JP2007095842A - 半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い研磨速度、平坦性を保ちながら、低スクラッチを可能とする。
【解決手段】 橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂からなる非水溶性架橋構造体中に水溶性樹脂よりなる粒子が分散された組成物よりなる研磨パッドと、研磨液として無機/有機複合粒子を含有する研磨液とを用いて導電性材料膜を研磨する。
【選択図】 なし
【解決手段】 橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂からなる非水溶性架橋構造体中に水溶性樹脂よりなる粒子が分散された組成物よりなる研磨パッドと、研磨液として無機/有機複合粒子を含有する研磨液とを用いて導電性材料膜を研磨する。
【選択図】 なし
Description
本発明は半導体デバイスの製造に関するものであり、特に半導体デバイスの配線工程における半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法に関する。
半導体集積回路(以下、LSIと記す)で代表される半導体デバイスの開発においては、高集積化・高速化のため、配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと記す)等の種々の術が用いられてきている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基盤(ウェハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基盤の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基盤の表面を平坦化するものである。
特に配線層の絶縁膜研磨に使用されるCMPは、層間絶縁膜CMPと呼ばれ、上層の配線層を形成する前に、段差を平坦化し、次工程の露光工程で露光しやすくするために必須である。
また、上層配線層と下層配線層を接続する部分をviaと一般的に呼ぶが、従来はタングステンなどが主に使用されてきたが、現在は、銅を配線とvia材料に使用し、配線と上層、下層接続部分を一括で形成できるデュアルダマシンプロセスでもCMPが必須となっている。
このようなCMPに用いる金属用研磨溶液は、一般には砥粒(例えばアルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば過酸化水素、過硫酸)とを含むものであって、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
また、上層配線層と下層配線層を接続する部分をviaと一般的に呼ぶが、従来はタングステンなどが主に使用されてきたが、現在は、銅を配線とvia材料に使用し、配線と上層、下層接続部分を一括で形成できるデュアルダマシンプロセスでもCMPが必須となっている。
このようなCMPに用いる金属用研磨溶液は、一般には砥粒(例えばアルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば過酸化水素、過硫酸)とを含むものであって、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
しかしながら、このような研磨パッドと砥粒を含む研磨液を用いてCMPを行なうと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が平面状ではなく、中央のみがより深く研磨されて皿状のくぼみを生ずる現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨されたうえ、複数の配線金属面表面が皿状の凹部を形成する現象(エロージョン)などが発生することがある。また、最近は生産性向上のため、LSI製造時のウェハ径を大型化しており、現在は直径200mm以上が汎用されており、300mm以上の大きさでの製造も開始され始めてきた。このような大型化に伴い、ウェハ1枚でのデバイスの生産個数は増加するものの、1枚を処理する時間が生産性に寄与するため、研磨速度の向上も課題である。
このような従来の固体砥粒における問題点を解決するために、砥粒を含まず、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾトリアゾール/ポリアクリル酸アンモニウムおよび水からなる金属用研磨液が知られているが、従来の固体砥粒を含むよりもはるかに機械的に柔らかい研磨パッドとの摩擦によってCMPが進むため、充分な研磨速度が得難いという問題点を有している。
一方、CMPに用いる研磨パッドとして、特開2001−334455には非水溶性架橋構造体中に水溶性樹脂よりなる粒子を含有するパッドが記載されているがスクラッチに対する防止が充分でない。
このように、ウェハ表面を研磨するとき、スクラッチ発生による歩留まり低下や硬度不足による研磨速度低下の課題があり、これらが半導体集積回路の生産性向上の阻害要因となっている。
特開2001−334455号公報
本発明は、スラリーの保持性に優れ、研磨速度が大きい研磨パッドと、充分な強度及び硬度を有し、耐熱性に優れた、半導体装置の製造に用いる化学機械研磨用複合粒子を含有する水系分散体を含む研磨液との両者を用いて半導体用ウェハを研磨するようにするので、ドレス(研磨後の目立て)しても研磨パッド上のポアを塞ぐことなく、高い研磨速度、平坦性を保ちかつ、低スクラッチを達成できる半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
(1)架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂を用いた非水溶性架橋構造体中に水溶性樹脂よりなる粒子が分散された組成物により形成された研磨パッドと、研磨液として無機/有機複合粒子を含有する研磨液とを用いて導電性材料膜を研磨することを特徴とする半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法である。
(1)架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂を用いた非水溶性架橋構造体中に水溶性樹脂よりなる粒子が分散された組成物により形成された研磨パッドと、研磨液として無機/有機複合粒子を含有する研磨液とを用いて導電性材料膜を研磨することを特徴とする半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法である。
(2)前記架橋ゴムが、1,2−ポリブタジエンであることを特徴とする前記(1)に記載の半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法である。
(3)前記水溶性樹脂が、デキストリン、シクロデキストリン、マンニット、蛋白質、水溶性の感光性樹脂、スルフォン化ポリイソプレン、及びスルフォン化イソプレン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法である。
(4)前記無機/有機複合粒子が、無機粒子に有機粒子が物理的もしくは化学的に付着してなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法である。
(5)前記研磨パッドにおける非水溶性架橋構造体と水溶性樹脂よりなる粒子との合計を100体積%とした場合に、該水溶性樹脂よりなる粒子の割合が10〜90体積%であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法である。
研磨パッドと組み合わせて使用する従来の研磨剤である酸化物粒子の水分散体は、酸化物粒子の分散安定性が低いため、凝集塊によって被研磨面に表面欠陥(以下、「スクラッチ」という。)が発生するが、本発明のような無機/有機複合粒子を用いて構成された研磨液の使用により、スクラッチがなく高い研磨速度、平坦性を保つことができる。
本発明の効果は、LSIの生産コストを低減するために、研磨パッド上のポアを塞ぐことがなく処理効率に優れており、高い研磨速度、平坦性を保ちかつ、低スクラッチを達成できる半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法を提供することにある。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
<研磨液>
〔研磨粒子〕
本発明に用いる研磨液は、研磨粒子(砥粒)として、無機/有機複合粒子を含有することを特徴とする。
<研磨液>
〔研磨粒子〕
本発明に用いる研磨液は、研磨粒子(砥粒)として、無機/有機複合粒子を含有することを特徴とする。
本発明にいう無機/有機複合粒子とは、無機粒子に有機重合体の粒子(有機粒子)が物理的もしくは化学的に付着してなる場合と、無機粒子の外側の少なくとも一部が被覆された表面の大部分が有機物である場合も含む。粒子全体が有機物である有機粒子は、無機粒子よりも相当程度柔らかいので、無機粒子に対し研磨力は非常に小さいが、スラリー中の無機粒子に対して有機粒子が付着し、無機−有機粒子の複合粒子をスラリー中で形成すれば、無機粒子の実効的粒子径が増大し、充分な研磨速度を達成することが可能である。
上記複合粒子を構成する無機粒子として、具体的には、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチタニアなどが挙げられ、好ましくはコロイダルシリカが挙げられる。複合粒子を構成する有機粒子として、具体的には、ポリスチレン及びスチレン系共重合体、(メタ)アクリル樹脂及びアクリル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのポリオレフィン及びオレフィン系共重合体、メラミン樹脂などが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル樹脂及びアクリル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのポリオレフィン及びオレフィン系共重合体が挙げられる。
無機粒子の外側の少なくとも一部が有機物で被覆された複合粒子を形成するには、上述した無機粒子の分散液にアルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド等を共存させシランカップリング剤によって被覆されるのが好ましい。
上記の無機粒子と有機粒子とから複合粒子を形成するには、上述した有機粒子と無機粒子との混合液にアルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド等を共存させ、シランカップリング剤等の添加剤によって化学的結合されるのが好ましい。場合により、有機粒子がカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基等の表面官能基を有する場合には、有機粒子と無機粒子との静電的相互作用によって結合されていてもよい。
本発明に係る研磨粒子は好ましくは、硬度が異なる少なくとも2種の素材が結合してなるものが好適である。
ここで述べる硬度とは、温度20℃条件下で使用素材と同様の組成10μmの粒子を微小圧縮試験機〔例えば(株)島津製作所製のMCT−500W〕において荷重を掛けた際に、粒径の10%を変位させるのに必要な荷重(強度)を指し、粒径の10%を変位させる際にかかる荷重(強度)が粒子間で10mN以上異なる際には、それぞれの粒子素材は異なるものと定義する。
本発明において、含まれる素材の硬度は20〜2000(MPa)の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは20〜1000(MPa)、さらに好ましくは30〜800(MPa)の範囲である。すなわち、研磨力の著しい低下を防ぐ上で、硬度は20(MPa)以上が好ましく、また、複合研磨粒子の緩衝能の働きを充分に発揮し、スクラッチ発生を低減する目的で、2000(MPa)以下の硬度が好ましい。
ここで述べる硬度とは、温度20℃条件下で使用素材と同様の組成10μmの粒子を微小圧縮試験機〔例えば(株)島津製作所製のMCT−500W〕において荷重を掛けた際に、粒径の10%を変位させるのに必要な荷重(強度)を指し、粒径の10%を変位させる際にかかる荷重(強度)が粒子間で10mN以上異なる際には、それぞれの粒子素材は異なるものと定義する。
本発明において、含まれる素材の硬度は20〜2000(MPa)の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは20〜1000(MPa)、さらに好ましくは30〜800(MPa)の範囲である。すなわち、研磨力の著しい低下を防ぐ上で、硬度は20(MPa)以上が好ましく、また、複合研磨粒子の緩衝能の働きを充分に発揮し、スクラッチ発生を低減する目的で、2000(MPa)以下の硬度が好ましい。
