JP2007104117A - 画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム - Google Patents

画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 減算方向の決定にかかる処理時間を短縮し、しかもイントラ予測を使って符号化された画像データの圧縮率低下を抑える。
【解決手段】 注目画素ブロックに含まれる複数の画素の画素値を、画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する符号化演算部205、符号化演算部205によって実行される演算の演算方向を決定する基準予測モード決定部201、予測モード候補設定部202、予測モード決定部203を備え、基準予測モード決定部201、予測モード候補設定部202、予測モード決定部203は、注目画素ブロックと隣接し、かつ注目画素ブロックよりも先に演算方向が決定された隣接画素ブロックの演算方向に基づいて注目画素ブロックの演算方向を決定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに係り、特に動画像を符号化するための画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
現在、動画像を符号化する方式の一つに、H.264がある。H.264には、1フレームの内部で予測画像を生成する、イントラ予測と呼ばれる処理がある。イントラ予測は、所定の数の画素で構成される画素ブロックごとに行われ、画像データ全体は、縦、横方向に配置される複数の画素ブロックによって構成される。イントラ予測では、画像データにおいて隣接して配置され、かつ先に符号化または復号化の処理がされた画素ブロックの画素の値をつかって未処理の画素ブロックを符号化または復号化する。
画素ブロックは、16×16、8×8、4×4というように、同数の画素を縦、横方向配置して構成される。イントラ予測方式で画像データを符号化する場合、符号化の対象となる画素ブロックにおいて配置される画素の例えば縦、または横といった一の配置方向を定め、この方向に沿って先に符号化された他の画素ブロックに含まれる画素の画素値から順次画素値を減算する。減算された値は、さらにDCT(離散コサイン変換)処理された後、エントロピ符号化される。
なお、上記した処理において、複数の配置方向のうち配置方向に沿って減算の結果得られる予測誤差値の総和が最も小さい方向が、減算の方向に沿う配置方向(演算方向)に設定される。このような従来技術としては、例えば、特許文献1に記載された発明が挙げられる。
なお、各画素の予測誤差値の総和.が最も小さくなる方向が減算方向に設定される理由は、予測誤差値の総和が小さいほど符号化後のデータ量が小さくなるためである。
図10は、4×4の画素ブロックがとり得る9種類の減算方向を具体的に説明するための図である。方向が異なる9種類の減算処理は、いずれも予測モードと呼ばれ、減算方向によって予測モード0から予測モード8までの識別子が付されている。
図10(a)〜(i)のいずれにおいても、黒丸で示す画素1は、既に符号化されている画素ブロックの画素であって、白丸で示す画素2は、符号化の対象となる画素ブロックに含まれる画素である。また、図中に示した矢線は、各々の予測モードの減算方向を示す。イントラ予測における符号化では、図示した矢線が示す方向に沿って矢線の始端と重なる画素1の画素値から、同一の矢線と重なる複数の画素2の画素値の各々を順次減算する。
なお、図10(c)に示した予測モード2では、閉曲線a1、a2で囲んだ画素1の値の平均を、各々予測誤差値として採用する。このため、図*(c)には矢線の図示がされていない。
特許文献1等に記載された従来技術は、1つの画素ブロックについて9種類の予測モードで予測誤差値を算出し、算出された予測誤差値の総和を算出する。そして、9種類の予測モード間で総和を比較し、予測モード0〜8のうちの最小の総和を得る予測モードで画素値を減算した結果を後段の処理部に送っている。
特開2005−184241号公報
近年、画像処理装置にはいっそうの高速処理が要求されるので、従来のイントラ予測を使った符号化の技術は、より短時間のうちに減算方向を決定し、高速に画像データを符号化することが望まれている。しかしながら、上記した従来技術は、イントラ予測の規格である9種類の予測モードの全てを使って予測誤差値を算出し、算出された予測誤差値の総和を比較して減算方向を決定している。このため、符号化後にデータ量が最小になる減算方向を正確に判定できる一方で、処理時間については考慮されていない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであって、減算方向の決定にかかる処理時間を短縮することによって符号化にかかる処理の時間を短縮でき、しかもイントラ予測を使って符号化された画像データの圧縮率低下を抑えることが可能な画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の画像処理装置は、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算手段と、前記演算手段によって実行される演算の演算方向を決定する演算方向決定手段と、を備え、前記演算方向決定手段は、第1画素ブロックと隣接し、かつ第1画素ブロックよりも先に演算方向が決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて、第1画素ブロックの演算方向を決定することを特徴とする。
このような発明によれば、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する際、先に決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて第1画素ブロックの演算方向を決定することができる。このため、複数の演算方向のすべてについて演算を行う必要がなく、演算方向の決定にかかる処理時間を短縮することができ、ひいては符号化にかかる処理の時間を短縮できる。
