JP2007103265A - 膜電極接合体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピンホールなどの含浸不良を低減できる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を提供する。
【解決手段】触媒層及びイオン交換膜がともにフッ素系多孔体シートを骨格として形成されており、かつ、イオン交換膜の骨格が該多孔体シート2層からなることを特徴とする、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、その製造方法、その製造装置に関する。
【選択図】図4

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体とその製造方法に関する。
白金などの貴金属微粒子を含む触媒を材料とする電極を電解質膜の両面に貼り合わせた膜電極接合体(MEA)が開発されている。燃料電池の性能は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するMEAの性能に左右されるといわれている。
例えば、特許文献1には、電極の表面に延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンとその多孔質空隙部に含浸された高分子固体電解質樹脂とからなる高分子固体電解質を、高分子固体電解質の溶媒又は溶液を用いて一体に成型した高分子固体電解質・電極接合体が記載されている。
特開2003−142122号公報
上記従来例では、高分子固体電解質膜が、単体の延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートの空隙部に高分子固体電解質樹脂が含浸されているので、含浸不良などのおそれがあった。
また、電極と、前記延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートの空隙部に高分子固体電解質樹脂が含浸されている高分子固体電解質との接合では、それぞれの熱膨張係数や水分による膨潤度合いが異なるため、接合面の耐久性能が低下する可能性があった。
そこで、本発明は上記従来技術での問題点を解消することを目的とする。
本発明は、触媒層及びイオン交換膜がともにフッ素系多孔体シートを骨格として形成されており、かつ、イオン交換膜の骨格が該多孔体シート2層からなることを特徴とする、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、に関する。
また本発明は、i)触媒付きカーボン粉末と、フッ素系微粒子とを含むフッ素系多孔体シートをホットプレスし;ii)該ホットプレスした多孔体シートと、他の未含浸のフッ素系多孔体シートとを重ねて積層体を形成し、該ホットプレスした多孔体シートがガラス状多孔体シートに接するように該積層体ガラス状多孔体シート上に置き、または、該ホットプレスした多孔体シートをガラス状多孔体シート上に置き、該多孔体シート上に他の未含浸のフッ素系多孔体シートを重ねて積層体を形成し、ここで、該ガラス状多孔体シートは、プレート上に載置され、かつ、加熱ヒータによって加熱可能に形成されている;およびiii)該プレート下面から加熱吸引しながら、アルコール系溶媒に溶解したイオン交換樹脂を該積層体に含浸させることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の前駆体の製造方法、に関する。また、2対の前駆体を、前記イオン交換樹脂の含浸面を合わせてホットプレスすることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法に関する。
また本発明は、ヒータを備えるプレートと、該プレート上に載置されたガラス状多孔体シートと、該プレート下に設けられた、該ガラス状多孔体シート、該プレートを経由して吸引可能な通路とを有することを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の前駆体の製造装置、に関する。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体によれば、触媒層中のイオン交換樹脂と、イオン交換膜中のイオン交換樹脂とが始めから一体であり、プロトンの移動がスムーズに行えることから、発電効率が高いという効果を奏する。