含まれる素材が2種以上の場合には、最も硬度の高いものと最も硬度の低いものとの硬度差が3(MPa)以上になることが好ましい。より好ましくは5(MPa)以上、さらに好ましくは20(MPa)以上になることが望まれる。すなわち、低硬度素材の緩衝材としての働きを充分に発揮し、スクラッチ発生を低減する目的で低硬度素材と高硬度素材の硬度差は3(MPa)以上が好ましい。
また、含有される複合粒子の平均粒径としては、50〜500nmが好ましく、より好ましくは50〜200nmである。充分な研磨加工速度を達成する目的から、平均粒径が50nm以上の粒子が好ましい。また、研磨加工中に過剰な摩擦熱を発生させない目的からは、平均粒径は500nm以下が好ましい。
本発明において、平均粒径とは、光子散乱平均粒子径をいい、LB−500(株式会社堀場製作所(HORIBA)製)を用いて測定されるものである。
複合粒子を形成する無機粒子の平均粒径としては、5〜30nmが好ましく、より好ましくは5〜20nmである。充分な研磨加工速度を達成する目的から、平均粒径が5nm以上の粒子が好ましい。また、研磨加工中に過剰な摩擦熱を発生させない目的からは、平均粒径は30nm以下が好ましい。
複合粒子を形成する有機粒子の平均粒径としては、30〜500nmが好ましく、より好ましくは30〜200nmである。充分な研磨加工速度を達成する目的から、30nm以上の粒子が好ましい。また、研磨加工中にディッシングを悪化させない目的からは、複合砥粒の平均粒径は50〜500nmが望ましく、より望ましくは50〜200nmである。
含有される複合粒子の濃度としては、絶縁膜を研磨するための研磨液においては、研磨液中に0.1〜4.5%、更に望ましくは0.5〜4%である。
導体膜を研磨するための導体膜用研磨液(金属研磨液A)においては、研磨液中に1%以下が望ましく、より望ましくは0.8%以下、更に望ましくは0.5%以下である。配線金属材料や、via材料が絶縁膜中に拡散することの防止や、金属膜の密着性を向上させるための、バリア膜を研磨するためのバリア膜用研磨液(金属研磨液B)においては、研磨液中に0.001〜5%が望ましく、より望ましくは0.1〜4.5%、更に望ましくは0.5〜4%である。いずれにせよ、金属研磨液Bが金属研磨液Aより濃厚となるようにするのが望ましい。
導体膜を研磨するための導体膜用研磨液(金属研磨液A)においては、研磨液中に1%以下が望ましく、より望ましくは0.8%以下、更に望ましくは0.5%以下である。配線金属材料や、via材料が絶縁膜中に拡散することの防止や、金属膜の密着性を向上させるための、バリア膜を研磨するためのバリア膜用研磨液(金属研磨液B)においては、研磨液中に0.001〜5%が望ましく、より望ましくは0.1〜4.5%、更に望ましくは0.5〜4%である。いずれにせよ、金属研磨液Bが金属研磨液Aより濃厚となるようにするのが望ましい。
〔他の成分〕
本発明に係る研磨液は、さらに他の成分を含有してもよい。好ましい成分としては、複素環化合物、酸化剤、有機酸、無機酸、界面活性剤、親溶性ポリマー、及びその他の添加剤を挙げることができる。研磨液が含有する上記成分は1種でも2種以上併用してもよい。以下、他の成分について詳述する。
本発明に係る研磨液は、さらに他の成分を含有してもよい。好ましい成分としては、複素環化合物、酸化剤、有機酸、無機酸、界面活性剤、親溶性ポリマー、及びその他の添加剤を挙げることができる。研磨液が含有する上記成分は1種でも2種以上併用してもよい。以下、他の成分について詳述する。
(複素環化合物)
本発明に係る研磨液には、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成する化合物として、複素環化合物を含有することができる。複素環化合物とは、ヘテロ原子を含んだ複素環を有する化合物である。
本発明に係る研磨液には、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成する化合物として、複素環化合物を含有することができる。複素環化合物とは、ヘテロ原子を含んだ複素環を有する化合物である。
複素環を有する化合物に含まれるヘテロ原子の数は限定されるものではないが、2個以上が好ましく、さらに好ましくは4個以上のヘテロ原子を含む化合物である。特に、3個以上の窒素原子を含有する複素環化合物を用いることが好ましく、本発明の効果が顕著に得られる点で4個以上の窒素原子を含有する複素環化合物が好ましい。
また、複素環は単環であっても縮合環を有する多環であってもよい。単環の場合の員数は、好ましくは5〜7であり、特に好ましくは5である。縮合環を有する場合の環数は、好ましくは2または3である。
前記複素環としては、具体的に以下のものが挙げられる。例えば、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チオピラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、クロマン環、チオクロマン環、イソクロマン環、イソチオクロマン環、インドリン環、イソインドリン環、ピリンジン環、インドリジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、アンチリジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズチアジアゾール環、ベンズフロキサン環、ナフトイミダゾール環、ベンズトリアゾール環、テトラアザインデン環等が挙げられ、より好ましくはトリアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。
本発明で用いる複素環化合物に導入しうる置換基としては、例えば以下のものが挙げられる。
複素環が有しうる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい。)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、ヘテロ環基が挙げられる。さらに、複数の置換基のうち、2以上が互いに結合して環を形成してもよく、例えば、芳香環、脂肪族炭化水素環、複素環などを形成することもできる。
複素環が有しうる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい。)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、ヘテロ環基が挙げられる。さらに、複数の置換基のうち、2以上が互いに結合して環を形成してもよく、例えば、芳香環、脂肪族炭化水素環、複素環などを形成することもできる。
本発明において、特に好ましく用いることができる複素環化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
すなわち、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール等である。
すなわち、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール等である。
前記複素環化合物は、一種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、本発明で用いる複素環化合物は、常法にしたがって合成できるほか、市販品を使用してもよい。
本発明で用いる複素環化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液(すなわち、水または水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液;以降の「研磨に使用する際の研磨液」についても同様である。)の1L(リットル;以下同様)中、0.0001〜0.1molが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.05mol、更に好ましくは0.0005〜0.01molである。
本発明で用いる複素環化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液(すなわち、水または水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液;以降の「研磨に使用する際の研磨液」についても同様である。)の1L(リットル;以下同様)中、0.0001〜0.1molが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.05mol、更に好ましくは0.0005〜0.01molである。
(酸化剤)
本発明に係る研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有することが好ましい。
本発明に係る研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有することが好ましい。
酸化剤の具体的な例としては、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水および銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられる。中でも、過酸化水素が好ましく用いられる。
酸化剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.003〜8molとすることが好ましく、0.03〜6molとすることがより好ましく、0.1〜4molとすることが特に好ましい。すなわち、酸化剤の添加量は金属の酸化が充分で高いCMP速度を確保する観点から、0.003mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から8mol以下が好ましい。
(有機酸)
本発明に係る研磨液は、上記酸化剤とは別に有機酸を含有することが好ましい。ここでいう有機酸は、金属を酸化するための酸化剤とは構造が異なる化合物であり、前述の酸化剤として機能する酸を包含するものではない。
本発明に係る研磨液は、上記酸化剤とは別に有機酸を含有することが好ましい。ここでいう有機酸は、金属を酸化するための酸化剤とは構造が異なる化合物であり、前述の酸化剤として機能する酸を包含するものではない。
有機酸としては、水溶性のものが望ましく、アミノ酸やそれ以外の酸である。
前記アミノ酸としては、以下の群から選ばれるものがより適している。すなわち、グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジ−ヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII、及びアンチパイン等のアミノ酸等が挙げられる。
前記アミノ酸としては、以下の群から選ばれるものがより適している。すなわち、グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジ−ヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII、及びアンチパイン等のアミノ酸等が挙げられる。
前記アミノ酸以外の有機酸としては、以下の群から選ばれるものがより適している。すなわち、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩等が挙げられる。これらの中では、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン等が、実用的なCMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で好適である。
有機酸の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0005〜0.5molとすることが好ましく、0.005〜0.3molとすることがより好ましく、0.01mol〜0.1molとすることが特に好ましい。すなわち、酸の添加量は、エッチングの抑制の点から0.5mol以下が好ましく、充分な効果を得る点で0.0005mol以上が好ましい。
(界面活性剤,親水性ポリマー)
本発明に係る研磨液は、界面活性剤や親水性ポリマーを含有することが好ましい。この界面活性剤及び親水性ポリマーはいずれも、被研磨面の接触角を低下させる作用を有し、均一な研磨を促す作用を有する。界面活性剤や親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれるものが好適である。