また、画像データは、比較的狭い範囲では画素値の相関が比較的大きい傾向がある。このため、隣接する第2画素ブロックに符号化効率が高いとして決定された演算方向は第1画素ブロックにおいても高い符号化効率が得られる可能性が高い。このため、本発明は、イントラ予測を使って符号化された画像データの圧縮率低下を抑えることが可能になる。
また、本発明の画像処理装置は、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算手段と、前記演算手段によって実行される演算の演算方向を決定する演算方向決定手段と、を備え、画素値が複数の色成分を含む場合、前記演算方向決定手段は、複数の色成分のうちの少なくとも一の色成分について演算方向を決定し、前記演算手段は、前記演算方向決定手段によって決定された演算方向にしたがい、他の色成分の画素の画素値を演算することを特徴とする。
このような発明によれば、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する際、複数の色成分のうち一の色成分についてだけ演算し、他の色成分についても演算方向を決定することができる。このため、複数の色成分のすべてについて演算を行う必要がなく、演算方向の決定にかかる処理時間を短縮することができ、ひいては符号化にかかる処理の時間を短縮できる。
また、Y、U、Vの3成分でなる画像データは、一般的にU成分及びV成分がY成分に依存することが知られている。このため、Y成分の画像データについて符号化効率が高いとして決定された演算方向は他の色成分についても高い符号化効率が得られる可能性が高い。このため、本発明は、イントラ予測を使って符号化された画像データの圧縮率低下を抑えることが可能になる。
また、本発明の画像処理装置は、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算手段と、前記演算手段によって実行される演算の演算方向を決定する演算方向決定手段と、を備え、画素値が複数の色成分を含む場合、前記演算方向決定手段は、複数の色成分のうちの少なくとも一の色成分について、第1画素ブロックと隣接し、かつ第1画素ブロックよりも先に演算方向が決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて第1画素ブロックの演算方向を決定し、前記演算手段は、前記演算方向決定手段によって決定された演算方向にしたがって他の色成分の画素の画素値を演算することを特徴とする。
このような発明によれば、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する場合、先に決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて第1画素ブロックの演算方向を決定することができる。このため、複数の演算方向のすべてについて演算を行う必要がなく、演算方向の決定にかかる処理時間を短縮することができる。
さらに、このような発明によれば、一の色成分についての演算の演算方向を、先に決定された画素ブロックの演算方向に基づいて決定することができる。このため、複数の色成分のすべてについて演算を行う必要がなく、演算方向の決定にかかる処理時間を短縮することができ、ひいては符号化にかかる処理の時間を短縮できる。
画像データは、比較的狭い範囲では画素値の相関が比較的大きい傾向があるので、互いに隣接する画素ブロックにおいて一方に適した演算方向は他方においても高い符号化効率が得られる可能性が高い。また、Y、U、Vの3成分でなる画像データは一般的にU成分及びV成分がY成分に依存することが知られていて、Y成分の画像データに適した演算方向は他の色成分についても高い符号化効率が得られる可能性が高い。このため、本発明は、イントラ予測を使って符号化された画像データの圧縮率低下を抑えることが可能になる。
また、本発明の画像処理装置は、前記演算方向決定手段が、先に符号化された画素ブロックの演算方向を含む複数の演算方向に沿って第1画素ブロックに含まれる画素の値を演算し、演算によって得られる複数の結果のうちの最も少ないデータ量を示す結果を得る演算方向を第1画素ブロックの演算方向に決定することを特徴とする。
このような発明によれば、先に符号化された画素ブロックの演算方向ばかりでなく、その周辺の演算方向に沿っても画素の値を演算することができる。そして、得られる複数の演算の結果のうちの最も少ないデータ量を示す結果を得る演算方向を第1画素ブロックの演算方向に決定するので、より画像データの圧縮率が高い演算方向を選択することができる。
また、本発明の画像処理装置は、前記演算方向決定手段が、先に演算された画素ブロックの演算方向を含む複数の演算方向のうち、演算方向を特定するために必要なデータ量が最も少ない演算方向を第1画素ブロックの演算方向に決定することを特徴とする。
このような発明によれば、演算の結果と共に演算に使用された演算方向を復号側に送信する場合、送信されるデータ量を低減して符号化後のデータ量をいっそう低減することができる。
また、本発明の画像処理装置は、前記演算方向決定手段が、先に演算された画素ブロックの演算方向を含む複数の演算方向のうち、演算方向を特定するために必要なデータ量が最も少ない演算方向、及び最も多い演算方向を除く演算方向を第1画素ブロックの演算方向に決定することを特徴とする。
このような発明によれば、複数の演算方向のうち画像特性が特殊な画素ブロックの演算方向に基づいて他の画素ブロックの演算方向を決定する可能性を低減し、画像データの符号化効率の低下を抑えることができる。
