JP2007090847A - 木材改質剤の製造方法及びその製造方法により製造された木材改質剤並びにその木材改質剤による無機質複合木材 - Google Patents

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Abstract

【課題】
木材にガラス成分を含浸させ、防腐性、硬度、耐水性を向上させることができる木材改質剤の製造方法及びその製造方法により製造された木材改質剤並びにその木材改質剤によるガラス複合木材を提供する。
【解決方法】
アンモニウムイオンとハロゲンイオンを含有した珪酸ソーダを主成分とする珪酸アルカリ水溶液とポリエチレングリコール(PEG)とを混合してゲル状物を生成し、このゲル状物を水に溶解した珪酸アルカリ−PEG水溶液にPEGを添加してゲル状物の生成と水への溶解を繰り返し、又はそのゲル状物を水に溶解した珪酸アルカリ−PEG水溶液に中和剤を添加して、前記珪酸アルカリ水溶液を中性又は弱酸性に中和してなる木材改質剤の製造方法。

Description

本発明は、木材の改質剤及びその木材改質剤による無機質複合木材に関し、更に詳しくは木材の防腐性および機械的強度を向上させるため、珪酸成分を含浸させ、硬化させることでガラス成分を木材に形成させる木材改質剤及びその木材改質剤によるガラス含浸木材に関するものである。
木材は、導管(仮導管)、細胞壁のセルロース、ヘミセルロースおよびリグニン等の多孔質組織からなる高度有機物であるため、表面処理を施さずに屋外で使用した場合、腐朽菌による作用とリグニンの紫外線による酸化重合・溶脱作用によって、通常1ヶ月程度で白化(灰色化)を起こす。そこで、一般に屋外で使用する木材には、その耐候性を向上させるために顔料を木材に含浸させる含浸性塗料又は木材表面に塗膜を形成する塗膜性塗料で表面処理を施す。
しかし、含浸型塗料の場合、木材表面は空気に触れたままであるため風化作用により、顔料が飛び白色化が起こる。またウレタン塗料やアクリル塗料に代表される塗膜型塗料の場合、木材自身の膨張や割れ、反り等により、その塗膜に割れが生じて剥離してしまう。白化した木材は耐水性に劣るため雨水に溶けた埃、タール類などが木材の木目部分に入り込み、灰色化が起きる。
更に、木材が灰色化した場合、含浸性塗料でも塗膜性塗料でも灰色部に染みこんで黒くなり著しくその美観を損なうだけでなく、当初の外観を取り戻すことは非常に困難である。そこで、ペンキ等のエナメル系塗料を塗布する方法があるが、木目を消してしまうので木材独自の味わいを生かすことができない。また、このようなエナメル系塗料も塗膜塗料と同じく剥がれやすいという問題がある。
また、ポリエチレングリコールは木材の割れ止めや紫外線保護のために有効でることが知られているが、木材にポリエチレングリコールのみを塗布又は含浸するとカビが付き易くなるという問題がある。ポリエチレングリコールメタクリレートのようにポリエチレングリコールにアクリル成分を加える方法でカビを抑える方法が従来より行なわれているが強度及び硬度の上昇などの木材の改質にはならない。
屋内においても、建材に使用されたホルムアルデヒト等の揮発性有機化合物(VOC)が空気中へ拡散して引き起こされるシックハウス症候群等が問題視されており、VOCを削減した塗料の開発が進んでいる。しかし、低VOCの水性塗料は、溶剤系統のウレタン塗料に比べ柔かく、油成分の多い木材に塗装すると弾かれてしまうという問題がある。また、透明性のあるものが少なく、かつその分子構造が大きいため基材の表面で塗膜化するだけで、基材の内部に含浸しにくい。従って、難燃性の付与や基材の改質などには不向きである。ゆえに屋内や屋外でこのような低VOCの水性塗料を使用するのが周辺環境には好ましいが、その塗膜の脆弱性および耐久性の弱さゆえに有効に使用することが困難であった。
また、木材のみならず同じく多孔質性の建材であるコンクリート、モルタル、煉瓦、人工石も紫外線には強いが雨水等の汚れにより黒ずむという問題が知られている。
これらの問題に鑑み、木材等の多孔質建材の表面にガラス膜を形成してその表面を保護する方法があり、例えば特許文献1記載のイオン交換法により珪酸ソーダからカルシウムシリケート化合物を含んだ水溶液を生成した、耐水性のコンクリート改質剤や特許文献2記載の金属アルコキシドから加水分解、脱水重合を経てガラス膜を得る方法が知られている。
しかし、特許文献1記載の珪酸アルカリ水溶液によるものはアルカリ性が強い場合が多く、木材のセルロース崩壊を起こす可能性があり、木材への使用には適さない。イオン交換法によりナトリウムを除去した珪酸アルカリ水溶液(コロイダルシリカ)の代表的なものはアルカリ度がpH9.0程度を示し、木材に使用した場合、急激にシロキシサン結合が成長し、白化したり、シリカが凝集したりして、まだらになりやすい。また、特許文献2記載の金属アルコキシドによるものは、その金属アルコキシド自体が非常に高価であり、その用途に制限がある。
