JP2007098346A - 表面処理剤および吸着フィルタおよびガス吸着回収装置 - Google Patents

表面処理剤および吸着フィルタおよびガス吸着回収装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱再生手段と回転式吸着フィルタとを有する空調機において、再生時に加熱装置からの輻射熱が吸着フィルタを温めて、再生後に吸着剤が温まり、吸着しづらく、また、処理空気が温められて排出されることを防ぐことを目的とする。
【解決手段】回転式の吸着フィルタ9の表面もしくは端面に、赤外線反射材料10を含む表面処理剤を塗布することで、加熱装置12などからの赤外線16を遮り、輻射熱により温められない吸着フィルタ9が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、湿分、有機ガスを吸着する吸着フィルタとその表面処理剤、およびそれを利用した湿分もしくはガスの吸着回収装置に関するものである。
従来、この種の吸着フィルタは、成分としてセラミック繊維もしくはガラス繊維と有機繊維、さらに山皮(セピオライトなど)などの鉱物を基材紙として漉いた紙をハニカム状に加工したハニカム構造体を焼成することで無機質のハニカム構造としたハニカムフィルタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
以下、そのハニカム構造体について図3および図4および図5を参照しながら説明する。
図3に示すように、セラミック紙101は、セラミック繊維、パルプ、山皮、有機および無機バインダからなり、それを波状に加工した波形セラミック紙102と有機系と無機系の混合接着剤によって接着した片波成形体103を形成する。図4に示すように図3の片波成形体を回転によって積層し、円筒状ハニカム構造体104や、一定の長さに切り、これを積層することで図5に示すような角柱状ハニカム構造体105を得られる。それを焼成することで、ハニカム構造体が得られる。そして特にこのハニカム構造体にゼオライトなどの吸着剤を担持し、吸着フィルタとして用いられることが知られている。
また、この種のハニカム構造体には成分としてセラミック繊維、パルプ、有機質または無機質のバインダよりなるシートをハニカム状に成形し、これにコロイダルシリカもしくはエチルシリケートを含浸させたあとこのケイ素化合物をシリカゲルに変換し、ついで焼成することでシート中の有機質を燃焼除去した結果、吸着フィルタ、通気フィルタが得られることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭60−33250号公報 特開平4−18896号公報
このような従来の発明の吸着フィルタにおいて、特に吸着剤を担持した吸着フィルタを回転式のガス吸着装置に用いている。このような回転式で、空気中の湿分やVOC等の有機ガスを吸着、濃縮する装置において、一般に吸着には円形のハニカム構造体の吸着フィルタが用いられる。この吸着フィルタは回転し、処理空気が流れ込む吸着エリアで、湿分やVOC等の有機ガスを吸着しながら、回転する。そして、再生回収エリアに入ると、ヒーター等の加熱装置によって温められた空気に吸着フィルタがさらされることで、湿分や有機ガスが吸着剤から放出され、濃縮された湿分や有機ガスを高濃度で回収することができる。しかしながら、この回収時、つまり吸着剤の再生時に加熱装置からの輻射熱で、吸着フィルタ自体が温められてしまうと、再生後に回転し、吸着エリアに戻っても、フィルタの特に加熱装置側の面が温かいために、吸着がしにくくなり、再生直後のフィルタを通るガスが吸着されにくいという問題点があった。
また、回転しているフィルタが再生時に温められることにより、吸着エリアでは、吸着剤への吸着熱だけでなく、処理空気が温められてしまうため、処理された空気が排出されるとき、暖かい風となって吹き出てしまい、不快感を与えるという問題点があった。
また、加熱再生をすばやく行なうためには、加熱温度を高く設定する必要があるが、加熱装置の輻射熱があるためフィルタが劣化してしまうために、加熱温度を高くできないという問題点があった。
