JP2007105608A - 塗膜形成方法および塗膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】アスベストの粉塵飛散が実質的にない程度にまで抑制し、建物の内外装の建材の塗り替えを行うことができる塗膜形成方法およびそれから得られる塗膜を提供すること。
【解決手段】表層に劣化脆弱層を有し、アスベストを含んだ基材に対して、下塗り材を塗布して下塗り塗膜を得る工程(1)、上記工程(1)の後、中塗り塗料または上塗り塗料を塗布して中塗り塗膜または上塗り塗膜を形成する工程(2)を含んだ塗膜形成方法であって、23℃における上記下塗り材の塗布時の粘度が100mPa・s以下であり、上記工程(1)で得られた下塗り塗膜を形成した後の基材表面の鉛筆硬度による破壊硬度が3B以上であることを特徴とする塗膜形成方法である。
【解決手段】表層に劣化脆弱層を有し、アスベストを含んだ基材に対して、下塗り材を塗布して下塗り塗膜を得る工程(1)、上記工程(1)の後、中塗り塗料または上塗り塗料を塗布して中塗り塗膜または上塗り塗膜を形成する工程(2)を含んだ塗膜形成方法であって、23℃における上記下塗り材の塗布時の粘度が100mPa・s以下であり、上記工程(1)で得られた下塗り塗膜を形成した後の基材表面の鉛筆硬度による破壊硬度が3B以上であることを特徴とする塗膜形成方法である。
Description
本発明は、環境汚染を低減することが可能な塗膜形成方法および塗膜に関する。
建物の内外装の建材として、例えば、窯業系サイディングボード、スレート板、押し出し成形セメント板、住宅用化粧スレート屋根、洋風コンクリート瓦等が多数使用されている。これら建材の塗り替え時のシーラーの塗布には、通常、最終的に得られる複層塗膜の密着性の観点から、耐候劣化し、脆弱になった表層の部位を塵芥、埃および油分と一緒に高圧洗浄、ディスクサンダーおよびスクレイパーによって除去した後に行う場合がほとんどである(例えば、非特許文献1参照のこと。)。
ところが、これら建材にはアスベストが使用されていることがある。アスベストが使用されている場合、このような脆弱になった表層を除去すると、発生するアスベストの粉塵によって深刻な健康被害が発生する場合がある。
水谷ペイント株式会社、"ルーフマイルドU"、[online]、カタログ、5ページ、[平成17年8月18日検索]、インターネット<URL:http://www.polyma.co.jp/products/roof/pdfs/roof_mild_u.pdf>
水谷ペイント株式会社、"ルーフマイルドU"、[online]、カタログ、5ページ、[平成17年8月18日検索]、インターネット<URL:http://www.polyma.co.jp/products/roof/pdfs/roof_mild_u.pdf>
本発明は、アスベストの粉塵飛散が実質的にない程度にまで抑制し、建物の内外装の建材の塗り替えを行うことができる塗膜形成方法およびそれから得られる塗膜を提供することを目的とする。
本発明は、表層に劣化脆弱層を有し、アスベストを含んだ基材に対して、下塗り材を塗布して下塗り塗膜を得る工程(1)、上記工程(1)の後、中塗り塗料または上塗り塗料を塗布して中塗り塗膜または上塗り塗膜を形成する工程(2)を含んだ塗膜形成方法であって、23℃における上記下塗り材の塗布時の粘度が100mPa・s以下であり、上記工程(1)で得られた下塗り塗膜を形成した後の基材表面の鉛筆硬度による破壊硬度が3B以上であることを特徴とする塗膜形成方法である。ここで、下塗り材は、1つ以上の粒子成分を含んでいて、かつ、粒子成分の体積平均粒子径xが0nm<x≦600nmであってよく、この場合、体積平均粒子径をxnmとしたとき、式(1)であるy≦(−0.15)x+109.0(式中、yは0<y≦100を満たす。)が成立する範囲内の粒子成分をy質量%含んでいることが好ましい。
また、中塗り塗料および/または上塗り塗料は、厚膜形成型の塗料組成物であることが好ましい。
また、中塗り塗料および/または上塗り塗料は、厚膜形成型の塗料組成物であることが好ましい。
さらに、本発明は上記の塗膜形成方法によって得られる塗膜である。