特開平6−256073号公報 特開平6−199528号公報
そこで、本発明の解決しようとする課題は、木材にガラス成分より組成される中性若しくは弱酸性の珪酸−ポリエチレングリコール水溶液を含浸させ、硬化させることで木材表面及び表層部においてガラス成分を生成して、木材を無機質複合化させて硬度を向上し、多孔質である木材の表面および表層部分の導管(針葉樹では仮導管)を塞いで、腐朽菌の侵入を防ぎ、防腐、防蟻作用を持たせることができ、細胞壁に直接攻撃するカビ菌、子のう菌、軟腐菌を遮断し、且つ、紫外線防止作用およびワレ止め作用を持った、安定した成分を主成分とする安全性の高い木材改質剤の製造方法及びその製造方法により製造された木材改質剤並びにその木材改質剤による無機質複合木材を提供することにある。
本発明請求項1に記載の木材改質剤の製造方法は、アンモニウムイオンとハロゲンイオンを含有した珪酸ソーダを主成分とする珪酸アルカリ水溶液とポリエチレングリコールとを混合することにより第一次ゲル状物を生成し、このゲル状物を取り出し、分離した上で水または温水に溶解させたコロイド珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール水溶液に酸性物質を添加して中和させて中性または弱酸性に調整し、第二次水溶性ゲル状物の生成と水への溶解を繰り返すことを要旨とするものである。
また、前記第一次ゲル状物を生成して取り出した後、更に低級アルコール(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、若しくはこれらの混合液)にて洗浄してから、水又は温水に溶解させるとより好ましい。
さらに前記第一次ゲル状物の溶解溶液が水のみでなく、トロポロン類を含有したホウ酸水溶液であれば好ましい。
また、請求項3に記載の木材改質剤は、前記請求項1又は請求項2に記載の製造方法により製造されたことをを要旨とするものである。
本発明請求項4に記載の無機質複合木材は、前記請求項3に記載の木材改質剤が木材に減圧加圧法、減圧法、温浴注入法または浸漬法により木材に含浸され、所定の温度で硬化処理が施されてなることを要旨とするものである。
本発明請求項5に記載の無機質複合木材は、前記請求項4記載の無機質複合木材に、水性ウレタン塗料と前記請求項3に記載の木材改質剤とを混合させた溶液が塗布されてなることを要旨とするものである。
請求項1記載の木材改質剤の製造方法によれば、アンモニウムイオンとハロゲンイオンを含有した珪酸ソーダ水溶液を主成分とする珪酸アルカリ水溶液にポリエチレングリコールを混合して明確なゲル状物を生成し、そのゲル物質を取り出し、さらに水に溶解させたコロイド珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール水溶液のpHを調整し、又は中和して中性に近い状態にすることにより、珪酸化合物であるガラス成分とポリエチレングリコールの成分とを含有した中性に近い水溶液からなる木材改質剤を製造することができる。このようにして製造された木材改質剤は硬化処理を施すことで、木材内部及び表面に珪酸化合物とポリエチレングリコールの複合ガラス成分を形成させて、木材の強度及び耐候性を向上させて改質することができる。また、中性もしくは弱酸性の水溶性木材改質剤であるので、基材である木材自身のセルロースの崩壊等を起こす恐れがないだけでなく、周辺環境への有害成分の揮発等の恐れがない。更に、産業上広く流通している汎用の珪酸アルカリ水溶液及びポリエチレングリコールを主成分としているので、経済的に安価に製造することができ、例えば大型の建材等のように、大量に広い面積に塗布する用途や溶剤を大量に必要とされる含浸溶液に好適である。
ここで、前記珪酸アルカリ水溶液として、アンモニウムイオンとハロゲンイオンを含有した珪酸ソーダを主成分とする水溶液を用いることで、珪酸ソーダのナトリウム塩をアンモニウムイオンと置換することができる。これにより、この珪酸アルカリ水溶液とポリエチレングリコールとを混合することにより生成されてなる水溶性のゲル状物に含まれるナトリウムを除去することができる。また珪酸アルカリ水溶液に混入しているマグネシウムや、カルシウムなどのアルカリ不純物を、中和反応によって沈殿させることができるので濾過して取り除くことができ、中性若しくは弱酸性のコロイド珪酸−ポリエチレングリコール水溶液を得ることができる。このようにして、不純物を除去した木材改質剤を製造することができ、これを木材に塗布すれば、耐水性を向上させることができる。また、珪酸アルカリ水溶液に含まれるアンモニウムイオンとハロゲンイオンにより、水溶性のゲル状物の生成が促されて、珪酸アルカリ水溶液とポリエチレングリコールとの混合溶液から前記水溶性のゲル状物が効率よく生成される。
