JP2007102573A - マイクロレギュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を図りながらも流体の流れを遮断でき且つ高圧の流体に対応可能なマイクロレギュレータを提供する。
【解決手段】弁体形成基板20とベース基板10との間にベース基板10の流入口11を通して流体が充填される流体充填空間40が形成され、弁体形成基板20とベース基板10とで構成されて流体充填空間40を外部と隔てる第1の隔壁に流体の流出口12が形成され、弁体形成基板20と変位空間形成基板30とで構成される第2の隔壁により囲まれた閉鎖空間50に受圧媒体が封入され、第2の隔壁の一部に、流体充填空間40に充填された流体の流体圧を受けて閉鎖空間50の容積が変化するように変形することで弁体部23が流入口11を閉止するように弁体部23に圧力を作用させる圧力伝達手段たる圧力伝達部28が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体の圧力を調整するマイクロレギュレータに関するものである。
従来から、医療分野やエネルギ分野などにおいて、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を使った機器の小型化が急速な勢いで進行している。特に、微量な流体(気体や液体)を制御するマイクロ流体制御デバイスが注目され、各所で研究開発が行われている。
ここにおいて、種々のマイクロ流体制御デバイスのなかで注目されているものの一つにマイクロレギュレータがある(例えば、非特許文献1,2)。
上記非特許文献1,2に開示されたマイクロレギュレータは、可動部分をアクチュエータにより駆動する必要がなく、流体の圧力や流量を高精度に制御できるので、構造が簡単で且つ小型化が容易であるという特徴がある。
上記非特許文献1に記載されたマイクロレギュレータは、液体制御用のマイクロレギュレータであって、同様の構成のマイクロレギュレータとして、図31(a)に示すように、ガラス基板を用いて形成されて流体の流入口111が中心部において厚み方向に貫設されたベース基板110と、シリコン基板を用いて形成されてベース基板110に対向配置されベース基板110側の表面にスパイラル状のマイクロ流路131が形成されるとともに流体の流出口132が厚み方向に貫設された流路形成基板130と、別のシリコン基板を用いて形成されてベース基板110と流路形成基板130との間に介在する枠状のフレーム部121およびフレーム部121の内側に形成され厚み方向に撓み可能なダイヤフラム状の弁体部123を有し弁体部123の中心部において流体の流路となる流路孔124が厚み方向に貫設された弁体形成基板120とを備えている。
図31(a)に示す構成のマイクロレギュレータでは、流入口111を通して流入した流体の圧力により弁体部123が図31(b)に示すように流路形成基板130側に凸となる形で変形して弁体部123の中央部が流路形成基板130に押し付けられ、流入口111−流路孔124−マイクロチャネル131−流出口132の経路で流体が流れるので、流体の流量を絞ることができる。要するに、図31(a)に示す構成のマイクロレギュレータでは、1次側の圧力の変化により流体の流量を制御することができる。
一方、上記非特許文献2に記載されたマイクロレギュレータは、気体制御用のマイクロレギュレータであって、図32(a)に示すように、シリコン基板を用いて形成されて中心部において弁口221が厚み方向に貫設された弁口形成基板220と、別のシリコン基板を用いて形成されて弁口形成基板220の一表面側(図32(a)における下面側)に固着され流体の流入口211が厚み方向に貫設されるとともに流入口211の内側に弁口221を開閉する弁体部212が配置された流入口形成基板210と、他のシリコン基板を用いて形成されて弁口形成基板220の他表面側(図32(a)における上面側)に固着され弁口形成基板220との間に流体を充填する流体充填空間240を形成する流体充填空間形成基板230とを備えている。
ここにおいて、流体充填空間形成基板230は、弁口形成基板220の上記他表面から離間したダイヤフラム部231およびダイヤフラム部231から弁口形成基板220側へ突出し弁口221の内側に配置された軸部222を介して弁体部212を支持した支持部232を有している。また、図32(a)に示す構造のマイクロレギュレータは、流体充填空間形成基板230と弁口形成基板220とで構成されて流体充填空間240を外部と隔てる隔壁に、流体の流出口250が形成されている。
図32(a)に示した構成のマイクロレギュレータでは、入力側(1次側)の気体の圧力により弁体部212が弁口形成基板220側へ押されて弁口221を閉止するようになっており、流体充填空間240に充填されていた気体が燃料電池250で消費されて流体充填空間240内の圧力が低下してダイヤフラム部231の厚み方向の両側で圧力差が生じると、図32(b)に示すようにダイヤフラム部231の中央部が大気圧により弁口形成基板220側へ押し下げられて弁口221が開放されるので、1次側の気体が流入口211および弁口221を通して流体充填空間240に流れ込むこととなる。
P.Cousseau,et al,「Improved Micro-Flow Regulator for Drug delivery System」,Proc. of MEMS 2001,p527-530 A..Debray,et al,「A Passive Gas Regulator for Hydrogen Flow Control」,Proceedings of Power MEMS 2004,November 28-39,2004,p42-45
ところで、上記非特許文献1,2に記載されたマイクロレギュレータでは、駆動用のアクチュエータを必要とせず小型で高精度に流体の圧力や流量を制御することができるので、医療分野やエネルギ分野における機器の小型化を図ることができる。
しかしながら、上記非特許文献1に記載されたマイクロレギュレータでは、入力圧によりダイヤフラム状の弁体部123を変形させて流体の流量を制御することができるが、流体の流路を遮断することができないので、自動点滴などのように常に液体が流れていることが必要な応用用途には適しているものの、例えばマイクロ燃料電池システムにおいてマイクロ燃料電池と燃料タンクとの間で流路を完全に遮断する機能を求められる用途には適していなかった。
