JP2007094081A - 移動体シミュレータ装置およびその制御方法並びに制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】よりリアルに実地の運転状況を再現することができる移動体シミュレータ装置を提供する。
【解決手段】移動体シミュレータ装置11の記憶装置43には、基準位置からの距離ごとに移動体のヨー角速度を特定するヨー角速度データ59と、基準位置からの距離ごとに移動体の事象を特定する事象データ61、62と、移動体の移動経路に移動体のヨー角速度を関連付ける基準ヨー角速度データ55とが格納される。ヨー角速度データ59および基準ヨー角速度データ55に基づき移動体の事象は移動経路に正確に関連付けられる。こういった関連付けに応じて移動経路上で正確に一は特定されることができる。関連付けられる事象に基づき、運転手の視界を再現する画像が作成される。こういった画像に基づき移動体の事象は正確に再現されることができる。実地の運転状況は正確に再現されることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車といった移動体の挙動を再現するシミュレータ装置に関する。
例えば自動車教習用のシミュレータ装置は広く知られる。こうしたシミュレータ装置は例えば教習生の運転の再現にあたってしばしば用いられる。再現に先立って教習生は実地で自動車を運転する。自動車は所定の行路を走行する。走行中の自動車では例えば先行車との車間距離や速度といった事象が計測される。計測される事象は事象データとして走行距離ごとに特定される。事象データはシミュレータ装置に入力される。事象データに基づき自動車の事象が再現される。
特開2000−47570号公報
シミュレータ装置では行路上で理想的な移動経路が画一的に設定される。自動車が正確に移動経路を辿れば、自動車は最短距離で目的地点まで到達することができる。その一方で、実地では教習生は必ずしも理想的な移動経路を辿ることはできない。例えば教習生は行路上で自動車を蛇行させる。蛇行に基づき実地の走行距離は増加する。こうした走行距離に基づきシミュレータ装置上の行路に自動車の事象が関連付けられても、シミュレータ装置上では実地通りに自動車の事象は再現されることはできない。行路上の誤った位置で自動車の事象は再現される。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、よりリアルに実地の運転状況を再現することができる移動体シミュレータ装置を提供することを目的とする。本発明は、そういった移動体シミュレータ装置の実現に大いに貢献する制御方法や制御プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1発明によれば、基準位置からの距離ごとに移動体のヨー角速度を特定するヨー角速度データを格納する第1記憶装置と、基準位置からの距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを格納する第2記憶装置と、移動体の移動経路に移動体のヨー角速度を関連付ける基準ヨー角速度データを格納する第3記憶装置と、ヨー角速度データおよび基準ヨー角速度データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成するデータ生成手段と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する再現手段とを備えることを特徴とする移動体シミュレータ装置が提供される。
こういった移動体シミュレータ装置では、例えば実測されるヨー角速度データに基づき基準位置からの距離ごとに移動体のヨー角速度は特定される。同様に、例えば実測される事象データに基づき基準位置からの距離ごとに移動体の事象は特定される。その一方で、基準ヨー角速度データは、移動体の移動経路に関連付けられるヨー角速度を特定する。特定される移動体の事象はヨー角速度データおよび基準ヨー角速度データに基づき移動経路に正確に関連付けられる。こういった関連付けに応じて移動経路上で正確に位置は特定されることができる。こうして移動体の事象は正確な位置で再現されることができる。移動体シミュレータ装置ではよりリアルに実地の運転状況が再現されることができる。移動体の事象には移動体の速度や先行車との車間距離が含まれることができる。
データ生成手段は、データの生成にあたって、特定の条件の下で基準ヨー角速度データに現れるヨー角速度の代表値に、その条件の下でヨー角速度データに現れるヨー角速度の代表値を関連付ければよい。代表値には例えば極大値が含まれる。極大値同士の関連付けによれば、ヨー角速度データで極大値を示す位置は正確に移動経路上で特定されることができる。
第2発明によれば、基準位置からの距離ごとに移動体のヨー角速度を特定するヨー角速度データを取得する手順と、基準位置からの距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを取得する手順と、移動体の移動経路に移動体のヨー角速度を関連付ける基準ヨー角速度データを取得する手順と、ヨー角速度データおよび基準ヨー角速度データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成する手順と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する手順とを備えることを特徴とする移動体シミュレータ装置の制御方法が提供される。こういった制御方法によれば、前述のような移動体シミュレータ装置は提供されることができる。
こうした移動体シミュレータ装置の制御方法では、データの生成にあたって、基準ヨー角速度データで特定されるヨー角速度の極大値に、ヨー角速度データで特定されるヨー角速度の極大値が関連付けられればよい。
