JP2007096424A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被写体画像中の肌色領域の精度よい抽出および色調を可能とし、また、専用の肌色抽出部や色空間変換部を不要として機器の小型化、軽量化および低コスト化を図ることができる。
【解決手段】 肌色抽出部532bは、入力された信号を左(2倍)または右(1/2倍)に所定ビットシフトするシフト部100〜102と、入力される2つの信号を加算する加算部104、106、128、200、201、202と、システムコントローラ6からの選択制御信号に基づき、入力される信号のいずれか一方を選択する選択部113、203〜205と、入力される信号の大小に応じて1または0を出力する比較部207〜210と、入力される信号の論理積(AND)をとる論理積部211〜213とで構成されている。
【選択図】 図8

Description

本発明は撮像装置に関し、特に肌色信号を抽出して処理する機能を備えた撮像装置に関する。
一般に、被写体画像中に人物が含まれる場合、人間は、画像中の人物の肌色に注目する傾向があり、この肌色の色調が、その画像全体に対する主観的画質に大きく影響を与えることが知られている。
近年、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラに代表されるイメージングデバイス(撮像素子)を搭載した撮像装置の普及は目覚ましく、これらの撮像装置における肌色の色調の調整は、撮影時の光源の状態に応じて、R(赤)、G(緑)、B(青)3原色の強度比のバランスを調整し、全ての色の基準色となる白色を、人間の目で見た被写体と同じ色調になるように調整するいわゆるホワイトバランス調整機能により実現される。
前述した肌色に関しては、撮像装置により撮影された画像と実際の画像の色調とが異なっている方が好ましい場合が多々ある。また、色温度の低い光源下では、白色との判別が難しい場合も多々ある。このため、被写体画像中の肌色領域を抽出し、上記領域に特定の調整処理を行うことが望ましい。この肌色領域の抽出においては、RGB3次元空間上で肌色が占めると考えられる領域を専用の肌色抽出部により抽出する方法や、色空間をCIE(国際照明委員会)で定められたLab均等空間へと変換し抽出する方法が一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−180114号公報
しかしながら、被写体画像中の肌色領域を抽出するためには、ホワイトバランス調整部とは別の専用の肌色領域抽出部を必要とし、また、Lab均等空間へと変換する方式では、更に色空間への変換を行う色空間変換部が別途必要であるため、機器の大規模化、高コスト化に繋がるという問題点があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、被写体画像中の肌色領域の精度よい抽出および色調を可能とし、また、専用の肌色抽出部や色空間変換部を不要として機器の小型化、軽量化および低コスト化を図ることができる撮像装置を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、撮像被写体画像から特定の色信号を抽出して処理する機能を備えた撮像装置において、前記撮像被写体画像から色分解された3つの色信号のうちの1色を基準色信号とし、前記基準色信号と、前記基準色信号に対する他の2つの色信号との比率を、それぞれX軸およびY軸に規定した領域を形成し、前記領域内において係数が、m×2n(m、n:整数)である複数の直線により囲まれた色抽出領域を、入力される前記色信号をそれぞれシフト演算処理するシフト回路と、入力される前記色信号の大きさを加算する加算回路とを用いて演算する演算部と、前記演算部によって求められた演算結果に基づいて、前記3つの色信号が前記色抽出領域内に存在するか否かを判断する判断部とを有することを特徴とする撮像装置が提供される。
このような撮像装置によれば、演算部によりシフト回路と加算回路とを用いて色抽出領域が演算される。また、判断部により3つの色信号が色抽出領域に存在するか否かが判断される。
本発明によれば、色信号を抽出する演算を行う際に、乗算および除算を行わずに演算処理が可能であるため、撮像被写体画像中の色を精度よく抽出でき、精度よい色調を行いつつ、撮像装置を簡易なものにすることができるため、撮像装置の小型化、軽量化および低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、撮像装置の要部構成を示すブロック図である。