本発明の塗膜形成方法を用いた塗り替えは、アスベストを含んだ基材に対してもその粉塵を飛散させることがなく、健康被害を最小限度にすることができる。これは、下塗り材を塗布する際、その基材表面の光沢が高くなるようにすること、つまり、劣化脆弱層を含んだ基材全体に浸透させることによって、基材を劣化脆弱層とともに下塗り材で覆い固めてしまうことによると考えられる。従って、粉塵が飛散することなく、塗り替えをすることができる。
本発明の塗膜形成方法は、表層に劣化脆弱層を有し、アスベストを含んだ基材に対して、浸透性のある下塗り材を塗布して下塗り塗膜を得る工程(1)、上記工程(1)の後、上塗り塗料を塗布して上塗り塗膜を形成する工程(2)を含んだものである。
上記基材としては特に限定されず、例えば、表層に劣化脆弱層を有し、アスベストを含んだ壁、屋根、床および軒裏等を挙げることができ、素材としては、スレート系およびセメント系等の窯業系材料を挙げることができる。上記劣化脆弱層としては、例えば、上記基材の表面が経年劣化したものを挙げることができ、具体的には、鉛筆硬度による破壊硬度が6B以下であるものをあげることができ、本発明の塗膜形成方法をこの場合に適用することが本発明の効果を最大限発揮することができる。なお、上記基材はその表面に旧塗膜を有していてもよい。本発明の塗膜形成方法は、上記劣化脆弱層の熱さには無関係であり、薄い基材にも厚い基材にも適用することができる。
上記基材は、上記工程(1)を行う前に、表層の劣化脆弱層、塵芥、埃および油分等を高圧洗浄、ディスクサンダーおよびスクレイパーによって予め除去する前処理工程は必要なく、むしろ、このような前処理工程を行わないことによって、本発明の効果が顕著になる。
本発明の塗膜形成方法における工程(1)は、上記基材に対して下塗り材を塗布するものである。上記下塗り材は、23℃における塗布時の粘度が100mPa・s以下である。100mPa・sを超えると基材に対する浸透性が低下し、基材に対する補強効果が低下するためにアスベストの粉塵飛散を抑制する効果が不充分になる。好ましくは60mPa・s以下である。上記粘度測定方法としては、例えば、23℃において、B8M型粘度計(東京計器社製)を用いて#1ローターを使用し、回転数12rpmの条件で測定する方法を挙げることができる。
上記下塗り材としては反応硬化タイプのもの、ラッカータイプのもの等、当業者によってよく知られたものを挙げることができる。上記反応硬化タイプのものとしては、特に限定されず、例えば、エポキシ硬化系、ポリアミン硬化系、ケチミン硬化系、ポリイソシアネート硬化系、ポリウレア硬化系、アジリジン硬化系、ポリカルボン酸/ポリカルボジイミド硬化系、ポリカルボニル/ヒドラジン硬化系、シリケート硬化系等、当業者によってよく知られているものを挙げることができる。また、ラッカータイプのものとしては特に限定されず、例えば、アニオン型またはカチオン型のアクリルエマルション、水溶性のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびアミノ樹脂等、当業者によってよく知られたものを挙げることができる。
上記下塗り材の形態としては特に限定されず、有機溶剤型および水性を挙げることができる。環境保全の観点から、水性のものが好ましいが、有機溶剤型である場合は臭気の弱い、いわゆる弱溶剤型のものを挙げることができる。
上記下塗り材は、塗布作業性の向上のため、1種以上の粒子成分を含むことができる。上記粒子成分としては、例えば、下塗り材が有機溶剤型であれば、NAD(非水分散樹脂)および有機溶剤に分散された樹脂粒子等を挙げることができ、また、水性であれば、エマルションやディスパーションを挙げることができる。また、この粒子成分の全体積平均粒子径xは0nm<x≦600nmであることが好ましい。600nmを超えると上記基材への浸透性が低下して基材に対する補強効果が低下するために、アスベストの粉塵飛散を抑制する効果が不充分になる。なお、水性の場合、より好ましくは0nm<x≦200nmである。
上記下塗り材が粒子成分を含む場合、粒子成分の全体積平均粒子径xnmと下塗り材の全粒子成分の含有量y質量%との関係は、上記式(1)の関係を満たすものであることが好ましい。ここで、yについては、0<y≦100を満たすものである。この関係式から逸脱する下塗り材を用いた場合、下塗り材の基材への浸透性が低下して基材に対する補強効果が低下するために、アスベストの粉塵飛散を抑制する効果が不充分になる恐れがある。