また、吸着フィルタの端面は、粉が落ちるためコーティング処理をしなくてはならず、その塗布が均一であることを確認するために、顔料などをコーティング剤に入れるほうが望ましく、輻射熱による温度上昇の原因である赤外線吸収の一因となっていた。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、加熱装置からの吸着フィルタへの輻射熱による加熱を抑えることができ、回転フィルタが加熱装置から熱される加熱再生エリアから出たときに、フィルタが温まりすぎて、吸着を妨げることが無いようにするものである。
また、回転したフィルタ自体の温まりが抑えられているために、通過空気が温められるのも抑えられ、室内への温風の吹き出しによる不快感を抑えることができる。
また、加熱装置からの熱線によるフィルタの熱劣化を抑えることができ、その分加熱装置の温度を高くすることができる。
また、端面をコーティングするだけなので、従来のものと比較してもフィルタの圧力損失があがることはなく、再生の際の加熱空気を冷ますこともないものである。
本発明の表面処理剤および処理された吸着フィルタは上記目的を達成するために、吸着フィルタの表面処理剤として赤外線を反射する材料を含む液を吸着素子の通気方向の上流と下流の両端面もしくは片端面のみに塗布することを特徴としたものである。
この手段により、空気中の湿分や、VOC等の有機ガスを吸着、濃縮する装置において、吸着フィルタが回転し、吸着フィルタが吸着エリアに流れ込んだ処理空気中の湿分や有機ガスを吸着後、再生エリアでヒーター等の加熱装置によって、湿分や有機ガスを吸着剤から放出し、濃縮された湿分や有機ガスを回収する装置において、加熱装置からの吸着フィルタへの輻射熱による加熱を抑えることができ、再生後に回転した吸着フィルタが加熱装置の加熱再生エリアから出たときに、吸着フィルタが温まりすぎて、吸着を妨げることが無いようにすることができる。
また、回転した吸着フィルタ自体の温まりが抑えられているために、通過空気が温められるのも抑えられ、室内への温風の吹き出しによる不快感を抑えることができる。
また、加熱装置からの熱線による吸着フィルタの熱劣化を抑えることができる。
また、それによる再生時の加熱された空気には影響を与えずに素子の圧力損失も従来の吸着フィルタと変わらない吸着フィルタが得られる。
また、赤外線反射材料に色付きのものを選ぶことで、吸着フィルタへの塗布量を目視確認できる。
本発明によれば、空気中の湿分や、VOC等の有機ガスを吸着、濃縮する装置において、吸着フィルタが回転し、吸着素子が湿分や有機ガスを吸着後、再生エリアでヒーター等の加熱装置によって、湿分や有機ガスを吸着剤から放出し、濃縮された湿分や有機ガスを回収する装置において、素子の表面もしくは端面に赤外線を反射する材料を塗布することで、加熱装置からの吸着フィルタへの輻射熱による加熱を抑えることができ、回転した吸着フィルタが加熱装置の加熱再生エリアから出たときに、再生した吸着フィルタが温められており、吸着を妨げることが無いようにすることができる。
また、回転した吸着フィルタ自体の温まりが抑えられているために、通過空気が温められるのも抑えられ、室内への温風の吹き出しによる不快感を抑えることができる。
また、加熱装置からの熱線による吸着フィルタの熱劣化を抑えることができる。
また、素子の端面部のみをコートすることで再生時の加熱空気には影響を与えずに素子の圧力損失も変わらない吸着フィルタを提供できる。
また、赤外線を反射する材料を無機バインダに分散した液として塗布することで、高温の加熱ヒーターによる再生にも耐えられるし、無機バインダが硬化することで赤外線反射材料も固定され、強く吸着フィルタに接着することが可能である。
また、処理液中にセピオライト、ゼオライト、アパタイト、ベントナイト、タルクのうちいずれかひとつもしくは複数を少量混ぜることで、液の粘度を任意のものに調整し、スプレー噴霧、ローラー塗り、刷毛塗りなどさまざまな工法に対応が可能になる。また、無機鉱物であるセピオライト、ゼオライト、アパタイト、ベントナイト、タルクを混ぜることで処理面の表面強度が向上する。
また、吸着フィルタの形状としては、1枚を平らなままの平面シート、他方を波形に成形加工した波形シートとし、それらを波形シートの稜線部で接合し片波成形体を形成した後、前記片波成形体を積層したハニカム構造体や、材料とバインダを混練し、押し出し成形したハニカム構造体や、空孔があいており空気が通過できるようになった空隙を有するような発泡成形体などが挙げられ、それぞれの成形体における通気方向の端部、特に切り口に塗布し、切り口からの材料の粉おちを防ぐとともに、熱線からの保護をすることが可能である。