こういった制御方法の実現にあたって所定の移動体シミュレータ装置用制御プログラムは提供されればよい。この移動体シミュレータ装置用制御プログラムは、基準位置からの距離ごとに移動体のヨー角速度を特定するヨー角速度データを取得する手順と、基準位置からの距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを取得する手順と、移動体の移動経路に移動体のヨー角速度を関連付ける基準ヨー角速度データを取得する手順と、ヨー角速度データおよび基準ヨー角速度データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成する手順と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する手順とを演算処理回路に実行させればよい。
第3発明によれば、基準位置から距離ごとに移動体のヨー角を特定するヨー角データを格納する第1記憶装置と、基準位置から距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを格納する第2記憶装置と、移動体の移動経路に移動体のヨー角を関連付ける基準ヨー角データを格納する第3記憶装置と、ヨー角データおよび基準ヨー角データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成するデータ生成手段と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する再現手段とを備えることを特徴とする移動体シミュレータ装置が提供される。
こういった移動体シミュレータ装置では、例えば実測されるヨー角データに基づき基準位置からの距離ごとに移動体のヨー角は特定される。同様に、例えば実測される事象データに基づき基準位置からの距離ごとに移動体の事象は特定される。その一方で、基準ヨー角速度データは、移動体の移動経路に関連付けられるヨー角速度を特定する。特定される移動体の事象はヨー角データおよび基準ヨー角データに基づき移動経路に正確に関連付けられる。こういった関連付けに応じて移動経路上で正確に位置は特定されることができる。こうして移動体の事象は正確な位置で再現されることができる。移動体シミュレータ装置ではよりリアルに実地の運転状況が再現されることができる。移動体の事象には移動体の速度や先行車との車間距離が含まれることができる。
データ生成手段は、データの生成にあたって、特定の条件の下で基準ヨー角データに現れるヨー角の代表値に、その条件の下でヨー角データに現れるヨー角の代表値を関連付ければよい。
第4発明によれば、基準位置から距離ごとに移動体のヨー角を特定するヨー角データを取得する手順と、基準位置から距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを取得する手順と、移動体の移動経路に移動体のヨー角を関連付ける基準ヨー角データを取得する手順と、ヨー角データおよび基準ヨー角データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成する手順と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する手順とを備えることを特徴とする移動体シミュレータ装置の制御方法が提供される。こういった制御方法によれば、前述のような移動体シミュレータ装置は提供されることができる。
こういった制御方法の実現にあたって所定の移動体シミュレータ装置用制御プログラムは提供されればよい。この移動体シミュレータ装置用制御プログラムは、基準位置から距離ごとに移動体のヨー角を特定するヨー角データを取得する手順と、基準位置から距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを取得する手順と、移動体の移動経路に移動体のヨー角を関連付ける基準ヨー角データを取得する手順と、ヨー角データおよび基準ヨー角データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成する手順と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する手順とを演算処理回路に実行させればよい。
以上のように本発明によれば、よりリアルに実地の運転状況を再現することができる移動体シミュレータ装置が提供される。そういった移動体シミュレータ装置の実現に大いに貢献する制御方法や制御プログラムが提供される。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
図1は本発明に係る移動体シミュレータ装置の一具体例すなわち自動車教習用4輪シミュレータ装置11の外観を概略的に示す。この4輪シミュレータ装置11は模擬車体12を備える。模擬車体12にはCPU(中央演算処理装置)やその他の電子部品が収容される。模擬車体12には例えば6軸のサーボシリンダ13、13…が連結される。個々のサーボシリンダ13は土台14から立ち上がる。土台14は例えば床面に設置されればよい。
サーボシリンダ13には電動モータ(図示されず)が組み込まれる。電動モータの働きでサーボシリンダ13は伸縮する。サーボシリンダ13の伸縮に基づき模擬車体12は床面に対して姿勢を変化させる。後述されるように、サーボシリンダ13の伸縮はCPUの演算処理に基づき実現される。
ここで、4輪シミュレータ装置11には三次元座標系が設定される。三次元座標系には例えば直交3軸座標系すなわちxyz座標系が用いられればよい。三次元座標系の原点は模擬車体12の重心に位置合わせされればよい。三次元座標系のy軸は重力の方向に合わせ込まれればよい。三次元座標系のx軸は例えば車両の車軸に平行に設定されればよい。すなわち、x軸は重力の方向に直交する水平面に沿って車両の横方向を規定する。三次元座標系のz軸は水平面に沿って車両の前後方向を規定する。こうして模擬車体12では、x軸回りで車両のピッチ角は規定されることができる。同様に、z軸回りで車両のロール角は規定されることができる。y軸回りで車両のヨー角は規定されることができる。こういったロール角、ピッチ角およびヨー角に基づき模擬車体12の姿勢は特定されることができる。
