以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1(a)は請求項1の発明の実施の形態の一例を示すものであり、第一樹脂層1の片面に直接接して第二樹脂層2を積層すると共に、第一樹脂層1の第二樹脂層2を設けた面と反対側の面に金属層13を積層することによって形成してある。この金属層13としては、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属箔を用いることができるが、なかでも銅箔が好ましい。金属層13の厚みは特に制限されるものではないが、通常9〜70μm程度のものが一般的である。
また第一樹脂層1は、光透過性樹脂よりなるものである。この光透過性樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポシキアクリレート樹脂などの熱硬化性樹脂を例示することができるものであり、UV硬化型など光硬化型樹脂を用いることもできる。
また第二樹脂層2は、活性エネルギー線の照射によって溶剤溶解度が変化する光透過性樹脂よりなるものである。活性エネルギー線の照射によって溶剤溶解度が変化する樹脂としては、光硬化性のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、珪素系樹脂や、電子線硬化性樹脂、光分解性のナフトキノン系樹脂等を例示することができる。そしてこの第二樹脂層2を形成する樹脂は、第一樹脂層1を形成する樹脂より屈折率が高い樹脂であるか、或いは活性エネルギー線の照射によって溶剤溶解度が小さくなる場合には、活性エネルギー線の照射によって第一樹脂層1を形成する樹脂より屈折率が高くなる樹脂であることも必須の条件である。
この光電気混載基板用材料を製造する方法の一例を挙げる。金属層13として金属箔を用いる場合にはそのマット面に第一樹脂層1を形成する樹脂をコーティングする。コーティングの方法は、コンマコーター、カーテンコーター、ダイコーター、スクリーン印刷、オフセット印刷などを例示することができる。次に、この第一樹脂層1の上に第二樹脂層2を形成する樹脂を同様のコーティング方法でコーティングすることによって、図1(a)のような光電気混載基板用材料を得ることができるものである。
次に、このようにして得た光電気混載基板用材料を用いて光電気混載基板を製造する方法について説明する。まず図2(a)に示すように、第二樹脂層2に金属層13と反対側から活性エネルギー線Eを照射して露光する。活性エネルギー線の照射は光配線の配線パターンに応じたパターンで行なわれるものであり、例えば紫外線のマスク露光、レーザーの描画露光などで活性エネルギー線のパターン照射を行なうことができる。次に、第二樹脂層2に溶剤を作用させて現像することによって、第二樹脂層2を溶剤に部分的に溶解させる。このとき、第二樹脂層2が、光硬化性樹脂など活性エネルギー線が照射された部分の溶解度が低くなるように変化する樹脂で形成されているときには、活性エネルギー線が照射された部分以外の樹脂が溶剤に溶解され、活性エネルギー線が照射された部分の樹脂が残る。また第二樹脂層2が、光分解性樹脂など活性エネルギー線が照射された部分の溶解度が高くなるように変化する樹脂で形成されているときには、活性エネルギー線が照射された部分の樹脂が溶剤に溶解され、活性エネルギー線が照射された部分以外の樹脂が残る。
このようにして図2(b)のように第二樹脂層2を光配線パターンに形成した後、第一樹脂層1の第二樹脂層2を設けた側の面に透明樹脂層20をコーティングして設け、図2(c)に示すように第二樹脂層2を透明樹脂層20で被覆する。この透明樹脂層20としては第二樹脂層2より屈折率が低い透光性樹脂を用いるものであり、例えば第一樹脂層1と同じ樹脂を用いることができる。そして、電気配線21を設けて作製されたプリント配線板22を用い、このプリント配線板22の表面に透明樹脂層20を接着剤23で接着することによって、図2(d)のようにプリント配線板22の上に積層する。この後、表面の金属層13をプリント配線加工して図2(e)のように電気配線24を形成し、さらにレーザービア加工やメッキ加工して電気配線21,24を接続する。
図2(e)のものにあって、光配線パターンの第二樹脂層2の屈折率は、第二樹脂層2と直接接する第一樹脂層1や透明樹脂層20の屈折率よりも大きいので、第二樹脂層2がコア層26、第一樹脂層1や透明樹脂層20がクラッド層27となった光導波路が構成され、第二樹脂層2によって光配線が形成されるものであり、第二樹脂層2による光配線と電気配線21,24が積層された光電気混載基板として用いることができるものである。尚、接着剤23が光透過性であり、かつ第二樹脂層2より屈折率が低いものであれば、透明樹脂層20を用いる必要はなくなる。
ここで本発明に係る光電気混載基板用材料において、プリント配線板22と積層することは必須ではなく、光電気混載基板用材料の金属層13をプリント加工して得られる電気配線24を一方の面のみに形成した光電気混載基板を製造するようにしてもよく、またプリント配線板に代えて金属箔と積層することによって、両面に電気配線24を形成した光電気混載基板を製造するようにしてもよい。
図1(b)は他の実施の形態を示すものであり、金属層13と第一樹脂層1との間に難燃性を有する接着剤層14が設けてある。この接着剤層14を形成する接着剤としては、エポキシ樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、エポシキアクリレート樹脂系などの熱硬化性樹脂系のものを例示することができる。また難燃剤としてはハロゲン系、燐系、シリコン系難燃剤を用いることができるものであり、さらに接着剤層14には紫外線吸収剤などを含有させてもよい。金属層13として金属箔を用いる場合にはそのマット面に接着剤を既述のコーティング法でコーティングし、溶剤を含む場合にはこれを乾燥除去した後、必要に応じて硬化あるいは半硬化させることによって、接着樹脂層14を形成することができる。あとは、この接着樹脂層14の上に上記と同様にして第一樹脂層1をコーティングして設けると共に、この上に第二樹脂層2をコーティングして設けることによって、光電気混載基板用材料を得ることができるものである。
このように金属層13と樹脂層との間に接着剤層14を設けることによって、接着剤層14で金属層13の密着強度を高めることができるものである。また接着剤層14には難燃剤が含有されているので、難燃性を付与することもできるものである。
図1(c)はさらに他の実施の形態を示すものであり、第二樹脂層2の金属層13と反対側の面に透明なカバーフィルム15が張ってある。カバーフィルム15としては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリアセテートフィルム等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。カバーフィルム15の厚みも特に制限されるものではないが、5〜100μm程度のものを好適に使用することができる。またカバーフィルム15の表面には離型処理を施しておいてもよい。カバーフィルム15は樹脂層を形成した後に、その上にラミネートすることによって張るようにしてあるが、カバーフィルム15にコーティングして樹脂層を形成するようにしてもよい。