本発明に係る研磨液は、界面活性剤や親水性ポリマーを含有することが好ましい。この界面活性剤及び親水性ポリマーはいずれも、被研磨面の接触角を低下させる作用を有し、均一な研磨を促す作用を有する。界面活性剤や親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれるものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、陽イオン界面活性剤として、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩が挙げられ、両性界面活性剤として、例えば、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができ、非イオン界面活性剤として、例えば、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型の界面活性剤が挙げられ、また、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
前記親水性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール等のポリグリコール類、ポリビニルアルコール、ポロビニルピロリドン、アルギン酸等の多糖類、ポリメタクリル酸等のカルボン酸含有ポリマー等が挙げられる。
なお、上記の界面活性剤は、酸もしくはそのアンモニウム塩の方が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染がなく望ましい。上記した化合物例の中でも、シクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
界面活性剤や親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。
(pH調整剤)
本発明に係る研磨液は、所定のpHとすべく、アルカリ/酸又は緩衝剤を添加されることが好ましい。
アルカリ/酸又は緩衝剤としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤は、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
本発明に係る研磨液は、所定のpHとすべく、アルカリ/酸又は緩衝剤を添加されることが好ましい。
アルカリ/酸又は緩衝剤としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤は、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ/酸又は緩衝剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001〜1.0molとすることが好ましく0.003〜0.5molとすることがより好ましい。
研磨に使用する際の研磨液のpHとしては、3〜12が好ましく、より好ましくは4〜9であり、特に5〜8である。この範囲内であると、本発明に係る研磨液は特に優れた効果を発揮する。
研磨に使用する際の研磨液のpHとしては、3〜12が好ましく、より好ましくは4〜9であり、特に5〜8である。この範囲内であると、本発明に係る研磨液は特に優れた効果を発揮する。
(キレート剤)
本発明に係る研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤を含有していてもよい。
キレート剤としては、例えば、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物を用いることができ、必要に応じて、これらを2種以上併用してもよい。
本発明に係る研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤を含有していてもよい。
キレート剤としては、例えば、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物を用いることができ、必要に応じて、これらを2種以上併用してもよい。
キレート剤の添加量は、混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であればよく、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0003〜0.07molになるように添加する。
本発明においては、研磨面への吸着性や反応性、研磨金属の溶解性、被研磨面の電気化学的性質、化合物官能基の解離状態、液としての安定性などにより、適時化合物種、添加量やpH、分散媒を設定することが好ましい。
なお、研磨液の濃縮液作製時に添加する成分のうち、室温での溶媒に対する溶解度が5%未満のものの配合量は、室温での溶媒に対する溶解度の2倍以内とすることが好ましく、1.5倍以内とすることがより好ましい。この添加量が2倍以上では濃縮液を5℃に冷却した際の析出を防止するのが困難となる。
<研磨パッド>
本発明に係る研磨パッドは、研磨パッド作製用の組成物(研磨パッド用組成物)を用いて作製されたものである。研磨パッド用組成物は、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂を用いてなる非水溶性架橋構造体(以下、単に「架橋構造体」ということがある。)中に「水溶性樹脂よりなる粒子」が分散されてなるものである。
本発明に係る研磨パッドは、研磨パッド作製用の組成物(研磨パッド用組成物)を用いて作製されたものである。研磨パッド用組成物は、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂を用いてなる非水溶性架橋構造体(以下、単に「架橋構造体」ということがある。)中に「水溶性樹脂よりなる粒子」が分散されてなるものである。
上記「非水溶性架橋構造体」は、架橋構造体の全体に「水溶性樹脂よりなる粒子」を分散含有するものである。そして、本発明に係る研磨パッド用組成物から得られた研磨パッドにおいては、水と接触してその最表層に存在する「水溶性樹脂よりなる粒子」が溶出することによりポアが形成される。ポアは、スラリーを保持し、研磨屑を一時的に滞留させる機能を有する。
上記「水溶性樹脂よりなる粒子」は、研磨パッド中において水系分散体であるスラリーと接触することにより溶解又は膨潤し、架橋構造体から離脱する。
上記「水溶性樹脂よりなる粒子」は、研磨パッド中において水系分散体であるスラリーと接触することにより溶解又は膨潤し、架橋構造体から離脱する。
上記「架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂」は、架橋構造を有することにより構造体に弾性回復力を付与する。架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂を含有することにより、研磨時に研磨パッドにかかるずり応力による変位を小さく抑えることができ、研磨時及びドレッシング時に架橋構造体が過度に引き延ばされ塑性変形してポアが埋まること、また、研磨パッド表面が過度に毛羽立つこと等を効果的に抑制できる。したがって、ポアが効率よく形成されて研磨時のスラリーの保持性の低下が少なく、また、毛羽立ちが少なく研磨平坦性を阻害することもない。
この架橋構造体は、JIS K 6251に準じ、架橋構造体からなる試験片を80℃において破断させた場合に、破断後に残留する伸び(以下、単に「破断残留伸び」という。)が100%以下であることが好ましい。すなわち、破断した後の標線間合計距離が破断前の標線間距離の2倍以下であることが好ましい。この破断残留伸びは、30%以下(更に好ましくは10%以下、とりわけ好ましくは5%以下、通常0%以上)であることがより好ましい。破断残留伸びが100%を超えると、研磨時及び面更新時に研磨パッド表面から掻き取られた又は引き延ばされた微細片がポアを塞ぎ易くなる傾向を示すことがある。
なお、上記「破断残留伸び」とは、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準じて、試験片形状ダンベル状3号形、引張速度500mm/分、試験温度80℃で引張試験において試験片を破断させた場合に、破断して分割された試験片の各々の標線から破断部までの合計距離から、試験前の標線間距離を差し引いた伸びである。また、実際の研磨においては摺動により発熱するため温度80℃における試験となっている。
このような架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の多官能性モノマーを単量体の一部に用い、熱等の外部エネルギーを加えることで架橋する硬化性樹脂や、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、イソプレンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレンーイソプレンゴム等を架橋反応させた架橋ゴムや、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン等を架橋させた(架橋剤、紫外線又は電子線等の照射による)重合体や、イオノマー等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、多くのスラリー中に含有される強酸や強アルカリに対して安定であり、かつ吸水による軟化が少ないことから、架橋ゴムを用いることが好ましい。
なお、含有される架橋ゴムの量は、適宜選択すればよく、全体が架橋ゴムから構成されてもよく、その他の上記架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂との混合物であってもよい。これら架橋ゴムの中でも、とりわけ有機過酸化物を用いて架橋されたものが好ましく、1,2−ポリブタジエンを用いることが好ましい。1,2−ポリブタジエンは他の架橋ゴムと比べると硬度の高いゴムを得易い点で好ましい。
なお、含有される架橋ゴムの量は、適宜選択すればよく、全体が架橋ゴムから構成されてもよく、その他の上記架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂との混合物であってもよい。これら架橋ゴムの中でも、とりわけ有機過酸化物を用いて架橋されたものが好ましく、1,2−ポリブタジエンを用いることが好ましい。1,2−ポリブタジエンは他の架橋ゴムと比べると硬度の高いゴムを得易い点で好ましい。
一方、架橋構造体中に分散されている「水溶性樹脂よりなる粒子」は、水との接触により完全に溶解するもののみならず、水等を含有して膨潤し、ゲル状となることによって架橋構造体から遊離するものを含む。更に、この溶解又は膨潤は、水によるものばかりでなく、メタノール等のアルコール系溶剤を含有する水系混合媒体との接触においても溶解又は膨潤するものであってもよい。
「水溶性樹脂よりなる粒子」としては、有機系水溶性樹脂よりなる粒子及び無機系水溶性樹脂よりなる粒子を挙げることができる。
前記有機系水溶性樹脂よりなる粒子としては、例えば、デキストリン、シクロデキストリン、マンニット、糖類(乳糖等)、セルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等)、でんぷん、蛋白質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、水溶性の感光性樹脂、スルフォン化ポリイソプレン、スルフォン化ポリイソプレン共重合体等から形成されたものを挙げることができる。
前記有機系水溶性樹脂よりなる粒子としては、例えば、デキストリン、シクロデキストリン、マンニット、糖類(乳糖等)、セルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等)、でんぷん、蛋白質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキサイド、水溶性の感光性樹脂、スルフォン化ポリイソプレン、スルフォン化ポリイソプレン共重合体等から形成されたものを挙げることができる。
前記無機系水溶性樹脂よりなる粒子としては、例えば、酢酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、リン酸カリウム、硝酸マグネシウム等から形成されたものを挙げることができる。
これらの水溶性樹脂よりなる粒子は、上記各材料を一種単独又は二種以上を組み合わせて含有してもよい。更に、所定の材料からなる1種の水溶性樹脂よりなる粒子であってもよく、異なる材料からなる2種以上の水溶性樹脂よりなる粒子であってもよい。
これらの水溶性樹脂よりなる粒子は、上記各材料を一種単独又は二種以上を組み合わせて含有してもよい。更に、所定の材料からなる1種の水溶性樹脂よりなる粒子であってもよく、異なる材料からなる2種以上の水溶性樹脂よりなる粒子であってもよい。
また、「水溶性樹脂よりなる粒子」の粒径は、0.1〜500μm(より好ましくは0.5〜100μm)とすることが好ましい。粒径が0.1μm未満であると、形成されるポアの大きさが使用する研磨粒子(砥粒)より小さくなるため、スラリーを充分に保持できる研磨パッドが得難くなる傾向にある。一方、500μmを超えると、形成されるポアの大きさが過大となり、得られる研磨パッドの機械的強度及び研磨速度が低下する傾向にある。