図1に示す撮像装置1は、光学ブロック2、ドライバ2a、駆動部2b、イメージセンサ3、タイミング発生回路(TG)3a、アナログフロントエンド(AFE)回路4、信号処理回路5、システムコントローラ6、操作部7、グラフィックI/F(インタフェース)8、およびディスプレイ(画像モニタ)8aを具備する。
光学ブロック2は、光源からの入射光および被写体からの光(反射光)をイメージセンサ3に集光するためのレンズ、レンズを移動させてフォーカス合わせやズーミングを行うための駆動機構、シャッタ機構、被写体照度に応じて絞りを調節し、レンズを通過した光の量(光量)、すなわち露出を決定するアイリス機構などを具備している。
ドライバ2aは、システムコントローラ6からの制御信号に基づいて、絞り駆動等、光学ブロック2内の各機構の駆動を制御する駆動信号を出力する。
駆動部2bは、ドライバ2aからの駆動信号を受けて、光学ブロック2の駆動機構を駆動する。
イメージセンサ3は、光電変換素子であるフォトダイオードがマトリクス(行列)状に配列された固体撮像素子であり、TG3aから出力されるタイミング信号に基づいて駆動され、被写体からの入射光を電気信号に変換する。なお、イメージセンサとしては特に限定されないが、例えば、CCD(Charged Coupled Device)や、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等が挙げられる。
TG3aは、システムコントローラ6の制御の下で電子シャッタを制御するタイミング信号を出力する。
AFE回路4は保持・利得制御回路41およびA/D変換回路(A/D)42を有している。AFE回路4は、例えば1つのIC(Integrated Circuit)として構成され、イメージセンサ3から出力された画像信号に対して、保持・利得制御回路41がCDS(Correlated Double Sampling)処理によりS/N(Signal/Noise)比を良好に保つようにサンプルホールドを行い、さらにAGC(Auto Gain Control)処理により利得(ゲイン)を制御する。また、A/D変換回路42がA/D変換を行いデジタル画像信号を出力する。なお、CDS処理を行う回路は、イメージセンサ3と同一基板上に形成されてもよい。
信号処理回路5は、AFE回路4にてデジタル信号に変換された被写体撮像信号に対し、システムコントローラ6からの制御信号に従い、AFE回路4からの画像信号に対するAF(Auto Focus:自動焦点)、AE(Automatic Exposure:自動露出)、AWB(Auto White Balance:オートホワイトバランス)等の各種カメラ制御処理、またはその処理の一部を実行し、被写体の映像信号(輝度信号および色差信号)を生成する。
信号処理回路5は、水平・垂直方向の同期信号や各種タイミング信号を生成する同期信号生成部51と、システムコントローラ6からの制御信号により制御処理を施し被写体映像信号を生成するカメラ信号処理部52と、被写体映像信号に対し上述した制御処理を施すための各種演算処理を行う制御演算処理部53と、被写体映像信号に対し解像度の変換や歪みの補正処理等を行う解像度変換部54とを有している。
図2は、カメラ信号処理部の構成を示すブロック図である。
カメラ信号処理部52は、AFE回路4からの被写体撮像信号に各種補正処理を施すカメラ信号前処理部52aと、WB(ホワイトバランス)アンプ部52bと、WBアンプ部52bから出力される信号の後処理を行うカメラ信号後処理部52cとを有している。
カメラ信号前処理部52aは、同期信号生成部51からの各種同期信号を用いて、被写体撮像信号に、撮像素子に起因する欠陥画素の補正やレンズに起因する明るさの不均一性(シェーディング)の補正、ノイズ除去等の各種補正処理を施す。また、カメラ信号前処理部52aは、イメージセンサ3からの入力信号がC(水色)、M(赤紫)、Y(黄)、のいわゆる補色信号で構成される場合は、R(赤)、G(緑)、B(青)からなる原色信号(以下、R信号、G信号、B信号という)への原色分離処理も施す。R信号、G信号およびB信号は、後段のWBアンプ部52bおよび制御演算処理部53への入力信号となる。
WBアンプ部52bは、入力されたR信号、G信号およびB信号それぞれに対し、システムコントローラ6からの制御信号によりゲインを乗じ、ホワイトバランスの調整を行う。
カメラ信号後処理部52cは、ホワイトバランス調整の施された被写体撮像信号から輝度信号(Y)および色差信号(R−Y、B−Y)からなる映像信号を生成する。
