JP2007089424A - 海苔製品品質制御装置 - Google Patents

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幹雄 古田
Yoichi Asai
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Haruhiko Ito
治彦 伊藤
Mitsuru Tsukito
充 月東
Takashi Takeo
隆 竹尾
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Abstract

【課題】従来、海苔混合液の調整に関する技術として、海苔色の度合いを考慮して海苔調合液の濃度制御を行うことが開示されているが、調整の対象となる海苔調合液の濃度を海苔原料の色の相違に拘らず設定濃度を決定するに留まり、海苔製品製造条件を制御する海苔製品品質制御装置に関しては開示がない。
【構成】本発明は、海苔製品製造工程における海苔原藻と水とを混合してなる海苔混合液中の海苔原藻及び/又は、海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液の波長依存性と波長領域が異なる複数個の光源により測定した透過光量とに準拠して、海苔混合液の品質を判定し、海苔製品製造条件を制御する海苔製品品質制御装置である。
【選択図】図2

Description

本発明は、海苔製品製造工程において、海苔原藻と水とを混合してなる海苔混合液の品質を判定し、海苔製品製造条件を制御する海苔製品品質制御装置に関する。
海苔原藻と水とを混合してなる海苔混合液の調整に関する技術について、以下の文献がある。
文献(1)は、紙葉海苔を製造する際に海苔調合液の濃度を制御する海苔調合液濃度制御装置及びその方法に関し、フィードバック制御の基準となる検出濃度に海苔色の度合いを考慮して海苔調合液の濃度制御を行うことにより、最終製品たる紙葉海苔を目標の品質(最終製品たる紙葉海苔の所定枚数当りの重量)に適合させることができる海苔調合液濃度制御装置及びその方法を提供することを目的としている。
文献(1)によれば、海苔原料と水とを混合した海苔調合液の濃度を濃度検出手段が光学的に検出し、海苔調合液に関する海苔の色を海苔色検出手段が検出し、この検出された検出濃度、検出海苔色及び濃度設定手段で設定された設定濃度に基づいて濃度制御手段が海苔調合液の濃度を、海苔原藻の色の相違に拘らず、設定濃度に調整制御ができることとなり、最終製品たる紙葉海苔を目標の品質(最終製品たる紙葉海苔の所定枚数当りの重量)に適合させる。
また、文献(1)では、海苔色検出部は抄製部に設けられており、抄製部の海苔蓑上の紙葉状に抄かれた海苔の色等を検知するように構成されている。また、海苔色検出器として、海苔原料の色をRGBカラー素子で構成されるカラーセンサーで分光測定し、この分光測定結果を予め記憶された黒色から茶色までの各色のデータと比較して一致を判定し、この判定結果に基づいて海苔色を検出するものが開示されている。及び、海苔色検出器として、発光ダイオードから海苔原料に光を投射し、この海苔原料からの反射光の光量(明度)に基づいて黒色から茶色までのいずれかの色に該当するか否かを光アナログセンサとして測定することが開示されている。
特許第2900357号
文献(1)は、従来の海苔調合液(海苔混合液)の濃度調整作業において、海苔原料(海苔原藻)の搬入毎に、海苔原料の種類、採取経過後の時間等各種状態が異なることから、それぞれの海苔原料の状態に応じた海苔調合液の濃度を当業者が即座に判断して調整するには、この濃度調整作業は極めて困難かつ複雑であって、長年の勘・熟練を要するという課題を解消するものである。文献(1)に記載の海苔調合液濃度制御装置は、フィードバック制御の基準となる検出濃度に海苔色の度合いを考慮して海苔調合液の濃度調整を行うことにより、最終海苔製品の紙葉及び/又は品質(最終製品たる紙葉海苔の所定枚数当りの重量)を確保することを意図する。
しかし、この文献(1)は、検出海苔色に基づいて検出濃度の補正を行うものであり、最終製品たる紙葉海苔の所定枚数当りの重量を制御するに留まる。すなわち、海苔原藻(海苔混合液)の品質及び/又は条件に基づいた最適な海苔製品の抄製を図るものではない。最適な海苔製品の抄製を図るためには、最終製品たる紙葉海苔の所定枚数当りの重量のみならず、練り機における海苔原藻の練り具合の制御、海苔切断機における海苔原藻の切断の制御、熟成機における海苔原藻の熟成程度の制御、調合機における海苔混合液の濃度制御、乾燥機における乾燥状態の制御等を行う必要がある。ゆえに、文献(1)は課題を残す。
即ち、経済性の確保と、海苔原藻の有効利用を図ることを意図し、また、文献(1)では解明されていない最適な海苔製品の製造の制御を果たす、海苔製品品質制御装置に関する発明が考えられる。本発明は、前記課題の少なくとも一つを解決する。
請求項1の発明は、海苔製品製造工程の一連の過程の中で、パイプに還流させ、ポンプで輸送できる形態である海苔混合液に対して本発明の実施を行い、品質評価の測定・判定原理である波長依存性を利用し、複数個の測定値を得て、海苔混合液の品質を判定し、市場価値の高い海苔製品を製造するために、製造工程の各段階で製造機器の運転条件を決定することを意図する。また、測定対象である海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液の波長依存性を測定・判定原理とするため光源を備えた計測手段とし、測定値に対して比演算を行うため、波長領域が異なる複数個の光源を利用することを意図する。また、得られた測定値に対して比演算を行うために、一つの光源による透過光量と他の光源による透過光量とを選択して、測定値の濃度依存性をなくし、品質評価のための測定結果を得るために比を演算し、測定結果を基に品質評価を行う手段を構成とすることを意図する。さらに、品質評価結果を基に、海苔製品製造機器を制御し、高品質の海苔製品を製造するために、海苔製品製造機器に指令を出す手段を構成とすることを意図する。
