JP2007100901A - フライホイール、コントロールモーメントジャイロおよびダンピング機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハウジングにローテイティングマスを収容するフライホイールにおいて、基台とベアリング間にホルダを備え、ベアリングカートリッジ端部の遮蔽板と基台の隔離板間に粘性流体を介在させ、ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面間に粘性流体とOリングを介在させる。ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面との間、及び基台隔離板とベアリングカートリッジ遮蔽板との間の粘性流体によりシャフト軸方向の振動吸収ができ、Oリングの弾性と粘性流体のスクイーズフィルムダンパ効果によりシャフトの半径方向の振動を吸収できる。Oリングの位置をホルダ外周面と基台間に介在してもよく、更にその間に粘性流体を介在してもよい。
【選択図】 図1
Description
また、フライホイールを用いたコントロールモーメントジャイロは、人工衛星に搭載して、外乱による姿勢変動を小さくし、ジャイロ効果によるトルク(出力トルク)により、衛星の姿勢を変化させるために、安定した回転が要求される。
従来のフライホイールの構造およびダンパ機構を説明する。図9はフライホイールの構造を説明する図である。図9において、901はフライホイール、902はローテイティングマス、903はシャフト、904はモータロータ、905はモータステータ、906は上ハウジング、907は下ハウジング、908は固定側ベアリング、909は自由側ベアリング、910はダンパ機構、911は下ハウジング907の内部に連結した基台である。
図10はダンパ機構910の部分を拡大した図である。ダンパ機構910は、下ハウジング907に連結したホルダ9101と自由側ベアリング909との間に設けられる粘性ダンパである。自由側ベアリング909は、自由側ベアリングカートリッジ909aと、自由側ベアリングカートリッジ909a内に上下に重なった2個のベアリング909b,909cを備える。シャフト903下方端部に連結した自由側ベアリング909は、筒状に形成したホルダ9101に上下方向に移動可能に挿入配置され、ホルダ9101の内面と自由側ベアリング909の外周部面との間には粘性流体として油を介在させる。
振動吸収は、液体の粘度、ホルダ9101の内面と対向する自由側ベアリング909の外周部の面積、隙間で発生する粘性抵抗により行われる。隙間の大きさは、例えば5μmである。
従来のフライホイールは、フローティング部において、シャフト903の軸方向の機械共振倍率を粘性ダンピングにより低減するダンピング機構となっている。しかしながら、シャフト903の半径方向の機械共振倍率Q=33と非常に高く、機械環境条件に持たない設計となっていた。
従来のコントロールモーメントジャイロの構造およびダンパ機構を説明する。コントロールモーメントジャイロの構造について図11に示す。図11において、1101はフライホイール、1102は両端部分1102a,1102bを立てて中間の平面部1101cに前記フライホイール1101を搭載するジンバル部、1103a,1103bは前記両端部分1102a,1102bのそれぞれに連結してジンバル部1102を回転可能にするシャフト、1104は前記シャフト1103、ジンバル部1102を介してフライホイール1101に正転・逆転の回転力を与えてフライホイール1101にリアクショントルクを発生させための駆動モータ、1105はジンバル部1102の回転角度を検出する角度検出器、1108は固定側ベアリング、1109は自由側ベアリング、1110はダンパ機構、1111は基台である。1112は前記基台1111と連結したほぼ円形の筐体リング(図12参照)であり、差し渡しの両端部に前記基台1111と固定側ベアリング1108および自由側ベアリング1109が連結される。筐体リング1112は固定側ベアリング1108および自由側ベアリング1109への印加荷重を緩和させるために、高い剛性とダンピング性能が要求される。
図13はダンパ機構1110の部分を拡大した図である。ダンパ機構1110は、基台1111に連結したホルダ11101と自由側ベアリング1109との間に設けられる粘性ダンパである。自由側ベアリング1109は、自由側ベアリングカートリッジ1109aと、自由側ベアリングカートリッジ1109a内に上下に重なった2個のベアリング1109b,1109cを備える。シャフト1103下方端部に連結した自由側ベアリング1109は、筒状に形成したホルダ11101に上下方向に移動可能に挿入配置され、ホルダ11101の内面と自由側ベアリング1109の外周部面との間には粘性流体として油を介在させる。Oリング1113a,1113bは基台1111とホルダ11101との気密を保つためのものである。