更に、「水溶性樹脂よりなる粒子」の含有量は、架橋構造体と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計を100体積%とした場合に、「水溶性樹脂よりなる粒子」は10〜90体積%(より好ましくは15〜60体積%、更に好ましくは20〜40体積%)であることが好ましい。「水溶性樹脂よりなる粒子」の含有量が10体積%未満であると、得られる研磨パッドにおいてポアが充分に形成されず研磨速度が低下する傾向にあり、90体積%を超えると、得られる研磨パッドにおいて、研磨パッド内部に存在する「水溶性樹脂よりなる粒子」が膨潤又は溶解することを充分に防止でき難くなる傾向にあり、研磨パッドの硬度及び機械的強度を適正な値に保持し難くなる。
また、「水溶性樹脂よりなる粒子」は、研磨パッド内において表層に露出した場合にのみ水溶し、研磨パッド内部では吸湿し、更には膨潤しないことが好ましい。このため、水溶性樹脂よりなる粒子は、最外部の少なくとも一部に吸湿を抑制する外殻を備えることが好ましい。この外殻は、水溶性樹脂よりなる粒子に物理的に吸着していても、水溶性樹脂よりなる粒子と化学結合していても、更にはこの両方により水溶性樹脂よりなる粒子に接していてもよい。このような外殻を形成する材料としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリシリケート等を挙げることができる。なお、この外殻は水溶性樹脂よりなる粒子の一部のみに形成されていても充分に上記効果を得ることができる。
「水溶性樹脂よりなる粒子」は、ポアを形成する機能以外にも、研磨パッド中においては、研磨パッドの押し込み硬さを大きくする機能を有する(例えば、ショアーD硬度35〜100)。この押し込み硬さが大きいことにより研磨パッドにおいて被研磨面に負荷する圧力を大きくすることができる。このため、研磨速度を向上させるばかりでなく、同時に高い研磨平坦性が得られる。従って、この水溶性樹脂よりなる粒子は、研磨パッドにおいて充分な押し込み硬さを確保できる中実体であることが特に好ましい。
また、架橋構造体と「水溶性樹脂よりなる粒子」との親和性、並びに架橋構造体に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の分散性を制御するため、研磨パッド用組成物には、相溶化剤を配合することができる。
前記相溶化剤としては、例えば、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキサゾリン基及びアミノ基等により変性された重合体、ブロック共重合体、並びにランダム共重合体、さらに種々のノニオン系界面活性剤、カップリング剤等を挙げることができる。更に、研磨パッド用組成物には必要に応じて、充填剤、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤等の各種の添加剤を添加することができる。更に、硫黄や過酸化物等の反応性添加物を添加して反応させ、架橋させることもできる。特に前記充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー等の剛性を向上させる材料、及びシリカ、アルミナ、セリア、ジルコニア、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化マンガン、三酸化二マンガン、炭酸バリウム等の研磨効果を備える材料等を用いてもよい。
前記相溶化剤としては、例えば、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキサゾリン基及びアミノ基等により変性された重合体、ブロック共重合体、並びにランダム共重合体、さらに種々のノニオン系界面活性剤、カップリング剤等を挙げることができる。更に、研磨パッド用組成物には必要に応じて、充填剤、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤等の各種の添加剤を添加することができる。更に、硫黄や過酸化物等の反応性添加物を添加して反応させ、架橋させることもできる。特に前記充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー等の剛性を向上させる材料、及びシリカ、アルミナ、セリア、ジルコニア、酸化チタン、酸化ジルコニウム、二酸化マンガン、三酸化二マンガン、炭酸バリウム等の研磨効果を備える材料等を用いてもよい。
研磨パッド用組成物の製造方法は特に限定されない。混練工程を有する場合は、公知の混練機等により混練を行なうことができる。混練機には、例えば、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機(単軸、多軸)等を挙げることができる。なお、混練された研磨パッド用組成物は、プレス成形、押出成形、射出成形等を行なうことにより、シート状、ブロック状、又はフィルム状等の所望の形状に加工することができる。また、これを所望の大きさに加工することにより研磨パッドを得ることができる。
また、「水溶性樹脂よりなる粒子」を架橋構造体中に分散させる方法は、特に限定されないが、通常、架橋構造体、水溶性樹脂よりなる粒子、及びその他の添加剤等を混練して得ることができる。この混練において、架橋構造体は加工し易いように加熱されて混練されるが、このときの温度において「水溶性樹脂よりなる粒子」は固体であることが好ましい。固体であることにより、架橋構造体との相溶性の大きさに関わらず「水溶性樹脂よりなる粒子」を前記の好ましい平均粒径を呈する状態で分散させ易くなる。したがって、架橋構造体の加工温度により、水溶性樹脂よりなる粒子の種類を選択することが好ましい。
また、形成されるポアの大きさは、0.1〜500μm(より好ましくは0.5〜100μm)であることが好ましい。このポアの大きさが0.1μm未満であると、砥粒の粒径より小さくなることがあるため、砥粒を充分に保持し難くなる傾向を示すことがあり、500μmを超えると、充分な強度及び押し込み硬さを得難くなる傾向を示すことがある。
本発明に係る研磨パッドの表面(研磨面)には、スラリーの排出性を向上させる目的等で、必要に応じて溝及びドットパターンを所定の形状で形成できる。また、この研磨パッドの裏面(研磨面と反対側)には、例えばより軟質な層を張り合わせた研磨パッドのような多層構造を呈する研磨パッドとすることもできる。
更に、本発明に係る研磨パッドの形状は、特に限定されず、円盤状、ベルト状、ローラー状等研磨装置に応じて適宜選択することができる。
更に、本発明に係る研磨パッドの形状は、特に限定されず、円盤状、ベルト状、ローラー状等研磨装置に応じて適宜選択することができる。
〜絶縁膜材料〜
本発明においては、研磨する対象として、例えばLSI等の半導体における、層間絶縁膜材料である、二酸化シリコン膜、有機シリコン膜なども研磨可能である。
本発明においては、研磨する対象として、例えばLSI等の半導体における、層間絶縁膜材料である、二酸化シリコン膜、有機シリコン膜なども研磨可能である。
〜配線金属原材料〜
本発明においては、研磨する対象として、例えばLSI等の半導体における、タングステン、銅金属及び/又は銅合金からなる配線が好適であり、特には銅合金が好適である。更には、銅合金の中でも、銀を含有する銅合金が好ましい。この場合、銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、さらには1質量%以下が好ましく、最も優れた効果を発揮する点で、0.00001〜0.1質量%の範囲内である銅合金が好ましい。
本発明においては、研磨する対象として、例えばLSI等の半導体における、タングステン、銅金属及び/又は銅合金からなる配線が好適であり、特には銅合金が好適である。更には、銅合金の中でも、銀を含有する銅合金が好ましい。この場合、銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、さらには1質量%以下が好ましく、最も優れた効果を発揮する点で、0.00001〜0.1質量%の範囲内である銅合金が好ましい。
〜配線の太さ〜
本発明においては、研磨する対象である半導体として、例えば、DRAMデバイス系では配線太さがハーフピッチで0.15μm以下、特には0.10μm以下、更には0.08μm以下の配線を持つLSIが望ましく、MPUデバイス系では配線太さが0.12μm以下、特には0.09μm以下、更には0.07μm以下の配線を持つLSIが望ましい。これらのLSIに対して、本発明に係る研磨液は特に優れた効果を発揮する。
本発明においては、研磨する対象である半導体として、例えば、DRAMデバイス系では配線太さがハーフピッチで0.15μm以下、特には0.10μm以下、更には0.08μm以下の配線を持つLSIが望ましく、MPUデバイス系では配線太さが0.12μm以下、特には0.09μm以下、更には0.07μm以下の配線を持つLSIが望ましい。これらのLSIに対して、本発明に係る研磨液は特に優れた効果を発揮する。
〜バリア金属〜
さらに研磨する対象として、半導体の銅金属及び/または銅合金からなる配線及び層間絶縁膜の上に設けられる、銅の拡散を防ぐためのバリア層も好適である。
バリア層としては、低抵抗のメタル材料がよく、特にはTiN、TiW、Ta、TaN、W、WN、Ruが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
さらに研磨する対象として、半導体の銅金属及び/または銅合金からなる配線及び層間絶縁膜の上に設けられる、銅の拡散を防ぐためのバリア層も好適である。
バリア層としては、低抵抗のメタル材料がよく、特にはTiN、TiW、Ta、TaN、W、WN、Ruが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
〔研磨方法〕
研磨液は、濃縮液であって使用する際に水を加えて希釈して使用液とする場合または、各成分が次項に述べる水溶液の形態でこれらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、あるいは使用液として調製されている場合がある。
本発明において、研磨液を用いた研磨方法はいずれの場合にも適用でき、研磨液を研磨定盤上に配置された研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法である。
研磨液は、濃縮液であって使用する際に水を加えて希釈して使用液とする場合または、各成分が次項に述べる水溶液の形態でこれらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、あるいは使用液として調製されている場合がある。
本発明において、研磨液を用いた研磨方法はいずれの場合にも適用でき、研磨液を研磨定盤上に配置された研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法である。
研磨する装置としては、被研磨面を有する半導体基板等を保持するホルダーと研磨パッドとを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある。)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。
研磨パッドとしては、既述のように、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂からなる非水溶性架橋構造体中に水溶性樹脂よりなる粒子が分散された組成物を用いて構成される研磨パッドを用いる。
研磨条件には、特に制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200r.p.m.以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、0.68〜34.5KPaであることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、3.40〜20.7KPaであることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。本発明の半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法における研磨方法では、希釈する水溶液は、次ぎに述べる水溶液と同じである。水溶液は、予め酸化剤、酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水であり、水溶液中に含有する成分と希釈される研磨液の成分を合計した成分が、研磨液を使用して研磨する際の成分となるようにする。水溶液で希釈して使用する場合は、溶解しにくい成分を水溶液の形で配合することができ、より濃縮した研磨液を調製することができる。