模擬車体12内には運転席が構築される。運転席には座席15が設置される。座席15の前方にはダッシュボード16が配置される。ダッシュボード16には、ステアリング17やアクセルペダル(図示されず)、ブレーキペダル(図示されず)が組み込まれる。その他、ダッシュボード16には、スピードメータやタコメータといった計器類やヘッドライトスイッチといったスイッチ類(いずれも図示されず)が組み込まれる。
ダッシュボード16の上方にはスクリーン18が配置される。スクリーン18にはいわゆるプロジェクタ19が向き合わせられる。後述されるように、プロジェクタ19からスクリーン18に画像が投影される。こうしてスクリーン18には、車両のフロントガラスから前方に広がる「視界」が再現されることができる。後述されるように、スクリーン18上の画像はCPUの働きに基づき形成される。
模擬車体12には模擬バックミラー21および1対の模擬サイドミラー22が関連付けられる。模擬バックミラー21や模擬サイドミラー22にはディスプレイ装置23、24が組み込まれる。ディスプレイ装置23、24の画面がミラーに模される。こうして模擬バックミラー21や模擬サイドミラー22には、車両のバックミラーやサイドミラーの映像が再現される。ディスプレイ装置23、24には例えば液晶ディスプレイパネルが利用されればよい。後述されるように、ディスプレイ装置23、24の画面に映し出される画像はCPUの働きに基づき形成される。
図2に示されるように、CPU31には個々のサーボシリンダ13、13…ごとにドライバ回路32、32…が接続される。CPU31では個々のサーボシリンダ13、13…ごとに伸縮量が決定される。決定された伸縮量に応じてCPU31から個々のドライバ回路32、32…に指令信号が供給される。供給される指令信号に応じてドライバ回路32、32…は対応のサーボシリンダ13、13…に駆動信号を供給する。駆動信号は電動モータの回転量を規定する。指定の回転量で電動モータが回転する結果、サーボシリンダ13、13…は指定の伸縮量で伸縮することができる。
アクセルペダル33にはペダルセンサ34が接続される。このペダルセンサ34はアクセルペダル33の踏み込み量を検出する。ペダルセンサ34にはCPU31が接続される。検出される踏み込み量はCPU31に通知される。同様に、ブレーキペダル35にはペダルセンサ36が接続される。このペダルセンサ36はブレーキペダル35の踏み込み量を検出する。ペダルセンサ36にはCPU31が接続される。検出される踏み込み量はCPU31に通知される。
ステアリング17にはステアリングセンサ37が接続される。このステアリングセンサ37はステアリング17の回転量を検出する。ステアリングセンサ37にはCPU31が接続される。検出される回転量はCPU31に通知される。
CPU31には描画回路38が接続される。描画回路38は、CPU31から供給される指令信号に基づき、スクリーン18やディスプレイ装置23、24の画面上に映し出される画像を生成する。こうして生成される画像に基づきドライバ回路39、41やプロジェクタドライバ回路42に画像信号が供給される。こういった画像信号の受信に応じて、ドライバ回路39、41やプロジェクタドライバ回路42は対応のディスプレイ装置23、24やプロジェクタ19に駆動信号を供給する。こうして供給される駆動信号に基づきディスプレイ装置23、24の画面上やスクリーン18上に画像は映し出される。
CPU31にはハードディスク駆動装置(HDD)や大容量フラッシュメモリといった記憶装置43が接続される。記憶装置43には例えばリアルタイムOS(オペレーティングシステム)44のほか、シミュレーションプログラム45や実地検証モジュール46といったソフトウェアプログラムが格納される。後述されるように、CPU31はリアルタイムOS44上でシミュレーションプログラム45や実地検証モジュール46を実行する。実行にあたって例えばCPU31はRAMメモリ47といった高速記憶装置に一時的にリアルタイムOS44やソフトウェアプログラム45、46を取り込む。シミュレーションプログラム45の実行にあたってCPU31は道路データ48や不動産データ49、自車座標系データ51を利用する。同様に、実地検証モジュール46の実行にあたってCPU31は仮想移動経路データ52や周辺地理データ53、先行車座標系データ54、基準ヨー角速度データ55を利用する。これらデータ48、49、51〜55の詳細は後述される。
CPU31にはメモリカードドライブ57が接続される。メモリカードドライブ57は可搬性のメモリカード58から情報を読み出すことができる。読み出された情報はCPU31に受け渡される。図2から明らかなように、メモリカード58から読み出されるヨー角速度データ59や速度データ61、車間距離データ62は例えば記憶装置43に取り込まれてもよい。メモリカード58には例えばフラッシュメモリが利用されればよい。
その他、模擬車体12にはスピーカ63が関連付けられてもよい。スピーカ63には例えばドライバ回路64が接続される。ドライバ回路64はCPU31に接続される。CPU31では音響データが生成される。こういった音響データは、例えばスクリーン18に映し出される画像に関連付けられればよい。ドライバ回路64は、CPU31から供給される音響データに基づきスピーカ63に駆動信号を供給する。供給される駆動信号に基づきスピーカ63からエンジン音といった音響は再現される。
ここで、個々のデータ48、49、51〜55、59、61、62を詳述する。道路データ48には、仮想三次元空間内で道路の位置を特定する道路情報が記述される。位置の特定にあたって仮想三次元空間に固有の三次元座標系は用いられる。道路は例えば両側の側縁で規定されればよい。この道路データ48には同時に道路のポリゴンデータが記述される。こういったポリゴンデータに基づき仮想三次元空間内に仮想的に道路は再現される。こうして再現される道路には周囲の建物や樹木、標識といった不動産が関連付けられる。不動産の位置情報が記述される。この位置情報では不動産の基準点ごとに座標値が特定される。
不動産データ49には個々の不動産ごとにポリゴンデータが記述される。ポリゴンデータに基づき不動産の外観が特定される。このポリゴンデータが道路データ48内の位置情報に関連付けられると、前述の仮想三次元空間内で建物や樹木、標識といった不動産は再現される。こうして仮想三次元空間内に地理は構築される。