このように樹脂層の表面にカバーフィルム15を張ると、樹脂層が剥き出しにならないので、光電気混載基板用材料を取り扱う際のハンドリング性が向上するものである。カバーフィルム15を通して図2(a)のように露光することができるものであり、図2(b)のように現像を行なう際には、カバーフィルム15を樹脂層から剥がし取るものである。
図1(d)はさらに他の実施の形態を示すものであり、金属層13の第一樹脂層1を設けた側と反対側の面に支持体16を剥離可能に張り付けて積層してある。支持体16としては、剛性を有するものであれば何でもよいが、金属板、樹脂板、セラミックス板などを用いることができる。金属層13として金属箔を用いる場合は、支持体16の表面に金属箔を剥離可能に接着して張り付けることができる。また支持体16の表面にメッキすることによって金属層13を形成することもできる。このように、支持体16に金属層13を張って、金属層13を剛性の高い支持体16で補強した状態で、金属層13の表面に樹脂層を設ける加工を行なったり、図2のような加工を行なったりすることができるものであり、加工の際の取り扱い性が向上するものである。
図1(e)は、支持体16の両面に金属層13を張って、支持体16の両側に光電気混載基板用材料を形成するようにした例を示すものである。
図3(a)は請求項2の発明の実施の形態の一例を示すものであり、第一樹脂層1の片面に直接接して第三樹脂層3を積層すると共に、第一樹脂層1の第三樹脂層3を設けた面と反対側の面に金属層13を積層することによって形成してある。第一樹脂層1や金属層13としては既述のものを用いることができる。
第三樹脂層3は活性エネルギー線の照射によって屈折率が変化し、活性エネルギー線が照射されることによって屈折率が高くなる光透過性樹脂よりなるものである。このような活性エネルギー線の照射によって屈折率が高くなる樹脂としては、例えば紫外線照射によって屈折率が高くなる、デュポン社製「ポリガイド(Polyguide)」など、アクリル樹脂中に光重合性モノマーを含有させたものを用いることができる。そしてこの第三樹脂層3を形成する樹脂は、活性エネルギー線の照射された部分が、活性エネルギー線の照射されていない部分及び第一樹脂層1を形成する樹脂より屈折率が高くなる樹脂であることも必須の条件である。
この光電気混載基板用材料は既述のものと同様にして、金属層13として金属箔を用いる場合にはそのマット面に第一樹脂層1を形成する樹脂をコーティングし、この第一樹脂層1の上に第三樹脂層3を形成する樹脂をコーティングすることによって作製することができる。
次に、このようにして得た光電気混載基板用材料を用いて光電気混載基板を製造する方法について説明する。まず図4(a)に示すように、第三樹脂層3に金属層13と反対側から活性エネルギー線Eを照射する。活性エネルギー線の照射は光配線の配線パターンに応じたパターンで行なわれるものであり、例えば紫外線のマスク露光、レーザーの描画露光などで活性エネルギー線のパターン照射を行なうことができる。このとき、第三樹脂層3のうち、活性エネルギー線が照射されていない部分の屈折率は変化しないが、活性エネルギー線が照射された部分は屈折率が高くなり、第三樹脂層3には照射部分の高屈折率部3aと非照射部分の低屈折率部3bが形成される。第三樹脂層3の高屈折率部3aの屈折率は第一樹脂層1の屈折率よりも高くなっている。
このようにして図4(b)のように第三樹脂層3に光配線パターン形状で高屈折率部3aを形成した後、第三樹脂層3の第一樹脂層1を設けた側と反対側の面に透明樹脂層20をコーティングして設け、図4(c)に示すように第三樹脂層3を透明樹脂層20で被覆する。この透明樹脂層20としては第三樹脂層3の高屈折率部3aより屈折率が低い透光性樹脂を用いるものであり、例えば第一樹脂層1と同じ樹脂を用いることができる。そして、電気配線21を設けて作製されたプリント配線板22を用い、このプリント配線板22の表面に透明樹脂層20を接着剤23で接着することによって、図4(d)のようにプリント配線板22の上に積層し、この後、表面の金属層13をプリント配線加工して図4(e)のように電気配線24を形成するものであり、さらにレーザービア加工やメッキ加工して電気配線21,24を接続することができるものである。
図4(e)のものにあって、光配線パターンの第三樹脂層3の高屈折率部3aの屈折率は、第三樹脂層3の低屈折率部3bや、第三樹脂層3と直接接する第一樹脂層1や透明樹脂層20の屈折率よりも大きいので、第三樹脂層3の高屈折率部3aがコア層26、第三樹脂層3の低屈折率部3bや第一樹脂層1や透明樹脂層20がクラッド層27となった光導波路が構成され、第三樹脂層3の高屈折率部3aによって光配線が形成されるものであり、第三樹脂層3の高屈折率部3aによる光配線と電気配線21,24が積層された光電気混載基板として用いることができるものである。
図3(b)(c)(d)(e)は他の実施の形態を示すものであり、図3(b)は既述と同様に、金属層13と樹脂層との間に難燃性を有する接着剤層14を設けたもの、図3(c)は既述と同様に、樹脂層の金属層13と反対側の面に透明なカバーフィルム15を張ったもの、図3(d)は既述と同様に、金属層13の樹脂層を設けた側と反対側の面に支持体16を剥離可能に張り付けたものであり、図3(e)は、支持体16の両面に金属層13を張って、支持体16の両側に光電気混載基板用材料を形成するようにしたものである。
図5(a)は光電気混載基板用材料の他の一例を示すものであり、第一樹脂層1の片面に直接接して第四樹脂層4を積層すると共に、第一樹脂層1の第四樹脂層4を設けた面と反対側の面に金属層13を積層することによって形成してある。第一樹脂層1や金属層13としては既述のものを用いることができる。
第四樹脂層4は活性エネルギー線の照射によって屈折率が変化し、活性エネルギー線が照射されることによって屈折率が低くなる光透過性樹脂よりなるものである。このような活性エネルギー線の照射によって屈折率が低くなる樹脂としては、例えば紫外線照射によって屈折率が低くなる、ポリメチルフェニルシランなどのポリシランや、ポリカーボネート樹脂を溶剤に溶解させた中に光重合性のアクリル系モノマーを加えてフィルム化し、露光後にアクリル系モノマーを真空留去するようにした複合樹脂などを用いることができる。そしてこの第四樹脂層4を形成する樹脂は、活性エネルギー線の照射されていない部分が第一樹脂層1を形成する樹脂より屈折率が高い樹脂であることも必須の条件である。
この光電気混載基板用材料は既述のものと同様にして、金属層13として金属箔を用いる場合にはそのマット面に第一樹脂層1を形成する樹脂をコーティングし、この第一樹脂層1の上に第四樹脂層4を形成する樹脂をコーティングすることによって作製することができる。
次に、このようにして得た光電気混載基板用材料を用いて光電気混載基板を製造する方法について説明する。まず図6(a)に示すように、第四樹脂層4に金属層13と反対側から活性エネルギー線Eを照射する。活性エネルギー線の照射は光配線の配線パターンと逆のパターンで行なわれるものであり、例えば紫外線のマスク露光、レーザーの描画露光などで活性エネルギー線のパターン照射を行なうことができる。このとき、第四樹脂層4のうち、活性エネルギー線が照射されていない部分の屈折率は変化しないが、活性エネルギー線が照射された部分は屈折率が低くなり、第四樹脂層4には非照射部分の高屈折率部4aと照射部分の低屈折率部4bが形成される。第四樹脂層4の高屈折率部4aの屈折率は第一樹脂層1の屈折率よりも高くなっている。