濃縮された研磨液に水または水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液を研磨パッドに供給する方法がある。混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行なう方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
研磨液の供給速度は、10〜1000ml/minが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、170〜800ml/minであることがより好ましい。
濃縮された研磨液を水または水溶液などにより希釈し、研磨する方法としては、研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法である。または、1つの容器に、所定量の濃縮された研磨液と水または水溶液を入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法がある。
別の研磨方法としては、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水または水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法がある。例えば、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)とを希釈して使用する。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)とに分け、酸化剤、添加剤、及び界面活性剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤、及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え構成成分(A)と構成成分(B)とを希釈して使用する。この例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は3つの配管を研磨パッドに供給するための1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)とに分け、酸化剤、添加剤、及び界面活性剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤、及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え構成成分(A)と構成成分(B)とを希釈して使用する。この例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は3つの配管を研磨パッドに供給するための1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。
例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分とを混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、さらに水または水溶液の配管を結合する方法がある。その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法である。上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、且つ1つの構成成分と他の構成成分または水もしくは水溶液を加え希釈して使用する際に、混合した後に40℃以下とするようにすることもできる。温度が高いと溶解度が高くなるため、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
酸化剤を含まない他の成分を室温から100℃の範囲で加温して溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、温度が低下したその成分を用いる場合には、予め加温して析出したものを溶解させる必要がある。これには、加温し溶解した構成成分液を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し配管を加温して溶解させる手段とを採用することができる。加温した成分が酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解してくる恐れがあるので、加温した構成成分とこの加温した構成成分を冷却する酸化剤を含む1つの構成成分で混合した場合、40℃以下となるようにする。
また、本発明においては、上述したように研磨液の成分を二分割以上に分割して、研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<研磨パッドの作製>
−研磨パッド用組成物の調製及び研磨パッドの成形−
(1)研磨パッドA
後に架橋されて架橋構造体となる1,2−ポリブタジエン(JSR株式会社製、品名「JSR RB830」)100質量部と、水溶性樹脂よりなる粒子としてβ−サイクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」)100質量部とを120℃に加熱されたニーダーにて混練した。その後、有機過酸化物(日本油脂株式会社製、品名「パーヘキシン25B」)0.3質量部を添加してさらに混練した後、金型内にて190℃で10分間架橋反応させ、成形し、直径60cm、厚さ2mmの本発明に係る研磨パッドAを得た。
なお、研磨パッド全体に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率(架橋構造体と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率と同様)は約40%であった。
−研磨パッド用組成物の調製及び研磨パッドの成形−
(1)研磨パッドA
後に架橋されて架橋構造体となる1,2−ポリブタジエン(JSR株式会社製、品名「JSR RB830」)100質量部と、水溶性樹脂よりなる粒子としてβ−サイクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」)100質量部とを120℃に加熱されたニーダーにて混練した。その後、有機過酸化物(日本油脂株式会社製、品名「パーヘキシン25B」)0.3質量部を添加してさらに混練した後、金型内にて190℃で10分間架橋反応させ、成形し、直径60cm、厚さ2mmの本発明に係る研磨パッドAを得た。
なお、研磨パッド全体に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率(架橋構造体と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率と同様)は約40%であった。
(2)研磨パッドB
後に架橋されて架橋構造体となる1,2−ポリブタジエン(JSR株式会社製、「JSR RB840」)100質量部と、水溶性樹脂よりなる粒子としてポリペプチドをコーティングしたβ−サイクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」)230質量部とを120℃に加熱されたニーダーにて混練した。その後、有機過酸化物(日本油脂株式会社製、品名「パーヘキシン25B」)0.3質量部を添加してさらに混練した後、金型内にて190℃で10分間架橋反応させ、成形し、直径60cm、厚さ2mmの本発明に係る研磨パッドBを得た。
なお、研磨パッド全体に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率(架橋構造体と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率と同様)は約60%であった。
後に架橋されて架橋構造体となる1,2−ポリブタジエン(JSR株式会社製、「JSR RB840」)100質量部と、水溶性樹脂よりなる粒子としてポリペプチドをコーティングしたβ−サイクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」)230質量部とを120℃に加熱されたニーダーにて混練した。その後、有機過酸化物(日本油脂株式会社製、品名「パーヘキシン25B」)0.3質量部を添加してさらに混練した後、金型内にて190℃で10分間架橋反応させ、成形し、直径60cm、厚さ2mmの本発明に係る研磨パッドBを得た。
なお、研磨パッド全体に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率(架橋構造体と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率と同様)は約60%であった。
(3)研磨パッドa
未架橋の熱可塑性樹脂であるエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ製、品名「エバール EP−F101」)100質量部と、水溶性樹脂よりなる粒子としてβ−サイクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」)100質量部とを200℃に加熱されたニーダーにて混練した後、200℃にて熱プレスして成形し、直径60cm、厚さ2mmの比較用の研磨パッドaを得た。
なお、研磨パッド全体に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率(架橋構造体と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率と同様)は約44%であった。
未架橋の熱可塑性樹脂であるエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(株式会社クラレ製、品名「エバール EP−F101」)100質量部と、水溶性樹脂よりなる粒子としてβ−サイクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」)100質量部とを200℃に加熱されたニーダーにて混練した後、200℃にて熱プレスして成形し、直径60cm、厚さ2mmの比較用の研磨パッドaを得た。
なお、研磨パッド全体に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率(架橋構造体と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率と同様)は約44%であった。
(4)研磨パッドb
前記(1)研磨パッドAの作製に用いたものと同様の1,2−ポリブタジエンとβ−サイクロデキストリンとを混練した後、架橋反応させることなく120℃でプレス成形し、直径60cm、厚さ2mmの比較用の研磨パッドbを得た。
なお、研磨パッド全体に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率(架橋構造体と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率と同様)は約40%であった。
前記(1)研磨パッドAの作製に用いたものと同様の1,2−ポリブタジエンとβ−サイクロデキストリンとを混練した後、架橋反応させることなく120℃でプレス成形し、直径60cm、厚さ2mmの比較用の研磨パッドbを得た。
なお、研磨パッド全体に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率(架橋構造体と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率、架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂と「水溶性樹脂よりなる粒子」との合計に対する「水溶性樹脂よりなる粒子」の体積分率と同様)は約40%であった。
(評価1)
−1.研磨パッド表面の評価−
前記(1)〜(4)で得られた研磨パッド(A,B,a,b)の各表面をドレッシング(#400のダイヤモンド砥石で5分間研削)した後、この表面におけるポアの状態を電子顕微鏡にて観察した。そして、良好なポアが確認された場合を「○」とし、ポアが一部塞がっていた場合を「×」として評価した。結果は下記表1に示す。
−1.研磨パッド表面の評価−
前記(1)〜(4)で得られた研磨パッド(A,B,a,b)の各表面をドレッシング(#400のダイヤモンド砥石で5分間研削)した後、この表面におけるポアの状態を電子顕微鏡にて観察した。そして、良好なポアが確認された場合を「○」とし、ポアが一部塞がっていた場合を「×」として評価した。結果は下記表1に示す。
−2.各研磨パッドの架橋構造体の破断残留伸びの測定−