自車座標系データ51には、模擬車体12に対応する仮想車両に固有の三次元座標系が記述される。この三次元座標系内で運転手の視点やフロントガラス、サイドウィンドウ、バックミラー、サイドミラーの位置が特定される。視点およびフロントガラスやサイドウィンドウの相対位置に応じて車両から外側に広がる視野が設定される。同様に、視点およびバックミラーの相対位置や視点およびサイドミラーの相対位置に基づきバックミラーやサイドミラーに映し出される映像の範囲は設定される。前述の仮想三次元空間内でこの三次元座標系の姿勢が相対的に変化すると、仮想三次元空間内で視野や映像の範囲は移動する。
仮想移動経路データ52には、仮想三次元空間内で教習行路の位置を特定する行路情報が記述される。位置は、前述と同様に、仮想三次元空間に固有の三次元座標系に基づき特定される。ここでは、教習行路は1本の「線」で表現される。この「線」にはヨー角データが関連付けられる。ヨー角データには仮想車両のヨー角が記述される。ヨー角は例えば仮想三次元空間に固有のx軸に基づき設定される。このx軸は重力方向に直交する水平面内に設定される。加えて、仮想移動経路データ52には教習行路のポリゴンデータが記述される。こういったポリゴンデータに基づき仮想三次元空間内に仮想的に教習行路は再現される。こうして再現される教習行路には、前述と同様に、周囲の建物や樹木、標識といった不動産が関連付けられてもよい。
周辺地理データ53には個々の不動産ごとにポリゴンデータが記述される。ポリゴンデータに基づき不動産の外観が特定される。このポリゴンデータが仮想移動経路データ52内の位置情報に関連付けられると、前述の仮想三次元空間内で建物や樹木、標識といった不動産は再現される。こうして仮想三次元空間内に地理は構築される。
先行車座標系データ54には先行車すなわち1台の車両に固有の三次元座標系が記述される。この三次元座標系内で車両の外観のポリゴンデータが設定される。前述の仮想三次元空間内でこの三次元座標系の姿勢が相対的に変化すると、仮想三次元空間内で先行車の姿勢は変化する。
基準ヨー角速度データ55には、教習行路上で仮想車両のヨー角速度が代表値すなわち極大値を示す位置が記述される。位置は、前述と同様に、仮想三次元空間に固有の三次元座標系に基づき特定される。車両の走行中、カーブ上の所定位置でヨー角速度は極大値を示す。こういったヨー角速度の値はカーブの曲率から幾何学的に導き出されてもよく走行中の車両の実測に基づき導き出されてもよい。
ヨー角速度データ59には一定の時間間隔で車両のヨー角速度が記述される。時間間隔は例えば0.1秒に設定されればよい。速度データ61には一定の時間間隔で車両の速度が記述される。時間間隔は例えば0.1秒に設定されればよい。車間距離データ62には一定の時間間隔で先行車と後続車との車間距離が記述される。時間間隔は例えば0.1秒に設定されればよい。
シミュレーションプログラム45がCPU31で実行されると、描画回路38で生成される画像データに基づきスクリーン18やディスプレイ装置23、24の画面上に画像は表示される。同時に、サーボシリンダ13、13…の伸縮に基づき模擬車体12の姿勢は変化する。こうして視覚および加速度の体感に基づき座席15上の教習生は4輪シミュレータ装置11上で運転感覚を体験することができる。
画像データの生成にあたってCPU31では道路データ48に基づき仮想三次元空間が構築される。この仮想三次元空間内で仮想車両の位置が特定される。位置の特定は所定の時間間隔で実施される。こういった位置に基づき自車座標系データ51内の三次元座標系は仮想三次元空間内に座標変換される。その結果、仮想三次元空間内に運転手の視点や視野は設定される。こういった視点や視野に基づき仮想三次元空間内で道路データ48中のポリゴンデータや不動産データ49中のポリゴンデータは特定される。特定されたポリゴンデータは規定の投影面上に座標変換される。こうして描画回路38ではポリゴンデータに基づきスクリーン18に映し出される画像が形成される。同様に、ディスプレイ装置23、24で映し出される画像は形成される。画像は所定の時間間隔で変化する。
仮想車両の位置の特定にあたってCPU31では所定の時間間隔ごとに仮想車両の移動距離が算出される。移動距離の算出にあたってCPU31は仮想車両の車速を算出する。算出にあたってCPU31は一定の時間間隔でアクセルペダル33の踏み込み量およびブレーキペダル35の踏み込み量を参照する。
4輪シミュレータ装置11上で運転手がアクセルペダル33を踏むと、踏み込み量が検出される。こういった検出は例えば一定の時間間隔(例えば0.1秒間隔)で実施されればよい。検出された踏み込み量はCPU31に通知される。CPU31は、予め決められた関係式に基づき踏み込み量から仮想車両の加速度を導き出す。加速度は仮想車両の前進方向で特定される。同時に、CPU31はその位置の仮想車両で重力に基づく減速度を算出する。こうして得られる加速度および減速度に基づき仮想車両の前進加速度が算出される。
続いてCPU31は前進加速度から仮想車両の車速を算出する。例えば前述の時間間隔で前進加速度の積分値が算出される。この車速に基づき移動距離は導き出される。例えば前述の時間間隔で車速の積分値が算出されればよい。こうして所定の時間間隔ごとに移動距離は特定される。こういった移動距離に基づき道路上で仮想車両の位置は特定される。こうして時間の経過に伴って仮想三次元空間内で仮想車両は走行する。
4輪シミュレータ装置11上で運転手がブレーキペダル35を踏むと、踏み込み量が検出される。こういった検出は例えば一定の時間間隔(例えば0.1秒間隔)で実施されればよい。検出された踏み込み量はCPU31に通知される。CPU31は、予め決められた関係式に基づき踏み込み量から仮想車両の減速度を導き出す。減速度は仮想車両の前進方向で特定される。同時に、CPU31はその位置の仮想車両で重力に基づく減速度を算出する。こうして得られる減速度に基づき仮想車両の前進減速度が算出される。
続いてCPU31は前進減速度から仮想車両の車速を算出する。前述と同様に、前進減速度の積分値が算出される。この積分値は車速の減速分に相当する。以前の車速から積分値が差し引かれると、その位置の車速が得られる。車速に基づき移動距離は導き出される。こうして時間の経過に伴って仮想三次元空間内で仮想車両の減速は再現される。
