JP2007089602A - 閉磁路型経皮トランス及びこれを用いた人工心臓装置 - Google Patents

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建次 柴
Toshio Tsuji
敏夫 辻
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Abstract

【課題】 コンパクトで電気エネルギーの供給と体内アクチュエータの正確な制御が安定して可能な、超音波モータを駆動源とする人工心臓に好適に用いることができる閉磁路型経皮トランス及びこれを用いた人工心臓装置を提供する。
【解決手段】 体外に設けられ高周波交流電力が供給される一次コイルと、人又は動物の皮下に埋め込まれ体内の駆動源に電力を供給する二次コイルと、体外に設けられ前記一次コイル及び前記二次コイルにより形成される磁束管が内在する磁性体と、からなる閉磁路型経皮トランスであって、前記二次コイルの最大外径dと前記磁性体の最大横断面積sとにより下記のように定義される生体適合係数Eが、1又はこれに近い数値である閉磁路型経皮トランス。E=1.75-(d/8+s/480)
【選択図】 図5

Description

本発明は、人又は動物の体内に埋め込まれた駆動源に交流電力を供給する閉磁路型経皮トランス及びこれを用いた人工心臓装置に関する。
近年、生体内に長期間埋込み、治療や臓器の代行を行う体内埋込型医療装置の開発が進められている。そのような体内埋込型医療装置には、体内埋込型インスリン注入システム(人工膵臓)、管路開閉システム(人工膀胱、人工肛門)、人工関節、人工心臓、治療用マイクロマシン等のものがある。これらの体内埋込型医療装置の駆動には、電気エネルギーが用いられており、体内埋込型医療装置を連続的かつ長期間動作させるために種々の手段が用いられている。
例えば、特許文献1には、体内に埋め込まれたインシュリン供給用ポンプを電池で駆動させるとともに、皮下に埋め込まれた二次コイルと、体外にあって交流電流が通電され前記二次コイルの埋め込まれた皮膚の近傍に設けられた一次コイルと、により生ずる誘導電流を利用して前記電池を充電するように構成された埋め込み型人工膵臓装置が開示されている。
このような一次コイルと二次コイルからなる電気エネルギーの供給手段を設けた体内埋込型医療装置は種々提案されており、例えば、特許文献2に電気機械駆動式人工心臓が、特許文献3に人工括約筋が開示されている。
特許文献4には、体内の血液ポンプを内部バッテリーで駆動するとともに、上記の一次コイルと二次コイルからなる充電手段と、さらに、体外から血液ポンプ等を制御するための赤外線通信手段を設けた電気油圧式心室補助装置が開示されている。
一方、このような電気エネルギー供給手段は、体動により電気エネルギーの供給が不安定になるという問題や装置全体の構造が大がかりで大きくなるという問題を解決するため、コンパクトで電気エネルギーの供給と体内アクチュエータの正確な制御が安定して可能な閉磁路型経皮トランスを用いた体内埋込用アクチュエータとその駆動装置が特許文献5に開示されている。
特開2002-85556号公報 特開2005-124918号公報 特開2002-263125号公報 特表平9-503933号公報 特開2004-313678号公報
しかしながら、特許文献5にはアクチュエータとして直接駆動可能な単相誘導モータや単相同期モータが開示されているが、閉磁路型経皮トランスが具体的にどのような体内埋込型医療装置に使用することができるのか不明である。開示された装置を特定の体内埋込型医療装置に使用する場合に、具体的にどのような構成がよいのかも不明である。また、閉磁路型経皮トランスを具体的に体内埋込型医療装置に好適に使用するには、さらにコンパクト化が要請されるという問題がある。
本発明は、係る従来の問題点に鑑み、コンパクトで電気エネルギーの供給と体内アクチュエータの正確な制御が安定して可能な、超音波モータを駆動源とする人工心臓に好適に用いることができる閉磁路型経皮トランス及びこれを用いた人工心臓装置を提供することを目的とする。
本発明に係る閉磁路型経皮トランスは、体外に設けられ高周波交流電力が供給される一次コイルと、人又は動物の皮下に埋め込まれ体内の駆動源に電力を供給する二次コイルと、体外に設けられ前記一次コイル及び前記二次コイルにより形成される磁束管が内在する磁性体と、からなる閉磁路型経皮トランスであって、前記二次コイルの最大外径dと前記磁性体の最大横断面積sとにより下記のように定義される生体適合係数Eが、1又はこれに近い数値である。E=1.75-(d/8+s/480)
