JP2007091021A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ステアリングホイールを収納させて運転席の居住性をより向上すること。
【解決手段】 可動ブラケット40にチルト用長孔44を形成した。この長孔45は、使用時チルト調整範囲に加え、それよりも車両下方向にさらに傾動する収納時チルト調整範囲が設定される。また、長孔44の下端から車両水平方向に向かって伸びる収納時テレスコ用長孔45を形成した。長孔44の下端までチルト作動させた後にステアリングホイールを収縮させると、ステアリングコラムカバーがインストルメントパネルの下方に潜り込み、両者の干渉を防止することができる。このためステアリングホイールをより奥まで収納でき、ステアリングホイール収納時の運転席の居住性をより向上させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 可動ブラケット40にチルト用長孔44を形成した。この長孔45は、使用時チルト調整範囲に加え、それよりも車両下方向にさらに傾動する収納時チルト調整範囲が設定される。また、長孔44の下端から車両水平方向に向かって伸びる収納時テレスコ用長孔45を形成した。長孔44の下端までチルト作動させた後にステアリングホイールを収縮させると、ステアリングコラムカバーがインストルメントパネルの下方に潜り込み、両者の干渉を防止することができる。このためステアリングホイールをより奥まで収納でき、ステアリングホイール収納時の運転席の居住性をより向上させることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両用ステアリング装置に係り、特に、車両上下方向へ傾動可能且つステアリング軸方向に収縮可能とされて、収納性を向上させたステアリング装置に関する。
ステアリング装置において、ステアリングホイールをステアリング軸方向に進退可能とするテレスコピック機能を有するステアリング装置は、従来から知られている。例えば、特許文献1には、ステアリングホイールを運転位置から車両前方へ移動させて収納位置に収納するとともに、この収納位置においてステアリングホイールの開口にダッシュボードから突出した突部が入り込み、ステアリングの操舵をロックしたものが記載されている。
特開2002−193111号公報
上記した特許文献1に記載のステアリング装置においては、ステアリングホイールを車両前方に移動させていくと、ステアリングコラムを覆うコラムカバーと車体内装部品であるインストルメントパネルとが干渉するため、この干渉によって、ステアリングホイールのそれ以上の車両前方への移動が制限される。従って、さらにステアリングホイールを車両前方へ移動させて運転席の居住性をより向上させようとしても、上記干渉のためにおのずと限界があった。
本発明は、ステアリングホイールの収納時にステアリング装置とインストルメントパネルとの干渉を防ぎつつ、ステアリングホイールを車両前方に充分移動でき、運転席の居住性をより向上することのできるステアリング装置を提供することを、技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するためになされた請求項1の発明は、ステアリングホイールに連結されるとともに軸方向に収縮及び伸張可能なステアリングシャフトと、このステアリングシャフトを車両上下方向に傾動させるチルト機構を備えたステアリング装置において、チルト機構によるステアリングシャフトの車両上下方向の傾動範囲を、使用時のステアリングホイール位置を調整する範囲である使用時チルト調整範囲に設定可能であるとともに、使用時チルト調整範囲よりも車両下方向へさらに傾動する位置にステアリングホイール位置を調整する範囲である収納時チルト調整範囲に設定可能とするチルト調整範囲設定手段と、ステアリングシャフトが収納時チルト調整範囲に傾動されているときにステアリングシャフトを軸方向に収縮させる範囲を設定する収納時テレスコ調整範囲設定手段を備えることを特徴とするステアリング装置とすることである。