振動吸収は、液体の粘度、ホルダ11101の内面と対向する自由側ベアリング1109の外周部の面積、隙間で発生する粘性抵抗により行われる。隙間の大きさは、例えば5μmである。
図1(a)は、本発明装置に係るフライホイールの一実施例の断面図であり、ダンパ機構部分を示した断面図、図1(b)はさらに詳細に示した断面図である。図1において、102はローテイティングマス、103はシャフト、107は下ハウジング、108は前記下ハウジング107の内部に連結した基台、108aは円筒部である。108cは隔離板であり、基台108を構成し、当該基台108が下ハウジング107に連結する部分に対向する方向に形成した円筒部108aを構成する。110は自由側ベアリングであり、自由側ベアリングカートリッジ110a、自由側ベアリングカートリッジ110a内に上下に位置するベアリング110b,110cを備える。111はホルダ、112は前記自由側ベアリングカートリッジ110aの外周面とホルダ111の内周面との間に粘性流体として介在させる油、113a,113bは前記ホルダ111の所定個所例えば上端及び下端部の内周部に設けた溝部、114a,114bはそれぞれが前記ホルダ111の溝部113a,113bの中に密着して置かれるゴム製のOリングである。117は前記自由側ベアリングカートリッジ110aの端部を密閉するように形成した遮蔽板であり、前記シャフト103に直交するように配置される。118は前記基台108の隔離板108cとホルダ端部111a、自由側ベアリングカートリッジ端部110d及びその遮蔽板117との間に粘性流体として充填する油である。図示しない残りの部分は図9と同様である。
シャフトの軸方向用ダンパ機構が、自由側ベアリングカートリッジ110aの外周面とホルダ111の内周面との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油112、及び、基台108の隔離板108cとホルダ端部111a、自由側ベアリングカートリッジ端部110d及びその遮蔽板117との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油118とで構成される。油112、油118は、符号が異なるが同一のものであり、グリス又はオイルを用いる。
シャフトの半径方向用ダンパ機構が、ホルダ111、所定のバネ定数を備えたOリング114a,114bと基台108、さらに自由側ベアリングカートリッジ110aの外周面とホルダ111の内周面との間に形成する隙間に充填される油112により構成される。基台108の中央部はホルダ111が配置されるように円筒部108aを形成する。Oリング114aは、自由側ベアリングカートリッジ110aの外周面に巻かれ、ホルダ111の上方の溝部113aに嵌り、溝部113aの面に接触する。また、同様に、Oリング114bは、自由側ベアリングカートリッジ110aの外周面に巻かれ、ホルダ111の下方の溝部113bに嵌り、溝部113bの面に接触する。
シャフト103の半径方向の振動は、Oリング114a又は114bが振動の状況により押され圧縮され(図1(b)のOリング114aから図1(c)へと変形)、これにより振動吸収される。振動状況により、上方のOリング114a又は下方のOリング114bのいずれかあるいは両方が圧縮し振動を吸収する。共振倍率はQ=10以下と従来の1/3以下にすることができた。
自由側ベアリングカートリッジ110aの外周面とホルダ111の内周面との間に形成する隙間は、従来の場合に比較して大きくし、半径方向へ移動することができるようにし、Oリング114a,114bによるゴムダンパと、粘性流体である油によるスクイーズフィルムダンパ効果により、半径方向のダンピング効果を向上させている。この隙間は、例えば30μmにする。
図1による例では、ホルダ111を基台108の中央部に配置する構造としたが、例えば図2のように、ホルダ111と基台108とを一体に形成してもよい。