図3は、制御演算処理部を示すブロック図である。
制御演算処理部53は、システムコントローラ6からの設定信号に基づいて各種演算処理を行い、演算結果をシステムコントローラ6に出力する部位であり、制御演算前処理部53aと、AWB演算処理部53bと、AE演算処理部53cと、AF演算処理部53dとを有している。
制御演算前処理部53aは、同期信号生成部51からの各種同期信号を用いてAWB演算処理部53bとAE演算処理部53cとAF演算処理部53dへの入力信号と水平・垂直方向のアドレスカウンターおよび制御対象領域内の有効・無効を示すタイミング信号の生成を行う。
AWB演算処理部53bは、被写体または光源の色温度を測定し、各色(R、G、B)に対するゲインを決定し最適な色再現処理を自動的に行うAWB処理(自動測色処理)のための各種演算処理を行う。
AE演算処理部53cは、被写体照度に応じてシャッタースピードや絞り値を算出し自動的に露出条件を決定するAE処理(自動測光処理)のための各種演算処理を行う。
AF演算処理部53dは、被写体までの距離に応じて自動的にレンズを駆動制御するAF処理(自動測距処理)のための各種演算処理を行う。
図4は、AWB演算処理部の構成を示すブロック図である。
AWB演算処理部53bは、WB(ホワイトバランス)アンプ部531と、比率制限部532と、ゲート信号生成部533と、領域信号生成部534と、RGB積分部535と、RGB除算部536とを有している。
WBアンプ部531は、システムコントローラ6からの制御信号より予め設定された設定値に基づき、各色にゲインを乗じ、ホワイトバランスの調整処理を施す。ここで、WBアンプ部531は、カメラ信号処理部52内のWBアンプ部22とは異なるものであり、本来のホワイトバランス調整ゲインを決定するためのAWB演算処理部53bでの検波処理に必要な予め設定されたプリゲインに相当する。
比率制限部532は、白色抽出部532aと、肌色抽出部532bとを有している。
白色抽出部532aおよび肌色抽出部532bは、それぞれ、入力されるR信号、G信号およびB信号が、白色抽出領域および肌色抽出領域内に存在する信号であるか否かの判定処理を施す。ここで、白色および肌色の判定は、R信号とG信号との比率(R/G)およびB信号とG信号との比率(B/G)に基づいて行う。なお、白色抽出領域、肌色抽出領域、各色の判定に用いる具体的な比率並びに白色抽出部532aおよび肌色抽出部532bの具体的な構成については後述する。
ゲート信号生成部533は、比率制限部532での判定結果に基づき、白色について後述する白色制御対象領域内に該当する場合は1、該当しない場合は0となる白色領域ゲート信号を生成する。また、肌色についても後述する肌色制御対象領域内に該当する場合は1、該当しない場合は0となる肌色領域ゲート信号を生成する。
領域信号生成部534は、AWB演算処理部53bでのイメージセンサ3からの入力画像のどこの領域を積分エリア(制御対象領域)として用いるかを決定する白色制御対象領域信号および肌色制御対象領域信号を、システムコントローラ6からの制御信号に基づいて生成する。具体的には、領域信号生成部534は、制御信号とゲート信号生成部533からの白色領域ゲート信号との論理積を取ることにより、制御対象領域内でかつ白色領域に属するか否かを判断し、この条件を満たす場合は1、この条件を満たさない場合は0となる白色制御対象領域信号を出力する。同様に、領域信号生成部534は、制御信号とゲート信号生成部533からの肌色領域ゲート信号との論理積を取ることにより、制御対象領域内でかつ肌色領域に属するか否かを判断し、この条件を満たす場合は1、この条件を満たさない場合は0となる肌色制御対象領域信号を出力する。
制御対象領域としては、例えば、矩形領域を対象とする通常枠や多分割(マルチパターン)領域から構成されるマルチパターン枠等が挙げられる。
RGB積分部535は、入力されたR信号、G信号およびB信号が演算の対象の信号であるか否かを白色制御対象領域信号とゲート信号生成部533からの白色領域ゲート信号とから判断し、対象となるR信号、G信号およびB信号それぞれを積分する。また、RGB積分部535は、入力されたR信号、G信号およびB信号が演算の対象の信号であるか否かを肌色制御対象領域信号とゲート信号生成部533からの肌色領域ゲート信号とから判断し、対象となるR信号、G信号およびB信号それぞれを積分する。
RGB除算部536は、入力される白色および肌色についてのそれぞれのR信号とB信号とG信号との比率を除算により求め、白色および肌色について、それぞれR/GとB/Gとを出力する。
