JP2007098310A - 二流体ノズルとそれを用いた噴霧方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で、噴霧分布の均等性を向上しつつ、衝突力及び洗浄力を向上できる二流体ノズルおよびそれを用いた噴霧方法を提供する。
【解決手段】二流体ノズルは、互いに対向する一対の長尺なユニット1,7間に形成された混合空間6と、少なくとも一方のユニット1,7に形成され、かつ前記混合空間に臨む気体噴射口3及び液体噴射口9と、前記混合空間6で混合された混合ミストを吐出するためのスリット状吐出口15とを備えている。気体噴射口3及び液体噴射口9の上流側には流体溜部としてのチャンバ4,10,13と、各チャンバに連なる気体供給口5及び液体供給口14が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】二流体ノズルは、互いに対向する一対の長尺なユニット1,7間に形成された混合空間6と、少なくとも一方のユニット1,7に形成され、かつ前記混合空間に臨む気体噴射口3及び液体噴射口9と、前記混合空間6で混合された混合ミストを吐出するためのスリット状吐出口15とを備えている。気体噴射口3及び液体噴射口9の上流側には流体溜部としてのチャンバ4,10,13と、各チャンバに連なる気体供給口5及び液体供給口14が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、気体と液体との二流体を混合して噴射又は噴霧するのに有用な二流体ノズルと、このノズルによる混合ミストの噴射方法、例えば、半導体ウエハーや液晶基板などの被洗浄体を洗浄するのに有用な二流体ノズルと、混合ミストの噴霧方法に関する。
空気と水との二流体を混合して霧状に噴射又は噴霧する方法として、空気と水とをそれぞれノズルに導入し、混合ミストをノズルの噴射口から噴射させる方法が知られている。
例えば、実用新案登録第2510286号公報(特許文献1)では、エア供給管と、このエア供給管の内部に挿入して配設された水供給管と、エア供給管及び水供給管の双方に軸方向に間隔をあけ、かつ対向して穿設されたノズル取付孔と、対向するノズル取付孔に貫通させて挿入固着して取り付けられた1つのノズルと、このノズルに形成され、かつエア供給管及び水供給管の内部と連通して開口した各流体の導入口とを備えている二流体ノズルが開示されている。このノズルでは、エア供給管及び水供給管の導入口を通じて、ノズル内にエア及び水を導入して、ノズル内の混合室で混合し、吐出口から噴霧している。特開2002−96003号公報(特許文献2)には、加圧空気供給源に接続される空気通路と、液体供給源に接続される液体通路とを有するノズル本体と、このノズル本体の下流端に配置されたエアキャップとを備えたスプレーノズルであって、前記エアキャップが、液体通路からの液体を衝突させ半径方向に送るための当接面と、半径方向に送られた液体を加圧空気流で細分化するために前記当接面の周りに形成された拡張室と、前記当接面の周りに対向して設けられ、かつ前記拡張室及び角度付き排出オリフィスと通じているとともに円周方向に間隔をおいて形成された複数の軸線方向流路とで構成されているスプレーノズルが開示されている。また、この文献には、円筒状液体供給源路を円筒状空気供給源路内に収容し、液体供給源路からの液体をノズル本体の液体通路に供給し、空気供給源路からの加圧空気をノズル本体の空気通路に供給することも記載されている。このスプレーノズルでは、液体通路を通った液体をエアキャップの当接面に衝突させ、当接面の周りの拡張室において、空気通路を通って導入された加圧空気により細分化及び霧化し、外側に拡大する円錐状スプレーパターンで排出オリフィスから霧化液流を排出できる。
しかし、これらのスプレーノズルでは、ノズル本体(ノズルヘッド)内に空気供給路及び水供給路を形成し、空気と水とを混合させる必要がある。そのため、構造が複雑化するとともに、ノズルの部品点数も多くなり、コスト高となる。さらに、ノズル本体が水供給管及び空気供給管に対して溶接などにより固着しているため、異物が混入して目詰まりなどが生じても分解できず、メインテナンス(供給管やノズル本体の洗浄など)が困難となる。
これらの課題を解決するため、特開2004−237282号公報(特許文献3)には、気体噴射口を有する気体供給ユニットと、液体噴射口を有する液体供給ユニットと、これらのユニットを収容し、かつ気体と液体との混合ミストを吐出するための吐出口を有するノズル本体と、このノズル本体内に形成され、前記ユニットからの気体と液体とを混合するための混合空間とを備えた二流体ノズルが開示されている。この特許文献には、吐出口にノズルチップが装着された例が示されている。しかし、ノズル本体の長手方向に複数のノズルチップを装着すると、噴霧パターンでの厚み方向およびノズル本体の長手方向での混合ミストの噴霧分布(衝突力分布や水量分布)が不均一化しやすくなり、衝突力が低減する場合がある。また、上記二流体ノズルでも、さらに構造の簡素化が求められている。
特許第3544650号公報(特許文献4)には、積層された少なくとも3枚の板状体の隙間に長手方向に延びる複数のスリットを形成し、これらのスリットの1つを気体噴出口、他のスリットを液体噴出口とした気体−液体吹きスリットノズルにおいて、中央部の板状体の先端部を噴出口よりも前方に延ばし、他方の噴出口側に向けて傾斜させた傾斜面として、流体の持つ粘性を利用して傾斜面に沿って流体を偏向させ、他方の噴出口から噴出される液体と衝突させて噴霧するスリットノズルが開示されている。このスリットノズルでは、傾斜面に沿って他方の噴出口方向に偏向した流体と、他方の噴射口からの流体とをノズルの外部で衝突させて混合できる。しかし、ノズルの外部で噴出する気体と液体とを混合するため、噴霧パターンが広がるとともに、混合ミストの噴射厚みが大きくなり、衝突力及び洗浄力が低下する。
実用新案登録第2510286号公報(登録請求の範囲)
特開2002−96003号公報(特許請求の範囲)
特開2004−237282号公報(特許請求の範囲)
特許第3544650号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、噴霧分布の均等性を向上しつつ、衝突力及び洗浄力を向上できる二流体ノズルおよびそれを用いた噴霧(又は噴射)方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ミストの噴霧分布を均一化できるとともに、構造を簡素化でき、部品点数を低減できる二流体ノズル及び混合ミストの噴霧(又は噴射)方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、簡単な構造であっても、ノズルの長手方向でのミストの噴霧分布を均一化できる二流体ノズル及び混合ミストの噴霧(又は噴射)方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、長尺で板状(例えば、肉厚板状)の一対のユニット間に混合空間とこの混合空間の下流側に位置するスリット状吐出口とを形成し、前記一対のユニットに形成された気体噴射口及び液体噴射口から気体と液体とを前記混合空間に噴射すると、ノズルの構造を複雑化させることなく、混合空間で気体と液体とを効率よく衝突混合できるとともにスリット状吐出口から混合ミストを均等な分布で、しかも高い衝突力で吐出できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の二流体ノズル(噴射ノズル又は噴霧ノズル)は、気体噴射口からの気体(空気など)と液体噴射口からの液体(水など)とを混合するための混合空間と、この混合空間で混合された混合ミストを吐出するための吐出口とを備えている。この二流体ノズルは、複数のユニットの組み合わせ(又は突き合わせ)により前記混合空間及び吐出口(スリット状吐出口)が形成可能である。二流体ノズルは、例えば、複数のユニットを、互いに対向し、かつ気体噴射口と液体噴射口とを有する一対のユニットで構成してもよく、前記気体噴射口及び液体噴射口の下流側において前記一対のユニット間に混合空間を形成してもよく、混合空間の下流側において前記一対のユニット間に吐出口を形成してもよい。複数のユニットは、気体噴射口と液体噴射口とを個別に有する複数のユニットで構成してもよく、少なくとも1つのユニットが気体噴射口及び液体噴射口の双方を有する複数のユニットで構成してもよい。複数のユニットは、例えば、気体噴射口を有する気体供給ユニットと、液体噴射口を有する液体供給ユニットとで構成してもよく、気体供給ユニットと液体供給ユニットとの間には、気体噴射口からの気体と液体噴射口からの液体とを混合するための混合空間と、この混合空間で混合された混合ミストを吐出するためのスリット状吐出口とを形成してもよい。