請求項1は、海苔製品製造工程における海苔原藻と水とを混合してなる海苔混合液中の海苔原藻及び/又は、海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液の波長依存性と波長領域が異なる複数個の光源により測定した透過光量とに準拠して、海苔混合液の品質を判定し、海苔製品製造条件を制御する海苔製品品質制御装置であって、この海苔製品品質制御装置は、前記海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液に照射した波長領域が異なる複数個の光源の透過光量を測定する計測手段と、この計測手段により測定された透過光量のうち一つの光源による透過光量を選択し、一つの光源による透過光量に対する他の光源による透過光量の比を演算し、この比演算による結果を基に海苔混合液の品質を評価する品質評価手段と、この品質評価手段の指令に基づいて海苔製品製造機器に指令を発する品質制御指令手段と、で構成することを特徴とする海苔製品品質制御装置である。
請求項1の発明において、波長依存性とは、特定波長を吸収する性質をいい、その性質により、物質に特定波長を照射した場合、物質に固有の光学的な透過率を得る。また、他の光源とは、複数個の光源のうち、選択した一つの光源以外の光源をいう。品質評価手段において、他の光源それぞれにより検出した透過光量に対して、一つの光源による透過光量に対する比演算を行う。
請求項2の発明は、測定対象である海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液の波長依存性を測定・判定原理とするため、発光部に光源を備え、測定値に対して比演算を行うため、発光部において波長領域が異なる複数個の光源を利用することを意図する。また、測定対象である海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液に照射した光源の透過光量を検出する受光素子からなる受光部を構成とすることを意図する。さらに、発光部の測定条件・測定方法を制御する駆動回路と、測定値を基に品質を判定し、海苔製品製造機器を制御するために、受光部で検知した光信号を品質評価手段へ転送する受光回路を構成とすることを意図する。
請求項2は、請求項1に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記計測手段は、波長領域が異なる複数個の光源から成る発光部と、前記光源に対応する複数個の受光素子から成る受光部と、前記発光部の光源の発光を制御する駆動回路と、前記受光部で検知した光信号を品質評価手段へ転送する受光回路と、を備えることを特徴とする海苔製品品質制御装置である。
請求項2の発明において、光源に対応する複数個の受光素子とは、海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液に照射した波長領域が異なる複数個の光源の透過光量を測定する、複数個の受光素子をいう。ただし、受光素子の数は、光源の数と同数である必要はなく、例えば、二つの光源に対し、一つの受光素子を対応させてもよい。また、受光部で検知した光信号とは、受光素子で感知した光源の透過光量を受光回路で転送できる状態としたものをいう。例えば、受光素子として、フォトダイオード、シリコンフォトダイオード、Cdsセル等の利用が考えられ、この場合、透過光量を受光部において電気信号に変換し、得られた出力電圧のことをいう。
請求項3の発明は、光透過率(透過光量)が海苔の品質の影響を受けにくい光源として、赤色LEDを利用すること、及び、光透過率(透過光量)が海苔の品質に影響を受ける光源として、青色LED、緑色LED、橙色LEDを利用することを意図する。また、透過光量が品質の影響を受ける光源を使用することにより、品質の影響を受ける透過光量を測定し、品質の判定をすることを意図する。また、透過光量が品質に影響されない光源を使用することにより、濃度の影響を受け品質の影響を受けない透過光量を測定し、品質に左右されない測定値である透過光量に対して比演算を行うことにより、測定結果が濃度による影響を受けることを排除することを意図する。
請求項3は、請求項2に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記発光部は、波長領域が異なる複数個の光源を、赤色LEDと、青色LED、緑色LED又は橙色LEDとの組合せとすることを特徴とした海苔製品品質制御装置である。
請求項3の発明において、赤色LED(赤色発光ダイオード)として、ピーク波長を641nm又は660nm又は700nmとするLED(発光ダイオード)がある。ただし、ピーク波長はこれらの値に限定されない。青色LED(青色発光ダイオード)として、ピーク波長を450nm又は456nm又は489nmとするLEDがある。ただし、ピーク波長はこれらの値に限定されない。緑色LED(緑色発光ダイオード)として、ピーク波長を512nm又は517nm又は555nmとするLEDがある。ただし、ピーク波長はこれらの値に限定されない。橙色LED(橙色発光ダイオード)として、ピーク波長を592nmとするLEDがある。ただし、ピーク波長はこれらの値に限定されない。また、青色LED、緑色LED、橙色LEDそれぞれが、独立した発光部を形成し、これらの発光は、同時であることに限らない。
