JP2007101672A - 像ぶれ補正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】像ぶれを補正するための補正光学系(補正レンズ)を実際に駆動し、そのときの補正光学系の目標位置を示す制御値と位置検出手段により取得した現在位置を示す値の関係から補正光学系の可動範囲を制限するリミット位置を設定することによって、補正光学系の可動範囲を適切な範囲に制限することできるようにした像ぶれ補正装置を提供する。
【解決手段】像ぶれ補正装置のCPU110は、補正レンズの目標位置を示す駆動カウントの値を変化させると共に、補正レンズの現在位置をホール素子64から読み込み、ホール素子64の出力電圧が駆動カウントの値に対して略線形の関係となる制御値の範囲に補正レンズの可動範囲を制限する。
【選択図】 図5

Description

本発明は像ぶれ補正装置に係り、特にカメラ等において光学系に配置された補正レンズを駆動することによって手ぶれ等により生じた振動による像ぶれを補正(防止)する像ぶれ補正装置に関する。
カメラの像ぶれ補正装置は、撮影光軸に直交する面内で補正レンズを移動自在に支持し、カメラに振動が加わった際に、その振動を打ち消す方向に補正レンズをアクチュエータで移動させることによって像ぶれを補正している。このような像ぶれ補正装置において、補正レンズが可動範囲の限界(端)にあると像ぶれ補正を行うことができなくなるため、それを防止するためにも、また、補正レンズが可動範囲の端に衝突するのを防ぐためにも補正レンズを可動範囲内で適切に動作させることが必要となる。
従来では、補正レンズを可動範囲内で適切に動作させるために、マグネットやばねによるメカ的な方法が用いられる場合や、可動範囲限界位置検出用のセンサーが用いられる場合が知られている。
しかしながら、メカ的な方法では、補正レンズが端に衝突しないようにすることは可能であっても、補正効果の高い補正レンズの可動範囲は製品ごとの組立て精度等によってバラツキがあり、製品ごとにその補正効果の高い範囲に補正レンズの可動範囲を制限するといったことはできない。上記センサーを用いる場合であっても同様であると共に、生産コストが高くなるという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、製品ごとに補正光学系(補正レンズ)の可動範囲を適切な範囲に制限することできる像ぶれ補正装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の像ぶれ補正装置は、結像光学系によって結像される像の結像面内での位置を変位させるために動作する補正光学系と、像ぶれを補正するための前記補正光学系の目標位置を示す制御値を設定する目標位置設定手段と、前記補正光学系の現在位置を検出する位置検出手段と、前記目標位置設定手段により設定された制御値と前記位置検出手段により検出された現在位置を示す値とに基づいて前記制御値に対応した位置となるように前記補正光学系を駆動する駆動手段とを備えた像ぶれ補正装置において、前記補正光学系の目標位置を示す制御値を変化させながら前記駆動手段により前記補正光学系を駆動すると共に前記位置検出手段から現在位置を示す値を取得し、該現在位置を示す値と、前記制御値に対して線形の関係にある理想値との差が所定値となるときの制御値により、前記補正光学系の可動範囲を正側で制限する正側リミット制御値と、負側で制限する負側リミット制御値を設定するリミット設定手段と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、制御値に対して位置検出手段からの値が略線形の関係にある範囲を実際に検出して補正光学系の可動範囲を制限することができるため、その補正光学系の可動範囲を補正効果の高い範囲に的確に制限することができる。
請求項2に記載の像ぶれ補正装置は、請求項1に記載の発明において、前記リミット設定手段において前記制御値に対して線形の関係にある理想値は、前記制御値を変化させながら前記位置検出手段から取得した現在位置を示す値との関係から求めることを特徴としている。本発明は、請求項1における線形の関係にある理想値を求める具体的な態様を示している。
請求項3に記載の像ぶれ補正装置は、結像光学系によって結像される像の結像面内での位置を変位させるために動作する補正光学系と、像ぶれを補正するための前記補正光学系の目標位置を示す制御値を設定する目標位置設定手段と、前記補正光学系の現在位置を検出する位置検出手段と、前記目標位置設定手段により設定された制御値と前記位置検出手段により検出された現在位置を示す値とに基づいて前記制御値に対応した位置となるように前記補正光学系を駆動する駆動手段とを備えた像ぶれ補正装置において、前記補正光学系の目標位置を示す制御値を変化させながら前記駆動手段により前記補正光学系を駆動すると共に前記位置検出手段から現在位置を示す値を取得し、該現在位置を示す値の変化の有無によって前記補正光学系の可動範囲の正側の端を目標位置とするときの正側端制御値と、負側の端を目標位置とするときの負側端制御値とを検出する端検出手段と、前記端検出手段により検出された正側端制御値と負側端制御値とに基づいて、前記補正光学系の可動範囲を正側で制限する正側リミット制御値と、負側で制限する負側リミット制御値を設定するリミット設定手段と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、補正光学系の可動範囲の端となる位置を実際に検出して補正光学系の可動範囲を制限するリミット位置が設定されるため、補正光学系の可動範囲を適切な範囲、例えば、補正光学系がメカ端に衝突しないような範囲に制限することができる。