図3(a)は、本発明装置に係るフライホイールの一実施例の断面図であり、ダンパ機構部分を示した断面図、図3(b)はシャフトの半径方向用ダンパ機構の1個所を示した断面図である。図3において、302はローテイティングマス、303はシャフト、307は下ハウジング、308は前記下ハウジング307の内部に連結した基台、308aは円筒部、308bは突出部である。308cは隔離板であり、基台308を構成し、当該基台308が下ハウジング307に連結する部分に対向する方向に形成した円筒部308aを構成する。310は自由側ベアリングであり、自由側ベアリングカートリッジ310a、自由側ベアリングカートリッジ310a内に上下に位置するベアリング310b,310cを備える。311はホルダ、312は前記自由側ベアリングカートリッジ310aの外周面とホルダ311の内周面との間に粘性流体として介在させる油、313a,313bは前記ホルダ311の所定個所例えば上端及び下端部の外周部に設けた段差部、314a,314bはそれぞれが前記ホルダ311の段差部313a,313bの外周部の段差内に密着して置かれるゴム製のOリング、315はOリング止めである。317は前記自由側ベアリングカートリッジ310aの端部を密閉するように形成した遮蔽板であり、前記シャフト303に直交するように配置される。318は前記基台308の隔離板308cとホルダ端部311a、自由側ベアリングカートリッジ端部310d及びその遮蔽板317との間に粘性流体として充填する油である。図示しない残りの部分は図9と同様である。
シャフトの軸方向用ダンパ機構が、自由側ベアリングカートリッジ310aの外周面とホルダ311の内周面との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油312、及び、基台308の隔離板308cとホルダ端部311a、自由側ベアリングカートリッジ端部310d及びその遮蔽板317との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油318とで構成される。油312、油318は、符号が異なるが同一のものであり、グリス又はオイルを用いる。
シャフトの半径方向用ダンパ機構が、ホルダ311、所定のバネ定数を備えたOリング314a,314bと基台308により構成される。基台308の中央部はホルダ311が配置されるように円筒部308aを形成し、下部が内部に延びる突出部308bが形成され、突出部308bの辺により円形が形成される。突出部308bが形成する円形部分にホルダ311の下端部が挿入される。このとき、ホルダ311の下方の段差部313bにOリング314bが巻き付け密着されていて、Oリング314bは、突出部308bと段差部313bの両方に押しつけられて、ゴムの弾性により断面が扁平に変形され、ホルダ311の外周面と円筒部308aの内周面とに接触する。また、ホルダ311の上方の段差部313aにOリング314aが巻き付け密着されていて、Oリング止め315がホルダ311と基台308が形成する円筒部308aとの上方から装着される。Oリング止め315は上端部に張り出した張り出し部を備えた短い円筒を形成し、例えばその外周にネジ部が施されている。Oリング止め315のネジ部は、基台308が形成する円筒部308aに施したネジ部とはまりあう。Oリング止め315が、円筒部308aに止められると、Oリング314aは、Oリング止め315の下端部と段差部313aの両方に押しつけられて、ゴムの弾性により断面が変形され、ホルダ311の外周面と円筒部308aの内周面とに接触する。
シャフト303の半径方向の振動は、変形されたOリング314a又は314bが振動の状況により押され圧縮され(図3(b)のOリング314aが、図3(c)のように変形)、これにより振動吸収される。振動状況により、上方のOリング314a又は下方のOリング314bのいずれかあるいは両方が圧縮し振動を吸収する。
自由側ベアリングカートリッジ310aの外周面とホルダ311の内周面との間に形成する隙間は、従来の場合と同じである。例えば、5μmである。また、ホルダ311の外周面と円筒部308の内周面との距離は、半径方向へ移動することができるようにし、たとえば0.25mmに形成した。
図4(a)は、本発明装置に係るフライホイールの一実施例の断面図であり、ダンパ機構部分を示した断面図、図4(b)はシャフトの半径方向用ダンパ機構の1個所を示した断面図である。図4において、402はローテイティングマス、403はシャフト、407は下ハウジング、408は前記下ハウジング407の内部に連結した基台、408aは円筒部、408bは突出部である。408cは隔離板であり、基台408を構成し、当該基台408が下ハウジング407に連結する部分に対向する方向に形成した円筒部408aを構成する。410は自由側ベアリングであり、自由側ベアリングカートリッジ410a、自由側ベアリングカートリッジ410a内に上下に位置するベアリング410b,410cを備える。411はホルダ、412は前記自由側ベアリングカートリッジ410aの外周面とホルダ411の内周面との間に粘性流体として介在させる油、413a,413bは前記ホルダ411の所定個所例えば上端及び下端部の外周部に設けた段差部、414a,414bはそれぞれが前記ホルダ411の段差部413a,413bの外周部の段差内に密着して置かれるゴム製のOリング、415はOリング止めで、416はホルダ411の外周面と円筒部408の内周面との間に粘性流体として介在させる油である。417は前記自由側ベアリングカートリッジ410aの端部を密閉するように形成した遮蔽板であり、前記シャフト403に直交するように配置される。418は前記基台408の隔離板408cとホルダ端部411a、自由側ベアリングカートリッジ端部410d及びその遮蔽板417との間に粘性流体として充填する油である。図示しない残りの部分は図9と同様である。