請求項4の発明は、測定試料である海苔混合液への光源の照射光量を一定にするため、光源の照射光量を測定し、その測定結果に基づき光源の照射光量を駆動回路を通じて制御(照射光量のフィードバック制御)することを意図する。
請求項4は、請求項2に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記計測手段は、前記光源の照射光量を感知する受光素子を備え、前記駆動回路に光源の照射光量を指令する照射光量調節部と、を備えることを特徴とする海苔製品品質制御装置である。
請求項4の発明において、光源の照射光量とは、測定試料である海苔混合液へ照射する、発光部を構成する光源の光量をいう。また、光源の照射光量を感知する受光素子とは、光源の照射光量を感知するために設けた受光素子のことをいい、光源の透過光量を測定するために設けた受光素子とは別のものとする。
請求項5の発明は、品質判定のための測定試料である海苔混合液の光源照射方向の量(海苔混合液を還流させる管の厚み)を調整し、測定において適切な透過光量を得ることを意図する。
請求項5は、請求項2に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記計測手段は、前記光源を照射する海苔混合液用の管が光源の照射方向に薄い偏平構造であることを特徴とする海苔製品品質制御装置である。
請求項5の発明において、前記光源を照射する海苔混合液用の管とは、海苔製品製造工程の一連の過程のなかで原料である海苔混合液を運搬させるための管(パイプ)のうち、光源を照射する部分をいう。この管は、計測手段を構成し、計測手段を構成する発光部と受光部の間に位置し、発光部の光源の照射を受ける。そして、この管の中を一方向に流れる海苔混合液を通過した透過光量が受光部の受光素子で検知される。この光源を照射する海苔混合液が還流する管は、透過光量の測定に影響を及ぼさない透明な材質のものとする。また、光源の照射方向に薄い偏平構造とは、光源を照射する海苔混合液用の管の光源照射方向の厚みが、光源を照射しない部分に比べて薄いことをいう。このとき、海苔混合液の管内の流量を一定とするため、光源の照射方向と垂直方向に管の幅を長くしてもよい。この場合、円滑に海苔混合液の運搬ができ、適切な海苔製品の製造工程を経ることができる。
請求項6の発明は、海苔製品の製造過程において、品質の判定により適切な製造工程を選択し、市場価値の高い海苔製品又は均一な海苔製品を効率的に製造することを意図する。すなわち、練り機において、海苔原藻を適切な固さにすることを制御すること、海苔切断機において、海苔原藻を適切な大きさに切断することを制御すること、熟成機において、海苔原藻を適切な熟成度に制御すること、調合機において、海苔混合液の濃度を適切な値に調合すること、乾燥機において、乾海苔の残存水分量を適切な値に制御することなど、海苔製品の製造工程の条件を選択することを意図する。
請求項6は、請求項1に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記品質制御指令手段は、前記品質評価手段の指令に基づいて、練り機及び/又は海苔切断機及び/又は熟成機及び/又は調合機及び/又は乾燥機に指令を発し、練り機における前記海苔原藻の練り具合の制御及び/又は海苔切断機における前記海苔原藻の切断の制御及び/又は熟成機における前記海苔原藻の熟成の程度の制御及び/又は調合機における海苔混合液の濃度制御及び/又は乾燥機における乾燥状態の制御をすることを特徴とする海苔製品品質制御装置である。
請求項6の発明において、練り機における海苔原藻の練り具合とは、練り機において、海苔原藻を適切な固さにするまで海苔混合液及び/又は海苔原藻を撹拌・混合させたときの、撹拌・混合(練り)の程度である。この練り機による制御は、時間の指定等により行う。また、熟成機による海苔原藻の熟成の程度とは、海苔原藻を水とともに貯蔵庫を備えた熟成機に一定時間保存し、海苔原藻に水を吸収させ柔軟にさせたときの、固さの程度である。この熟成機による制御は、時間の指定等により行う。
請求項1は、海苔製品製造工程における海苔原藻と水とを混合してなる海苔混合液中の海苔原藻及び/又は、海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液の波長依存性と波長領域が異なる複数個の光源により測定した透過光量とに準拠して、海苔混合液の品質を判定し、海苔製品製造条件を制御する海苔製品品質制御装置であって、この海苔製品品質制御装置は、前記海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液に照射した波長領域が異なる複数個の光源の透過光量を測定する計測手段と、この計測手段により測定された透過光量のうち一つの光源による透過光量を選択し、一つの光源による透過光量に対する他の光源による透過光量の比を演算し、この比演算による結果を基に海苔混合液の品質を評価する品質評価手段と、この品質評価手段の指令に基づいて海苔製品製造機器に指令を発する品質制御指令手段と、で構成することを特徴とする海苔製品品質制御装置である。