また、赤外線反射材料が色付きであることによって、フィルタへの塗布量を目視確認できる。
本発明の請求項1記載の発明は、少なくとも赤外線を反射する材料を含む表面処理剤とすることにより、赤外線を反射し、熱吸収を防ぐことができる表面処理剤が得られる。
また、本発明の請求項2記載の発明は、少なくとも赤外線を反射する材料と、無機バインダからなる表面処理剤とすることで、加熱装置からの熱が300℃以上の高温であっても、有機バインダのように分解することなくフィルタに接着できる効果がある。また、バインダが乾燥して硬化することにより、フィルタの表面が固められ、ハンドリング性が向上するという作用を有する。
また、無機バインダとしては、コロイダルシリカ、Na2O・SiO2、K2O・SiO2、LiO2・SiO2、(R4N)2O・SiO2などのアルカリシリケート、酸性金属リン酸塩などが挙げられる。
また、本発明の請求項3記載の発明は赤外線を反射する材料として、750ナノメートルから3000ナノメートルまでの赤外の波長領域の光を反射する特性をもつ鉄、ニッケル、コバルト、クロム、銀、アルミニウム、銅のうちひとつもしくは複数ふくむの金属もしくは金属の酸化物が挙げられ、反射率のより高いものが望ましい。
また、本発明の請求項4記載の発明は、上記の表面処理剤中に、セピオライト、ゼオライト、アパタイト、ベントナイト、タルクのうちいずれかひとつもしくは複数を混入することで、液の粘度を任意のものに調整し、スプレー噴霧、ローラー塗り、刷毛塗りなどさまざまな工法に対応が可能になる。
また、無機鉱物であるセピオライト、ゼオライト、アパタイト、ベントナイト、タルクを混ぜ、これを高温で焼き固めることで表面処理剤中の無機鉱物がセラミック化し、塗布した面の強度が向上する。
また、本発明の請求項5記載の発明は、フィルタに塗布することにより、加熱装置や光源による赤外線が反射され、赤外線の熱吸収を防ぎ、赤外線輻射でフィルタ自体が加熱されるのを防ぐという作用を有する。
また、本発明の請求項6記載の発明は、フィルタの形状として、1枚を平らなままの平面シート、他方を波形に成形加工した波形シートとし、それらを波形シートの稜線部で接合し片波成形体を形成した後、前記片波成形体を積層したハニカム構造体が挙げられる。そして吸着剤を、ハニカム構造体を構成するシートの内部および表面に吸着剤を担持する。そして、通気端面に前述の表面処理剤を塗布し、ハニカム型吸着フィルタを得る。
このハニカム型吸着フィルタをもちいて、空気中の湿分や、VOC等の有機ガスを吸着、濃縮する装置を構成する。構成は、ハニカム型吸着フィルタは回転し、処理空気が流れ込む吸着エリアで、空気中の湿分もしくは有機ガスを吸着しながら、回転し、もう一方の放出エリアに入ると、ヒーター等の加熱装置によって、温められた低湿もしくは低濃度の有機ガスの空気にさらされ、吸着剤に吸着していた湿分や有機ガスを放出し、濃縮された湿分や有機ガスを回収することができる。この際、加熱装置から必要な加熱空気がおくられ、吸着剤から湿分もしくは有機ガスを回収するが、加熱装置からの赤外線は、フィルタの端面処理剤が反射するため、フィルタが温まりにくくなる。
そのため、フィルタが加熱装置の加熱再生エリアから出たときに、フィルタが温まりすぎて、吸着を妨げることが無くなり、吸着効率が上がる。また、回転したフィルタ自体の温まりが抑えられているために、通過空気が温められるのも抑えられ、室内への温風の吹き出しによる不快感を抑えられる。また、加熱装置からの熱線によるフィルタの熱劣化を抑えることができる。
また、端面をコーティングするだけなので、従来のものと比較してフィルタの圧力損失があがってしまったり、再生の際の加熱空気を冷ましてしまったりはしないものである。
また、本発明の請求項7記載の発明は、ハニカム構造体としてガラス繊維もしくはセラミック繊維のいずれかひとつもしくは両方を使用することによって、基材に有機分があったとしても、水に濡らした時の変形を著しく小さく抑えることが可能である。