自車座標系データ51の座標変換にあたってCPU31では所定の時間間隔で自車座標系データ51に固有の三次元座標系の姿勢が特定される。こういった特定にあたってCPU31は仮想車両のピッチ角およびロール角を算出する。ピッチ角の算出にあたってCPU31は前述の加減速度を利用する。ロール角の算出にあたってCPU31は仮想車両のヨー角を特定する。ヨー角の特定にあたってCPU31は一定の時間間隔でステアリング17の回転量を参照する。
4輪シミュレータ装置11上で運転手がステアリング17を回すと、回転量が検出される。こういった検出は、前述と同様に、例えば一定の時間間隔(例えば0.1秒間隔)で実施されればよい。検出された回転量はCPU31に通知される。CPU31は、予め決められた関係式に基づき回転量から仮想車両のヨー角を導き出す。こうして一定の時間間隔ごとにヨー角の変化量は特定される。CPU31は、ヨー角の変化量と前述の車速とに基づき所定の関係式に従って仮想車両の横方向加速度を導き出す。この横方向加速度は旋回時の慣性力に相当する。こうして算出される横方向加速度に基づきCPU31は仮想車両のロール角を算出する。算出にあたって任意の関係式が用いられればよい。
サーボシリンダ13、13…の制御にあたってCPU31は前述のピッチ角およびロール角を利用する。例えば、ピッチ角の確立にあたって個々のサーボシリンダ13、13…に要求される伸縮量と、ロール角の確立にあたって個々のサーボシリンダ13、13…に要求される伸縮量とが個別に算出される。2つの伸縮量は重ね合わせられる。こうして模擬車体12では仮想車両の挙動が再現される。設定されるピッチ角に基づき模擬車体12はx軸回りで回転する。こうして教習生は加速感や減速感を体験することができる。同時に、教習生は旋回時の横方向加速感を体験することができる。こういった模擬車体12の挙動がスクリーン18の視覚効果と相俟って4輪シミュレータ装置11では臨場感に溢れる模擬走行が実現されることができる。
いま、4輪シミュレータ装置11で実際の教習行路上の走行が再現される場面を想定する。走行の再現にあたってCPU31は、ヨー角速度データ59、速度データ61および車間距離データ62を取得する。ここでは、4輪シミュレータ装置11のメモリカードドライブ57にメモリカード58が差し込まれる。メモリカード58には予め教習用車両からヨー角速度データ59、速度データ61および車間距離データ62が取り込まれる。実地検証モジュール46の実行にあたってCPU31はRAMメモリ47上にヨー角速度データ59、速度データ61および車間距離データ62を保持すればよい。ヨー角速度データ59や速度データ61、車間距離データ62は実地検証モジュール46の実行に先立って予めメモリカード58から記憶装置43に取り込まれてもよい。
図3に示されるように、教習用車両65上にはCAN(コントローラエリアネットワーク)66が構築される。CAN66には例えばヨー角速度センサ67、速度計68およびミリ波レーダ69が接続される。コントローラ71は任意の時間間隔(例えば0.1秒間隔)でヨー角速度センサ67からヨー角速度を取得する。同様に、コントローラ71は任意の時間間隔(例えば0.1秒間隔)で速度計68から車速[km/h]を取得する。同様に、コントローラ71は任意の時間間隔(例えば0.1秒間隔)でミリ波レーダ69から車間距離[m]を取得する。車間距離の取得にあたってミリ波レーダ69は前方に向かってミリ波を発信する。このミリ波レーダ69は先行車から反射するミリ波に基づき車間距離を計測する。ミリ波レーダ69は、16°の放射角で前方100[m]の放射範囲72内に存在する先行車に対して車間距離を計測することができる。取得されたヨー角速度や車速、車間距離は任意の記憶装置(図示されず)に格納されればよい。
教習用車両65上にはPCカード拡張パック73が搭載される。PCカード拡張パック73はCAN66に接続される。PCカード拡張パック73はCANインターフェースカード74を受け入れる。CANインターフェースカード74には例えば一般のPDA(携帯情報端末)75やモバイルPC(パーソナルコンピュータ)が接続されることができる。こういったPDA75やモバイルPCの働きでメモリカード58にはヨー角速度データ59、速度データ61および車間距離データ62が取り込まれることができる。
前述のように、仮想移動経路データ52では教習行路は直線および曲線で表現される。ここでは、図4から明らかなように、教習行路81は長さ1000[m]の第1直線域82aと、長さ700[m]の第2および第3直線域82b、82cと、長さ400[m]の第4直線域82dとを備える。第1直線域82aと第2直線域82bとの間や第2直線域82bと第3直線域82cとの間、第4直線域82dと第1直線域82aとの間はそれぞれ曲率半径50[m]のカーブ83a〜83cで接続される。第3直線域82cと第4直線域82dとの間は曲率半径350[m]のカーブ83dで接続される。直線域82a〜82d同士の内角は90°に設定される。第1直線域82a上に走行開始位置84が設定される。個々のカーブ83a〜83dの開始位置や終了位置は走行開始位置84からの走行距離に基づき特定される。
こうして教習行路81が決定されると、教習行路81に固有の基準ヨー角速度データ55が構築される。図4に示されるように、基準ヨー角速度データ55では教習行路81上でヨー角速度の極大値の位置が特定される。ここでは、ヨー角速度はカーブ83a上の基準地点M1で極大値を示す。同様に、ヨー角速度はカーブ83b上の基準地点M2で極大値を示す。ヨー角速度はカーブ83d上の基準地点M3で極大値を示す。ヨー角速度はカーブ83c上の基準地点M4で極大値を示す。基準地点M1〜M4の位置は、前述と同様に、仮想三次元空間に固有の三次元座標系に基づき特定される。
同様に、こういった教習行路81に基づき仮想移動経路データ52ではヨー角データが構築される。例えば、ヨー角データでは、個々のカーブ83a〜83dに対して開始位置および終了位置の間で所定の走行距離ごとにヨー角が記述される。ヨー角の計測にあたって、例えば走行開始位置84に設定される自車座標系データ51の三次元座標系が基準に設定される。