複数のユニットは、例えば、気体噴射口及び液体噴射口を有する供給ユニットと、この供給ユニットと対向(又は対峙)する対向(又は対峙)ユニットとで構成してもよい。供給ユニットと対向ユニットとの間には、気体噴射口からの気体と液体噴射口からの液体とを混合するための混合空間と、この混合空間で混合された混合ミストを吐出するためのスリット状吐出口とを形成してもよい。
なお、少なくとも一方のユニットには、気体噴射口と液体噴射口のうち少なくとも一方の噴射口が形成され、気体噴射口と液体噴射口とは、それぞれ混合空間に臨んでいる。また、互いに隣接する複数のユニットは、吐出口の領域を除き、突き合わせ部(突き合わせ面又は当接面)がシール可能である。
このような二流体ノズルでは、気体噴射口からの気体と液体噴射口からの液体とをノズル内の混合空間で効率よく衝突混合できるので、吐出口からの混合ミストを小さな噴射厚みでしかも均一な分布で噴霧又は噴射できる。そのため、衝突力又は洗浄力を向上できるとともに、噴霧ミストの均一性又は均等性(衝突力分布、水量分布など)を向上できる。しかも、複数のユニット(例えば、一対のユニット)の組み合わせにより二流体ノズルを構築できるので、部品点数を大きく低減できるとともに構造を簡素化できる。さらに、二流体ノズルが長尺状であっても、簡単な構造で、ノズルの長手方向でのミストの噴霧分布を均一化できる。
混合空間は、複数のユニットの対向面(互いに対向する少なくとも一対のユニット)に沿って形成でき、前記対向面に沿った方向(混合空間が延びる対向面の方向)と、気体噴射口及び液体噴射口からの気体及び液体の噴射方向とが交差していてもよい。このような形態では、混合空間の内壁も含めて混合空間内で気体と液体とを効率よく衝突混合でき、混合ミストの液滴を微細化及び均一化できる。
流体を均一に混合空間に噴射させるため、前記気体噴射口及び/又は液体噴射口に隣接する上流側にはチャンバ(流体溜め部)を形成してもよい。このチャンバは気体噴射口及び液体噴射口のうち少なくとも一方の噴射口に連なって形成すればよく、例えば、少なくとも液体噴射口の上流側に、連通部(例えば、孔状連通部)を介してチャンバ(1又は複数のチャンバ)が連通していてもよい。噴射口から流体を高い均等性で混合空間に噴射するため、チャンバは、複数のチャンバ、例えば、第1のチャンバと第2のチャンバとで構成してもよい。
気体噴射口と液体噴射口との吐出口に対する位置関係は特に制限されず、気体噴射口は、スリット状吐出口に対して液体噴射口と対向する位置や液体噴射口の下流側に形成してもよいが、液体噴射口よりも上流側に形成する場合が多い。
気体噴射口及び液体噴射口の形状は特に制限されないが、少なくとも一方の噴射口はスリット状又は孔状である場合が多い。気体噴射口と液体噴射口との形状の組み合わせは、(a)スリット状気体噴射口とスリット状液体噴射口との組み合わせ、(b)スリット状気体噴射口と孔状液体噴射口との組み合わせ、又は(c)孔状気体噴射口とスリット状液体噴射口との組み合わせであってもよく、(d)孔状気体噴射口と孔状液体噴射口との組み合わせであってもよい。なお、液体噴射口がスリット状であり、気体噴射口が孔状である場合が多い。さらに、二流体ノズルは、吐出口のスリット幅を調整するためのスリット幅調整手段、又は複数のニットを固定するための固定手段を備えていてもよい。
より具体的には、二流体ノズルは、互いに対向する一対の長尺なユニット間に形成された混合空間と、一対のユニットのうち少なくとも一方のユニットに形成され、かつ前記混合空間に臨む気体噴射口及び液体噴射口と、一対のユニットの間に形成され、かつ前記混合空間で混合された混合ミストを吐出するためのスリット状吐出口と、気体噴射口及び液体噴射口に隣接する上流側にそれぞれ形成されたチャンバと、各チャンバに連なる気体供給口及び液体供給口と、前記スリット状吐出口の域を残して対向する一対のユニット間をシールするためのシール手段と、対向する一対のユニットを固定するための固定手段とを備えていてもよい。このようなノズルにおいて、気体噴射口及び液体噴射口は長尺なユニットの長手方向に所定間隔毎に形成できる。
さらに本発明は、気体と液体とを混合し、生成した混合ミストを吐出孔から噴霧する方法であって、気体供給ユニットの気体噴射口からの気体と、液体供給ユニットの液体噴射口からの液体とを、前記気体供給ユニットと液体供給ユニットとの間に形成された混合空間で混合し、前記気体供給ユニットと液体供給ユニットとの間に形成された吐出孔から気体と液体との混合ミストを噴射(又は噴霧)する方法も包含する。
本発明では、気体と液体とをノズル本体内の混合空間で衝突混合させて吐出口から混合ミストを噴霧するので、噴霧分布の均等性を向上しつつ、衝突力及び洗浄力を向上できる。また、ミストの噴霧分布を均一化できるとともに、構造を簡素化でき、部品点数を低減できる。さらに、簡単な構造であっても、ノズルの長手方向でのミストの噴霧分布を均一化できる。
以下に必要に応じて添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の二流体ノズル(噴射ノズル)の一例を示す断面斜視図であり、図2は図1に示すノズルの一方のユニットの概略平面図である。なお、以下の例では、液体として水(高圧水などの加圧水)を用い、気体として空気(加圧空気)を利用している。
この二流体ノズルは、互いに対向する板状で長尺の一対のユニット(一対の非腐食性金属製プレート)1,7で構成されており、一対の板状ユニット1,7は互いに周縁部で面接触又はシール可能である。一対の板状ユニット1,7間には板状ユニット1,7の対向面に沿って延びる混合空間(この例では、縦方向に延びる混合空間)6が形成されている。この混合空間は、一対の板状ユニット1,7の対向面に長手方向に沿って所定の幅(縦方向の長さ)で形成された階段状凹部(階段状凹溝)と、この階段状凹部への配設又は装着により流路(必要により流体を溜めるための流体溜部)を形成可能なプレート2,8とで形成できる。
より詳細には、ノズル本体を構成する一対の板状ユニット1,7のうち一方のユニット(第1のユニット又は気体供給ユニット)1には、長手方向に沿って所定幅(縦方向の長さ)で延び、かつ混合空間6の一部を形成するための第1の凹部6aと、この第1の凹部の底部で長手方向に沿って延び、かつ第1の凹部6aよりも幅が狭い第2の凹部2aと、この第2の凹部の底部で長手方向に沿って延び、かつ第2の凹部(縦方向の長さ)よりも幅が狭く、チャンバ(又は気体溜部)4を形成するための第3の凹部4aと、第3の凹部を覆って第2の凹部内に位置決めして配設された長尺の気体供給プレート2と、この気体供給プレートの長手方向に沿って所定間隔毎に形成された孔状気体噴射口3と、前記第3の凹部4aに通じる気体供給口5とが形成されている。また、混合空間6を形成する第1の凹部6aからはスリット状吐出口を形成するための薄片状の切り欠き15aも形成されている。
