JP2007089297A - 車載超電導機器の冷却システムおよび超電導利用自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 天然ガスを燃料として用いて走行する自動車において、超電導現象を利用した効率の高い超電導機器を用いることにより、さらにエネルギー損失の少ない電気エネルギーの利用を可能とする車載超電導機器の冷却システムおよび超電導利用自動車を提供する。
【解決手段】 液化天然ガスを収容するタンクおよびこの天然ガスを用いて駆動力を得る天然ガス利用機関を備えた自動車に搭載された超電導機器と、前記超電導機器を収容した状態で超電導冷却媒体が充填されることにより超電導機器を低温状態に保つことができる保冷容器と、液化天然ガスを冷熱源として圧縮によって昇温させた超電導冷却媒体を冷却する熱交換器とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 液化天然ガスを収容するタンクおよびこの天然ガスを用いて駆動力を得る天然ガス利用機関を備えた自動車に搭載された超電導機器と、前記超電導機器を収容した状態で超電導冷却媒体が充填されることにより超電導機器を低温状態に保つことができる保冷容器と、液化天然ガスを冷熱源として圧縮によって昇温させた超電導冷却媒体を冷却する熱交換器とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車載超電導機器の冷却システムおよび超電導利用自動車に関し、詳しくは、モータ、発電機、超電導電力貯蔵装置(SMES)などの超電導機器を安定した状態で冷却するものである。
近年、ガソリンなどの燃料資源の枯渇や排気ガスによる環境悪化を改善すべく、ガソリン以外のエネルギー源を用いて走行する自動車などの開発が進められている。その一つに、液体水素を用いて電気エネルギーを生成する燃料電池と、この燃料電池を用いて生成された電気エネルギーを用いたモータとを備えた電気自動車がある。また、水素を燃焼させて駆動力を得る内燃機関を備えた水素自動車も考えられている。これらは何れも水素を用いて駆動力を得る水素利用機関を備える自動車であり、地球環境に優しい自動車として注目されている。
さらに、近年ではガソリンエンジンなどの内燃機関を用いて走行する自動車の駆動力を電気エネルギーとして回収するための発電機や、電気エネルギーを用いて自動車を走行させるための駆動力を得るモータを備えた、いわゆるハイブリッド自動車も考えられている。また、燃料電池を用いた電気自動車や水素自動車においても電気を用いて動力を回収して再利用することが考えられている。
一方、特開平6−6907号(特許文献1)には、超電導材料が極低温に冷却されることにより電気抵抗が0になる超電導現象を利用し、電気機器に超電導材料を用いることにより、効率を大幅に向上させた、超電導機器が得られることが記載されている。例えば、超電導モータを採用すれば、超電導コイルでの損失がなくなり高効率になると共に、モータ自身を小型化および高出力化することができる。超電導機器は、他にも発電機、変圧器、超電導電力貯蔵装置(SMES)などが考えられている。
ところが、この超電導機器を用いる場合、超電導材料の超電導特性を発揮させて大電流を通電するために、超電導材料を極低温に冷却し続ける必要があった。そして、その極低温に冷却するための冷熱源として、液体水素、液体窒素などが用いられている。そこで、水素自動車の場合は、水素利用機関によって消費される液体水素を冷熱源として用いることにより、超電導機器が超電導状態を保つ程度に低温状態となるように、これを冷却することができる。
ところが、水素はその体積あたりのエネルギー密度が2Mcal/Lと小さいので、水素をエネルギー源として用いた水素利用機関を搭載した自動車は、実用レベルで使用可能な走行距離を得るためには、十分に大量の水素を収容する大きな容量のタンクを用いる必要があった。さらに、液体水素は蒸発しやすく、すぐに枯渇するという問題があり、液体水素を用いた電気自動車は実用性に問題があった。
他方、天然ガスのエネルギー密度は5Mcal/Lであるから、水素に比べて2.5倍程度多くのエネルギーを引き出すことができる。そこで、自動車に液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)などを燃料として収容するタンクを設けて、天然ガスを燃料として利用し、例えば、天然ガスを燃焼させて駆動力を得る内燃機関を備えた天然ガス自動車がある。また、LNGを水素に改質して燃料電池に供給することにより、モータなどを駆動する電気エネルギーを得る電気自動車も考えられる。これらは何れも天然ガスを用いて駆動力を得る天然ガス利用機関を備える自動車であるということができる。
特開平6−6907号公報