シャフトの軸方向用ダンパ機構が、自由側ベアリングカートリッジ410aの外周面とホルダ411の内周面との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油412、及び、基台408の隔離板408cとホルダ端部411a、自由側ベアリングカートリッジ端部410d及びその遮蔽板417との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油418とで構成される。
シャフトの半径方向用ダンパ機構が、ホルダ411、所定のバネ定数を備えたOリング414a,414bと基台408、さらにホルダ411の外周面と円筒部408の内周面との間に形成する隙間に充填される油416により構成される。
油412、油416及び油418は、符号が異なるが同一のものであり、グリス又はオイルを用いる。
基台408の中央部はホルダ411が配置されるように円筒部408aを形成し、下部が内部に延びる突出部408bが形成され、突出部408bの辺により円形が形成される。突出部408bが形成する円形部分にホルダ411の下端部が挿入される。このとき、ホルダ411の下方の段差部413bにOリング414bが巻き付け密着されていて、Oリング414bは、突出部408bと段差部413bの両方に押しつけられて、ゴムの弾性により断面が扁平に変形され、ホルダ411の外周面と円筒部408aの内周面とに接触する。また、ホルダ411の上方の段差部413aにOリング414aが巻き付け密着されていて、Oリング止め415がホルダ411と基台408が形成する円筒部408aとの上方から装着される。Oリング止め415は上端部に張り出した張り出し部を備えた短い円筒を形成し、例えばその外周にネジ部が施されている。Oリング止め415のネジ部は、基台408が形成する円筒部408aに施したネジ部とはまりあう。Oリング止め415が、円筒部408aに止められると、Oリング414aは、Oリング止め415の下端部と段差部413aの両方に押しつけられて、ゴムの弾性により断面が変形され、ホルダ111の外周面と円筒部408aの内周面とに接触する。
シャフト403の半径方向の振動は、変形されたOリング414a又は414bが振動の状況により押され圧縮され(図4(b)のOリング414aが、図4(c)のOリング414aのように変形)、ホルダ411の外周面と円筒部408の内周面との隙間に介在させた油416によるスクイーズフィルムダンパ効果により、振動吸収される。振動状況により、上方のOリング414a又は下方のOリング414bのいずれかあるいは両方が圧縮し振動を吸収する。共振倍率はQ=10以下と従来の1/3以下にすることができた。
自由側ベアリングカートリッジ410aの外周面とホルダ411の内周面との間に形成する隙間は、従来の場合と同じである。例えば、5μmである。また、ホルダ411の外周面と円筒部408の内周面との距離は、半径方向へ移動することができるようにし、たとえば0.25mmに形成した。
図5(a)は、本発明装置に係るコントロールモーメントジャイロの一実施例の断面図であり、ダンパ機構部分を示した断面図、図5(b)はさらに詳細に示した断面図である。図5において、502bはジンバル部の両端部、503はシャフト、508は基台、508aは円筒部、508bは円筒部である。508cは前記シャフト503が貫通する隔離板であり、前記基台508を構成し、当該基台508が後述する筐体リング515に連結する部分に対向する方向に位置して、円筒部508bの端部に形成される。510は自由側ベアリングであり、自由側ベアリングカートリッジ510a、自由側ベアリングカートリッジ510a内に上下に位置するベアリング510b,510cを備える。511はホルダ、512は前記自由側ベアリングカートリッジ510aの外周面とホルダ511の内周面との間に粘性流体として介在させる油、513a,513bは前記ホルダ511の所定個所例えば上端及び下端部の内周部に設けた溝部、514a,514bはそれぞれが前記ホルダ511の溝部513a,513bの中に密着して置かれるゴム製のOリング、515は筐体リングである。517は前記自由側ベアリングカートリッジ510aの端部を密閉するように形成した遮蔽板であり、前記隔離板508cと平行するとともに前記シャフト503が直交して貫通するように配置される。518は前記基台508の隔離板508cとホルダ端部511a、自由側ベアリングカートリッジ端部510d及びその遮蔽板517との間に粘性流体として充填する油である。図示しない残りの部分は図11と同様である。