次に、AWB演算処理部53bの動作について説明する。
カメラ信号前処理部52aより入力されたR信号、G信号およびB信号は、WBアンプ部531にて、各色信号毎にゲインを乗ぜられ、ホワイトバランスの調整処理が施される。ホワイトバランス調整処理を施されたR信号、G信号およびB信号は、比率制限部532内の白色抽出部532aおよび肌色抽出部532bにて、白色および肌色領域に存在する信号であるか否かの判定処理が施される。
次に、ゲート信号生成部533により、上記比率制限部での判定結果に基づき、判定領域内に該当する入力信号の場合は1、該当しない場合は0となるゲート信号が、白色および肌色の各々の場合について生成される。
次に、領域信号生成部534により、システムコントローラ6からの制御信号に基づいて白色制御対象領域信号および肌色制御対象領域信号が生成される。
次に、RGB積分部535により、白色制御対象領域信号に基づいて、入力された信号が演算の対象の信号であるか否かが判断され、R信号、G信号およびB信号それぞれが積分される(肌色制御対象領域信号についても同様)。
その後、RGB除算部536により、入力されるR信号とB信号とG信号との比率が除算により求められ、R/GとB/Gとが出力される。
再び図1に戻って説明する。
システムコントローラ6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成されるマイクロコントローラであり、前述した演算結果に基づいて、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより、光学ブロック2、イメージセンサ3、AFE回路4、信号処理回路5等、撮像装置1の各部を統括的に制御することにより、AF、AE、AWBの自動制御処理を行い、撮像被写体の好適な映像信号の生成を行う。
操作部7は、例えばシャッタレリーズボタンなどの各種操作キーやレバー、ダイヤルなどを有しており、ユーザによる入力操作に応じた制御信号をシステムコントローラ6に出力する。
グラフィックI/F8は、信号処理回路5からシステムコントローラ6を介して供給された画像信号から、ディスプレイ8aに表示させるための画像信号を生成して、この信号をディスプレイ8aに供給し、画像を表示させる。ディスプレイ8aは、例えばLCD(Liguid Crystal Display)からなり、撮像中のカメラスルー画像や図示しない記録媒体に記録されたデータに基づく再生画像などを表示する。
この撮像装置1では、イメージセンサ3によって受光されて光電変換された信号が、順次AFE回路4に供給され、CDS処理やAGC処理が施された後、デジタル信号に変換される。信号処理回路5は、AFE回路4から供給されたデジタル画像信号を輝度信号(Y)と色差信号(R−Y、B−Y)に変換し、最終的に画質補正処理して出力する。
信号処理回路5から出力された信号は、システムコントローラ6を介してグラフィックI/F8に供給されて表示用の画像信号に変換され、これによりディスプレイ8aにカメラスルー画像が表示される。また、操作部7からのユーザの入力操作などによりシステムコントローラ6に対して画像の記録が指示されると、信号処理回路5からの画像データは図示しないエンコーダに供給され、所定の圧縮符号化処理が施されて図示しない記録媒体に記録される。静止画像の記録の際には、信号処理回路5からは1フレーム分の画像データがエンコーダに供給され、動画像の記録の際には、処理された画像データがエンコーダに連続的に供給される。
次に、白色抽出領域および肌色抽出領域について説明する。
まず、白色抽出領域について説明する。
図5は、白色抽出領域を示す図である。
なお、図5の下側を「下」、上側を「上」という。また、上から下に向かう方向を「縦方向」、左から右に向かう方向を「横方向」、左上から右下に向かう方向を「斜め方向」という。
図5に示すように、白色抽出領域は、白色抽出部532aにおいて、白色の判定に用いるRとGの比率(R/G)およびBとGの比率(B/G)から構成される抽出領域である。
種々の検討およびシミュレーションを行った結果、本実施の形態では、R/GをX軸、B/GをY軸としたときの各軸に平行な水平および垂直方向の直線の上辺、下辺と斜め方向の直線にて囲まれた六角形の領域を白色抽出領域と定義する。この白色抽出領域は、選択の自由度を高めるため、六角形を構成する各辺は、互いに平行な2つの直線(上限値、下限値および切片)で構成されており、システムコントローラ6からの選択制御信号に基づいていずれか一方が選択される。