また請求項8記載の発明は、平面シートと波形シートが湿度やVOC等の有機ガスを吸着放出できる吸着性の高分子物質を含むシートで構成し、ハニカム構造の吸着フィルタが得られる。これにより、吸着剤を担持するよりもシート内にバラツキなく吸着能力を持たせることができ、吸着剤をシート内部および表面に担持する作業がなくなりコストダウンできる。
また、フィルタの形状としては本発明の請求項9および10記載の発明のように、空気が通過できる空隙を有する通気フィルを用いることができる。前記のハニカム構造体と異なった形状でかつ表面積が広いフィルタが得られる。その構造として、骨格部分が発泡樹脂で構成されているものや、セラミックで構成されているものがあり、発泡樹脂やセラミックの上に吸着剤を担持することが可能である。また、前記の骨格となる通気部を持つ発泡樹脂の上に吸着剤を無機バインダとともに担持し、樹脂を焼き飛ばすことによって、吸着剤の通気フィルタを得ることもできる。また、上記の発泡樹脂の成分としてはとして、ウレタンなどが挙げられる。
また、ほかのフィルタ形状として本発明の請求項11記載の発明のように、少なくとも吸着剤とバインダ成分を含んだ材料で、押し出し成形によって形成するハニカム構造体もある。
そして、それぞれの成形体フィルタにおいても、通気方向の上流もしくは下流もしくはその両方の端部、特に切り口に塗布し、切り口からの材料の粉おちを防ぐとともに、熱線からの保護をすることが可能である。
また、請求項12記載の発明の吸着剤に担持する吸着剤としてはシリカゲル、ゼオライト、活性炭、塩化リチウム、珪藻土、セピオライト、酸化アルミナなどがあげられ、これらが一種類でも複数種であってもフィルタ上に担持されていて良い。吸着剤は、吸着回収したい湿分やガスの種類によって変更したり、担持量の配合比率を変更したりすることができる。
また、本発明の請求項13記載の発明のように、フィルタが無機材料のみで構成される場合は、加熱再生の際に、有機分が入ったフィルタのように燃える心配がないために高温で加熱できるため、より早い再生が可能であり、また、輻射熱も遮っているため、素子の耐熱性も向上しているためにより高温空気にしたほうがではやい再生が可能となる。
また本発明の請求項14記載の発明の装置は、吸着フィルタを備え、通気ファンによって処理空気が装置内に取り込まれ、上記の吸着フィルタを通ることで、処理空気中の湿分もしくはVOC等の有機ガスを吸着することができ、処理空気が流れるのとは別の部位で加熱装置によって吸着フィルタに温風を与え、吸着した湿分もしくは有機ガスを処理空気より高濃度で回収、濃縮することができ、そして、回収した湿分もしくは有機ガスを例えば冷却などで液化し回収することが可能となる。
このとき、吸着処理したいガスに合わせて吸着剤を変更することで、多種の有機ガスを吸着することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、ギアなどの回転手段1によって吸着剤を担持した吸着フィルタ2を回転させる。これにより、吸着フィルタ2は、回転によって処理ゾーンと再生ゾーンを交互にとおる。処理ゾーンではファン3などにより処理空気4が吸着フィルタ2内を通り、吸着フィルタ2が処理空気中の水分を吸着する。再生ゾーンでは、ヒーターなどの加熱手段5をとおって吹き出る温風6によって吸着フィルタ2の吸着剤に吸着した水分7が脱着し、脱着した水分7は熱交換機8によって冷却され、飽和して水滴となって回収される。こうして、吸着再生を繰り返す除湿空調システム構成することができる。
このとき図2に示すように、平形シートと波形シート(のぞましくは焼成し有機成分をなくした後も形状を保持できるようにシート中にガラス繊維もしくはセラミック繊維が成分比で40%以上入ったものが望ましい)を円形に積層し、そのシート上に吸着剤(例えば、ゼオライト、シリカゲルで望ましくは不燃性の吸着剤であれば加熱再生の際に高温で再生できるので良い)を担持した吸着フィルタ9を作成する。またこの吸着フィルタ9は一度400℃以上で焼成するほうが、有機成分を焼き飛ばし無機成分のみのフィルタとすることで、加熱再生の際に有機分があるものより高温で再生でき、劣化しにくいので望ましい。
