を表23にまとめて示す。この結果、本発明の環状アミン誘導体は、強力な血小板凝集抑制作用を有することが明らかとなった。
Figure 2007106692
実施例4
イヌ血小板凝集抑制試験(in vivo)
雄性ビーグル犬を前日夕方より絶食状態(16時間以上)とし、実施例1-3の化合物(10mg/kg)を経口投与した。
採血は、薬液投与前と薬液投与後60、120、240、480分後に、あらかじめ採血量の1/10容の3.8%クエン酸ナトリウム溶液を入れたシリンジを用いて、橈側皮静脈より行った。
採血した血液は、1000rpm で 10分間遠心し、上部を多血小板血漿(PRP)として採取した。PRPを小試験管に分注し、ADP 5 μMを添加して血小板凝集を誘発させ、その大きさを血小板凝集測定装置(ヘマトレ−サ−1、二光バイオサイエンス)により濁度の変化として測定した。
本方法で、本発明の環状アミン誘導体について経口投与後の血小板凝集抑制作用を評価した結果を表24に示す。この結果、本発明の環状アミン誘導体は、投与後480分後においても血小板の凝集を抑制する作用を示し、イヌへの経口投与によっても強力な血小板凝集抑制作用を有することが明らかとなった。
Figure 2007106692
本発明の環状アミン誘導体、またはその薬学的に許容される塩は、強力な血小板凝集阻害作用を有し、それを有効成分とする医薬、特に血小板凝集抑制または予防薬として利用できる。

Claims (11)

  1. Figure 2007106692
    (一般式I)(式中、R1は無置換、または1つもしくは複数の(a)ハロゲン、もしくは(b)炭素数1〜6のアルキル基によって置換された−-(CH2)m−COOR5であり、R5は水素、または炭素数1〜6のアルキルであり、mは1〜3の整数であり、
    2は(1)炭素数1〜6のアルキル、(2)炭素数1〜6のアルコキシ、または(3)フェニルであり、nは0〜4の整数であり、R3、R4は無置換、もしくは以下の群から独立に選ばれる1つもしくは複数の置換基によって置換されたアリール、またはヘテロアリール
    (a)炭素数1〜6のアルキル、(b)炭素数1〜6のアルコキシ、(c)ハロゲン、(d)炭素数1〜6のハロアルキル、(e)炭素数1〜6のハロアルコキシ、(f)炭素数2〜6のアルケニル、(g)シアノ、(h)炭素数2〜7のシアノアルキル、(i)炭素数2〜12のジアルキルアミノ、(j)炭素数1〜6のヒドロキシアルキル、(k)炭素数1〜3のアルキレンジオキシ、(l)フェニル、(m)炭素数1〜6のアルキルチオ、および(n)炭素数1〜6のアルキルスルホニルである。)
    で示される、環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
  2. 前記一般式(I)において、mが1であり、R2が炭素数1〜6のアルキルである請求項1記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
  3. 前記一般式(I)において、R3、R4のアリール、またはヘテロアリールがフェニル、ピリジル、イソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、チエニル、またはピロリルである請求項2記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
  4. 前記一般式(I)において、R3、R4のアリール、またはヘテロアリールがフェニル、ピリジル、またはインドリルである請求項3記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
  5. 前記一般式(I)において、R1が置換されない−-(CH2)m−COOR5である請求項4記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
  6. 前記一般式(I)において、R3、R4の置換基が以下の群から独立に選ばれる1つもしくは複数である請求項5記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩。
    (a)炭素数1〜6のアルキル、(b)炭素数1〜6のアルコキシ、(c)ハロゲン、(d)炭素数1〜6のハロアルキル、(e)炭素数1〜6のハロアルコキシ、および(f)炭素数1〜3のアルキレンジオキシ
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  8. 請求項1〜6記載のいずれか1項記載の環状アミン誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する血小板凝集抑制又は予防薬。
  9. 対象疾患が血栓症、又は血栓が関与する疾患である請求項8記載の血小板凝集抑制又は予防薬。
  10. 該血栓症が冠動脈、脳動脈、末梢動脈又は末梢静脈における血栓症である請求項9記載の血小板凝集抑制又は予防薬。
  11. 血栓が関与する疾患が、心筋梗塞、不安定狭心症、脳梗塞、一過性脳虚血発作又は慢性動脈閉塞症である請求項9記載の血小板凝集抑制又は予防薬。
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