JP2007106453A - 容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】隔壁を有し、針状体を隔壁に挿通させて液体を移動自在とし、針状体の抜出時には隔壁の弾性によって針孔が塞がることにより密閉構造を保持する容器を提供する。
【解決手段】液体を貯留する容器6と、容器の一側面に設けられ、かつ、液体の移動に供する移動孔4と、該移動孔を塞ぐと共に、容器以外の他の物への液体の移動を行う針状体により挿通される弾性体1と、移動孔と協働して弾性体を挟みつけて固定する固定蓋3とを含む容器において、弾性体の両主面に補強層2が配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、隔壁を有し、中空の針状体(以下、単に針状体、針ともいう)を隔壁に挿通させて液体を移動自在とし、針状体の抜出時には隔壁の弾性によって針孔が塞がることにより密閉構造を保持する容器に関するものである。
内部に液体を貯留し、使用時に蓋を開閉して液体を移動させるのではなく、移動孔に弾性体による隔壁を有し、中空の針状体を隔壁に挿通させて液体を移動自在とし、針状体の抜出時には隔壁の弾性によって針孔が塞がることにより密閉構造を保持する容器がさまざまな分野で使用されている。たとえば、注射針を刺して内部の液体を移動させるバイアル瓶、採血の時に採血針を血管に刺したまま、複数の採血が行える採血容器、インクジェットプリンタに用いられる交換型のインクカートリッジなどがある。これらの容器には、いずれの場合にも、針(中空の針状体)の挿通性、容器の密閉性に工夫がこらされている。
以下、これらの容器のうち、インクジェットプリンタに用いられる交換型のインクカートリッジを例に取って、本発明の説明を行う。
インクジェットプリンタに用いられる交換型のインクカートリッジには、プリンタに装着した際にインクを供給する移動孔が設けられている。通常、この移動孔部分はプリンタへインクカートリッジを装着した場合には、インクが移動自在になり、インクカートリッジをプリンタから脱着させると、インクカートリッジ内のインクが外部に洩れないように密閉構造を保持するように構成されている。この構成の一例として、ゴムなどの弾性体を隔壁として用い、インクカートリッジの装着時には中空の針状体を隔壁に挿通させてインクを移動自在とし、脱着時には弾性体の弾性によって針孔が塞がることにより密閉構造を維持することが行われている(例えば、特許文献1、2)。
特許第2519871号公報 特許第3174252号公報
前述したような弾性体を用いて密閉構造を構成するインクカートリッジにおいては、特許文献1に開示されているように、封入された弾性体を押圧して、弾性体を口部の内周壁に付勢する押圧部が形成されていたり、特許文献2に開示されているように、ドーム状の弾性体の頂部を押圧して該弾性体を弾性変形させる押圧部を設けたりして、針状体を抜いた時に挿通孔がうまく塞がるよう考慮されている。しかし、針状体の径や種類によっては、孔の塞がりが十分ではなく密閉構造が十分維持できない場合があった。
そこで、隔壁(弾性体)を有し、中空の針状体を隔壁に挿通させて液体を移動自在とし、針状体の抜出時には隔壁の弾性によって針孔が塞がることにより十分に密閉構造を保持する容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、弾性体の押圧、弾性体の構成について鋭意検討を重ねた結果、弾性体の構成を下記のようにすることにより、上記目的を達成することができることを見いだし、本発明をなすに至った。
液体を貯留する容器と、
該容器の一側面に設けられ、かつ、前記液体の移動に供する移動孔と、
該移動孔を塞ぐと共に、前記容器以外の他の物への前記液体の移動を行う針状体により挿通される弾性体と、
前記移動孔と協働して前記弾性体を挟みつけて固定する固定蓋とを含む容器において、
前記弾性体の両主面に補強層が配設されていることを特徴とする。