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の前駆体の製造方法によれば、溶媒を乾燥除去した後にホットプレスしてなるために、得られたMEAの強度が強いという効果を奏する。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の前駆体の製造装置によれば、触媒層およびその上の未含浸のフッ素系多孔体シートが、しわなどの発生なく固定されるとともに、接する部分がガラス状多孔体シートのため、不純物のコンタミなどが極めて少ないという効果を奏する。また、本発明によれば、この2対の前駆体を、前記イオン交換樹脂の含浸面を合わせてホットプレスしてMEAとするため、イオン交換膜が2層からなり、たとえ片方のイオン交換膜にピンホール等が存在しても、それがMEAのイオン交換膜を貫通する孔とはならない為、ガスリーク等に対し、信頼性の高いMEAとなる。
本発明において、MEAとは、触媒層及びイオン交換膜がともにフッ素系多孔体シートを骨格として形成されており、かつ、イオン交換膜の骨格が該多孔体シート2層からなる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体をいう。MEA前駆体とは、該接合体を形成する前段の触媒層とイオン交換樹脂が充填されたフッ素系多孔質シートとが一体化された構造物をいう。また、積層体とは、触媒層とフッ素系多孔質シートが単に積層された構造物をいう。なお、触媒層とは、貴金属担持カーボンなどの触媒成分を含ませたフッ素系多孔体シートをいう。
本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(MEA)は、固体高分子形燃料電池に使用される部品の一つである。MEAの性能は、燃料電池の性能を左右するといわれている。かかるMEAの前駆体の製造装置、MEA前駆体の製造方法、MEAの製造方法、及びMEAについて、順次説明する。
(MEA前駆体の製造装置)
図1は、本発明にかかるMEA前駆体を製造する装置の概略断面図である。図1において、MEA前駆体の製造装置1には、ヒータ3を備えるプレート5と、該プレート5上に載置されたガラス状多孔体シート7と、該プレート5下に設けられた、該ガラス状多孔体シート7、該プレート5を経由して吸引可能な通路9とが含まれる。なお、図1には、積層体11が載置されている。
本発明に用いられるプレート5は、積層体11にイオン交換樹脂を効率的に含浸させるための装置である。すなわち、気体や溶液などの流体を通過させることができ、かつ、載置されたガラス状多孔体シート7を保持でき、かつ、触媒層13及びフッ素系多孔体シート15からなる積層体11を載せてイオン交換樹脂を含浸する作業に耐えられる強度を有すれば特に制限はされないが、通常、ステンレススチール、セラミックスなどの無機材料製であり、プレート5にはプレートの上下の間に多数の穴または貫通穴を有する穴あきプレート;格子状物;ガラス状多孔体シートの周囲を支持する枠などが挙げられる。該プレートは、ガラス状多孔体シート7の下面を加熱ができるようにヒータ3を備えている。ヒータ3で加熱することによって、含浸の際に原料に含まれる溶媒を効率的に蒸発させることが可能である。また、プレート5は、内部に例えば棒状ヒータを内蔵する構造であってもよい。
ヒータ3の近傍に熱電対17を設置し、プレート5の温度を監視及び制御することが好ましい。
本発明に用いられるガラス状多孔体シート7は、該プレート5上に載せて使うものであり、イオン交換樹脂を含浸する際に耐えられる強度を有することが求められる。ここで、ガラス状とは、ガラスの他に、ホウロウ、セラミックスなどが例示できる。多孔体は、流体が通過できる構造であれば、特に制限されるものではない。該シート面は、積層体を載置できるように平坦であることが望ましい。
本発明に用いられる通路9は、積層体11をガラス状多孔体シート7に載置してイオン交換樹脂を含む原料を該積層体11に含浸する際に、該原料中に含まれる溶媒を、ガラス状多孔体シート7、プレート5を介して、プレート5の下面方向からプレート5を加熱しながら、吸引ポンプ(図示せず)などで排出できれば、何ら制限はない。流体が通過する通路の材質は、使用する溶媒に対して耐性を有することが好ましく、通常、流体と接する面をガラス、ホウロウなどの耐蝕性の材料で被覆して用いる。
前記プレート5、ガラス状多孔体シート7、及び通路9は、図1に示されるように、ステージ19にまとめて一体的に構成することが、イオン交換樹脂の担持の作業性を高めることができる。
