JP2007095480A - 機能素子、機能素子の製造方法および電子機器 - Google Patents

機能素子、機能素子の製造方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】高い光電変換効率を実現し得る機能素子およびその製造方法、かかる機能素子を備え、信頼性の高い電子機器を提供すること。
【解決手段】太陽電池10は、第1の電極30と、この第1の電極30と対向する第2の電極と、第1の電極30と第2の電極との間に設けられた光電変換層50とを有し、光電変換層50は、第1のイオン性基513を有する第1の色素包接錯体510を主成分とする第1の層51と、この第1の層51の第1の電極30と反対側に、複数のイオン性基521a、521bを有するイオン性化合物520を主成分とする第2の層52を介して設けられ、第2のイオン性基533を有する第2の色素包接錯体530を主成分とする第3の層53とを備え、各層が互いにイオン結合してなる積層体500を含んでなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、機能素子、機能素子の製造方法および電子機器に関するものである。
従来から、環境にやさしい電源として、シリコンを用いた光電変換素子、いわゆる太陽電池が注目を集めている。シリコンを用いた太陽電池の中には、人工衛星等に用いられる単結晶シリコン型の太陽電池もあるが、実用的なものとしては、特に多結晶シリコンを用いた太陽電池や、アモルファスシリコンを用いた太陽電池が、産業用や家庭用として実用化が始まっている。
しかしながら、これらのシリコンを用いた太陽電池は、いずれも、製造コストが高く、また、製造に多大なエネルギーを必要とするため、必ずしも省エネルギーな電源とは言えなかった。
これに替わる次世代の太陽電池として開発され、製造コストが安く、また、製造エネルギーが少ないとされる色素増感太陽電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、色素増感太陽電池は、未だ光電変換効率が低く、実用化に至っていないのが現状である。
また、医療検査技術や食品等の品質管理等の面から、高感度かつコンパクトな酵素センサ、免疫センサ、微生物センサ等のバイオセンサに対する要求が高まっている。
特開平1−220380号公報
本発明の目的は、例えば、高効率な光電変換素子や高感度な認識素子等、より高性能な機能素子およびその製造方法、かかる機能素子を備え、信頼性の高い電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の機能素子は、第1の電極と、前記第1の電極の一方の面側に配置された機能層とを有し、
前記機能層は、少なくとも1つの第1のゲスト分子と少なくとも1つの第1のホスト分子とからなる、第1のイオン性基を有する第1の包接錯体を含む第1の層と、
複数のイオン性基を有するイオン性化合物を含む第2の層とを含むことを特徴とする。
これにより、ゲスト分子同士が孤立化するため、ゲスト分子の多量化が防止され、また、ゲスト分子がカプセル化されるため、ゲスト分子の劣化を防止することができる。このようなことから、機能素子の特性の向上および長寿命化を図ることができる。
本発明の機能素子では、前記機能層は、少なくとも1つの第2のゲスト分子と少なくとも1つの第2のホスト分子とからなる、第2のイオン性基を有する第2の包接錯体を含む第3の層を含むことが好ましい。
これにより、性能がより向上する。
本発明の機能素子では、前記第1のイオン性基と前記第2のイオン性基とは、同じ極性の基であり、
前記イオン性化合物が有する前記複数のイオン性基は、いずれも、前記第1のイオン性基および前記第2のイオン性基と反対極性のイオン性基であることが好ましい。
これにより、性能がより向上する。
本発明の機能素子では、前記第1のホスト分子と、前記第2のホスト分子とは、同種の化合物であることが好ましい。
これにより、性能がより向上する。
本発明の機能素子では、前記第1のホスト分子および第2のホスト分子は、それぞれ、カリックスアレーンにイオン性基が導入された化合物であることが好ましい。
環状エーテル(特に、カリックスアレーン)は、脂溶性(疎水性)が高く、ゲスト分子を取り込み易く、取り込んだゲスト分子を確実に保持することができる。これにより、機能層の特性が早期に低下するのを防止することができ、結果として、機能素子の長寿命化を図ることができる。
本発明の機能素子では、前記第1のゲスト分子と、前記第2のゲスト分子とは、同種の色素であることが好ましい。
これにより、性能がより向上する。
本発明の機能素子は、第1の電極と、前記第1の電極の一方の面に対して垂直な方向である第1の方向に配置された機能層とを有し、
前記機能層は、少なくとも1つのゲスト分子と少なくとも1つのホスト分子とからなる、第1のイオン性基を有する第1の包接錯体が、前記第1の方向に複数個積層されていることを特徴とする。
これにより、ゲスト分子同士が孤立化するため、ゲスト分子の多量化が防止され、また、ゲスト分子がカプセル化されるため、ゲスト分子の劣化を防止することができる。このようなことから、機能素子の特性の向上および長寿命化を図ることができる。
本発明の機能素子では、前記第1のゲスト分子は、フラーレンであることが好ましい。
フラーレンは、可視光領域の波長の光を効率よく吸収し、電子を効率よく発生し得ることから好ましい。また、本発明によれば、フラーレンであっても、極性溶媒に可溶となり、また会合を防止できるため、取り扱いが容易となり、成膜もし易くなる。したがって、本発明は、ゲスト分子としてフラーレンを用いる場合へ適用するのが好適である。