請求項1の発明によれば、チルト機構によりステアリングシャフトが車両上下方向に傾動する範囲として、使用時にステアリングホイール位置を調整する範囲(使用時チルト調整範囲)に加え、この使用時チルト調整範囲よりも車両下方向にさらに傾動する位置にステアリングホイール位置を調整する範囲(収納時チルト調整範囲)が設定可能とされている。さらに、収納時チルト調整範囲にステアリングホイールが位置しているときに、ステアリングシャフトが軸方向に収縮されるようにされている。したがって、ドライバーが手動操作又は自動操作によりステアリングホイールを収納時チルト調整範囲までチルト作動させた後に、ステアリング軸方向にステアリングホイールを移動させることができる。このとき、ステアリングホイールは使用時のチルト調整範囲よりもさらに車両下方側の範囲に位置しているため、ステアリングコラムカバーがインストルメントパネルの下方に潜り込み、両者の干渉を防止することができる。このため、ステアリングホイールをより車両前方に移動させることができ、ステアリングホイール収納時の運転席の居住性をより向上させることができる。
また、請求項2の発明は、ステアリングシャフトの車両上下方向の傾動範囲を使用時チルト調整範囲に制限する制限手段と、この制限手段による制限を解除する制限解除手段をさらに具備するステアリング装置であることを特徴としている。
請求項2の発明によれば、チルト機構によるステアリングシャフトの車両上下方向への傾動範囲を、使用時チルト調整範囲に制限する制限手段と、この制限手段による制限を解除する制限解除手段を備えているので、車両の運転時にはこの制限手段によって上記傾動範囲を使用時チルト調整範囲に制限することにより、運転中にステアリングホイールが収納時チルト調整範囲に傾動することを防止できる。また、車両停止時などに、制限解除手段により制限手段による制限を解除することにより、ステアリングホイールを収納時チルト調整範囲にまで傾動することができ、ステアリングホイールを収納することができる。
また、請求項3の発明は、ステアリング装置はさらにステアリングシャフトを覆うステアリングコラムと、このステアリングコラムに取り付けられた可動ブラケットとを有し、チルト調整範囲設定手段は、可動ブラケットに形成されたチルト用長孔を備え、収納時テレスコ調整範囲設定手段は、チルト用長孔の下端から車両前方に向かって形成されたテレスコ用長孔を備えることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、ステアリングシャフトを覆うステアリングコラムに取り付けられた可動ブラケットに、チルト用長孔と収納時テレスコ用長孔が設けられる。チルト用長孔は、ステアリングシャフトの傾動範囲を設定するものであり、収納時テレスコ用長孔は、ステアリングホイールを収納する際におけるステアリングシャフトの収縮範囲を設定するものである。このように、一つのブラケットにチルト調整範囲設定手段と収納時テレスコ調整範囲設定手段を設けることにより、本発明を簡単な構成で且つ確実に実現することができる。
(第一実施形態)
本発明に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態のステアリング装置の側面図である。図において、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト10と、ステアリングコラム20と、チルト機構30と、可動ブラケット40とを備える。
本発明に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態のステアリング装置の側面図である。図において、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト10と、ステアリングコラム20と、チルト機構30と、可動ブラケット40とを備える。
ステアリングシャフト10は、図示省略のステアリングホイールに連結され、ステアリングホイールの操舵量をステアリングギア(図示省略)に伝達するためのものである。また、本実施形態のステアリングシャフト10は、同軸的に配された第一シャフト11および第二シャフト12に分割されている。第一シャフト11は、ステアリングホイール側に連結され、第二シャフト12はステアリングギア側に連結される。そして、第一シャフト11と第二シャフト12とが、軸方向に相対的に移動可能とされており、このような相対的移動により、ステアリングシャフト10全体が軸方向に収縮及び伸張可能とされている。上記相対的移動を実現する一般的な態様としては、両者をスプライン嵌合させ、第一シャフト11からの回転力を第二シャフト12に伝達可能としつつ、軸方向の移動を自在とするものが挙げられるが、その他の構成でも良い。