また、本発明の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算ステップと、前記演算ステップにおける演算の演算方向を決定する演算方向決定ステップと、を含み、前記演算方向決定ステップにおいて、第1画素ブロックと隣接し、かつ第1画素ブロックよりも先に演算方向が決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて第1画素ブロックの演算方向が決定されることを特徴とする。
このような発明によれば、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する際、先に決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて第1画素ブロックの演算方向を決定することができる。このため、複数の演算方向のすべてについて演算を行う必要がなく、演算方向の決定にかかる処理時間を短縮することができ、ひいては符号化にかかる処理の時間を短縮できる。
また、画像データは、比較的狭い範囲では画素値の相関が比較的大きい傾向がある。このため、隣接する第2画素ブロックに符号化効率が高いとして決定された演算方向は第1画素ブロックにおいても高い符号化効率が得られる可能性が高い。このため、本発明は、イントラ予測を使って符号化された画像データの圧縮率低下を抑えることが可能になる。
また、本発明の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算ステップと、前記演算ステップにおける演算の演算方向を決定する演算方向決定ステップと、を含み、画素値が複数の色成分を含む場合、演算方向決定ステップにおいて、複数の色成分のうちの少なくとも一の色成分について演算方向が決定され、前記演算ステップにおいて、前記演算方向決定ステップで決定された演算方向に沿って他の色成分の画素値が演算されることを特徴とする。
このような発明によれば、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する際、複数の色成分のうち一の色成分についてだけ演算し、他の色成分についても演算方向を決定することができる。このため、複数の色成分のすべてについて演算を行う必要がなく、演算方向の決定にかかる処理時間を短縮することができ、ひいては符号化にかかる処理の時間を短縮できる。
また、Y、U、Vの3成分でなる画像データは、一般的にU成分及びV成分がY成分に依存することが知られている。このため、Y成分の画像データについて符号化効率が高いとして決定された演算方向は他の色成分についても高い符号化効率が得られる可能性が高い。このため、本発明は、イントラ予測を使って符号化された画像データの圧縮率低下を抑えることが可能になる。
また、本発明の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算ステップと、画素値が複数の色成分を含む場合、複数の色成分のうちの少なくとも一の色成分について前記演算ステップにおける演算の演算方向を決定する演算方向決定ステップと、を含み、前記演算方向決定ステップにおいて、第1画素ブロックと隣接し、かつ第1画素ブロックよりも先に演算方向が決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて第1画素ブロックの演算方向が決定され、前記演算ステップにおいて、前記演算方向決定ステップで決定された演算方向に沿って他の色成分の画素値が演算されることを特徴とする。
このような発明によれば、所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する際、複数の色成分のうち一の色成分についてだけ演算し、他の色成分についても演算方向を決定することができる。
このため、複数の演算方向のすべてについて演算を行う必要がなく、演算方向の決定にかかる処理時間を短縮することができ、ひいては符号化にかかる処理の時間を短縮できる。さらに、このような発明によれば、一の色成分についての演算の演算方向を、先に決定された画素ブロックの演算方向に基づいて決定することができる。このため、複数の色成分のすべてについて演算を行う必要がなく、演算方向の決定にかかる処理時間を短縮することができ、ひいては符号化にかかる処理の時間を短縮できる。
画像データは、比較的狭い範囲では画素値の相関が比較的大きい傾向があるので、互いに隣接する画素ブロックにおいて一方に適した演算方向は他方においても高い符号化効率が得られる可能性が高い。また、Y、U、Vの3成分でなる画像データは一般的にU成分及びV成分がY成分に依存することが知られていて、Y成分の画像データに適した演算方向は他の色成分についても高い符号化効率が得られる可能性が高い。このため、本発明は、イントラ予測を使って符号化された画像データの圧縮率低下を抑えることが可能になる。
以下、図を参照して本発明にかかる画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムの実施の形態1、実施形態2を説明する。
図1は、本実施形態1、実施形態2の画像処理装置のH.264/AVC(Advanced video coding)符号器の基本的な構成を説明するための図である。図示した構成は、ビデオ等の動画像の画像データを所定の数の画素(画素ブロック)ごとに符号化すると共に、フレーム全体を符号化する構成である。このため、図1の符号器は、画像データをDCT(Discrete Cosine Transform)変換及び量子化するDCT・量子化部102、量子化された画像データを符号化するエントロピ符号化部103を備えている。また、量子化された画像データを量子化及びDCT変換以前の状態に戻す逆量子化部(逆DCTも行う)105、ノイズを解消するためのデブロックフィルタ105、画像データを1フレーム分蓄積するフレームメモリ106、蓄積された画像データのフレーム間の動きを予測して補償するインター予測部107、画素ブロックごとに予測誤差値を算出するイントラ予測部101を備えている。