そして赤外線を反射する材料粉末である赤外線反射材料10、たとえば鉄、ニッケル、コバルト、クロム、銀、アルミニウム、銅のうちひとつもしくは複数ふくむの金属もしくは金属の酸化物で、750ナノメートルから3000ナノメートル以上の光の反射率のより高いものが望ましい、と無機バインダ11、例えばコロイダルシリカやNa2O・SiO2、K2O・SiO2、LiO2・SiO2、(R4N)2O・SiO2などのアルカリシリケート、酸性金属リン酸塩、とを混合しボールミル等により分散し、表面処理剤を作成する。そして、吸着フィルタの通気方向の少なくとも加熱装置側の通気面に、ローラー塗りなどによってコーティング処理を施す。
そして図1に示すような装置にその吸着フィルタ9を設置する。設置された吸着フィルタは図2に示すように、加熱装置12からの温風13が吹き込む再生ゾーンにおいて、加熱装置12からの温風13は吹き込み、吸着剤14から水分15が放出される。このとき、加熱装置12からは赤外線などの熱線16が同様に吸着フィルタ9に届くが、赤外線反射材料10に熱線16があたることで、熱線を反射し、吸着フィルタ9は温まりにくくなる。
これによって、吸着フィルタ9が温まりにくくなり、吸着フィルタ9が加熱装置12の加熱再生エリアから出たときに、吸着フィルタ9が温まりすぎて、吸着を妨げることが無くなり、システムとしての吸着効率が上がる。また、回転した吸着フィルタ9自体の温まりが抑えられているために、通過空気が温められるのも抑えられ、室内への温風の吹き出しによる不快感を抑えられる。また、加熱装置からの熱線による吸着フィルタ9の熱劣化を抑えることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では吸着フィルタのハニカム構造のシートの内部および表面に吸着剤を担持したが、シートを作成する際に吸着性高分子などを含む繊維を同時に漉きこむことで吸着シートを作成し、これを平形と波形のシートに加工することで、ハニカム構造の吸着フィルタを得る。ただし、再生の際に高温をかけると劣化する可能性が高いので、再生温度は80℃以下の空気温度に制御する。また、加熱装置からの輻射熱が赤外線反射材料で反射しきれずに、吸着フィルタの加熱装置側表面において吸着性高分子が劣化するような温度に上がらないように制御する必要がある。また、表面処理剤の塗布量を多くする等の工夫が必要になる。
(実施の形態3)
実施の形態1では吸着フィルタの構造に、平形シートと波形シートを円形に積層したハニカム構造体を用いたが、空気が通過できるだけの空孔を持つ発泡樹脂を用いる。その材料としてはウレタン発泡樹脂が望ましい。
(実施の形態4)
実施の形態3では発泡樹脂を用いたが、代わりに同様の形状をもつセラミック体を用いる。またセラミック発泡体を得る方法としては、発泡樹脂にセラミック体をコーティングして、発泡樹脂を焼き飛ばすことで得られる。このときの焼成温度は、のぞましくは樹脂が焼き飛ばされるだけでなくセラミックが硬化する温度以上のほうが望ましい。
(実施の形態5)
実施の形態1では吸着フィルタの構造に、平形シートと波形シートを円形に積層したハニカム構造体を用いたが、吸着剤とバインダ成分を含んだ材料で押し出し成形によって形成したハニカム構造体とする。
(実施の形態6)
実施の形態1では吸着剤として、湿分を吸着するものとしたが、VOCなどの有機ガスを吸着回収するために、たとえば疎水性ゼオライトや活性炭などの有機ガスを吸着するものとし、装置を有機ガス吸着回収の装置とする。
(実施の形態7)
実施の形態1では表面処理剤に赤外線を反射する材料粉末と無機バインダとを混合しボールミル等により分散し、表面処理液を作成したが、上記液に、無機鉱物、例えばセピオライト、ゼオライト、アパタイト、ベントナイト、タルク等で水分散し、かつ攪拌分散後の粘度変化の小さいものが望ましい、を上記表面処理液に加え、攪拌することで粘度調整を行い、ローラー塗り、刷毛塗り、スプレー塗りなどその工程にあった作業がしやすい粘度に調整する。また、無機鉱物はボールミルを行なうと増粘して制御しづらくなるので、一定回転数の攪拌機等で攪拌するのが望ましい。また、表面処理後吸着フィルタごと無機バインダと無機鉱物が脱水縮合により硬化する温度、望ましくは100℃以上で乾燥させることが望ましい。