図に示すように、ステアリングシャフト10の外側には、ステアリングコラム20がステアリングシャフト10を覆うように配設されている。本実施形態において、ステアリングコラム20は、アッパコラムチューブ21とロアコラムチューブ22とを備えて構成される。アッパコラムチューブ21は、ベアリングを介して第一シャフト11の外周に取り付けられている。従って、第一シャフト11はベアリングによってアッパコラムチューブ21に対して回転自在に支持される。また、第一シャフト11が軸方向に移動すると、それに伴ってアッパコラムチューブ21も軸方向に移動する。ロアコラムチューブ22は、ベアリングを介して第二シャフト12の外周に取り付けられている。従って、第二シャフト12はベアリングによってロアコラムチューブ22に対して回転自在とされる。また、アッパコラムチューブ21の車両前方側開口端の内径は、ロアコラムチューブ22の車両後方側開口端の外径よりも若干大きくされており、且つ、両チューブ21,22は同軸的に配置されている。従って、第一シャフト11が第二シャフト12に対して移動した場合、この移動に伴ってアッパコラムチューブ21がロアコラムチューブ22の外周に沿って移動するように構成されている。
ロアコラムチューブ22の車両前方端側には、チルトブラケット31が取り付けられている。このチルトブラケット31には、取り付け孔31aが形成されている。この取り付け孔31aには、カラー32が挿通されている。カラー32は、図示しないボルト及びナットによって、車体の一部に固定されている。そして、カラー32を中心として、ロアコラムチューブ22が車両の上下方向に傾動可能とされる。このロアコラムチューブ22の傾動に伴って、ステアリングシャフト10が傾動する。従って、本実施形態において、チルトブラケット31、カラー32が、チルト機構30としての機能を果たす。
可動ブラケット40は、アッパコラムチューブ21の下面部分を除いた外周を覆うように断面略逆U字状に配設されている。また、可動ブラケット40は、ブレークアウェイ部41と、チルトガイド部42を持つ。
ブレークアウェイ部41は、アッパコラムチューブ21の車両上方を覆う部分に形成される。このブレークアウェイ部41にはエネルギー吸収プレート43が取り付けられている。エネルギー吸収プレート43は、鋼板などでできた薄板形状を呈するものであり、図に示すように、その一端がブレークアウェイ部41の下面に固定され、ブレークアウェイ部41の車両前方端を跨いで折り返し、ブレークアウェイ部41の上面に沿って配設されている。そして、エネルギー吸収プレート43の他端はブレークアウェイ部41の上面から鉛直に伸びて、車体のインストルメントパネルリンフォース(図示省略)に固定されている。
チルトガイド部42は、アッパコラムチューブ21の両側方を覆う部分に形成されている。図からわかるようにチルトガイド部42には、チルト用長孔44及び収納時テレスコ用長孔45が形成されている。チルト用長孔44は、図1の紙面から見て左下がり状に斜めに形成されている。一方、収納時テレスコ用長孔45は、チルト用長孔44の下端から車両前方に向かって略水平に形成されている。
可動ブラケット40は、ブレークアウェイ手段(図示省略)によって車体側のブラケット(図示省略)に連結されている。ブレークアウェイ手段は、可動ブラケット40を車体側ブラケット(図示省略)に固定するために設けられるもので、例えば樹脂カプセルのようなもので形成される。このようなブレークアウェイ手段は、所定の加重が加わると破砕するように形成されている。従って、車両に所定の衝撃加重などが加わると、ブレークアウェイ手段が破砕し、可動ブラケット40と車体側ブラケットとの結合が解け、可動ブラケットがステアリングコラム軸方向に移動可能となる。
また、アッパコラムチューブ21とチルトガイド部42との間には、テレスコ用ブラケット46が配設されている。このテレスコ用ブラケット46は、アッパコラムチューブ21に固定されている。さらにこのテレスコ用ブラケット46には、図に示すようにアッパコラムチューブ21の軸方向に沿って、使用時テレスコ用長孔47が形成されている。