図1において、前記プレート5は、ステージ19の略中央部に設けられた凹部の下に埋め込まれている。凹部の深さは、ガラス状多孔体シート7の高さを合わせて、ステージ上表面と面位置となっていることが、後述の担持作業の効率の点から好ましい。前記プレート5下部から横方向に向かって通路9が延びる。通路9は、ステージ19下方に余裕がある場合には、そのまま下方に延びる構造であってもよい。
さらに、本発明のMEA前駆体の製造装置1には、積層体11の固定用治具21を設けることが好ましい。該固定用治具21を設けることにより、イオン交換樹脂を含浸する際に、該積層体11が十分に固定されることにより、作業のスピードが速くなるとともに、含浸の正確性が増大する。該固定用治具21は、該積層体11の周辺を押さえることによって、該積層体11を固定するものであり、通常、該積層体11の周囲を複数、例えば少なくとも3箇所で固定することによって達成される。なお、MEA前駆体の製造装置1が大きくなればなる程、固定箇所を多くすることが必要である。もちろん、該積層体11の周辺を全て固定してもよい。
該固定用治具21は、該積層体11を固定できる手段であれば特に制限されることはないが、例えば、次の構成を例示できる。積層体11の近傍であって、ステージ19上に上方に向かってボルト23を固定する。そのボルト23に、該積層体11を保護する、テフロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどからなる硬質シート25がその下面に取り付けられた枠状治具27、コイルバネ29、そしてボルトの溝に対応する溝を有するナット31を順に取り付けて固定用治具21を構成する。
本発明のMEA前駆体の製造装置を用いることにより、MEA前駆体を効率よく作製することが可能である。
本発明のMEA前駆体の製造装置によれば、ヒータを内在したプレートと、その表面にガラス状多孔体シートを備え、かつ、ガラス状多孔体シート下面に吸引可能な通路を設け、ガラスシート上で形成される積層体の周囲を押さえる枠からなり、この枠がボルトナットなどでヒータを内蔵したプレートに取り付けられるため、触媒層およびその上の未含浸のフッ素系多孔体シートが、しわなどの発生なく固定されるとともに、接する部分がガラス状多孔体シートのため、不純物のコンタミなどが極めて少ない。さらに、吸引できることにより、イオン交換樹脂の含浸が、速やかに細部まで行き渡り、含浸不良などが発生する可能性が極めて低い。
(MEA前駆体の製造方法)
MEA前駆体の製造方法について、ステップごとに順を追って説明する。
i)触媒付きカーボン粉末と、フッ素系微粒子とを含むフッ素系多孔体シートをホットプレスする。この方法は、従来燃料電池の分野で用いられている公知の方法で実施することができる。例えば、次の方法を代表例として説明する。
触媒付きカーボン粉末と、フッ素系微粒子とを溶媒に分散させてスラリを形成する。ここで、触媒付きカーボン粉末は、従来この分野で用いられているものであれば特に制限されることなく用いることができ、例えば白金を50質量%担持したカーボン粉末が挙げられる。溶媒としては、触媒付きカーボン粉末やフッ素系微粒子を分散させることができれば特に制限されることはなく、たとえばイオン交換水、蒸留水などが挙げられる。また、スラリの分散性を向上させるために、界面活性剤をスラリ中に加えることが好ましい。界面活性剤の例としては、非イオン系界面活性剤が挙げられ、なかでも触媒付きカーボン粉末の分散性が高いことからポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。該粉末、界面活性剤を含む溶媒からなる分散液をボールミルなどの湿式法によって粉砕する。粉砕後、フッ素系微粒子を添加する。フッ素系微粒子とは、フッ素を含む高分子の微粒子であれば特に制限されることなく用いることができ、例えばテフロンディスパージョンが挙げられる。触媒付カーボンとテフロン微粒子の質量比率は9:1〜7:3程度まで可能だが、望ましくは9:1〜8:2程度がよい。スラリの濃度は、多孔体シートの含浸することができれば特に制限はなく、通常、5〜15質量%の範囲である。
