JP2007100194A - 熱間工具鋼の製造方法 - Google Patents

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Takuma Okajima
琢磨 岡島
Hiroaki Yoshida
広明 吉田
Yukihiro Isogawa
幸宏 五十川
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Abstract

【課題】熱間工具鋼における成分の偏析を低減し、熱間工具鋼の特性を改善することのできる熱間工具鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】Crを質量%で3〜6%含有する熱間工具鋼のインゴット10に対して直交する3方向のうちの少なくとも何れか1方向に一連の熱間鍛造を施し歪みを導入した上で、1200〜1300℃の温度条件で6時間以上かけてソーキングを行う。
【選択図】 図1

Description

この発明はCrを質量%で3〜6%含有する熱間工具鋼の製造方法に関し、詳しくは成分偏析を低減するための技術手段に特徴を有する熱間工具鋼の製造方法に関する。
従来の熱間工具鋼の製造方法では、図5に示しているようにインゴット200をソーキングした後に熱間鍛造加工を繰り返し行い、またその間に加熱を行って、最終的に目的とする鋼片204を得ていた。
尚図中202-1,202-2は熱間鍛造加工途中の中間鍛造品を表している。
ここで熱間鍛造加工の中間で行われる加熱は、加工中に中間鍛造品が温度低下して加工割れを生じないように、途中でこれを昇温させるためのものであり、中間鍛造品が目的の温度且つ全体的に均一の温度となるのに必要な時間だけ加熱を行う。
即ちこの途中段階での加熱はあくまで中間鍛造品全体を昇温させることを目的として行われる。
一方インゴット200に対して行われるソーキングは、鋼成分を拡散させるためのもので、このソーキングでは、インゴット200を全体が均一の温度となるまで加熱した後、引き続いてこれをその加熱温度に所定時間保持し、その保持の間に成分を拡散させる。
ここではインゴット200を1240℃の温度で35時間かけてソーキング処理している。
ところで熱間工具鋼は高合金鋼であり、鋳造によりインゴット200とする際、凝固過程で成分偏析が生じ易い問題がある。
而して例えば鋼中に含まれるCrの成分偏析が生じると組織が不均一となり、靭性等の特性が悪化してしまう。
また鋼片の各方向で組織に異方性が生じ、これに伴って靭性値にも異方性が生じてしまう。
尚、本願に対する先行技術として下記特許文献1に開示されたものがあるが、この特許文献1に開示のものはインゴットの段階でソーキングを行うもので、本発明の課題を解決することができない。
特開2003−286545号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、熱間工具鋼における成分の偏析を低減し、熱間工具鋼の特性を改善することのできる熱間工具鋼の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、Crを質量%で3〜6%含有する熱間工具鋼のインゴットに対して直交する3方向のうちの少なくとも何れか1方向に一連の熱間鍛造加工を施し歪みを導入した上で、1200〜1300℃の温度条件で6時間以上かけてソーキングを行うことを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記熱間鍛造加工を前記直交する3方向のそれぞれの方向に施し歪みを導入した上で前記ソーキングを行うことを特徴とする。
請求項3のものは、請求項2において、前記ソーキングの前に行う前記一連の熱間鍛造加工が、前記インゴットをその軸方向に圧縮する据込鍛造加工と、その後において軸直角方向の直交する2方向に全体として30%以上の減面率で圧縮して軸方向に鍛伸する加工とを含んでいることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記熱間工具鋼が更にMoを質量%で1〜5%含んだものであることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、インゴットの段階でソーキングを行うと否とに拘らず、一旦インゴットに対して直交する3方向のうちの少なくとも何れか1方向に一連の熱間鍛造加工を施し歪みを導入した上で、その後に1200〜1300℃の温度条件で6時間以上(望ましくは12時間以上)かけてソーキングを行うものである。