請求項3に記載の像ぶれ補正装置は、請求項3に記載の発明において、前記端検出手段は、前記制御値を所定値から増加する方向に変化させ、前記位置検出手段から取得した現在位置を示す値が変化しなくなった時の制御値を前記正側端制御値とし、前記制御値を所定値から減少する方向に変化させ、前記位置検出手段から取得した現在位置を示す値が変化しなくなった時の制御値を前記負側端制御値とすることを特徴としている。本発明は、補正光学系の可動範囲の端の位置を検出する具体的な態様を示している。
本発明に係る像ぶれ補正装置によれば、製品ごとに補正光学系(補正レンズ)の可動範囲を適切な範囲に制限することできる。
以下、添付図面に従って本発明に係る像ぶれ補正装置の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、テジタルカメラにおいて本発明に係る像ぶれ補正装置が適用されたレンズ装置を示す断面図である。図1に示すように、レンズ装置10には、第1レンズ群11、第2レンズ群12、第3レンズ群13、及び第4レンズ群14が収容されている。このうち、第1レンズ群11、第2レンズ群12、及び第4レンズ群14は結像光学系を構成しており、第3レンズ群13は結像光学系の像のぶれを補正する補正光学系を構成している。
レンズ装置10は、カメラ本体16に固定される固定筒20と、この固定筒20に対して繰り出し及び繰り込み可能な第1移動筒21、第2移動筒22、及び第3移動筒23とを備えている。第1移動筒21には第1レンズ群11が保持され、第2移動筒22には第2レンズ群12が保持され、第3移動筒23には第3レンズ群13が保持される。また、固定筒20、第1移動筒21、第2移動筒22、第3移動筒23は、光軸Oを中心として内外多重に配設されている。なお、第4レンズ群14は、保持枠24によって保持される。
固定筒20は、一端に開口部を有し、他端を開放した筒状部材である。開口部には、撮影光学系の結像面26が形成されており、この開口部に撮影素子であるCCD28の保持枠30が取り付けられる。保持枠30は、開口部の縁部に掛止され、押え板(不図示)に押さえられて開口部に取り付けられる。これにより、保持枠30に保持されたCCD28が結像面26に配置される。
固定筒20の外側には回転筒25が光軸Oを中心として回動自在に支持されている。この回転筒25は、第1移動筒21にカム機構を介して連結されており、回転筒25を回転させることによって第1移動筒21が光軸O方向に繰り出し、或いは繰り込みされるようになっている。すなわち、回転筒25の内周面にはカム溝32が形成されており、このカム溝32に第1移動筒21のカムピン34が係合される。カムピン34は、固定筒20に形成された光軸O方向のガイド孔36に貫通した状態で配置される。したがって、回転筒25を回転させることによってカム溝32に係合したカムピン34が移動し、このカムピン34がガイド孔36にガイドされて光軸O方向に移動する。これにより第1移動筒21に保持された第1レンズ群11を光軸O方向に移動させることができる。同様に、回転筒25は、第2移動筒22、第3移動筒23に不図示のカム機構を介して接続されており、回転筒25を回転させることによって第2移動筒22、第3移動筒23が光軸O方向に移動するようになっている。
第4レンズ群14を保持する保持枠24は、光軸O方向に配設されたガイド棒38、38にガイドされ、光軸O方向に移動自在に支持されており、第3移動筒23に連動して光軸方向に移動するように構成されている。
第3移動筒23には、第3レンズ群13を構成する固定レンズ13Bと補正レンズ13Aが支持され、さらに補正レンズ13Aの前方にアイリス機構40が取り付けられている。固定レンズ13Bは第3移動筒23に固定され、光軸O上に配置されている。補正レンズ13Aは、光軸Oに直交する面上で移動自在に支持されており、この補正レンズ13Aを移動させることによって像ぶれの補正を行っている。以下、補正レンズ13Aを用いた像ぶれ補正装置について説明する。
図2は、像ぶれ補正装置50を拡大した断面図であり、図3は、像ぶれ補正装置50の分解斜視図である。また、図4は、像ぶれ補正装置50を光軸O方向に見た断面図である。
これらの図に示すように、像ぶれ補正装置50は主として、補正レンズ13Aを保持する保持枠52と、この保持枠52を支持する第1スライダー60、第2スライダー70と、この第1スライダー60、第2スライダー70を移動させる第1コイルモータ80、第2コイルモータ90で構成される。
保持枠52は、光軸Oに直交する面内において、直交する二方向に移動自在に支持されている。この二方向をピッチ方向(第1の方向に相当:以下P方向という)、ヨー方向(第2の方向に相当:以下Y方向という)とする。
保持枠52はその外形が略矩形状に形成されている。図4に示すように、保持枠52の側面には、P方向に配置されたPガイド棒54と、Y方向に配置されたYガイド棒55が取り付けられる。一方、第3移動筒23には、P方向に配置されたPガイド棒56と、Y方向に配置されたYガイド棒57とが保持されている。Pガイド棒56、Yガイド棒57はそれぞれ、光軸Oを挟んでPガイド棒54、Yガイド棒55の反対側に配置される。
第1スライダー60は、P方向に形成されたP案内部61と、Y方向に形成されたY案内部62とを有し、このP案内部61とY案内部62によって略L状に形成されている。P案内部61は、その外側側面の両端に突出部61A、61A(図4参照)を有し、この突出部61A、61Aに、前述したPガイド棒56が挿通されるガイド孔(不図示)が形成されている。したがって、突出部61A、61Aのガイド孔にPガイド棒56を挿通させることによって、第1スライダー60が第3移動筒23に対してP方向にスライド自在に支持される。
第1スライダー60のY案内部62の上面には、その両端部に突出部62A、62Aが形成されており、この突出部62A、62Aに、Yガイド棒55が挿通されるガイド孔(不図示)が形成されている。したがって、突出部62A、62Aのガイド孔にYガイド棒55を挿通させることによって、第1スライダー60が保持枠52に対してY方向に移動自在に支持される。
