JP2007097374A - ステッピングモータの駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステッピングモータ駆動装置において,モータ電圧信号を一定周期のサンプリング信号でAD変換する際に不要な信号成分が発生する。
【解決手段】AD変換部は,交流アナログ信号を一定周期でディジタル値に変換するAD変換器と,ディジタル値に変換した交流信号を波形1周期に亘り累積するディジタル累積器と,ディジタル値を保持するデータ保持器と,入力信号が所定範囲を超えた場合所定値を出力し入力信号が所定範囲以内の場合に入力信号の値を出力するリミッタとを具備し,前記AD変換器の出力を前記ディジタル累積器に入力し,得られた交流信号1周期分の累積値を前記データ保持器の一方の入力値とし,前記データ保持器出力を前記リミッタの入力とし,前記リミッタの出力と,前記データ保持器の出力の差を前記データ保持器の他方の入力値とし,前記リミッタ出力を補正値として前記AD変換器のディジタル値から差し引いて出力するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は,モータ電圧信号を用いるステッピングモータの駆動装置に関する。
特開2004−350386号公報
ステッピングモータは,衆知のとおり外部指令パルスの印加毎に一定角度ずつ歩進回転をするため振動が発生しやすく脱調も問題となっている。
ステッピングモータを搭載する装置の高精度高機能化に対応するため,モータ励磁電流やモータ印加電圧を利用して振動の低減や脱調回避などの機能を有する駆動装置が検討され実用化されている
従来,モータ印加電圧を利用したステッピングモータの駆動装置としては,特開2004−350386号公報に記載されたものがある。
図6は従来技術によるモータ電圧信号を用いるステッピングモータの駆動回路例を示している。
電流制御装置160は,駆動部としてのドライブ回路部110と,ドライブ回路部110から出力電圧波形情報を検出する電圧検出部120と,出力電圧波形情報をAD変換するADコンバータ部130と,出力電圧波形情報に基づいてステッピングモータ70を駆動させる電流設定信号を算出する電流設定部としての電流シーケンス設定部140と,電流シーケンス設定部140から電流設定信号が入力される制御部150によって構成される。
従来技術によるモータ電圧信号を用いたステッピングモータの駆動回路例では,ステッピングモータ70の駆動制御中に,常にドライブ回路部110からの出力電圧波形情報の検出を行い,検出された電圧波形情報の変化に基づいてステッピングモータ70の駆動電流の設定を行い,トルク負荷の小さい部分において無駄に流れる電流の低減を図っている。
前記機能を実現するために,制御部150は,CPU(Central Processing
Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等から構成されており,ドライブ回路部110からの出力電圧波形情報は電圧検出部120で検出した後,ADコンバータ130を介して,ディジタル値に変換して電流シーケンス設定部140に出力するように構成されている。
即ち,特開2004−350386号公報に記載される従来の方式では,図6に示す構成図のように,モータ電圧信号をADコンバータ部130でAD変換した値を用いてステッピングモータの駆動を行っている。
ここで,図6においてモータ速度が高速になるとモータ電流を制御するドライブ回路部110の出力電圧が飽和し,電圧検出部120の出力信号が台形波状又は矩形波状の電圧信号となる。台形波状又は矩形波状の電圧信号を一定周期のサンプリング信号によりAD変換を行うと,電圧信号周期とサンプリング信号周期との間で干渉が起こり,AD変換後の信号に不要な信号成分が発生するため,ステッピングモータ70の駆動電流の設定が不要な信号成分に伴い安定しないという問題がある。
従来方法において,モータ速度が高速になるとモータ電流を制御するドライブ回路の出力電圧が飽和しモータ電流を制御できない状態となり,電流制御器の出力信号が台形波状又は矩形波状の電圧信号となる。台形波状又は矩形波状の電圧信号は,一定周期のサンプリング信号によりAD変換を行うと電圧信号周期とサンプリング信号周期との間で干渉が起こり,AD変換後の信号に不必要な信号成分が発生し,ステッピングモータの駆動特性に影響を及ぼすという問題がある。
本発明は,AD変換後の電圧信号を安定にする効果を持ち,構成が簡単で安価なステッピングモータの駆動装置の実現を目的としている。