本発明の機能素子では、前記第1の電極は、前記第1の電極の一方の面に、前記第1のイオン性基と反対極性の第3のイオン性基を有し、
前記第1のイオン性基と前記第3のイオン性基とは、イオン結合を形成していることが好ましい。
これにより、性能がより向上する。
本発明の機能素子では、さらに第2の電極を有し、
前記機能層は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置され、
前記機能層と前記第2の電極との間には、前記機能層に接触する電解質層を有することが好ましい。
これにより、性能がより向上する。
本発明の機能素子では、前記第1の包接錯体は、前記機能層で発生したキャリアを前記第1の電極に伝達することが好ましい。
これにより、性能がより向上する。
本発明の機能素子では、前記第1のゲスト分子が光を吸収して、キャリアを発生させることが好ましい。
これにより、光電変換効率の高い機能素子が得られる。
本発明の機能素子の製造方法は、第1の電極の一方の面側に、少なくとも1つの第1のゲスト分子と少なくとも1つの第1のホスト分子とからなる、第1のイオン性基を有する第1の包接を含有する第1の液状材料を供給した後、乾燥させて、前記第1の層を形成する第1の工程と、
前記第1の層上に複数のイオン性基を有するイオン性化合物を含有する第2の液状材料を供給した後、乾燥させて、第2の層を形成する第2の工程と、
前記第2の層上に、少なくとも1つの第2のゲスト分子と少なくとも1つの第2のホスト分子とからなる、第2のイオン性基を有する第2の包接錯体を含有する第3の液状材料を供給した後、乾燥させて、第3の層を形成する第3の工程とを有することを特徴とする。
本発明の機能素子の製造方法によれば、液状材料の供給および乾燥を繰り返すという簡単な方法で、機能層を容易に形成することができるため、機能素子の製造コストの削減を図ることができる。
本発明の機能素子の製造方法では、前記第1の工程に先立って、前記第1の電極の一方の面に、前記第1のイオン性基と反対極性のイオン性基を導入する表面処理を行う工程を有することが好ましい。
これにより、より性能の高い機能素子を得ることができる。
本発明の電子機器は、本発明の機能素子を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の機能素子、機能素子の製造方法および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明の機能素子を太陽電池(光電変換素子)に適用した場合について説明する。
図1は、太陽電池の構成を示す部分断面図、図2は、光電変換層を拡大して示す模式図、図3および図4は、それぞれ、図1に示す太陽電池を製造する方法を説明するための図(模式図)である。なお、以下の説明では、各図中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す太陽電池10は、基板20上に設けられた第1の電極30と、第1の電極30と対向する第2の電極40と、第1の電極30と第2の電極40との間において、第1の電極30側に設けられた光電変換層50と、第2の電極40側に設けられ、光電変換層50に接触する電解質層60とを有している。以下、各構成要素について説明する。
基板20は、第1の電極30、光電変換層(機能層)50、電解質層60および第2の電極40を支持するためのものである。
本実施形態の太陽電池10は、図1に示すように、基板20側から、例えば、太陽光等の光を入射して(照射して)使用するものである。このため、基板20および第1の電極30は、それぞれ、入射される光に対して十分な透過性を有するものとされる。
基板20の構成材料としては、例えば、ガラス材料、セラミックス材料、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような樹脂材料、アルミニウムのような金属材料等が挙げられる。
基板20の平均厚さは、その構成材料、太陽電池10の用途等により適宜設定され、特に限定されないが、例えば、次のように設定することができる。
基板20を硬質材料で構成する場合、その平均厚さは、0.1〜1.5mm程度であるのが好ましく、0.8〜1.2mm程度であるのがより好ましい。
また、基板20を可撓性材料で構成する場合、その平均厚さは、0.5〜150μm程度であるのが好ましく、10〜75μm程度であるのがより好ましい。
基板20上には、第1の電極30が設けられている。
この第1の電極30は、後述する光電変換層50で発生した電子を受け取り、第1の電極30に接続された外部回路70へ伝達する。
第1の電極30の構成材料としては、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、フッ素原子を含有する酸化錫(FTO)、酸化インジウム(IO)、酸化錫(SnO)のような金属酸化物材料、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、銀、金、銅、モリブデン、チタン、タンタルまたはこれらを含む合金のような金属材料、黒鉛のような炭素材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等として)用いることができる。
この第1の電極30は、その上面(光電変換層50側の面)に、図2に示すように、後述する第1の包接化合物512(第1の色素包接錯体510)が有する第1のイオン性基513と反対極性のイオン性基31を有している。