このようなもので市販している下塗り材としては、例えば、ニッペ浸透性シーラー、ニッペ1液浸透シーラー、ニッペシリコンベスト強化シーラーおよびニッペファイン浸透シーラー等を挙げることができる。
上記工程(1)における塗布方法としては特に限定されず、例えば、ハケ塗り、ローラー塗布およびスプレー塗布等を挙げることができる。また、塗布量としては、次工程に進む際に、上記浸透性のある下塗り材を塗布する前の基材表面の光沢よりも上記第1の工程によって得られる下塗り塗膜が形成された基材表面の光沢の方が高くなるような量が必須となる。つまり、このように光沢が高くなることによって、上記基材全体に上記下塗り材が浸透し、表層の劣化脆弱層まで上記下塗り材によって覆われた状態にすることができる。従って、上記前処理工程を行わなくても、上記基材の表層の劣化脆弱層、塵芥、埃、油分等およびアスベストを飛散させることなく固めて封じ込めることができる。
上記下塗り材を塗布した後、加熱または放置することで硬化乾燥させ、下塗り塗膜を得ることができる。
ここで、上記工程(1)が完了した後の基材表面の鉛筆硬度による破壊硬度は3B以上である。3B未満であれば基材に対する補強効果が低下するために、アスベストの粉塵飛散を抑制する効果が不充分になる恐れがある。なお、鉛筆硬度の測定方法としては、例えば、JIS K 5600 5−4,5に記載の方法を挙げることができる。なお、上記下塗り材は、上記鉛筆硬度の条件を満たすよう試行錯誤することによって、反応硬化タイプかラッカータイプかを、また、反応硬化タイプの硬化系や含まれる樹脂や硬化剤等を選択することが好ましい。
本発明の塗膜形成方法における工程(2)は、上記工程(1)の後、上塗り塗料を塗布して上塗り塗膜を形成するものである。上記上塗り塗料を塗布して上塗り塗膜を形成することによって、美観を与えるだけでなく、風雨や紫外線等による基材の耐候劣化を抑制することができる。上記上塗り塗料としては特に限定されず、内外装で通常用いられる上塗り塗料を挙げることができ、例えば、合成樹脂エマルション、アクリル、ポリオールとポリイソシアネート、エポキシ樹脂とポリアミン、シリコン系湿気硬化型樹脂等、樹脂の形態としては溶解型、水分散型(Em型)、非水分散型、半溶解型を挙げることができる。上記上塗り塗料の形態としては特に限定されず、有機溶剤型および水性を挙げることができる。環境保全の観点から、水性のものが好ましいが、有機溶剤型である場合は臭気の弱い、いわゆる弱溶剤型のものを挙げることができる。なお、本発明の塗膜形成方法を外装に用いる場合は、シリコン系やフッ素系と呼ばれる、耐候性に優れたものであることが好ましい。また、耐久性を保持して、アスベストの粉塵飛散を長期間抑制するとの観点から、厚膜形成型の上塗り塗料であることが好ましい。ここで、厚膜形成型の上塗り塗料とは、例えば、23℃における塗布時の粘度が10Pa・s以上のものを挙げることができる。
このようなもので市販品としては、例えば、水性シリコンセラ、水性ケンエース、ファインシリコンベスト、DANシリコンセラRおよびクリンカラーUベスト、デュフロン4F等を挙げることができる。
上記工程(2)における塗布方法としては特に限定されず、上記下塗り材のところで述べたものと同様の方法を挙げることができる。また、塗布量としては特に限定されず、上塗り塗料の種類に応じて設定することができる。
上記上塗り塗料を塗布した後、加熱または放置することで硬化乾燥させ、上塗り塗膜を形成することができる。
なお、本発明の塗膜形成方法の工程(2)の前に、上記工程(1)の後、中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成する工程(2’)を含むことができる。上記中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成することによって、上塗り塗膜の劣化による基材表面の露出を防止し、再度の基材の劣化を防止することができる。