上記問題を解決するために本発明では,ステッピングモータ70に角度指令(θ*)を入力し階段状電流を通電するステッピングモータの駆動装置において,前記角度指令(θ*)に従い電流指令(i*)を発生する角度制御部1と,モータ駆動電流を検出する電流検出器51と,モータ通電電流を制御する電流制御部2と,モータ印加電圧を検出する電圧検出器52と,前記電圧検出器52及び前記電流検出器51の出力をディジタル値に変換するAD変換部90及び91とを具備し,モータ印加電圧及びモータ通電電流がアナログ交流信号であって,前記AD変換部90及び91は前記電流検出器51及び前記電圧検出器52の出力信号を一定の周期でディジタル値に変換するサンプリング処理を行い,角度制御部1は前記AD変換部90及び91の出力を用いて角度指令(θ*)を補正し,電流指令生成器40により電流指令(i*)を出力し,電流制御部2は前記電流指令(i*)に従ってモータ通電電流を制御するように構成されたステッピングモータの駆動装置において,前記AD変換部90及び91は,ディジタル値に変換した信号を波形1周期に亘り累積する機能を有し,かつ,前記累積機能により得られた累積値が0となるようにAD変換部出力を補正する機能を有するように構成する。
また,AD変換部90及び91は,交流アナログ信号を一定周期でディジタル値に変換するAD変換器と,ディジタル値に変換した交流信号を波形1周期に亘り累積するディジタル累積器と,ディジタル値を保持するデータ保持器と,入力信号が所定範囲を超えた場合所定値を出力し入力信号が所定範囲以内の場合に入力信号の値を出力するリミッタとを具備し,前記AD変換器の出力を前記ディジタル累積器に入力し,該ディジタル累積器から得られる交流信号1周期分の累積値を前記データ保持器の一方の入力値とし,前記データ保持器出力を前記リミッタの入力とし,前記リミッタの出力と,前記データ保持器の出力の差を前記データ保持器の他方の入力値とし,前記リミッタ出力を補正値として前記AD変換器のディジタル値から差し引いて出力するように構成する。
また,前記補正値はモータ停止時において0とし,所定速度を超えてから有効となるようにすることで,停止時の安定性を向上させるとが可能である。
本発明に係る駆動装置は,AD変換後の台形波状又は矩形波状電圧信号正側の面積と負側の面積が等しくなるようにAD変換部出力値を補正するものである。
即ち,前記構成にすることで,AD変換部90及び91においてアナログ信号を一定周期でサンプリングする場合にAD変換後の信号に発生する不必要な誤差成分のうち,交流信号の対称性を改善することができる。
なぜならば,信号波形の1周期分を累積した値は,交流信号の正側と負側の非対称成分を示しているから,AD変換後の信号に電圧信号波形1周期の累積値を前記累積値符号と反対側の極性波形部に加算することで,正負面積差が小さくなるからであり,累積値が0になったとき,AD変換後の直流分又は低周波成分が補正されたことになる。
本発明を実施するための最良の形態は,モータ駆動に係る信号をAD変換して用いるステッピングモータの制御装置である。
図1は本発明の実施例である。10は角度指令入力端子,30は角度制御器,40は電流指令生成器,50は電流制御器,51及び52は電流検出器,60はPWMインバータ,70はステッピングモータ,80は磁極位置推定器,90及び91はAD変換部である。
図1の内容を概説する。角度指令入力端子10に印加される角度指令(θ*)が,角度制御器の一方の入力端子に接続し,磁極位置推定器80の出力である磁極位置推定値(θf)を角度制御器の他方の入力端子に接続し,励磁角度指令(θ**)を得る。該励磁角度指令(θ**)を電流指令生成器に入力し,電流指令(i*)を得る。電流制御器50,PWMインバータ60,電流検出器51は,前記電流制御器50に印加される電流指令(i*)を電流指令とする電流制御系を構成し,所望の特性を得ている。
電流制御器50の出力である電圧指令(v*)をAD変換器91に入力し,AD変換器91の出力である電圧指令ディジタル値(vz)を磁極位置検出器80の一方の入力端子に接続し,電流検出器51の出力であるモータ電流(if)をAD変換器90に入力し,AD変換器の出力であるモータ電流ディジタル値(iz)を磁極位置検出器80の他方の入力端子に接続し,磁極位置推定値(θf)を得る。
図2はAD変換器90の詳細図である。動作信号発生器200,AD変換器210,1周期累積器220,切換器230,保持器240,リミッタ250,加算器260及び270で構成される。
動作信号発生器200から出力される第1の動作信号(Ts1),第2の動作信号(Ts2)及び第3の動作信号(Ts3)は,まず第1の動作信号(Ts1)が出力された後,第2の動作信号(Ts2)が出力され,第2の動作信号(Ts2)が出力された後,第3の動作信号(Ts3)が出力される。以降,該順序で動作信号(Ts1),(Ts2)及び(Ts3)が繰り返し出力される。
AD変換器210は,外部から与えられるアナログ入力信号(v*)を第1の動作信号(Ts1)によってAD変換し,電圧指令ディジタル値(vz’)を出力する。
1周期累積器220は,電圧指令ディジタル値(vz’)を第2の動作信号(Ts2)によって波形1周期に亘り累積し,1周期分の累積結果である累積ディジタル値(vs)を一方の出力端子から出力し,1周期分の累積が完了したときにのみ累積完了信号(Tend)を他方の出力端子から出力する。1周期累積器220の一方の出力である累積ディジタル値(vs)は,切換器230の一方の入力端子に接続する。
保持器240は,第3の動作信号(Ts3)によって切換器230の出力を保持する。リミッタ250は,保持器240の出力を入力とし,入力信号が所定範囲を超えた場合所定値を出力し,入力信号が所定範囲以内の場合に入力信号を出力する。加算器260は,正極性側入力端子に保持器240の出力を接続し,負極性側入力端子にリミッタ250の出力を接続し,出力である差分信号(vp)を切換器230の他方の入力端子に接続する。