例えば、イオン性基31としてアニオン性基を導入する場合、表面処理としては、例えば、第1の電極30の上面に対して、H/NH溶液等の処理液による処理の他、一方の末端に第1の電極30と結合する結合基を、他方の末端にアニオン性基を有する化合物による処理等が挙げられる。なお、後者の処理に用いる化合物としては、例えば、メルカプトエタンスルホン酸等が挙げられる。
また、例えば、イオン性基31としてカチオン性基を導入する場合、表面処理としては、例えば、第1の電極30の上面(一方の面)に、一方の末端に第1の電極30と結合する結合基を、他方の末端にカチオン性基を有する化合物による処理等が挙げられる。なお、かかる化合物としては、例えば、メルカプトエチルアミン塩酸塩等が挙げられる。
第1の電極30の平均厚さは、その構成材料、太陽電池10の用途等により適宜設定され、特に限定されないが、例えば、次のように設定することができる。
第1の電極30を透明導電性酸化物材料で構成する場合、その平均厚さは、0.05〜5μm程度であるのが好ましく、0.1〜1.5μm程度であるのがより好ましい。
また、第1の電極30を金属材料や炭素材料で構成する場合、その平均厚さは、0.01〜1μm程度であるのが好ましく、0.03〜0.1μm程度であるのがより好ましい。
第1の電極30には、光電変換層50が接触して設けられている。
光電変換層50は、光照射により、電子または正孔(キャリア)を発生し、電子を第1の電極30に与える。
本実施形態の光電変換層50は、図2に示すように、第1のイオン性基513を有する第1の色素包接錯体510を主成分とする第1の層51と、この第1の層51の第1の電極30と反対側に、複数のイオン性基521a、521bを有するイオン性化合物520を主成分とする第2の層52を介して設けられ、第2のイオン性基533を有する第2の色素包接錯体530を主成分とする第3の層53とを備え、各層が互いにイオン結合してなる積層体500で構成されている。
ここで、第1の色素包接錯体510は、第1の色素511をゲスト分子とし、この第1の色素511をホスト分子である第1の包接化合物512で包接(包み込んだ)化合物(ホスト−ゲスト錯体)である。
このように、色素を包接化合物により包接すると、色素同士が孤立化するため、色素の会合や多量化が抑制される。また、色素がカプセル化されるため、色素の光劣化を防止することができる。このようなことから、光電変換層50(太陽電池10)の光電変換効率の向上および長寿命化を図ることができる。
第2の色素包接錯体530も、第1の色素包接錯体510と同様であり、第2の色素531をゲスト分子とし、この第2の色素531をホスト分子である第2の包接化合物532で包接した化合物である。
第1の色素511および第2の色素531としては、それぞれ、例えば、C60、C70、C76、C78のようなフラーレン、ポルフィリン、クマリン、ローダミン等が挙げられるが、中でも、フラーレンは分子が球状をしており、包接錯体のゲスト分子として好ましく、特に対称性の高いC60が好ましい。
フラーレンは、可視光領域の波長の光を効率よく吸収し、電子を効率よく発生し得ることから好ましい。
ただし、フラーレンは、極性溶媒に対する溶解度が低く、また非常に会合(凝集)し易い。このため、取り扱いが難しく、また成膜し難い化合物である。しかしながら、本発明では、色素511、531を包接化合物512、532により包接して用いる。このため、フラーレンであっても、極性溶媒に可溶となり、また会合を防止できるようになる。このため、取り扱いが容易となり、成膜もし易くなる。したがって、フラーレンは、本発明において色素511、531として好適に用いられる。
特に、C60は、立体対称性の分子構造を有するので、包接化合物512、532により安定的に包接される。
また、第1の色素(第1のゲスト分子)511と第2の色素(第2のゲスト分子)531とは、異なる種類の色素(化合物)であってもよい。例えば、第1の色素511を電子受容体として利用し、第2の色素531を電子供与体として利用してもよい。このように第1の層51と第3の層53との間で電子移動系を構築することにより、より効率の良くキャリアを発生させ、第1の電極30に伝達することができる。第1の層51と第3の層53との間に第2の層52を配置することにより、逆電子移動を抑制することができる。
第1の色素511と第2の色素531とが同種の色素である場合は、第1の層51と第3の層52との間で、光電変換効率のバラツキが生じるのを防止することができ、光電変換層50の全体としての光電変換効率の向上を図ることができる。また、同種の色素をゲスト分子とする包接錯体からなる層を複数積層し、積層数を色素の種類や電解質層60に用いられる材料等を考慮するなどして、積層数を適宜調整すれば、光の捕集効率や電極へのキャリアの伝達効率等を合計して光電変換効率が最大値となるような光電変換素子を得ることができる。
この場合、第1の色素511および第2の色素531に、それぞれ、フラーレンを用いると、より高い光電変換効率が得られ、また、光電変換層50の光劣化耐性をより向上させることができる。
一方、第1の包接化合物(第1のホスト分子)512は、環状の母核514に、第1のイオン性基513が導入された化合物であり、環状の母核514の内側の空間に、第1の色素511が収納される。また、第2の包接化合物(第2のホスト分子)532も、第1の包接化合物512と同様に、環状の母核534に、第2のイオン性基533が導入された化合物である。