一方、他方のユニット(第2のユニット又は液体供給ユニット)7には、長手方向に沿って所定幅(縦方向の長さ)で延び、かつ混合空間6の一部を形成するための第4の凹部6bと、この第4の凹部の底部で長手方向に沿って延び、かつ第4の凹部(縦方向の長さ)よりも幅が狭く、第1の液体供給プレート8を装着するための第5の凹部8bと、この第5の凹部の底部で長手方向に沿って延び、かつ第5の凹部(縦方向の長さ)よりも幅が狭く、チャンバ(液体溜部)10を形成するための第6の凹部10bと、この第6の凹部の底部で長手方向に沿って延び、かつ第6の凹部(縦方向の長さ)よりも幅が狭く、第2の液体供給プレート11を装着するための第7の凹部11bと、この第7の凹部の底部で長手方向に沿って延び、かつ第7の凹部(縦方向の長さ)よりも幅が狭く、チャンバ(液体溜部)13を形成するための第8の凹部13bと、前記第6の凹部10bを覆って第5の凹部8b内に位置決めして配設された長尺の第1の液体供給プレート8と、この第1の液体供給プレートの下部端面と第5の凹部との間に形成された断面L字状のスリット状流路又は噴射口(液体供給プレートの下部端面に沿って形成されたスリット状流路又は噴射口)9と、第8の凹部13bを覆って第7の凹部11b内に位置決めして収容された長尺の第2の液体供給プレート11と、この第2の液体供給プレートの長手方向に沿って所定間隔毎に形成された孔状液体流路又は噴射口12と、前記第8の凹部に通じる液体供給口14とが形成されている。前記第1の凹部と第4の凹部は混合空間6を形成し、第6の凹部は第2のチャンバ(液体溜部)10を形成し、第8の凹部は第1のチャンバ(液体溜部)13を形成する。なお、混合空間6を形成する第1の凹部6bからはスリット状吐出口を形成するための薄片状の切り欠き15bも形成されている。
すなわち、互いに対向する一対の長尺ユニット1,7の間には、縦長の混合空間6が形成され、この混合空間には、一方のユニット(第1のプレート)1の気体供給プレート2に形成された孔状気体噴射口3と、他方のユニット(第2のプレート)7の凹部への液体供給プレート8の装着により形成されたスリット状液体噴射口9とが臨んでいる。そのため、一方のユニット1の気体供給口5から供給された気体は、チャンバ(又は気体溜部)4を介して孔状気体噴射口3から混合空間6に噴射され、他方のユニット7の液体供給口14から供給された液体は、第1のチャンバ(液体溜部)13、孔状液体連通流路(又は孔状連通部)12、第2のチャンバ(液体溜部)10を経て、スリット状噴射口9から混合空間6に噴射される。
混合空間6で衝突混合された混合ミストは、混合空間6の下流側において前記一対のユニット1,7の間に沿って長手方向に直線状に形成されたスリット状吐出口15から吐出される。なお、前記スリット状吐出口15の領域を残して、互いに対向する一対のユニット1,7の外周域で間はシール材(フッ素樹脂シートなど)16でシールされ、かつ対向する一対のユニット1,7は、ネジなどの固定手段により固定又は緊密に締結されている。
このような二流体ノズルでは、孔状噴射口3からの気体とスリット状噴射口9からの液体とが対向する方向に噴射され、しかも混合空間6が延びる方向(一対のユニット1,7の対向面に沿った方向,又は混合空間6を形成する内壁)と、気体噴射口3及び液体噴射口9からの気体及び液体の噴射方向とが交差(直交)しているため、混合空間6を形成する一対のユニット1,7の内壁との衝突も含めて、混合空間6では気体と液体との衝突混合効率を向上でき、液滴を微細化しつつ均一化できる。特に、チャンバ(又は気体溜部)4を介して気体噴射口から気体を噴射し、第1のチャンバ(液体溜部)13及び第2のチャンバ(液体溜部)10を経て液体噴射口から液体を噴射するため、気体噴射口3及び液体噴射口9に隣接する上流側にそれぞれ形成された各チャンバ(流体溜部)4,10,13のクッション作用により気体及び液体の圧力及び流量を均等化して噴射できる。そのため、混合空間6での気液の圧力及び流量変動を抑制でき、気液混合効率を高めることができる。さらに、液体をスリット状の形態で噴射口9から噴射するとともに、液体を噴射するためのスリット状噴射口9よりも気体噴射口3が縦方向の上部(上流側)に位置するため、混合空間6での気体と液体との混合効率を大きく向上できる。従って、スリット状吐出口15からの噴霧角度が広がるのを抑制しつつ、シャープな噴霧パターン液滴が微細で均質化された混合ミストを噴射でき、衝突力及び洗浄力を向上できるとともに、ミストの噴霧分布の均等性又は均一性を向上できる。すなわち、高い衝突力及び洗浄力を付与しつつ、ノズルの厚み方向および長手方向でのミストの噴霧分布を均一化できる。また、一対のユニット1,7の加工とプレート2,8,11の装着により二流体ノズルを形成できるため、構造を簡素化でき、部品点数を低減できるため、コストを大幅に低減できるとともに、分解、洗浄などによるメインテナンスも容易である。
なお、混合空間及び吐出口は、ノズル本体を構成する複数のユニットの組み合わせ(又は突き合わせ、当接)により形成可能であればよく、ユニットの数は特に制限されない。例えば、二流体ノズルは、互いに対向又は隣接する一対のユニットに限らず、2〜5個程度のユニット、好ましくは2〜3個程度のユニットで構成できる。二流体ノズルのノズル本体は、例えば、(1)互いに面接触可能な断面三角形状の3つのユニットで構成してもよく、(2)断面三角形状の1つのユニットと、このユニットの隣接する2つの隣接面(傾斜面)に対して面接触可能な面を有する2つのユニットとで構成してもよく、(3)互いに面接触可能な面を有する断面三角形状の2つのユニットと、この2つのユニットで形成される接触部が露呈する面に対して面接触可能な面を有する1つのユニット(断面四角形状のユニットなど)とで構成してもよい。3つのユニットで構成する場合、断面形状において各ユニットの接触面はY字状又はT字状の形態を形成してもよい。また、ノズル本体は、隣接する2つの面が互いに接触可能な4つのユニットで構成してもよい。4つのユニットで構成する場合、断面形状において各ユニットの接触面は十字状の形態を形成してもよい。構造を簡素化するとともに部品点数を削減するためには、通常、互いに対向又は対峙する一対のユニット(又は互いに対向する対向面を有する一対のユニット)を用いる場合が多い。各ユニットは、線接触などにより互いに接触して二流体ノズルを構成してもよいが、通常、互いに面接触又は当接可能な部位(特に周縁部に位置する面接触部)を有し、面接触により二流体ノズルを構成する場合が多い。
ユニットは、二流体ノズルの用途に応じて、長尺状(細長状)であってもよく、ブロック状などの形態であってもよい。長尺ユニットは、板状、棒状などであってもよい。
混合空間は、複数のユニットのうち適所、例えば、複数のユニットのうち気体噴射口からの気体と液体噴射口からの液体とが合流する合流域に形成できる。混合空間は、複数のユニットの対向面に沿って形成する場合が多い。例えば、一対のユニットにおいて、混合空間は、通常、互いに対向する一対のユニットの対向面又は対向部位に形成する場合が多い。一対のユニットにおいて、混合空間は、双方のユニットの内面又は対向面の凹部により形成してもよく、一方のユニットの凹部により形成してもよい。後者の場合、凹部に対応する他方のユニットの対向面は面一であってもよい。
混合空間は、前記気体噴射口からの気体と液体噴射口からの液体との合流部又は合流域を含んでいればよく、合流部又は合流域からノズルの縦方向及び/又は横方向や斜め方向に形成してもよく、合流部又は合流域から縦方向の上部(吐出口から遠ざかる方向)に延びる延出空間を有していてもよい。混合空間の縦断面形状は、円形状、楕円状、多角形状(四角形状など)などであってもよく、混合空間は、流体(気体、液体)の噴射方向に沿って延びる空間を有していてもよいが、前記気体噴射口と液体噴射口との合流部又はこの合流部から少なくとも下流方向(吐出口の方向)に形成する場合が多い。混合空間は、縦長形状(例えば、縦長の長方形状、縦長の楕円形状など)に形成する場合が多い。混合空間又はその内壁は、流体の噴射方向に対して交差又は直交する方向に延びて形成するのが有効である。