なお、本発明の塗膜形成方法の工程(2)の前に、上記工程(1)の後、中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成する工程(2’)を含むことができる。上記中塗り塗料を塗布して中塗り塗膜を形成することによって、上塗り塗膜の劣化による基材表面の露出を防止し、再度の基材の劣化を防止することができる。
上記中塗り塗料としては特に限定されず、内外装で通常用いられる中塗り塗料を挙げることができ、例えば、上記下塗り材のところで述べた反応硬化タイプのものおよびラッカータイプのものや、樹脂エマルションと骨材および/または顔料からなるもの、またこれにセメントが加わるもの等を挙げることができる。上記中塗り塗料の形態としては特に限定されず、有機溶剤型および水性を挙げることができる。環境保全の観点から、水性のものが好ましいが、有機溶剤型である場合は臭気の弱い、いわゆる弱溶剤型のものを挙げることができる。また、耐久性を保持して、アスベストの粉塵飛散を長期間抑制するとの観点から、厚膜形成型の中塗り塗料であることが好ましい。ここで、厚膜形成型の中塗り塗料とは、例えば、23℃における塗布時の粘度が10Pa・s以上のものを挙げることができる。
このようなもので市販品としては、例えば、ニッペアンダーフィラー弾性エクセル、ニッペDANタイル中塗り、ニッペDANエクセル中塗りJ、水性シリコンベストサーフェーサー、ニッペビルガードカチオンフィラーおよび水性シリコン厚膜シーラー、タイルラックEPO−Sベース等を挙げることができる。ここで、アスベストの粉塵飛散を長期間抑制するとの観点から、中塗り塗料および上塗り塗料が厚膜形成型であることがさらに好ましい。
上記工程(2’)における塗布方法としては特に限定されず、上記下塗り材のところで述べたものと同様の方法を挙げることができる。また、塗布量としては特に限定されず、中塗り塗料の種類に応じて設定することができる。上記中塗り塗料を塗布した後、加熱または放置することで硬化乾燥させ、中塗り塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜は、上記の塗膜形成方法から得られるものである。具体的には、上記基材上の下塗り塗膜および上塗り塗膜、または、下塗り塗膜、中塗り塗膜および上塗り塗膜からなるものである。本発明の塗膜は上記の塗膜形成方法から得られるものであるので、塗膜の耐候劣化によるアスベストの飛散を抑制することができる。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。なお、以下において「部」とあるのは「質量部」を意味する。
実施例1
A&A社製のアスベスト混入スレート板を15%硫酸溶液に24時間浸して水洗し、1週間放置させることによって、表層に劣化脆弱層を形成した初期の石綿スレート板を高圧水洗せずに、エポキシ樹脂とポリアミンとからなる下塗り材を塗布量140g/m2として、ローラーを用いて3回塗り重ねて、そのまま24時間乾燥させて被塗装板1を得た。
実施例1
A&A社製のアスベスト混入スレート板を15%硫酸溶液に24時間浸して水洗し、1週間放置させることによって、表層に劣化脆弱層を形成した初期の石綿スレート板を高圧水洗せずに、エポキシ樹脂とポリアミンとからなる下塗り材を塗布量140g/m2として、ローラーを用いて3回塗り重ねて、そのまま24時間乾燥させて被塗装板1を得た。
なお、上記下塗り材の23℃における塗布時の粘度をB8M型粘度計(東京計器社製)によってローター#1で12rpmの測定条件で測定したところ、40mPa・sであった。
さらに、得られた被塗装板1に対して、DANタイル水性上塗り(日本ペイント社製弾性アクリルエマルション系上塗り塗料)を塗布量120g/m2として、ローラーを用いて2回塗り重ねて上塗り塗膜を得た。その後4日間室温にて乾燥させて、試験板1を得た。
実施例2〜7
表1に従い、エポキシ樹脂とポリアミンとからなる下塗り材に代えて、それぞれの下塗り材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、被塗装板2〜7を得た後、試験板2〜7を得た。なお、各々の下塗り材の23℃における塗布時の粘度は、実施例1と同様にして測定した。得られた粘度は表1に示した。