切換器230は,第1の入力端子に接続されている累積完了信号(Tend)によって切換動作を行い,累積完了信号(Tend)が出力されている間は,1周期累積器の出力(vs)を選択し,累積完了信号(Tend)が出力されていないときは,加算器230の出力である差分信号(vp)を選択する。
加算器270は,正極性側入力端子にAD変換器210の出力を接続し,負極性側入力端子にリミッタ250の出力を接続し,出力である差分信号(vz)を外部に出力する。
図5は,AD変換部90の処理内容を示すフローチャートである。Ts1が出力されるとAD変換が開始され,Ts2が出力されるとAD変換後の値を累積演算する。累積演算器は,交流入力信号の1周期分の累積操作完了を判定し,1周期分の累積が完了した場合にはTs3が出力されると累積値を保持器にセットし,累積値をクリアする。1周期分の累積が完了していない場合にはTs3が出力されると保持器の値とリミッタ出力値の差分を保持器にセットする。次に,保持器の出力値をリミッタ演算し,AD変換出力値とリミッタ出力値の差分を外部に出力する。
図3は,図2の動作を示す第1の説明図である。図3において,波形(vz’)は図2におけるAD変換器210の出力であり,波形(vc)は図2におけるリミッタ250の出力である。図3中の(a)部の1周期累積結果が,(b)部である。
図4は,図2の動作を示す第2の説明図である。図4において,波形(vz)は図2における加算器270の出力であり,波形(vz’)は図2におけるAD210の出力である。波形(vz’)に対し波形(vz)には,補正信号が付加されている。
図2に示したように,電圧信号補正器は簡単な構成で実現できるので,電圧信号ディジタル値を必要とする駆動回路が安価に実現できる。特にマイクロプロセッサを用いる場合には,複雑な演算を必要しないため低機能で安価なマイクロプロセッサを使用できる。
本発明の実施例である。 本発明の実施例の部分説明図である。 本発明の第1の動作説明図である。 本発明の第2の動作説明図である。 本発明の動作説明フローチャートである。 従来例ブロック図である。
符号の説明
1 角度制御部
2 電流制御部
10 角度指令入力端子
30 角度制御器
40 電流指令生成器
50 電流制御器
51 電流検出器
52 電圧検出器
60 PWMインバータ
70 ステッピングモータ
80 磁極位置推定器
90,91 AD変換部
110 ドライブ回路部
120 電圧検出部
130 ADコンバータ部
140 電流シーケンス設定部
141 演算部
142 一時記憶部
150 制御回路部
160 電流制御装置
200 動作信号発生器
210 AD変換器
220 1周期累積器
230 切換器
240 保持器
250 リミッタ
260,270 加算器

Claims (3)

  1. 外部から印加されるパルス列指令に従い階段状電流を通電するステッピングモータの駆動装置において,前記パルス列指令に従い電流指令を発生する角度制御部と,モータ駆動電流を検出する電流検出器と,モータ通電電流を制御する電流制御部と,モータ印加電圧を検出する電圧検出器と,前記電圧検出器及び前記電流検出器の出力をディジタル値に変換するアナログディジタル変換部(以下AD変換部と称する。)とを具備し,モータ印加電圧及びモータ通電電流がアナログ交流信号であって,前記AD変換部は前記電流検出器及び前記電圧検出器の出力信号を一定周期でディジタル値に変換するサンプリング処理を行い,角度制御部は前記AD変換部の出力を用いて電流指令を補正し,電流制御部は前記電流指令に従ってモータ通電電流を制御するように構成されたステッピングモータの駆動装置において,前記AD変換部は,ディジタル値に変換した信号を波形1周期に亘り累積する機能を有し,かつ,前記累積機能により得られた累積値が0となるようにAD変換部出力を補正する機能を有するステッピングモータの駆動装置。
  2. AD変換部は,交流アナログ信号を一定周期でディジタル値に変換するAD変換器と,ディジタル値に変換した交流信号を波形1周期に亘り累積するディジタル累積器と,ディジタル値を保持するデータ保持器と,入力信号が所定範囲を超えた場合所定値を出力し入力信号が所定範囲以内の場合に入力信号の値を出力するリミッタとを具備し,前記AD変換器の出力を前記ディジタル累積器に入力し,該ディジタル累積器から得られる交流信号1周期分の累積値を前記データ保持器の一方の入力値とし,前記データ保持器出力を前記リミッタの入力とし,前記リミッタの出力と,前記データ保持器の出力の差を前記データ保持器の他方の入力値とし,前記リミッタ出力を補正値として前記AD変換器のディジタル値から差し引いて出力するように構成したことを特徴とする1項記載のステッピングモータの駆動装置。
  3. 前記補正値はモータ停止時において0とし,所定速度を超えてから有効となるようにした1項記載のステッピングモータの駆動装置。
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