また、上記非特許文献2に記載されたマイクロレギュレータでは、流体充填空間240に充填されていた気体が消費された場合には、ダイヤフラム部231の厚み方向の両側で圧力差が生じ弁体部212が変位して弁口221が開放されるようにダイヤフラム部231が撓んで気体が弁口221を通して流体充填空間240に流れ込むこととなり、ダイヤフラム部231の厚み方向の両側の圧力が同じ場合には、弁体部212により弁口221が閉止されるが、弁体部212を開閉方向に変位させるために大きな力が必要となりダイヤフラム部231のサイズを大きくする必要があるので、1次側が高圧となる用途には適していなかった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、小型化を図りながらも流体の流れを遮断でき且つ高圧の流体に対応可能なマイクロレギュレータを提供することにある。
請求項1の発明は、流体の流入口が厚み方向に貫設されたベース基板と、半導体基板を用いて形成されてベース基板の一表面側に固着された枠状のフレーム部およびフレーム部の内側に配置され流入口を開閉する弁体部およびフレーム部と弁体部とを連続一体に連結し厚み方向に撓み可能なダイヤフラム状の撓み部を一体に有する弁体形成基板と、弁体形成基板におけるベース基板側とは反対側で弁体部の変位を可能とする変位空間を形成する形でフレーム部に固着された変位空間形成基板とを備え、弁体形成基板とベース基板との間に流入口を通して流体が充填される流体充填空間が形成され、少なくとも弁体形成基板とベース基板とで構成されて流体充填空間を外部と隔てる第1の隔壁に流体の流出口が形成され、少なくとも弁体形成基板と変位空間形成基板とで構成される第2の隔壁により囲まれた閉鎖空間に受圧媒体が封入され、第2の隔壁の一部に、流体充填空間に充填された流体の流体圧を受けて閉鎖空間の容積が変化するように変形することで弁体部が流入口を閉止するように弁体部に圧力を作用させる圧力伝達手段が設けられてなることを特徴とする。
この発明によれば、弁体形成基板とベース基板との間に流入口を通して流体が充填される流体充填空間が形成され、少なくとも弁体形成基板とベース基板とで構成されて流体充填空間を外部と隔てる第1の隔壁に流体の流出口が形成され、少なくとも弁体形成基板と変位空間形成基板とで構成される第2の隔壁により囲まれた閉鎖空間に受圧媒体が封入され、第2の隔壁の一部に、流体充填空間に充填された流体の流体圧を受けて閉鎖空間の容積が変化するように変形することで弁体部が流入口を閉止するように弁体部に圧力を作用させる圧力伝達手段が設けられているので、流体充填空間に流体を充填する際には1次側の流体の圧力により弁体部が流入口を開放する向きに変位して流体充填空間に流体が充填され、流体充填空間に流体が充填されると、圧力伝達手段が流体充填空間に充填された流体の圧力を受けて変形して弁体部が受圧媒体からの圧力を受けて流入口を閉止する向きに変位して流入口が閉止され、その後、流体充填空間に充填された流体が2次側で使用されると再び1次側の流体の圧力により弁体部が流入口を開放する向きに変位して流体充填空間に流体が充填されて流入口が閉止される、という動作が繰り返され2次側の圧力を一定に保つこととなるから、小型化を図りながらも流体の流れを遮断でき且つ高圧の流体に対応可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記弁体形成基板は、前記流体充填空間を前記流入口に連通する第1室と前記流出口に連通する第2室とに分ける中間フレーム部を一体に備え、第1室と第2室とを連通させる連通部が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧力伝達手段が第2室に充填された流体の圧力を受けて前記弁体部へ前記流入口を閉止する向きの圧力を作用させることになる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記弁体形成基板は、前記流体充填空間を前記流入口に連通する第1室と前記流出口に連通する第2室とに分ける中間フレーム部を一体に備え、前記圧力伝達手段は、前記弁体形成基板において前記閉鎖空間と第2室とを隔てる部位に設けられてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧力伝達手段が第2室に充填された流体の圧力を受けて前記弁体部へ前記流入口を閉止する向きの圧力を作用させることになる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記第1の隔壁が前記弁体形成基板と前記ベース基板と前記変位空間形成基板とで構成されて、前記流出口が前記変位空間形成基板に設けられ、前記弁体形成基板は、前記流体充填空間を前記流入口連通する第1室と前記流出口に連通する第2室とに分ける中間フレーム部を一体に備え、中間フレーム部に、第1室と第2室とを連通させる第1の連通部が形成され、前記フレーム部に、前記流出口と連通する貫通孔が厚み方向に貫設されるとともに、貫通孔と第2室とを連通させる第2の連通部が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記厚み方向において前記ベース基板側を流体の流れ込む1次側とし且つ前記変位空間形成基板側を流体の流れ出る2次側として使用することができる。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記弁体形成基板は、前記流体充填空間を前記流入口に連通する第1室と前記流出口に連通する第2室とに分ける中間フレーム部を一体に備え、中間フレーム部に、第1室と第2室とを連通させる連通部が形成され、中間フレーム部が、前記厚み方向に直交する面内で第1室を全周にわたって囲むように形成され、前記圧力伝達手段が、前記厚み方向に直交する面内で中間フレーム部を全周にわたって囲むように形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧力伝達手段における前記流体充填空間側および前記閉鎖空間側それぞれの面積を大きくすることができる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記圧力伝達手段は、コルゲート板状に形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧力伝達手段が平板状に形成されている場合に比べて撓みやすくなる。
請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記圧力伝達手段は、前記弁体形成基板の一部であって前記厚み方向を含む一平面に沿って形成された薄肉部よりなることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧力伝達手段をマイクロマシンニング技術によって容易に形成することが可能となる。