また、吐出口は、複数のユニットのうち適所、例えば、最下流域に位置する対向部に形成してもよい。一対のユニットにおいて、吐出口は、互いに対向する一対のユニットの最下流域の対向面又は対向部位に形成する場合が多い。一対のユニットにおいて、吐出口は、スペーサやシール材により形成してもよく、双方のユニットの端部内面又は対向面の切り欠きにより形成してもよく、一方のユニットの端部の切り欠き部により形成してもよい。
吐出口は直線状に限らず、一対のユニットのうち一方のユニットと他方のユニットとに互い違い(又は交互に)に形成してもよい。また、吐出口は連続して形成する必要はなく、所定間隔毎に離れて形成してもよい。例えば、所定間隔毎に複数の吐出口を直線上に一列に形成してもよく、所定間隔をおいて複数の吐出口を一列に互い違いに形成してもよい。吐出口の形状は特に制限されず、孔状(丸孔、楕円孔、四角孔状など)、細幅四角形状又はスリット状であってもよいが、通常、スリット状、特に直線状に延びるスリット状吐出口である場合が多い。
吐出口の間隔は、ユニット間(対向するユニットの突き合わせ部又は突き合わせ面)に配されたスペーサやシール材、例えば、ユニット間に介在する前記フッ素樹脂シート、シート状であってもよいシリコーン樹脂などのシール材やスペーサなどを利用して調整してもよく、スリット幅調整手段により調整してもよい。複数のユニットのうち接触して吐出口を形成する対向ユニット(例えば、一対のユニット)の間隔は、等間隔であってもよく、上流側よりも吐出口に対応する下流域で大きくしてもよく、上流側よりも下流域で小さくしてもよい。また、対向ユニット(例えば、一対のユニット)の対向面は、平坦で面一であってもよく、直線状に傾斜していてもよい。
気体噴射口及び液体噴射口は、混合空間で気液を混合できる限り、混合空間と連通していればよいが、通常、混合空間に臨んでいる(又は面している)。気体噴射口及び液体噴射口は、複数のユニットのうち同一又は異なるユニットに形成してもよい。例えば、縦断面形状において4つのユニットにより十字状の接触面を形成する場合、必要であれば1つの接触面には流路を形成することなくシール又は閉止し、Y字状又はT字状の接触面の交点部(又は交点域)に混合空間を形成し、2つの接触面に沿った方向に気体噴射口及び液体噴射口を形成し、他の1つの接触面に沿って混合空間と連通した吐出口を形成してもよい。縦断面形状において3つのユニットによりY字状又はT字状の形態の接触面を形成する場合、Y字状又はT字状の接触面の交点部(又は交点域)に混合空間を形成し、2つの接触面に沿った方向に気体噴射口及び液体噴射口を形成し、他の1つの接触面に沿って混合空間と連通した吐出口を形成してもよい。また、一対のユニットにおいては、少なくとも一方のユニットには、気体噴射口と液体噴射口のうち少なくとも一方の噴射口が形成されている。すなわち、一方のユニットに気体噴射口を形成し、他方のユニットに液体噴射口を形成してもよく、一方のユニットに気体噴射口及び液体噴射口の双方を形成してもよい。なお、気体噴射口は気体供給口と通じており、液体噴射口は液体供給口と通じている。
なお、吐出口(スリット状吐出口など)に対して、気体噴射口は、液体噴射口よりも下流側に形成してもよく上流側に形成してもよく、気体噴射口と液体噴射口は互いに対向又は対峙していてもよい。気体噴射口からの噴射気体により液体噴射口からの液体を効率よく微細化するためには、液体噴射口よりも上流側に気体噴射口を形成するのが有利である。また、混合空間において気体噴射口を上流側に形成するのが有利である。
また、各噴射口は、単一の噴射口で構成してもよく、複数の噴射口(例えば、並列又は非並列の複数のスリット状開口部)で構成してもよい。複数の噴射口は、所定間隔ごとに規則的又は非規則的に形成してもよい。各噴射口は、通常、ユニットの軸方向において、所定間隔をおいて形成された複数の噴射口で構成されている。
気体噴射口及び液体噴射口の形状は特に制限されず、孔状[円形孔状(円状、楕円形状など)、多角形孔状(四角孔状など)など]、放射状(十字状など)などの非スリット状であってもよく、スリット状(又は細長状)であってもよい。気体噴射口及び液体噴射口の少なくとも一方は、通常、スリット状又は孔状である。気体噴射口と液体噴射口との形状の組み合わせは、特に制限されず、例えば、(a)スリット状気体噴射口とスリット状液体噴射口との組み合わせ、(b)スリット状気体噴射口と孔状液体噴射口との組み合わせ、(c)孔状気体噴射口とスリット状液体噴射口との組み合わせ、(d)孔状気体噴射口と孔状液体噴射口との組み合わせであってもよい。通常、気体噴射口および液体噴射口のうち少なくとも一方の噴射口の形状(例えば、液体噴射口の形状)は、スリット状である場合が多い。具体的には、前記組み合わせ(a)(b)又は(c)である場合が多く、液体噴射口の形状がスリット状であり、気体噴射口が孔状であってもよい。
スリット状噴射口は、階段状凹部(又は凹溝)に装着されたプレートに形成してもよく、前記のようにプレートの端部を利用して断面形状がL字状に形成してもよく、断面L字状に屈曲することなく、プレートの端面と凹部の段部壁面とを利用して直線状(又は直進状)に形成してもよい。例えば、上流側のチャンバをプレートで完全に覆うことなく、例えば、プレートの端部(下端部及び上端部の少なくとも一方の端部)にチャンバと通じるスリット状流路(スリット状噴射口)を形成してもよく、端面が所定間隔離れて対向した一対のプレートで上流側のチャンバを覆い、プレート間の間隙をスリット状噴射口として形成してもよい。
気体噴射口と液体噴射口との配列形態は特に制限されず、ユニットが長尺状である場合、気体噴射口及び液体噴射口はユニットの長手方向に所定間隔毎に形成でき、気体噴射口の間隔と液体噴射口の間隔は同一であってもよく異なっていてもよい。例えば、気体噴射口の間隔を液体噴射口の間隔よりも小さくしてもよい。気体噴射口と液体噴射口とは、それぞれ長手方向の対応する位置で互いに対向(例えば、同一面又は同一線上で対向)させて形成してもよく、互いに非対向状態で形成してもよい。また、気体噴射口及び液体噴射口は、気体供給ユニット及び液体供給ユニットの長手方向において互いに位置を異にして開口していてもよい。例えば、液体供給ユニットの長手方向に隣接する液体噴射口の間に、気体供給ユニットの気体噴射口が位置していてもよく、隣接する気体噴射口の間に、液体噴射口が位置していてもよい。
なお、液体噴射口からの液体流を吐出孔に向けて噴射する場合は少ないが、必要であれば、液体噴射口は吐出孔に向けて開口させてもよい。
噴射口は、同じ内径又はスリット幅で形成してもよく、断面形状において、上流側に比べて下流側の内径又は幅を連続的に又は段階的に拡げてもよいが、連続的に又は段階的に狭め、先細状としてもよい。
混合空間では、縦方向(上記の例では、混合空間の延びる方向又は混合空間を形成する側部内壁)に間隔をおいて気体と液体とを平行に噴射させて混合してもよく、横方向(上記の例では、長手方向)に間隔をおいて気体と液体とを平行に噴射させて混合してもよい。また、気体噴射口及び液体噴射口のうち少なくとも一方の噴射口(特に双方の噴射口)を、混合空間を形成する壁面へ衝突する方向(壁面に対して交差又は直交する方向)に向けて開口させ、気体と液体とを噴射してもよい。さらに、混合空間では気体と液体とを互いに交差する方向(例えば、斜め方向)又は対向する方向に噴射させて混合してもよい。例えば、複数のユニットの対向面に沿って形成された混合空間において、対向面に沿った方向(又は混合空間を形成する側部内壁)と、気体噴射口及び液体噴射口からの気体及び液体の噴射方向とが交差(又は直交)していてもよい。なお、混合空間内で気体流と液体流とを直接衝突させる場合、気体噴射口及び液体噴射口は、気体流と液体流とが互いに衝突可能な角度で開口させればよい。すなわち、気体噴射口は液体流に対して交差する方向に開口させ、液体噴射口は気体流に対して交差する方向に開口させればよい。