環状の母核514、534としては、例えば、カリックスアレーン類、クラウンエーテル類、シクロデキストリン類のような環状エーテル、クリプタントのような環状ポリアミン等、酸素や窒素等の複数のルイス塩基性を有する原子を、環状をなす有機鎖内に複数含んでいる化合物が挙げられるが、中でも、環状エーテルが好ましく、特に、カリックスアレーン類がフラーレンをゲスト分子として用いる場合、特に好ましい。
環状エーテル(特に、カリックスアレーン)は、脂溶性(疎水性)が高く、フラーレン等の色素を取り込み易く、取り込んだ色素を確実に保持することができる。これにより、光電変換層50の特性が早期に低下するのを防止することができ、結果として、太陽電池10の長寿命化を図ることができる。
かかる効果は、カリックスアレーンとフラーレンとの組み合わせにおいて、特に顕著である。
ここで、カリックスアレーンとは、複数個のフェノール単位がメチレン基などで結合され、全体として盃(杯)状の形状を有する環状オリゴマーであり、例えば、下記の一般式(I)で表すことができる。
Figure 2007095480
このカリックスアレーンは、一般に、フェノール性水酸基を有する側が下部端、その反対側が上部端と称され、この上部端に、パイ電子系からなる疎水性の空孔が形成される。
このようなカリックスアレーンでは、図2に模式的に示すように、いわばサンドイッチ構造、すなわち2分子のカリックスアレーンの疎水性上部端の間に1分子の色素が挟まれ、それらの上部端の空孔内に疎水的結合を介して包接されることによって、包接錯体が構築される。
さて、カリックスアレーンは、一般に、構成するフェノール単位の数が多くなる(すなわち、前記一般式(I)においてn+mが大きくなる)と、会合を起こし易くなり、色素との錯体形成能が低くなる傾向がある。
かかる観点から、カリックスアレーンとしては、ホモオキサカリックス[3]アレーン、すなわち前記一般式(I)において、X(=X)が−CHOCH−であり、R’=R’、かつn+m=3であるカリックスアレーンが好ましい。かかるカリックスアレーンを包接化合物512、532の母核514、534として用いることにより、より強固な包接錯体510、530を構築することができる。
このようなカリックスアレーンの合成法については、多くの文献に既述されている[C.D.Gutshe,Acc.Chem.Res.,16,161(1983);B.Dhawan他、J.Org.Chem.,48,1536(1983);A,ikeda他、Chem.Commun.,1403(1999)など]ので、それらを参照することによって合成することができる。
さらに、前述したように、第1の色素511および第2の色素531に同種の色素を用いて、第1の色素包接錯体510および第2の色素包接錯体530に同種の包接錯体(化合物)とすることにより、光電変換層50の形成(太陽電池10の製造)が容易となる。
また、第1の色素包接錯体510が有する第1のイオン性基513および第2の色素包接錯体530が有する第2のイオン性基533としては、それぞれ、例えば、−N基のような正に帯電した基、SO 基のような負に帯電した基等が挙げられる。
本実施形態の光電変換層50は、第1の層51と第3の層53との間に第2の層52が設けられ、各層がイオン結合により結合されて構成されている。
第2の層52は、複数のイオン性基を有するイオン性化合物520を主成分とする層である。このイオン性化合物520は、イオン性基として、第1の色素包接錯体510が有する第1のイオン性基513と反対極性のイオン性基521aと、第2の色素包摂錯体530が有する第2のイオン性基533と反対極性のイオン性基521bとを有している。
これにより、イオン性化合物520は、第2の層52中において、イオン性基521aが第1のイオン性基513とイオン結合することにより第1の層51側に、一方、イオン性基521bが第2のイオン性基533とイオン結合することにより第3の層53側に向けて配向している。すなわち、イオン性化合物520は、第2の層52の厚さ方向に配向している。
このように、第2の層52の厚さ方向にイオン性化合物520が配向することにより、第1の色素511や第2の色素531で生じた正孔や電子を、光電変換層50の厚さ方向に沿って円滑に移動させることができる。その結果、光電変換層50の光電変換効率の向上を図ることができる。
なお、本実施形態の光電変換層50では、2つの色素包接錯体を主成分とする層が、イオン性化合物を主成分とする層を介して結合した構成であるが、さらにイオン性化合物を主成分とする層を色素包接錯体を主成分とする層との間に介在させることにより、色素包接錯体を主成分とする層をさらに積層することも可能である。したがって、光電変換層50の光電変換効率や、電極へのキャリアの伝達効率、光の透過率等を勘案して、色素包接錯体を主成分とする層の数を設定することにより、光電変換層50(太陽電池10)の光電変換効率の最適化を図ることができる。
イオン性化合物520が有するイオン性官能基521a、521bとしては、例えば、−SO3−基のような負に帯電した基、−N基のような正に帯電した基等があげられる。
前述したように、好ましくは第1の包接化合物512と第2の包接化合物532とは、同種の化合物が用いられる。すなわち、好ましくは第1のイオン性基513と第2のイオン性基533とは、同種の極性を有する基が用いられる。この場合、イオン性化合物520が有するイオン性基521a、521bは、第1のイオン性基513および第2のイオン性基533と反対極性の基が選択される。