図に示すように、チルトガイド部42のチルト用長孔44には、ボルト48が挿通されている。このボルト48は、さらにテレスコ用ブラケット46の使用時テレスコ用長孔47にも挿通されているとともに、図から見て反対側の端部にはナット(図示省略)が取り付けられている。また、ボルト48には、レバー49が装着されている。このレバー49は、ボルト48に対して回動可能且つ軸方向移動可能となるようにボルト48に取り付けられている。さらに、ボルト48には、カムプレート(図示省略)が取り付けられている。このカムプレートは、レバー49とチルトガイド部42との間に介挿されており、レバー49の回転をボルト48の軸方向移動に変換するようにカムプロフィールが形成されている。したがって、レバー49の操作によりボルト48が軸方向に移動し、ボルト48とナットとの締め付け具合が調節される。レバー49の操作によりボルト48とナットとの締め付け具合が緊締状態とされると、ボルト48が挿通するチルトガイド部42(可動ブラケット40)とテレスコ用ブラケット46が強固に結合される。一方、レバー49の操作によりボルト48とナットとの締め付け具合が弛緩状態とされると、チルトガイド部42とテレスコ用ブラケット46との結合力が緩和される。
上記構成において、図1に示す状態は、レバー49によりボルト48とナットとの連結状態が緊締状態とされている状態である。従って、チルトガイド部42とテレスコ用ブラケット46とが強固に結合され、この結合によって、可動ブラケット40がステアリングコラム20と強固に結合される。従って、緊締状態であるときは、通常の操舵力により可動ブラケット40とステアリングコラム20とが相対的に変位することはない。また、可動ブラケット40は、ブレークアウェイ手段により車体側のブラケットに固定され、移動不能とされているので、可動ブラケット40に強固に結合されたステアリングコラム20も移動不能とされる。このため、ステアリングシャフト10のテレスコピック(収縮・進退)作動及びチルト(傾動)作動が規制される。この状態で、通常の運転における操舵が行われる。
テレスコピック作動やチルト作動をさせたいときは、図1の状態から、レバー49を図において時計周りの方向に回す。このレバー49の回動動作により、ボルト48とナットとの締め付け具合が弛緩状態とされる。これにより、可動ブラケット40とステアリングコラム20との結合が解かれ、ステアリングコラム20が可動ブラケット40に対して移動可能となる。この状態で、ドライバーがステアリングホイールをステアリングシャフト軸方向に動かすことにより、ステアリングシャフト10が軸方向に収縮又は伸張する。ステアリングシャフト10の収縮・伸張に伴い、ステアリングコラム20も収縮・伸張する。このようにして、テレスコピック作動が行われる。ドライバーはこのテレスコピック作動によって、ステアリングホイールの前後位置を調整する。
一方、上記弛緩状態において、ドライバーがステアリングホイールを車両上下方向に傾動することにより、ステアリングコラム20及びステアリングシャフト10がチルトブラケット31の取り付け孔31aを中心として揺動する。ステアリングコラム20が揺動すると、ステアリングコラム20に固定されたテレスコ用ブラケット46も揺動する。テレスコ用ブラケット46の揺動に伴い、このテレスコ用ブラケット46に形成された使用時テレスコ用長孔47に挿通したボルト48も揺動するが、このとき、ボルト48は、可動ブラケット40のチルトガイド部42に形成されたチルト用長孔44にガイドされ、この長孔44に沿って移動する。このようにしてステアリングコラム20が傾動し、チルト作動が行われる。ドライバーはこのチルト作動によって、ステアリングホイールの上下位置を調整する。なお、チルト作動時において、ボルト48の軌跡は円弧であるため、チルト用長孔44の形状も円弧状としても良いが、加工のしやすさから、幅方向に多少の余裕をもった直線状の長孔としても良い。
図1の状態において、車両前方から衝撃加重が加えられた場合、その反力によりドライバー側からステアリングホイールなどを伝って車両前方側への荷重がステアリング装置100に加えられる。この場合において、加えられる荷重がレバー49による可動ブラケット40とステアリングコラム20との締結力を上回ると、この締結力に抗してステアリングコラム20が車両前方に移動する。この移動により、ボルト48が使用時テレスコ用長孔47内を相対的に動く。そして、ボルト48が使用時テレスコ用長孔47の車両後方端まで移動すると、ステアリングコラム20に加わる荷重がボルト48を介して可動ブラケット40に伝わるようになる。可動ブラケット40に加えられる荷重が所定荷重以上である場合、可動ブラケット40を車体側のブラケットに結合しているブレークアゥエイ手段が破砕する。ブレークアウェイ手段が破砕すると、可動ブラケット40は移動可能となり、ステアリングコラム20とともに車両前方に移動する。このとき、ブレークアウェイ部41にはエネルギー吸収プレート43が取り付けられているため、可動ブラケット40の移動に伴い、エネルギー吸収プレート43がブレークアウェイ部41に扱かれつつ塑性変形する。この塑性変形する際に必要な力が、可動ブラケット40に加えられる荷重に対する抗力となる。この抗力により、荷重エネルギーがエネルギー吸収プレート43に吸収され、荷重による衝撃力を緩和する。そして、ステアリングコラム20の車両前方への移動が構造上の限界に達した時点で、ステアリングコラム20及び可動ブラケット40の移動が終了する。このときの状態を図2に示す。