イントラ予測部101は、本実施形態1、実施形態2の画像処理装置の要部をなす構成であって、ソフトウェアの処理によってイントラ予測の予測モードを決定し、決定した予測モードによってイントラ予測を行うものである。
(実施形態1)
図2は、実施形態1のイントラ予測部101において予測モードを決定する機能の機能ブロック図である。図示したイントラ予測部101は、所定の数の画素で構成される一の画素ブロック(第1画素ブロック)に含まれる画素(第1画素)の画素値を、画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する符号化演算部205、複数の演算方向から符号化演算部205によって実行される演算の演算方向を決定する基準予測モード決定部201、予測モード候補設定部202及び予測モード決定部203を備えている。なお、本明細書において、画素値とは1画素分の画像データを指すものとする。
実施形態1において、基準予測モード決定部201、予測モード候補設定部202及び予測モード決定部203は、演算方向決定手段として機能する。基準予測モード決定部201、予測モード候補設定部202及び予測モード決定部203は、第1画素ブロックと隣接し、かつ第1画素ブロックよりも先に演算方向が決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて、第1画素ブロックの演算方向を決定する。
また、実施形態1では、第1画素ブロックを、以降注目画素ブロックと記し、第2画素ブロックを隣接画素ブロックとも記すものとする。
図3は、上記した内容のうち、注目ブロックと隣接画素ブロックとの関係を説明するための図である。図3(a)、(b)、(c)のいずれにおいても、符号301〜305で示した矩形は画素ブロックを示している。なお、実施形態1の画像処理装置及びプログラムは、どのような画素ブロックに適用することも可能であるが、実施形態1にあっては、4×4のマトリックス状に画素を配置したサブブロックであるものとする。
また、図3において、画素ブロックのうち*で示した画素ブロックが今回の処理の対象となっている注目画素ブロックであって、1〜4の数字を付して示した各画素ブロックは、隣接画素ブロックである。
実施形態1において、隣接画素ブロックは、注目画素ブロックと隣接し、注目画素ブロックよりも先に演算方向が決定されたものであればよく、図中に示した画素ブロック301〜305のいずれをいくつ採用してもよい。
図4(a)〜(e)は、演算方向を説明するための図である。図4(a)に示すように、演算方向は、予め設定された9方向に設定されていて、各方向は矢線に付された0〜8の数字によって識別される(以降、矢線0、矢線1…矢線8と記す)。また、(b)〜(e)において、黒丸で示す画素は隣接画素ブロックの画素を、白丸で示す画素は注目画素ブロックの画素を示すものである。また、演算方向を以降予測モードと記し、矢線0、矢線1…矢線8で表される各演算方向を、以降、予測モード0、予測モード1…予測モード8と記す。ただし、予測モード2は、隣接画素ブロックの画素間の平均をとって予測誤差値とするモードであって、矢線が図示できない。
図4(b)〜(e)は、予測モードと演算方向との関係を説明するための図であって、(b)は予測モード0の演算方向を示している。すなわち、予測モード0は、注目画素ブロックに含まれる画素の画素値を、注目画素ブロックの直上の隣接画素ブロックにおける下端の画素の画素値と順次減算するモードである。また、予測モード0では、注目画素ブロックの画素が、図中において上に位置する画素から下に位置する画素に向かう方向で隣接画素ブロックの画素と減算される。このような減算の方向を、本実施形態では、画素の配列方向に基づく演算方向と記す。
図4(c)は、予測モード1の減算の方向を示している。予測モード1によれば、注目画素ブロックに含まれる画素の画素値が、矢線1で示す方向に沿って図中の左の隣接画素ブロックの右端にある画素と減算される。
また、(d)は予測モード4の減算の方向を示し、(e)は予測モード5の減算の方向を示している。予測モード4、予測モード5のいずれにあっても、注目画素ブロックにある画素の値が、隣接画素ブロックの端部にある画素の値から矢線が示す方向に沿って減算される。
基準予測モード決定部201は、隣接画素ブロックの演算方向を取得し、取得した隣接画素ブロックから基準予測モードを決定する。実施形態1では、例えば図3(b)に示したように、隣接画素を3つ設定し、基準予測モード決定部201が3つの演算方向から1つの演算方向を基準予測モードに決定する。決定された基準予測モードは予測モード候補設定部202に送られ、予測モード候補設定部202は、基準予測モードに基づいて注目画素ブロックの符号化に使用される予測モードの候補を複数設定する。
予測モード決定部203は、設定された複数の予測モードの候補から1つの予測モードを符号化に使用される予測モードに決定する。決定した予測モードは、符号化演算部205に送られる。符号化演算部205は、予測モードにしたがう方向で注目画素ブロックに含まれる画素の値から隣接画素ブロックの画素の値を減算して予測誤差信号を生成する。実施形態1の画像処理装置は、生成された予測誤差信号をDCT量子化部102及びエントロピ符号化部103によって量子化、符号化する。
図5は、符号化演算部205による予測信号の生成について説明するための図である。図5(a)は、画像全体におけるサブブロックを示し、サブブロックは任意のフレームに属する注目画素ブロック601及び隣接画素ブロック602である。(b)は、注目画素ブロック601と隣接画素ブロック602に含まれる画素示している。注目画素ブロック601の画素601aは今回符号化の対象となっている画素であって、隣接画素ブロック602の画素602aはすでに符号化済みの画素である。
画素601aをXSB(i,j)、画素602aをYSB(i,j)とすると、
予測信号ρ(i,j)は、YSB(i,0)と表される(ただし0≦i,j≦3)。
