JP2007103074A - 疲労特性に優れたメタルドームスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、NiやAgめっきを施していても疲労特性に優れたメタルドームスイッチを提供することにある。
【解決手段】スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域にNiあるいはAgめっきを施すメタルドームスイッチにおいて、スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域の中心から湾曲部と台座部の境界までの距離をLとしたとき、L×0.9を含まず、L×0.9からLの範囲内にNiあるいはAgをめっきが施されていないことを特徴とする、疲労特性に優れたメタルドームスイッチである。
【解決手段】スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域にNiあるいはAgめっきを施すメタルドームスイッチにおいて、スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域の中心から湾曲部と台座部の境界までの距離をLとしたとき、L×0.9を含まず、L×0.9からLの範囲内にNiあるいはAgをめっきが施されていないことを特徴とする、疲労特性に優れたメタルドームスイッチである。
Description
本発明は、高強度かつ良好な疲労特性が求められるメタルドームスイッチに関する。
近年、携帯電話やパソコン等の電子機器においては、高密度の実装化が進み、このため、これら電子機器に使用される電子部品については、小型化・薄肉化が進められている。そのなかでも、携帯電話、移動体通信等では、機器のスイッチ部分に使用されるメタルドームの小型化が要求されている。さらに、メタルドームが小型化することで、材料に繰返し負荷される応力が増大するのみならず、その負荷回数も増大する傾向にある。このように厳しい要求に応えるため、メタルドームに用いられる金属材料には強度上昇や疲労特性の向上が必要である。
このような用途においては、冷間圧延によりオーステナイト相がマルテンサイト相に変態して硬化する準安定オーステナイト系ステンレス鋼が、高い強度を有する材料として利用されている。また、ステンレス鋼帯は導電率が低いため、メタルドームとして使用されるスイッチの接点部分における電気的接触の信頼性を確保するために、AgやNiをめっきして使用される場合が多い。
しかしながら、AgやNiをめっきすると、めっき前と比較して疲労特性が劣ることが知られており、その対策として、めっきを施さずにステンレス鋼帯のみで使用する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、AgやNiをめっきすると、めっき前と比較して疲労特性が劣ることが知られており、その対策として、めっきを施さずにステンレス鋼帯のみで使用する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、メタルドームの疲労特性を改善するために、NiやAgを成膜しない場合、ステンレス鋼の表面状態を調整したとしてもスイッチ接点の電気抵抗が大きく、電気的接点として十分な信頼性を得ることはできない。
そこで、本発明の目的は、NiやAgめっきを施していても疲労特性に優れたメタルドームスイッチを提供することにある。
そこで、本発明の目的は、NiやAgめっきを施していても疲労特性に優れたメタルドームスイッチを提供することにある。
本発明者等は、メタルドームの疲労特性について鋭意調査したところ、メタルドームの湾曲部と台座部の境界部分あるいは、この境界から僅かに湾曲部分に寄った位置にNiあるいはAgめっきを施さない材料が、それらの位置にNiあるいはAgをめっき施した材料よりも疲労特性が優れていることを見出した。疲労特性が優れているとは、メタルドームの反転操作により亀裂の発生するまでの繰返し回数が少ないことである。さらに、本発明によりめっき後の疲労特性が、めっき前と同等であることを見出した。
即ち、スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域にNiあるいはAgめっきを施すメタルドームスイッチにおいて、スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域の中心から湾曲部と台座部の境界までの距離をLとしたとき、L×0.9からLの範囲内にNiあるいはAgをめっきが施されていないことを特徴とする、疲労特性に優れたメタルドームスイッチである。