例えば図5に示されるように、一般に、教習生は実地の教習行路上で教習用車両を蛇行させる。教習用車両は教習行路81から外れた走行経路86を辿る。こうして蛇行する教習用車両に基づきヨー角速度は測定される。したがって、図6に示されるように、たとえ直線域であってもヨー角速度は微妙に変化する。測定されるヨー角速度では教習行路上の基準地点M1〜M4で極大値が現れる。こういった測定結果によれば、極大値の順番に応じて特定の基準地点M1〜M4は特定されることができる。ただし、走行経路86上で極大値同士の間で特定される走行距離は教習行路81上で基準地点M1〜M4同士の間隔よりも増大する。
実地検証モジュール46が実行されると、規定の時間間隔でヨー角速度データ59、速度データ61および車間距離データ62がCPU31に取り込まれる。速度データ61および車間距離データ62に基づき前述のシミュレーションプログラム45に従って画像データが生成されると同時にサーボシリンダ13、13…の伸縮は制御される。こうして視覚および加速度の体感に基づき座席15上の教習生は4輪シミュレータ装置11上で客観的に自己の運転を体感することができる。前述のように仮想三次元空間内で正確に運転手の視点や視線が再現されることから、スクリーン18上には違和感なく画像が映し出されることができる。
画像データの生成にあたって、CPU31では仮想移動経路データ52に基づき仮想三次元空間内に教習行路81が構築される。例えば図7に示されるように、CPU31はステップS1で初期化を実施する。N=1が設定される。続いて、ステップS2で、ヨー角速度データ59、速度データ61および車間距離データ62がCPU31に取り込まれる。同時に、後続のヨー角速度データ59、速度データ61および車間距離データ62がCPU31に取り込まれる。
続いて、CPU31は、ステップS3で、ヨー角速度データ59で特定される実測値のヨー角速度と閾値とを比較する。閾値は例えば走行中の車両の実測に基づき導き出されればよい。閾値は、例えば第1〜第4直線域82a〜82dで教習用車両65の蛇行に基づき実測されるヨー角速度よりも大きく設定されればよい。こうして各カーブ83a〜83dで実測されるヨー角速度と、各直線域82a〜82dで蛇行に基づき実測されるヨー角速度とは区別されることができる。
実測値のヨー角速度が閾値よりも小さいことが確認されると、CPU31は、ステップS4で、教習行路81上で仮想車両の位置を特定する。位置の特定にあたって仮想車両の走行距離が算出される。仮想三次元空間内では教習行路81は「線」で表現されることから、走行距離だけで教習行路81上で仮想車両の位置は特定されることができる。CPU31は、走行距離の算出にあたって速度データ61から実測値の車速を取り込む。所定の時間間隔にわたって車速の積分値が算出される。こうして所定の時間間隔内の走行距離は導き出される。
CPU31は、ステップS5で、特定される位置に基づき仮想三次元空間内で教習生の視点や視野を設定する。続いて、CPU31は、ステップS6で、車間距離データ62に基づき先行車の位置を特定する。前述のように仮想三次元空間内では教習行路81は「線」で表現されることから、前述の走行距離に実測の車間距離が足し合わせられると、教習行路81上で先行車の位置は特定されることができる。こうして先行車の位置が決定されると、CPU31はステップS7で仮想移動経路データ52中のヨー角データに基づき先行車のヨー角すなわち向きを特定する。
CPU31は、ステップS8で、設定した視点や視野に基づき仮想移動経路データ52中のポリゴンデータや周辺地理データ53中のポリゴンデータを特定する。同時に、CPU31は、設定した先行車の位置や向きに基づき先行車座標系データ54中のポリゴンデータを特定する。特定されたポリゴンデータは規定の投影面上に座標変換される。こうしてポリゴンデータに基づきスクリーン18に映し出される画像は形成される。アクセルペダル33、ブレーキペダル35およびステアリング17が操作されなくても、時々刻々とスクリーン18上には画像が映し出される。同時に、時々刻々と模擬車体12の姿勢は変化する。こうしてスクリーン18に映し出される画像内では、例えば図8に示されるように、先行車の後ろ姿85は再現されることができる。教習生は客観的に自己の車間距離を体感することができる。その後、CPU31の処理はステップS2に戻る。CPU31はステップS2でさらに後続のヨー角速度データ59、速度データ61および車間距離データ62を取り込む。続いてCPU31の処理はステップS3に復帰する。
その一方で、ステップS3で、実測値のヨー角速度が閾値以上に到達したことが確認されると、CPU31の処理はステップS9に進む。CPU31は、ステップS9で、実測値のヨー角速度が極大値に到達したか否かを判定する。判定にあたって、CPU31は、実測値のヨー角速度と後続の実測値のヨー角速度とを比較する。後続のヨー角速度が先行のヨー角速度を上回る場合には、ヨー角速度は極大値に到達していないと判断される。このとき、CPU31の処理はステップS4に復帰する。
その一方で、ステップS9で、後続のヨー角速度が先行のヨー角速度を下回ると、先行のヨー角速度が極大値に到達したと判断される。CPU31は、ステップS10で、教習行路81上で仮想車両の位置を特定する。位置の特定にあたってCPU31は基準ヨー角速度データ55中の座標値を参照する。CPU31はNの値に応じてN番目の基準地点を選択する。N=1であれば、1番目の基準地点M1の座標値がCPU31に取り込まれる。その後、ステップS11でN=N+1が設定される。続いてCPU31の処理はステップS5に復帰する。こうしてヨー角速度データ59に極大値が現れるたびに、順番に基準地点M1〜M4は選択される。
以上のような4輪シミュレータ装置11では、ヨー角速度データ59で特定されるヨー角速度の極大値の位置と、基準ヨー角速度データ55で特定されるヨー角速度の極大値の位置とが関連付けられる。こうして走行経路86上の教習用車両65の位置は教習行路81上で特定されることができる。CPU31は仮想移動経路データ52中のポリゴンデータや周辺地理データ53中のポリゴンデータ、先行車座標系データ54中のポリゴンデータを正確に特定することができる。教習用車両65で実測された車速や車間距離は教習行路81上の正確な位置で再現されることができる。よりリアルに実地の運転状況が再現されることができる。