本発明によれば、インゴット鋳造の際の凝固過程でCr等の成分偏析が生じた場合であっても、その後の熱間鍛造加工及びソーキングによって成分偏析を良好に低減し、組織が均一で靭性等の特性に優れた熱間工具鋼を得ることができる。
かかる本発明によって成分偏析が低減するのは次の理由によるものと考えられる。
即ちインゴットに対して熱間鍛造加工を施すと、歪みの導入により成分偏析を生じている箇所で濃度勾配が大となり、その後ソーキングを行ったときに濃度勾配の増大により成分の拡散が促進され、その結果として偏析していた成分が全体に良好に分散することによるものと考えられる。
本発明では、ソーキングに先立つ熱間鍛造加工として直交する3方向のそれぞれの方向に加工を行うのが望ましい(請求項2)。
このようにすることで、直交する3方向のそれぞれに歪みがかかった状態、即ち互いに直交する3方向のそれぞれにおいて偏析成分の濃度勾配が増大した状態となり、従ってその後のソーキングによって偏析成分を各方向に良好に拡散させ得て、偏析成分を良好に全体に分散させることができ、鋼組織を均一な組織とすることができるとともに上記異方性の問題もより有利に改善することができる。
本発明において、上記一連の熱間鍛造加工の後に行うソーキングは成分を拡散させるためのものであり、従って単に中間鍛造品が全体的に均一温度となるまで加熱を行っただけでは不十分で、その後において中間鍛造品をその到達温度に所定時間保持することが必要である。
従って本発明では、1200〜1300℃の温度条件で6時間以上かけてソーキングを行うことが必要である。
この温度条件よりも温度が低く、また時間が短いと成分を十分に拡散させることができない。
この場合においてそのソーキングは12時間以上かけて行うのが望ましく、より望ましくは15時間以上かけて行うのが良く、更に望ましくは20時間以上かけてソーキングを行う。
本発明においては、ソーキングの前に行う上記一連の熱間鍛造加工を、インゴットをその軸方向に圧縮する据込鍛造加工と、その後において軸直角方向の直交する2方向に全体として30%以上の減面率で圧縮してこれを軸方向に鍛伸する加工とを含んだものとなすことができる(請求項3)。
ソーキング前にこのような熱間鍛造加工を行うことで、その後のソーキングの際に偏析成分を良好に拡散せしめることができる。
ここでインゴットをその軸方向に圧縮する据込鍛造加工は、圧縮率30%以上で行うことが望ましい。
本発明はまた、Crに加えてMoを質量%で1〜5%含んだ熱間工具鋼に対し好適に適用可能である(請求項4)。
次に本発明の実施形態を以下に具体的に説明する。
Crを質量%で5%,Moを1.25%含む熱間工具鋼(JIS SKD61)を、図1に示すようにφ1000mm(直径)×1500mm(高さ)のインゴット10に鋳造し、これを1270℃×20時間の条件でソーキングした。
続いて圧縮率50%でこれをその軸方向(図中Z方向)に圧縮する据込鍛造加工を施して中間鍛造品12-1とした後、Z方向と直交するX方向,Y方向のそれぞれに減面率45%で圧縮を加えて中間鍛造品12-2を得、更に続いて中間鍛造品12-2の各コーナー部をP方向,Q方向にそれぞれ圧縮する加工(減面率はそれぞれ5%)を施して幅750mmの8角柱の中間鍛造品12-3に鍛伸した。
尚、中間鍛造品12-1から中間鍛造品12-3への加工の減面率は全体で50%とした。
その後、中間鍛造品12-3に対して1280℃×26.5時間の条件でソーキングを行った後、再び中間鍛造品12-1,12-2と同様の形状の中間鍛造品14-1,14-2への鍛造を行い、更に中間鍛造品14-2を1240℃×10時間の条件で加熱した上で、更に鍛造加工を継続して目的とする最終の鋼片16を得た(サイズは300×740×5300mm)。
上記ソーキング前の中間鍛造品12-3及びソーキング後の中間鍛造品12-3のそれぞれから試料を採取してEPMAによりCr成分の偏析状態を観察した結果と、図5に示す従来の製造方法即ちインゴット200の段階でソーキングを行い、熱間鍛造後はソーキングを行わない製造方法におけるソーキング前後、具体的にはソーキング前のインゴット200,ソーキング後のインゴット200からそれぞれ採取した試料のEPMAによるCr成分の偏析状態を観察した結果、本実施形態にて製造したものは偏析が低減していた。
これらの結果が参考図として添付してある。
尚参考図においては青→黄→赤と色が変化するに従ってCrの濃度が高くなっていることを表している。
また参考図において左右方向が鍛伸方向(圧延方向)である。
尚参考図では中間鍛造品12-1から12-3への加工を減面率50%で行った場合の他に、減面率30%で加工を行った場合も併せて示してある。