従って、請求項1の発明は、海苔製品製造工程の一連の過程の中で、パイプに還流させ、ポンプで輸送できる形態である海苔混合液に対して本発明の実施を行い、品質評価の測定・判定原理である波長依存性を利用し、複数個の測定値を得て、海苔混合液の品質を判定し、市場価値の高い海苔製品を製造するために、製造工程の各段階で製造機器の運転条件を決定すること等の特徴がある。また、測定対象である海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液の波長依存性を測定・判定原理とするため光源を備えた計測手段とし、測定値に対して比演算を行うため、波長領域が異なる複数個の光源を利用すること等の特徴がある。また、得られた測定値に対して比演算を行うために、一つの光源による透過光量と他の光源による透過光量とを選択して、測定値の濃度依存性をなくし、品質評価のための測定結果を得るために比を演算し、測定結果を基に品質評価を行う手段を構成とすること等の特徴がある。さらに、品質評価結果を基に、海苔製品製造機器を制御し、高品質の海苔製品を製造するために、海苔製品製造機器に指令を出す手段を構成とすること等の特徴がある。
請求項2は、請求項1に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記計測手段は、波長領域が異なる複数個の光源から成る発光部と、前記光源に対応する複数個の受光素子から成る受光部と、前記発光部の光源の発光を制御する駆動回路と、前記受光部で検知した光信号を品質評価手段へ転送する受光回路と、を備えることを特徴とする海苔製品品質制御装置である。
従って、請求項2の発明は、測定対象である海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液の波長依存性を測定・判定原理とするため、発光部に光源を備え、測定値に対して比演算を行うため、発光部において波長領域が異なる複数個の光源を利用すること等の特徴がある。また、測定対象である海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液に照射した光源の透過光量を検出する受光素子からなる受光部を構成とすること等の特徴がある。さらに、発光部の測定条件・測定方法を制御する駆動回路と、測定値を基に品質を判定し、海苔製品製造機器を制御するために、受光部で検知した光信号を品質評価手段へ転送する受光回路を構成すること等の特徴がある。
請求項3は、請求項2に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記発光部は、波長領域が異なる複数個の光源を、赤色LEDと、青色LED、緑色LED又は橙色LEDとの組合せとすることを特徴とした海苔製品品質制御装置である。
従って、請求項3の発明は、光透過率(透過光量)が海苔の品質の影響を受けにくい光源として、赤色LEDを利用すること、及び、光透過率(透過光量)が海苔の品質に影響を受ける光源として、青色LED、緑色LED、橙色LEDを利用すること等の特徴がある。また、透過光量が品質の影響を受ける光源を使用することにより、品質の影響を受ける透過光量を測定し、品質の判定をすること等の特徴がある。また、透過光量が品質に影響されない光源を使用することにより、濃度の影響を受け品質の影響を受けない透過光量を測定し、品質に左右されない測定値である透過光量に対して比演算を行うことにより、測定結果が濃度による影響を受けることを排除すること等の特徴がある。
請求項4は、請求項2に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記計測手段は、前記光源の照射光量を感知する受光素子を備え、前記駆動回路に光源の照射光量を指令する照射光量調節部と、を備えることを特徴とする海苔製品品質制御装置である。
従って、請求項4の発明は、測定試料である海苔混合液への光源の照射光量を一定にするため、光源の照射光量を測定し、その測定結果に基づき光源の照射光量を駆動回路を通じて制御(照射光量のフィードバック制御)すること等の特徴がある。
請求項5は、請求項2に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記計測手段は、前記光源を照射する海苔混合液用の管が光源の照射方向に薄い偏平構造であることを特徴とする海苔製品品質制御装置である。
従って、請求項5の発明は、品質判定のための測定試料である海苔混合液の光源照射方向の量(海苔混合液を還流させる管の厚み)を調整し、測定において適切な透過光量を得ること等の特徴がある。
請求項6は、請求項1に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記品質制御指令手段は、前記品質評価手段の指令に基づいて、練り機及び/又は海苔切断機及び/又は熟成機及び/又は調合機及び/又は乾燥機に指令を発し、練り機における前記海苔原藻の練り具合の制御及び/又は海苔切断機における前記海苔原藻の切断の制御及び/又は熟成機における前記海苔原藻の熟成の程度の制御及び/又は調合機における海苔混合液の濃度制御及び/又は乾燥機における乾燥状態の制御をすることを特徴とする海苔製品品質制御装置である。
従って、請求項6の発明は、海苔製品の製造過程において、品質の判定により適切な製造工程を選択し、市場価値の高い海苔製品又は均一な海苔製品を効率的に製造すること等の特徴がある。すなわち、練り機において、海苔原藻を適切な固さにすることを制御すること、海苔切断機において、海苔原藻を適切な大きさに切断することを制御すること、熟成機において、海苔原藻を適切な熟成度に制御すること、調合機において、海苔混合液の濃度を適切な値に調合すること、乾燥機において、乾海苔の残存水分量を適切な値に制御することなど、海苔製品の製造工程の条件を選択すること等の特徴がある。
以下、本発明の実施の態様(形態)を説明する。
海苔製品(乾燥海苔等)の製造を、図1に基づき説明する。図1は、海苔製品製造工程を示した図である。図1は使用する装置を記載し、各工程を示す。