なお、基準ヨー角速度データ55には、教習行路81上で仮想車両のヨー角速度がゼロを示す位置が記述されてもよい。位置は、前述と同様に、仮想三次元空間に固有の三次元座標系に基づき特定される。車両の走行中、カーブの開始位置や終了位置でヨー角速度はゼロを示す。こうして、ヨー角速度データ59で特定されるヨー角速度がゼロの位置と、基準ヨー角速度55で特定されるヨー角速度がゼロの位置との関連付けに基づき、走行経路86上の教習用車両65の位置は教習行路81上で特定されることができる。
その他、教習行路81上で仮想車両の位置の特定にあたって、ヨー角が用いられてもよい。例えば図9に示されるように、記憶装置43にはヨー角速度データ59に代えてヨー角データ91が格納される。ヨー角データ91には一定の時間間隔で教習用車両65のヨー角が記述される。ヨー角の算出にあたってヨー角速度データ59で特定されるヨー角速度が用いられる。例えば前述の時間間隔でヨー角速度の積分値が算出されればよい。ヨー角の特定にあたって、例えば走行開始位置84に設定される自車座標系データ51の三次元座標系が基準に設定される。
同様に、記録装置43には基準ヨー角速度データ55に代えて基準ヨー角データ92が格納される。基準ヨー角データ92には、教習行路81上で最初に代表値すなわち90度、180度、270度、360度のヨー角を示す位置が記述される。ヨー角は、例えば走行開始位置84に設定される自車座標系データ51の三次元座標系を基準に特定される。図10に示されるように、ヨー角はカーブ83aの終了位置すなわち基準地点E1で最初に90度を示す。同様に、ヨー角はカーブ83bの終了位置すなわち基準地点E2で最初に180度を示す。ヨー角はカーブ83dの終了位置すなわち基準地点E3で最初に270度を示す。カーブ83cの終了位置すなわち基準地点E4で最初に360度を示す。その他、前述の実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
前述されるように、教習生は実地の教習行路上で教習用車両を蛇行させる。教習用車両は教習行路81から外れた走行経路86を辿る。こうして蛇行する教習用車両に基づきヨー角速度は測定される。したがって、図11に示されるように、たとえ直線域であってもヨー角は微妙に変化する。算出されるヨー角では教習行路上の基準地点E1〜E4で順番に最初に90度、180度、270度、360度が現れる。こういった算出結果によれば、ヨー角の値に応じて基準地点E1〜E4は特定されることができる。ただし、走行経路86上で基準地点E1〜E4同士の間で特定される走行距離は教習行路81上の基準地点E1〜E4同士の間隔よりも増大する。
こうした4輪シミュレータ装置11では、画像データの生成にあたって、前述と同様に、CPU31では仮想移動経路データ52に基づき仮想三次元空間内に教習行路81が構築される。例えば図12に示されるように、CPU31はステップT1でヨー角データ91、速度データ61および車間距離データ62を取り込む。続いて、CPU31は、ステップT2で、ヨー角データ91で特定されるヨー角が代表値すなわち90度、180度、270度、360度のいずれかに到達したかを判定する。
ヨー角が代表値に到達していないことが確認されると、CPU31は、ステップT3で、教習行路81上で仮想車両の位置を特定する。位置の特定にあたって仮想車両の走行距離が算出される。CPU31は、走行距離の算出にあたって速度データ61から実測値の車速を取り込む。所定の時間にわたって車速の積分値が算出される。こうして所定の時間間隔内の走行距離は導き出される。ステップT4では、特定される位置に基づき仮想三次元空間内で教習生の視点や視野が設定される。CPU31は、ステップT5で、車間距離データ62に基づき先行車の位置を特定する。こうして先行車の位置が決定されると、CPU31はステップT6で仮想移動経路データ52中のヨー角データに基づき先行車のヨー角すなわち向きを特定する。
CPU31は、ステップT7で、設定した視点や視野に基づき仮想移動経路データ52中のポリゴンデータや周辺地理データ53中のポリゴンデータを特定する。同時に、CPU31は先行車座標系データ54に基づき仮想三次元空間内で先行車のポリゴンデータを特定する。特定されたポリゴンデータは規定の投影面上に座標変換される。こうしてポリゴンデータに基づきスクリーン18に映し出される画像は形成される。教習生は客観的に自己の走行を体感することができる。その後、CPU31の処理はステップT2に復帰する。
その一方で、ステップT2で、ヨー角が代表値に到達したことが確認されると、CPU31の処理はステップT8に進む。CPU31は、ステップT8で、教習行路81上で仮想車両の位置を特定する。位置の特定にあたってCPU31は基準ヨー角データ92中の座標値を参照する。CPU31は代表値に応じて基準地点を特定する。例えばヨー角が90度であれば、基準地点E1の座標値がCPU31に取り込まれる。その後、CPU31の処理はステップT4に復帰する。
以上のように、ヨー角データ91で特定されるヨー角に基づき走行経路86上の教習用車両65の位置は教習行路81上で特定される。CPU31は仮想移動経路データ52中のポリゴンデータや周辺地理データ53中のポリゴンデータ、先行車座標系データ54中のポリゴンデータを正確に特定することができる。教習用車両65で実測された車速や車間距離は教習行路81上の正確な位置で再現されることができる。よりリアルに実地の運転状況が再現されることができる。
本発明に係る移動体シミュレータ装置の一具体例すなわち自動車教習用4輪シミュレータ装置の外観を概略的に示す斜視図である。 4輪シミュレータ装置の制御系を概略的に示すブロック図である。 教習用車両の概念を概略的に示すブロック図である。 仮想移動経路データの構造を概略的に示す概念図である。 実際の走行経路を示す概念図である。 ヨー角速度データの具体例を示す図である。 画像の生成工程を概略的に示すフローチャートである。 先行車の後ろ姿を含む画像を概略的に示す概念図である。 一変形例に係る4輪シミュレータ装置の制御系を概略的に示すブロック図である。 教習行路上の位置を示す概念図である。 ヨー角データの具体例を示す図である。 画像の生成工程を概略的に示すフローチャートである。