また、予測誤差信号は、上記した画素601aと予測信号ρ(i,j)とを使って次のように表される。
予測誤差信号e(i,j)=XSB(i,j)−ρ(i,j)
生成された予測誤差信号e(i,j)は、DCT量子化部102に出力される。
なお、決定した予測モードは、符号化演算部205と共に予測モード選択データ生成部204にも送られる。予測モード選択データ生成部204は、今回決定した注目画素ブロックの予測モードを後の処理の隣接画素ブロックの予測モードとするためのデータを生成し、基準予測モード決定部201に送る。
上記した構成において、基準予測モード決定部201は、例えば、基準予測モードを以下の手順で決定する。すなわち、基準予測モード決定部201は、隣接画素ブロックとして採用された3つの画素ブロックの予測モードが異なる場合、複数の隣接画素ブロックの予測モードのうち、予測モードを特定するために必要なデータ量が最も少ない予測モードを注目画素ブロックの予測モードに決定する。
実施形態1においては、前記したように、予測モードが0ないし8の数字に特定される。数字は、大きさによって特定必要なビット数が変わり、特定に必要なデータ量が最も少ない予測モードを採用する場合、3つの隣接画素ブロックの予測モードのうち最も少ないビット数で表現できるより小さい数字が付された予測モードが採用されることになる。
このような構成によれば、符号化されたデータに予測モードを付して生成される復号用データのデータ量がいっそう少なくなり、本実施形態の符号化効率をいっそう高めることができる。
また、基準予測モード決定部201は、隣接画素ブロックとして採用された3つの画素ブロックの予測モードが異なる場合、複数の隣接画素ブロックの予測モードのうち、予測モードを特定するために必要なデータ量が最も少ない予測モード及びデータ量が最も多い予測モードを除く予測モードを注目画素ブロックの予測モードに決定することができる。
このような構成によれば、隣接画素ブロックの1つが注目画素ブロックが示す画像の特性と大きく変わる特性を持つ場合であっても、この隣接画素ブロックの予測モードを採用したことによって注目画素ブロックの符号化効率の低下が大きくなることを避けることができる。
予測候補モード設定部202は、例えば、次のようにして決定された予測モードに基づく予測モードの候補を設定する。すなわち、基準予測モード決定部201が、予測モードを予測モード8に決定した場、予測候補モード設定部202は、予測モード8を中心にする2つの予測モード2、予測モード1を、予測モード8と共に予測モードの候補に設定する。
このような構成によれば、隣接画素ブロックの予測モードに準じて選択された1の予測モードのみならず、選択された予測モードに近い複数の予測モードから注目画素ブロックの予測モードを決定することができる。このため、注目画素ブロックのより高い符号化効率を得るのに適した予測モードを注目画素ブロックの符号化に採用することができる。
なお、基準予測モード決定部201によって決定された他の予測モードと予測モード候補設定部202によって設定される予測モードの候補との関係を以下に例示する(候補が3つ以上存在する例もある)。
予測モード 予測モード候補
1 2、8、1、6
6 2、1、6、4
4 2、6、4、5
5 2、4、5、0
0 2、5、0、7
7 2、0、7、3
3 2、3、7
2 0〜8
予測モード決定部203は、上記した方法によって決定された予測モード候補から、注目画素ブロックの予測モードを、例えば以下の手順で決定する。すなわち、予測モード決定部203は、複数の予測モード候補で注目ブロックに含まれる画素の値を演算し、得られる複数の結果のうちの最も少ないデータ量を示す結果を得る予測モードを注目画素ブロックの予測モードに決定する。
なお、このような処理における演算とは、例えば、注目画素ブロックの画素の値から隣接画素ブロックの画素の値を各予測モードにしたがって減算し、得られた減算結果の総和をいう。減算値の総和の値は、符号化後のデータのデータ量を反映する。このため、このような構成によれば、減算値の総和が最小となる予測モードを符号化の予測モードとすれば、予測モード候補のうちの符号化効率が最も高い予測モードを注目画素の予測モードにすることができる。
次に、実施形態1の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを説明する。
図6は、実施形態1の画像処理装置で実行される画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムのフローチャートであって、イントラ予測部101上で動作する。なお、図6に示したフローチャートは、先に述べた実施形態1の画像処理装置によって行われる動作のうちの1つを例示するものであって、隣接画素ブロックのうち予測モードを識別する数字が最小のビット数で表されるものを注目画素ブロックの基準予測モードとする。また、基準予測モードを含む複数の予測モードによって予測誤差信号を生成し、予測誤差信号の総和が最小になる予測モードを注目画素ブロックを符号化する際の予測モードに採用するものとする。
図6に示したように、実施形態1の画像処理装置は、基準予測モード決定部201が、予測モード選択データに基づいて注目画素ブロック周囲の3つの隣接画素ブロック(図中に周辺画素ブロックと記す)の予測モードを収集する(ステップS501)。そして、予測モードMnを1番目の隣接画素ブロックの予測モードM1に設定し(ステップS502)、予測モードM1のモード識別のための数字が3つの予測モードのうちで最も少ないビット数で表される最小モードであるか否かを判断する(ステップS503)。判断の結果、最小モードであった場合(ステップS503:Yes)、予測モードM1を基準予測モードに設定する(ステップS504)。