なお、上記においては、レバー49の締結力がブレークアウェイ手段の破砕に要する力よりも弱い場合を想定しているが、レバー49の締結力がブレークアウェイ手段の破砕に要する力よりも強い場合は、衝撃荷重によってステアリングコラム20と可動ブラケット40とのレバー49による締結が解かれることはない。この場合には、ブレークアウェイ手段が破砕し、可動ブラケット40とステアリングコラム20とが一体的に移動するのみとなる。
図1に示したとおり、本実施形態のステアリング装置100は、レバー49の操作によりチルト作動を行うことができるが、チルト作動によりボルト48がチルト用長孔44内を移動する。従って、チルト用長孔44の長手方向の長さで、チルト作動の調整範囲が設定される。本実施形態におけるチルト作動の調整範囲は、使用時に調整する通常のチルト作動範囲(使用時チルト調整範囲)に加え、この使用時チルト調整範囲よりも車両下方側へさらにチルト作動する範囲(収納時チルト調整範囲)も設定され、通常のチルト作動範囲よりも大きく設定されている。従って、ボルト48がチルト用長孔44の最下点まで位置するようにチルト作動させると、ステアリングホイールは車体に対してほぼ水平となる程度に傾動させられる。
図1に示すように、チルト用長孔44の最下部からは、収納時テレスコ用長孔45が車両前方に向かって延びて形成されている。従って、チルト最下点までステアリングホイールを傾動させた場合、ボルト48が収納時テレスコ用長孔45に沿って移動するようにテレスコピック作動を行わせることができる。従って、ドライバーは、ステアリングホイールをチルト最下点まで傾動させた後、ステアリングホイールを車両前方に押し込むと、ステアリングシャフト10及びステアリングコラム20が前方に移動し、これに伴ってボルト48が収納時テレスコ用長孔45に沿って車両前方に移動する。なお、収納時テレスコ用長孔45の長手方向距離は、使用時テレスコ用長孔47の長手方向距離よりも長くされている。従って、収納時におけるテレスコピック作動ストロークは使用時におけるテレスコピック作動ストロークよりも長くとることができる。よって、収納時にステアリングホイールをより車両前方に押し込むことができ、ステアリングホイールを収納した場合の運転席の居住性より大きくすることができる。このような収納状態を図3に示す。このとき、ステアリングホイールは通常のチルト作動領域よりも大きく下方に下げられており、この状態でステアリングホイールを車両前方に押し込んで収納しているので、ステアリングコラム20の外周を覆うステアリングコラムカバーは、車体内装部品であるインストルメントパネルの下部へ潜り込む状態となり、ステアリングコラムカバーとインストルメントパネルとの干渉を防止することができる。このため、十分にステアリングホイールを押し込むことができ、収納時の運転席の居住性を向上させることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図4は、本実施形態におけるステアリング装置の可動ブラケット40及びその周辺の構造を示す図である。なお図4において、上記第一実施形態と同一部分については同一符号で示してある。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図4は、本実施形態におけるステアリング装置の可動ブラケット40及びその周辺の構造を示す図である。なお図4において、上記第一実施形態と同一部分については同一符号で示してある。
図4からわかるように、本実施形態におけるステアリング装置は、レバー49の回動軸となるボルト48に、カム51が取り付けられている。カム51は、ボルト48と一体的に回転するようにボルト48に取り付けられており、ボルト48を中心とした円板状に形成されているとともに、その一部に径外方に突出した係合部51aが形成されている。