また、前記第一次ゲル状物を生成して取り出し、低級アルコールで洗浄することで、ナトリウム、及び未反応のシリカ(ポリシロキサン結合を生成易いシラノール基を主成分とするシラノール化合物)を、この第一次ゲル状物から取り除くことができる。
本木材改質剤は、珪酸化合物だけでなく、ポリエチレングリコールも含有しているので、ポリエチレングリコールの作用で、紫外線による木材の変色が抑えられ、木材のワレ止めの効果も付与することができる。
また、前記コロイド珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール水溶液を中和するために、リン酸水素二アンモニウム(第二リン酸アンモニウム)、リン酸三アンモニウム三水和物(第三リン酸アンモニウム)、木酢酸又はトロポロン類を含有したホウ酸水溶液を用いれば、より好適である。このようにして製造された本発明に係る木材改質剤によれば、木材の難燃性、防腐性およびシロアリからの防御性能を向上させることができる。
請求項3に記載の木材改質剤によれば、木材内部及び表面に珪酸化合物とポリエチレングリコールの複合ガラス成分を形成させて木材を改質することができる。これにより、木材の耐候性を向上させ、木材の硬度、耐水性、防腐、防蟻効果を付与できる。また、本木材改質剤は、そのpHが中性に近く調整されているので、木材のセルロースへの浸食等の問題が生じない。また、本木材改質剤によれば、pHが中性に近く調整された中性又は弱酸性の状態でポリシロキシサン結合を成長させることで、バルク状又は膜状のゲルが生成されやすく、このような木材改質剤を木材に塗布又は含浸させることで、木材の表面にやや濡れ色の光沢を持たせて、かつ木材本来の質感を損なわないで改質することができる。例えば間伐材等の木材でも、美しく目止めの効いた高級感のある木材に仕上げることができる。
請求項4に記載の無機質複合木材によれば、木材に浸み込んだ珪酸化合物とポリエチレングリコールとが重合し複合ガラス化しているので、非常に優れた硬度、耐水性及び難燃性を示し、防腐、防蟻効果を備えている。また外観上も、その表面に光沢があり、木材本来の質感を損なわない。また、細胞壁を侵す子のう菌に代表される軟腐菌やカビ菌に対する高い防腐効果も備えている。更に、間伐材等の木材でも、美しく高級感のある木材になる。
請求項5に記載の無機質複合木材は、請求項4記載の無機質複合木材に水性ウレタン塗料を施してなるものである。水性ウレタン塗膜は紫外線遮断性能に優れるが、高度が低く木材表面を保護したり、木材自体を改質したりすることはできない。しかし、請求項4記載の無機質複合木材は、高い硬度を有し、更にその表面は親水性であり水性ウレタン塗料の吸着性が良いので、良好な水性ウレタン塗装を施すことができ、これにより対候性に優れる木材保護膜を形成させることができる。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施例1)
先ず、珪酸ソーダNaO・3SiO(3号水ガラス、pH11.5〜11.6)を10〜50重量%含有する水溶液に、0.1mol/kgのフッ化アンモニウムNHF(アンモニウムイオン及びフッ素イオン各0.1mol/kgに相当)を混合し、珪酸アルカリ水溶液(pH10.5〜11.5)を作製する。
この珪酸アルカリ水溶液としては、MO・ySiO(MはNa,K,Li,Csのいずれかで、yは1〜4)で表される水溶液がアンモニウムイオンとハロゲンイオンを含有し、このMがハロゲンイオンによる触媒作用でアンモニウムイオンとイオン交換された水溶液が適しており、例えば浸透性無機質反応型改良剤(株式会社日興製、商品名:クリスタルシーラー等を用ることもできる。
この珪酸アルカリ水溶液100重量部にポリエチレングリコールPEG400(丸石製薬製、商品名:マクロゴール400)を30〜40重量部を混合すると、水溶性のゲル状物が約40重量部程度発生する(第一次ゲル状物の生成)。この水溶性の第一次ゲル状物を前記珪酸アルカリ水溶液から取り出し、水洗い後、この第一次ゲル状物40重量部と水80〜120重量部とを混合し、温度30℃〜60℃に加熱しながら溶解させて、pH9.5〜10.6、濃度50%、比重1.1のコロイド珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール混合水溶液(第一次ゲル水溶液)を生成する。