また、第1スライダー60のY案内部62には、一対の挟持部62B、62Bが外側に突出形成されている。この挟持部62B、62Bは対向して配設され、且つ、図3に示すように円弧状に形成されており、第1コイルモータ80のコイル81を保持できるようになっている。第1コイルモータ80は、駆動時にコイル81をP方向に駆動させるように構成される。
なお、挟持部62Bにはガタつき防止用の突起部62Cが設けられる。この突起部62Cは第3移動筒23に形成された溝63に挿入されて係合され、これによって、第1スライダー60が光軸O方向にガタつくことが防止される。
第2スライダー70は、Y方向に形成されたY案内部71と、P方向に形成されたP案内部72とを有し、Y案内部71とP案内部72によって略L状に形成されている。第2スライダー70は、図4に示すように、光軸Oと直交する面内において、第1スライダー60と同一平面上に配置され、且つ、第1スライダー60と第2スライダー70によって光軸Oを囲む矩形枠体を形成するように配置される。
第2スライダー70のY案内部71は、その外側側面の両端に突出部71A、71Aを有し、この突出部71A、71Aに、前述のYガイド棒57が挿通されるガイド孔(不図示)が形成されている。したがって、突出部71Aのガイド孔にYガイド棒57を挿通させることによって、第2スライダー70が第3移動筒23に対してY方向にスライド自在に支持される。
第2スライダー70のP案内部72の上面には、その両端に突出部72A、72Aが形成されており、この突出部72A、72Aに、前述のPガイド棒54が挿通されるガイド孔が形成されている。したがって、突出部72Aのガイド孔にPガイド棒54を挿通させることによって、第2スライダー70が保持枠52に対してP方向に移動自在に支持される。
また、第2スライダー70のP案内部72には、一対の挟持部72B、72Bが突出形成されている。この挟持部72B、72Bは対向して配置されるとともに、図3に示すように円弧状に形成されており、第2コイルモータ90のコイル91を保持できるようになっている。第2コイルモータ90は、駆動時にコイル91をY方向に駆動させるように構成される。
なお、挟持部72Bにはガタつき防止用の突起部72Cが設けられる。この突起部72Cは第3移動筒23に形成された凹溝73に挿入されて係合され、これによって、第2スライダー70が光軸O方向にガタつくことが防止される。
図4に示すように第1スライダー60、第2スライダー70にはそれぞれ、ホール素子64、74が取り付けられている。また、第3移動筒23には、ホール素子64、74に対向する位置に、マグネット66、76(図3参照)が取り付けられている。したがって、ホール素子64、74とマグネット66、76から成る位置検出センサによって、第1スライダー60、第2スライダー70の位置を検出することができる。なお、位置検出センサの構成はこれに限定されるものではなく、例えばLEDとPSD(Position Sensor Device)から成る非接触式センサを用いてもよい。
上述した第3移動筒23に取り付けたPガイド棒56、Yガイド棒57には、筒状の緩衝部材58、58が取り付けられている。緩衝部材58、58は、衝撃を吸収する材料、例えばゴムやウレタン樹脂等から成り、第1スライダー60と第3移動筒23との間、或いは第2スライダー70と第3移動筒23との間に配置されている。したがって、第1スライダー60と第3移動筒23との衝突時、或いは第2スライダー70と第3移動筒23との衝突時に、その衝撃を緩衝部材58によって吸収することができ、衝撃による第1スライダー、第2スライダー、第3移動筒の破損を防止する。
同様に、保持枠52のPガイド棒54、Yガイド棒55には、筒状の緩衝部材59、59が取り付けられる。緩衝部材59、59は、衝撃を吸収する材料、例えばスポンジやウレタン樹脂等から成り、第2スライダー70と保持枠52、或いは第1スライダー60と保持枠52との間に配置されている。したがって、第2スライダー70と保持枠52との衝突時、或いは第1スライダー60と保持枠52との衝突時に、その衝撃を緩衝部材59によって吸収することができ、衝撃による第1スライダー、第2スライダー、第3移動筒の破損を防止する。
第1コイルモータ80は主として、コイル81と、コ型ヨーク82と、円盤型ヨーク83によって構成され、コイル81は前述した第1スライダー60に保持される。コ型ヨーク82は、第3移動筒23に固定されており、一方の端部82Aがコイル81の中空部に挿通配置される。またコ型ヨーク82の他端部には、コイル81に対向してマグネット84が取り付けられている。円盤型ヨーク83は金属板によってリング状に形成されており、第3移動筒23に固定される。円盤型ヨーク83にはコイル81に対向してマグネット85が取り付けられる。また、円盤型ヨーク83には、図1のアイリス機構40が取り付けられている。円盤型ヨーク83は、アイリス機構40に対する磁気遮蔽部材として兼用されている。
第2コイルモータ90は主として、コイル91、コ型ヨーク92、及び前述の円盤型ヨーク83によって構成され、コイル91は第2スライダー70によって保持される。コ型ヨーク92は、第3移動筒23に取り付けられており、一方の端部92Aがコイル91の中空部に挿通配置される。また、コ型ヨーク92の他端部92Bにはコイル91に対向してマグネット(不図示)が取り付けられる。円盤型ヨーク83は、第1コイルモータ80と兼用されており、コイル91に対向してマグネット95が取り付けられている。
次に上記の如く構成された像ぶれ補正装置50の作用について説明する。
第1コイルモータ80を駆動すると、コイル81が取り付けられた第1スライダー60に駆動力が伝わり、第1スライダー60がP方向に移動する。これにより、第1スライダー60にYガイド棒55を介して取り付けられた保持枠52がP方向に移動し、補正レンズ13AがP方向に移動する。その際、第2スライダー70は保持枠52に対してP方向にスライド自在に支持されているので、第2スライダー70が移動することがない。すなわち、第1コイルモータ80を駆動すると、第2スライダー70は移動せずに、第1スライダー60のみが独立して移動する。