シャフトの軸方向用ダンパ機構が、自由側ベアリングカートリッジ510aの外周面とホルダ511の内周面との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油512、及び、基台508の隔離板508cとホルダ端部511a及び自由側ベアリングカートリッジ510aの遮蔽板517との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油518とで構成される。油512、油518は、符号が異なるが同一のものであり、グリス又はオイルを用いる。
シャフトの半径方向用ダンパ機構が、ホルダ511、所定のバネ定数を備えたOリング514a,514bと基台508、さらに自由側ベアリングカートリッジ510aの外周面とホルダ511の内周面との間に形成する隙間に充填される油512により構成される。基台508の中央部はホルダ511が配置されるように円筒部508aを形成する。Oリング514aは、自由側ベアリングカートリッジ510aの外周面に巻かれ、ホルダ511の上方の溝部513aに嵌り、溝部513aの面に接触する。また、同様に、Oリング514bは、自由側ベアリングカートリッジ510aの外周面に巻かれ、ホルダ511の下方の溝部513bに嵌り、溝部513bの面に接触する。
シャフト503の半径方向の振動は、Oリング514a又は514bが振動の状況により押され圧縮され(図5(b)のOリング514aから図5(c)へと変形)、これにより振動吸収される。振動状況により、上方のOリング514a又は下方のOリング514bのいずれかあるいは両方が圧縮し振動を吸収する。共振倍率はQ=10以下となることが期待できる。
自由側ベアリングカートリッジ510aの外周面とホルダ511の内周面との間に形成する隙間は、従来の場合に比較して大きくし、半径方向へ移動することができるようにし、Oリング514a,514bによるゴムダンパと、粘性流体である油によるスクイーズフィルムダンパ効果により、半径方向のダンピング効果を向上させている。この隙間は、例えば30μmにする。
図5による例では、ホルダ511を基台508の中央部に配置する構造としたが、例えば図6のように、ホルダと基台508とを一体に形成してもよい。
図7(a)は、本発明装置に係るコントロールモーメントジャイロの一実施例の断面図であり、ダンパ機構部分を示した断面図、図7(b)はシャフトの半径方向用ダンパ機構の1個所を示した断面図である。図7において、702bはジンバル部の両端部、703はシャフト、707は筐体リング、708は基台、708aは円筒部、708bは突出部である。708cは前記シャフト703が貫通する隔離板であり、前記基台708を構成し、当該基台708が筐体リング707に連結する部分に対向する方向に位置して、円筒部708dの端部に形成される。710は自由側ベアリングであり、自由側ベアリングカートリッジ710a、自由側ベアリングカートリッジ710a内に上下に位置するベアリング710b,710cを備える。711はホルダ、712は前記自由側ベアリングカートリッジ710aの外周面とホルダ711の内周面との間に粘性流体として介在させる油、713a,713bは前記ホルダ711の所定個所例えば上端及び下端部の外周部に設けた段差部、714a,714bはそれぞれが前記ホルダ711の段差部713a,713bの外周部の段差内に密着して置かれるゴム製のOリング、715はOリング止めである。717は前記自由側ベアリングカートリッジ710aの端部を密閉するように形成した遮蔽板であり、前記隔離板708cと平行するとともに前記シャフト703が直交して貫通するように配置される。718は前記基台708の隔離板708cとホルダ端部711a、自由側ベアリングカートリッジ端部710d及びその遮蔽板717との間に粘性流体として充填する油である。図示しない残りの部分は図11と同様である。