中でも、第1のイオン性基513および第2のイオン性基533が正に帯電した基、特に、−N基(アルキルアンモニオ基)である場合、イオン性化合物520が有するイオン性基521a、521bは、−SO 基(スルホン酸基)であるのが好ましい。スルホン酸基とアルキルアンモニオ基とは、確実にイオン結合を形成することから好ましい。
以上のような光電変換層50の平均厚さは、特に限定されないが、1.4〜35nm程度であるのが好ましく、1.5〜20nm程度であるのがより好ましい。
なお、本実施形態では、光電変換層50(積層体500)が第1の電極30に接触する場合について説明したが、本発明では、光電変換層50は、第1の電極30と積層体500との間に半導体層を有する構成であってもよい。
この半導体層の構成材料としては、例えば、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)のような酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化セリウム(CeO)等の酸化物半導体材料、ケイ素やゲルマニウム等の単体を利用した半導体材料、窒化ガリウム、インジウムリン、硫化亜鉛等の化合物半導体材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、図2に示す例では、イオン性基31、521a、521bが負に帯電した基であり、イオン性基513、533が正に帯電した基であるが、これらの極性は反対であってもよい。
この光電変換層50と第2の電極40との間には、光電変換層50に接触して、電解質組成物で構成される電解質層60が設けられている。
電解質組成物に用いる電解質としては、特に限定されないが、例えば、I/I系、Br/Br系、Cl/Cl系、F/F系のようなハロゲン系、キノン/ハイドロキノン系、アスコルビン酸等が挙げられ、これらを単独または混合系として用いることができる。これらの中でも、電解質としては、I/I系が好ましい。
I/I系の電解質の具体例としては、例えば、Iと、LiI、NaI、KI、CsI、CaIのような金属ヨウ化物や、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドのような4級アンモニウム化合物ヨウ素塩等との組み合わせ等が挙げられる。
また、電解質組成物の調製に用いる溶媒としては、例えば、各種水、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートのようなカーボネート類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンのような多価アルコール類、炭酸プロピレン等が挙げられ、これらを単独または混合溶媒として用いることができる。これらの溶媒を用いることにより、イオン伝導性に優れた電解質層60が得られる。
電解質組成物中の電解質全体の濃度は、特に限定されないが、0.1〜25wt%程度であるのが好ましく、0.5〜15wt%程度であるのがより好ましい。
また、電解質層60は、液状またはゲル状のいずれでもよい。前記電解質組成物にゲル化剤を添加することにより、電解質層60をゲル状とすることができる。
この電解質層60の光電変換層50と反対側には、第2の電極40が設けられている。
第2の電極40の構成材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、銀、金、銅、モリブデン、チタン、タンタルのような金属またはこれらを含む合金、あるいは、黒鉛のような各種炭素材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
第2の電極40の平均厚さは、その構成材料、太陽電池10の用途等により適宜設定され、特に限定されない。
このような太陽電池10に光が入射すると、光電変換層50(色素511、531)において正孔および電子が生成し、光電変換層50から電子(e)が第1の電極30側へ移動し、正孔が第2の電極40側に移動し、第2の電極40第1の電極30と第2の電極40との間に、電位差(光起電力)が生じる。これにより、外部回路70に、電流(光励起電流)が流れる。
ここで、この太陽電池10では、光電変換層50が、色素包接錯体を主成分とする層を複数有し、これらの層がイオン性化合物520を介して、第1の電極30の上面(一方の面)に対して垂直な方向(第1の方向)に積層されており、これにより、高い光電変換効率を実現することができる。
なお、以上説明した太陽電池10では、光の入射方向は、図示のものとは異なり、逆方向からであってもよい。すなわち、光の入射方向は、任意である。
このような太陽電池10は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1]第1の電極形成工程
まず、図3(a)に示すように、基板20上に、第1の電極30を形成する。
この第1の電極30は、例えば、蒸着法、スパッタリング法等を用いた気相プロセス、印刷法等を用いた液相プロセスにより形成することができる。
次に、図3(b)に示すように、この第1の電極30の上面に、第1の色素包接錯体510が有する第1のイオン性基513と反対極性のイオン性基31を導入する表面処理を施す。
この表面処理については、前述した通りであるが、例えは、第1の電極30の上面に、スルホン酸を導入するのに用い化合物としては、例えば、メルカプトエタンスルホン酸等が挙げられ、アミノ基を導入するのに用いられる化合物としては、例えば、メルカプトエチルアミン塩酸塩等が挙げられる。