なお、スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域は、めっきの目的が電気的接触における電気抵抗の低下であることから、スイッチを押して反転させた場合に、電気的に接触する領域であれば良い。また、その領域の中心とは、メタルドームスイッチの形状から設計上接点部と接触するである点をいう。例えば、円形のメタルドームスイッチであれば円の中心が該当する。
以上のように、疲労亀裂の発生する場所を除いた部分にNiあるいはAgをめっきすることで、スイッチ部分の電気的接点に関して、通常のめっき材と同等の信頼性を満たしつつ、めっきによる疲労特性の低下を防ぐことで、必要な疲労特性をも達成できるメタルドームを提供できる。
以下に本発明における限定理由を説明する。
[AgあるいはNiめっきの領域]
メタルドームは用途によって種々の大きさ、形状があるが、図1に示す円形のドーム状スイッチが広く用いられている。このドーム状スイッチは、湾曲部と台座部からなる形状になるよう板材を張出し加工することで形成される。この場合、湾曲部と台座部の境部分(図1で示す部分A)は曲げ加工が加わっているため、この部分Aは、最も加工度は高い領域となっている。そのため、スイッチを押したとき、メタルドームの湾曲部が大きく変形し、反転した状態となって、接点と接触する場合に、最も加工度が高い領域であるAは、最も大きな応力が負荷されることになる。従ってこの部分からスイッチとして使用を繰り返した際に、亀裂が発生しやすい領域となる。
[AgあるいはNiめっきの領域]
メタルドームは用途によって種々の大きさ、形状があるが、図1に示す円形のドーム状スイッチが広く用いられている。このドーム状スイッチは、湾曲部と台座部からなる形状になるよう板材を張出し加工することで形成される。この場合、湾曲部と台座部の境部分(図1で示す部分A)は曲げ加工が加わっているため、この部分Aは、最も加工度は高い領域となっている。そのため、スイッチを押したとき、メタルドームの湾曲部が大きく変形し、反転した状態となって、接点と接触する場合に、最も加工度が高い領域であるAは、最も大きな応力が負荷されることになる。従ってこの部分からスイッチとして使用を繰り返した際に、亀裂が発生しやすい領域となる。
一方、メタルドームスイッチについて、スイッチとしての導電性を確保するためには、AgあるいはNiめっきを施すことが不可欠である。しかしながら、特許文献2にも示されるように、AgやNiをめっきすると、めっき前と比較して疲労特性が劣ることが知られている。
本発明者らは、疲労特性の劣化とその対策について鋭意検討した結果、疲労特性がめっき後の材料中の水素濃度と相関関係は見られるが、ステンレス中の水素の拡散速度が遅いため、めっきを部分的に施した場合にめっきで覆われた材料からめっきで覆われない材料へは水素が拡散しにくいことを見出した。即ち、1つの材料においてめっきを施した部分とめっきを施さない部分において水素濃度が異なる。このことに着目して、疲労による亀裂が発生しやすい領域にめっきをしないことで、めっきによる疲労特性の劣化を防げることになる。一方、メタルドームスイッチのめっきは、スイッチを反転させたときに電気的に接触する部分にのみめっきをすれば、その目的は達成することができる。
以上から、電気的接触部分と疲労による亀裂が発生しやすい領域は異なるため、後者の領域にのみめっきをすることで、電気的特性と疲労特性を同時に満たすことが可能である。
即ち、スイッチの台座部と湾曲部の境界から湾曲部寄りに分布する部分として、メタルドームスイッチの中心(X)からスイッチの台座部と湾曲部の境界までの距離をLとしたとき、疲労による亀裂発生しやすい領域である0.9LからLの間の領域にめっき施さないことを規定した。
即ち、スイッチの台座部と湾曲部の境界から湾曲部寄りに分布する部分として、メタルドームスイッチの中心(X)からスイッチの台座部と湾曲部の境界までの距離をLとしたとき、疲労による亀裂発生しやすい領域である0.9LからLの間の領域にめっき施さないことを規定した。
ただし、めっき可能な領域についてであるが、上述した通り、疲労による亀裂が発生しやすい領域を除けば良く、スイッチとして必要な導電性を確保するために電気的接触部にめっきを施すことは不可欠である。
JISに基づいた成分範囲の板厚1.5mmのSUS301ステンレス鋼素条を購入し、冷間圧延と再結晶焼鈍を繰り返して、最終板厚0.06mmまで加工し、最終圧延終了後に歪取り焼鈍を施した。
これを板幅10mmにスリットし、スポットめっきによって一部にNiあるいはAgをめっきした後に、動作力1.5±0.1Nとなるように直径5mmのメタルドームにプレス加工を実施し、メタルドームを作製した。なお、メタルドームの中心からスイッチの台座部と湾曲部までの距離は4.5mmである。