一方、予測モードM1が最小モードでない場合(ステップS503:No)、予測モードM1を2番目の隣接画素ブロックの予測モードM2に更新する(ステップS510)。ここで、基準予測モード決定部201は、実施形態1が3つの隣接画素ブロックを使って基準予測モードを決定することから、予測モードの設定回数が3回以上であるか否か判断する(ステップS511)。3回以内であった場合(ステップS511:No)、予測モードM2が最小モードであるか否か判断する(ステップS504)。また、ステップS511において、予測モードの設定回数が3回以上であると判断された場合(ステップS511:Yes)、次の注目画素ブロックの予測モードを収集する。
また、予測モード候補設定部202は、基準予測モードが決定した場合、基準予測モードを含む予測モードを予測モード候補に設定する(ステップS50
5)。予測モード決定部203は、設定された予測モード候補の各々について、注目画素ブロックの画素の各々と隣接画素ブロックの端部にある画素との差分を算出する。そして、算出された差分の総和をとる演算を実行する(ステップS506、S507、S508)。さらに、ステップS506〜S508の演算によって得られた3つの総和のうち、最小の値を得た予測モード候補を注目画素ブロックの符号化に使用される予測モードに決定する(ステップS509)。
以上述べたように、実施形態1の画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためにプログラムは、H.264のイントラ予測において、注目画素ブロックの演算方向を、先に決定された隣接画素ブロックの演算方向に基づいて決定することができる。このため、複数の色成分のすべてについて演算を行う必要がなく、演算方向の決定にかかる処理時間を短縮することができ、ひいては符号化にかかる処理の時間を短縮できる。
ところで、画像は、比較的狭い範囲においては画素値の相関が比較的大きい傾向がある。このため、互いに隣接する画素ブロックにおいて一方に適した演算方向は他方においても高い符号化効率が得られる可能性が高い。このような点から、実施形態1の画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、演算方向の決定にかかる時間を短縮し、しかも時間短縮による圧縮率の低下を抑えることが可能になる。
(実施形態2)
次に、本発明の画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムの実施形態2について説明する。なお、実施形態2の画像処理装置は、実施形態1で示した図1、図2と同様の構成を有する。このため、実施形態2の画像処理装置の説明において、図1、図2に示した構成の図示及び説明を省くものとする。
実施形態2の画像処理装置は、注目画素ブロックに含まれる画素値が複数の色成分を含む場合、基準予測モード決定部201、予測モード候補設定部202、予測モード決定部203が複数の色成分のうちの少なくとも一の色成分について予測モードを決定する。そして、符号化演算手段が、決定された予測モードにしたがい、他の色成分の画素の画素値を演算するものである。
一般的に、画像処理装置では、カラー画像の画素値をY,U,Vの3つの色成分ごとに符号化する。色成分Y,U,VのうちY成分は輝度、U成分は青み、V成分は赤みを示し、U成分、V成分は共にY成分と強い相関を持つ。実施形態2の画像処理装置は、この点に着目したものであって、Y成分を使って決定した予測モードをU成分、V成分の予測モードとしても適用し、本来3回行われる予測モード決定のための処理を1回にすることによって処理時間を短縮するものである。
図7(a)、(b)は、実施形態2の画像処理装置の動作を説明するための図である。図7中に示した画像データ701は、ブロックの16×16の画素分の画素値のY成分の画像データである。また、画像データ702は、サブブロックのU成分の画像データであって、ブロックを8×8の画素の画素値で表す。画像データ703は、ブロックのV成分の画像データであって、U成分と同様にブロックを8×8の画素の画素値で表している。Y成分の画像データに比べてU成分、V成分の画像データのデータ量が少ない理由は、画像データのY成分が画像に最も大きく影響するからである。
図7(a)は、Y成分,U成分,V成分の各々について独立に予測モードを決定した例を示している。図示した例は、画像データ701のY成分について予測モード0、U成分、V成分についてはいずれも予測モード1が設定されている。画像データの色成分の各々について独立に予測モードを決定する場合、イントラ予測部101は、画像データ701、702、703の各々について予測誤差信号の総和を生成しなければならない。
一方、図7(b)は、画像データのY成分について設定された予測モードをU成分、V成分にも適用した例を示している。図示した例では、イントラ予測部101が3つの色成分のうちY成分の画像データについてのみ予測モード0を設定する。そして、U成分、V成分についてはいずれも演算することなく予測モード0で予測誤差信号を生成し、DCT及び量子化して符号化する。
図8は、実施形態2の画像処理装置で実行される画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムのフローチャートであって、イントラ予測部101上で動作する。なお、図8に示したフローチャートは、先に述べた図6に示した実施形態1の画像処理装置によって行われる予測モードの決定の処理を含むものであって、同様の処理については一部説明を省くものとする。
図8に示したように、実施形態2の画像処理装置は、Y成分、U成分、V成分の3つの色成分のうちY成分についてだけ実施形態1と同様の方法で各注目画素の予測モードを決定する。すなわち、基準予測モード決定部201は、予測モード選択データに基づいて注目画素ブロック周囲の3つの隣接画素ブロック(図中に周辺画素ブロックと記す)の予測モードを収集する(ステップS801)。そして、予測モードMnを1番目の隣接画素ブロックの予測モードM1に設定し(ステップS802)、予測モードM1のモード識別のための数字が3つの予測モードのうちで最も少ないビット数で表される最小モードであるか否かを判断する(ステップS803)。判断の結果、最小モードであった場合(ステップS803:Yes)、予測モードM1を基準予測モードに設定する(ステップS804)。