上記のように形成された触媒スラリをフッ素系多孔体シートに含浸し、乾燥する。スラリに界面活性剤を用いた場合は、乾燥後にアルコール、たとえばエタノール等に該シートを浸して、界面活性剤を抽出除去する必要がある。ここで、フッ素系多孔体シートは、フッ素を含む高分子から形成された多孔を有するシートであれば特に制限されることはなく、例えば多孔性のテフロン(登録商標)シートが挙げられる。多孔性とは、触媒スラリが担持できれば特に制限されないが、通常、空孔率が80〜95%、好ましくは85〜95%の範囲にあることが望ましい。この範囲を外れると、触媒スラリを十分に含浸することができず、電極性能を十分に発揮することができないからである。触媒スラリの含浸方法は、スクリーン印刷、スプレー法、含浸法などの公知の方法が挙げられる。該多孔体シートの内部まで均一の担持できる点から含浸法が好ましい。該多孔体シートを触媒スラリに浸漬している際に、超音波分散装置を利用して該多孔体シート中の泡などを除去して均一に触媒スラリを担持することが好ましい。浸漬後、該多孔体シートを引き上げ、余分の触媒スラリを落下させる。その後、該多孔体シートを乾燥させる。一度の含浸操作によって十分に触媒スラリの含浸が得られない場合には、この工程を数回繰り返して触媒スラリを十分に含浸させる。
上記のように乾燥したフッ素系多孔体シートをホットプレスする。すなわち、両面にアルミ箔を重ね、例えば380℃、2MPaで、1分間ホットプレスする。その後、アルミ箔を剥して、フッ素系多孔体を骨格とした触媒層を得る。
ii)上記のようにホットプレスした多孔体と、他の未含浸のフッ素系多孔体シートとを重ねて積層体を形成し、該ホットプレスした多孔体がガラス状多孔体シートに接するように該積層体をガラス状多孔体シート上に置く。または、該ホットプレスした多孔体をガラス状多孔体シート上に置き、その該多孔体上に他の未含浸のフッ素系多孔体シートを重ねて積層体を形成する。該積層体は、あらかじめ重ねても、あるいは、ガラス状シート上で形成してもよい。積層体として、同じだからである。ここで、該ガラス状多孔体シートは、プレート上に載置され、かつ、加熱ヒータによって加熱可能に形成されている。ここでは、上記で説明したMEA前駆体の製造装置を用いることが好ましい。
iii)該プレート下面から加熱吸引しながら、アルコール系溶媒に分散したイオン交換樹脂を該前駆体の他の未含浸のフッ素系多孔体シート面から含浸する。イオン交換樹脂としては、例えばナフィオン(登録商標)、パーフルオロスルホン酸型イオン交換樹脂が挙げられる。アルコール系溶媒の具体例として、例えばn−プロパノール、i−プロパノール、エタノールである。イオン交換樹脂の濃度は、筆などで該多孔体シートに含浸できれば特に制限はされない。図2は、イオン交換樹脂を積層体に含浸する方法を説明する概略断面図である。図2において、イオン交換樹脂の溶液33を筆35などで他の未含浸のフッ素系多孔体シート15面に塗布していく。あるいはスプレーを用いて塗布しても良い。このとき、ステージ19の通路9を吸引ポンプ(図示せず)で負圧になるように吸引し16、かつ、ヒータ3でガラス状多孔体シート7を所定温度に加温した。吸引されたイオン交換樹脂の溶液33は、触媒層13に含浸する。ここで、溶媒が蒸発してイオン交換樹脂である電解質が触媒層13に固着した後、さらに上層のフッ素系多孔体シート15に含浸固着する。ほぼフッ素系多孔体シート15の空隙がイオン交換樹脂で埋まると、イオン交換樹脂が表面に浮き出るようになる。ここで塗布をやめ、ステージ19より触媒層13と電解質で埋まったフッ素系多孔体シート15をステージ19から取り外す。このとき、触媒層13とフッ素系多孔体シート15はイオン交換樹脂がバインダとなって一体化されており、膜電極接合体前駆体となっている。
本発明のMEA前駆体の製造方法によれば、触媒層が、フッ素系多孔体シートに、溶媒に触媒付きカーボン粉末と、フッ素系微粒子を分散させたスラリを含浸し、溶媒を乾燥除去した後にホットプレスしてなるために、得られたMEAの強度が強い。また、本方法によれば、触媒層の厚みはフッ素系多孔体シートの厚みによるため、精度の高いシートを用いることで、厚み精度の高い触媒層が容易に形成できる。さらに、本方法によれば、未含浸のフッ素系多孔体シートにイオン交換樹脂を吸引含浸する際に、触媒層にもイオン交換樹脂が吸引含浸されるが、このとき、触媒層中のフッ素系微粒子の近傍にはイオン交換樹脂が含浸されたいため、フッ素系微粒子近傍はガスの供給通路、イオン交換樹脂はプロトンの通路として、それぞれ機能することができる。
(MEAの製造方法)
図3は、本発明のMEAの製造方法を説明する概略断面図である。図3において、前記の方法で得られた2対のMEA前駆体37a、37bを、イオン交換樹脂の含浸面を合わせてホットプレスすることによって、MEA39は得られる。ホットプレスの条件は、固体高分子形燃料電池で行われている条件であれば特に制限されることなく用いられる。