このような形態では、流体の流れが混合空間を形成する内壁に対して逆L字状、Y字状又はT字状の形態であるため、気体と液体とを混合空間を形成する内壁に衝突させて、気体により液体を効率よく微細化できるとともに、混合ミストが混合空間の延びる方向(吐出口の方向)へ流動する過程でも内壁との衝突と液滴と空気との衝突とが繰り返し行われ、より効率よく液滴が均質化した混合ミストを形成できる。
なお、混合空間には、気体と液体とを個別に噴霧する必要はなく、気体と液体とを混合した混合ミストを噴射させてもよい。この場合、混合空間の上流側に、気体噴射口からの気体と液体噴射口からの液体とを混合するための混合ユニットを設けてもよく、混合空間の上流側に、気体と液体とを混合するための混合ユニットと、この混合ユニットに対して、気体を噴射可能な気体噴射口を有する気体供給ユニットと、液体を噴射可能な液体噴射口を有する液体供給ユニットとを設けてもよい。
前記チャンバは必ずしも必要ではなく、混合空間には気体供給口に通じる気体噴射口からの気体と液体供給口に通じる液体噴射口からの液体とを直接噴射させてもよい。気体と液体とをより効率よく混合し均質な混合ミストを生成するためには、気体噴射口及び/又は液体噴射口の上流側(気体噴射口及び/又は液体噴射口に隣接する上流側)にチャンバ(流体溜部)を形成するのが有利である。このチャンバは流体の圧力及び流量の変動に対するクッション作用(緩衝作用)を有し、均一な混合ミストを生成するのに有用である。チャンバは気体流路には必ずしも必要ではなく、少なくとも液体流路に形成するのが有利である。特に、少なくとも液体噴射口の上流側にチャンバを形成するのが好ましく、気体流路にチャンバを形成するとさらに有利である。チャンバは単一のチャンバに限らず複数のチャンバで構成してもよい。複数のチャンバを利用する場合、チャンバの数は、2〜5、好ましくは2〜3程度であってもよく、通常、2個(第1のチャンバ及び第2のチャンバ)である場合が多い。
なお、複数のチャンバを形成する場合、チャンバ間の隔壁(又は前記プレート)には、連通部(例えば、スリット状、十字状又は孔状連通部)が形成されている。連通部は孔状連通部である場合が多い。例えば、少なくとも液体噴射口の上流側には、連通部(流路)を介して少なくとも複数のチャンバが連通していてもよい。隔壁(又は前記プレート)に形成される連通部は単一の連通部であってもよく、規則的又は非規則的に形成された複数の連通部であってもよい。複数のチャンバを形成する場合、流体がショートパス(流体の流れが規制されることなく、流れ方向にそのまま通過)するのを防止するため、混合空間に面した流体の噴射口とチャンバ間を連通する連通部(孔状連通部、孔状流路など)とは、縦方向及び/又は横方向、特に少なくとも縦方向での位置が異なるのが好ましい。
チャンバの縦断面形状は、円形状、楕円状、多角形状(四角形状など)などであってもよく、チャンバの形態は、流体(気体、液体)の流れ方向(又は供給方向)に沿って形成してもよいが、流体の流れ方向(又は供給方向)に対して交差又は直交する方向に延びて形成するのが有効である。
なお、チャンバ間の流路又は流体噴出口を形成するためのプレートは、ネジなどの固定手段で位置決めできるとともに、凹部に形成された凹凸部を利用した嵌合、凹部に形成された収容段部に対する嵌合又は装着などを利用して位置決めしてもよい。
気体及び液体は、気体供給ユニット及び液体供給ユニットに対してそれぞれ種々の方向から供給でき、各ユニットの長手方向の端部から供給してもよく、長手方向において所定間隔をおいて供給してもよい。例えば、気体供給ユニットへの気体と液体供給ユニットへの液体は、ノズルの軸方向に対して交差する方向、例えば、各ユニットの長手方向に対して交差(又は直交)する方向から供給してもよく、ノズルの軸方向において、同じ側面方向又は逆方向から供給してもよい。
図3は本発明の二流体ノズルの他の例を示す概略断面斜視図である。なお、図1及び図2に示すノズルと同様の機能を果たす要素又は部材については、図1及び図2と同様の符号を付して説明する(以下、同様である)。
この例では、液体流路に1つのチャンバ30を形成している点、気体噴射口23及び液体噴射口29の縦方向の位置が異なる点を除いて、前記図1に示すノズルと基本的に同様の構造を有している。すなわち、一対のユニット1,7のうち一方のユニット(気体供給ユニット)1には、気体供給口5と、この供給口に連なるチャンバ4と、このチャンバと連なって気体供給プレート2に形成され、かつ混合空間6に臨む気体噴射口3とが形成され、気体供給ユニットを構成している。なお、前記一方のユニット1には、混合空間6の一部を形成する第1の凹部、気体供給プレート2が装着される第2の凹部、チャンバ4を形成するための第3の凹部で構成された階段状凹部が形成され、第3の凹部の底面からは気体供給口5が貫通している。
他方のユニット(液体供給ユニット)7には、液体供給口14と、この供給口に連なるチャンバ30と、このチャンバと連なって液体供給プレート8に形成され、かつ混合空間6に臨む液体噴射口29とが形成され、液体供給ユニットを構成している。なお、前記他方のユニット7には、混合空間6の一部を形成する第4の凹部、液体供給プレート8が装着される第5の凹部、チャンバ30を形成するための第6の凹部で構成された階段状凹部が形成され、第6の凹部の底面からは気体供給口14が貫通している。
また、気体噴射口23および液体噴射口29はそれぞれ孔状に形成されており、気体噴射口23は、液体噴射口29よりも縦方向においては上方(吐出口から遠ざかる方向,上流側)に位置している。さらに、気体供給プレート2及び液体供給プレート8の上端部はそれぞれ対向して突出する対向壁を有しており、混合空間6の上部を塞いでいる。そのため、混合空間6において気体噴射口23の位置を上方に位置させ、気体を混合空間6のより上方側から噴出させ、下部の液体噴射口29からの液体との衝突力を大きくしている。
混合空間6の下流側には前記一対のユニット1,7間に沿って延びるスリット状吐出口15が形成されている。なお、前記スリット状吐出口15の領域を残して、互いに対向する一対のユニット間は外周域のシール材(フッ素樹脂シートなど)でシールされ、かつ対向する一対のユニットは、ネジなどの固定手段により固定又は緊密に締結されている。
このような二流体ノズルでも、チャンバ4で気体を溜め、チャンバ30で液体を溜めることにより、気体及び液体の圧力変動や流量変動を抑制でき、気体供給ユニット1と液体供給ユニット7との間に形成された混合空間6に気体噴射口23からの気体と液体噴射口29からの液体とを噴射させることにより、気体と液体とをより効率よく混合して液滴が微細化及び均一化した混合ミストを生成でき、混合空間6で衝突混合された混合ミストを、スリット状吐出口15からシャープな噴霧パターンで均一に噴霧でき、衝突力及び洗浄力を向上しつつ、ミストの噴霧分布を均等又は均一化できる。
図4は本発明の二流体ノズルのさらに他の例を示す概略断面斜視図である。この例では、気体流路及び液体流路が一方のユニット31に形成されている点、液体流路に1つのチャンバ40を形成している点を除いて、前記図1に示すノズルと同様の構造を有している。すなわち、一対のユニット31,37のうち一方のユニット(気液供給ユニット)31には、気体供給口5と、この供給口に連なるチャンバ4と、このチャンバと連なって気体供給プレート2に形成され、かつ混合空間6に臨む孔状の気体噴射口3とが形成されている。さらに、一方のユニット(気液供給ユニット)31のうち気体供給口5よりも縦方向の下部には、液体供給口44と、この供給口に連なるチャンバ40と、このチャンバと連なって液体供給プレート38に形成され、かつ混合空間6に臨む孔状の液体噴射口39とが形成されている。そのため、一方のユニット31は、気体及び液体供給ユニットを構成している。