上記発明において、磁性体は環状磁心であるのがよく、高周波交流電力は、閉磁路型経皮トランスに生ずる最大磁束密度が磁性体の飽和磁束密度以下になるように、10Hz〜5MHzの周波数の範囲で一次コイルに供給されるようになっているのがよい。
また、二次コイルは、供給される高周波交流電力の周波数が10〜300kHzにおいて高周波電流の表皮効果を生じない断面積を有する銅線を1〜5本束ねて形成される巻線を40〜260回巻きしてなるものがよく、体内に埋め込まれた駆動源は、超音波モータであるのがよい。
上記閉磁路型経皮トランスと、超音波モータと、該超音波モータにより駆動される人工心臓と、からコンパクトで正確に制御され信頼性の高い人工心臓装置を構成することができる。
上記人工心臓装置において、人工心臓は、本体と、該本体内で超音波モータにより直線運動をする一対のプレッシャプレートと、前記本体と大動脈、大静脈、肺動脈及び肺静脈とを連通させる導管との境界部に設けられる弁と、からなるものとすることができる。また、超音波モータはリニア型のものを用い、駆動スライダがプレッシャプレートと一体に連結された構造の人工心臓を構成することができる。
本発明に係る閉磁路型経皮トランスは、コンパクトで電気エネルギーの供給と体内アクチュエータの正確な制御を安定して行うことができる。そして、この閉磁路型経皮トランスを用いて体内に埋め込まれた超音波モータを駆動源とする人工心臓に好適な人工心臓装置を構成することができる。
本発明に係る閉磁路型経皮トランスは、体外に設けられ高周波交流電力が供給される一次コイルと、人又は動物の皮下に埋め込まれ体内の駆動源に電力を供給する二次コイルと、体外に設けられ前記一次コイル及び前記二次コイルにより形成される磁束管が内在する磁性体と、からなる閉磁路型経皮トランスであって、前記二次コイルの最大外径dと前記磁性体の最大横断面積sとにより定義される生体適合係数E(E=1.75-(d/8+s/480))が、1又はこれに近い数値になるように構成された閉磁路型経皮トランスである。以下に、本発明に係る閉磁路型経皮トランスの実施の形態について図面を基に説明する。
図1は、本閉磁路型経皮トランス10を使用して体内に埋め込まれた駆動源に高周波交流電力を供給する装置の概要を示す説明図である。図2は、図1の閉磁路型経皮トランス部分の拡大図である。図3は、閉磁路型経皮トランス10を形成する二次コイル15の拡大図であり、図3(a)のAA断面を図3(b)に示す。図4は、本閉磁路型経皮トランス10において使用することができる生体適合係数Eの範囲を示すグラフである。
図1又は2に示すように、本閉磁路型経皮トランス10は、人又は動物53の皮膚を盛り上げて形成されたブリッジ状の取付部55に装着される。閉磁路型経皮トランス10には、発信器100及び増幅器110を備える電源部から高周波交流電力が供給され、閉磁路型経皮トランス10を経て人又は動物53の体内に埋め込まれた駆動源40に高周波交流電力が供給される。発信器100、増幅器110及び駆動源40は、制御装置120により制御されるようになっている。制御装置120は、例えば、コンピュータが使用され、駆動源40のプログラム制御が可能になっている。
閉磁路型経皮トランス10は、図2に示すように、磁性体11、一次コイル13、二次コイル15を備えている。磁性体11は、中空になっており外環部に一次コイル13が巻き付けられている。一次コイル13が巻かれた磁性体11は、その切目部11aを開いて取付部55に装着することができるようになっている。また、磁性体11の中空部分を、皮膚内部に二次コイル15が埋め込まれた取付部54が貫通するようになっており、一次コイル13及び二次コイル15により発生する磁束管は磁性体11の内部に存在し、磁路の途中に皮膚やエアギャップが存在しない。すなわち、本閉磁路型経皮トランス10においては閉じた磁路が形成されており、高い結合度の閉磁路型トランスを形成するようになっている。これにより、本閉磁路型経皮トランス10の結合係数kは0.98以上を維持することができ、エネルギーの高い伝送安定性と伝送効率を得ることができる。なお、本閉磁路型経皮トランス10の形式はトロイダル型、ドーナツ型等いずれの形式であってもよいが、磁性体11は内部が中空になった環状磁心がよい。
二次コイル15は、図3(a)に示すように中空の眼鏡フレーム状をしており、その内部は図3(b)に示すように巻線16が多数回巻かれており、外周は巻線皮膜17により覆われている。巻線皮膜17は、例えば生体適合性のあるシリコーン樹脂が使用される。巻線16は高周波電流の外皮効果を避けるため、複数本の被覆銅線18から形成されている。二次コイル15の横断面の形状はほぼ円形をしているが、必ずしも円形でなくてもよい。二次コイル15の横断面積がなるべく小さく、かつその形状が生体に適合しやすいものであればよい。