このようにして図6(b)のように第四樹脂層4に光配線パターン形状で高屈折率部4aを形成した後、第四樹脂層4の第一樹脂層1を設けた側と反対側の面に透明樹脂層20をコーティングして設け、図6(c)に示すように第四樹脂層4を透明樹脂層20で被覆する。この透明樹脂層20としては第四樹脂層4の高屈折率部4aより屈折率が低い透光性樹脂を用いるものであり、例えば第一樹脂層1と同じ樹脂を用いることができる。そして、電気配線21を設けて作製されたプリント配線板22を用い、このプリント配線板22の表面に透明樹脂層20を接着剤23で接着することによって、図6(d)のようにプリント配線板22の上に積層し、この後、表面の金属層13をプリント配線加工して図6(e)のように電気配線24を形成するものであり、さらにレーザービア加工やメッキ加工して電気配線21,24を接続することができるものである。
図6(e)のものにあって、光配線パターンの第四樹脂層4の高屈折率部4aの屈折率は、第四樹脂層4の低屈折率部4bや、第四樹脂層4と直接接する第一樹脂層1や透明樹脂層20の屈折率よりも大きいので、第四樹脂層4の高屈折率部4aがコア層26、第四樹脂層4の低屈折率部4bや第一樹脂層1や透明樹脂層20がクラッド層27となった光導波路が構成され、第四樹脂層4の高屈折率部4aによって光配線が形成されるものであり、第四樹脂層4の高屈折率部4aによる光配線と電気配線21,24が積層された光電気混載基板として用いることができるものである。
図5(b)(c)(d)(e)は他の実施の形態を示すものであり、図5(b)は既述と同様に、金属層13と樹脂層との間に難燃性を有する接着剤層14を設けたもの、図5(c)は既述と同様に、樹脂層の金属層13と反対側の面に透明なカバーフィルム15を張ったもの、図5(d)は既述と同様に、金属層13の樹脂層を設けた側と反対側の面に支持体16を剥離可能に張り付けたものであり、図5(e)は、支持体16の両面に金属層13を張って、支持体16の両側に光電気混載基板用材料を形成するようにしたものである。
図7(a)は光電気混載基板用材料の他の一例を示すものであり、活性エネルギー線の照射によって屈折率が変化する光透過性樹脂よりなる第五樹脂層5の片側の面に金属層13を設けて形成してある。金属層13としては既述のものを用いることができる。また第五樹脂層5を形成する樹脂としては、活性エネルギー線の照射によって屈折率が変化するものであればよく、既述の、活性エネルギー線の照射によって屈折率が高くなるもの、活性エネルギー線の照射によって屈折率が低くなるもの、いずれでもよい。この光電気混載基板用材料は既述のものと同様にして、金属層13として金属箔を用いる場合にはそのマット面に第五樹脂層5を形成する樹脂をコーティングすることによって作製することができる。
次に、このようにして得た光電気混載基板用材料を用いて光電気混載基板を製造する方法について説明する。まず図8(a)に示すように、第五樹脂層5に金属層13と反対側から活性エネルギー線Eを照射する。第五樹脂層5を形成する樹脂が活性エネルギー線の照射によって屈折率が低くなる場合には、活性エネルギー線の照射は光配線の配線パターンと逆のパターンで行なわれるものであり、例えば紫外線のマスク露光、レーザーの描画露光などで活性エネルギー線のパターン照射を行なうことができる。このとき、第五樹脂層5のうち、活性エネルギー線が照射されていない部分の屈折率は変化しないが、活性エネルギー線が照射された部分は屈折率が低くなり、第五樹脂層5には非照射部分の高屈折率部5aと照射部分の低屈折率部5bが形成される。
このようにして図8(b)のように第五樹脂層5に光配線パターン形状で高屈折率部5aを形成した後、第五樹脂層5の金属層13を設けた側と反対側の面に透明樹脂層20をコーティングして設け、図8(c)に示すように第五樹脂層5を透明樹脂層20で被覆する。この透明樹脂層20としては第五樹脂層5の高屈折率部5aより屈折率が低い透光性樹脂を用いるものであり、例えば既述の第一樹脂層1と同じ樹脂を用いることができる。そして、電気配線21を設けて作製されたプリント配線板22を用い、このプリント配線板22の表面に透明樹脂層20を接着剤23で接着することによって、図8(d)のようにプリント配線板22の上に積層し、この後、表面の金属層13をプリント配線加工して図8(e)のように電気配線24を形成するものであり、さらにレーザービア加工やメッキ加工して電気配線21,24を接続することができるものである。ここで、金属層13は第五樹脂層5の高屈折率部5aに対応する部分を残しておくか、第五樹脂層5の高屈折率部5aに対応する部分に金属層13で電気配線24を形成するのがよい。
図8(e)のものにあって、光配線パターンの第五樹脂層5の高屈折率部5aの屈折率は、第五樹脂層5の低屈折率部5bや第五樹脂層5と直接接する透明樹脂層20の屈折率よりも大きく、また高屈折率部5aは光を反射する金属層13と接しているので、第五樹脂層5の高屈折率部5aがコア層26、第五樹脂層5の低屈折率部5bや透明樹脂層20がクラッド層27となった光導波路が構成され、第五樹脂層5の高屈折率部5aによって光配線が形成されるものであり、第五樹脂層5の高屈折率部5aによる光配線と電気配線21,24が積層された光電気混載基板として用いることができるものである。
尚、第五樹脂層5を活性エネルギー線が照射されることによって屈折率が高くなる光透過性樹脂から形成した場合には、活性エネルギー線の照射時間やエネルギー強度を調製することによって、後述の図14(b)の場合と同様に、第五樹脂層5内において高屈折率部5aを透明樹脂層20と接する側の部分にのみ形成するようにしてもよい。
図7(b)(c)(d)(e)は他の実施の形態を示すものであり、図7(b)は既述と同様に、金属層13と樹脂層との間に難燃性を有する接着剤層14を設けたもの、図7(c)は既述と同様に、樹脂層の金属層13と反対側の面に透明なカバーフィルム15を張ったもの、図7(d)は既述と同様に、金属層13の樹脂層を設けた側と反対側の面に支持体16を剥離可能に張り付けたものであり、図7(e)は、支持体16の両面に金属層13を張って、支持体16の両側に光電気混載基板用材料を形成するようにしたものである。
図9(a)は光電気混載基板用材料の他の一例を示すものであり、第一樹脂層1の片面に直接接して第六樹脂層6を積層すると共に、第六樹脂層6の第一樹脂層1と反対側の面に直接接して第七樹脂層7を積層し、さらに第一樹脂層1の第六樹脂層6を設けた側と反対側の面に金属層13を積層することによって形成してある。
第一樹脂層1や金属層13としては既述のものを用いることができる。また第七樹脂層7は光透過性樹脂よりなるものであり、第一樹脂層1と同等の屈折率を有するものが望ましく、第一樹脂層1を形成する樹脂と同様のものを用いることができる。さらに第六樹脂層6は活性エネルギー線の照射によって屈折率が変化し、活性エネルギー線が照射されることによって屈折率が高くなる光透過性樹脂よりなるものである。このような活性エネルギー線の照射によって屈折率が高くなる樹脂としては、第三樹脂層3と同じものを用いることができる。そしてこの第六樹脂層6を形成する樹脂は、活性エネルギー線の照射された部分が、活性エネルギー線の照射されていない部分及び第一樹脂層1を形成する樹脂及び第七樹脂層7を形成する樹脂より屈折率が高くなる樹脂であることも必須の条件である。