請求項8の発明は、請求項1の発明において、前記変位空間形成基板が前記第1の隔壁および前記第2の隔壁それぞれの一部を構成し、前記流出口が前記変位空間形成基板に設けられ、前記圧力伝達手段が前記第2の隔壁の一部を兼ねてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記厚み方向において前記ベース基板側を流体の流れ込む1次側とし且つ前記変位空間形成基板側を流体の流れ出る2次側として使用することができる。
請求項9の発明は、請求項1の発明において、前記変位空間形成基板が前記第1の隔壁および前記第2の隔壁それぞれの一部を構成し、前記流出口が前記変位空間形成基板に設けられ、前記変位空間形成基板において前記撓み部との間に形成される空間に対応する部位に貫通孔が貫設され、前記流出口の周部に固着された流路管と、前記流路管から分岐され前記変位空間形成基板における貫通孔の周部に固着されるチューブとを備え、前記圧力伝達手段は、前記チューブ内に設けられて前記第2の隔壁の一部を兼ねることを特徴とする。
この発明によれば、前記厚み方向において前記ベース基板側を流体の流れ込む1次側とし且つ前記変位空間形成基板側を流体の流れ出る2次側として使用することができる。
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9の発明において、前記受圧媒体は、不活性ガスからなることを特徴とする。
この発明によれば、開閉動作が安定するとともに信頼性が向上する。
請求項11の発明は、請求項1ないし請求項9の発明において、前記受圧媒体は、液体からなることを特徴とする。
この発明によれば、開閉動作が安定するとともに信頼性が向上する。
請求項1の発明では、小型化を図りながらも流体の流れを遮断でき且つ高圧の流体に対応可能となるという効果がある。
(実施形態1)
以下、本実施形態のマイクロレギュレータについて図1を参照しながら説明する。なお、本実施形態のマイクロレギュレータは、例えば、マイクロ燃料電池システムに使用可能なものであり、図2に示すように、燃料タンク70からマイクロ燃料電池80への燃料の供給路上に設けるレギュレータ90として使用することができるが、他の用途への使用も可能である。
本実施形態のマイクロレギュレータは、流体の流入口11および流出口12が厚み方向に貫設されたベース基板10と、シリコン基板からなる半導体基板を用いて形成されてベース基板10の厚み方向の一表面(図1における上面)側に固着された枠状のフレーム部21およびフレーム部21の内側に配置され流入口11を開閉する弁体部23およびフレーム部21と弁体部23とを連続一体に連結し厚み方向に撓み可能なダイヤフラム状の撓み部22を一体に有する弁体形成基板20と、弁体形成基板20におけるベース基板10側とは反対側で弁体部23の変位を可能とする変位空間である閉鎖空間50を形成する形でフレーム部21に固着された変位空間形成基板30とを備えている。
ここにおいて、閉鎖空間50には気体(例えば、窒素、アルゴン、キセノン、ヘリウムなどの不活性ガスや空気など)若しくは液体(例えば、フロリナート、シリコーンオイル、フレオン、シリコーンゲルなど)からなる受圧媒体が封入されている。また、受圧媒体として気体を採用する場合には、不活性ガスを用いた方が空気を用いた場合よりも長期的な信頼性が向上し弁体部23による流入口11の安定した開閉動作が得られる。
なお、本実施形態では、ベース基板10がパイレックス(登録商標)からなる第1のガラス基板を用いて形成されるとともに、変位空間形成基板30がパイレックス(登録商標)からなる第2のガラス基板を用いて形成されており、弁体形成基板20とベース基板10とが陽極接合により固着されるとともに、弁体形成基板20と変位空間形成基板30とが陽極接合により固着されている。
上述のベース基板10の上記一表面には、流入口11と流出口12との間において流体の流路となる流路用凹部15が流入口11および流出口12を囲むように形成されており、弁体形成基板20における撓み部22とベース基板10との間の空間が流出口12と連通するようになっている。ここで、流入口11および流出口12の開口形状は円形状とし、流路用凹部15の内周形状は矩形状としてある。また、ベース基板10における流入口11の周部には、弁座13が流路用凹部15の内底面よりも突出する形で連続一体に形成されている。ここにおいて、ベース基板10における流入口11および流出口12は、例えば、サンドブラスト法、ドライエッチング、フッ酸などの薬液を用いたウェットエッチング、超音波ホーンを用いた超音波加工などにより形成すればよく、流路用凹部15は、例えば、サンドブラスト法やフッ酸系の薬液によるエッチングにより形成すればよい。
また、弁座13の表面には、弁体形成基板20のフレーム部21とベース基板10とを陽極接合により固着する際に、弁体部23と弁座13とが接合されるのを防止する金属膜(例えば、アルミニウム膜)からなる接合防止膜(図示せず)が形成されている。本実施形態では、上記接合防止膜の膜厚を1μmに設定してあるが、この膜厚は特に限定するものではない。ここに、弁体部23とベース基板10における流入口11の周部との接合を防止する手段としては、弁体部23におけるベース基板10との対向面に絶縁膜(例えば、膜厚が150nm以上のシリコン窒化膜、膜厚が500nm以上のシリコン酸化膜、膜厚が50nm以上のアルミナ薄膜など)からなる接合防止膜を設けるようにしてもよい。なお、ベース基板10および弁体形成基板20それぞれの外周形状は矩形状であり、両者を陽極接合するにあたっては、例えば、弁体形成基板20とベース基板10とを重ね合わせて、弁体形成基板20を陽極(正極)側、ベース基板10を陰極(負極)側として350℃〜500℃に加熱した状態で300〜1000Vの電圧を印加すればよい。
弁体形成基板20は、上述のシリコン基板からなる上記半導体基板をマイクロマシンニング技術により加工することで形成してあり、具体的には、リソグラフィ技術、アルカリ系溶液を用いた異方性エッチングや深堀加工が可能なドライエッチング装置(例えば、誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置など)を用いたドライエッチングのようなエッチング技術などを利用して、フレーム部21および撓み部22および弁体部23および後述の圧力伝達部28を形成している。ここに、撓み部22の厚さ寸法は、例えば、数μm〜20μm程度の範囲内で適宜設定すればよい。また、弁体部23は、ベース基板10の流入口11に近づくにつれて断面積が徐々に小さくなる形状に形成されている。