また、可動ブラケット40には、スプリング53の一端が取り付けられている。このスプリング53の他端には、ストッパー52が取り付けられている。ストッパー52は、スプリング53の伸張力によってカム51の直下のあたりまで迫り出して配置されている。このストッパー52の配置位置は、図からわかるように、可動ブラケット40に形成されたチルト用長孔44を塞ぐように迫り出した位置である。なお、その他の構成は、上記第一実施形態と同様な構成であるので、図示及びその説明については省略する。
上記構成において、レバー49を図において時計周り方向に回動させると、チルト作動が可能となる。また、レバー49の回動に伴ってカム51も同時に回動する。しかし、カム51の直下にはストッパー52が迫り出しているので、所定量だけレバー49を回動した時点で、カム51の係合部51aがストッパー52に係合する。この状態を図5に示す。
図5に示すようにカム51の係合部51aとストッパー52とが係合すると、レバー49のそれ以上の回動が妨げられる。また、チルト作動によりステアリングコラムを傾動させていくと、ボルト48がチルト用長孔44に沿って移動するが、この移動とともにボルト48に固定されたカム51もチルト用長孔44に沿って移動する。ところが、ストッパー52がチルト用長孔44にまで迫り出して配置されているため、図5に示す状態にまでチルト作動させた時点で、カム51とストッパー52とが干渉し、それ以上のチルト作動が制限される。従って、ストッパー52がチルト用長孔44にまで迫り出している状態では、チルト用長孔44の上端からカム51とストッパー52とが干渉する部分までの領域(図4における領域A)がチルト作動範囲となる。よって、このチルト作動領域Aを、使用時におけるチルト作動範囲(使用時チルト調整範囲)と設定しておけば、カム51、ストッパー52及びスプリング53により、使用時には、チルト作動範囲が作動領域Aに制限される。
図5に示す状態から、更にレバー49に回転力を加え、レバー49の回転力がスプリング53の付勢力を上回ると、レバー49がスプリング53の付勢力に抗して回転する。レバー49がスプリング53の付勢力に抗して回転すると、カム51の係合部51aがストッパー52をチルト用長孔44から退避させる方向に移動させる。そして、図6に示す状態にまでストッパー52が押しのけられると、ストッパー52がチルト用長孔44から完全に退避した状態となる。この状態では、カム51及びボルト48がチルト用長孔44の全域にわたって移動可能な状態であるので、上記作動領域Aに加え、さらに車両下方向へステアリングシャフトが傾動する領域(図4における領域B)までチルト作動させることができる。このように係合部51aによってチルト作動範囲の制限を解除し、ステアリングホイールを収納する時の作動範囲(収納時チルト調整範囲)である作動領域Bにまで、チルト作動範囲を広げることができる。
したがって、ドライバーは、使用時におけるチルト調整を行いたいときは、レバー49を図5に示す位置まで回動させた状態で調節を行う。一方、ステアリングホイールを収納したいときは、ドライバーはさらに力を込めてレバー49を回し、図6に示す位置までレバー49を回動させる。そして、最下部までステアリングホイールを傾動させた後、収納時テレスコ用長孔45に沿ってテレスコピック作動させ、ステアリングホイールを収納する。
(第三実施形態)
図7は、本発明の第三実施形態を示す図である。本実施形態は、上記第二実施形態で説明した図4の構成に加え、ストッパー52の移動を禁止する移動禁止手段としてのセーフティーバー54を付加したものである。その他の構成は、上記第二実施形態と同様である。
図7は、本発明の第三実施形態を示す図である。本実施形態は、上記第二実施形態で説明した図4の構成に加え、ストッパー52の移動を禁止する移動禁止手段としてのセーフティーバー54を付加したものである。その他の構成は、上記第二実施形態と同様である。
セーフティーバー54は、車体などに固定されており、図の矢印方向で示す車両上下方向に進退可能とされている。また、セーフティーバー54は、図に示すようにストッパー52の背面に面して配置されている。この状態で、ドライバーがレバー49をさらに時計周り方向に回動させようとしても、セーフティーバー54がストッパー52に干渉するため、それ以上の回動ができず、ストッパー52は退避することができないようになっている。