前記(1)〜(4)で得られた研磨パッド(A,B,a,b)の各架橋構造体の破断残留伸びを測定するために、前記(1)〜(4)において「水溶性樹脂よりなる粒子」を除いた材料を同様にして混練・成形してシートを得、得られたシートをJIS K 6251に示されたダンベル状3号形試験片形状に打ち抜き、試験片とし、この各試験片を用いて、JIS K 6251に準じて標線間距離20mm、引張速度500mm/分、試験温度80℃で引っ張り各々破断させ、前記に示すような基準で破断残留伸びを算出した。
なお、最大600%まで引っ張っても破断しない試験片においては、この伸び600%において強制的に切断して破断残留伸びを算出した。結果は下記表1に示す。
前記(1)〜(4)で得られた研磨パッド(A,B,a,b)の各架橋構造体の破断残留伸びを測定するために、前記(1)〜(4)において「水溶性樹脂よりなる粒子」を除いた材料を同様にして混練・成形してシートを得、得られたシートをJIS K 6251に示されたダンベル状3号形試験片形状に打ち抜き、試験片とし、この各試験片を用いて、JIS K 6251に準じて標線間距離20mm、引張速度500mm/分、試験温度80℃で引っ張り各々破断させ、前記に示すような基準で破断残留伸びを算出した。
なお、最大600%まで引っ張っても破断しない試験片においては、この伸び600%において強制的に切断して破断残留伸びを算出した。結果は下記表1に示す。
<複合粒子の調製>
−重合体粒子の水分散体の調製−
〜合成例1(ジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体の調製例)〜
容量7L(リットル)の4つ口フラスコに、イオン交換水3353g及びアニオン系界面活性剤(三洋化成工業株式会社製、商品名「MON−7」)の15%水溶液7.4gを投入し、10分間攪拌した。その後、球状スチレン重合体(平均粒径0.15μm)の32%水分散体343gを添加し、窒素ガスを吹き込みながら5分間攪拌した。次いで、フラスコをウォーターバスに浸漬し、温度が80℃に達した時点で過硫酸ソーダの2%水溶液110gを添加した。
−重合体粒子の水分散体の調製−
〜合成例1(ジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体の調製例)〜
容量7L(リットル)の4つ口フラスコに、イオン交換水3353g及びアニオン系界面活性剤(三洋化成工業株式会社製、商品名「MON−7」)の15%水溶液7.4gを投入し、10分間攪拌した。その後、球状スチレン重合体(平均粒径0.15μm)の32%水分散体343gを添加し、窒素ガスを吹き込みながら5分間攪拌した。次いで、フラスコをウォーターバスに浸漬し、温度が80℃に達した時点で過硫酸ソーダの2%水溶液110gを添加した。
その後、このフラスコに、イオン交換水344g、MON−7の15%水溶液147g、ノニオン系界面活性剤(花王株式会社製、商品名「E920」)の25%水溶液35g、及びジビニルベンゼン1100gを予め混合したものを3時間かけて連続的に投入した。次いで、フラスコの内容物を80℃で2時間反応させた後、メタクリル酸55g、イオン交換水550g、及び過硫酸ソーダの1%水溶液55gを更に添加し、80℃の温度を維持しつつ2時間反応させた。その後、室温にまで冷却し、フィルタによって凝集物を除去し、ジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を得た。この水分散体の固形分濃度は19.8%であった。また、重合体粒子の平均粒径は0.33μmであった。
〜合成例2(ジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体の他の調製例)〜
前記合成例1で用いたメタクリル酸に代えて、アクリル酸55gを使用したこと以外は、前記合成例1と同様にして、ジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を得た。この水分散体の固形分濃度は19.7%であった。また、重合体粒子の平均粒径は0.31μmであった。
前記合成例1で用いたメタクリル酸に代えて、アクリル酸55gを使用したこと以外は、前記合成例1と同様にして、ジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を得た。この水分散体の固形分濃度は19.7%であった。また、重合体粒子の平均粒径は0.31μmであった。
〜合成例3(スチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体の調製例)〜
容量7L(リットル)の4つ口フラスコに、イオン交換水5078g、アニオン系界面活性剤(花王株式会社製、商品名「エマールAD−25R」)の1%水溶液112g、スチレン119g、及びメタクリル酸21gを投入し、窒素ガスによってパージしながら5分間攪拌した。その後、フラスコをウォーターバスに浸漬し、温度が75℃に達した時点で過硫酸アンモニウムの5%水溶液を140g添加した。
容量7L(リットル)の4つ口フラスコに、イオン交換水5078g、アニオン系界面活性剤(花王株式会社製、商品名「エマールAD−25R」)の1%水溶液112g、スチレン119g、及びメタクリル酸21gを投入し、窒素ガスによってパージしながら5分間攪拌した。その後、フラスコをウォーターバスに浸漬し、温度が75℃に達した時点で過硫酸アンモニウムの5%水溶液を140g添加した。
次いで、75℃の温度で1時間反応させた後、このフラスコに、1232gのスチレンと28gのメタクリル酸との混合物を4時間かけて連続的に投入し、75℃で3時間反応させた後、室温にまで冷却し、スチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体を得た。この水分散体の固形分濃度は20%であった。また、重合体粒子の平均粒径は0.19μmであった。
−複合粒子を含む水系分散体の調製−
(1)複合粒子の水系分散体A(前記合成例1の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体の製造例)
前記合成例1で得られたジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を固形分が40%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が15%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、ジビニルベンゼン重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。その後、容量2リットルの3つ口フラスコに、この水/2−プロパノール混合分散体533gを投入し、60℃に調温されたウォーターバスに浸漬し、攪拌した。次いで、シランカップリング剤であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以下、「GPTS」と略記する。)11gを2時間かけて連続的に添加し、60℃で3時間反応させた後、室温にまで冷却した。
(1)複合粒子の水系分散体A(前記合成例1の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体の製造例)
前記合成例1で得られたジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を固形分が40%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が15%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、ジビニルベンゼン重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。その後、容量2リットルの3つ口フラスコに、この水/2−プロパノール混合分散体533gを投入し、60℃に調温されたウォーターバスに浸漬し、攪拌した。次いで、シランカップリング剤であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(以下、「GPTS」と略記する。)11gを2時間かけて連続的に添加し、60℃で3時間反応させた後、室温にまで冷却した。
その後、オルトケイ酸テトラエチル(以下、「TEOS」と略記する。)200gを2時間かけて連続的に添加し、2時間反応させた。次いで、イオン交換水を1000g投入して1時間攪拌し、更に水酸化カリウムの1%水溶液を50g添加して1時間攪拌を続けた後、室温にまで冷却した。その後、2−プロパノールを除去し、固形分濃度12%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Aを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.43μmであった。
(2)複合粒子の水系分散体B(前記合成例1の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体の他の製造例)
前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製で用いた水酸化カリウム水溶液の添加を省略したこと以外は、前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製と同様にして、固形分濃度11%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Bを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.45μmであった。
前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製で用いた水酸化カリウム水溶液の添加を省略したこと以外は、前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製と同様にして、固形分濃度11%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Bを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.45μmであった。
(3)複合粒子の水系分散体C(前記合成例1の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体の他の製造例)
前記合成例1で得られたジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を固形分が40%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が24%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、ジビニルベンゼン重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。その後、容量300ミリリットルの3つ口フラスコに、この水/2−プロパノール混合分散体170gを投入し、60℃に調温されたウォーターバスに浸漬し、攪拌した。次いで、GPTS10gを2時間かけて連続的に添加し、60℃で3時間反応させた後、室温にまで冷却した。
前記合成例1で得られたジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を固形分が40%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が24%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、ジビニルベンゼン重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。その後、容量300ミリリットルの3つ口フラスコに、この水/2−プロパノール混合分散体170gを投入し、60℃に調温されたウォーターバスに浸漬し、攪拌した。次いで、GPTS10gを2時間かけて連続的に添加し、60℃で3時間反応させた後、室温にまで冷却した。
その後、このGPTSが結合された重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体(固形分22%)36gを、容量300ミリリットルの他のフラスコに投入し、これに2−プロパノール39gを添加して45℃に調温されたウォーターバスに浸漬し、攪拌した。次いで、TEOS79gを2時間かけて連続的に添加し、2時間反応させた。反応終了後、冷却し、反応液150gを水酸化カリウムの0.01%水溶液3リットル中に連続的に滴下した。その後、2−プロパノールを除去し、固形分濃度8%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Cを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.43μmであった。