本閉磁路型経皮トランス10は、上述のように、二次コイル15の最大外径dと磁性体11の最大横断面積sとにより定義される生体適合係数Eが、1又はこれに近い数値になるように構成されている。生体適合係数Eは、E=1.75-(d/8+s/480)により定義される。図4に、閉磁路型経皮トランス10として使用することができる生体適合係数Eの範囲を示す。図4において、横軸は二次コイルの最大外径d、縦軸は生体適合係数Eを示し、斜線部分が、本閉磁路型経皮トランス10を使用することができる生体適合係数Eの範囲を示す。格子部分が、人を含め小動物に対して本閉磁路型経皮トランス10を好適に使用することができる生体適合係数Eの範囲を示す。パラメータは、磁性体11の最大横断断面積sを示す。
図4によれば、本閉磁路型経皮トランス10として使用することができる範囲は、二次コイル15の最大外径が3〜7mm、磁性体11の最大横断面積sが40〜270mm2の範囲であり、この場合の生体適合係数Eは、0.8〜1.2であることが分かる。また、本閉磁路型経皮トランス10として使用することができる好適な範囲は、二次コイル15の最大外径が4〜6.5mm、磁性体11の最大横断面積sが40〜170mm2の範囲であり、この場合の生体適合係数Eは、0.9〜1.1であることが分かる。
なお、磁性体11の形状はそれが装着される人又は動物53の皮膚等を損傷しない形状であることが必要であるが、磁性体11の横断面の形状は、製造上、取扱い上等から矩形断面が採用される場合が多い。しかしながら、磁性体11の横断面の形状は必ずしも矩形でなくてもよい。例えば、磁性体11の横断面の形状は円形又は方形断面であってもよい。磁性体11の最大横断面積sが40〜300mm2であるとき、磁性体11の横断面の形状を円形又は方形とした場合の円形断面の外径又は方形断面の一辺の長さを表1に示す。表1によると、最大横断面積sが50mm2のとき、円形断面の場合は外径が8.0mmで、方形断面の場合は一辺の長さが7.1mmであることが分かる。
Figure 2007089602
二次コイル15又は磁性体11の個々についてみれば、二次コイル15の最大外径dが3mm以下である場合は、二次コイル15が埋め込まれた人又は動物53の体動によって二次コイル15が破損するおそれがあるので、最大外径dは3mmを超えるのがよく、好ましくは4〜7mmである。一方、最大外径dが10mmを超えると二次コイル15が埋め込まれた人又は動物の血液循環を阻害するので好ましくない。
磁性体11についても同様に小さすぎると磁性体11の破損のおそれがあり、また、磁性体11の取付部55への装着性確保の観点から、磁性体11の最大横断断面積sは、50〜300mm2であるのがよく、50〜80mm2であるのが好ましい。
このような閉磁路型経皮トランス10は、一次コイル13に供給される高周波交流電力の周波数が、10Hz〜5MHzの範囲で使用することができ、体内に埋め込まれた駆動源40に安定した電力供給を行うことができるとともに、駆動源40の正確な制御を行うことができる。しかしながら、駆動源40が超音波モータである場合は、一次コイル13に供給される高周波交流電力の周波数は、10〜300kHzの範囲で使用することができる。超音波モータは、低速高トルク、応答性・制御性に優れ、静粛性に優れるため、本閉磁路型経皮トランス10を用いて超音波モータによる直接駆動型の人工心臓に好適な人工心臓装置を構成することができる。
図5に人工心臓の駆動源40に超音波モータを用いた人工心臓装置を示す。図5に示すように、体内に埋め込まれた人工心臓20には、図1に示す発信器100、増幅器110及び閉磁路型経皮トランス10を通して人工心臓20の駆動源40である超音波モータに高周波交流電力を供給できるようになっている。発信器100、増幅器110、駆動源40(人工心臓20)の制御は制御装置120により行われるようになっている。
人工心臓20は、本体21の内部に一対のプレッシャプレート25(25A、25B)が設けられ、右心室22、左心室23が形成されている。一対のプレッシャプレート25は、超音波モータの回転軸に取り付けられた歯車43とかみ合う鋸歯状のラック45と一体に結合されており、ラック45の左右方向への移動に伴い一対のプレッシャプレート25が左右に直線運動をするようになっている。これにより、大動脈、大静脈、肺動脈及び肺静脈に連通している導管28(28A、28B、28C、28D)を通じて血液が右心室22及び左心室23に流入し又は排出される。導管28と右心室22又は左心室23との境界部には弁26(26A、26B、26C、26D)が設けられている。