シャフトの軸方向用ダンパ機構が、自由側ベアリングカートリッジ710aの外周面とホルダ711の内周面との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油712、及び、基台708の隔離板708cとホルダ端部711a、自由側ベアリングカートリッジ端部710d及びその遮蔽板717との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油718とで構成される。油712、油718は、符号が異なるが同一のものであり、グリス又はオイルを用いる。
シャフトの半径方向用ダンパ機構が、ホルダ711、所定のバネ定数を備えたOリング714a,714bと基台708により構成される。基台708の中央部はホルダ711が配置されるように円筒部708aを形成し、下部が内部に延びる突出部708bが形成され、突出部708bの辺により円形が形成される。突出部708bが形成する円形部分にホルダ711の下端部が挿入される。このとき、ホルダ711の下方の段差部713bにOリング714bが巻き付け密着されていて、Oリング714bは、突出部708bと段差部713bの両方に押しつけられて、ゴムの弾性により断面が扁平に変形され、ホルダ711の外周面と円筒部708aの内周面とに接触する。また、ホルダ711の上方の段差部713aにOリング714aが巻き付け密着されていて、Oリング止め715がホルダ711と基台708が形成する円筒部708aとの上方から装着される。Oリング止め715は上端部に張り出した張り出し部を備えた短い円筒を形成し、例えばその外周にネジ部が施されている。Oリング止め715のネジ部は、基台708が形成する円筒部708aに施したネジ部とはまりあう。Oリング止め715が、円筒部708aに止められると、Oリング714aは、Oリング止め715の下端部と段差部713aの両方に押しつけられて、ゴムの弾性により断面が変形され、ホルダ711の外周面と円筒部708aの内周面とに接触する。
シャフト703の半径方向の振動は、変形されたOリング714a又は714bが振動の状況により押され圧縮され(図7(b)のOリング714aが、図7(c)のように変形)、これにより振動吸収される。振動状況により、上方のOリング714a又は下方のOリング714bのいずれかあるいは両方が圧縮し振動を吸収する。
自由側ベアリングカートリッジ710aの外周面とホルダ711の内周面との間に形成する隙間は、従来の場合と同じである。例えば、5μmである。また、ホルダ711の外周面と円筒部708の内周面との距離は、半径方向へ移動することができるようにし、たとえば0.25mmに形成した。
図8(a)は、本発明装置に係るコントロールモーメントジャイロの一実施例の断面図であり、ダンパ機構部分を示した断面図、図8(b)はシャフトの半径方向用ダンパ機構の1個所を示した断面図である。図8において、802bはジンバル部の両端部、803はシャフト、807は筐体リング、808は基台、808aは円筒部、808bは突出部である。808cは前記シャフト803が貫通する隔離板であり、前記基台808を構成し、当該基台808が筐体リング807に連結する部分に対向する方向に位置して、円筒部808dの端部に形成される。810は自由側ベアリングであり、自由側ベアリングカートリッジ810a、自由側ベアリングカートリッジ810a内に上下に位置するベアリング810b,810cを備える。811はホルダ、812は前記自由側ベアリングカートリッジ810aの外周面とホルダ811の内周面との間に粘性流体として介在させる油、813a,813bは前記ホルダ811の所定個所例えば上端及び下端部の外周部に設けた段差部、814a,814bはそれぞれが前記ホルダ811の段差部813a,813bの外周部の段差内に密着して置かれるゴム製のOリング、815はOリング止めで、816はホルダ811の外周面と円筒部808の内周面との間に粘性流体として介在させる油である。817は前記自由側ベアリングカートリッジ810aの端部を密閉するように形成した遮蔽板であり、前記隔離板808cと平行するとともに前記シャフト803が直交して貫通するように配置される。818は前記基台808の隔離板808cとホルダ端部811a、自由側ベアリングカートリッジ端部810d及びその遮蔽板817との間に粘性流体として充填する油である。図示しない残りの部分は図11と同様である。
シャフトの軸方向用ダンパ機構が、自由側ベアリングカートリッジ810aの外周面とホルダ811の内周面との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油812、及び、基台808の隔離板808cとホルダ端部811a、自由側ベアリングカートリッジ端部810d及びその遮蔽板817との間に形成する隙間と、その隙間に充填される油818とで構成される。
シャフトの半径方向用ダンパ機構が、ホルダ811、所定のバネ定数を備えたOリング814a,814bと基台808、さらにホルダ811の外周面と円筒部808の内周面との間に形成する隙間に充填される油816により構成される。