ところが、LNGの沸点は110K程度であり液体水素に比べて高温である。このため、天然ガスを用いて駆動力を得る天然ガス利用機関を設けた場合、このLNGを冷熱源として用いても、十分な冷却を行うことができなかった。現状では、ビスマス系の超電導材料の中に、111Kで超電導状態になるものがあるが、LNGを用いた場合は、これをかろうじて超電導状態にまで冷却することしかできなかった。つまり、超電導材料を用いた超電導機器が十分に良好な性能を発揮するためには、この超電導機器を臨界温度(111K)よりも十分に低温となるように冷却する必要があるが、LNGを冷熱源として用いた場合はこれが難しかった。
また、自動車のように限られたスペース内に収容する場合、冷却システムが複雑で大型化することは好ましくない。さらに、自動車の場合は特に走行時に常に振動するので、超電導機器を冷却するだけのために前記ガス漏れの発生する危険性がある部分を増加させる大型の装置を取り込むことは実用的ではなかった。
本発明は前記問題を考慮に入れてなされたものであり、その目的は、天然ガスを燃料として用いて走行する自動車において、超電導現象を利用した効率の高い超電導機器を用いることにより、さらにエネルギー損失の少ない電気エネルギーの利用を可能とする車載超電導機器の冷却システムおよび超電導利用自動車を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、
液化天然ガスを収容するタンクおよびこの天然ガスを用いて駆動力を得る天然ガス利用機関を備えた自動車に搭載された車載超電導機器の冷却システムであって、
超電導機器と、
前記超電導機器を収容した状態で超電導冷却媒体が充填されることにより超電導機器を低温状態に保つことができる保冷容器と、
熱交換器とを有し、かつ、
この熱交換器が、前記超電導冷却媒体を圧縮することにより昇温させる圧縮手段と、昇温させた超電導冷却媒体を液化天然ガスによって冷却する熱交換手段と、この熱交換手段によって冷却した超電導冷却媒体を減圧によって降温させる減圧手段とを備えてなることを特徴とする車載超電導機器の冷却システムを提供している。
液化天然ガスを収容するタンクおよびこの天然ガスを用いて駆動力を得る天然ガス利用機関を備えた自動車に搭載された車載超電導機器の冷却システムであって、
超電導機器と、
前記超電導機器を収容した状態で超電導冷却媒体が充填されることにより超電導機器を低温状態に保つことができる保冷容器と、
熱交換器とを有し、かつ、
この熱交換器が、前記超電導冷却媒体を圧縮することにより昇温させる圧縮手段と、昇温させた超電導冷却媒体を液化天然ガスによって冷却する熱交換手段と、この熱交換手段によって冷却した超電導冷却媒体を減圧によって降温させる減圧手段とを備えてなることを特徴とする車載超電導機器の冷却システムを提供している。
前記構成によれば、天然ガス利用機関が駆動力を得るために消費する天然ガスを冷熱源として有効活用して、超電導冷却媒体を冷却することができる。つまり、超電導冷却媒体を圧縮手段によって圧縮することにより、その温度を昇温させ、LNGはタンクから天然ガス利用機関に供給されるときに減圧して気化するときにさらに周囲の熱を奪うことができるので、熱交換器内においてLNGによって超電導冷却媒体から熱を吸収することができる。そして、LNGによって冷却した超電導冷却媒体を減圧手段によって減圧させてこれを降温させることにより、その温度をさらに引き下げることができる。したがって、LNGの液化温度は110K程度であったとしても、超電導冷却媒体の温度をそれ以下に下げることができる。
前記超電導冷却媒体としては液化温度(沸点)がLNGより低いガスであれば何を用いてもよく、窒素、ネオン、水素、ヘリウムに加えて、アルゴンや酸素などを用いてもよい。また、超電導冷却媒体は不活性なものであることが好ましく、以下の説明は窒素を用いる例を示し、この場合、超電導機器の温度は70K程度に下げることができる。ここで、超電導機器の温度を室温(約300K)から70K程度まで下げるには多くのエネルギーが必要であるが、LNGの温度(約110K程度)から70K程度まで下げるのは比較的少ないエネルギーで行うことができる。
前記超電導機器はモータおよび/または発電機であることが好ましい。すなわち、二次電池などの電源から供給される電気エネルギーや、天然ガスを水素に改質して燃料電池に供給することによって生成される電気エネルギーを用いて自動車の駆動力を効率よく得たり、自動車の駆動力の余剰分を電気エネルギーに変換して二次電池に蓄積して、これを再利用することが可能である。さらに、超電導機器は高出力でありながら小型化が可能であるからモータおよび/または発電機の大きさを可及的に小型化できるので、自動車内部の狭い空間に十分に強力なモータおよび/または発電機を配置することができる。
前記超電導機器が超電導コイルを有する場合、自動車の動力から回収した電気エネルギーを損失なく蓄えることができるので、さらに効率のよいエネルギーの利用を達成できる。
本発明は、前記車載超電導機器の冷却システムを備える超電導利用自動車も提供する。