また、本実施形態のマイクロレギュレータでは、ベース基板10と弁体形成基板20との間に流入口11を通して流体が充填される流体充填空間40が形成されて、流体充填空間40がベース基板10に貫設された流出口12と連通しており、弁体部23が流入口11から離れる向きに変位することによって、流入口11と流体充填空間40と流出口12とが連通し流体の流路を構成する。ここに、本実施形態では、ベース基板10と弁体形成基板20とで流体充填空間40を外部と隔てる第1の隔壁を構成しており、第1の隔壁に流出口12が形成されている。
ところで、弁体形成基板20は、流体充填空間40を流入口11に連通する第1室(流入口側空間)41と流出口12に連通する第2室(流出口側空間)42とに分ける中間フレーム部29を一体に備えている。なお、中間フレーム部29は厚さ寸法をフレーム部21の厚さ寸法と同じ値に設定してある。
また、本実施形態のマイクロレギュレータでは、流体充填空間40に流入した流体の流体圧を受けて閉鎖空間50の容積が変化するように変形することで弁体部23が流入口11を閉止するように弁体部23に圧力を作用させるダイヤフラム状(平板状)の圧力伝達部28が弁体形成基板20に一体に形成されている。
ここにおいて、圧力伝達部28は、弁体形成基板20において流体充填空間40の第2室42と閉鎖空間50とを隔てる部位に形成されている。したがって、本実施形態のマイクロレギュレータでは、流体充填空間40に流体が充填されて圧力伝達部28が閉鎖空間50側へ押されると圧力伝達部28が撓んで弁体部23を流入口11へ近づける向きの力が作用する。
なお、本実施形態では、弁体形成基板20と変位空間形成基板30とで第2の隔壁を構成しており、圧力伝達部28が、流体充填空間40に充填された流体の流体圧を受けて閉鎖空間50の容積が変化するように変形することで弁体部23が流入口11を閉止するように弁体部23に圧力を作用させる圧力伝達手段を構成している。要するに、圧力伝達部28は、第2の隔壁の一部に設けられている。
また、本実施形態のマイクロレギュレータでは、変位空間形成基板30における弁体形成基板20との対向面に凹所30aを設けることによって変位空間形成基板30と弁体形成基板20との間に閉鎖空間50を形成してある。なお、凹所30aの深さ寸法は、弁体部23に対向する部位では弁体部23の変位空間を確保できるように設定すればよく、圧力伝達部28に対向する部位では圧力伝達部28の変位空間を確保できるように設定すればよい。
上述の説明から分かるように、本実施形態のマイクロレギュレータは、MEMS技術を採用して製造してあり、弁体形成基板20を多数形成したシリコンウェハとベース基板10を多数形成したガラス基板および変位空間形成基板30を多数形成したガラス基板をウェハ単位で陽極接合してからダイシングするので工程の簡略化および製造コストを低減でき、生産性が良い。なお、MEMS技術は、従来の半導体製造プロセスにおいて標準的なCVD法やスパッタ法などによる薄膜形成、不純物拡散、熱酸化などの処理、フォトリソグラフィによるパターン形成、ドライエッチング技術およびウェットエッチング技術に加え、シリコンウェハとガラス基板との陽極接合、シリコンウェハ同士の直接接合、高アスペクト比の深堀技術があり、ウェハにガラスや別のウェハを接合した3次元の構造体をウェハ単位で高精度(数μm以下)に形成するものである。
以下、本実施形態のマイクロレギュレータの動作について説明するが、一例として、マイクロ燃料電池システムにおいて燃料タンク70からマイクロ燃料電池80への燃料の供給路上に設けるレギュレータ90として使用する場合の動作について図3を参照しながら説明する。なお、マイクロ燃料電池システムにおいて、マイクロレギュレータを用いるのは、燃料タンク70内の燃料の圧力が高い場合に当該高い圧力の燃料が燃料電池80の燃料溜め部81に供給されて燃料電池セル82が破壊されるのを防止するためである。燃料タンク70には、通常は、燃料として、水素ガスなどの気体またはメタノールなどの液体が充填されており、例えば、燃料として水素ガスを採用し、燃料タンク70に水素吸蔵合金を入れてある場合には、燃料タンク70内の燃料の圧力が1MPa程度となることが知られている。これに対して、燃料タンク70とマイクロ燃料電池80との間にレギュレータ90を設けることで、マイクロ燃料電池80の燃料溜め部81に供給する燃料の圧力を0.1MPa程度まで減圧することができ、燃料電池セル82の発電により水素が消費されると、消費された量の水素が燃料タンク70からレギュレータ90を介して燃料溜め部81へ供給され、レギュレータ90の2次側の圧力が一定に保たれるようになっている。
本実施形態のマイクロレギュレータでは、燃料タンク70から流入口11を通して流体充填空間40へ流体を充填する前は図3(a)に示すように、弁体部23により流入口11が閉止されている。
そして、燃料タンク70からの燃料(つまり、1次側の流体)の圧力(例えば、1MPa)が弁体部23にかかると、図3(b)に示すように弁体部23が流入口11を開放する向きに変位して流体充填空間40に燃料が流入する。この時、閉鎖空間50に封入されている受圧媒体は圧力伝達部28側へ押し出されるので、圧力伝達部28はベース基板10側に撓むこととなる。
ここで、レギュレータ90の後段側である燃料溜め部81は閉終端(デッドエンド)となっているので、図3(c)に示すように流体充填空間40内に燃料が充填された状態になり、圧力伝達部28が流体充填空間40に充填された燃料の圧力を受けて変位空間形成基板30側へ撓み、閉鎖空間50の受圧媒体が弁体部23側へ押し戻され弁体部23が受圧媒体からの圧力を受けて流入口11を閉止する向きに変位して流入口11が閉止される。
その後、マイクロ燃料電池80の燃料電池セル82で燃料が消費される(つまり、レギュレータ90の2次側で燃料が使用される)と図3(d)に示すように流体充填空間40に充填されていた燃料が流出口12を通して流出して、流体充填空間40の第2室42が減圧され、第2室の減圧に伴って圧力伝達部28がベース基板10側に撓むので、閉鎖空間50の受圧媒体が圧力伝達部28側に引き戻され、弁体部23をベース基板10側へ押し下げる圧力が減少し、燃料タンク70からの燃料の圧力とのバランスが崩れ、弁体部23が流入口11を開放する向き(ベース基板10から離れる向き)に押し上げられて流体充填空間40へ燃料が再び流入する。この時、流入口11を通して流体充填空間40へ流入する燃料の量は燃料電池セル82での消費量のみであり、当該消費量の燃料が流体充填空間40へ流入すると流体充填空間40に燃料が充填された状態となり、弁体部23により流入口11が閉止されるから、2次側の圧力を一定に保つことができる。
しかして、本実施形態のマイクロレギュレータでは、小型化を図りながらも流体の流れを遮断でき且つ高圧の流体に対応可能となる。
(実施形態2)
以下、本実施形態のマイクロレギュレータについて図4〜図9を参照しながら説明する。