一方、予測モードM1が最小モードでない場合(ステップS803:No)、予測モードM1を2番目の隣接画素ブロックの予測モードM2に更新する(ステップS810)。ここで、基準予測モード決定部201は、実施形態1が3つの隣接画素ブロックを使って基準予測モードを決定することから、予測モードの設定回数が3回以上であるか否か判断する(ステップS811)。3回以内であった場合(ステップS811:No)、予測モードM2が最小モードであるか否か判断する(ステップS804)。また、ステップS811において、予測モードの設定回数が3回以上であると判断された場合(ステップS811:Yes)、次の注目画素ブロックの予測モードを収集する。
また、予測モード候補設定部202は、基準予測モードが決定した場合、基準予測モードを含む予測モードを予測モード候補に設定する(ステップS805)。予測モード決定部203は、設定された予測モード候補の各々について、注目画素ブロックの画素の各々と隣接画素ブロックの端部にある画素との差分を算出する。そして、算出された差分の総和をとる演算を実行する(ステップS806、S807、S808)。さらに、ステップS806〜S808の演算によって得られた3つの総和のうち、最小の値を得た予測モード候補を注目画素ブロックの符号化に使用される予測モードに決定する(ステップS809)。
以上の処理の後、実施形態2では、画像データのU成分、V成分の予測モードをステップS809で決定した予測モードに設定し(ステップS812)、次の注目画素ブロックの符号化の処理をする。
なお、以上述べた実施形態2は、画像データのY成分だけを実施形態1と同様に処理して予測モードを決定している。しかし、実施形態2はこのような構成に限定されるものでなく、Y成分についてだけ予測モードを決定するものであればどのような方法で予測モードを決定してもよい。したがって、実施形態2は、例えば、従来技術のように9種類の予測モードについて演算して最小モードを決定するものであってもよい。
以上述べたように、実施形態2の画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためにプログラムは、複数の色成分のうち一の色成分についてだけ演算し、他の色成分についても演算方向を決定することができる。このため、複数の色成分のすべてについて演算方向を決定するための演算をする必要がなく、演算方向の決定にかかる処理時間を短縮することができ、ひいては符号化にかかる処理の時間を短縮できる。
ところで、Y、U、Vの3成分でなる画像データは一般的にU成分及びV成分がY成分に依存することが知られていて、Y成分の画像データに適した演算方向は他の色成分についても高い符号化効率が得られる可能性が高い。このような点から、実施形態2の画像処理装置及び画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、演算方向の決定にかかる時間を短縮し、しかも時間短縮による圧縮率の低下を抑えることが可能になる。
図9は、実施形態1、実施形態2の画像処理装置及びプログラムの効果を説明するための表を示した図である。図9の表は、処理A、処理B、処理C、処理B+Cの4つの処理について、各々基準となる符号化処理によって符号化された画像の信号に対するPSNR(Peak Signal to Noise Ratio)の増加値(dB)を、Y、U、Vの色成分ごとに示している。また、Y、U、Vの色成分ごとに平均時間及び演算時間の増加率を示している。
表に記した処理Aは、圧縮率の最も高い周知の符号化方法の一部を略する符号化方法である。処理Aによれば、最も圧縮率が高い処理よりも処理時間が短縮できるものの、圧縮率が0.11低減する。0.11の圧縮率低下は実際の画像処理において問題ならない場合も多く、処理Aは本発明の従来技術にあたる技術として多用されている。また、処理Bは、処理Aと実施形態1の画像処理装置で行われる処理とを併用した処理である。処理Cは、処理Aと実施形態2の画像処理装置で行われる処理とを併用した処理であり、処理B+Cは、処理Aと実施形態1、実施形態2の画像処理装置で行われる処理とを併用した処理である。
図9によれば、処理B、処理C、処理B+Cは、処理Aより演算時間が短いことが分かる。したがって、本発明の実施形態1、実施形態2は、単独で用いても併用しても符号化にかかる時間を短縮する効果を有することが分かる。また、一般的な画像処理にあっては、処理B、処理C、処理B+CのPSNRの増加はY、U、Vの色成分のいずれについても許容できる範囲にある。さらに、処理B、処理C、処理B+Cで符号化された画素ブロックの平均ビットの増加率は、処理Aの基準となる符号化方法に対する増加率と実質的な差がないことが分かる。
本実施形態1、実施形態2の画像処理装置のH.264/AVC符号器の基本的な構成を説明するための図である。 実施形態1のイントラ予測部において予測モードを決定する機能の機能ブロック図である。 本発明の実施形態1の注目ブロックと隣接画素ブロックとの関係を説明するための図である。 本発明の実施形態1の演算方向を説明するための図である。 図2に示した符号化演算部による予測信号の生成について説明するための図である。 実施形態1の画像処理装置で実行される画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムのフローチャートである。 本発明の実施形態2の画像処理装置の動作を説明するための図である。 実施形態2の画像処理装置で実行される画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムのフローチャートである。 本発明の実施形態1、実施形態2の画像処理装置及びプログラムの効果を説明するための表を示した図である。 H.264における一般的な減算方向を具体的に説明するための図である。