式(1)〜式(6)は、図5に示す白色抽出領域を構成する各辺の具体的な数値の一例を示したものである。ここで、式(1)は、R/Gの下限値を示し、式(2)は、R/Gの上限値を示し、式(3)は、B/Gの下限値を示し、式(4)は、B/Gの上限値を示し、式(5)は、図5中下側の切片を示し、式(6)は、上側の切片を示している。また、式(1)〜式(6)のカッコ内の小数の値は、それぞれ、すぐ左に示す分数の値を小数に直したものであり乗算を行っているわけではない(以下に示す式(7)〜式(20)についても同様)。
Figure 2007096424
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このように、式(1)〜式(6)は、係数が、m×2n(m、n:整数)である複数の直線を構成している。
図5において、斜線にて示された六角形の白色抽出領域Aは、上記選択により最も抽出領域を狭く設定した場合であり、白色抽出領域Aを包含し、白色抽出領域Aよりも広く示された六角形の白色抽出領域Bは、最も抽出領域を広く設定した場合に相当する。このように、抽出領域の上限および下限を段階的に設定することにより、白色の抽出をより精密に行うことができる。
次に、肌色抽出部532bにおける肌色抽出領域について説明する。
図6は、肌色抽出領域を示す図である。
図6に示すように、肌色抽出領域は、肌色抽出部532bにおいて、肌色の判定に用いるRとGの比率(R/G)およびBとGの比率(B/G)から構成される抽出領域を具体的に示したものである。
種々の検討およびシミュレーションを行った結果、本実施の形態ではR/G、B/Gの各軸に平行な水平および垂直方向の直線の上辺、下辺にて囲まれた四角形の領域を肌色抽出領域と定義し、前述した白色抽出領域の場合と同様、選択の自由度を高めるため、四角形を構成する各辺は、互いに平行な2つの直線(上限値、下限値)で構成されており、システムコントローラ6からの選択制御信号に基づいていずれか一方が選択される。
式(7)〜式(10)は、肌色抽出領域を構成する各辺の具体的な数値の一例を示したものである。ここで、式(7)は、R/Gの下限値を示し、式(8)は、R/Gの上限値を示し、式(9)は、B/Gの下限値を示し、式(10)は、B/Gの上限値を示している。
Figure 2007096424
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このように、式(7)〜式(10)についても、係数が、m×2n(m、n:整数)である複数の直線を構成している。
図6において、斜線にて示された四角形の肌色抽出領域Cは、最も肌色抽出領域を狭く設定した場合であり、肌色抽出領域Cを包含し、肌色抽出領域Cよりも広く示された四角形の肌色抽出領域Dは、最も肌色抽出領域を広く設定した場合に相当する。このように、抽出領域の上限および下限を段階的に設定することにより、肌色の抽出をより精密に行うことができる。
ところで、式(1)において、両辺にGを乗じると式(11)のように変形することができる。
Figure 2007096424
式(11)では、RをGの関数とすることにより、R信号とG信号との比較演算に置き換えることができる。
式(12)〜式(16)もまた、式(11)と同様に変形することにより、RおよびBをGの関数に置き換えることができる。
Figure 2007096424
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すなわち、式(11)〜式(16)のいずれの演算にも、除算、乗算演算の必要は無く、加算、比較演算にて実現することができるため、演算が簡略化される。
次に、式(11)〜式(16)によって実現される白色抽出領域を、演算により形成する白色抽出部532aの構成について説明する。
図7は、白色抽出部の内部構成を示すブロック図である。
白色抽出部532aは、入力された信号を左(2倍)または右(1/2倍)に所定ビットシフトするシフト部100〜103、107、114、115、117と、入力される2つの信号を加算する加算部104〜106、116と、システムコントローラ6からの選択制御信号に基づき、入力される信号のいずれか一方を選択して出力する選択部108〜113とで構成される演算部並びに入力される信号の大小に応じて1または0を出力する比較部118〜123と、入力される信号の論理積(AND)をとり結果を出力する論理積部124〜127とで構成される判断部で構成されている。なお、以下では、判断部での演算も演算処理という。