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態1と略同じであって、圧力伝達部28の断面形状などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における圧力伝達部28は、図4,図5,図7,図8に示すようにコルゲート板状(波形板状)の形状となっており、実施形態1のように平板状の形状に形成されている場合に比べて撓みやすくなる。
また、本実施形態における弁体形成基板20は、撓み部22および圧力伝達部28が弁体形成基板20の厚み方向の中間に形成されており、中間フレーム部29の厚み方向の一面がベース基板10に接合され、厚み方向の他面が変位空間形成基板30(図4,図5,図9参照)に接合されている。また、本実施形態では、ベース基板10(図4〜図6参照)に実施形態1にて説明した流路用凹部15を形成する代わりに、中間フレーム部29に、第1室41と第2室42とを連通させる凹溝からなる連通部29aを形成してある。また、本実施形態のマイクロレギュレータでは、中間フレーム部29によって閉鎖空間50が2つの空間に分けられているが、中間フレーム部29には当該2つの空間を連通させる凹溝からなる連通部29bが形成されている。なお、前者の連通部29aとなる凹溝は、ベース基板10との対向面に形成され、後者の連通部29bとなる凹溝は、変位空間形成基板30との対向面に形成されている。
ところで、上述のようなコルゲート板状の圧力伝達部28の形成にあたっては、弁体形成基板20の基礎となるシリコン基板からなる半導体基板における圧力伝達部28の形成予定領域に上記半導体基板の一部からなる薄肉部2(図10(a)参照)を形成した後、当該薄肉部2の厚み方向の両面にフォトレジストを塗布し、当該フォトレジストをリソグラフィ技術によってパターニングすることで、図10(a)に示すようにパターニングされたレジスト層61a,61bを形成する。なお、薄肉部2の一面(図10(a)における上面)に形成されたレジスト層61aと他面(図10(a)における下面)に形成されたレジスト層61bとは図10(a)の左右方向においてレジスト層61aとレジスト層61bとが交互に並ぶようにパターニングされている。
パターニングされたレジスト層61a,61bを形成した後、レジスト層61a,61bをマスクとしてイオン注入によって薄肉部2へp形不純物を高濃度にドーピングして高濃度p形不純物領域(p++領域)からなるエッチングストップ層62a,62bを形成することにより、図10(b)に示す構造を得る。次に、発煙硝酸や水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などでレジスト層61a,61bを剥離することにより図10(c)に示す構造を得てから、エチレンジアミンピロカテコールなどに浸漬した後、エッチングストップ層62a,62bをマスクとしてシリコン基板2をアルカリ系溶液によって異方性エッチングするか若しくはフッ酸などにより等方性エッチングすることによって、図10(d)に示すようなコルゲート板状の圧力伝達部28を形成することができる。
以上説明した本実施形態のマイクロレギュレータは、実施形態1と同様に、小型化を図りながらも流体の流れを遮断でき且つ高圧の流体に対応可能となる。
(実施形態3)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態2と略同じであって、図11に示すように、弁体形成基板20の一表面側に撓み部22および圧力伝達部28を形成し、変位空間形成基板30における弁体形成基板20との対向面に凹所30aを設けることによって変位空間形成基板30と弁体形成基板20との間に閉鎖空間50を形成している点などが相違する。ここに、変位空間形成基板30には、閉鎖空間50を2つの空間に分ける突出部36が凹所30aの内底面から中間フレーム部29に向かって突出しており、突出部36には当該2つの空間を連通させる連通部36aが形成されている。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態のマイクロレギュレータでは、実施形態2のように弁体形成基板20の厚さ方向の中間に撓み部22および圧力伝達部28を設けて閉鎖空間50を形成している場合に比べて弁体形成基板20の厚さ寸法を小さくすることが可能なので、実施形態2に比べてマイクロレギュレータ全体の厚さ寸法を小さくすることが可能となる。
(実施形態4)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態2と略同じであって、実施形態2にて説明した流出口12をベース基板10に設ける代わりに、図12に示すように、流出口12を変位空間形成基板30の厚み方向に貫設し、弁体形成基板20のフレーム部21に、流出口12と連通する貫通孔21aを厚み方向に貫設するとともに、貫通孔21aと第2室とを連通させる凹溝からなる連通部21bを形成している点などが相違する。要するに、本実施形態では、弁体形成基板20とベース基板10と変位空間形成基板30とで第1の隔壁を構成している。弁体形成基板と上述の貫通孔21bは、深堀加工が可能なエッチング装置(例えば、誘導結合型プラズマ型のドライエッチング装置)により形成することができる。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のマイクロレギュレータでは、流体充填空間40の第2室42が弁体形成基板20に形成された連通部21bおよび貫通孔21aを通して流出口12と連通しており、中間フレーム部29により第2室42と隔絶された第1室41に流入口11を通して流体が流入するように構成されている。したがって、実施形態2と同様に、図13に示すように弁体部23が流入口11を開放する向きに変位したときに流入口11を通して流体充填空間40へ流入する流体が流体充填空間40に充填されると、圧力伝達部28が変位空間形成基板30側へ撓むことによって弁体部23が流入口11を閉止する向きの力が作用するので、弁体部23によって流入口11を閉止することができる。
しかして、本実施形態のマイクロレギュレータでは、ベース基板10における弁体形成基板20側とは反対側から流体充填空間40へ流入した流体が変位空間形成基板30における弁体形成基板20側とは反対側へ流出することとなる。つまり、実施形態2ではマイクロレギュレータの厚み方向の一面側に流入口11および流出口12が形成さているのに対して、本実施形態のマイクロレギュレータでは厚み方向の一面側に流入口11が形成され他面側に流出口12が形成されている。
(実施形態5)
以下、本実施形態のマイクロレギュレータについて図14〜図17を参照しながら説明する。