実際の運転に際しては、運転時(例えばエンジン始動時)にセーフティーバー54が図7に示す状態とされ、ストッパー52の退避が防止される。これにより、使用時に不用意にドライバーがレバー49を回動させ過ぎてストッパー52が退避し、ステアリングホイールが収納時のように大きく傾動することを防止することができる。一方、停止時(例えばエンジン始動停止時)には、セーフティーバー54が図7に示す状態から上方に跳ね上げられ、ストッパー52が退避可能とされる。これにより、レバー49の回動によってストッパー52が退避でき、ステアリングホイールを収納する際に大きく傾動させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態においては、収納時テレスコ用長孔45は、チルト用長孔44の最下端から車両前方に延びている例を示したが、必ずしもチルト用長孔の最下端から延びている必要はない。使用時チルト作動範囲よりも下方の作動領域であり、かつ、その位置でステアリングホイールを収納した場合にコラムカバーとインストルメントパネルが干渉しない位置であれば、どこからでも収納時テレスコ用長孔45を設けることもできる。また、上記実施形態では、使用時テレスコ用長孔47と収納時テレスコ用長孔45とを別に設けた構成としたが、これらを共通化し、一つの長孔で共用するようにしてもよい。
10…ステアリングシャフト、 11…第一シャフト、 12…第二シャフト、 20…ステアリングコラム、 21…アッパコラムチューブ、 22…ロアコラムチューブ、 30…チルト機構、31…チルトブラケット、 31a…取付孔、 32…カラー、 40…可動ブラケット、 41…ブレークアウェイ部、 42…チルトガイド部、 43…エネルギー吸収プレート、 44…チルト用長孔(チルト調整範囲設定手段)、 45…収納時テレスコ用長孔(収納時テレスコ調整範囲設定手段)、 46…テレスコ用ブラケット、 47…使用時テレスコ用長孔、 48…ボルト、 49…レバー、 51…カム(制限手段)、 52…ストッパー(制限手段)、 52a…係合部(制限解除手段)、 53…スプリング(制限手段)、 54…セーフティーバー、 100…ステアリング装置
Claims (3)
- ステアリングホイールに連結されるとともに軸方向に収縮及び伸張可能なステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを車両上下方向に傾動させるチルト機構を備えたステアリング装置において、
前記チルト機構による前記ステアリングシャフトの車両上下方向の傾動範囲を、使用時のステアリングホイール位置を調整する範囲である使用時チルト調整範囲に設定可能であるとともに、前記使用時チルト調整範囲よりも車両下方向へさらに傾動する位置に前記ステアリングホイール位置を調整する範囲である収納時チルト調整範囲に設定可能なチルト調整範囲設定手段と、
前記ステアリングシャフトが前記収納時チルト調整範囲に傾動されているときに前記ステアリングシャフトを軸方向に収縮させる範囲を設定する収納時テレスコ調整範囲設定手段を備えることを特徴とする、ステアリング装置。 - 請求項1において、
前記ステアリングシャフトの車両上下方向の傾動範囲を前記使用時チルト調整範囲に制限する制限手段と、前記制限手段による制限を解除する制限解除手段を具備することを特徴とする、ステアリング装置。 - 請求項1または2において、
前記ステアリング装置は、前記ステアリングシャフトを覆うステアリングコラムと、前記ステアリングコラムに取り付けられた可動ブラケットとを有し、
前記チルト調整範囲設定手段は、前記可動ブラケットに形成されたチルト用長孔を備え、前記収納時テレスコ調整範囲設定手段は、前記チルト用長孔の下端から車両前方に向かって形成されたテレスコ用長孔を備えることを特徴とする、ステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005282588A JP2007091021A (ja) | 2005-09-28 | 2005-09-28 | ステアリング装置 |
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JP2021046000A (ja) * | 2019-09-17 | 2021-03-25 | アイシン精機株式会社 | 車両のステアリング装置 |
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2005
- 2005-09-28 JP JP2005282588A patent/JP2007091021A/ja not_active Withdrawn
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