(MO・ySiO)+nNHHF+nOH(CHCHO)H→n +nOH+nNH +nOH(CHCHO)H+nySiO(OH)x1→nOH(CHCHO)H+nySiO(OH)x1(水溶性ゲル)+nO→コロイド珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール水溶液(pH9.5)
ここで、n,n,n,n,n,x,xは整数。
この第一次ゲル水溶液は、pHが高くアルカリ性であるので、pHを調整して中性に近付けなければ木材に塗布することはできない。
そこで、この第一次ゲル水溶液に中和剤を徐々に加えるとpHは低下していき、pH9.6程度で再度ゲル化が始まる(第二次ゲル状物の生成)。そして、この再び得られた第二次ゲル状物と、粘度及び揮発性を調整するための蒸留水やイソプロピルアルコール、エタノール又はメタノール等の低級アルコールを、例えばミキサーなどの粉砕機にかけて10分程度、細かく粉砕して混和させて、第二次ゲルアルコール溶液を得る。
この第二次ゲルアルコール溶液(pH7.9)100重量部に対し、更にイソプロピルアルコール、エタノール又はメタノールなどの低級アルコールを20重量部程度加えて、ポリエチレングリコールとコロイダルシリカとを含んだpH7.0程度の中性若しくは弱酸性の水溶液(コロイド珪酸−ポリエチレングリコール水溶液)120重量部を製作した。
このコロイド珪酸−ポリエチレングリコール水溶液を木材改質剤として木材に塗布又は減圧注入し、硬化することで、木材をガラス又はセラミックスと複合化させて無機質複合化木材にすることができる。
本発明の第1の実施例に係る木材改質剤の製造過程にけおける、水溶液のpHの変化を表1に示す。
Figure 2007090847
(実施例2)
次に、種々の珪酸アルカリ水溶液と、ポリエチレングリコールPEG400とを混合した場合の、水溶性のゲル状物の析出状態を比較した例を表1に示す。各珪酸アルカリ水溶液100重量部に対しポリエチレングリコールPEG400(丸石製薬製、商品名:マクロゴール400)を30重量乃至40重量を混合攪拌した際の、水溶性ゲルの発生を比較した。
Figure 2007090847
珪酸アルカリ水溶液としては、浸透性無機質反応型改良剤1(株式会社日興製、商品名:クリスタルシーラー)、浸透性無機質反応型改良剤2(アサヒペン株式会社製、商品名:アサヒペンコンクリート改質剤)、珪酸ソーダ1(3号水ガラス)にフッ化アンモニウムを0.1mol/kg相当を混合したもの、珪酸ソーダ1(3号水ガラス)に塩化化アンモニウムを0.1mol/kg相当を混合したもの、珪酸ソーダ1(3号水ガラス)にフッ素を0.1mol/kg相当を混合したもの、珪酸ソーダ1(3号水ガラス)に塩素0.1mol/kg相当を混合したもの、珪酸ソーダ1(3号水ガラス)、及び、珪酸ソーダ2(4号水ガラス)を使用した。
珪酸ソーダ1(3号水ガラス)、又は珪酸ソーダ2(4号水ガラス)とポリエチレングリコールとを混合すると、この混合溶液に膜状のゲルが発生して、沈殿するが、この膜状のゲルは非常に弱く、簡単に溶解してしまう為、この混合溶液から取り出すことはできない。これは、珪酸ソーダとアルコール類の一種であるポリエチレングリコールとを混合したことにより、珪酸ソーダのゆるやかな脱水反応が起き、これにより発生したゲル膜であると考えられる。このように、ハロゲンイオン及びアンモニウムイオンを含まない珪酸ソーダ1(3号水ガラス)、又は珪酸ソーダ2(4号水ガラス)から得られるゲルは、不安定で水溶液から取り出すことができないので、本発明に係る木材改質剤の製造には適していないことが分かる。
これに対し、浸透性無機質反応型改良剤1、浸透性無機質反応型改良剤2、珪酸ソーダ1にフッ化アンモニウムを混合したもの、珪酸ソーダ1に塩化アンモニウムを混合したもの、珪酸ソーダ1にフッ素を混合したもの、又は、珪酸ソーダ1に塩素を混合したものとポリエチレングリコールとを混合した場合は、ゲル状物の析出が確認された。従って、本木材改質材を生成するための珪酸アルカリ水溶液は、少なくともハロゲンイオンを、より好ましくはハロゲンイオン及びアンモニウムイオンを含んでいるものが好適である。
特に、ハロゲンイオン及びアンモニウムイオンを含んだコロイド珪酸−ポリエチレングリコール水溶液からは、非常に効率よくポリエチレングリコールと珪酸化合物からなる水溶性のゲルが採取できる。このハロゲンイオン及びアンモニウムイオンを含んだ珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール混合水溶液から生成された水溶性ゲルは、乾燥すれば硬いガラス物質になり、ゆっくり伸ばすと大きく伸び、急激に伸ばすと簡単に切れるといった挙動を示す。そして、水に非常に良く溶ける。