この光電気混載基板用材料は既述のものと同様にして、金属層13として金属箔を用いる場合にはそのマット面に第一樹脂層1を形成する樹脂をコーティングし、この第一樹脂層1の上に第六樹脂層6を形成する樹脂をコーティングし、さらにこの上に第七樹脂層7を形成する樹脂をコーティングすることによって作製することができる。
次に、このようにして得た光電気混載基板用材料を用いて光電気混載基板を製造する方法について説明する。まず図10(a)に示すように、金属層13と反対側から第七樹脂層7を透して第六樹脂層6に活性エネルギー線Eを照射する。活性エネルギー線の照射は光配線の配線パターンに応じたパターンで行なわれるものであり、例えば紫外線のマスク露光、レーザーの描画露光などで活性エネルギー線のパターン照射を行なうことができる。このとき、第六樹脂層6のうち、活性エネルギー線が照射されていない部分の屈折率は変化しないが、活性エネルギー線が照射された部分は屈折率が高くなり、第六樹脂層6には照射部分の高屈折率部6aと非照射部分の低屈折率部6bが形成される。第六樹脂層6の高屈折率部6aの屈折率は第一樹脂層1や第七樹脂層7の屈折率よりも高くなっている。
このようにして図10(b)のように第六樹脂層6に光配線パターン形状で高屈折率部6aを形成した後、第七樹脂層7の第六樹脂層6を設けた側と反対側の面に接着剤層23を設け、そして、電気配線21を設けて作製されたプリント配線板22の表面に接着剤23で接着することによって、図10(c)のようにプリント配線板22の上に積層する。この後、表面の金属層13をプリント配線加工して図10(d)のように電気配線24を形成し、さらにレーザービア加工やメッキ加工して電気配線21,24を接続することができるものである。
図10(d)のものにあって、光配線パターンの第六樹脂層6の高屈折率部6aの屈折率は、第六樹脂層6の低屈折率部6bや、第六樹脂層6と直接接する第一樹脂層1や第七樹脂層7の屈折率よりも大きいので、第六樹脂層6の高屈折率部6aがコア層26、第六樹脂層6の低屈折率部6bや第一樹脂層1や第七樹脂層7がクラッド層27となった光導波路が構成され、第六樹脂層6の高屈折率部6aによって光配線が形成されるものであり、第六樹脂層6の高屈折率部6aによる光配線と電気配線21,24が積層された光電気混載基板として用いることができるものである。
図9(b)(c)(d)(e)は他の実施の形態を示すものであり、図9(b)は既述と同様に、金属層13と樹脂層との間に難燃性を有する接着剤層14を設けたもの、図9(c)は既述と同様に、樹脂層の金属層13と反対側の面に透明なカバーフィルム15を張ったもの、図9(d)は既述と同様に、金属層13の樹脂層を設けた側と反対側の面に支持体16を剥離可能に張り付けたものであり、図9(e)は、支持体16の両面に金属層13を張って、支持体16の両側に光電気混載基板用材料を形成するようにしたものである。
図11(a)は光電気混載基板用材料の他の一例を示すものであり、第一樹脂層1の片面に直接接して第八樹脂層8を積層すると共に、第八樹脂層8の第一樹脂層1と反対側の面に直接接して第九樹脂層9を積層し、さらに第一樹脂層1の第八樹脂層8を設けた側と反対側の面に金属層13を積層することによって形成してある。
第一樹脂層1や金属層13としては既述のものを用いることができる。また第九樹脂層9は光透過性樹脂よりなるものであり、第一樹脂層1と同等の屈折率を有するものが望ましく、第一樹脂層1を形成する樹脂と同様のものを用いることができる。さらに第八樹脂層8は活性エネルギー線の照射によって屈折率が変化し、活性エネルギー線が照射されることによって屈折率が低くなる光透過性樹脂よりなるものである。このような活性エネルギー線の照射によって屈折率が低くなる樹脂としては、第四樹脂層4と同じものを用いることができる。そしてこの第八樹脂層8を形成する樹脂は、活性エネルギー線の照射されていない部分が、第一樹脂層1を形成する樹脂及び第九樹脂層9を形成する樹脂より屈折率が高くなる樹脂であることも必須の条件である。
この光電気混載基板用材料は既述のものと同様にして、金属層13として金属箔を用いる場合にはそのマット面に第一樹脂層1を形成する樹脂をコーティングし、この第一樹脂層1の上に第八樹脂層8を形成する樹脂をコーティングし、さらにこの上に第九樹脂層9を形成する樹脂をコーティングすることによって作製することができる。
次に、このようにして得た光電気混載基板用材料を用いて光電気混載基板を製造する方法について説明する。まず図12(a)に示すように、金属層13と反対側から第九樹脂層9を透して第八樹脂層8に活性エネルギー線Eを照射する。活性エネルギー線の照射は光配線の配線パターンと逆のパターンで行なわれるものであり、例えば紫外線のマスク露光、レーザーの描画露光などで活性エネルギー線のパターン照射を行なうことができる。このとき、第八樹脂層8のうち、活性エネルギー線が照射されていない部分の屈折率は変化しないが、活性エネルギー線が照射された部分は屈折率が低くなり、第八樹脂層8には非照射部分の高屈折率部8aと照射部分の低屈折率部8bが形成される。第八樹脂層8の高屈折率部8aの屈折率は第一樹脂層1や第九樹脂層9の屈折率よりも高くなっている。
このようにして図12(b)のように第八樹脂層8に光配線パターン形状で高屈折率部8aを形成した後、第九樹脂層9の第八樹脂層8を設けた側と反対側の面に接着剤層23を設け、そして、電気配線21を設けて作製されたプリント配線板22の表面に接着剤23で接着することによって、図12(c)のようにプリント配線板22の上に積層する。この後、表面の金属層13をプリント配線加工して図12(d)のように電気配線24を形成し、さらにレーザービア加工やメッキ加工して電気配線21,24を接続することができるものである。
図12(d)のものにあって、光配線パターンの第八樹脂層8の高屈折率部8aの屈折率は、第八樹脂層8の低屈折率部8bや、第八樹脂層8と直接接する第一樹脂層1や第九樹脂層9の屈折率よりも大きいので、第八樹脂層8の高屈折率部8aがコア層26、第八樹脂層8の低屈折率部8bや第一樹脂層1や第九樹脂層9がクラッド層27となった光導波路が構成され、第八樹脂層8の高屈折率部8aによって光配線が形成されるものであり、第八樹脂層8の高屈折率部8aによる光配線と電気配線21,24が積層された光電気混載基板として用いることができるものである。
図11(b)(c)(d)(e)は他の実施の形態を示すものであり、図11(b)は既述と同様に、金属層13と樹脂層との間に難燃性を有する接着剤層14を設けたもの、図11(c)は既述と同様に、樹脂層の金属層13と反対側の面に透明なカバーフィルム15を張ったもの、図11(d)は既述と同様に、金属層13の樹脂層を設けた側と反対側の面に支持体16を剥離可能に張り付けたものであり、図11(e)は、支持体16の両面に金属層13を張って、支持体16の両側に光電気混載基板用材料を形成するようにしたものである。