一方、第2コイルモータ90を駆動すると、コイル91に取り付けられた第2スライダー70に駆動力が伝わり、第2スライダー70がY方向に移動する。これにより、第2スライダー70にPガイド棒54を介して取り付けられた保持枠52がY方向に移動し、補正レンズ13AがY方向に移動する。その際、第1スライダー60は保持枠52に対してY方向にスライド自在に支持されているので、第1スライダー60が移動することがない。すなわち、第2コイルモータ90を駆動すると、第1スライダー60は移動せずに、第2スライダー70のみが独立して移動する。
次に、上記像ぶれ補正装置50における補正レンズ13Aの制御について説明する。尚、以下の説明では、補正レンズ13AのP方向の制御に関してのみ示し、Y方向についても同様に制御されるものとして説明を省略する。図5は、上記像ぶれ補正装置50のP方向の補正レンズ13Aの制御に関する電気的な構成を示したブロック図である。同図に示すように像ぶれ補正装置50は、補正レンズ部100、制御部102、ジャイロセンサー104から構成されている。補正レンズ部100は、上記第3移動筒23内に補正レンズ13Aと共に組み込まれた第1コイルモータ80(以下、VCM(ボイスコイルモータ)80と記す)と、位置検出センサのホール素子64とを含み、VCM80(VCM80のコイル81)に電圧を印加(電流を供給)することによって補正レンズ13AがP方向に移動し、補正レンズ13AのP方向の位置に応じた電圧がホール素子64から出力される。
ジャイロセンサー104は、例えばカメラ本体16内に搭載され、P方向に生じた振動を示す振れ信号として角速度信号を出力する。
制御部102は、例えばカメラ本体16内に搭載され、制御部102にはホール素子64の出力信号とジャイロセンサー104の出力信号(角速度信号)が入力され、制御部102からはVCM80を駆動するための電圧(電流)がVCM80(VCM80のコイル81)に供給されるようなっている。
同図に示すように制御部102は、CPU110、加算増幅器112、反転バッファ114、116、メモリ118等から構成されている。CPU110は、ジャイロセンサー104からの角速度信号を読み込み、その角速度信号に基づいて像ぶれを打ち消すための補正レンズ13Aのレンズセンターからの変位量を算出する。例えば、角速度信号を積分して角度信号(位置信号)を求めると共に、その角度信号をゲイン調整することによって補正レンズ13Aの変位量を算出する。
また、CPU110では、補正レンズ13Aの位置が所定の整数値、例えば、0〜1280の範囲内の値として扱われており、補正レンズ18Aを移動させる位置(目標位置)が補正レンズ駆動カウント(駆動カウント)の値として設定されると共に、その値が±1変化することによって1ステップ分の変位量だけ補正レンズ13Aの目標位置が±方向に変化するようになっている。そこで、CPU110は、レンズセンターの位置を示す値に、角速度信号に基づいて算出した変位量分の値を加算することによって、像ぶれを打ち消すための補正レンズ13Aの目標位置を示す値を求め、その値を駆動カウントの値として設定している。レンズセンターの位置を示す値は、メモリ118から読み出されるようになっており、後述のレンズセンター検出処理によって補正レンズ13Aが実際に可動範囲の中心となるときの駆動カウントの値が求められ、その駆動カウントの値がレンズセンターの位置を示す値としてメモリ118に記憶されるようになっている。
CPU110において上記のように像ぶれを補正するための補正レンズ13Aの目標位置を示す値が駆動カウントの値として設定されると、駆動カウントの値はD/A変換器を介して例えば0〜5V範囲の電圧信号に変換され、その電圧信号が補正レンズ13Aの目標位置を示す信号として加算増幅器112に入力される。また、加算増幅器112には、補正レンズ13Aの現在位置を示す信号としてホール素子64の出力信号が入力される。
加算増幅器112は、CPU110から入力された駆動カウントの値に対応した目標位置の信号と、ホール素子64から入力された現在位置の信号とに基づいて、VCM80を駆動するための駆動信号を生成する。例えば、CPU110から入力された目標位置の信号電圧と、ホール素子64から入力された現在位置の信号電圧との和が基準電圧生成回路120から入力される基準電圧に一致するように補正レンズ13Aを移動させるものとし、その和が基準電圧と相違する分の電圧をゲイン調整することによって駆動信号を生成する。このようにして生成された駆動信号は、反転バッファ114に入力され、電圧の正負が反転されて反転バッファ114からVCM80(VCM80のコイル81)の一方の電圧入力端子に印加される。また、反転バッファ114の出力が反転バッファ116に入力され、更に電圧の正負が反転されて反転バッファ116からVCM80の他方の電圧入力端子に印加される。これによって、加算増幅器112から出力された駆動信号を反転した電圧と非反転の電圧とがVCM80の2つの電圧入力端子の各々に印加され、VCM80が駆動される。そして、VCM80が駆動されることによって補正レンズ13AがP方向に移動し、それによる補正レンズ13Aの変位が加算増幅器112から出力される駆動信号に反映されることによって補正レンズ13AがCPU110で設定された駆動カウントの値に対応した位置に移動する。
また、CPU110は、像ぶれ補正を停止する指示が図示しないスイッチ(補正モード切替スイッチ)から与えられると、レンズセンターの位置を示す値をメモリ118から読み出し、その値を駆動カウントの値として設定する。そして、上述の場合と同様にその駆動カウントの値をD/A変換器を介して加算増幅器112に出力する。これによって補正レンズ13Aをレンズセンターの位置に停止させた状態で保持する。