なお、前記一方のユニット31には、混合空間6の一部を形成する第1の凹部と、この第1の凹部の底面に形成され、かつ気体供給プレート2が装着される第2の凹部と、この第2の凹部の底面に形成され、かつチャンバ4を形成するための第3の凹部で構成された気体供給用階段状凹部が形成され、第3の凹部の底面からは気体供給口5が貫通している。また、第1の凹部の底面のうち第2の凹部よりも縦方向の下部(吐出口側)には、液体供給プレート38が装着される第4の凹部と、この第4の凹部の底面に形成され、かつチャンバ40を形成するための第5の凹部で構成された液体供給用階段状凹部が形成され、第5の凹部の底面からは液体供給口44が貫通している。
他方のユニット37には、一方のユニット31の第1の凹部に対応して第6の凹部が形成され、第1の凹部と第6の凹部とで、縦断面において縦長形状の混合空間6を形成している。すなわち、縦断面において縦長の混合空間6は、気体供給用階段状凹部と液体供給用階段状凹部とに跨って形成されている。混合空間6の下流側には前記一対のユニット31,37間に沿って延びるスリット状吐出口15が形成されている。
なお、前記スリット状吐出口の領域を残して、互いに対向する一対のユニットの外周域はシール材(フッ素樹脂シートなど)でシールされ、かつ対向する一対のユニットは、固定手段により緊密に固定されている。
このような二流体ノズルでも気体噴射口3が液体噴射口39よりも上流側に位置するとともに、流体溜部としてのチャンバ4,40を備えているため、混合空間6で気体と液体とを効率よく混合して液滴が微細化及び均一化した混合ミストを生成でき、混合空間6で衝突混合された混合ミストを、スリット状吐出口15からシャープな噴霧パターンで均一に噴霧でき、衝突力及び洗浄力を向上しつつ、ミストの噴霧分布を均等又は均一化できる。さらに、一方のユニット31に気体供給用階段状凹部と液体供給用階段状凹部を形成し、気体供給プレート2と液体供給プレート38とをそれぞれ装着し、他方のユニット37には混合空間用の凹部を形成すればよいため、二流体ノズルの生産性を向上できる。
図5は本発明の二流体ノズルの他の例を示す概略断面斜視図である。この例では、一方のユニット31に混合空間が形成され、他方のユニット47の対向面が面一である点を除き、前記図4に示すノズルと同様の構造を有している。すなわち、一対のユニット31,47のうち一方のユニット(気液供給ユニット)31には、前記図4に示すユニットと同様に、混合空間46を形成する第1の凹部と、この第1の凹部の底面に形成され、かつ孔状の気体噴射口3を有する気体供給プレート2が装着される第2の凹部と、この第2の凹部の底面に形成され、かつチャンバ4を形成するための第3の凹部で構成された気体供給用階段状凹部が形成され、第3の凹部の底面からは気体供給口5が貫通している。また、第1の凹部の底面のうち第2の凹部よりも縦方向の下部(吐出口側)には、孔状の液体噴射口39を有する液体供給プレート38が装着される第4の凹部と、この第4の凹部の底面に形成され、かつチャンバ40を形成するための第5の凹部で構成された液体供給用階段状凹部が形成され、第5の凹部の底面からは液体供給口40が貫通している。
このように、前記一方のユニット31には、気体供給口5と、チャンバ4と、気体供給プレート2の気体噴射口3とで構成された気体流路が形成されているとともに、気体供給口5よりも縦方向の下部には、液体供給口44と、チャンバ40と、液体供給プレート38の液体噴射口39とで構成された液体流路が形成されている。
これに対して、他方のユニット47のうち一方のユニット31との対向面は、凹部を形成することなく、面一に形成されている。すなわち、縦断面において縦長の混合空間46は、気体供給用階段状凹部と液体供給用階段状凹部とに跨って形成された前記一方のユニット31の第1の凹部により形成されている。混合空間46の下流側には前記一対のユニット31,47間に沿って延びるスリット状吐出口15が形成されている。なお、互いに対向する一対のユニットのシール及び固定は前記と同様である。
このような二流体ノズルでも混合空間46で気体と液体とを効率よく混合して液滴が微細化及び均一化した混合ミストを生成でき、混合空間46で衝突混合された混合ミストを、スリット状吐出口15からシャープな噴霧パターンで均一に噴霧でき、衝突力及び洗浄力を向上しつつ、ミストの噴霧分布を均等又は均一化できる。さらに、一方のユニット31に気体供給用階段状凹部と液体供給用階段状凹部を形成し、気体供給プレート2と液体供給プレート38とをそれぞれ装着すればよいため、二流体ノズルの生産性を向上できる。
前記のように、気体と液体とが混合空間で混合可能である限り、噴射口からの気体と液体との噴射形態や噴射方向は特に制限されない。図6は本発明の二流体ノズルのさらに他の例を示す概略断面斜視図である。
この例では、液体流路に1つのチャンバ30を形成している点、気体噴射口43及び液体噴射口49の縦方向の位置とそれらの噴射方向が異なる点を除いて、前記図1に示すノズルと基本的に同様の構造を有している。すなわち、一対のユニット1,7のうち一方のユニット(気体供給ユニット)1には、図3に示す構造と同様に、気体供給口5と、この供給口に連なるチャンバ4と、このチャンバと連なって気体供給プレート2に形成され、かつ混合空間6に臨む孔状気体噴射口3とが形成され、気体供給ユニットを構成している。なお、孔状気体噴射口43は上流方向から下流方向に行くにつれて混合空間6の方向に傾斜した傾斜噴射口を形成している。
他方のユニット(液体供給ユニット)7には、図3に示す構造と同様に、液体供給口14と、この供給口に連なるチャンバ30と、このチャンバと連なって液体供給プレート8に形成され、かつ混合空間6に臨む孔状液体噴射口49とが形成され、液体供給ユニットを構成している。なお、孔状液体噴射口49も上流方向から下流方向にいくにつれて混合空間6の方向に向かって傾斜する傾斜噴射口を形成しており、気体噴射口43からの気体と液体噴射口49からの液体とを互いに交差する斜め方向から衝突させている。
前記のように、本発明では複数のユニットにより二流体ノズルを構成できるとともに、種々の形態で噴射気体と噴射液体とを混合空間で効率よく混合できる。図7は本発明の二流体ノズルの別の例を示す概略断面斜視図である。
この例では、3つのユニットで二流体ノズルが構成されている。すなわち、対向する一対のユニット51,57のうち第1のユニット51には、図4の液体供給ユニットと同様に、液体供給口44と、この供給口に連なるチャンバ40と、このチャンバと連なって液体供給プレート38に形成され、かつ混合空間6に臨む孔状の液体噴射口39とが形成されている。一方、一対のユニット51,57のうち第2のユニット57には、混合空間6の一部を形成するための凹部が形成されている。なお、混合空間6の上流端は一対のユニット51,57の対向面で開口している。
さらに、前記一対のユニット51,57の頂部には、開口した混合空間6を閉じるための第3のユニット58が配設され、この第3のユニットには、気体供給空5と、チャンバ4と、階段状凹部に配設され、孔状の気体噴出口3を有する気体供給プレート2とが上流側から下流側に順次形成され、前記気体噴射口3は混合空間6の上流端で開口している。そのため、混合空間6では、上流端の気体噴射口3から噴射される気体により、液体噴射口39からの液体との衝突効率を高めることができ、スリット状吐出口15から混合ミストをシャープな噴霧パターンで均一に噴霧でき、衝突力及び洗浄力を向上しつつ、ミストの噴霧分布を均等又は均一化できる。
本発明の二流体ノズルは、必要により吐出口のスリット間隔を調整するための手段を備えていてもよい。図8は本発明の二流体ノズルの他の例を示す概略断面斜視図である。