図13(a)は光電気混載基板用材料の他の一例を示すものであり、第十樹脂層10の片面に直接接して第十一樹脂層11を積層すると共に、第十樹脂層10の第十一樹脂層11を設けた側と反対側の面に金属層13を積層することによって形成してある。
金属層13としては既述のものを用いることができる。また第十一樹脂層11は光透過性樹脂よりなるものであり、第一樹脂層1を形成する樹脂と同様のものを用いることができる。さらに第十樹脂層10は活性エネルギー線の照射によって屈折率が変化し、活性エネルギー線が照射されることによって屈折率が高くなる光透過性樹脂よりなるものである。このような活性エネルギー線の照射によって屈折率が高くなる樹脂としては、第三樹脂層3と同じものを用いることができる。そしてこの第十樹脂層10を形成する樹脂は、活性エネルギー線の照射された部分が、活性エネルギー線の照射されていない部分及び第十一樹脂層11を形成する樹脂より屈折率が高くなる樹脂であることも必須の条件である。
この光電気混載基板用材料は既述のものと同様にして、金属層13として金属箔を用いる場合にはそのマット面に第十樹脂層10を形成する樹脂をコーティングし、この第十樹脂層10の上に第十一樹脂層11を形成する樹脂をコーティングすることによって作製することができる。
次に、このようにして得た光電気混載基板用材料を用いて光電気混載基板を製造する方法について説明する。まず図14(a)に示すように、金属層13と反対側から第十一樹脂層11を透して第十樹脂層10に活性エネルギー線Eを照射する。活性エネルギー線の照射は光配線の配線パターンに応じたパターンで行なわれるものであり、例えば紫外線のマスク露光、レーザーの描画露光などで活性エネルギー線のパターン照射を行なうことができる。このとき、第十樹脂層10のうち、活性エネルギー線が照射されていない部分の屈折率は変化しないが、活性エネルギー線が照射された部分は屈折率が高くなり、第十樹脂層10には照射部分の高屈折率部10aと非照射部分の低屈折率部10bが形成される。第十樹脂層10の高屈折率部10aの屈折率は第十一樹脂層11の屈折率よりも高くなっている。
このようにして図14(b)のように第十樹脂層10に光配線パターン形状で高屈折率部10aを形成することができる。ここで、活性エネルギー線の照射時間やエネルギー強度を調整することによって、第十樹脂層10内において高屈折率部10aは第十一樹脂層11と接する側の部分にのみ形成され、金属層13と接する部分にまで形成されないようにするのがよい。このように第十樹脂層10に光配線パターン形状で高屈折率部10aを形成した後、第十一樹脂層11の第十樹脂層10を設けた側と反対側の面に接着剤層23を設け、そして、電気配線21を設けて作製されたプリント配線板22の表面に接着剤23で接着することによって、図14(c)のようにプリント配線板22の上に積層する。この後、表面の金属層13をプリント配線加工して図14(d)のように電気配線24を形成し、さらにレーザービア加工やメッキ加工して電気配線21,24を接続することができるものである。
図14(d)のものにあって、光配線パターンの第十樹脂層10の高屈折率部10aの屈折率は、第十樹脂層10の低屈折率部10bや、第十樹脂層10と直接接する第十一樹脂層11の屈折率よりも大きいので、第十樹脂層10の高屈折率部10aがコア層26、第十樹脂層10の低屈折率部10bや第十一樹脂層11がクラッド層27となった光導波路が構成され、第十一樹脂層11の高屈折率部11aによって光配線が形成されるものであり、第十樹脂層10の高屈折率部10aによる光配線と電気配線21,24が積層された光電気混載基板として用いることができるものである。
図13(b)(c)(d)(e)は他の実施の形態を示すものであり、図13(b)は既述と同様に、金属層13と樹脂層との間に難燃性を有する接着剤層14を設けたもの、図13(c)は既述と同様に、樹脂層の金属層13と反対側の面に透明なカバーフィルム15を張ったもの、図13(d)は既述と同様に、金属層13の樹脂層を設けた側と反対側の面に支持体16を剥離可能に張り付けたものであり、図13(e)は、支持体16の両面に金属層13を張って、支持体16の両側に光電気混載基板用材料を形成するようにしたものである。
図15(a)は光電気混載基板用材料の他の一例を示すものであり、第十二樹脂層12の片面に直接接して第十一樹脂層11を積層すると共に、第十二樹脂層12の第十一樹脂層11を設けた側と反対側の面に金属層13を積層することによって形成してある。
第十一樹脂層11及び金属層13としては既述のものを用いることができる。また第十二樹脂層12は活性エネルギー線の照射によって屈折率が変化し、活性エネルギー線が照射されることによって屈折率が低くなる光透過性樹脂よりなるものである。このような活性エネルギー線の照射によって屈折率が高くなる樹脂としては、第四樹脂層4と同じものを用いることができる。そしてこの第十二樹脂層12を形成する樹脂は、活性エネルギー線の照射されていない部分が、活性エネルギー線の照射された部分及び第十一樹脂層11を形成する樹脂より屈折率が高い樹脂であることも必須の条件である。
この光電気混載基板用材料は既述のものと同様にして、金属層13として金属箔を用いる場合にはそのマット面に第十二樹脂層12を形成する樹脂をコーティングし、この第十二樹脂層12の上に第十一樹脂層11を形成する樹脂をコーティングすることによって作製することができる。
次に、このようにして得た光電気混載基板用材料を用いて光電気混載基板を製造する方法について説明する。まず図16(a)に示すように、金属層13と反対側から第十一樹脂層11を透して第十二樹脂層12に活性エネルギー線Eを照射する。活性エネルギー線の照射は光配線の配線パターンと逆のパターンで行なわれるものであり、例えば紫外線のマスク露光、レーザーの描画露光などで活性エネルギー線のパターン照射を行なうことができる。このとき、第十二樹脂層12のうち、活性エネルギー線が照射されていない部分の屈折率は変化しないが、活性エネルギー線が照射された部分は屈折率が低くなり、第十二樹脂層12には非照射部分の高屈折率部12aと照射部分の低屈折率部12bが形成される。
このようにして図16(b)のように第十二樹脂層12に光配線パターン形状で高屈折率部12aを形成した後、第十一樹脂層11の第十二樹脂層12を設けた側と反対側の面に接着剤層23を設け、そして、電気配線21を設けて作製されたプリント配線板22の表面に接着剤23で接着することによって、図16(c)のようにプリント配線板22の上に積層する。この後、表面の金属層13をプリント配線加工して図16(d)のように電気配線24を形成し、さらにレーザービア加工やメッキ加工して電気配線21,24を接続することができるものである。ここで、金属層13は第十二樹脂層12の高屈折率部12aに対応する部分を残しておくか、第十二樹脂層12の高屈折率部12aに対応する部分に金属層13で電気配線24を形成するのがよい。
図16(d)のものにあって、光配線パターンの第十二樹脂層12の高屈折率部12aの屈折率は、第十二樹脂層12の低屈折率部12bや第十二樹脂層12と直接接する第十一樹脂層11の屈折率よりも大きく、また高屈折率部12aは光を反射する金属層13と接しているので、第十二樹脂層12の高屈折率部12aがコア層26、第十二樹脂層12の低屈折率部12bや第十一樹脂層11がクラッド層27となった光導波路が構成され、第十二樹脂層12の高屈折率部12aによって光配線が形成されるものであり、第十二樹脂層12の高屈折率部12aによる光配線と電気配線21,24が積層された光電気混載基板として用いることができるものである。