符号の説明
11 移動体シミュレータ装置としての4輪シミュレータ装置、19 再現手段としてのプロジェクタ、31 データ生成手段としてのCPU(中央演算処理装置)、43 第1〜第3記憶装置、45 移動体シミュレータ装置用制御プログラムとしてのシミュレーションプログラム、46 移動体シミュレータ装置用制御プログラムとしての実地検証モジュール、56 基準ヨー角速度データ、58 第1および第2記憶装置としてのメモリカード、59 ヨー角速度データ、61 事象データとしての速度データ、62 事象データとしての車間距離データ、81 移動経路としての教習行路、84 走行開始位置としての基準位置、91 ヨー角データ、92 基準ヨー角データ。

Claims (8)

  1. 基準位置からの距離ごとに移動体のヨー角速度を特定するヨー角速度データを格納する第1記憶装置と、基準位置からの距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを格納する第2記憶装置と、移動体の移動経路に移動体のヨー角速度を関連付ける基準ヨー角速度データを格納する第3記憶装置と、ヨー角速度データおよび基準ヨー角速度データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成するデータ生成手段と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する再現手段とを備えることを特徴とする移動体シミュレータ装置。
  2. 請求項1に記載の移動体シミュレータ装置において、前記データ生成手段は、前記データの生成にあたって、前記基準ヨー角速度データで特定されるヨー角速度の極大値に、前記ヨー角速度データで特定されるヨー角速度の極大値を関連付けることを特徴とする移動体シミュレータ装置。
  3. 基準位置から距離ごとに移動体のヨー角を特定するヨー角データを格納する第1記憶装置と、基準位置から距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを格納する第2記憶装置と、移動体の移動経路に移動体のヨー角を関連付ける基準ヨー角データを格納する第3記憶装置と、ヨー角データおよび基準ヨー角データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成するデータ生成手段と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する再現手段とを備えることを特徴とする移動体シミュレータ装置。
  4. 基準位置からの距離ごとに移動体のヨー角速度を特定するヨー角速度データを取得する手順と、基準位置からの距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを取得する手順と、移動体の移動経路に移動体のヨー角速度を関連付ける基準ヨー角速度データを取得する手順と、ヨー角速度データおよび基準ヨー角速度データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成する手順と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する手順とを備えることを特徴とする移動体シミュレータ装置の制御方法。
  5. 請求項4に記載の移動体シミュレータ装置の制御方法において、前記データの生成にあたって、前記基準ヨー角速度データで特定されるヨー角速度の極大値に、前記ヨー角速度データで特定されるヨー角速度の極大値を関連付けられることを特徴とする移動体シミュレータ装置の制御方法。
  6. 基準位置から距離ごとに移動体のヨー角を特定するヨー角データを取得する手順と、基準位置から距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを取得する手順と、移動体の移動経路に移動体のヨー角を関連付ける基準ヨー角データを取得する手順と、ヨー角データおよび基準ヨー角データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成する手順と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する手順とを備えることを特徴とする移動体シミュレータ装置の制御方法。
  7. 基準位置からの距離ごとに移動体のヨー角速度を特定するヨー角速度データを取得する手順と、基準位置からの距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを取得する手順と、移動体の移動経路に移動体のヨー角速度を関連付ける基準ヨー角速度データを取得する手順と、ヨー角速度データおよび基準ヨー角速度データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成する手順と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する手順とを演算処理回路に実行させることを特徴とする移動体シミュレータ装置用制御プログラム。
  8. 基準位置から距離ごとに移動体のヨー角を特定するヨー角データを取得する手順と、基準位置から距離ごとに移動体の事象を特定する事象データを取得する手順と、移動体の移動経路に移動体のヨー角を関連付ける基準ヨー角データを取得する手順と、ヨー角データおよび基準ヨー角データに基づき移動経路に移動体の事象を関連付けるデータを生成する手順と、生成されるデータに基づき移動体の事象を再現する手順とを演算処理回路に実行させることを特徴とする移動体シミュレータ装置用制御プログラム。
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