これを板幅10mmにスリットし、スポットめっきによって一部にNiあるいはAgをめっきした後に、動作力1.5±0.1Nとなるように直径5mmのメタルドームにプレス加工を実施し、メタルドームを作製した。なお、メタルドームの中心からスイッチの台座部と湾曲部までの距離は4.5mmである。
メタルドームの疲労特性については、各めっき条件のメタルドーム10個を荷重500gf、速度3回/秒にて繰返しスイッチングした。10サンプルについて500万回までのスイッチングを行い、表面の亀裂を目視で確認した。10個中、5個以上割れが発生したスイッチを「×」、割れ発生数2〜4個を「△」、割れ発生数1個以下を「○」とした。
発明例No.1〜8については、メタルドームの中心(X)からスイッチの台座部と湾曲部までの距離4.5mmをLとしたとき、いずれもめっきの範囲が0.9Lである4.05mm以下となっており、めっきを実施していないメタルドームと同等の良好な疲労特性である。
一方、比較例No.9〜14は、メタルドームの中心(X)から同心円状にめっきされたものであるが、いずれもめっきの範囲が0.9Lを超えている。したがって、疲労亀裂の発生しやすい領域にめっき膜があるため、疲労特性が劣化している。
比較例No.15はめっきがメタルドームの中心(X)から少しずれて円形状にめっきされたものであり、0.9L(4.05mm)以下の部分もありが、0.9L(4.05mm)を超えてめっきされている部分もある。従って、疲労亀裂の発生しやすい領域に、一部分ではあるがめっき膜があるため、その部分から亀裂が発生し、疲労特性が劣っていた。
さらに、比較例No.16は大部分のめっき範囲がメタルドームの中心から同心円状に0.9L(4.05mm)以内にめっきされているが、一部がスポット的に0.9L(4.05mm)からL(4.5mm)の範囲にめっきされたものである。この場合でもスポット的にめっきされた部分から亀裂が見られ、疲労特性が劣っていた。
A 湾曲部と台座部の境部分
X スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域の中心
L スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域の中心から湾曲部と台座部の境界までの距離
X スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域の中心
L スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域の中心から湾曲部と台座部の境界までの距離
Claims (1)
- スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域にNiあるいはAgめっきを施すメタルドームスイッチにおいて、スイッチを押したとき、湾曲部が変形し、反転した状態で接点部と接触する領域の中心から湾曲部と台座部の境界までの距離をLとしたとき、L×0.9を含まず、L×0.9からLの範囲内にNiあるいはAgをめっきが施されていないことを特徴とする、疲労特性に優れたメタルドームスイッチ。
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JP2005288680A JP2007103074A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 疲労特性に優れたメタルドームスイッチ |
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KR100979999B1 (ko) | 2010-03-10 | 2010-09-03 | 여인기 | 메탈 돔용 알루미늄층 금속박판 제조방법 |
KR101093580B1 (ko) * | 2009-11-06 | 2011-12-15 | (주)알오호일 | 메탈 돔용 금속박판 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6370631U (ja) * | 1986-10-27 | 1988-05-12 | ||
JP2004006095A (ja) * | 2002-05-31 | 2004-01-08 | Fuji Denshi Kogyo Kk | スイッチ |
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