これらの化合物による処理は、第1の電極30の上面に、前記化合物の溶液を接触させることにより行うことができる。
この溶液を接触させる方法としては、例えば、溶液中に第1の電極30が形成された基板20を浸漬する方法(浸漬法)、第1の電極30に溶液を塗布する方法(塗布法)、第1の電極30に溶液をシャワー状に供給する方法(噴霧法)等が挙げられる。
[2]光電変換層形成工程
次に、第1の電極30上に、光電変換層50を形成する。
[2−1] まず、第1の電極30上(第1の電極30の一方の面側)に、第1の層51を形成する(第1の工程)。
この第1の層51は、第1の電極30上に、第1の色素包接錯体510を含有する液状材料を供給した後、乾燥させる(脱溶媒する)ことにより形成することができる。
なお、第1の電極30上に液状材料を供給する方法には、前記の浸漬法、塗布法、噴霧法等を用いることがきる。
ここで、この液状材料は、第1の包接化合物(ホスト分子)512と色素(ゲスト分子)511とを極性溶媒に添加し、撹拌した後、溶け残った色素511を遠心分離等することにより除去して調製することができる。
また、液状材料の調製に用いる極性溶媒としては、例えば、水を単独、または、水を主成分とし、メタノール、エタノール等のアルコール類を含む混合液を用いることができる。
また、この液状材料中における第1の色素包接錯体510の濃度は、0.15〜0.6mmol/dm程度であるのが好ましく、0.15〜0.3mmol/dm程度でであるのがより好ましい。
このような液状材料を、塗布や浸漬等により第1の電極30に接触させると、図3(c)に示すように、第1の色素包接錯体510の第1のイオン性基513と、第1の電極30の上面に導入されたイオン性基31との静電的相互作用により、第1の電極30の上面に第1の色素包摂錯体510がイオン結合する。これにより、第1の電極30の上面に、第1の層51が形成される。
[2−2] 次に、第1の層51に接触するように、第2の層52を形成する(第2の工程)。
この第2の層52も、前記第1の層51と同様にして形成することができる。すなわち、第1の層51に接触するように、イオン性化合物520を含有する液状材料を供給した後、乾燥させる(脱溶媒する)ことにより形成することができる。
液状材料の調製に用いる極性溶媒としては、例えば、水を単独、または、水を主成分とし、メタノール、エタノール等のアルコール類を含む混合液を用いることができる。
また、この液状材料中におけるイオン性化合物520の濃度は、0.15〜1mmol/dm程度であるのが好ましく、0.2〜0.4mmol/dm程度であるのがより好ましい。
このような液状材料を、第1の層51に接触させると、図4(d)に示すように、第1の色素包接錯体510が有する第1のイオン性基513と、イオン性化合物520の一部のイオン性基521aとの静電的相互作用により、第1の層51の上面にイオン性化合物520がイオン結合する。これにより、第1の層51の上面に、第2の層52が形成される。
[2−3] 次に、第2の層52に接触するように、第3の層53を形成する(第3の工程)。
この第3の層53も、前記第1の層51と同様にして形成することができる。すなわち、第2の層52に接触するように、第2の色素包接錯体530を含有する液状材料を供給した後、乾燥あるいは液体材料に含まれていた溶媒を留去するすることにより形成することができる。
なお、液状材料の調製に用いる極性溶媒の種類や、液状材料中における第2の色素包接錯体530の濃度は、前記第1の層51の場合と同様である。
このような液状材料を、第2の層52に接触させると、図4(e)に示すように、イオン性化合物520の第2の層52の上面に露出するイオン性基521bと、第2の色素包接錯体530が有する第2のイオン性基533との静電的相互作用により、第2の層52の上面に第2の色素包接錯体530がイオン結合する。これにより、第2の層52の上面に、第3の層53が形成され、光電変換層50(積層体500)が得られる。
なお、第1の層51、第2の層52および第3の層53が、図示したような状態で形成されているか否かの確認は、例えば、水晶発振子、原子間力顕微鏡、走査型電子顕微鏡、紫外可視透過吸収スペクトル測定等を用いることで可能である。
[3] 次に、光電変換層50の上方(第3の層53の第1の電極30と反対側)に、スペーサ(図示せず)を介して、第1の電極30に対向させて第2の電極40を配置し、固定する(第4の工程)。
[4] 次に、光電変換層50と第2の電極40との間の空間(空隙)に、前述したような電解質組成物を充填するとともに、必要に応じて、電解質組成物をゲル化する。
以上の工程を経て、太陽電池10が得られる。
以上説明したような方法によれば、液状材料の供給および乾燥を繰り返すという簡単な方法で、光電変換層50を容易に形成することができ、太陽電池(本発明の機能素子)10の製造コストの削減を図ることができる。
本発明の電子機器は、このような太陽電池10を備えるものである。
以下、図5および図6に基づいて、本発明の電子機器について説明する。
図5は、本発明の電子機器を適用した電卓を示す平面図、図6は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)を示す斜視図である。
図5に示す電卓100は、本体部101と、本体部101の上面(前面)に設けられた表示部102、複数の操作ボタン103および太陽電池設置部104とを備えている。
図5に示す構成では、太陽電池設置部104には、太陽電池10が5つ直列に接続されて配置されている。