これに対し、ハロゲンイオン又はアンモニウムイオンのどちらか一方のみを含んだ珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール混合水溶液から生成、採取された水溶性ゲルは、よりぼそぼそとした繊維質の状態になり、一応水溶性は示すものの、その溶け易さはハロゲンイオン及びアンモニウムイオンを含んだ珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール水溶液から生成されたゲルに劣る。
ハロゲンイオン及びアンモニウムイオンを含んだコロイド珪酸−ポリエチレングリコール水溶液からは、非常に効率よくポリエチレングリコールと珪酸化合物からなる水溶性のゲルが採取され、この水溶性ゲルを取り出した後の水溶液にクエン酸を混合して中和したところ、沈殿物の生成やゲル化反応が見られなかったことから、ポリシロキサン結合を起こす珪酸化合物は残存していないものと考えられる。
(実施例3)
また、珪酸アルカリ水溶液と種々の酸を混合した場合の、水溶性のゲル状物の析出状態を表2に示す。
珪酸アルカリ水溶液(3号水ガラスにフッ化アンモニウム0.1mol/kgを含有)100重量部にポリエチレングリコールPEG400(丸石製薬製、商品名:マクロゴール400)を30−40重量部を混合して生成された水溶性のゲル状物が40重量部を水に溶解させて得たコロイド珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール混合水溶液に、リン酸水素二アンモニウム(第二リン酸アンモニウム)、リン酸三アンモニウム三水和物(第三リン酸アンモニウム)、塩酸、硫酸、木酢酸、竹酢酸、酢酸、クエン酸又はポリエチレングリコールPEG400を、水溶液のpHが7になる程度の量混合した。
Figure 2007090847
一般に、珪酸ソーダやシリコンアルコキシド等の加水分解、重縮合反応により生成されたゲルは、ポリシロキサン結合からなるものであるので、水溶性は示さない。しかし、本発明の木材改質剤の製造方法において生成されるゲル状物は水溶性を示す。これは、珪酸アルカリ水溶液とポリエチレングリコールとを混合した珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール混合水溶液中では珪酸化合物とポリエチレングリコールとが水素結合により部分的に結合した状態でゲルを形成しているものと考えられる。
この珪酸化合物とポリエチレングリコールからなるゲルの具体的構造は必ずしも明らかではないが、下記式1にその一例が表される様に、ポリシロキサン結合の末端の水酸基が、ポリエチレングリコールの末端の水酸基と結合した状態、又は、ポリエチレングリコールのエーテル結合の部分と水素結合した状態が混在してゲルを形成しているものと考えられる。そのためポリシロキシサン結合の成長がが妨害され、ガラス成分の析出を抑えながら弱酸性または中性のコロイド珪酸−ポリエチレングリコール水溶液を製造できる。
Figure 2007090847
このように、前記第二次ゲルアルコール溶液のpHを調整するために加える中和剤は、原則としてはリン酸化合物、ホウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸等の酸であれば良く、要するに珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール混合水溶液のpHを7程度まで下げることができる酸性化合物であればよい。また、これらの酸の他に、この珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール混合水溶液に添加する中和剤として、木酢酸や竹酢酸、炭酸、ホウ酸等自然物質由来の酸を添加する手法を用いても良い。また、シロアリなどの対策用に、例えば、C1012で表されるヒノキチオール、β、γ−ツヤプリシン等のトロポロン類を含有した水溶液にこれらの酸を溶解させ錯体化した水溶液等を混合しても良い。
また、酸を中和剤として添加する方法の他に、このコロイド珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール混合水溶液にポリエチレングリコールを混合して、再びゲル化させて、水に溶解させるという操作を繰り返してpHを調整することもできる。ここで添加するポリエチレングリコールとしては、ポリエチレングリコールPEG400のような液体のものを用いても良いし、更に粉状のポリエチレングリコールPEG4000等を用いても良い。