前記液体がインクであり、前記容器がインクカートリッジであることを特徴とする。
前記弾性体の両主面に配設されている補強層のうち、少なくとも一方が凹み、切り込み、孔、メッシュの群れから選ばれる少なくとも一つの加工がなされていることを特徴とする。
前記弾性体の両主面に配設されている補強層のうち、前記液体と接する側の補強層が加工されないか、凹みおよび/または補強層を貫通しない切り込みの加工がなされ、前記液体と接する側と反対側の補強層が凹み、切り込み、孔、メッシュの群れから選ばれる少なくとも一つの加工がなされていることを特徴とする。
弾性体の両主面に補強層を配設することにより、弾性体を押圧する力が的確に弾性体の半径方向の中心方向に働くので、針状体を抜いた時の孔を塞ごうとする力が大きくなり、密閉構造を確実に維持することができる。また、前記両主面に配設されている補強層のうち、少なくとも一方が凹み、切り込み、孔、メッシュの群れから選ばれる少なくとも一つの加工がなされているので、前記針状体の挿通性が良好になる。
以下に、図面を参照して、本発明の容器の一例であるインクカートリッジを説明する。
図1は、本発明の一例のインクカートリッジ6の断面構造図である。本発明のインクカートリッジ6は、プリンタで用いられるインク(図示せず)を貯留するインク容器5と、インク容器5の一側面に設けられ、かつ、インクの移動に供する移動孔4と、移動孔4を塞ぐと共に、プリンタへのインク移動を行う針状体(図示せず)により挿通される両主面に補強層2が配設されている弾性体1(補強層2と弾性体1とを合わせて複合弾性体ともいう。図5にその斜視図を示す)と、移動孔4と協働して弾性体1を挟みつけて固定する固定蓋3とを含む。インクカートリッジには、インク移動に供する移動孔4に加えて、大気移動に供する別の移動孔やその他の目的に供するさらに別の移動孔を設けてもよい。
図2は、本発明のインクカートリッジ6の移動孔4周辺の拡大断面構造図である。固定蓋3の内部には、弾性体1を収納する収納部が設けられ、収納部の一面は補強層2を介して弾性体1の一方の主面に接し、弾性体1の外径より小さな内径の孔を経て外部に連通している。弾性体1の他方の主面は補強層2を介して弾性体1の外径より小さな内径の移動孔4の一方の端部に接し、インク容器5の内部に連通している。弾性体1は両主面を補強層2を介して固定蓋3の収納部の一面と移動孔4の一方の端部とに挟まれ、固定、押圧されている。固定蓋3は内周面にネジ溝を有し、移動孔外周面に設けられたネジ溝と噛み合うことにより弾性体1を挟み、固定、押圧することが可能になっている。固定蓋3を移動孔4に固定する方法は、前記ネジ溝による方法以外に、はめ込み固定爪による方法など、従来公知の方法を用いることが出来る。また、本例では固定蓋3に弾性体1の収納部を設けているが、図6に示すように移動孔4に弾性体1の収納部を設け固定蓋3で固定する方法を採用してもよい。
弾性体1は、ゴム等の弾性を有し密閉構造を保持できる材料であれば、従来公知のものが使用できる。弾性体1の両主面に補強層2を設けることが好ましい。補強層2に用いる材料は、ある程度の強度を有し、密閉構造を保持できる材料が好ましく、従来公知のものが使用できる。代表的な材料としては、プラスチックフイルム、金属箔、発泡プラスチックフイルムを金属箔でラミネートしたものなどが挙げられ、用途に応じて耐溶剤性、ガスバリア性、耐熱性などをさらに考慮し、適宜選択することが好ましい。
補強層2は、図5(a)に示すように孔や凹み等のない形状に設計するのが一般的であるが、用途、目的に応じて、補強性能が得られる範囲で、弾性体1の両主面の少なくとも一方の補強層を図7の(a)〜(e)に示すように凹み、切り込み、孔を設けたり、メッシュ状とすることができる。このような補強層を用いた複合弾性体の形状例を図5(b)〜(e)に示した。
前記の加工を行ったり、形状を変えることにより、挿通させる針状体の挿通性を向上させることができる。