シフト部100は、入力されるG信号を3ビット右にシフトして1/8G信号を出力する。シフト部101は、入力されるG信号を2ビット右にシフトして2/8信号を出力する。シフト部102は、入力されるG信号を1ビット右にシフトして1/2G信号を出力する。シフト部103は、入力されるG信号を1ビット左にシフトして2G信号を出力する。シフト部114は、入力されるR信号を1ビット左にシフトして2R信号を出力する。シフト部115は、入力されるB信号を1ビット左にシフトして2B信号を出力する。加算部104は、シフト部100から入力される1/8G信号とシフト部102から入力される1/2G信号とを加算して5/8G信号を出力する。加算部105は、シフト部103から入力される2G信号とG信号とを加算して3G信号を出力する。加算部106は、シフト部100から入力される1/8G信号と入力されるG信号とを加算して9/8G信号を出力する。シフト部107は、入力される3G信号を2ビット右にシフトして出力する。選択部108、109は、シフト部100から入力される1/8G信号とシフト部101から入力される2/8G信号のいずれか一方を出力する。選択部110、111は、加算部104から入力される5/8G信号とシフト部107から入力される6/8G信号のいずれか一方を出力する。
選択部112は、入力されるG信号とシフト部107から入力される6/8G信号のいずれか一方を出力する。選択部113は、加算部106から入力される9/8G信号と入力されるG信号のいずれか一方を出力する。シフト部114は、入力されるR信号を1ビット左にシフトして2R信号を出力する。シフト部115は、入力されるB信号を1ビット左にシフトして2B信号を出力する。
加算部116は、入力されるB信号とR信号とを加算して(B+R)信号を出力する。シフト部117は、入力される(B+R)信号を1ビット左にシフトして2(B+R)信号を出力する。
次に、一例として白色抽出部532aの、式(11)の演算処理について説明する。入力されたG信号は、シフト部100、101にてそれぞれ3ビット、2ビットに右シフト演算処理が施され、1/8G、2/8(1/4)G信号となる。選択部108では、1/8G、2/8Gのいずれか一方の信号が選択される。選択された信号は、比較部118にて、入力R信号との比較演算処理が施され、式(11)の関係が成り立つ場合は1、そうでない場合は0となる比較演算結果信号が論理積部124に出力される。
同様に、式(12)〜式(16)の演算処理も、それぞれ入力G信号のシフト部および加算部によるシフト演算および加算処理と選択部での選択制御信号による選択処理を経て比較部119〜123で比較演算処理をすることにより実現される。なお、ここではその詳細な説明は省略する。
このように、式(11)および式(12)に相当する比較演算処理結果は論理積部124に、式(13)および式(14)に相当する比較演算処理結果は論理積部125に、式(15)および式(16)に相当する比較演算処理結果は論理積部126にそれぞれ出力され、論理積演算処理が施される。ここで、論理積部124は、白色抽出部532aに入力されたR信号、B信号およびG信号が、対向する縦方向の2直線内に属しているか否かを判断している。また、論理積部125は、白色抽出部532aに入力されたR信号、B信号およびG信号が、対向する横方向の2直線内に属しているか否かを判断している。また、論理積部126は、白色抽出部532aに入力されたR信号、B信号およびG信号が、対向する斜め方向の2直線内に属しているか否かを判断している。
論理積部124〜126における論理積演算結果は、最終的に論理積部127へと入力され、論理積演算処理が施される。
論理積部127での論理積演算結果が1の場合は、入力された信号が、図4で示される白色抽出領域内に存在する信号であり、白色に相当すると判定され、論理積演算結果が0の場合は、白色に相当しない信号と判定される。これにより、被写体画像中の白色領域を抽出可能とする。
ところで、式(11)〜式(16)と同様に、式(7)〜式(10)は、それぞれ式(17)〜式(20)に示すように変形することができる。
Figure 2007096424
Figure 2007096424
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このように、式(17)〜式(20)のいずれの演算にも、除算および乗算演算の必要は無く、全て、加算、比較演算にて実現することができる。