次に、上述のような補正レンズ13Aの制御において、像ぶれを打ち消すための補正レンズ13Aの位置を求める際の基準位置として、又は、像ぶれ補正を停止する際に補正レンズ13Aを停止させておく位置として適用するレンズセンターの位置を正確に補正レンズ13Aの可動範囲の中心とするためのレンズセンター検出処理について説明する。レンズセンター検出処理は、次のような条件で実行される。例えば、レンズ装置10の生産時において、レンズセンター検出用治具にレンズ装置10が装着された場合、又は、カメラ電源がオンされた場合、又は、像ぶれ補正を行う補正モードのオン/オフがカメラ本体16の補正モード切替スイッチにより切り替えられた場合、又は、カメラ本体16にセンター検出用スイッチを設けておき、ユーザが所望のときにそのセンター検出用スイッチをオンした場合等に実行される。尚、レンズセンター検出処理を実行する条件としてこれらの全ての条件を採用してもよいし、いずれか1つ又は2つ以上の条件を採用してもよい。また、レンズセンター検出処理は、撮影を妨げないタイミングであればどのようなタイミングで行うようにしてもよい。
図6は、レンズセンター検出処理を実行する場合のCPU110での処理手順を示したフローチャートである。CPU110は、レンズセンター検出処理を開始すると、まず、補正レンズ13Aの可動範囲の正側の端を検出するために、仮のレンズセンターの位置を示す値を駆動カウントの値として設定し、補正レンズ13Aをその仮のレンズセンターの位置に移動させる(ステップS10)。仮のレンズセンターの位置は、補正レンズ13Aが可動範囲の中心となる位置として設計上で決められた位置であり、例えば補正レンズ13Aの位置を示す値(駆動カウントとして設定可能な値)の範囲を0〜1280とするとその中心値である640を仮のレンズセンターの位置を示す値とする。但し、この処理において補正レンズ13Aを設定する初期位置は、仮のレンズセンターの位置以外でもよい。
ここで、図7は、駆動カウントの値と、その駆動カウントの値によって変位した補正レンズ13Aの位置においてホール素子64から出力される出力信号の電圧との関係を例示したものであり、同図において例えば駆動カウントのS点で示す値がステップS10の処理によって設定される。
次に、CPU110は、駆動カウントの値を+1増加させ、補正レンズ13AをP方向に+1ステップ分変位させる(ステップS12)。図5に示すようにCPU110はホール素子64の出力電圧を読み取ることができるようになっており、そのホール素子64の出力電圧がステップS12の処理によって変化したか否かを判定する(ステップS14)。YESと判定した場合には、ステップS12の処理に戻り、ステップS12及びステップS14の処理を繰り返す。これにより、図7に示すように駆動カウントの値が増加すると共にホール素子64の出力電圧が徐々に増加する。
一方、ステップS14においてNOと判定した場合には、エンドカウントの値を+1増加させる(ステップS16)。尚、エンドカウントの初期値は0とする。ここで、例えば図7において、駆動カウントの値がA点の値「P+」のとき補正レンズ13Aが可動範囲の正側の端(限界)に到達したことを示しており、駆動カウントの値がそのA点の値「P+」を超える(上回る)と、補正レンズ13Aが移動しなくなるためホール素子64の出力電圧が変化しなくなる。このときステップS14においてNOと判定される。ただし、ステップS14においてNOと判定した場合でも補正レンズ13Aが端に到達したことを確実に判定するための処理として次の処理を続けて実行する。
まず、エンドカウントが5となったか否かを判定する(ステップS18)。NOと判定した場合には、更に、駆動カウントの値を+1増加させる(ステップS20)。そして、ホール素子64の出力電圧が変化したか否かを判定する(ステップS22)。NOと判定した場合にはステップS16に戻り、エンドカウントの値を+1増加させ、ステップS18の判定処理を実行する。一方、ステップS22においてYESと判定した場合には、補正レンズ13Aが可動範囲の端に到達していなかったと判断し、エンドカウントを0にリセットし(ステップS24)、ステップS12に戻る。
上記ステップS18においてYESと判定した場合、即ち、エンドカウントの値が5となった場合には、P方向の正側の端点(図6のA点)が検出されたと判断し、その端点での駆動カウントの値をP方向正側の端の位置を示す値「P+」として設定する(ステップS26)。ここで、ステップS18においてYESと判定したときの駆動カウントの値からエンドカウントの値5を引いた値がP方向正側の端の位置を示す値「P+」となる。
次に、CPU110は、補正レンズ13Aの可動範囲の負側の端を検出するために、正側の端を検出したときと同様の処理を開始する。まず、仮のレンズセンターの位置を示す値を駆動カウントの値として設定し、補正レンズ13Aをその仮のレンズセンターの位置に移動させる(ステップS28)。但し、この処理において補正レンズ13Aを設定する初期位置は、仮のレンズセンターの位置以外でもよい。図6においてこのステップS28の処理により、駆動カウントの値がS点の値に設定される。
次に、CPU110は、駆動カウントの値を+1減少(−1増加)させ、補正レンズ13AをP方向に−1ステップ分変位させる(ステップS30)。続いて、ホール素子64の出力電圧が変化したか否かを判定する(ステップS32)。YESと判定した場合には、ステップS30の処理に戻り、ステップS30及びステップS32の処理を繰り返す。これにより、図7に示すように駆動カウントの値が減少すると共にホール素子64の出力電圧が徐々に低下する。
一方、ステップS32においてNOと判定した場合には、エンドカウントの値を+1増加させる(ステップS34)。尚、エンドカウントの初期値は0とする。ここで、例えば図7において、駆動カウントの値がB点の値「P−」のとき補正レンズ13Aが可動範囲の負側の端に到達したことを示しており、駆動カウントの値がそのB点の値「P−」を超える(下回る)と、補正レンズ13Aが移動しなくなるためホール素子64の出力電圧が変化しなくなる。このときステップS32においてNOと判定される。