除湿空調機に用いられる吸湿フィルタの表面に赤外線反射機能を持たせることで、吸着再生効率を上げ、従来のものより低温で除湿された処理空気を提供できる空調機として適用できる。また、有機ガス濃縮機としても同様に、吸着再生の効率を高めた空調機として適用できる。
本発明の実施の形態1の除湿空調機をあらわす図 同吸着フィルタの再生ゾーンでの仕組みを示した図 従来の片波成形体をあらわす図 従来の円柱状ハニカム構造体をあらわす図 従来の角柱状ハニカム構造体をあらわす図
符号の説明
1 回転手段
2 吸着フィルタ
3 ファン
4 処理空気
5 加熱手段
6 温風
7 水分
8 熱交換機
9 吸着フィルタ
10 赤外線反射材料
11 無機バインダ
12 加熱装置
13 温風
14 吸着剤
15 水分
16 熱線

Claims (14)

  1. 少なくとも赤外線を反射する材料を含みフィルタの表面をコーティング処理する表面処理剤。
  2. 少なくとも赤外線を反射する材料と無機バインダとからなる請求項1記載のフィルタの表面処理剤。
  3. 赤外線を反射する材料が、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、銀、アルミニウム、銅のうちのひとつもしくは複数からなる金属もしくは金属酸化物である請求項1または2記載のフィルタの表面処理剤。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の表面処理剤に、セピオライト、ゼオライト、アパタイト、ベントナイト、タルクのうちいずれかひとつもしくは複数が混入していることを特徴とするフィルタの表面処理剤。
  5. 空気が通過できる空隙を有し、その空隙を通過する湿分や有機ガスを吸着するフィルタにおいて、その通気方向に対して両端もしくは片端に、請求項1乃至4のいずれかに記載の表面処理剤を塗布したことを特徴とする吸着フィルタ。
  6. 波形シートと平形シートを交互に並べ構成したハニカム構造体のシートの内部および表面に吸着剤を担持し、通気方向に対して両端もしくは片端に、請求項1乃至4のいずれかに記載の表面処理剤を塗布していることを特徴とする請求項5記載の吸着フィルタ。
  7. ハニカム構造体が、少なくともガラス繊維とセラミック繊維の両方、もしくはどちらか一方を含んでいることを特徴とする請求項6記載の吸着フィルタ。
  8. 波形シートと平形シートを交互に並べ構成したハニカム構造体のシートが少なくとも吸着性の高分子繊維物質で構成されており、その通気方向に対して両端もしくは片端に、請求項1乃至4のいずれかに記載の表面処理剤を塗布していることを特徴とする請求項5記載の吸着フィルタ。
  9. 空気が通過できる空隙が、空気が通過できる空孔をもつ発泡樹脂を骨格として構成され、これに吸着剤を担持したことを特徴とする請求項5記載の吸着フィルタ。
  10. 空気が通過できる空隙が、空気が通過できる空孔をもつセラミックを骨格として構成され、これに吸着剤を担持したことを特徴とする請求項5記載の吸着フィルタ。
  11. 少なくとも吸着剤とバインダ成分を含んだ材料で押し出し成形によって形成したハニカム構造体に、その通気方面に対して、両端もしくは片端に、請求項1乃至4のいずれかに記載の表面処理剤を塗布していることを特徴とする請求項5記載の吸着フィルタ。
  12. 吸着剤が、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、塩化リチウム、珪藻土、セピオライト、酸化アルミナのいずれかひとつもしくは複数のもので構成されることを特徴とする請求項6、7または請求項9乃至11のいずれかに記載の吸着フィルタ。
  13. 請求項5乃至8または請求項10乃至12のいずれかに記載のフィルタが全て無機材料のみで構成されることを特徴とする吸着フィルタ。
  14. 請求項5乃至13のいずれかに記載の吸着フィルタを備え、少なくとも通気ファン、加熱装置および加熱して放出されたガスを回収する手段を備え、ファンによって吸い込まれる処理空気中の湿分もしくは揮発性の有機ガスを吸着フィルタによって吸着し、また、加熱装置によって作られる温風によって吸着フィルタから吸着ガスを放出し、放出した湿分もしくは揮発性有機ガスを回収することを特徴としたガス吸着回収装置。
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