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態2と略同じであって、図14および図17に示すように、撓み部22の外周形状が八角形状に形成されて、流体充填空間40における第2室42が弁体形成基板20の厚み方向に直交する面内で第1室41を全周にわたって囲むように形成され、圧力伝達部28が上記厚み方向に直交する面内で中間フレーム部19を全周にわたって囲むように形成されている点などが相違する。また、本実施形態では、第1室41と第2室42とを分ける中間フレーム部29においてベース基板10側に4つの連通部29aが形成されるとともに、変位空間形成基板30側に4つの連通部29bが形成されている。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のマイクロレギュレータの動作原理は実施形態2と同じであって、図15に示すように弁体部23が流入口11を開放する向きに変位したときに流入口11を通して流体充填空間40へ流入する流体が流体充填空間40に充填されると、圧力伝達部28が変位空間形成基板30側へ撓むことによって弁体部23が流入口11を閉止する向きの力が作用するので、弁体部23によって流入口11を閉止することができる。
本実施形態のマイクロレギュレータでは、上述のような弁体形成基板20を採用しているので、ベース基板10の中央部に流入口11を形成することができ、また、圧力伝達部28における第2室42側の面積を実施形態2に比べて大きくすることができる。
なお、本実施形態では、各連通部29a,29bを4つずつ形成してあるが、各連通部29a,29bの数は特に限定するものではなく、それぞれ1つ以上あればよい。
(実施形態6)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態1と略同じであって、図18に示すように、圧力伝達手段たる圧力伝達部28を平板状のダイヤフラムにより形成している点が相違する。ここに、圧力伝達部28の厚さ寸法は撓み部22の厚さ寸法よりも小さく設定してあるが、これら各寸法は特に限定するものではない。他の構成は実施形態2と同じなので、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のマイクロレギュレータでは、実施形態2のように圧力伝達部28をコルゲート板状に形成する場合に比べて製造が容易になる。
(実施形態7)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態2と略同じであって、図19に示すように、圧力伝達手段たる圧力伝達部28を薄い平板状のダイヤフラムにより形成している点、圧力伝達部28をベース基板10の厚み方向において撓み部22よりもベース基板10に近い側に設けている点が相違する。ここに、圧力伝達部28は上記厚み方向において変位空間形成基板30よりもベース基板10に近い側に設けられている。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態のマイクロレギュレータでは、圧力伝達手段たる圧力伝達部28を平板状のダイヤフラムにより形成していることにより、実施形態2のように圧力伝達部28をコルゲート板状に形成する場合に比べて製造が容易になり、また、圧力伝達部28を撓み部22よりもベース基板10に近い側に設けていることにより、第2室42の容積を小さくすることができるとともに、圧力伝達部28を撓みやすくすることができる。
(実施形態8)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態7と略同じであって、図20に示すように、圧力伝達部28をコルゲート板状に形成している点が相違する。他の構成は実施形態7と同じなので、実施形態7と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態のマイクロレギュレータでは、圧力伝達部28がコルゲート板状に形成されているので、実施形態7に比べて圧力伝達部28が撓みやすく、しかも、実施形態7と同様に圧力伝達部28を撓み部22よりもベース基板10に近い側に設けてあるので、より高い流体圧の流体に適用可能で図21に示すように圧力伝達部28をより大きく撓ませることができ、流体充填空間40に流体が充填されたときに弁体部23をベース基板10における流入口11の周部に押し付ける力を高めることができる。
(実施形態9)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態2と略同じであって、図22に示すように、圧力伝達手段たる圧力伝達部28が金属材料(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなど)からなる金属薄膜により構成されている点が相違する。ここに、圧力伝達部28を構成する金属薄膜は、例えば、スパッタ法、蒸着法、めっき法などによって形成すればよい。他の構成は実施形態2と同じなので、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態では、上記各実施形態のように圧力伝達部28を弁体形成基板20の基材となる半導体基板の一部により構成している場合に比べて圧力伝達部28の厚さ寸法を小さくすることが可能となるとともに、圧力伝達部28の弾性特性を適宜設定することが可能となる。なお、本実施形態では、圧力伝達部28を金属薄膜により構成しているが、金属薄膜片を弁体形成基板20に直接貼り付けるようにしてもよい。
(実施形態10)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態2と略同じであって、図23に示すように、流出口12が、弁体形成基板20のフレーム部21に形成されて流体充填空間40の第2室42と外部とを連通させる凹溝により構成されている点が相違する。ここにおいて、流出口12は、弁体形成基板20のフレーム部21におけるベース基板10との対向面に形成されている。他の構成は実施形態2と同じなので、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態のマイクロレギュレータでは、ベース基板10と弁体形成基板20とで構成される第1の隔壁において流入口11が形成されている壁と流出口12が形成されている壁とが直交するので、マイクロレギュレータの外側に形成されている流路が例えばマイクロレギュレータの入口側(1次側)と出口側(2次側)とで直交するような場合に使用することができる。