このように減面率30%で加工を行った場合においても、その後にソーキングを行うことでCrの成分偏析が良好に低減していることが認められた。
以上のようにインゴット10に対して先ず熱間鍛造加工を施した上で、その後にソーキングを行った場合にCr成分の偏析が良好に低減しているのは次のような理由によるものと考えられる。
図2(ロ)は熱間鍛造加工を施していない状態でのCr成分の濃度分布を横軸に距離を、縦軸に濃度を取って模式的に表したもので、このときのCrの濃度勾配はΔC/Δd=Kで表される。
一方図2(イ)は熱間鍛造加工を施した後のCrの濃度分布を表したもので、この場合の濃度分布ΔC/Δd=Kは図2(ロ)の濃度勾配ΔC/Δd=Kよりも大となる。
このようにソーキング前の熱間鍛造加工によりCr成分の濃度勾配Kが、熱間鍛造加工前の濃度勾配Kに比べて増大することにより、その後のソーキングによってCr成分の拡散が促進され、これによりCr成分の偏析が低減するものと考えられる。
図3はCrの偏析レベルを、図1に示す本実施形態にて製造した場合と、図5に示す従来の製造方法にて製造した場合とを比較して表している。
尚、縦軸はCrの偏析レベルを指数で表しており、数値の小さい方が偏析の程度が少ないことを表している。
同図にも示しているように本実施形態によればCrの偏析を良好に低減できることが分かる。
次に図4(イ),(ロ)は本実施形態にて得た鋼片16の図4(ハ)中L方向,T方向,H方向からそれぞれシャルピー試験片(JIS3号試験片)を採取してシャルピー衝撃試験を行った結果を、図5に示す従来の製造方法にて得た鋼片204におけるシャルピー衝撃試験の結果と比較して示している。
但し図4(イ)は本実施形態の製造方法にて得た鋼片16の試験結果を、また図4(ロ)は従来の製造方法における鋼片204の試験結果を表している。
尚シャルピー試験片は、試験片の長手方向がL方向,T方向,H方向となるようにそれぞれ採取した。
図4(イ),(ロ)の比較から明らかなように、図4(イ)に示す本実施形態の製造方法の場合、L方向,T方向,H方向の何れにおいてもシャルピー衝撃値は、図4(ロ)に示す従来の製造方法による場合に比べてほぼ一定していて、シャルピー衝撃値に特段の異方性は認められず、また全体的にその値が図4(ロ)に示す従来の製造方法における値に比べて高いレベルを示している。
即ち本実施形態によれば、図5の従来の製造方法に比べてシャルピー衝撃値が高く、またその異方性も改善されていることが分かる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
本発明の実施形態の熱間工具鋼の製造方法の工程説明図である。 熱間鍛造加工によるCr成分の濃度勾配の変化を示した図である。 同実施形態の製造方法にて得た熱間工具鋼のCrの偏析レベルを従来法にて得た熱間工具鋼の偏析レベルと比較して示した図である。 本実施形態にて得た熱間工具鋼のシャルピー衝撃試験の結果を従来法にて得た熱間工具鋼のシャルピー衝撃試験と比較して示した図である。 従来の熱間工具鋼の製造方法の工程説明図である。
符号の説明
10 インゴット
12-1,12-2,12-3,14-1,14-2 中間鍛造品
16 鋼片

Claims (4)

  1. Crを質量%で3〜6%含有する熱間工具鋼のインゴットに対して直交する3方向のうちの少なくとも何れか1方向に一連の熱間鍛造加工を施し歪みを導入した上で、1200〜1300℃の温度条件で6時間以上かけてソーキングを行うことを特徴とする熱間工具鋼の製造方法。
  2. 請求項1において、前記熱間鍛造加工を前記直交する3方向のそれぞれの方向に施し歪みを導入した上で前記ソーキングを行うことを特徴とする熱間工具鋼の製造方法。
  3. 請求項2において、前記ソーキングの前に行う前記一連の熱間鍛造加工が、前記インゴットをその軸方向に圧縮する据込鍛造加工と、その後において軸直角方向の直交する2方向に全体として30%以上の減面率で圧縮して軸方向に鍛伸する加工とを含んでいることを特徴とする熱間工具鋼の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記熱間工具鋼が更にMoを質量%で1〜5%含んだものであることを特徴とする熱間工具鋼の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014512456A (ja) * 2011-03-04 2014-05-22 ウッデホルムス アーベー 熱間加工工具鋼および熱間加工工具鋼の製造方法

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