図15(b)(c)(d)(e)は他の実施の形態を示すものであり、図15(b)は既述と同様に、金属層13と樹脂層との間に難燃性を有する接着剤層14を設けたもの、図15(c)は既述と同様に、樹脂層の金属層13と反対側の面に透明なカバーフィルム15を張ったもの、図15(d)は既述と同様に、金属層13の樹脂層を設けた側と反対側の面に支持体16を剥離可能に張り付けたものであり、図15(e)は、支持体16の両面に金属層13を張って、支持体16の両側に光電気混載基板用材料を形成するようにしたものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
厚み35μmの銅箔(古河電工(株)製「MPGT」)を金属層13として用い、金属層13に透明樹脂Aをロール転写法で塗布厚み50μmに塗布し、2.5J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して硬化させ、第一樹脂層1を形成した。次に、感光性樹脂Aのワニスを80μm厚に塗布し、加熱乾燥することによって厚み40±5μmの第二樹脂層2を形成し、図1(a)のような光電気混載基板用材料を作製した。
ここで、透明樹脂Aとしては、ダイキン化学工業(株)製「オプトダインUV−3100」を用いた。このものはUV硬化エポキシ樹脂であり、硬化後の屈折率は1.49である。
また感光性樹脂Aのワニスとしては、ダイセル化学工業(株)製「EHPE−3150」100質量部、メチルエチルケトン70質量部、トルエン30質量部、ローディア・ジャパン(株)製「ロードシル・フォトイニシエータ2074」2質量部からなるワニスを用いた。このワニスを乾燥して溶剤を除去し、10J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して硬化させた後、150℃で1時間のアフターキュアーをした硬化樹脂の屈折率は1.53である。
上記のように作製した光電気混載基板用材料を6cm角にカットし、40μm幅の線状に光が通過するように作製したマスクを通して第二樹脂層2に10J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して露光し、120℃で30分加熱処理した(図2(a)参照)。次に、トルエンとクリーンスルー(花王(株)製のフレオン代替の水系洗浄剤)で現像することによって、非照射部分の未露光部を除去し、水で洗浄後乾燥した(図2(b)参照)。この後、線状の第二樹脂層2を被覆するように透明樹脂Aを塗布厚み80μmで塗布し、2.5J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して硬化させることによって透明樹脂層20を形成し(図2(c)参照)、さらにこの上に接着剤ワニスAを40μm厚に塗布し、150℃で乾燥して接着剤層23を形成した。そしてFR−5タイプのプリント配線板22に接着剤層23を介して重ね、170℃で真空プレス成形することによって、線状の第二樹脂層2で光配線のコア部26が形成された光電気混載基板を得た(図2(d)(e)参照)。
ここで、接着剤ワニスAとしては、東都化成(株)製「YDB500」(臭素化エポキシ樹脂)90質量部、東都化成(株)製「YDCN−1211」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)10質量部、ジシアンジアミド3質量部、四国化成(株)製「2E4MZ」(2エチル4メチルイミダゾール)0.1質量部、メチルエチルケトン30質量部、ジメチルホルムアミド8質量部からなるワニスを用いた。
上記のようにして得た光電気混載基板について、線状の第二樹脂層2と直交する両端面を研磨して、光配線のコア部を形成する第二樹脂層2の端面を露出させ、片方の端面から波長850μmの近赤外光をコア径50μmのマルチモード光ファイバーを通して入射させ、反対側の端面からの出射光をCCDカメラで観察したところ、光が導波していることが観測され、光配線が機能していることが確認された。また、金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、6.9N/cm(0.7kg/cm)であった。
(実施例2)
実施例1において、第二樹脂層2を形成した後、第二樹脂層2の表面に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、図1(c)のような光電気混載基板用材料を作製した。このものでは、樹脂層が剥き出しにならないので、ハンドリング性が優れるものであった。
そしてカバーフィルム15の上から露光した後にカバーフィルム15を剥ぎ取って現像を行なうようにした他は、光電気混載基板用材料に実施例1と同様な加工を行なうことによって、光電気混載基板を得た。この光電気混載基板について、実施例1と同様な評価を行なったところ、光配線が機能していることが確認された。また金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、6.9N/cm(0.7kg/cm)であった。
(実施例3)
実施例1と同様に銅箔を金属層13として用い、金属層13に接着剤ワニスAを40μm厚に塗布し、150℃で乾燥することによって、接着剤層14を形成した、あとはこの接着剤層14の上に実施例1と同様にして第一樹脂層1、第二樹脂層2を形成することによって、図1(b)のような光電気混載基板用材料を作製した。
そしてこの光電気混載基板用材料に実施例1と同様な加工を行なうことによって、光電気混載基板を得た。この光電気混載基板について、実施例1と同様な評価を行なったところ、光配線が機能していることが確認された。また金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、9.8N/cm(1.0kg/cm)であり、接着剤層14によって金属層13の密着強度が向上していることが確認された。
(実施例4)
ステンレス板を支持体16として用い、ステンレス板の表面に両面粘着テープで銅箔のシャイニー面を接着することによって、支持体16に金属層13を張った。そしてこの金属層13の表面に実施例1と同様にして第一樹脂層1、第二樹脂層2を形成することによって、図1(d)のような光電気混載基板用材料を作製した。このものでは、薄い金属層13が剛体の支持体16で補強されているので、ハンドリング性が優れるものであった。
そしてこの光電気混載基板用材料に実施例1と同様な加工を行ない、最後に支持体16を剥がすことによって、光電気混載基板を得た。この光電気混載基板について、実施例1と同様な評価を行なったところ、光配線が機能していることが確認された。また金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、6.9N/cm(0.7kg/cm)であった。
(実施例5)