続いて、CPU110は、エンドカウントが5となったか否かを判定する(ステップS36)。NOと判定した場合には、更に、駆動カウントの値を+1増加させる(ステップS38)。そして、ホール素子64の出力電圧が変化したか否かを判定する(ステップS40)。NOと判定した場合にはステップS34に戻り、エンドカウントの値を+1増加させ、ステップS36の判定処理を実行する。一方、ステップS40においてYESと判定した場合には、補正レンズ13Aが可動範囲の端に到達していなかったと判断し、エンドカウントを0にリセットし(ステップS42)、ステップS30に戻る。
上記ステップS36においてYESと判定した場合、即ち、エンドカウントの値が5となった場合には、P方向の負側の端点(図6のB点)が検出されたと判断し、その端点での駆動カウントの値をP方向負側の端の位置を示す値「P−」として設定する(ステップS44)。ここで、ステップS36においてYESと判定したときの駆動カウントの値からエンドカウントの値5を足した値がP方向負側の端の位置を示す値「P−」となる。
以上のようにしてP方向正側の端の位置を示す値「P+」とP方向負側の端の位置を示す値「P−」を検出すると、レンズセンターの位置を示す値として、それらの値の中間値、即ち、(「P+」+「P−」)/2の値を算出する(ステップS46)。これによって、例えば図7においてC点で示す値が求められる。そして、求めたレンズセンターの位置を示す値をメモリ118に記憶し(ステップS48)、以上のレンズセンター検出処理を終了する。尚、Y方向についても本センター検出処理と同様の処理が実行される。
以上のように、補正レンズ13Aの可動範囲の端を検出してレンズセンターの位置を求めることによって、ホール素子64に対向配置されるマグネット66(図3参照)の磁束密度分布のばらつきや、組立て精度の影響によって設計上の補正レンズ13Aの可動範囲の中心位置と実際の中心位置とが相違する場合であっても、また、ホール素子64の出力電圧がリニアに変化しない場合であっても、レンズセンターの位置が補正レンズ13Aの可動範囲の中心に正確に設定される。
次に、補正レンズ13Aの可動範囲をメカ的な端の位置で制限するのではなく、補正効果の高い範囲に制限できるようにしたリミット検出処理について説明する。図7に示したように駆動カウントの値とホール素子64の出力電圧の関係が端の付近で非線形になると、その範囲で補正レンズ13Aを動作させても補正効果が低く、却って悪化する場合がある。これを防止するために、例えば、補正レンズの可動範囲(駆動カウントの値の範囲)をホール素子64の出力電圧が略線形となる範囲に制限し、その範囲を超えるような振動に対しては、補正レンズ13Aの変位量を通常より低減することなどによって対応が可能である。しかしながら、補正レンズ13Aの可動範囲の中心位置と同様にホール素子64に対向配置されるマグネット66(図3参照)の磁束密度分布のばらつきや、ホール素子64の特性のバラツキ、組立て精度の影響などによって、補正効果の高い範囲は製品ごとに異なり、設計上のデータから決めることはできない。そこで、以下のようなリミット検出処理によって補正効果の高い範囲を実際に検出して、その範囲を補正レンズ13Aの可動範囲として制限できるようにしている。
リミット検出処理は、次のような条件で実行される。例えば、レンズ装置10の生産時において、上記リミット検出用治具にレンズ装置10が装着された場合、又は、カメラ電源がオンされた場合、又は、像ぶれ補正を行う補正モードのオン/オフがカメラ本体16の補正モード切替スイッチにより切り替えられた場合、又は、カメラ本体16にリミット検出用スイッチを設けておき、ユーザが所望のときにそのリミット検出用スイッチをオンした場合等に実行される。尚、リミット検出処理を実行する条件としてこれらの全ての条件を採用してもよいし、いずれか1つ又は2つ以上の条件を採用してもよい。また、リミット検出処理は、撮影を妨げないタイミングであればどのようなタイミングで行うようにしてもよい。更に、上記レンズセンター検出処理を実行するときに、リミット検出処理を併せて実行するようにしてもよいし、又は、リミット検出処理を実行するとき、レンズセンター検出処理を併せて実行するようにしてもよい。
図8は、リミット検出処理の実行する場合のCPU110での処理手順を示したフローチャートである。尚、本リミット検出処理では上記レンズセンター検出処理を併せて実行する場合の態様を示している。CPU110は、リミット検出処理を開始すると、まず、仮のレンズセンターの位置を示す値を駆動カウントの値として設定し、補正レンズ13Aをその仮のレンズセンターの位置に移動させる(ステップS100)。仮のレンズセンターの位置は、上記のように例えば補正レンズ13Aの位置を示す値(駆動カウントとして設定可能な値)の範囲を0〜1280とするとその中心値である640とする。但し、既に上記レンズセンター検出処理によってレンズセンターの位置を示す値がメモリ118に記憶されている場合にはその位置に補正レンズ13Aを移動させてもよいし、レンズセンター付近の位置であれば他の位置に移動させてもよい。
ここで、図9は、駆動カウントの値と、その駆動カウントの値によって変位した補正レンズ13Aの位置においてホール素子64から出力される出力信号の電圧との関係を例示したものであり、同図において例えば駆動カウントのS点で示す値がステップS100の処理によって設定される。尚、曲線Qが実際の関係を示したもので、直線Lは後述の理想直線を示す。
次にCPU110は、駆動カウントの値を+α増加させた値Ecに設定し、その値の位置に補正レンズ13Aを移動させる。例えば図9において、駆動カウントのE点で示す値(Ec)がこのステップS102の処理によって設定される。そして、CPU110は、このときのホール素子64の出力電圧を読み込み、その電圧値をmとする(ステップS102)。