本発明のMEAの製造方法によれば、膜電極接合体前駆体2対を、フッ素系多孔体シートにイオン交換樹脂が含浸された面を合わせて重ね、ホットプレスするため、万一、該前駆体のイオン交換膜部分にピンホールなどが生じていても、2対を接合することにより、貫通孔に成りえる可能性が極めて少ない。また、ホットプレスをするため、万一、ピンホールが生じていても、潰れ埋まってしまうという効果がある。
(MEA)
本発明のMEAは、上記のように、例えばMEA前駆体2対をイオン交換樹脂の含浸面を合わせてホットプレスすることによって得られる。すなわち、触媒層及びイオン交換膜がともにフッ素系多孔体シートを骨格として形成されており、かつ、イオン交換膜の骨格が該多孔体シート2層からなる。
本発明のMEAによれば、触媒層とイオン交換膜がともにフッ素系多孔体シートを骨格として形成されていることからMEAの強度が高く、また、イオン交換膜の骨格が前記フッ素系多孔体シート2層からなることから、製造過程で、ピンホールなどにより貫通孔が生成する可能性が極めて少ない。
さらに本発明のMEAでは、イオン交換膜が2層の基材からなり、片方の基材と触媒層とが対となって成形される。このとき、両者をつなぐのがイオン交換樹脂であり、触媒層中のイオン交換樹脂と、イオン交換膜中のイオン交換樹脂とが始めから一体であり、イオン交換樹脂を含んだ触媒層をイオン交換膜に、例えばホットプレスで接合する場合に比べ、プロトンの移動がスムーズに行えるなどの期待ができる。本発明でも、イオン交換膜同士をホットプレスで接合するプロセスがあるが、この場合には、接合の邪魔になるカーボンなどの存在がないために問題とならない。
本発明のMEAを用い、黒鉛材などからなるセパレータや銅版などからなる集電板を組み合わせることにより、単電池セルを構成することができる。
本発明について、実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<触媒層の作製>
イオン交換水に界面活性剤であるトライトンX100を5wt%溶解させた後に、白金担持量が約50wt%である白金担持カーボンを、白金担持カーボンが5wt%となるように分散させた。この分散液を、ボールミルで約1時間高分散処理した。この分散液に、テフロンディスパージョン(ダイキン製D−1)を、テフロン質量で1wt%となるように加え、攪拌機で30分間混合して触媒スラリを得た。
この触媒スラリに、厚さ30μm、細孔径3μmのテフロン多孔体シート(空孔率:89%)を浸し、超音波分散装置で触媒スラリを振動させた。約30分後にテフロンシートを引き上げ、表面に付いた余剰なスラリを自然落下させた後、エタノールを含浸させた布でテフロンシート表面を拭き、表面に付着したスラリを除去した。このシートを50℃で約1時間乾燥させた後、エタノール溶液に浸し、界面活性剤を除去した。再び50℃で約1時間乾燥させた。
得られた白金担持カーボンとテフロン微粒子が含浸されたテフロン多孔体シートを再び前記触媒スラリに浸し、同様の処置を行い、より多くの白金担持カーボンとテフロン微粒子を含浸させた。
本処置を複数回繰り返して、所定量の白金担持カーボンとテフロン微粒子を含浸させた後、両面にアルミ箔を重ね、380℃、2MPaで、1分間ホットプレスし、アルミ箔を剥して、テフロン多孔体を骨格とした触媒層を得た。
実施例1では、含浸処置を4回行い、単位面積あたり白金質量が約0.5mg/cmとなり、厚みは15μmの触媒層を得た。
<電解質の含浸>
ガラス状多孔体シート(145mm角、厚さ3mm)を、ステンレス製ステージの表面(深さが20mmで、大きさが200mm角)に落とし込んだ。ここで、ステンレス製ステージは、内部に棒状のヒータを複数本内蔵し、かつ、吸引用通路を有する(図1参照)。上記で得られた触媒層を150mm角に切り、前記ガラス状多孔体シート上に乗せた。さらに、その上にテフロン多孔体シート(厚さ30μm)を重ね、周囲をステンレス製の枠状治具で、枠状シート(厚さ0.5mm)を介して固定した。固定は、スプリングを介したボルトナットで行った。
このようにセットされたテフロン多孔体シートに対し、図2で示されるように、アルコールを溶媒として5%ナフィオン溶液を筆などで塗布していく。このとき、ステージの通路を吸引ポンプで負圧になるように吸引し、かつ、ヒータでガラス状多孔体シートを70℃で加温した。吸引されたナフィオン溶液は触媒層に含浸し、ここで溶媒が蒸発してナフィオン電解質が固着した後、さらに上層のテフロン多孔体シートに含浸固着し、ほぼテフロン多孔体シートの空隙が電解質で埋まると、表面が浮き出るようになった。ここで、塗布を止め、ステージより触媒層と電解質で埋まったテフロン多孔体シートを取り外す。このとき、触媒層とテフロン多孔体シートは、電解質がバインダとなって一体化されており、膜電極接合体前駆体となっている。