上述のように超音波モータは10〜300kHzの高周波交流電力により駆動される。このような高周波交流電力により電力の供給を行う閉磁路型経皮トランス10は、適切な生体適合係数Eを有するとともに、二次コイル15を形成する巻線16は適切なものを選択しなければならない。すなわち、以下に説明するように、巻線16の巻数、被覆銅線18の本数を適切なものにしなければならない。
図6及び7は、40.5〜42kHzの高周波交流電力により負荷インピーダンスが495(約500)オームの超音波モータを駆動させる場合に、閉磁路型経皮トランス10の二次コイル15の巻線16の巻数及び被覆銅線18の本数がエネルギーの伝送効率及び一次コイル15への入力電圧に与える効果について調べた試験結果を示す。図6において、横軸は二次コイル15の最大外径d、縦軸は伝送効率を示し、パラメータはxが被覆銅線18の本数、数字が巻線16の巻数を示す。図7において、横軸は二次コイル15の最大外径dmm、縦軸は一次コイル15への入力電圧Vを示し、パラメータはxが被覆銅線18の本数、数字が巻線16の巻数を示す。なお、図6 及び7において、曲線で表されたグラフは計算値を示し、四角形黒丸は被覆銅線18の本数xが2本のときの実測値を示す。
図6によると、二次コイル15の最大外径dが3〜7mmの場合に、被覆銅線18の本数が1〜5本で巻線16の巻数が40〜180回の範囲の場合に、90%以上の伝送効率を得ることができることが分かる。図7によると、上記の範囲においては、一次コイル15への入力電圧Vの電圧降下が小さいことが分かる。また、被覆銅線18の本数が2本で巻数90回の場合に、伝送効率94%、入力電圧25Vを得ることができることが分かる。図6及び7において、実測値が計算値とよく一致していることも分かる。
一方、超音波モータの負荷インピーダンスを990(約1000)オームとして、図6の場合と同様な試験を行った結果を図8に示す。この結果によると、二次コイル15の最大外径dが3〜7mmの場合に、90%以上の伝送効率を得ることができる範囲は、被覆銅線18の本数が1〜5本で、巻線16の巻数が60〜260回の範囲の場合であることが分かる。
また、図6及び図8によると、伝送効率は、超音波モータの負荷インピーダンスが約500又は1000オームのいずれの場合も、二次コイルの最大外径(巻線16の巻数)の増加とともに急速に上昇するがやがて飽和し、被覆銅線18の本数が1又は2本の場合には飽和後に二次コイルの最大外径(巻線16の巻数)の増加とともに下降することが分かる。90%以上の伝送効率を得るには、超音波モータの負荷インピーダンスが約1000オームの場合(図8)は、負荷インピーダンスが約500オームの場合(図6)に比較して巻線16の巻数を増やす必要があることも分かる。そして、それらの結果から、伝送効率は、使用する超音波モータの特性、二次コイルの巻線16の巻数、被覆銅線18の本数等によって左右されることが分かる。
なお、上記の試験は以下の条件で行った。超音波モータは株式会社新生工業製USR60型を用い、閉磁路型経皮トランス10の磁性体11は、材質がマンガン・亜鉛系のフェライト、断面積sが110mm2の矩形横断面を有し、二次コイル15の被覆銅線18は径0.25mmのポリウレタン皮膜銅線、一次コイル13と二次コイル15の巻数比は0.4であった。人工心臓の外形は160×60×70mmで、右心室22及び左心室23の内容積はそれぞれ75mlであった。伝送効率は電力計(横河電機製PZ4000)により測定し、入力電圧も電力計(横河電機製PZ4000)により測定した。
図9にこの人工心臓の拍出流量を示す。横軸はプレッシャプレート25の移動方向切り替え時間t、縦軸は拍出流量F、パラメータLはプレッシャプレート25の移動量を示す。また、図9において、kHzは高周波交流電力の周波数を示す。図9によれば、例えば、プレッシャプレート25の移動量をL=2cmとすると、周波数42kHzにおいては、最適切り替え時間tは0.28秒で、拍出流量F=3.9L/minが得られ、周波数40.5kHzにおいては、最適切り替え時間tは0.15秒で、拍出流量F=7.5L/minが得られる。図9により、最適な周波数と切り替え時間tを選ぶことにより所要の拍出流量を得ることができる。