さらに、弾性体1の両主面の補強層のうち、インク容器5に貯留されるインクに接する側の補強層は、加工されないか、凹みおよび/または補強層を貫通しない切り込みの加工がなされ、インクと接する側と反対側の補強層が凹み、切り込み、孔、メッシュの群れから選ばれる少なくとも一つの加工がなされていると、補強層がインクから弾性体を保護し、針状体の挿通性が向上するので好ましい。
弾性体を外部環境やインク等の貯留する液体から保護する必要がない場合には、補強層は必ずしも密閉構造を保持できる材料である必要はなく、紙、織布、不職布等の材料を用いてもよい。
図3は、従来の弾性体1を押圧した時の弾性体の変形を模式的に示した図である。図3(a)は、押圧前の状態、図3(b)は、押圧後の状態を示している。固定蓋3と移動孔4とで弾性体1を押圧すると、弾性体1の周辺部は圧縮され、その圧縮された部分は弾性体1の中心部に向かうために、図3(b)に示されているように、弾性体1は中心部の厚さが大きくなるように変形する。そのため、弾性体1の中心部に向う力は、厚さ方向の両主面側に分散されてしまう。
図4は、本発明のインクカートリッジに用いられる一例の複合弾性体を押圧した時の複合弾性体の変形を模式的に示した図である。従来の弾性体と異なり、本発明のインクカートリッジに用いられる複合弾性体は、両主面に補強層が配設されているので固定蓋3と移動孔4とで複合弾性体を押圧した場合でも、弾性体1の中心部の厚さが大きくなるような変形は、従来の補強層のない弾性体に比べて著しく小さく、このため、中心部に向う力が厚さ方向に分散することが無く、従来の弾性体より中心部に向う力は大きくなる。その結果、針状体が弾性体に挿通され、使用後、引き抜かれた場合であっても、挿通孔の復元力が大きく働くので、使用後の液漏れをなくすことが出来る。
本発明の一例のインクカートリッジの構造を示す断面図である。 図1のインクカートリッジの一部(丸印部)の拡大図である。 従来の弾性体を押圧した時の、弾性体の変形模式図である。 本発明のインクカートリッジに用いられる一例の複合弾性体を押圧した時の、弾性体の変形模式図である。 本発明のインクカートリッジに用いられる複合弾性体の各種形状例を示す斜視図である。 本発明の別の一例のインクカートリッジの移動孔周辺部の断面図である。 本発明のインクカートリッジに用いられる補強層の各種形状例を示す断面図である。
符号の説明
1 弾性体(ゴム)
2 補強層
3 固定蓋
4 移動孔
5 インク容器
6 インクカートリッジ

Claims (4)

  1. 液体を貯留する容器と、
    該容器の一側面に設けられ、かつ、前記液体の移動に供する移動孔と、
    該移動孔を塞ぐと共に、前記容器以外の他の物への前記液体の移動を行う針状体により挿通される弾性体と、
    前記移動孔と協働して前記弾性体を挟みつけて固定する固定蓋とを含む容器において、
    前記弾性体の両主面に補強層が配設されていることを特徴とする容器。
  2. 前記液体がインクであり、前記容器がインクカートリッジであることを特徴とする請求項1に記載の容器。
  3. 前記弾性体の両主面に配設されている補強層のうち、少なくとも一方が凹み、切り込み、孔、メッシュの群れから選ばれる少なくとも一つの加工がなされていることを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
  4. 前記弾性体の両主面に配設されている補強層のうち、前記液体と接する側の補強層が加工されないか、凹みおよび/または補強層を貫通しない切り込みの加工がなされ、前記液体と接する側と反対側の補強層が凹み、切り込み、孔、メッシュの群れから選ばれる少なくとも一つの加工がなされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の容器。
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