油812、油816及び油818は、符号が異なるが同一のものであり、グリス又はオイルを用いる。
基台808の中央部はホルダ811が配置されるように円筒部808aを形成し、下部が内部に延びる突出部808bが形成され、突出部808bの辺により円形が形成される。突出部808bが形成する円形部分にホルダ811の下端部が挿入される。このとき、ホルダ811の下方の段差部813bにOリング814bが巻き付け密着されていて、Oリング814bは、突出部808bと段差部813bの両方に押しつけられて、ゴムの弾性により断面が扁平に変形され、ホルダ811の外周面と円筒部808aの内周面とに接触する。また、ホルダ811の上方の段差部813aにOリング814aが巻き付け密着されていて、Oリング止め815がホルダ811と基台808が形成する円筒部808aとの上方から装着される。Oリング止め815は上端部に張り出した張り出し部を備えた短い円筒を形成し、例えばその外周にネジ部が施されている。Oリング止め815のネジ部は、基台808が形成する円筒部808aに施したネジ部とはまりあう。Oリング止め815が、円筒部808aに止められると、Oリング814aは、Oリング止め815の下端部と段差部813aの両方に押しつけられて、ゴムの弾性により断面が変形され、ホルダ111の外周面と円筒部808aの内周面とに接触する。
シャフト803の半径方向の振動は、変形されたOリング814a又は814bが振動の状況により押され圧縮され(図8(b)のOリング814aが、図8(c)のOリング814aのように変形)、ホルダ811の外周面と円筒部808の内周面との隙間に介在させた油816によるスクイーズフィルムダンパ効果により、振動吸収される。振動状況により、上方のOリング814a又は下方のOリング814bのいずれかあるいは両方が圧縮し振動を吸収する。共振倍率はQ=10以下となることが期待できる。
自由側ベアリングカートリッジ810aの外周面とホルダ811の内周面との間に形成する隙間は、従来の場合と同じである。例えば、5μmである。また、ホルダ811の外周面と円筒部808の内周面との距離は、半径方向へ移動することができるようにし、たとえば0.25mmに形成した。
Claims (11)
- ハウジングと連結するとともに連結部分に対向する方向に隔離板を有する基台にベアリングを介して回転可能に取り付けたシャフトを備え、前記シャフトに取り付けられたローテイティングマスを収容するフライホイールにおいて、前記基台に収納される筒状のホルダと、前記ホルダ内に収納されベアリングを収納するとともに一端部に遮蔽板を形成したベアリングカートリッジとを備えて、前記基台の隔離板とホルダ端部、ベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面との間に粘性流体とOリングを介在させ、当該Oリングによりベアリングカートリッジを支持したことを特徴とするフライホイール。
- ハウジングと連結するとともに連結部分に対向する方向に隔離板を有する基台にベアリングを介して回転可能に取り付けたシャフトを備え、前記シャフトに取り付けられたローテイティングマスを収容するフライホイールにおいて、前記基台に収納されベアリングを収納するとともに一端部に遮蔽板を形成したベアリングカートリッジとを備えて、前記基台の隔離板とベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面と基台内面との間に粘性流体とOリングを介在させ、当該Oリングによりベアリングカートリッジを支持したことを特徴とするフライホイール。
- ハウジングと連結するとともに連結部分に対向する方向に隔離板を有する基台にベアリングを介して回転可能に取り付けたシャフトを備え、前記シャフトに取り付けられたローテイティングマスを収容するフライホイールにおいて、前記基台に収納される筒状のホルダと、前記ホルダ内に収納されベアリングを収納するとともに一端部に遮蔽板を形成したベアリングカートリッジとを備えて、前記基台の隔離板とホルダ端部、ベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面との間に粘性流体を介在させ、前記基台とホルダ外面との間にOリングを介在させたことを特徴とするフライホイール。