以上超音波モータを用いた人工心臓装置について説明した。これによりコンパクトで、かつ安定して正確な制御が可能な人工心臓装置を構成することができる。しかしながら、超音波モータを用いた人工心臓装置の実施形態は、図5に示す実施例に限らない。例えば、図10に示すようなリニア型直接駆動の超音波モータを用いた人工心臓装置を構成することができる。この場合は、人工心臓をより小型化できる利点がある。図10において、超音波モータの超音波振動子44に対する駆動スライダ46が取付部材48を介して一対のプレッシャプレート25の連結部材29に結合されており、一対のプレッシャプレート25は超音波モータにより直接駆動されるようになっている。
本発明に係る閉磁路型経皮トランスにより体内に埋め込まれた駆動源に高周波交流電力を供給する装置の概要を示す説明図である。 図1の閉磁路型経皮トランス部分の拡大図である。 図1又は図2に示す二次コイルの拡大図である。 閉磁路型経皮トランスの最適な生体適合係数の範囲を示すグラフである。 閉磁路型経皮トランスを用いた超音波モータ駆動による人工心臓装置の実施例を示す模式図である。 超音波モータの負荷インピーダンスが約500オームの場合における閉磁路型経皮トランスの二次コイルの最大外径、巻線数及び被覆導線の本数と伝送効率の関係を示すグラフである。 図6の場合における閉磁路型経皮トランスの二次コイルの最大外径、巻線数及び被覆導線の本数と一次コイルの入力電圧の関係を示すグラフである。 超音波モータの負荷インピーダンスが約1000オームの場合における閉磁路型経皮トランスの二次コイルの最大外径、巻線数及び被覆導線の本数と伝送効率の関係を示すグラフである。 人工心臓の拍出流量と、プレッシャプレートの移動量、移動方向切り替え時間及び高周波交流電力の周波数との関係を示すグラフである。 人工心臓装置の他の実施例を示す模式図である。
符号の説明
10 閉磁路型経皮トランス
11 磁性体
13 一次コイル
15 二次コイル
16 巻線
17 巻線皮膜
18 被覆導線
20 人工心臓
21 本体
22 右心室
23 左心室
25、25A、25B プレッシャプレート
26、26A、26B、26C、26D 弁
28、28A、28B、28C、28D 導管
29 連結部材
40 駆動源
43 歯車
44 超音波振動子
45 ラック
46 駆動スライダ
48 取付部材
53 人又は動物
55 取付部
100 発信器
110 増幅器
120 制御装置

Claims (8)

  1. 体外に設けられ高周波交流電力が供給される一次コイルと、人又は動物の皮下に埋め込まれ体内の駆動源に電力を供給する二次コイルと、体外に設けられ前記一次コイル及び前記二次コイルにより形成される磁束管が内在する磁性体と、からなる閉磁路型経皮トランスであって、
    前記二次コイルの最大外径dと前記磁性体の最大横断面積sとにより下記のように定義される生体適合係数Eが、1又はこれに近い数値である閉磁路型経皮トランス。
    E=1.75-(d/8+s/480)
  2. 磁性体は環状磁心であることを特徴とする請求項1に記載の閉磁路型経皮トランス。
  3. 高周波交流電力は、閉磁路型経皮トランスに生ずる最大磁束密度が磁性体の飽和磁束密度以下になるように、10Hz〜5MHzの周波数の範囲で一次コイルに供給されることを特徴とする請求項1又は2に記載の閉磁路型経皮トランス。
  4. 二次コイルは、供給される高周波交流電力の周波数が10〜300kHzにおいて高周波電流の表皮効果を生じない断面積を有する銅線を1〜5本束ねて形成される巻線を40〜260回巻きにしてなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の閉磁路型経皮トランス。
  5. 体内に埋め込まれた駆動源は、超音波モータであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の閉磁路型経皮トランス。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の閉磁路型経皮トランスと、超音波モータと、該超音波モータにより駆動される人工心臓と、からなる人工心臓装置。
  7. 人工心臓は、本体と、該本体内で超音波モータにより直線運動をする一対のプレッシャプレートと、前記本体と大動脈、大静脈、肺動脈及び肺静脈とを連通させる導管との境界部に設けられる弁と、からなる請求項6に記載の人工心臓装置。
  8. 超音波モータは、リニア型であって駆動スライダがプレッシャプレートと一体に連結された超音波モータであることを特徴とする請求項6又は7に記載の人工心臓装置。
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