海苔製品(乾燥海苔)の製造は、一般に、海苔原藻と水とを混合してなる海苔混合液を原料とし、洗浄工程、脱水工程、練り工程、切断工程、熟成工程、調合工程、海苔抄製工程、乾燥工程からなる。本発明の海苔製品品質制御装置の使用は、海苔製品の製造過程において行い、洗浄工程、脱水工程を経た後、すなわち洗浄槽、脱水装置を使用した後で、いずれの段階でおこなってもよい。ただし、海苔混合液の調整を行う前である、洗浄工程(洗浄槽)、脱水工程(脱水装置)の後に行うことが望ましい。もしくは、水溶性物質をより溶存させるため、切断工程(海苔切断機)の後に行うことが望ましい。図1において、海苔製品品質制御装置の使用は、脱水装置の使用の後、又は海苔切断機の使用の後の、いずれの段階で行ってもよいことを示す。
本発明である海苔製品品質制御装置の使用の対象である海苔原藻と水とを混合してなる海苔混合液は、海苔原藻と、真水、海水、又は真水と海水の混合液との混合物である。海水又は真水と海水の混合液を使用することは、光学的手段により検出する透過光量に影響を及ぼさない。また、海苔混合液中の水は、海苔原藻の水溶性物質を溶存する。
本発明である海苔製品品質制御装置を、図2に基づき説明する。図2は、海苔製品品質制御装置の概念図である。
海苔製品品質制御装置1は、計測手段2、品質評価手段3、及び品質制御指令手段4からなる。計測手段2は、発光部5、受光部6、発光部5を制御する駆動回路7、及び受光部6で検知した光信号を品質評価手段3へ転送する受光回路8からなり、海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液に照射した波長領域が異なる複数個の光源の透過光量を測定する。品質評価手段3は、演算装置を備え、前記計測手段2により測定された透過光量のうち一つの光源による透過光量を選択し、一つの光源による透過光量に対する他の光源による透過光量の比を演算し、この比演算による結果を基に海苔混合液の品質を評価する。また、品質制御指令手段4は、品質制御指令装置を備え、この品質評価手段3の指令に基づいて、海苔製品製造機器に指令を発する。
海苔製品品質制御装置1を構成する計測手段2を、図3、図4、図5に基づき説明する。図3は、計測手段2の横断面図を示す模式図である。図4は、計測手段2の縦断面図である。また、図5は、計測手段2の要部を示す横断面図である。
計測手段2は、発光部5、受光部6、発光部5を制御する駆動回路7、及び受光部6で検知した光信号を品質評価手段3へ転送する受光回路8からなる。
計測手段2を構成する発光部5は、波長領域が異なる複数個の光源9から構成される。光源9は、可視領域の波長を有する発光ダイオード(LED)を用いる。光源は、基準の光源として、その波長の光透過率(透過光量)が海苔の品質に影響を受けにくい光源、及び、副次の光源として、光透過率(透過光量)が海苔の品質に影響を受ける光源を利用する。基準の光源(波長の光透過率(透過光量)が海苔の品質に影響を受けにくい光源)として、赤色LEDがある。また、副次の光源(光透過率(透過光量)が海苔の品質に影響を受ける光源)として、青色LED、緑色LED、橙色LEDがある。ただし、光源は、これらに限定されない。
発光部5の構成を、図6、図7に基づき説明する。図6は、発光部5を示す正面図であり、図7は、発光部5を示す斜視図である。
発光部5の構成は、光源中央部に基準の光源9である赤色LEDを1個配置し、その周りに副次の光源9である青色LEDを6個配置した構成である。同様に、周囲に副次の光源9である緑色LEDを6個配置した構成、周囲に副次の光源9である橙色LEDを6個配置した構成がある。赤色LEDとして、ピーク波長を641nmとするLED、青色LEDとして、ピーク波長を456nmとするLED、緑色LEDとして、ピーク波長を517nmとするLED、橙色LEDとして、ピーク波長を592nmとするLEDがあるが、光源9はこれらに限定せず、その光源9の光透過率が海苔の品質に影響を受けやすい、あるいは、受けにくい光源9を選択する。また、上記のごとく副次の光源9を6個配置したのは、測定に適切な光量を得るためである。このように、光源9の数は、測定に適切な光量を得るのに必要な数を選択する。また、パルス電流で駆動し、見かけの平均光量を連続発光時の光量と比較して、増大させてもよい。また、基準の光源9および副次の光源9の配置は、上記に限定されない。上記の光源9の配置は、光源9に対応する受光部6(受光素子10)を、中心の基準の光源9に対する受光部6と、その周りに配置した副次の光9源に対する受光部6とを同一とすることができ、受光部6の感度の調整を必要とせず、測定誤差を小さくする等の特徴がある。なお、LED1個当たりの光強度が大きい橙色LEDが実用において有利である。また、赤色LED1個と、橙色LED6個の光透過率が同程度の値となることから、精度を高めるには橙色LEDの利用が望ましい。
また、LEDの発光量は温度に依存する。ゆえに、測定試料である海苔混合液への光源9の照射光量を一定にするため、光源9の照射光量を測定し、その測定結果に基づき光源9の照射光量を駆動回路7を通じて制御(照射光量のフィードバック制御)することを意図し、前記光源の照射光量を感知する受光素子12を備え前記駆動回路7に光源9の照射光量を指令する照射光量調節部13を設けてもよい。このように、測定温度の影響を受けずにLEDの照射光量を一定にするために、フィードバック用受光素子を用いる他に、温度を測定し、測定温度に基づき光源9の照射光量を駆動回路7を通じて制御(照射光量のフィードバック制御)する構成を設けてもよい。
受光部6を構成する受光素子10としてフォトダイオードを用いる。受光部6は、各光源9に対応する構造とする。