次に、式(17)〜式(20)によって実現される肌色抽出領域を、演算により形成する肌色抽出部532bの構成について説明する。なお、以下では前述した白色抽出部532aとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図8は、肌色抽出部の内部構成を示すブロック図である。
肌色抽出部532bは、入力された信号を左(2倍)または右(1/2倍)に所定ビットシフトするシフト部100〜102と、入力される2つの信号を加算する加算部104、106、128、200〜202と、システムコントローラ6からの選択制御信号に基づき、入力される信号のいずれか一方を選択する選択部113、203〜205と、入力される信号の大小に応じて1または0を出力する比較部207〜210と、入力される信号の論理積(AND)をとる論理積部211〜213とで構成されている。
なお、図8に示すように、肌色抽出部532bのシフト部100〜102および加算部104、106、128は、図7の白色抽出部532aのシフト部および加算部を共有(兼用)する共有部300を構成している。
次に、一例として肌色抽出部532bの、式(17)の演算処理について説明する。入力されたG信号は、シフト部100、101、102にて、それぞれ右に3ビット、2ビット、1ビットのシフト演算処理が施され、1/8G、1/4G、1/2G信号となる。シフト演算処理の施された1/8G、1/2G信号は、加算部104にて加算処理が施され、5/8G信号となる。また、1/4G信号は、加算部200にて、加算処理後の5/8G信号との加算処理が施され、7/8G信号となる。選択部203では、システムコントローラ6からの選択制御信号に基づき、7/8G、入力G信号の何れかの信号が選択される。選択されたG信号は、比較部207にて、入力R信号との比較演算処理が施され、式(17)の関係が成り立つ場合は1、そうでない場合は0となる比較演算結果信号が論理積部211に出力される。
式(18)〜式(20)の演算は、式(17)の場合と同様に入力G信号のシフト部および加算部によるシフト演算および加算処理と選択部での選択制御信号による選択処理および比較部での比較演算処理にて実現されるため、ここではその詳細な説明は省略する。
そして、式(17)および式(18)に相当する比較演算処理結果は論理積部211へ、式(19)および式(20)に相当する比較演算処理結果は論理積部212へそれぞれ出力され、論理積部211、212にてそれぞれ論理積演算処理が施される。論理積部211、212における論理積演算結果は、最終的に論理積部213へと入力され、論理積演算処理が施される。
すなわち、論理積部213での論理積演算結果が1の場合は、図6で示される肌色抽出領域内に存在する信号であり、肌色に相当する信号であると判定することができ、論理積部213での論理積演算結果が0の場合は、肌色に相当しない信号であると判定することができる。これにより、被写体画像中の肌色領域を抽出可能とする。
以上述べたように、本実施の形態の撮像装置1によれば、AWB演算処理部53b内の比率制限部532に肌色抽出部532bを設け、肌色抽出部532bが、形成された肌色抽出領域内において、係数がm×2nで表される式(17)〜式(20)により囲まれた肌色抽出領域を、シフト部100〜102、加算部104、106、128、200〜202を用いて構成することにより乗算処理および除算処理を不要とすることによって、回路構成を簡易なものにすることができるため、被写体画像中の肌色領域を精度よく抽出でき、精度よい色調を行いつつ、機器の小型化、軽量化および低コスト化を図ることができる。
また、白色抽出部532aと肌色抽出部532bとが演算部を一部共有する共有部300を有することにより、肌色抽出部532bや色空間変換部の専用部分を減らすことができる。
さらに、制御演算処理部53内に肌色抽出部532bを設けることにより、AWB演算処理部53bのみならず、AE演算処理部53c、AF演算処理部53dとの自動制御処理の連携制御を可能とし、特に人物が被写体となるような場面において、撮像被写体の好適な映像信号の生成を行うことができる。
以上、本発明の撮像装置を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
なお、本実施の形態では、白色抽出領域Aおよび白色抽出領域Bを作成した場合について説明したが、これに限らず、システムコントローラ6が選択部108〜113の選択パターンを変更することにより、他の大きさ(パターン)の白色抽出領域を作成することができる。また同様に、選択部203〜205の選択パターンを変更することにより他の大きさ(パターン)の肌色抽出領域を作成することができる。