次にCPU110は、駆動カウントの値を仮のレンズセンターの位置を示す値から+α減少(−α増加)させた値Fcに設定し、その値の位置に補正レンズ13Aを移動させる。例えば図9において、駆動カウントのF点で示す値(Fc)がこのステップS104の処理によって設定される。そして、CPU110は、このときのホール素子64の出力電圧を読み込み、その電圧値をnとする(ステップS104)。
次にCPU110は、ステップS102における駆動カウントの値Ec及びホール素子64の出力電圧mと、ステップS104における駆動カウントの値Fc及びホール素子64の出力電圧nとに基づいて、駆動カウントの値Xと、ホール素子64の出力電圧Yとの理想的な関係を示す理想直線Lを求める(ステップS106)。即ち、次式、
Y={(m−n)/(2・α)}・X+{(n・Ec−m・Fc)/(Ec−Fc)}
で表される直線の式にEc、m、Fc、n、αの具体値を代入して駆動カウントの値Xと、ホール素子64の出力電圧Yとの理想的な関係を示す理想直線Lを求める。図9には、このステップS106で求められる理想直線Lが示されている。
次にCPU110は、図6に示したレンズセンター検出処理を実行する(ステップS108)。尚、必ずしもこのレンズセンター検出処理を本リミット検出フローチャートで実行する必要はなく、既に、レンズセンター検出処理が行われてメモリ118にレンズセンターの位置を示す値が記憶されている場合には、その値を用いて以下の処理を行うようにしてもよいし、レンズセンター検出処理が行われていない場合、又は、本像ぶれ補正装置がレンズセンター検出処理を行わない場合には、例えば仮のレンズセンターの位置を示す値を用いて以下の処理を行うようにしてもよい。
ステップS108においてレンズセンター検出処理を実行すると、CPU110は、それによって検出したレンズセンターの位置を示す値を駆動カウントの値として設定し、レンズセンターの位置に補正レンズ13Aを移動させる(ステップS110)。図9において、A点、B点で示す値は、ステップS108のレンズセンター検出処理により検出された正側と負側の端の位置を示す値「P+」、「P−」であり、C点で示す値は、それによって求められたレンズセンターの位置を示す値Cc(=(「P+」+「P−」)/2)である。
次に、CPU110は、駆動カウントの値を+1増加させ、補正レンズ13AをP方向に1ステップ分変位させる(ステップS112)。そして、ホール素子64の出力電圧(実電圧)を読み込むと共に、現在の駆動カウントの値に対して理想直線Lにより得られるホール素子64の理想的な出力電圧(理想電圧)を求め、実電圧から理想電圧を引いた値が所定の閾値(リミット係数)Lm未満か否かを判定する(ステップS114)。YESと判定した場合には、駆動カウントの値とホール素子64の実際の出力電圧が略線形の関係にあると判断してステップS112に戻りステップS112、S114の処理を繰り返す。一方、ステップS114においてNOと判定した場合、即ち、駆動カウントの値とホール素子64の出力電圧との関係が線形の関係ではなくなったと判断した場合には、現在の駆動カウントの値を「LM+」として記憶しておく(ステップS116)。尚、図9においてH点で示す値は、ステップS114においてNOと判定したときの駆動カウントの値「LM+」を示す。
次に、CPU110は、ステップS108のレンズセンター検出処理によって検出したレンズセンターの位置を示す値Ccを駆動カウントの値として設定し、レンズセンターの位置に補正レンズ13Aを再度移動させる(ステップS118)。
続いてCPU110は、駆動カウントの値を+1減少(−1増加)させ、補正レンズ13AをP方向に−1ステップ分変位させる(ステップS120)。そして、ホール素子64の出力電圧(実電圧)を読み込むと共に、現在の駆動カウントの値に対して理想直線Lにより得られるホール素子64の理想的な出力電圧(理想電圧)を求め、理想電圧から実電圧を引いた値が所定の閾値(リミット係数)Lm未満か否かを判定する(ステップS122)。YESと判定した場合には、駆動カウントの値とホール素子64の実際の出力電圧が略線形の関係にあると判断してステップS120に戻りステップS120、S122の処理を繰り返す。一方、ステップS122においてNOと判定した場合、即ち、駆動カウントの値とホール素子64の出力電圧との関係が線形の関係ではなくなったと判断した場合には、現在の駆動カウントの値を「LM−」として記憶しておく(ステップS124)。尚、図9においてG点で示す値は、ステップS122においてNOと判定したときの駆動カウントの値「LM−」を示す。
次にCPU110は、ステップS116において記憶した駆動カウントの値「LM+」とレンズセンターの位置を示す値Ccとの差の絶対値|「LM+」−Cc|が、ステップS124において記憶した駆動カウントの値「LM−」とレンズセンターの位置を示す値Ccとの差の絶対値|「LM−」−Cc|より小さいか否かを判定する(ステップS126)。即ち、|「LM+」−Cc|<|「LM−」−Cc|を満たすか否かを判定する。これによって、レンズセンターの位置の値Ccに対して「LM+」と「LM−」の値のいずれが近いかを判定する。ステップS126においてYESと判定した場合には、「LM+」を駆動カウントの正側のリミット値とし、Cc−|「LM+」−Cc|を負側のリミット値とし、これらのリミット値を求める値として「LM+」をメモリ118に記憶する(ステップS128)。尚、駆動カウントの正側のリミット値は、補正レンズ13Aの可動範囲を正側で制限するリミット位置を示す値であり、駆動カウントの負側のリミット値は、補正レンズ13Aの可動範囲を負側で制限するリミット位置を示す値である。ステップS126においてNOと判定した場合には、「LM−」を駆動カウントの負側のリミット値とし、Cc+|「LM−」−Cc|を正側のリミット値とし、これらのリミット値を求める値として「LM−」をメモリ118に記憶する(ステップS128)。そして、本リミット検出処理を終了する。尚、Y方向についても本リミット検出処理と同様の処理が実行される。