また、品質判定のための測定試料である海苔混合液の光源照射方向の量(海苔混合液を還流させる管の厚み)を調整し、測定において適切な透過光量を得ることを意図し、光源9を照射する海苔混合液用の管(パイプ11)を光源の照射方向に薄い偏平構造としてもよい。この管(パイプ11)は、計測手段2を構成し、計測手段2を構成する発光部5と受光部6の間に位置し、発光部5の光源9の照射を受ける。この光源9を照射する海苔混合液が還流する管(パイプ11)は、透過光量の測定に影響を及ぼさない透明なものとする。このとき、海苔混合液の管内の流量を一定とするため、光源9の照射方向と垂直方向に管(パイプ11)の幅を長くしてもよい。
次に、前記構成に基づく本発明の動作について説明する。
まず、上記発光部5を構成する各光源9を、所定回、試料に照射する。そして、各透過光量を測定し、透過光信号を受光部6において電気信号に変換し、得られた出力電圧をAD変換ボードを介してデジタル信号とし、品質評価手段3を構成する演算装置に入力する。光源9の照射は、例えば、最初に赤色LEDが発光した後に、青色LED、緑色LED、橙色LEDそれぞれが発光し、試料に照射する。そして、各透過光量を受光部6(受光素子10)が検知し、この出力値を演算装置に入力する作業を繰り返す。この場合、青色LED、緑色LED、橙色LEDはそれぞれ独立して発光部5を構成し、その発光は同時であることに限らない。また、赤色LEDと青色LED、緑色LED、橙色LEDの発光の順番は限定しない。
そして、演算装置において得られた所定回の各光源9の透過光量を示す出力電圧の平均を演算する。光源9の出力光量は、同装置を用いているため、一定となっている。ただし、製造装置のパイプ11を流れる海苔混合液の濃度は、一定でない。このように、透過光量が濃度に左右されるため、演算装置において、各試料に対し、光源9が基準の光源9(波長の光透過率(透過光量)が海苔の品質に影響を受けにくい光源)である赤色LEDにおける透過光量に対する、副次の光源9(光透過率(透過光量)が海苔の品質に影響を受ける光源)の透過光量の比(比演算結果の値(測定結果))を求め、測定結果の濃度依存性をなくす。
すなわち、演算装置において光源9を赤色LEDとする透過光量に対して、光源9を青色LEDとする透過光量の比を求める。また、光源9を赤色LEDとする透過光量に対して、光源9を緑色LEDとする透過光量の比を求める。さらに、光源9を赤色LEDとする透過光量に対して、光源9を橙色LEDとする透過光量の比を求める。
品質の判断は、演算装置において、経験的に求めた比演算結果(経験的に求めた品質の判定基準値)と照らし合わせて判断する。経験的に求めた比演算結果(経験的に求めた品質の判定基準値)とは、品質をあらかじめ目視、手触り等で認定した試料(経験則に使用する試料)に対し測定を行い、そのとき得られた比演算の値をいう。品質を目視、手触り等で認定する対象の試料(経験則に使用する試料)は、海苔製品(乾燥海苔)の状態のものとする。ただしこれに限定されず、海苔混合液、海苔混合液中の海苔原藻、抄き海苔等、図1に示す海苔製品製造工程の各段階における、いずれかにおいて採取できる試料としてもよい。
そして、演算装置において、品質を階級に分け判定する。品質の階級は、例えば、Aランク、Bランク、Cランクといった3階級に設定することができるが、これに限定されない。品質の判定は、例えば品質の階級を3段階に設定した場合、それぞれの階級の試料に対し、経験的に求めた比演算結果(経験的に求めた品質の判定基準値)を設定し、測定値が設定した経験的に求めた比演算結果(経験的に求めた品質の判定基準値)のうち、どの値に一番近いか判断し品質の階級を判定する。
また、各発光部5を構成する光源9の種類ごとに得た比演算による測定の結果を比較して、品質を判定してもよい。
そして、品質評価手段3からの指令を品質制御指令手段4が受け、品質制御指令手段4は品質の判定結果より、練り機における前記海苔原藻の練り具合の制御及び/又は海苔切断機における前記海苔原藻の切断の制御及び/又は熟成機における前記海苔原藻の熟成の程度の制御及び/又は調合機における海苔混合液の濃度制御及び/又は乾燥機における乾燥状態等の制御をする。
練り機における海苔原藻の練り具合の制御は、練り(撹拌)の時間の指定等により海苔原藻の固さを制御して行う。また、海苔切断機における海苔原藻の切断の制御は、切断の大きさの指定等により行う。熟成機における海苔原藻の熟成の程度の制御は、貯蔵庫への保存時間の指定等により海苔原藻の固さを制御して行う。調合機における海苔混合液の濃度制御は、海苔混合液へ加える水の量の指定等により海苔混合液を適切な濃度に制御して行う。さらに、乾燥機における乾燥状態等の制御は、乾燥機の温度(熱量)、抄製海苔の乾燥機内での循環の速さ、乾燥時間の指定等により行う。
以下、本発明の実例試験を基にした実施例を説明する。
測定は、試料を下記に述べる採取条件である海苔原藻と水とを混合してなる海苔混合液として行った。
試料1 採取回数 1回目 採取時期 平成14年12月 3日
試料2 採取回数 2回目 採取時期 平成14年12月10日
試料3 採取回数 3回目 採取時期 平成15年 1月17日
試料4 採取回数 4回目 採取時期 平成15年 1月31日
試料5 採取回数 5回目 採取時期 平成15年 2月20日
試料6 採取回数 6回目 採取時期 平成15年 3月10日
計測手段を構成する発光部において、光源は、基準の光源として赤色LEDを使用し、また、副次の光源として青色LED、緑色LED、橙色LEDを使用した。
各試料に対し、各光源につき所定回、光源を照射し、受光部において、透過光量を測定して透過光信号を電気信号に変換し、得られた出力電圧をAD変換ボードを介してデジタル信号とし、品質評価手段を構成する演算装置へ入力した。測定は、発光部において、最初に赤色LEDが発光した後に、青色LED、緑色LED、橙色LEDが発光し、受光部において、それぞれの透過光量を測定し、この測定値を演算装置に入力する作業を繰り返した。