特に、リン酸水素二アンモニウム(第二リン酸アンモニウム)、リン酸三アンモニウム三水和物(第三リン酸アンモニウム)等のリン酸化合物は、農業用肥料として広く用いられており、環境に害の少ない化合物である。従って、このようなリン酸化合物を用いた木材改質剤により改質された木材は、その廃棄や、リサイクルに際して周辺の自然環境に与える影響が少なく、環境に優しく非常に有用である。
この第二次ゲルアルコール溶液を中性に近い状態に調整し、あるいは中和するためには、前記の操作を適宜繰り返し、あるいは組み合わせて行うことが可能である。このようにして、中性のコロイド珪酸−ポリエチレングリコール水溶液を得ることができ、本発明に係る木材改質剤が完成する。
(実施例4)
続いて、実施例1の木材改質剤を木材に減圧注入した場合の木材への含震度を測定した例を示す。所定のサイズ(15cm×15cm×2.5cm)にカットした木材(ヒノキ材及びスギ材、含水率10〜12%)に、実施例1の木材改質剤を0.1mPaにおいて減圧注入(3時間)し、乾燥させた後、再び0.1mPaにおいて実施例1の木材改質剤を減圧注入(1時間)し、乾燥(3時間)させてから、硬化処理(温度100℃、5時間)を施した。
Figure 2007090847

木材3、木材4は、木口にアルミテープを貼ってから減圧注入を行った。
実施例1の木材改質剤は、スギ材及びヒノキ材において、木口、板目ともに、良好な含浸性を示している。
(実施例5)
更に、実施例1の木材改質剤を、その他の塗料と混合して木材に塗布した例を示す。表4に、木材(ヒノキ材、15cm×15cm×3cm)表面に水性ウレタン塗料を塗布した場合と、木材に本木材改質剤を減圧注入法で3時間注入し、硬化処理を施した無機質複合木材に、水性ウレタン塗料と本木材改質剤との混合塗料を塗布した場合のそれぞれの木材表面の硬度と、塗装の強度等を比較した例を示す。
Figure 2007090847

試験片寸法:15cm×15cm×3cm 塗膜厚:約0.3mm(3回塗布)
剥がれ試験:クロスカット法(JIS規格:K5600−1−4)による剥がれ検査(3mm四方に升目切り)
促進試験:キャセノンウェザオメーター(岩崎電機製)1000時間(屋外暴露3年相当)(JIS規格K5600−7−7)
防カビ試験:升目切りした試験片を排水路に半浸積状態に置き、雨が降ったとき水がかかる状態でカビの発生を検査
水性ウレタン塗料のみを塗布した木材は鉛筆硬度で3B程度であり、木材の硬度の顕著な上昇は見られなかった。本発明に係る第1の実施例の改質液を含浸させて熱硬化させてから、水性ウレタン塗装を施したものは基材自体が硬いため3回程度の塗装で2H程度の硬度を持たせることができる。また、水性ウレタン塗料のみでは木材に浸透せず、塗膜性であり、外圧または木材の伸縮などで剥がれたものはなんら耐候性に有効ではないが、本木材改質剤を減圧注入後、水性ウレタン塗料による塗膜を生じさせたものは、万一塗膜が劣化した場合においても注入部分で木材を守ることができる。
(実施例6)
実施例1記載の木材改質剤の製造工程で得られる前記コロイド珪酸アルカリ−ポリエチレングリコールゲル状物を溶解させる溶媒として、トロポロン乳化水溶液を用いても良い。このトロポロン乳化水溶液は、一般に下記式2で表される、C1012のヒノキチオール、β、γ−ツヤプリシン等のトロポロン類を含んだ水溶液である。
Figure 2007090847
前記コロイド珪酸アルカリーポリエチレングリコールゲル状物25重量にトロポロン乳化剤水溶液(キセイテック製 ヒノキチオール水生剤 50重量(1対1)と水30重量を30〜70度で加熱混合させ、さらに酸中和剤、ここでは木酢酸(pH2.5)20重量乃至25重量を加えながらpH6.5まで中和させゲル状物を製造し、150重量になるよう 添加剤としてエタノール20重量乃至25重量を加え、粉砕処理し150重量の木材防腐改質剤を製造した。比重1.06であり、珪酸濃度は8.3%と推測した。その液を減圧下0.12mPaで3時間、液中減圧法で脱気、30分でゆっくり常圧に戻し、樹脂注入を行った。その後、風乾7日で脱水縮合をゆっくり起こさせて木材を改質した。
通常、トロポロン系木材防腐剤およびホウ酸は屋外の防腐剤としては耐水性能が劣るため、一般の防腐剤(銅系木材防腐剤ACQ系またはアルキルアンモニウムAAC系)と比べ、定着率が悪く使用できないとの当業者の見解であった。故に天然成分であり、安全性が高い防腐処理剤にかかわらず、屋内もしくは屋根などの保護が前提になり、使用が限定されるため、腐朽にいたらない。