実施例1と同じ銅箔を金属層13として用い、金属層13に感光性樹脂Bのワニスをロール転写法で100μm厚に塗布し、加熱乾燥して50±5μm厚の第五樹脂層5を形成することによって、図7(a)のような光電気混載基板用材料を作製した。
ここで、感光性樹脂Bとしては、日本ペイント(株)製「グラシアPS−SR103」を用いた。このものはポリシラン樹脂であり、厚み50μmにおいて、硬化後(紫外線露光前)の屈折率は1.64であり、また10J/cm2の紫外線を照射した露光後の屈折率は1.58〜1.62に変化する。
上記のように作製した光電気混載基板用材料を6cm角にカットし、40μm幅の線状に光が遮られるように作製したマスクを通して第五樹脂層5に10J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して露光し(図8(a)参照)、露光部分の屈折率を低下させ、露光部分を低屈折率部5bにすることによって、未露光部分を高屈折率部5aとして形成した。(図8(b)参照)。次に、第五樹脂層5を被覆するように透明樹脂Bを塗布厚み40μmで塗布し、100℃で1時間、さらに150℃で1時間加熱処理して硬化させることによって透明樹脂層20を形成し(図8(c)参照)、さらにこの上に接着剤ワニスAを40μm厚に塗布し、150℃で乾燥して接着剤層23を形成した。そしてFR−5タイプのプリント配線板22に接着剤層23を介して重ね、170℃で真空プレス成形することによって、第五樹脂層5に線状の高屈折率部5aで光配線のコア部26が形成された光電気混載基板を得た(図8(d)(e)参照)。
ここで、透明樹脂Bとしては、東都化成(株)製「BPAF−DGE」(フッ素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量242)100質量部、大日本インキ工業(株)製「B650」(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、酸無水物当量168)66質量部、サンアプロ(株)製「SA−102」(ジアザビシクロウンデセンのオクチル酸塩)2質量部からなる熱硬化性エポキシ樹脂を用いた。この樹脂を100℃で1時間、さらに150℃で1時間加熱して硬化したときの、硬化後の屈折率は1.51である。
上記のようにして得た光電気混載基板について、第五樹脂層5の線状の高屈折率層5aと直交する両端面を研磨して、光配線のコア部を形成する高屈折率層5aの端面を露出させ、片方の端面から波長850μmの近赤外光をコア径50μmのマルチモード光ファイバーを通して入射させ、反対側の端面からの出射光をCCDカメラで観察したところ、光が導波していることが観測され、光配線が機能していることが確認された。また、金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、4.9N/cm(0.5kg/cm)であった。
(実施例6)
実施例5において、第五樹脂層5を形成した後、第五樹脂層5の表面に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、図7(c)のような光電気混載基板用材料を作製した。このものでは、樹脂層が剥き出しにならないので、ハンドリング性が優れるものであった。
そしてカバーフィルム15の上から露光した後にカバーフィルム15を剥ぎ取って透明樹脂層20を形成するようにした他は、光電気混載基板用材料に実施例5と同様な加工を行なうことによって、光電気混載基板を得た。この光電気混載基板について、実施例1と同様な評価を行なったところ、光配線が機能していることが確認された。また金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、4.9N/cm(0.5kg/cm)であった。
(実施例7)
実施例5と同様に銅箔を金属層13として用い、金属層13に接着剤ワニスAを40μm厚に塗布し、150℃で乾燥することによって、接着剤層14を形成した、あとはこの接着剤層14の上に実施例5と同様にして第五樹脂層5を形成することによって、図7(b)のような光電気混載基板用材料を作製した。
そしてこの光電気混載基板用材料に実施例5と同様な加工を行なうことによって、光電気混載基板を得た。この光電気混載基板について、実施例1と同様な評価を行なったところ、光配線が機能していることが確認された。また金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、8.8N/cm(0.9kg/cm)であり、接着剤層14によって金属層13の密着強度が向上していることが確認された。
(実施例8)
ステンレス板を支持体16として用い、ステンレス板の表面に両面粘着テープで銅箔のシャイニー面を接着することによって、支持体16に金属層13を張った。そしてこの金属層13の表面に実施例5と同様にして第五樹脂層5を形成することによって、図7(d)のような光電気混載基板用材料を作製した。このものでは、薄い金属層13が剛体の支持体16で補強されているので、ハンドリング性が優れるものであった。
そしてこの光電気混載基板用材料に実施例1と同様な加工を行ない、最後に支持体16を剥がすことによって、光電気混載基板を得た。この光電気混載基板について、実施例1と同様な評価を行なったところ、光配線が機能していることが確認された。また金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、4.9N/cm(0.5kg/cm)であった。
(実施例9)
実施例1と同じ銅箔を金属層13として用い、金属層13に感光性樹脂Bのワニスをロール転写法で100μm厚に塗布し、加熱乾燥して50±5μm厚の第第十二樹脂層12を形成し、さらにこの上に透明樹脂Bをロール転写法で厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、さらに150℃で1時間加熱処理して硬化させことによって第十一樹脂層11を形成し、図15(a)のような光電気混載基板用材料を作製した。
上記のように作製した光電気混載基板用材料を6cm角にカットし、40μm幅の線状に光が遮られるように作製したマスクを通して第十二樹脂層12に10J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して露光し(図16(a)参照)、露光部分の屈折率を低下させ、露光部分を低屈折率部12bにすることによって、未露光部分を高屈折率部12aとして形成した。(図16(b)参照)。次に、第十一樹脂層11の表面に接着剤ワニスAを40μm厚に塗布し、150℃で乾燥して接着剤層23を形成した。そしてFR−5タイプのプリント配線板22に接着剤層23を介して重ね、170℃で真空プレス成形することによって、第十二樹脂層12に線状の高屈折率部12aで光配線のコア部26が形成された光電気混載基板を得た(図16(c)(d)参照)。
上記のようにして得た光電気混載基板について、第十二樹脂層12の線状の高屈折率層12aと直交する両端面を研磨して、光配線のコア部を形成する高屈折率層12aの端面を露出させ、片方の端面から波長850μmの近赤外光をコア径50μmのマルチモード光ファイバーを通して入射させ、反対側の端面からの出射光をCCDカメラで観察したところ、光が導波していることが観測され、光配線が機能していることが確認された。また、金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、4.9N/cm(0.5kg/cm)であった。