図6に示す携帯電話機200は、本体部201と、本体部201の前面に設けられた表示部202、複数の操作ボタン203、受話口204、送話口205および太陽電池設置部206とを備えている。
図6に示す構成では、太陽電池設置部206が、表示部202の周囲を囲むようにして、太陽電池10が複数、直列に接続されて配置されている。
以上、本発明の機能素子、機能素子の製造方法および電子機器について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、機能素子および電子機器を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
なお、本発明の機能素子は、太陽電池の他、例えば、バイオセンサー、光センサー、光スイッチのような、光を受光して電気エネルギーに変換する各種素子(受光素子)に適用することができるものである。
例えば、本発明の機能素子をバイオセンサーに適用する場合、このバイオセンサーは、機能層を電荷を伝達する層として利用し、機能層上にターゲットと反応する受容体を設け、当該反応の際に発生するキャリアを機能層を介して第1の電極に伝達させ、受容体によるターゲットの捕捉を電気的に検出するように構成することができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.下記化学式(II)に示すカリックス[3]アレーン誘導体の合成
カリックス[3]アレーン誘導体を、下記化2に示す反応経路で合成した。
Figure 2007095480
まず、カリックス[3]アレーンのトリエステル体を原料として用意した。
そして、このカリックス[3]アレーンのトリエステル体に、N,N−ジメチルプロパンジアミンを過剰に添加し、アミノリシスによりカリックス[3]アレーン誘導体の前駆体を得た。
次に、この前駆体をジメチル硫酸を用いてN−メチル化することにより、アルキルアンモニオ基を末端に有するカリックス[3]アレーン誘導体を合成した。
以下の各実施例および各比較例では、このカリックス[3]アレーン誘導体を、包接化合物として用いた。
2.太陽電池の製造
(実施例1)
以下のようにして、図1に示す太陽電池(光電変換素子)を製造した。
A:まず、平均厚さ1.0mmのソーダガラス基板を用意した。次に、このソーダガラス基板を85℃の洗浄液(硫酸と過酸化水素水との混合液)に浸漬して洗浄を行い、その表面を清浄化した。
B:次に、ソーダガラス基板の上面に、真空蒸着法により、平均厚さ1μmのITO電極(第1の電極)を形成した。
C:次に、ITO電極が形成された基板をエタノールに浸漬し、15分間超音波照射を行って洗浄した後、風乾した。さらに、基板を、濃硫酸に20分間浸漬した後、超純水で洗い流し、その表面を清浄化した。
D:次に、この基板を、30wt%のH水溶液と28wt%のNH水溶液とを、容量比1:1で混合した混合液に15分間浸漬した。これにより、ITO電極の表面にアニオン性基を導入した。
E:次に、基板を、超純水で洗浄した後、窒素蒸気を吹き付けて乾燥した。
F:次に、カリックス[3]アレーン誘導体を、0.50mmol/dmの濃度で水に溶解し、この溶液に10mLに、色素としてC60(フラーレン)を0.10mmol添加し、攪拌、超音波処理を繰り返し行った。その後、溶け残ったC60を遠心分離して除去した。
なお、この包接錯体水溶液について、元素分析および可視・紫外吸収スペクトルの吸光度分析を行ったところ、カリックス[3]アレーンとC60との比率が2:1である包接錯体が含まれることが確認された。
G:次に、基板を、この包接錯体水溶液に10分間浸漬した後、取り出し、その後、超純水で洗浄し、窒素蒸気を吹き付けて乾燥した。これにより、ITO電極の上面に、第1の層を形成した。
H:次に、0.2mmol/dmの1,2−エタンジスルホン酸二ナトリウム塩(イオン性化合物)の水溶液(イオン性化合物水溶液)を用意した。
そして、基板を、このイオン性化合物水溶液に30分間浸漬した後、取り出し、その後、超純水で洗浄し、窒素蒸気を吹き付けて乾燥した。これにより、第1の層の上面に、第2の層を形成した。
I:次に、基板を、再度、前述の包接錯体水溶液に10分間浸漬した後、取り出し、その後、超純水で洗浄し、窒素蒸気を吹き付けて乾燥した。これにより、第2の層の上面に、第3の層を形成し、平均厚さ17nmの光電変換層を得た。
J:次に、前記ITO電極に対向するように、平均厚さ500μmのAu電極(第2の電極)を配置し、これらの周囲をエポキシ系接着剤で固定部を形成して固定した。なお、固定部の一部に注入口を形成した。
また、光電変換層とAu電極との離間距離(平均)を50μmに設定した。
K:次に、形成された空間に、1wt%のテトラプロピルアンモニウムヨーダイドのアセトニトリル溶液(電解質組成物)を充填した後、注入口を封止した。
(実施例2)
前記工程Hおよび工程Iを、さらに1回追加した以外は、前記実施例1と同様にして太陽電池を製造した。
(実施例3)
色素として、C60に代えて、ポルフィリンを用いた以外は、前記実施例1と同様にして太陽電池を製造した。
(比較例1)
前記工程Hおよび工程Iを省略した以外は、前記実施例1と同様にして太陽電池を製造した。
(比較例2)
前記工程Hおよび工程Iを省略した以外は、前記実施例3と同様にして太陽電池を製造した。
3.評価
各実施例および各比較例で製造した太陽電池に、それぞれ、人工太陽灯の光(照射光強度:AM1.5、100W/m)を、基板に対して90°の方向から照射して、各太陽電池の光電変換効率について比較した。