- ハウジングと連結するとともに連結部分に対向する方向に隔離板を有する基台にベアリングを介して回転可能に取り付けたシャフトを備え、前記シャフトに取り付けられたローテイティングマスを収容するフライホイールにおいて、前記基台に収納される筒状のホルダと、前記ホルダ内に収納されベアリングを収納するとともに一端部に遮蔽板を形成したベアリングカートリッジとを備えて、前記基台の隔離板とホルダ端部、ベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面との間に粘性流体を介在させ、前記基台とホルダ外面との間に粘性流体とOリングを介在させたことを特徴とするフライホイール。
- 筐体リングと連結するとともに連結部分に対向する方向に隔離板を有する基台にベアリングを介して回転可能に取り付けたシャフトを備え、前記シャフトに取り付けられたフライホイールを収容するコントロールモーメントジャイロにおいて、前記基台に収納される筒状のホルダと、前記ホルダ内に収納されベアリングを収納するとともに一端部に遮蔽板を形成したベアリングカートリッジとを備えて、前記基台の隔離板とホルダ端部、ベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面との間に粘性流体とOリングを介在させ、当該Oリングによりベアリングカートリッジを支持したことを特徴とするコントロールモーメントジャイロ。
- 筐体リングと連結するとともに連結部分に対向する方向に隔離板を有する基台にベアリングを介して回転可能に取り付けたシャフトを備え、前記シャフトに取り付けられたフライホイールを収容するコントロールモーメントジャイロにおいて、前記基台に収納されベアリングを収納するとともに一端部に遮蔽板を形成したベアリングカートリッジとを備えて、前記基台の隔離板とベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面と基台内面との間に粘性流体とOリングを介在させ、当該Oリングによりベアリングカートリッジを支持したことを特徴とするコントロールモーメントジャイロ。
- 筐体リングと連結するとともに連結部分に対向する方向に隔離板を有する基台にベアリングを介して回転可能に取り付けたシャフトを備え、前記シャフトに取り付けられたフライホイールを収容するコントロールモーメントジャイロにおいて、前記基台に収納される筒状のホルダと、前記ホルダ内に収納されベアリングを収納するとともに一端部に遮蔽板を形成したベアリングカートリッジとを備えて、前記基台の隔離板とホルダ端部、ベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面との間に粘性流体を介在させ、前記基台とホルダ外面との間にOリングを介在させたことを特徴とするコントロールモーメントジャイロ。
- 筐体リングと連結するとともに連結部分に対向する方向に隔離板を有する基台にベアリングを介して回転可能に取り付けたシャフトを備え、前記シャフトに取り付けられたフライホイールを収容するコントロールモーメントジャイロにおいて、前記基台に収納される筒状のホルダと、前記ホルダ内に収納されベアリングを収納するとともに一端部に遮蔽板を形成したベアリングカートリッジとを備えて、前記基台の隔離板とホルダ端部、ベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面との間に粘性流体を介在させ、前記基台とホルダ外面との間に粘性流体とOリングを介在させたことを特徴とするコントロールモーメントジャイロ。
- 一方向に隔離板を有する基台内にベアリングカートリッジが挿入するダンピング機構において、ベアリングカートリッジの一端に形成した遮蔽板とベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面との間に粘性流体とOリングを介在させ、当該Oリングによりベアリングカートリッジを支持したことを特徴とするダンピング機構。
- 一方向に隔離板を有する基台内に、筒状のホルダに収納したベアリングカートリッジが挿入するダンピング機構において、ベアリングカートリッジの一端に形成した遮蔽板とホルダ端部、ベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面との間に粘性流体を介在させ、前記基台とホルダ外面との間にOリングを介在させたことを特徴とするダンピング機構。
- 一方向に隔離板を有する基台内に、筒状のホルダに収納したベアリングカートリッジが挿入するダンピング機構において、ベアリングカートリッジの一端に形成した遮蔽板とホルダ端部、ベアリングカートリッジ端部及び遮蔽板との間に粘性流体を充填するとともに、ベアリングカートリッジ外周面とホルダ内面との間に粘性流体を介在させ、前記基台とホルダ外面との間に粘性流体とOリングを介在させたことを特徴とするダンピング機構。
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