また、前述した各実施の形態においては、信号処理回路5は集積回路(ハードウェア)で構成される例を示したが、前述した構成の全て、またはその一部を、コンピュータ等を利用してソフトウェア的に実現するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、色信号としてR信号、G信号およびB信号を用いたが、これに限定されず、例えば、C(水色)信号、M(赤紫)信号、Y(黄)信号のいわゆる補色信号等を用いてもよい。
また、本発明の撮像装置は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の静止画像または動画像の撮像装置等に適用することができる。
撮像装置の要部構成を示すブロック図である。 カメラ信号処理部の構成を示すブロック図である。 制御演算処理部を示すブロック図である。 AWB演算処理部の構成を示すブロック図である。 白色抽出領域を示す図である。 肌色抽出領域を示す図である。 白色抽出部の内部構成を示すブロック図である。 肌色抽出部の内部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1・・・撮像装置、100〜103、107、114、115、117・・・シフト部、104〜106、116、200〜202・・・加算部、108〜113、203〜205・・・選択部、118〜123、207〜210・・・比較部、124〜127、211〜213・・・論理積部、300・・・共有部、532b・・・肌色抽出部、C、D・・・肌色抽出領域

Claims (8)

  1. 撮像被写体画像から特定の色信号を抽出して処理する機能を備えた撮像装置において、
    前記撮像被写体画像から色分解された3つの色信号のうちの1色を基準色信号とし、前記基準色信号と、前記基準色信号に対する他の2つの色信号との比率を、それぞれX軸およびY軸に規定した領域を形成し、前記領域内において係数が、m×2n(m、n:整数)である複数の直線により囲まれた色抽出領域を、入力される前記色信号をそれぞれシフト演算処理するシフト部と、入力される前記色信号の大きさを加算する加算部とを用いて演算する演算部と、
    前記演算部によって求められた演算結果に基づいて、前記3つの色信号が前記色抽出領域内に存在するか否かを判断する判断部と、
    を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記色抽出領域は、肌色抽出領域であることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記判断部は、入力された色信号の大きさを比較する比較部と、前記比較部からの比較結果信号を用いて論理積演算処理を施す論理積部とを有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  4. 前記色抽出領域は、抽出を行う色の数に応じて複数設けられ、
    前記各色抽出領域の演算の際に、前記演算部は、前記シフト部および加算部の一部を共有することを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
  5. 前記複数の色抽出領域は、白色抽出領域および肌色抽出領域であることを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
  6. 前記演算部は、前記色抽出領域の大きさを選択する選択回路をさらに有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  7. 前記演算部は、前記シフト部および前記加算部を用いて前記基準色信号と前記他の2つの色信号のうちの1つの色信号との比率および/または前記基準色信号と前記他の2つの色信号の和との比率に上限値および下限値を設定し、
    前記選択回路は、前記上限値および前記下限値内の値を選択することにより前記色抽出領域の大きさを選択することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
  8. 前記演算部は、前記上限値および下限値内の値を段階的に設定することを特徴とする請求項7記載の撮像装置。
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