測定は、名古屋市の某工業研究所内にて行った。
Figure 2007089424
図表1 試料1に対する、赤色LEDと青色LEDの透過光量

図表1は、横軸を時間とし、縦軸を演算装置に入力した透過光量を示す出力電圧とする測定図である。発光部において、最初に赤色LEDが発光した後に青色LEDを発光させ、測定を行ったことにより、受光部で感知された赤色LEDに対する透過光量を示す出力電圧と青色LEDに対する透過光量を示す出力電圧とが、時間差をおいて演算装置へと出力されたことを示す。図表1において、基準の光源と副次の光源とを用いた測定が7回行われたことを示す。
Figure 2007089424
図表2 試料1に対する、赤色LEDと緑色LEDの透過光量

図表2は、発光部において、最初に赤色LEDが発光した後に緑色LEDを発光させ、測定を行ったことにより、受光部で感知された赤色LEDに対する透過光量を示す出力電圧と、緑色LEDに対する透過光量を示す出力電圧とが、時間差をおいて演算装置へと出力されたことを示す。
Figure 2007089424
図表3 試料1に対する、赤色LEDと橙色LEDの透過光量

図表3は、発光部において、最初に赤色LEDが発光した後に、橙色LEDを発光させ、測定を行ったことにより、受光部で感知された赤色LEDに対する透過光量を示す出力電圧と、橙色LEDに対する透過光量を示す出力電圧とが、時間差をおいて演算装置へと出力されたことを示す。
品質評価装置を構成する演算装置において、入力された所定回の各光源の出力電圧の平均を演算し、各試料において、光源を赤色LEDとする透過光量(出力電圧)に対する青色LED、緑色LED又は橙色LEDの透過光量(出力電圧)の比を求めた。
Figure 2007089424
図表4 試料1〜6に対する、赤色LEDの透過光量に対する各光源の透過光量の比

図表4は、試料1〜6に対して、演算装置での演算結果である、赤色LEDの透過光量に対する各光源の透過光量の比を示した図である。一般に、海苔は、採取回数が増すにつれ、品質が低下することが知られている。本実例試験において、図表4の如く、求めた比が採取回数が増すにつれて、増加するという同じ傾向が得られた。従って、本発明である海苔製品品質制御装置を利用した測定に基づき、海苔混合液の品質を判定することができる。なお、採取回数3回目のデータについては数値の変動があるが、測定試料の状態に沿うものである。また、海苔は自然の条件により品質が異なることを付言する。
本発明の他の実施例を示す。
海苔製品品質制御装置を構成する品質評価手段において、計測手段により測定された透過光量のうち2以上の光源による透過光量を選択し、選択した前記2以上の光源による透過光量に対する他の光源による透過光量の比を演算し、この比演算による結果を基に海苔混合液の品質を評価する品質評価手段がある。
この品質評価手段によれば、基準の光源(波長の光透過率(透過光量)が海苔の品質に影響を受けにくい光源)として、2以上を選択し、それぞれの基準の光源の透過光量に対して他の光源の透過光量の比演算を行い、演算結果を比較して、より確実に品質を判定することができる。
また、品質評価手段において、得られた所定回(全測定回又は全測定回のうちの数回)の各光源の透過光量の測定値の平均を演算し、透過光量の平均値を基に比演算を行う構成の他に、複数個の光源の照射を、2回以上行い、測定回ごとに比演算を行ってもよい。この場合、各測定時において海苔混合液の品質の判定ができ、品質制御指令手段4から海苔製品製造機器に指令を発する。さらに、品質評価手段において、これらの比演算結果の平均値を求め、これらの比演算による測定の結果を比較して、品質を判定してもよい。
また、品質評価手段において、基準の光源と副次の光源の照射ををそれぞれ1回のみ行い比演算をし、これらの比演算による測定の結果より、品質を判定してもよい。この場合、短時間での測定が可能となり、後の海苔製品製造工程の条件をより速やかに判断できる。
本発明のさらに他の実施例を示す。
本発明である海苔製品品質制御装置の実施において、海苔混合液又は海苔原藻の品質を判定し、海苔混合液、海苔原藻、海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液それぞれ単独に対して計測手段を構成する光源を照射し、透過光量を検出するとしてもよい。海苔原藻の測定については、海苔原藻をプレパラートにセットし、測定してもよい。この場合、海苔製品製造の状況に応じて適切な品質の判定ができる。
また、本発明である海苔製品品質制御装置の実施において、海苔原料の成分として挙げられるクロロフィル、カロチノイド、フィコエリスリン、フィコシアニン等の品質と相関関係がある成分の含有の程度を個別に光学的に計測し、この計測値を比演算して評価し、この評価値に基づいて、練り機における前記海苔原藻の練り具合の制御、海苔切断機における前記海苔原藻の切断の制御、熟成機における前記海苔原藻の熟成の程度の制御、調合機における海苔混合液の濃度制御、乾燥機における乾燥状態の制御を行うとしてもよい。
さらに、本発明である海苔製品品質制御装置を、海苔製品製造工程における海苔原藻と海苔原藻の成分を溶解する液体とを混合してなる海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の成分を溶存した溶液の波長依存性と波長領域が異なる複数個の光源により測定した透過光量とに準拠して海苔混合液の品質を判定し、海苔製品製造条件を制御する海苔製品品質制御装置としてもよい。