このようにして作製した膜電極接合体前駆体2対を、図3に示されるように、イオン交換膜が相対するように重ね、140℃、2MPa、1分間ホットプレスし、イオン交換膜の両面に触媒層を設けた膜電極接合体を得た。イオン交換膜の厚みは50μmであった。
(膜電極接合体の評価)
得られた膜電極接合体の両面に、カーボンペーパの片面にカーボン粉末とテフロン微粒子からなる層を設けたガス拡散層を、カーボン粉末とテフロン微粒子からなる層が触媒層に接するように重ね、燃料電池用電極とし、その性能を評価した。その結果を図4に示す。図4から、良好な発電性能が得られた。燃料電池用電極を構成する際、膜電極接合体の周囲の枠状治具に押さえられていた部分を切り取ってもかまわない。
評価条件は、セル温度を75℃、水素および空気の導入温度をそれぞれ70℃。水素および空気のストイキはそれぞれ1.5、2.5とし、水素および空気の相対湿度はそれぞれ80%RH、30%RHとした。ガス圧力は、水素及び空気で、それぞれゲージで1.2Mpa、1.5Mpaであった。
本発明のMEA前駆体の製造装置の一例を示す概略断面図である。 本発明のMEA前駆体の製造装置のその他の例を示す概略断面図である。 本発明のMEAの製造方法を説明する概略断面図である。 本発明のMEAを用いた燃料電池としての発電性能の一例を示すグラフである。
符号の説明
1 MEA前駆体の製造装置、
3 ヒータ、
5 プレート、
7 ガラス状多孔体シート、
9 通路、
11 積層体、
13 触媒層、
15 フッ素系多孔体シート、
17 熱電対、
19 ステージ。

Claims (6)

  1. 触媒層及びイオン交換膜がともにフッ素系多孔体シートを骨格として形成されており、かつ、イオン交換膜の骨格が該多孔体シート2層からなることを特徴とする、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
  2. i)触媒付きカーボン粉末と、フッ素系微粒子とを含むフッ素系多孔体シートをホットプレスし;
    ii)該ホットプレスした多孔体シートと、他の未含浸のフッ素系多孔体シートとを重ねて積層体を形成し、該ホットプレスした多孔体シートがガラス状多孔体シートに接するように該積層体ガラス状多孔体シート上に置き、または、該ホットプレスした多孔体シートをガラス状多孔体シート上に置き、該多孔体シート上に他の未含浸のフッ素系多孔体シートを重ねて積層体を形成し、ここで、該ガラス状多孔体シートは、プレート上に載置され、かつ、加熱ヒータによって加熱可能に形成されている;および
    iii)該プレート下面から加熱吸引しながら、アルコール系溶媒に溶解したイオン交換樹脂を該積層体に含浸させることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の前駆体の製造方法。
  3. 前記ガラス状多孔体シート上に置かれた前記積層体の周囲が、前記プレートに取り付けられた枠で押さえられる請求項2記載の方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の2対の前駆体を、前記イオン交換樹脂の含浸面を合わせてホットプレスすることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  5. ヒータを備えるプレートと、
    該プレート上に載置されたガラス状多孔体シートと、
    該プレート下に設けられた、該ガラス状多孔体シート、該プレートを経由して吸引可能な通路とを有することを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の前駆体の製造装置。
  6. 前記ガラス状多孔体シート上に置かれた積層体の周囲を押さえる無機材料製の枠であって、該無機材料プレートに取り付けられてなる請求項5記載の装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019008995A (ja) * 2017-06-26 2019-01-17 本田技研工業株式会社 電解質膜・電極構造体の製造方法及び製造装置

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