(実施形態11)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態2と略同じであって、図24に示すように、実施形態2にて圧力伝達部28が形成されていた部位に第2室42と閉鎖空間50とを仕切る平板状の仕切部22dが形成され、仕切部22dとベース基板10との間に介在する薄肉部により圧力伝達部28が構成されている点などが相違する。他の構成は実施形態2と同様なので、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における圧力伝達部28は当該圧力伝達部28の厚み方向の一面側に第2室42が形成され、当該圧力伝達部28の厚み方向の他面とフレーム部21との間に形成された空間が仕切部22dに貫設した連通孔22cを通して閉鎖空間50と連通している。ここに、本実施形態における圧力伝達部28は仕切部22dにおけるベース基板10との対向面からベース基板10へ向かって突出する形で形成されており、圧力伝達部28の先端面がベース基板10に接合されている。要するに、圧力伝達部28はマイクロ構造体20の一部であってベース基板10の厚み方向を含む一平面に沿って形成された薄肉部により構成されている。したがって、圧力伝達部28は、ベース基板10の流入口11を通して流体充填空間40へ流入した流体の流体圧によって撓むことができる。
(実施形態12)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態7と略同じであって、図25に示すように、実施形態7にて圧力伝達部28が形成されていた部位に第2室42と閉鎖空間50とを仕切る平板状の仕切部22dが形成され、圧力伝達部28が仕切部22dにおける変位空間形成基板30との対向面から変位空間形成基板30に向かって突出する形で形成されており、圧力伝達部28の先端面が変位空間形成基板30に接合されている点、流体充填空間40に連通する流出口12が変位空間形成基板30に貫設されている点などが相違する。要するに、本実施形態では、弁体形成基板20とベース基板10と変位空間形成基板30とで第1の隔壁を構成している。なお、実施形態7と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における圧力伝達部28は弁体形成基板20の一部であってベース基板10の厚み方向を含む一平面に沿って形成された薄肉部により構成されている。したがって、圧力伝達部28は、ベース基板10の流入口11を通して流体充填空間40へ流入した流体の流体圧によって撓むことができる。
(実施形態13)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態2と略同じであって、図26に示すように、流体の流出口12を変位空間形成基板30に貫設するとともに、変位空間形成基板30に貫通孔37を貫設し、変位空間形成基板30の貫通孔37を塞ぐように圧力伝達部28を配設している点などが相違する。また、変位空間形成基板30における流出口12の周部にガラス製若しくは樹脂製の流路管72が固着され、流路管72から分岐したチューブ73を圧力伝達部28の周部に固着している。また、ベース基板10における弁体形成基板20側とは反対側の面には、流入口11の周部にチューブ71が固着されている。したがって、本実施形態では、弁体形成基板20と変位空間形成基板30と圧力伝達部28とで閉鎖空間50を外部と隔てる第2の隔壁を構成している。また、本実施形態において、圧力伝達手段たる圧力伝達部28は、弾性を有する有機薄膜などにより構成すればよく、シリコーン樹脂によるラバーやゴム膜、フッ素樹脂によるラバーやゴム膜などを採用すればよい。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のマイクロレギュレータは、流体充填空間40に流体が充填されている状態では、流路管72から分岐したチューブ73を通して圧力伝達部28へ到達する流体の圧力によって圧力伝達部28が変形し弁体部23が流入口11を閉止する力が作用するので、図26に示すように、弁体部23により流入口11が閉止されている。これに対して、2次側で流体が消費されて流出口12から流体が流出すると流体充填空間40が減圧状態となって図27に示すように弁体部23が流入口11から離れる向きの力が作用するので、流路管71−流入口11−第1室41−連通部29a−第2室42−流出口12−チューブ72の流路で流体が流れることになる。
なお、本実施形態では、変位空間形成基板30における弁体形成基板20との対向面とは反対の面側に圧力伝達部28を配設してあるが、変位空間形成基板30における弁体形成基板20との対向面側に圧力伝達部28を配設するようにしてもよい。
(実施形態14)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態13と略同じであって、図28に示すように、変位空間形成基板30における貫通孔37を流出口12の近傍に形成し、チューブからなる流路管72の内径を流出口12および圧力伝達部28が流路管72の開口内に入るようにしている点に特徴がある。なお、実施形態13と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態のマイクロレギュレータでは、実施形態13のように流路管72からチューブ73を分岐させる必要がないので、実施形態13のように流路管72およびチューブ73それぞれを変位空間形成基板30および圧力伝達部28へ固着する場合に比べて製造が容易になる。
(実施形態15)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態13と略同じであって、図29に示すように、圧力伝達手段たる圧力伝達部28を金属材料(アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、クロムなど)からなる金属薄膜により形成している点が相違する。ここに、圧力伝達部28の厚さ寸法は、例えば、数μm〜数10μmの範囲で設定すればよい。他の構成は実施形態13と同じなので、実施形態13と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
(実施形態16)
本実施形態のマイクロレギュレータの基本構成は実施形態13と略同じであって、図30に示すように、圧力伝達手段たる圧力伝達部28をチューブ73内において流路管72近傍に設けている点が相違する。なお、本実施形態では、弁体形成基板20と変位空間形成基板30とチューブ73と圧力伝達部28とで閉鎖空間50を外部と隔てる第2の隔壁を構成している。また、他の構成は実施形態13と同じなので、実施形態13と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、チューブ73内において流路管72の近傍に圧力伝達部28を配設してあるが、チューブ73内において変位空間形成基板30の貫通孔37の近傍に設けてもよいし、それらの間に設けてもよい。