以上のリミット検出処理により、補正効果の高い範囲が正側のリミット値と負側のリミット値の範囲内として求められ、補正レンズ13Aの制御においてその範囲に補正レンズ13Aの可動範囲を制限することによって適切な像ぶれ補正を行うことができる。
これによれば、ホール素子64に対向配置されるマグネット66(図3参照)の磁束密度分布のばらつきや、ホール素子64の特性のバラツキ、組立て精度の影響などによって、補正効果の高い範囲が製品ごとに相違している場合であっても補正効果の高い範囲を補正レンズ13Aの可動範囲として制限できる。
以上、上記実施の形態では、デジタルカメラに使用される像ぶれ補正装置において本発明を適用した場合について説明したが、放送用テレビカメラや市販のビデオカメラ等の任意の種類のカメラ及びそのレンズ装置に使用される像ぶれ補正装置全てに適用できる。
また、上記実施の形態では、VCMによって補正レンズ13Aを駆動する場合について説明したが、補正レンズ13Aを駆動する手段はどのようなものであってもよい。補正レンズ13Aの位置を検出する位置検出センサについてもホール素子以外であってもよい。
また、上記実施の形態のリミット検出処理では、補正効果の高い範囲に補正レンズ13Aの可動範囲を制限する場合について説明したが、これに限らず、補正レンズ13Aの正側と負側の端(メカ端)の位置(駆動カウンタの値)を検出した結果に基づいて、その正側と負側の端の範囲内にいずれかの位置に正側と負側のリミット位置を設定するようにした場合であっても補正レンズ13Aを確実に端に衝突させないような範囲で駆動することができるなどの効果がある。例えば、補正レンズ13Aの可動範囲における正側の端の位置を示す値から所定値を引いた値を正側のリミット値とし、補正レンズ13Aの可動範囲における負側の端の位置を示す値から所定値を足した値を負側のリミット値としてもよい。
図1は、本発明に係る像ぶれ補正装置が適用されたレンズ装置の構成を示す断面図である。 図2は、像ぶれ補正装置を示す断面図である。 図3は、像ぶれ補正装置の構成を示す斜視図である。 図4は、像ぶれ補正装置の正面図である。 図5は、像ぶれ補正装置のP方向の補正レンズの制御に関する電気的な構成を示したブロック図である。 図6は、レンズセンター検出処理の処理手順を示したフローチャートである。 図7は、駆動カウントの値と、ホール素子の出力電圧との関係を例示してレンズセンター検出処理の説明に使用した説明図である。 図8は、リミット検出処理の処理手順を示したフローチャートである。 図9は、駆動カウントの値と、ホール素子の出力電圧との関係を例示してリミット検出処理の説明に使用した説明図である。
符号の説明
13A…補正レンズ、23…第3移動筒、50…像ぶれ補正装置、52…保持枠、64…ホール素子、80…第1コイルモータ(VCM)、81…コイル、90…第2コイルモータ、100…補正レンズ部、102…制御部、104…ジャイロセンサー、110…CPU、112…加算増幅器、114、116…反転バッファ、118…メモリ

Claims (4)

  1. 結像光学系によって結像される像の結像面内での位置を変位させるために動作する補正光学系と、像ぶれを補正するための前記補正光学系の目標位置を示す制御値を設定する目標位置設定手段と、前記補正光学系の現在位置を検出する位置検出手段と、前記目標位置設定手段により設定された制御値と前記位置検出手段により検出された現在位置を示す値とに基づいて前記制御値に対応した位置となるように前記補正光学系を駆動する駆動手段とを備えた像ぶれ補正装置において、
    前記補正光学系の目標位置を示す制御値を変化させながら前記駆動手段により前記補正光学系を駆動すると共に前記位置検出手段から現在位置を示す値を取得し、該現在位置を示す値と、前記制御値に対して線形の関係にある理想値との差が所定値となるときの制御値に基づいて、前記補正光学系の可動範囲を正側で制限する正側リミット制御値と、負側で制限する負側リミット制御値を設定するリミット設定手段と、
    を備えたことを特徴とする像ぶれ補正装置。
  2. 前記リミット設定手段において前記制御値に対して線形の関係にある理想値は、前記制御値を変化させながら前記位置検出手段から取得した現在位置を示す値との関係から求めることを特徴とする請求項1の像ぶれ補正装置。
  3. 結像光学系によって結像される像の結像面内での位置を変位させるために動作する補正光学系と、像ぶれを補正するための前記補正光学系の目標位置を示す制御値を設定する目標位置設定手段と、前記補正光学系の現在位置を検出する位置検出手段と、前記目標位置設定手段により設定された制御値と前記位置検出手段により検出された現在位置を示す値とに基づいて前記制御値に対応した位置となるように前記補正光学系を駆動する駆動手段とを備えた像ぶれ補正装置において、
    前記補正光学系の目標位置を示す制御値を変化させながら前記駆動手段により前記補正光学系を駆動すると共に前記位置検出手段から現在位置を示す値を取得し、該現在位置を示す値の変化の有無によって前記補正光学系の可動範囲の正側の端を目標位置とするときの正側端制御値と、負側の端を目標位置とするときの負側端制御値とを検出する端検出手段と、
    前記端検出手段により検出された正側端制御値と負側端制御値とに基づいて、前記補正光学系の可動範囲を正側で制限する正側リミット制御値と、負側で制限する負側リミット制御値を設定するリミット設定手段と、
    を備えたことを特徴とする像ぶれ補正装置。
  4. 前記端検出手段は、前記制御値を所定値から増加する方向に変化させ、前記位置検出手段から取得した現在位置を示す値が変化しなくなった時の制御値を前記正側端制御値とし、前記制御値を所定値から減少する方向に変化させ、前記位置検出手段から取得した現在位置を示す値が変化しなくなった時の制御値を前記負側端制御値とすることを特徴とする請求項3の像ぶれ補正装置。
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