符号の説明
101 イントラ予測部,102 量子化部,103 エントロピ符号化部、105 デブロックフィルタ,106 フレームメモリ,107 インター予測部、201 基準予測モード決定部,202 予測モード候補設定部、202 予測候補モード設定部,203 予測モード決定部、204予測モード選択データ生成部,205 符号化演算部

Claims (9)

  1. 所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算手段と、
    前記演算手段によって実行される演算の演算方向を決定する演算方向決定手段と、を備え、
    前記演算方向決定手段は、第1画素ブロックと隣接し、かつ第1画素ブロックよりも先に演算方向が決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて、第1画素ブロックの演算方向を決定することを特徴とする画像処理装置。
  2. 所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算手段と、
    前記演算手段によって実行される演算の演算方向を決定する演算方向決定手段と、を備え、
    画素値が複数の色成分を含む場合、前記演算方向決定手段は、複数の色成分のうちの少なくとも一の色成分について演算方向を決定し、前記演算手段は、前記演算方向決定手段によって決定された演算方向にしたがい、他の色成分の画素の画素値を演算することを特徴とする画像処理装置。
  3. 所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる複数の第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算手段と、
    前記演算手段によって実行される演算の演算方向を決定する演算方向決定手段と、を備え、
    画素値が複数の色成分を含む場合、前記演算方向決定手段は、複数の色成分のうちの少なくとも一の色成分について、第1画素ブロックと隣接し、かつ第1画素ブロックよりも先に演算方向が決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて第1画素ブロックの演算方向を決定し、
    前記演算手段は、前記演算方向決定手段によって決定された演算方向にしたがって他の色成分の画素の画素値を演算することを特徴とする画像処理装置。
  4. 前記演算方向決定手段が、先に符号化された画素ブロックの演算方向を含む複数の演算方向に沿って第1画素ブロックに含まれる画素の値を演算し、演算によって得られる複数の結果のうちの最も少ないデータ量を示す結果を得る演算方向を第1画素ブロックの演算方向に決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  5. 前記演算方向決定手段が、先に演算された画素ブロックの演算方向を含む複数の演算方向のうち、演算方向を特定するために必要なデータ量が最も少ない演算方向を第1画素ブロックの演算方向に決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  6. 前記演算方向決定手段が、先に演算された画素ブロックの演算方向を含む複数の演算方向のうち、演算方向を特定するために必要なデータ量が最も少ない演算方向、及び最も多い演算方向を除く演算方向を第1画素ブロックの演算方向に決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  7. 所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算ステップと、
    前記演算ステップにおける演算の演算方向を決定する演算方向決定ステップと、を含み、
    前記演算方向決定ステップにおいて、第1画素ブロックと隣接し、かつ第1画素ブロックよりも先に演算方向が決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて第1画素ブロックの演算方向が決定されることを特徴とする画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算ステップと、
    前記演算ステップにおける演算の演算方向を決定する演算方向決定ステップと、を含み、
    画素値が複数の色成分を含む場合、演算方向決定ステップにおいて、複数の色成分のうちの少なくとも一の色成分について演算方向が決定され、
    前記演算ステップにおいて、前記演算方向決定ステップで決定された演算方向に沿って他の色成分の画素値が演算されることを特徴とする画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  9. 所定の数の画素で構成される第1画素ブロックに含まれる第1画素の画素値を、第1画素の配列方向に基づく複数の演算方向のいずれかに沿って演算する演算ステップと、
    画素値が複数の色成分を含む場合、複数の色成分のうちの少なくとも一の色成分について前記演算ステップにおける演算の演算方向を決定する演算方向決定ステップと、を含み、
    前記演算方向決定ステップにおいて、第1画素ブロックと隣接し、かつ第1画素ブロックよりも先に演算方向が決定された第2画素ブロックの演算方向に基づいて第1画素ブロックの演算方向が決定され、
    前記演算ステップにおいて、前記演算方向決定ステップで決定された演算方向に沿って他の色成分の画素値が演算されることを特徴とする画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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