表1に従い、エポキシ樹脂とポリアミンとからなる下塗り材に代えて、それぞれの下塗り材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、被塗装板2〜7を得た後、試験板2〜7を得た。なお、各々の下塗り材の23℃における塗布時の粘度は、実施例1と同様にして測定した。得られた粘度は表1に示した。
比較例1
下塗り材の塗り重ねを2回としたこと以外は実施例1と同様にして、被塗装板8を得た後、試験板8を得た。
下塗り材の塗り重ねを2回としたこと以外は実施例1と同様にして、被塗装板8を得た後、試験板8を得た。
参考例
実施例1と同様にして得られた初期の石綿スレート板を高圧水(9.8MPa)によって洗浄して表層の劣化脆弱層を除去し、室温で24時間乾燥させた。その後、比較例1と同様にして、被塗装板9を得た後、試験板9を得た。
実施例1と同様にして得られた初期の石綿スレート板を高圧水(9.8MPa)によって洗浄して表層の劣化脆弱層を除去し、室温で24時間乾燥させた。その後、比較例1と同様にして、被塗装板9を得た後、試験板9を得た。
実施例8
実施例1で得られた被塗装板1に対して、ニッペDANタイル中塗り(日本ペイント社製骨材、顔料を含んだ厚膜形成型アクリルエマルション系中塗り塗料)を塗布量400g/m2として、多孔質ローラーを用いて2回塗布し、中塗り塗膜を得た。さらに室温で24時間乾燥させて、DANタイル水性上塗り(日本ペイント社製弾性アクリルエマルション系上塗り塗料)を塗布量120g/m2として、ローラーを用いて塗布し、上塗り塗膜を得た。その後4日間室温にて乾燥させて、試験板10を得た。
実施例1で得られた被塗装板1に対して、ニッペDANタイル中塗り(日本ペイント社製骨材、顔料を含んだ厚膜形成型アクリルエマルション系中塗り塗料)を塗布量400g/m2として、多孔質ローラーを用いて2回塗布し、中塗り塗膜を得た。さらに室温で24時間乾燥させて、DANタイル水性上塗り(日本ペイント社製弾性アクリルエマルション系上塗り塗料)を塗布量120g/m2として、ローラーを用いて塗布し、上塗り塗膜を得た。その後4日間室温にて乾燥させて、試験板10を得た。
実施例9
実施例1で得られた被塗装板1に対して、ニッペDANフレッシュR(日本ペイント社製単層弾性厚膜形成型アクリルエマルション系上塗り塗料)を塗布量400g/m2/回として、多孔質ローラーを用いて2回塗布し、試験板11を得た。
実施例1で得られた被塗装板1に対して、ニッペDANフレッシュR(日本ペイント社製単層弾性厚膜形成型アクリルエマルション系上塗り塗料)を塗布量400g/m2/回として、多孔質ローラーを用いて2回塗布し、試験板11を得た。
実施例10
DANタイル水性上塗りに代えて、ニッペDANフレッシュRを塗布量400g/m2/回として、多孔質ローラーを用いて2回塗布したこと以外は、実施例8と同様にして、試験板12を得た。
DANタイル水性上塗りに代えて、ニッペDANフレッシュRを塗布量400g/m2/回として、多孔質ローラーを用いて2回塗布したこと以外は、実施例8と同様にして、試験板12を得た。
評価試験
(1)鉛筆硬度
実施例1で得られた初期の石綿スレート板、実施例1〜7、比較例1および参考例によって得られた被塗装板1〜9の各々の表面に対して、JIS K 5600 5−4,5に準拠して鉛筆硬度による破壊硬度を測定した。結果は表1に示した。
(1)鉛筆硬度
実施例1で得られた初期の石綿スレート板、実施例1〜7、比較例1および参考例によって得られた被塗装板1〜9の各々の表面に対して、JIS K 5600 5−4,5に準拠して鉛筆硬度による破壊硬度を測定した。結果は表1に示した。
(2)密着性
実施例1〜9、比較例1および参考例によって得られた試験板1〜11の各々の表面に対して、カッターナイフによって2mm×2mmの碁盤目を100個作成した。この碁盤目に対してセロハンテープを貼り付けた後、引きはがして残った碁盤目の状態を目視にて観察し、被塗装板と上塗り塗膜との密着性を評価した。評価基準は以下のとおりとした。結果は表1に示した。
◎:はがれ数が5%以下である。
○:はがれ数が5%を超え、25%以下である
×:はがれ数が25%を超える