上記方法で生成されたコロイド珪酸アルカリーポリエチレングリコール−トロポロン乳化剤水溶液中では、コロイド珪酸とトロポロンが下記式3に示されるような、錯体を形成する場合があると考えられる。従って、この実施例6において製作された改質剤を木材に注入し、トロポロンが溶解しない温度で乾燥すれば、シラノールがゆっくり脱水縮合化しゲル化が進み木材に耐水性のあるゲルを発生し、かつトロポロンが複合化した状態であるため、トロポロンの溶け出しを防ぐ事ができる。
Figure 2007090847
また、トロポロン乳化剤水溶液にホウ酸を溶解させた場合、下記式4に示されるような、トロポロン−ホウ酸錯体を形成するものと考えられる。そして、脱水縮合時において、Si−O−Bの結合も一部に発生し、ホウ酸の溶解を防ぐことができのではないかと考えられる。
Figure 2007090847
また、一般防腐剤での処理木材は薬液の防腐処理といった一元的な加工であり、乾燥させてしまうと薬液成分のみ残して水分は蒸発してしまうのに対し、本発明の処理液の加工においては、水分が蒸発する際に脱水縮合により木材内部をガラス化させ、かつそのガラス成分がトロポロンと錯体化した状態で木材内部に存在するため、防腐効果、耐水化、硬度の上昇、目止め効果による美観の向上といった多次元の効果を木材に与えることができる。下記に改質した木材の特徴および同条件で注入加工した一般防腐剤の比較例を掲げる。
Figure 2007090847

ヒノキ材(サイズ:15センチ×15センチ×2.5センチ、含水率12.5%、比重4.5、重量26〜27g、木口にアルミテープ貼り付け)
液中減圧法0.12mPa、3時間、風乾燥10日
このように、通常アルカリ性が強く木材への塗布に適さないガラス成分を生成する珪酸化合物を含有した珪酸アルカリ水溶液を中性または弱酸性領域でコロイド珪酸溶液とすることで、木材にガラス成分またはセラミック成分である珪酸を含浸させ、無機質複合化させることができる。また、前記本改質液と水性ウレタン塗料を混合し、塗膜成分に硬度を加えた塗料は木材に塗布した際に、表面に珪酸化合物とポリエチレングリコールとの複合ガラスと有機性塗料を複合化させることで、塗膜の脆弱性を克服できる。また、本木材改質剤によれば、加圧注入または減圧注入後、高温での硬化処理を要せず、木材乾燥機内温度100〜120℃度で脱水縮合により硬化させることができ、木材の改質に好適に用いることができる。また、本木材改質剤によれば、木材の硬度、耐水性及び難燃性を向上し、防腐、防蟻効果を付与することができるだけでなく、浸透性が優れるため細胞壁を侵す子のう菌に代表される軟腐菌やカビ菌に対する高い防腐効果も備えることができる。
また、本木材改質剤は、用途に応じて、様々な溶液と混合して用いることができるし、適宜アルコール溶液等と混合して、塗布に適した粘度に調整して用いることができる。
例えば、弱酸性に調整した本木材改質剤に低級アルコールであるイソプロピルアルコール、エタノール、メタノールまたはその混合液加えて希釈することで、本木材改質剤の粘度を低下させ、揮発性を高めることができ、木材に塗布する際の乾燥時間を短縮することができる。
また、弱酸性に調整されているため、同じく酸性のシランカップリング剤を加えることができる。従来、珪酸ソーダベースのコロイダルシリカと酸性のシランカップリング剤の混和は酸中和反応がおこり、一部がゲル化して沈殿物ができてしまい、混合することができなかった。しかし、本木材改質剤においてはそのようなことが起きず、きれいに混和することができる。シランカップリング剤はテトラアルコキキシシラン、アルキルアルコキキシランなど一官能型から四官能型まで好適に使用できる。シランカップリング剤また硬化触媒として有機錫水溶液などを使用して硬化時間を短縮することができる。その場合において、シランカップリング剤1重量に対し、0.1乃至0.2重量加えると良い。また本木材改質剤とシランカップリング剤との混合比は任意に設定することができるがコストの兼ね合いを考えると1割乃至2割程度である。
硬化促進のためのシランカップリング剤の添加は通常、本液100重量部に対し、5〜30重量部程度であり、例えばテトラアルコキシシラン(GE−東芝シリコーン製)5〜30重量に対し、触媒としてオクチル酸ジブチル錫水溶液(信越化学製、CAT−RS)1〜6重量部を加えたものを別途改質液として本発明無機質複合化改質液で木材に加圧注入または減圧注入後、レベリング液として注入加工済み木材に刷毛で塗装して空気中硬化させた上で100〜120℃で熱硬化させるとさらに効果的である。