(4)複合粒子の水系分散体D(前記合成例2の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体の製造例)
前記合成例2で得られたジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を固形分が37%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が15%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、ジビニルベンゼン重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。
前記合成例2で得られたジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を固形分が37%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が15%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、ジビニルベンゼン重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。
次いで、前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製において、前記合成例1で得たジビニルベンゼン重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を、上記で得た水/2−プロパノール混合分散体に代え、シランカップリング剤をGPTSからN−β(アミノエチル)β−アミノプロピルトリメトキシシラン9gに代えたこと以外は、前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製と同様にして、固形分濃度12%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Dを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.48μmであった。
(5)複合粒子の水系分散体E(前記合成例3の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体の製造例)
前記合成例3で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体を固形分が36%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が15%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、スチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。
前記合成例3で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体を固形分が36%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が15%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、スチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。
次いで、前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製において、前記合成例1で得たジビニルベンゼン重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を、上記で得た水/2−プロパノール混合分散体に代え、GPTSを10g、TEOSを100g、更に水酸化カリウム水溶液を10%のアンモニア水5gとしたこと以外は、前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製と同様にして、固形分濃度10%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Eを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.26μmであった。
(6)複合粒子の水系分散体F(前記合成例3の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体の他の製造例)
前記合成例3で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体を固形分が40%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が15%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、スチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。
前記合成例3で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体を固形分が40%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が15%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、スチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。
次いで、容量2リットルの3つ口フラスコに、得られた水/2−プロパノール混合分散体533gを投入し、60℃に調温されたウォーターバスに浸漬し、攪拌した。その後、GPTS11gを2時間かけて連続的に添加し、60℃で3時間反応させた。次いで、このフラスコにTEOS100g及び気相法シリカの30%2−プロパノール分散体120gを2時間かけて連続的に添加し、2時間反応させた。その後、水酸化カリウムの1%水溶液50gを添加して1時間攪拌を続けた後、イオン交換水1000gを投入して室温まで冷却した。次いで、2−プロパノールを除去し、固形分濃度9%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Fを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.24μmであった。
(7)複合粒子の水系分散体G(前記合成例3の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体のその他の製造例)
前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製において、前記合成例1で得たジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を、前記合成例3で得たスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体に代え、TEOS200gをメチルトリメトキシシラン160gに代えたこと以外は、前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製と同様にして、固形分濃度10%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Gを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.22μmであった。
前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製において、前記合成例1で得たジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を、前記合成例3で得たスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体に代え、TEOS200gをメチルトリメトキシシラン160gに代えたこと以外は、前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製と同様にして、固形分濃度10%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Gを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.22μmであった。
(8)複合粒子の水系分散体H(前記合成例3の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体のその他の製造例)
容量2リットルの3つ口フラスコに、前記合成例3で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体(固形分20質量%)421gを投入し、60℃に調温されたウォーターバスに浸漬し、攪拌した。その後、GPTS10gを2時間かけて連続的に添加し、60℃で3時間反応させた。次いで、このフラスコにTEOS15gを2時間かけて連続的に添加して1時間攪拌を続けた後、イオン交換水1000gを投入して室温にまで冷却した。その後、2−プロパノールを除去し、固形分濃度11%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Hを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.19μmであった。
容量2リットルの3つ口フラスコに、前記合成例3で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体(固形分20質量%)421gを投入し、60℃に調温されたウォーターバスに浸漬し、攪拌した。その後、GPTS10gを2時間かけて連続的に添加し、60℃で3時間反応させた。次いで、このフラスコにTEOS15gを2時間かけて連続的に添加して1時間攪拌を続けた後、イオン交換水1000gを投入して室温にまで冷却した。その後、2−プロパノールを除去し、固形分濃度11%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Hを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.19μmであった。
(9)複合粒子の水系分散体I(前記合成例3の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体のその他の製造例)
前記合成例3で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体を固形分が39%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が15%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、スチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。
前記合成例3で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体を固形分が39%になるまで加熱、濃縮し、冷却した後、2−プロパノールを添加して固形分が15%になるまで希釈した。その後、10分間攪拌し、スチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を調製した。
次いで、前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製において、前記合成例1で得られたジビニルベンゼン重合体粒子の水/2−プロパノール混合分散体を、上記で得た水/2−プロパノール混合分散体に代え、GPTSの添加を省略したこと以外は、前記(1)複合粒子の水系分散体Aの調製と同様にして、固形分濃度9%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Iを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.25μmであった。
(10)複合粒子の水系分散体J(前記合成例3の重合体粒子を用いて得られる複合粒子の水系分散体のその他の製造例)
GPTSの添加を省略したこと以外は、前記(8)複合粒子の水系分散体Hの調製と同様にして、固形分濃度10%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Jを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.20μmであった。