実施例1〜9、比較例1および参考例によって得られた試験板1〜11の各々の表面に対して、カッターナイフによって2mm×2mmの碁盤目を100個作成した。この碁盤目に対してセロハンテープを貼り付けた後、引きはがして残った碁盤目の状態を目視にて観察し、被塗装板と上塗り塗膜との密着性を評価した。評価基準は以下のとおりとした。結果は表1に示した。
◎:はがれ数が5%以下である。
○:はがれ数が5%を超え、25%以下である
×:はがれ数が25%を超える
(3)耐候性
実施例1〜9、比較例1および参考例によって得られた試験板1〜11の各々に対して、−20℃雰囲気に2時間放置した後、10℃の水中に2時間浸漬することを1サイクルとするサイクル劣化試験を500サイクル行い、塗膜の劣化によるアスベストの露出の有無を目視にて確認した。さらに、100サイクル行って同様にしてアスベストの露出の有無を目視にて確認した。評価基準は次のとおりとした。
◎:露出は全くない
○:5%の露出がある
×:5%を超える露出がある
得られた結果を表1に示した。
実施例1〜9、比較例1および参考例によって得られた試験板1〜11の各々に対して、−20℃雰囲気に2時間放置した後、10℃の水中に2時間浸漬することを1サイクルとするサイクル劣化試験を500サイクル行い、塗膜の劣化によるアスベストの露出の有無を目視にて確認した。さらに、100サイクル行って同様にしてアスベストの露出の有無を目視にて確認した。評価基準は次のとおりとした。
◎:露出は全くない
○:5%の露出がある
×:5%を超える露出がある
得られた結果を表1に示した。
表1から明らかなように、所定の粘度を有する下塗り材を塗布して得られた試験板は密着性が良好であり、かつ、アスベストの露出も極めて少なく、アスベストを粉塵飛散させることなく高圧洗浄した場合と同等レベルにアスベストの露出を抑制できることがわかった(参考例に対する実施例1〜9)。特に、中塗り塗料および上塗り塗料を厚膜形成型とした場合には、アスベストの露出を長期間にわたって抑制することができることがわかった(実施例10)。
しかしながら、浸透させることを充分に行わなかった場合は密着性だけでなく、アスベストの露出を抑制することができないことがわかった(比較例1)。
本発明の塗膜形成方法は、建物の内外装の建材、特に、アスベストを含み、耐候劣化によって表層に劣化脆弱層を有する建物の内外装の建材に対する塗り替えに好適である。
Claims (5)
- 表層に劣化脆弱層を有し、アスベストを含んだ基材に対して、下塗り材を塗布して下塗り塗膜を得る工程(1)、前記工程(1)の後、中塗り塗料または上塗り塗料を塗布して中塗り塗膜または上塗り塗膜を形成する工程(2)を含んだ塗膜形成方法であって、
23℃における前記下塗り材の塗布時の粘度が100mPa・s以下であり、
前記工程(1)で得られた下塗り塗膜を形成した後の基材表面の鉛筆硬度による破壊硬度が3B以上であることを特徴とする塗膜形成方法。 - 前記下塗り材は、1種以上の粒子成分を含んでいて、かつ、粒子成分の体積平均粒子径xが0nm<x≦600nmである請求項1に記載の塗膜形成方法。
- 前記下塗り材は、前記体積平均粒子径をxnmとしたとき、式(1)であるy≦(−0.15)x+109.0(式中、yは0<y≦100を満たす。)が成立する範囲内の前記粒子成分をy質量%含んでいる請求項2に記載の塗膜形成方法。
- 前記中塗り塗料および/または前記上塗り塗料は、厚膜形成型の塗料組成物である請求項1〜3のうちの1つに記載の塗膜形成方法。
- 請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の塗膜形成方法によって得られる塗膜。
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- 2005-10-12 JP JP2005298155A patent/JP2007105608A/ja active Pending
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JP2009256133A (ja) * | 2008-04-16 | 2009-11-05 | Chubu Electric Power Co Inc | セメント系板材の改修構造 |
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