実施例1で得られた木材改質剤を木材にまず減圧加圧注入、減圧注入などにより木材内部に注入した後、更に、実施例1の木材改質剤とシランカップリング剤とを混合したコロイド珪酸溶剤をレベリング剤として刷毛で塗装し、空気硬化させ、ガラス膜を造り、密閉させることで温度100〜120度で効率的に硬化させることができる。しかし、シランカップリング剤は非常に高価なため、レベリング剤に用いることに限定させたほうがコスト上昇の面からみて望ましい。
このようにして本木材改質剤を塗布及び含浸された木材を、木材人工乾燥機内において、100〜120℃で5〜6時間、熱処理を施すことで、シリカを脱水縮合によるポリシロキシサン結合を促進させて木材改質剤の硬化することができ、硬化時間を短縮することができる。また熱プレス機やレベリングを施し、耐水性を向上させた上で100度の温水に浸積させる方法もある。またいったんレベリングを施し耐水性を得たうえで、ゆっくり脱水縮合をおこさせ、ポリシロキシサン結合を起こす方法もある。その際の水分はガラスゲルの細孔より排出されると考えられる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
また、本発明に係る木材改質剤の使用に際し、本木材改質剤を対象物への塗布に適した所定の粘度に調整するために、イソプロピルアルコールまたはメタノール若しくはこれらの混合アルコール溶液で適宜希釈することができる。
また、前記木材改質剤を塗布して硬化させたガラス含浸木材の表面に、汎用の紫外線保護用水性ウレタン塗装を施せば、親水性の表面を有する本発明に係るガラス含浸木材との密着性がよく、有効な紫外線対策を施すことが可能である。
更に、本木材改質剤は、木材のみならずコンクリートやモルタル等の多孔質建材の改質、及びスチレンボードの難燃化等にも好適に使用することができる。
木材に液中減圧法、空気減圧薬液注入法、液中減圧加圧注入法、空気減圧薬液加圧注入法、浸漬法、温浴型で木材内部に浸透させるには、加工する木材の体積と同量以上の液体が必要であり、方法で加工した木材浸透液は木材から発する樹液などの不純物が出やすいため、一定の条件で交換させる必要があり、また塗装法と違い、例えば表層のみの処理においても無機質樹脂の吸収量は塗装法と違い、格段に増加するため、安価で製造できることが必要であり、かつ安定的に供給される必要があるため、工業的に大量に使用されている必要がある。
ポリエチレングリコールの木材への添加はひび割れの防止、寸法安定性の向上、紫外線吸収作用など多数報告されており、当業者においては公知事実である。最新の木材防腐剤−例えば、銅系防腐剤(株式会社ザイエンス製、製品名タナレスCY)にも添加されている。ポリエチレングリコールは一方黴が着きやすい問題があり、単独での屋外での使用には利用できない。故に防腐剤と防カビ剤と混和させているのは非常に理にかなった考えである。
本発明の木材改質剤は、木材に地球上で一番多く存在する石英質の無機質成分を木材に注入することで、強度及び硬度を向上し、導管を無孔化させることで腐朽菌の侵入を遮断して、難燃性を付与し、その表面を疎水性にして目止めによる木目の美しさを持たせることができ、家具や工芸品から間伐材等を利用した建材まで幅広い用途および大きさの木材の改質に利用できる。とくに珪酸アルカリ(水ガラス)、ポリエチレングリコールにおいてはその汎用性上、大量に工業製品として提供されているためコスト的に安価に提供されており、かつ安定的に供給される利便さがある。

Claims (5)

  1. アンモニウムイオンとハロゲンイオンを含有した珪酸ソーダを主成分とする珪酸アルカリ水溶液とポリエチレングリコールとを混合することにより第一次ゲル状物を生成し、このゲル状物を取り出し、分離した上で水または温水に溶解させたコロイド珪酸アルカリ−ポリエチレングリコール水溶液に酸性物質を添加して中和させて中性または弱酸性に調整し、第二次水溶性ゲル状物の生成と水への溶解を繰り返すことを特徴とするコロイド珪酸−ポリエチレングリコール複合木材改質剤の製造方法。
  2. 前記第一次ゲル状物を溶解させる溶媒が、トロポロン乳化水溶液若しくはホウ酸を含んだトロポロン乳化水溶液であることを特徴とする木材防腐及び改質剤の製造方法。
  3. 前記請求項1又は請求項2に記載の製造方法により製造された木材改質剤。
  4. 前記請求項3に記載の木材改質剤が木材に減圧加圧法、減圧法、温浴注入法または浸漬法により木材に含浸され、所定の温度で硬化処理が施されてなることを特徴とする無機質複合木材。
  5. 前記請求項4記載の無機質複合木材に、水性ウレタン塗料が塗布されてなることを特徴とする無機質複合木材。
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