このように、海苔混合液を、海苔原藻と水以外の液体とから構成してもよい。水以外の液体として、例えば、エタノール等のアルコールがある。この場合、海苔原藻及び/又は海苔原藻の構成成分のうち用いた液体に溶解する成分を溶存する溶液の波長依存性とを基に、光学的手段により透過光量を検出する。この場合、用いた液体に溶解する特定成分の量の程度が測定でき、製造する海苔製品の特定成分の含有量の程度を測定する等の特徴がある。
この場合、例えば、海苔混合液の品質とは、乾海苔の鑑定検査の検査員等、海苔製品の製造に携わる専門家が判断する基準(色調、つや、香気、味覚等)に基づき判断する品質の階級であり、香気成分や、味覚成分であるアラニン、グリシン、イソフロリドシド、グルタミン酸ソーダ、イノシン酸、グアニル酸等の、品質と相関関係がある成分の含有の程度を個別に光学的に計測し、この計測値を比演算して評価し、この評価値に基づいて、この海苔調合液の濃度制御及び/又は海苔切断機における海苔原藻の切断形態及び/又は海苔熟成機における原藻海苔の熟成状態及び/又は海苔乾燥機における乾燥状態の制御など、海苔製品の製造工程の条件の制御ができる。
また、発光部を構成する、透過光量の測定に用いる光源は、2個、3個、4個又は5個としてもよい。計測手段において透過光量を検出し、また、光源の光量を測定して、光透過率又は吸光度を求め、光透過率又は吸光度を用いて比演算をしてもよい。
また、発光ダイオードの他に、光源として、白色光より、色分解プリズム、フィルター等で取り出した特定波長の光がある。設計に応じた光源の選択が可能である。
海苔の品質の影響を受けない波長域として、420nmの光領域、700nmの光領域、840nmの光領域が考えられ、光源として赤外LEDがある。赤外LEDとして、ピーク波長を980nm又は1300nmとするLEDがある。ただし、ピーク波長はこれらの値に限定されない。
品質評価手段から品質制御指令手段へと送達される指令、及び品質制御指令手段から海苔製品製造機器に送達される指令は、電気・電子的に行うものとする。このとき、有線・無線を問わない。
海苔製品製造工程を示した図である。 本発明である海苔製品品質制御装置の概念図である。 計測手段の横断面図を示す模式図である。 計測手段の縦断面図である。 計測手段の要部を示す横断面図である。 発光部を示す正面図である。 発光部を示す斜視図である。
符号の説明
1 海苔製品品質制御装置
2 計測手段
3 品質評価手段
4 品質制御指令手段
5 発光部
6 受光部
7 駆動回路
8 受光回路
9 光源
10 受光素子
11 パイプ
12 光源の照射光量を感知する受光素子
13 照射光量調節部

Claims (6)

  1. 海苔製品製造工程における海苔原藻と水とを混合してなる海苔混合液中の海苔原藻及び/又は、海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液の波長依存性と波長領域が異なる複数個の光源により測定した透過光量とに準拠して、海苔混合液の品質を判定し、海苔製品製造条件を制御する海苔製品品質制御装置であって、
    この海苔製品品質制御装置は、前記海苔混合液中の海苔原藻及び/又は海苔原藻の水溶性物質を溶存した水溶液に照射した波長領域が異なる複数個の光源の透過光量を測定する計測手段と、この計測手段により測定された透過光量のうち一つの光源による透過光量を選択し、一つの光源による透過光量に対する他の光源による透過光量の比を演算し、この比演算による結果を基に海苔混合液の品質を評価する品質評価手段と、この品質評価手段の指令に基づいて海苔製品製造機器に指令を発する品質制御指令手段と、で構成することを特徴とする海苔製品品質制御装置。
  2. 請求項1に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記計測手段は、波長領域が異なる複数個の光源から成る発光部と、前記光源に対応する複数個の受光素子から成る受光部と、前記発光部の光源の発光を制御する駆動回路と、前記受光部で検知した光信号を品質評価手段へ転送する受光回路と、を備えることを特徴とする海苔製品品質制御装置。
  3. 請求項2に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記発光部は、波長領域が異なる複数個の光源を、赤色LEDと、青色LED、緑色LED又は橙色LEDとの組合せとすることを特徴とした海苔製品品質制御装置。
  4. 請求項2に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記計測手段は、前記光源の照射光量を感知する受光素子を備え、前記駆動回路に光源の照射光量を指令する照射光量調節部と、を備えることを特徴とする海苔製品品質制御装置。
  5. 請求項2に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記計測手段は、前記光源を照射する海苔混合液用の管が光源の照射方向に薄い偏平構造であることを特徴とする海苔製品品質制御装置。
  6. 請求項1に記載の海苔製品品質制御装置であって、前記品質制御指令手段は、前記品質評価手段の指令に基づいて、練り機及び/又は海苔切断機及び/又は熟成機及び/又は調合機及び/又は乾燥機に指令を発し、練り機における前記海苔原藻の練り具合の制御及び/又は海苔切断機における前記海苔原藻の切断の制御及び/又は熟成機における前記海苔原藻の熟成の程度の制御及び/又は調合機における海苔混合液の濃度制御及び/又は乾燥機における乾燥状態の制御をすることを特徴とする海苔製品品質制御装置。
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