実施形態1を示す概略断面図である。 同上を用いたマイクロ燃料電池システムの概略構成図である。 同上の動作説明図である。 実施形態2を示す概略断面図である。 同上の動作説明図である。 同上におけるベース基板の平面図である。 同上における弁体形成基板の平面図である。 同上における弁体形成基板の下面図である。 同上における変位空間形成基板の下面図である。 同上における要部の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 実施形態3を示す概略断面図である。 実施形態4を示す概略断面図である。 同上の動作説明図である。 実施形態5を示す概略断面図である。 同上の動作説明図である。 同上におけるベース基板の平面図である。 同上における弁体形成基板の下面図である。 実施形態6を示す概略断面図である。 実施形態7を示す概略断面図である。 実施形態8を示す概略断面図である。 同上の動作説明図である。 実施形態9を示す概略断面図である。 実施形態10を示す概略断面図である。 実施形態11を示す概略断面図である。 実施形態12を示す概略断面図である。 実施形態13を示す概略断面図である。 同上の動作説明図である。 実施形態14を示す概略断面図である。 実施形態15を示す概略断面図である。 実施形態16を示す概略断面図である。 従来例の動作説明図である。 他の従来例の動作説明図である。
符号の説明
10 ベース基板
11 流入口
12 流出口
20 弁体形成基板
21 フレーム部
22 撓み部
23 弁体部
28 圧力伝達部
30 変位空間形成基板
40 流体充填空間
50 閉鎖空間

Claims (11)

  1. 流体の流入口が厚み方向に貫設されたベース基板と、半導体基板を用いて形成されてベース基板の一表面側に固着された枠状のフレーム部およびフレーム部の内側に配置され流入口を開閉する弁体部およびフレーム部と弁体部とを連続一体に連結し厚み方向に撓み可能なダイヤフラム状の撓み部を一体に有する弁体形成基板と、弁体形成基板におけるベース基板側とは反対側で弁体部の変位を可能とする変位空間を形成する形でフレーム部に固着された変位空間形成基板とを備え、弁体形成基板とベース基板との間に流入口を通して流体が充填される流体充填空間が形成され、少なくとも弁体形成基板とベース基板とで構成されて流体充填空間を外部と隔てる第1の隔壁に流体の流出口が形成され、少なくとも弁体形成基板と変位空間形成基板とで構成される第2の隔壁により囲まれた閉鎖空間に受圧媒体が封入され、第2の隔壁の一部に、流体充填空間に充填された流体の流体圧を受けて閉鎖空間の容積が変化するように変形することで弁体部が流入口を閉止するように弁体部に圧力を作用させる圧力伝達手段が設けられてなることを特徴とするマイクロレギュレータ。
  2. 前記弁体形成基板は、前記流体充填空間を前記流入口に連通する第1室と前記流出口に連通する第2室とに分ける中間フレーム部を一体に備え、第1室と第2室とを連通させる連通部が形成されてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロレギュレータ。
  3. 前記弁体形成基板は、前記流体充填空間を前記流入口に連通する第1室と前記流出口に連通する第2室とに分ける中間フレーム部を一体に備え、前記圧力伝達手段は、前記弁体形成基板において前記閉鎖空間と第2室とを隔てる部位に設けられてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロレギュレータ。
  4. 前記第1の隔壁が前記弁体形成基板と前記ベース基板と前記変位空間形成基板とで構成されて、前記流出口が前記変位空間形成基板に設けられ、前記弁体形成基板は、前記流体充填空間を前記流入口連通する第1室と前記流出口に連通する第2室とに分ける中間フレーム部を一体に備え、中間フレーム部に、第1室と第2室とを連通させる第1の連通部が形成され、前記フレーム部に、前記流出口と連通する貫通孔が厚み方向に貫設されるとともに、貫通孔と第2室とを連通させる第2の連通部が形成されてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロレギュレータ。
  5. 前記弁体形成基板は、前記流体充填空間を前記流入口に連通する第1室と前記流出口に連通する第2室とに分ける中間フレーム部を一体に備え、中間フレーム部に、第1室と第2室とを連通させる連通部が形成され、中間フレーム部が、前記厚み方向に直交する面内で第1室を全周にわたって囲むように形成され、前記圧力伝達手段が、前記厚み方向に直交する面内で中間フレーム部を全周にわたって囲むように形成されてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロレギュレータ。
  6. 前記圧力伝達手段は、コルゲート板状に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のマイクロレギュレータ。
  7. 前記圧力伝達手段は、前記弁体形成基板の一部であって前記厚み方向を含む一平面に沿って形成された薄肉部よりなることを特徴とする請求項1記載のマイクロレギュレータ。
  8. 前記変位空間形成基板が前記第1の隔壁および前記第2の隔壁それぞれの一部を構成し、前記流出口が前記変位空間形成基板に設けられ、前記圧力伝達手段が前記第2の隔壁の一部を兼ねてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロレギュレータ。
  9. 前記変位空間形成基板が前記第1の隔壁および前記第2の隔壁それぞれの一部を構成し、前記流出口が前記変位空間形成基板に設けられ、前記変位空間形成基板において前記撓み部との間に形成される空間に対応する部位に貫通孔が貫設され、前記流出口の周部に固着された流路管と、前記流路管から分岐され前記変位空間形成基板における貫通孔の周部に固着されるチューブとを備え、前記圧力伝達手段は、前記チューブ内に設けられて前記第2の隔壁の一部を兼ねることを特徴とする請求項1記載のマイクロレギュレータ。
  10. 前記受圧媒体は、不活性ガスからなることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のマイクロレギュレータ。
  11. 前記受圧媒体は、液体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のマイクロレギュレータ。
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