その結果、各実施例で製造した太陽電池は、いずれも、各比較例で製造した太陽電池と比較して、光電変換効率に優れることが明らかとなった。
特に、実施例2で製造した太陽電池は、光電変換効率が高いものであった。
太陽電池の構成を示す部分断面図である。 光電変換層を拡大して示す模式図である。 図1に示す太陽電池を製造する方法を説明するための模式図である。 図1に示す太陽電池を製造する方法を説明するための模式図である。 本発明の電子機器を適用した電卓を示す平面図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機を示す斜視図である。
符号の説明
10……太陽電池 20……基板 30……第1の電極 31……イオン性基 40……第2の電極 50……光電変換層 500……積層体 51……第1の層 510……第1の色素包接錯体 511……第1の色素 512……第1の包接化合物 513……第1のイオン性基 514……母核 52……第2の層 520……イオン性化合物 521a、521b……イオン性基 53……第3の層 530……第2の色素包接錯体 531……第2の色素 532……第2の包接化合物 533……第2のイオン性基 534……母核 60……電解質層 70……外部回路 100……電卓 101……本体部 102……表示部 103……操作ボタン 104……太陽電池設置部 200……携帯電話機 201……本体部 202……表示部 203……操作ボタン 204……受話口 205……送話口 206……太陽電池設置部

Claims (15)

  1. 第1の電極と、前記第1の電極の一方の面側に配置された機能層とを有し、
    前記機能層は、少なくとも1つの第1のゲスト分子と少なくとも1つの第1のホスト分子とからなる、第1のイオン性基を有する第1の包接錯体を含む第1の層と、
    複数のイオン性基を有するイオン性化合物を含む第2の層とを含むことを特徴とする機能素子。
  2. 前記機能層は、少なくとも1つの第2のゲスト分子と少なくとも1つの第2のホスト分子とからなる、第2のイオン性基を有する第2の包接錯体を含む第3の層を含む請求項1に記載の機能素子。
  3. 前記第1のイオン性基と前記第2のイオン性基とは、同じ極性の基であり、
    前記イオン性化合物が有する前記複数のイオン性基は、いずれも、前記第1のイオン性基および前記第2のイオン性基と反対極性のイオン性基である請求項2に記載の機能素子。
  4. 前記第1のホスト分子と、前記第2のホスト分子とは、同種の化合物である請求項3に記載の機能素子。
  5. 前記第1のホスト分子および第2のホスト分子は、それぞれ、カリックスアレーンにイオン性基が導入された化合物である請求項4に記載の機能素子。
  6. 前記第1のゲスト分子と、前記第2のゲスト分子とは、同種の色素である請求項2ないし5のいずれかに記載の機能素子。
  7. 第1の電極と、前記第1の電極の一方の面に対して垂直な方向である第1の方向に配置された機能層とを有し、
    前記機能層は、少なくとも1つのゲスト分子と少なくとも1つのホスト分子とからなる、第1のイオン性基を有する第1の包接錯体が、前記第1の方向に複数個積層されていることを特徴とする機能素子。
  8. 前記第1のゲスト分子は、フラーレンである請求項1ないし7のいずれかに記載の機能素子。
  9. 前記第1の電極は、前記第1の電極の一方の面に、前記第1のイオン性基と反対極性の第3のイオン性基を有し、
    前記第1のイオン性基と前記第3のイオン性基とは、イオン結合を形成している請求項1ないし8のいずれかに記載の機能素子。
  10. さらに第2の電極を有し、
    前記機能層は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置され、
    前記機能層と前記第2の電極との間には、前記機能層に接触する電解質層を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の機能素子。
  11. 前記第1の包接錯体は、前記機能層で発生したキャリアを前記第1の電極に伝達する請求項1ないし10のいずれかに記載の機能素子。
  12. 前記第1のゲスト分子が光を吸収して、キャリアを発生させる請求項1ないし11のいずれかに記載の機能素子。
  13. 第1の電極の一方の面側に、少なくとも1つの第1のゲスト分子と少なくとも1つの第1のホスト分子とからなる、第1のイオン性基を有する第1の包接を含有する第1の液状材料を供給した後、乾燥させて、前記第1の層を形成する第1の工程と、
    前記第1の層上に複数のイオン性基を有するイオン性化合物を含有する第2の液状材料を供給した後、乾燥させて、第2の層を形成する第2の工程と、
    前記第2の層上に、少なくとも1つの第2のゲスト分子と少なくとも1つの第2のホスト分子とからなる、第2のイオン性基を有する第2の包接錯体を含有する第3の液状材料を供給した後、乾燥させて、第3の層を形成する第3の工程とを有することを特徴とする機能素子の製造方法。
  14. 前記第1の工程に先立って、前記第1の電極の一方の面に、前記第1のイオン性基と反対極性のイオン性基を導入する表面処理を行う工程を有する請求項13に記載の機能素子の製造方法。
  15. 請求項1ないし12のいずれかに記載の機能素子を備えることを特徴とする電子機器。
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