この例では、スリット幅調整手段を備えている点を除き、前記図1に示すノズルと同様の構造を有している。すなわち、混合空間6での流体の衝突混合と液滴の均一性を損なうのを抑制するため、一方のユニット(第1のユニット)1の気体噴射口3の上部には、他方のユニット(第2のユニット)7の階段状凹部に装着された第1の液体供給用プレート8に至る螺合ネジ(スリット幅調整手段)60が取り付けられている。なお、第1のユニット1において螺合ネジ6の周囲はO−リングなどのシール材により気密にシールされている。
このような構造のノズルでは、螺合ネジ60の回転動に伴って、第1のユニット1と第2のユニット7とを相対的に進退動でき、スリット状吐出口15の間隔を調整できる。また、螺合ネジ60が断面L字状の液体噴射口9と気体噴射口3の上部(上流側)に位置するため、混合空間6にネジ部が存在していても、気体と液体との衝突混合及び液滴の微細化や均一化には大きな悪影響を及ぼすことがない。
なお、前記スリット幅調整手段に限らず、混合空間内に進入する部材(例えば、複数のユニットを固定するための固定ネジなどの固定手段、複数のユニットを連結するための連結手段など)を用いてもよい。混合空間内に進入する部材は、流体の噴射口よりも下流側に設けてもよいが、流体の噴射口よりも上部(上流側)に取り付けると、流体の混合及び液滴の微細化及び均一化を妨げることがなく、上記と同様の作用効果を有する。
好ましい態様では、二流体ノズルは、互いに対向する一対の長尺なユニット(例えば、長尺の板状ユニット)と、一対のユニット間に形成された混合空間(例えば、一対のユニットの対向面に沿って形成された混合空間)と、一対のユニットのうち少なくとも一方のユニットに形成され、かつ前記混合空間に臨む気体噴射口及び液体噴射口と、一対のユニットの間に形成され、かつ前記混合空間で混合された混合ミストを吐出するためのスリット状吐出口とを備えている。また、混合空間と、気体噴射口及び液体噴射口から選択された少なくとも一方の噴射口(特に少なくとも液体噴出口)との間には、流体溜部としてのチャンバが介在するのが好ましい。このチャンバは、気体噴射口及び液体噴射口に隣接する上流側にそれぞれ形成する場合が多く、液体溜部としてのチャンバは複数のチャンバで構成できる。チャンバは、気体供給口及び液体供給口と連通する階段状凹部に流体供給用プレートを装着することにより形成してもよい。なお、液体噴射口はスリット状噴射口である場合が多い。
気体噴射口からの気体、液体噴射口からの液体及び吐出孔からの混合ミストは、それぞれ、前記気体供給ユニット、液体供給ユニット及びノズルの長手方向に対して交差する方向(特に直交する方向)に噴射可能である。
本発明の二流体ノズルにおいて、気体供給ユニットと液体供給ユニットのうち少なくとも一方のユニット(特に双方の供給ユニット)は、互いに固着していてもよいが、メインテナンス性を向上させるためには、互いに着脱自在に装着又は組み立て可能することもできる。装着又は組み立て機構は特に制限されず、例えば、螺合機構、嵌合機構、係止又は掛止機構などが採用できる。
本発明の方法では、前記二流体ノズルを用いて、気体と液体とを混合し、生成した混合ミストを吐出孔から噴霧又は噴射する。この方法において、気体供給ユニットの気体噴射口からの気体と、液体供給ユニットの液体噴射口からの液体とを、前記気体供給ユニットと液体供給ユニットとの間に形成された混合空間で混合し、前記気体供給ユニットと液体供給ユニットとの間に形成された吐出孔から気体と液体との混合ミストを噴射する。この方法では、混合空間では、液体流が気流とともに混合空間の内壁に衝突して細分化するとともに、前記衝突が繰り返し行われるためか、液滴を微粒子化できるともに、液滴径を均一化できる。そして、前記ノズル本体の吐出孔から気体と液体との混合ミストは、吐出孔から噴射又は噴霧される。
本発明の二流体ノズルは、低い気体圧で気体を流通させても、混合ミストを効率よく噴射できる。気体の圧力は、通常、0.01〜1MPa(例えば、0.05〜0.8MPa)、好ましくは0.1〜0.7MPa、さらに好ましくは0.2〜0.6MPa程度である。また、液体は、通常、加圧液体(又は高圧液)として供給され、圧力は、0.01MPa以上(例えば、0.05〜2MPa、好ましくは0.1〜1MPa)程度であってもよい。さらに、本発明では、液体に対して気体の流量を大きくし、微細な液滴を形成してもよい。気体と液体との流量比(体積割合)は、例えば、気体/液体(気液体積比)=50以上(例えば、50〜500、好ましくは100〜400、さらに好ましくは150〜300程度)であってもよい。
本発明の二流体ノズルでは、単純な構造であっても、従来のノズルと同等のサイズに微粒子化された混合ミストを生成できる。ミスト粒子の粒子径は、気体及び液体の流量などにより変動するが、例えば、平均粒子径(平均液滴径)10〜100μm、好ましくは15〜80μm(例えば、20〜60μm)、さらに好ましくは30〜55μm(例えば、30〜50μm)程度であってもよい。
なお、混合ミストは、ノズルから下方に噴射又は噴霧してもよく、被噴霧対象の位置に応じて、斜め方向や上方へ噴射又は噴霧してもよい。
本発明の二流体ノズルは、種々の用途、例えば、被処理体の洗浄(半導体ウエハーや液晶基板など精密機器部品の洗浄)、被冷却体の冷却などに利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
図1に示す二流体ノズルを用いて水の噴霧試験を行った。なお、二流体ノズルにおいて、一対のユニットで構成されたノズル本体はスリット状吐出口の長さ(スリット長)550mm,スリット厚み(スリット間隔)0.12mmを有しており、空気の流量63m3/h,水の流量7L/分、気水体積比150、噴射距離20mmの条件で衝突力分布を測定したところ、図9及び図10に示す結果を得た。なお、一対のユニットのうち一方のユニットの長手方向には内径1mmφの空気噴射口を10mm間隔で形成し、他方のユニットにはスリット間隔0.3mmのスリット状水噴射口を長手方向に沿って形成した。スリット状水噴射口は階段状凹部に水供給プレートを装着することにより形成した。また、長手方向の衝突力分布は、感圧幅20mmの衝突力測定用センサを用いて長手方向に沿って測定し、厚み方向の衝突力分布は、感圧径3mmφの衝突力測定用センサを用いて測定した。
図1に示す二流体ノズルを用いて水の噴霧試験を行った。なお、二流体ノズルにおいて、一対のユニットで構成されたノズル本体はスリット状吐出口の長さ(スリット長)550mm,スリット厚み(スリット間隔)0.12mmを有しており、空気の流量63m3/h,水の流量7L/分、気水体積比150、噴射距離20mmの条件で衝突力分布を測定したところ、図9及び図10に示す結果を得た。なお、一対のユニットのうち一方のユニットの長手方向には内径1mmφの空気噴射口を10mm間隔で形成し、他方のユニットにはスリット間隔0.3mmのスリット状水噴射口を長手方向に沿って形成した。スリット状水噴射口は階段状凹部に水供給プレートを装着することにより形成した。また、長手方向の衝突力分布は、感圧幅20mmの衝突力測定用センサを用いて長手方向に沿って測定し、厚み方向の衝突力分布は、感圧径3mmφの衝突力測定用センサを用いて測定した。
図9及び図10から明らかなように、長手方向の衝突力は均等であり、厚み方向には高い衝突力(最大衝突力=2.8g)が得られた。
比較例1