GPTSの添加を省略したこと以外は、前記(8)複合粒子の水系分散体Hの調製と同様にして、固形分濃度10%の本発明に係る複合粒子の水系分散体Jを得た。また、複合粒子の平均粒径は0.20μmであった。
(評価2)
−3.複合粒子の水系分散体の化学機械研磨性能の評価−
[試験例1〜5]
ポアサイズ5μmのフィルタを使用し、前記複合粒子の水系分散体A、C、E、F及びIの各々から凝集物等を除去した後、イオン交換水及び水酸化カリウムの1%水溶液を徐々に加えて、固形分濃度5%、pH10.5になるように調整した各水系分散体を用いて、シリコン酸化膜付きウェハを研磨した。
−3.複合粒子の水系分散体の化学機械研磨性能の評価−
[試験例1〜5]
ポアサイズ5μmのフィルタを使用し、前記複合粒子の水系分散体A、C、E、F及びIの各々から凝集物等を除去した後、イオン交換水及び水酸化カリウムの1%水溶液を徐々に加えて、固形分濃度5%、pH10.5になるように調整した各水系分散体を用いて、シリコン酸化膜付きウェハを研磨した。
研磨は、研磨機としてラップマスターSFT社製の定盤径380mmの装置(型式「LM−15」)を用い、この定盤に前記研磨パッドA、B、a又はbを貼り付け、このパッドにシリコン酸化膜付きウェハを装着して20分間行なった。研磨条件は、加工圧力100g/cm2、定盤回転数30r.p.m.、及び研磨剤供給量100cc/秒とした。研磨後、ウェハを洗浄し、乾燥させて、以下のようにして研磨速度及びスクラッチの有無を評価した。結果は下記表2に示す。
(i)研磨速度
研磨速度を以下の式により求めた。なお、シリコン酸化膜の厚さは、SENTECH社製の干渉式膜厚プローブ(型式「FTP500−5」)を用いて測定した。
研磨速度(Å/分)=
(研磨前のシリコン酸化膜の厚さ−研磨後のシリコン酸化膜の厚さ)/研磨時間
(ii)スクラッチの有無
スクラッチの有無は、微分干渉顕微鏡により研磨面を観察し、確認した。
研磨速度を以下の式により求めた。なお、シリコン酸化膜の厚さは、SENTECH社製の干渉式膜厚プローブ(型式「FTP500−5」)を用いて測定した。
研磨速度(Å/分)=
(研磨前のシリコン酸化膜の厚さ−研磨後のシリコン酸化膜の厚さ)/研磨時間
(ii)スクラッチの有無
スクラッチの有無は、微分干渉顕微鏡により研磨面を観察し、確認した。
[試験例6〜10]
ポアサイズ5μmのフィルタを使用し、前記複合粒子の水系分散体B、D、G、H及びJの各々から凝集物等を除去した後、イオン交換水及び0.1モル/リットル濃度の硝酸水溶液を徐々に加えて、固形分濃度6%、pH3.5になるように調整した。この調整液に過酸化水素及びイオン交換水を添加し、固形分濃度5%、過酸化水素濃度5%になるように更に調整した。その後、この水系分散体を用いてタングステン膜付きウェハを研磨した。研磨は、前記同様の研磨機を用い、この定盤に前記研磨パッドA、B、a又はbを貼り付け、このパッドにタングステン膜付きウェハを装着して5分間行なった。研磨条件は前記同様とし、また、前記同様にして、ウェハを洗浄、乾燥し、研磨速度及びスクラッチの有無を評価した。結果は下記表2に示す。
なお、タングステン膜の厚さは、NPS社製の抵抗率測定器(型式「β10」)によって測定した抵抗と抵抗率(文献値)とから求めた。
ポアサイズ5μmのフィルタを使用し、前記複合粒子の水系分散体B、D、G、H及びJの各々から凝集物等を除去した後、イオン交換水及び0.1モル/リットル濃度の硝酸水溶液を徐々に加えて、固形分濃度6%、pH3.5になるように調整した。この調整液に過酸化水素及びイオン交換水を添加し、固形分濃度5%、過酸化水素濃度5%になるように更に調整した。その後、この水系分散体を用いてタングステン膜付きウェハを研磨した。研磨は、前記同様の研磨機を用い、この定盤に前記研磨パッドA、B、a又はbを貼り付け、このパッドにタングステン膜付きウェハを装着して5分間行なった。研磨条件は前記同様とし、また、前記同様にして、ウェハを洗浄、乾燥し、研磨速度及びスクラッチの有無を評価した。結果は下記表2に示す。
なお、タングステン膜の厚さは、NPS社製の抵抗率測定器(型式「β10」)によって測定した抵抗と抵抗率(文献値)とから求めた。
[試験例11]
前記合成例1で得られたジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を、イオン交換水及び水酸化カリウムの1%水溶液によって固形分濃度5%、pH10.5になるように調整し、前記試験例1と同様にして、シリコン酸化膜付きウェハを研磨した。結果は下記表2に示す。
前記合成例1で得られたジビニルベンゼン重合体粒子の水分散体を、イオン交換水及び水酸化カリウムの1%水溶液によって固形分濃度5%、pH10.5になるように調整し、前記試験例1と同様にして、シリコン酸化膜付きウェハを研磨した。結果は下記表2に示す。
[試験例12]
前記合成例3で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体を、イオン交換水及び0.1モル/リットル濃度の硝酸によって固形分濃度6%、pH3.5になるように調整した。この調整液に過酸化水素及びイオン交換水を添加し、固形分濃度5%、過酸化水素濃度5%になるように更に調整した。その後、前記試験例6と同様にして、タングステン膜付きウェハを研磨した。結果は下記表2に示す。
前記合成例3で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体粒子の水分散体を、イオン交換水及び0.1モル/リットル濃度の硝酸によって固形分濃度6%、pH3.5になるように調整した。この調整液に過酸化水素及びイオン交換水を添加し、固形分濃度5%、過酸化水素濃度5%になるように更に調整した。その後、前記試験例6と同様にして、タングステン膜付きウェハを研磨した。結果は下記表2に示す。
前記表1〜2に示す結果より、架橋構造体が架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂である本発明に係るパッドA,Bを用いたA−1〜A−24では、ポアがドレッシング後にも良好な状態で形成されている。また、研磨パッドA,Bに用いられている架橋構造体の破断残留伸びはいずれも0%であり、破断後の伸びが認められないことが分かる。このとき、A−1〜A−10及びA−13〜A−22では、研磨速度が600〜1560nm/分と高い。
このうち、被研磨材をシリコン酸化膜としたA−1〜A−5(試験例1〜5)では、GPTSを用いずに重合体粒子の表面にTEOSを直接結合させた複合粒子の水系分散体Iを用いたA−5の場合であっても、本発明に係る研磨パッドAと組み合わせて使用することで、スクラッチがなく、研磨速度が750nm/分と高いことが分かる。
また、本発明に係る研磨パッドA,Bと組み合わせて、複合粒子を使用しないA−11〜A−12、A−23〜A−24では、スクラッチは無いが、研磨速度は100nm/分、130nm/分、あるいは全く研磨速度が出なかった。
このうち、被研磨材をシリコン酸化膜としたA−1〜A−5(試験例1〜5)では、GPTSを用いずに重合体粒子の表面にTEOSを直接結合させた複合粒子の水系分散体Iを用いたA−5の場合であっても、本発明に係る研磨パッドAと組み合わせて使用することで、スクラッチがなく、研磨速度が750nm/分と高いことが分かる。
また、本発明に係る研磨パッドA,Bと組み合わせて、複合粒子を使用しないA−11〜A−12、A−23〜A−24では、スクラッチは無いが、研磨速度は100nm/分、130nm/分、あるいは全く研磨速度が出なかった。
これに対して、B−1〜B−12で用いた比較の研磨パッドaは、架橋構造体として未架橋の熱可塑性樹脂で構成されている。この未架橋の熱可塑性樹脂は破断残留伸びが510%と非常に大きく延性を有していることが分かる。また、ドレッシングによりポアが一部塞がれていた。このとき、本発明に係る複合粒子の水系分散体A〜Jを併用しても、スクラッチは無いものの、研磨速度は192〜384nm/分と低く、更には複合粒子を併用しないB−11〜B−12では、スクラッチが発生し、研磨速度が32nm/分、あるいは全く研磨速度が出なかった。
一方、B−13〜B−24で用いた比較の研磨パッドbは、本発明に係る研磨パッドA,Bに用いた架橋構造体を未架橋のまま使用しているため弾性回復性を有していない。このため、破断残留伸びが220%と大きい。また、ドレッシングによりポアが一部塞がれていた。このとき、本発明に係る複合粒子の水系分散体A〜Jを併用しても、スクラッチは無いものの、研磨速度は154〜307nm/分と低く、更には複合粒子を併用しないB−23〜B−24では、研磨速度も26nm/分、あるいは全く研磨速度が出なかった。
一方、B−13〜B−24で用いた比較の研磨パッドbは、本発明に係る研磨パッドA,Bに用いた架橋構造体を未架橋のまま使用しているため弾性回復性を有していない。このため、破断残留伸びが220%と大きい。また、ドレッシングによりポアが一部塞がれていた。このとき、本発明に係る複合粒子の水系分散体A〜Jを併用しても、スクラッチは無いものの、研磨速度は154〜307nm/分と低く、更には複合粒子を併用しないB−23〜B−24では、研磨速度も26nm/分、あるいは全く研磨速度が出なかった。
前記表1〜2に示す結果によればまた、被研磨材をタングステン膜としたA−6〜A−10(試験例6〜10)では、GPTSを用いずに重合体粒子の表面にTEOSを直接結合させた複合粒子の水系分散体Jの水系分散体を使用したA−10の場合であっても、本発明に係る研磨パッドAを併用することで、研磨速度は600nm/分と充分に大きいことが分かる。
また、A−1〜A−10のいずれにおいても、スクラッチの発生は全くなく、複合粒子を含有する水系分散体は優れた研磨性能を有するものであることが分かる。一方、A−11、A−23では、スクラッチは認められなかったものの、研磨速度は100〜130nm/分と小さく、A−12、A−24では全く研磨することができなかった。
また、A−1〜A−10のいずれにおいても、スクラッチの発生は全くなく、複合粒子を含有する水系分散体は優れた研磨性能を有するものであることが分かる。一方、A−11、A−23では、スクラッチは認められなかったものの、研磨速度は100〜130nm/分と小さく、A−12、A−24では全く研磨することができなかった。
Claims (5)
- 架橋ゴムもしくは架橋した熱硬化性樹脂を用いた非水溶性架橋構造体中に水溶性樹脂よりなる粒子が少なくとも分散された組成物からなる研磨パッドと、研磨液として無機/有機複合粒子を含有する研磨液とを用いて導電性材料膜、及び絶縁性材料膜を研磨することを特徴とする半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法。
- 前記架橋ゴムが、1,2−ポリブタジエンであることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法。
- 前記水溶性樹脂が、デキストリン、シクロデキストリン、マンニット、蛋白質、水溶性の感光性樹脂、スルフォン化ポリイソプレン、及びスルフォン化イソプレン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法。
- 前記無機/有機複合粒子が、無機粒子に有機粒子が物理的もしくは化学的に付着してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法。
- 前記研磨パッドにおける非水溶性架橋構造体と水溶性樹脂よりなる粒子との合計を100体積%とした場合に、該水溶性樹脂よりなる粒子の割合が10〜90体積%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体集積回路の化学的機械的平坦化方法。
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---|---|---|---|---|
JP2008302489A (ja) * | 2007-06-11 | 2008-12-18 | Kao Corp | ハードディスク基板の製造方法 |
WO2009072405A1 (ja) * | 2007-12-07 | 2009-06-11 | Jsr Corporation | 化学機械研磨パッドおよび化学機械研磨方法 |
JP6301571B1 (ja) * | 2016-06-08 | 2018-03-28 | 三井金属鉱業株式会社 | 研摩液及び研摩物の製造方法 |
-
2005
- 2005-09-27 JP JP2005280815A patent/JP2007095842A/ja active Pending
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