(実施例10)
実施例9において、第十二樹脂層12及び第十一樹脂層11を形成した後、第十一樹脂層11の表面に厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15をロールで押し当てて張り付けることによって、図15(c)のような光電気混載基板用材料を作製した。このものでは、樹脂層が剥き出しにならないので、ハンドリング性が優れるものであった。
そしてカバーフィルム15の上から露光した後にカバーフィルム15を剥ぎ取って接着剤層23の形成を行なうようにした他は、光電気混載基板用材料に実施例9と同様な加工を行なうことによって、光電気混載基板を得た。この光電気混載基板について、実施例1と同様な評価を行なったところ、光配線が機能していることが確認された。また金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、4.9N/cm(0.5kg/cm)であった。
(実施例11)
ステンレス板を支持体16として用い、ステンレス板の表面に両面粘着テープで銅箔のシャイニー面を接着することによって、支持体16に金属層13を張った。そしてこの金属層13の表面に実施例9と同様にして第十二樹脂層12及び第十一樹脂層11を形成することによって、図15(d)のような光電気混載基板用材料を作製した。このものでは、薄い金属層13が剛体の支持体16で補強されているので、ハンドリング性が優れるものであった。
そしてこの光電気混載基板用材料に実施例1と同様な加工を行ない、最後に支持体16を剥がすことによって、光電気混載基板を得た。この光電気混載基板について、実施例1と同様な評価を行なったところ、光配線が機能していることが確認された。また金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、4.9N/cm(0.5kg/cm)であった。
(実施例12)
実施例1と同じ銅箔を金属層13として用い、金属層13に透明樹脂Aをロール転写法で50μm厚に塗布し、2.5J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して硬化させることによって第一樹脂層1を形成した。次に感光性樹脂Bのワニスを80μm厚に塗布し、加熱乾燥して40±5μm厚の第八樹脂層8を形成し、さらにこの上に透明樹脂Bのワニスをロール転写法で厚み50μmに塗布し、100℃で1時間、さらに150℃で1時間加熱処理して硬化させることによって第九樹脂層9を形成し、図11(a)のような光電気混載基板用材料を作製した。
上記のように作製した光電気混載基板用材料を6cm角にカットし、40μm幅の線状に光が遮られるように作製したマスクを通して第八樹脂層8に10J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して露光し(図12(a)参照)、露光部分の屈折率を低下させ、露光部分を低屈折率部8bにすることによって、未露光部分を高屈折率部8aとして形成した。(図12(b)参照)。次に、第九樹脂層9の表面に接着剤ワニスAを40μm厚に塗布し、150℃で乾燥して接着剤層23を形成した。そしてFR−5タイプのプリント配線板22に接着剤層23を介して重ね、170℃で真空プレス成形することによって、第八樹脂層8に線状の高屈折率部8aで光配線のコア部26が形成された光電気混載基板を得た(図12(c)(d)参照)。
上記のようにして得た光電気混載基板について、第八樹脂層8の線状の高屈折率層8aと直交する両端面を研磨して、光配線のコア部を形成する高屈折率層8aの端面を露出させ、片方の端面から波長850μmの近赤外光をコア径50μmのマルチモード光ファイバーを通して入射させ、反対側の端面からの出射光をCCDカメラで観察したところ、光が導波していることが観測され、光配線が機能していることが確認された。また、金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、6.9N/cm(0.7kg/cm)であった。
(実施例13)
実施例1と同じ銅箔を金属層13として用い、金属層13に透明樹脂Bをロール転写法で50μm厚に塗布し、100℃で1時間、さらに150℃で1時間加熱処理して硬化させることによって第一樹脂層1を形成した。また厚み25μmの透明PETフィルムからなるカバーフィルム15に透明樹脂Bをロール転写法で50μm厚に塗布し、100℃で1時間、さらに150℃で1時間加熱処理して硬化させることによって第九樹脂層9を形成した。そして感光性樹脂Cをキャスティングすることによって40μm厚にフィルム化した第八樹脂層8を第一樹脂層1と第九樹脂層9の間に挟んでラミネートすることによって、図11(c)のような光電気混載基板用材料を作製した。
ここで、感光性樹脂Cとしては、三菱ガス化学(株)製「ユーピロンZ」(ポリカーボネート樹脂、屈折率1.59)35質量部、メチルアクリレート20質量部、ベンゾインエチルエーテル1質量部、ハイドロキノン0.04質量部をテトラハイドロフランに溶解させたワニスを使用した。この感光性樹脂Cの厚み40μmの硬化樹脂の屈折率は1.53である。そしてこれに3J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射した後、真空中95℃で12時間した後の屈折率は、露光部で1.55〜1.58、非露光部で1.585〜1.59である。
上記のように作製した光電気混載基板用材料を6cm角にカットし、40μm幅の線状に光が遮られるように作製したマスクをカバーフィルム15の表面にコンタクトさせると共にマスクを通して第八樹脂層8に3J/cm2のパワーの高圧水銀ランプを照射して露光した(図12(a)参照)。そして1時間放置した後に267Pa(2Torr)の真空中、95時間で12時間加熱した。このように露光及び加熱処理を行なうことによって、露光部分は未露光部分よりも屈折率が低くなり、未露光部分が高屈折率部8a、露光部分が低屈折率部8bとして形成された(図12(b)参照)。
次に、カバーフィルム15を剥がした後、第九樹脂層9の表面に接着剤ワニスAを40μm厚に塗布し、150℃で乾燥して接着剤層23を形成した。そしてFR−5タイプのプリント配線板22に接着剤層23を介して重ね、170℃で真空プレス成形することによって、第八樹脂層8に線状の高屈折率部8aで光配線のコア部26が形成された光電気混載基板を得た(図12(c)(d)参照)。
上記のようにして得た光電気混載基板について、第八樹脂層8の線状の高屈折率層8aと直交する両端面を研磨して、光配線のコア部を形成する高屈折率層8aの端面を露出させ、片方の端面から波長850μmの近赤外光をコア径50μmのマルチモード光ファイバーを通して入射させ、反対側の端面からの出射光をCCDカメラで観察したところ、光が導波していることが観測され、光配線が機能していることが確認された。また、金属層13を形成する銅箔のピール強度を測定したところ、7.8N/cm(0.8kg/cm)であった。