特開2004−237282号公報の実施例(同公報の図1〜図3参照)に記載されている二流体ノズルを用いて水の噴霧試験を行った。なお、二流体ノズルにおいて、断面方形筒状のノズル本体は長手方向の長さ650mm、高さ50mm、幅30mm、ノズル本体の壁の厚み2mmであり、高さ方向において、吐出孔から13mmの位置に中空円筒状の水供給ユニットの軸芯が位置し、35mmの位置に中空円筒状の空気供給ユニットの軸芯が位置している。中空筒状の空気供給ユニット及び水供給ユニットの長さは、それぞれ700mmであり、中空筒状の空気供給ユニット及び水供給ユニットの端部がノズル本体の端部から側方へ延出している。ノズル本体の装着孔には、ノズル本体の長手方向に沿って間隔50mm毎にノズルチップを装着した(両端のノズルチップの間隔=550mm)。また、ノズルチップのミスト噴射孔(小径の噴射流路)の軸線は、ノズル本体の長手方向の軸線に対して、15°の角度に傾斜させて形成した。そして、実施例1と同様にして、空気の流量63m3/h,水の流量7L/分、気水体積比150、噴射距離40mmの条件で長手方向の衝突力分布を測定したところ、図11に示す結果を得た。
特開2004−237282号公報の実施例(同公報の図1〜図3参照)に記載されている二流体ノズルを用いて水の噴霧試験を行った。なお、二流体ノズルにおいて、断面方形筒状のノズル本体は長手方向の長さ650mm、高さ50mm、幅30mm、ノズル本体の壁の厚み2mmであり、高さ方向において、吐出孔から13mmの位置に中空円筒状の水供給ユニットの軸芯が位置し、35mmの位置に中空円筒状の空気供給ユニットの軸芯が位置している。中空筒状の空気供給ユニット及び水供給ユニットの長さは、それぞれ700mmであり、中空筒状の空気供給ユニット及び水供給ユニットの端部がノズル本体の端部から側方へ延出している。ノズル本体の装着孔には、ノズル本体の長手方向に沿って間隔50mm毎にノズルチップを装着した(両端のノズルチップの間隔=550mm)。また、ノズルチップのミスト噴射孔(小径の噴射流路)の軸線は、ノズル本体の長手方向の軸線に対して、15°の角度に傾斜させて形成した。そして、実施例1と同様にして、空気の流量63m3/h,水の流量7L/分、気水体積比150、噴射距離40mmの条件で長手方向の衝突力分布を測定したところ、図11に示す結果を得た。
図11から明らかなように、比較例1ではノズルチップ数に対応した衝突力変動が生じた。
比較例2
特許第3544650号公報に記載の外部混合方式のノズルを用い、ノズルの全長、スリット長、スリット厚み、空気流量、水流量、噴霧距離の条件を実施例1と同様にして、水の噴霧試験を行い、厚み方向の衝突力分布を測定した。結果は図12に示すように、実施例1よりも噴霧厚みが広く、低い衝突力(最大衝突力1.3g)しか得られなかった。
特許第3544650号公報に記載の外部混合方式のノズルを用い、ノズルの全長、スリット長、スリット厚み、空気流量、水流量、噴霧距離の条件を実施例1と同様にして、水の噴霧試験を行い、厚み方向の衝突力分布を測定した。結果は図12に示すように、実施例1よりも噴霧厚みが広く、低い衝突力(最大衝突力1.3g)しか得られなかった。
1,31,51…一方のユニット(第1のユニット)
2…気体供給プレート
3,23,43…気体噴射口
4,10,13,30,40…チャンバ
5,44…気体供給口
6,46…混合空間
7,37,47,57…他方のユニット(第2のユニット)
8,11,38…液体供給プレート
9,29,39,49…液体噴射口
12…連通流路又は連通部
14…気体供給口
15…吐出口
58…第3のユニット
60…スリット幅調整用螺合ネジ
2…気体供給プレート
3,23,43…気体噴射口
4,10,13,30,40…チャンバ
5,44…気体供給口
6,46…混合空間
7,37,47,57…他方のユニット(第2のユニット)
8,11,38…液体供給プレート
9,29,39,49…液体噴射口
12…連通流路又は連通部
14…気体供給口
15…吐出口
58…第3のユニット
60…スリット幅調整用螺合ネジ
Claims (10)
- 気体噴射口からの気体と液体噴射口からの液体とを混合するための混合空間と、この混合空間で混合された混合ミストを吐出するための吐出口とを備えた二流体ノズルであって、組み合わせにより前記混合空間及びスリット状吐出口が形成可能な複数のユニットで構成されている二流体ノズル。
- 気体噴射口を有する気体供給ユニットと、液体噴射口を有する液体供給ユニットとの間に、気体噴射口からの気体と液体噴射口からの液体とを混合するための混合空間と、混合空間で混合された混合ミストを吐出するためのスリット状吐出口とが形成されている請求項1記載の二流体ノズル。
- 気体噴射口及び液体噴射口を有する供給ユニットと、この供給ユニットと対向する対向ユニットとの間に、供給ユニットからの気体及び液体を混合するための混合空間と、この混合空間で混合された混合ミストを吐出するためのスリット状吐出口とが形成されている請求項1記載の二流体ノズル。
- 気体噴射口及び/又は液体噴射口に隣接する上流側にチャンバが形成されている請求項1記載の二流体ノズル。
- 気体噴射口が、スリット状吐出口に対して液体噴射口よりも上流側に形成されている請求項1記載の二流体ノズル。
- 気体噴射口及び液体噴射口の少なくとも一方がスリット状又は孔状である請求項1記載の二流体ノズル。
- スリット幅調整手段を備えている請求項1記載の二流体ノズル。
- 互いに対向する一対の長尺なユニット間に形成された混合空間と、一対のユニットのうち少なくとも一方のユニットに形成され、かつ前記混合空間に臨む気体噴射口及び液体噴射口と、一対のユニットの間に形成され、かつ前記混合空間で混合された混合ミストを吐出するためのスリット状吐出口と、気体噴射口及び液体噴射口に隣接する上流側にそれぞれ形成されたチャンバと、各チャンバに連なる気体供給口及び液体供給口と、前記スリット状吐出口の域を残して対向する一対のユニット間をシールするためのシール手段と、対向する一対のユニットを固定するための固定手段とを備えている請求項1記載の二流体ノズル。
- 気体噴射口及び液体噴射口が長尺なユニットの長手方向に所定間隔毎に形成されている請求項8記載の二流体ノズル。
- 気体と液体とを混合し、生成した混合ミストを吐出孔から噴霧する方法であって、気体供給ユニットの気体噴射口からの気体と、液体供給ユニットの液体噴射口からの液体とを、前記気体供給ユニットと液体供給ユニットとの間に形成された混合空間で混合し、前記気体供給ユニットと液体供給ユニットとの間に形成された吐出孔から気体と液体との混合ミストを噴射する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005292896A JP2007098310A (ja) | 2005-10-05 | 2005-10-05 | 二流体ノズルとそれを用いた噴霧方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005292896A JP2007098310A (ja) | 2005-10-05 | 2005-10-05 | 二流体ノズルとそれを用いた噴霧方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007098310A true JP2007098310A (ja) | 2007-04-19 |
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ID=38025768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005292896A Pending JP2007098310A (ja) | 2005-10-05 | 2005-10-05 | 二流体ノズルとそれを用いた噴霧方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007098310A (ja) |
-
2005
- 2005-10-05 JP JP2005292896A patent/JP2007098310A/ja active Pending
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