前記構成によれば、天然ガス利用機関が消費する天然ガスを冷熱源として用い、圧縮することにより昇温させた超電導冷却媒体を冷却することができ、超電導冷却媒体の温度を下げて、超電導機器の低温状態を保つことができる。とりわけ、超電導機器の温度を室温(約300K)から70K程度まで下げるには多くのエネルギーが必要であるが、LNGの温度(110K程度)から70K程度まで下げるのは比較的少ないエネルギーで行うことができるので、エネルギー効率がよい。また、超電導機器が利用している冷熱源は天然ガス利用機関が消費する液化天然ガスから得られるので、新たな冷熱源を設ける必要がない。
超電導機器は同程度の性能を有する常伝導の電気機器に比べて小型化することができるので、狭い自動車の車内に配置するのに適している。さらに、超電導機器はその効率を可及的に引き上げることができるので、損失するエネルギーをできるだけ小さくして、燃料消費率を向上させることができる。
前述したように、本発明によれば、天然ガス利用機関によって消費される液化天然ガスを冷熱源として用いることにより、他に冷熱源を備えることなく超電導機器を超電導状態に保つことができる程度に冷却することができる。つまり、効率のよい冷却システムおよび超電導利用自動車を得ることができる。
図1は第1実施例の超電導利用自動車1の構成を示す図である。図1において、2は液化天然ガス(以下、LNGという)を収容するタンク、3は天然ガスを用いて駆動力を得る天然ガス利用機関の一例であるエンジン、4はエンジン3の出力軸3aに設けたクラッチ、5は出力軸3aのクラッチ4より下流側に設けた超電導機器の一例としての超電導モータ、6は変速機、7はプロペラシャフト7a,デファレンシャルギア7b,ドライブシャフト7cからなり超電導利用自動車1の後輪Wrを駆動する動力伝達手段、8は超電導モータ5に電力を供給する電源、9はエンジン3の動力を用いて電気エネルギーを発電する発電機である。
10は車載超電導機器の冷却システムであり、前記超電導モータ5を収容した状態で超電導冷却媒体として液体窒素Nが充填されることにより超電導機器5を低温状態に保つことができる保冷容器11と、熱交換器12と、LNGの流れを制御する流量制御弁14と、保冷容器11内の温度を測定する温度センサ15と、熱交換器12内の温度を測定する温度センサ16と、制御部17とを有する。
前記タンク2は自動車1が実用的な距離を走行するために必要な燃料となるLNGを収容する程度の容積を有するものであり、エンジン3は燃料管2aを介して供給される天然ガスを燃料として駆動力を得るものである。従って、エンジン3は使用者の要求に応じてタンク2からのLNGの供給を受けてこれを燃焼することにより所定の駆動力を得る。
クラッチ4はエンジン3から出力される駆動力を動力伝達手段7側に出力する状態と、動力伝達手段7から切り離した状態を切り替え可能とするものである。つまり、クラッチ4を切り離した状態でエンジン3を回転させることにより、発電機9によって電気エネルギーを発電し、クラッチ4を繋いだ状態ではエンジン3から出力される駆動力のうち一部を用いて電気エネルギーを発電し、残りを動力伝達手段7側に出力する。
超電導モータ5は超電導材料を用いて形成されたモータであり、小型でありながらも自動車1を駆動するために十分に強力な駆動力を得る。また、超電導モータ5はビスマス系の超電導材料によって形成されているので、111K程度の温度で超電導の特性を利用して電気エネルギーを効率よく駆動力に変換する。
前記変速機6は4段階の変速を行うオートマチックの変速を行うものであるが、5段階以上の変速を行うものであっても、無段階変速を行うものであっても、手動の変速を行うものであってもよい。また、前記動力伝達手段7は後輪Wrを駆動するものである場合の例を示しているが、自動車1が前輪Wfを駆動するものであったり四輪駆動である場合には異なる構成となることはいうまでもない。
電源8はとりわけ自動車1に発電機9を搭載して駆動力から電気エネルギーを得るように構成した場合には、リチウムイオン電池や鉛蓄電池などの二次電池や電気二重層キャパシタであることが好ましいが燃料電池であってもよい。つまり、天然ガスを水素に改質して燃料電池に供給することにより、燃料電池から電気エネルギーを生成してこれを超電導モータ5に供給してもよい。また、この場合の燃料電池は天然ガス利用機関の一つである。
本実施例の発電機9はエンジン3から出力される駆動力の一部を用いて電気エネルギーを発電するものである。
図2は前記冷却システム10の構成を拡大して示す図である。図2に示すように保冷容器11は、断熱層11aと、モータ5の回転軸を回動自在に枢支すると共に内部の液体窒素Nが外部に漏れないようにする軸受け11b、11cと、液体窒素Nの流入口11dと窒素ガスの流出口11eとを備える。
前記熱交換器12は冷却容器11の前記流入口11dおよび流出口11eに連通して窒素を流通する内部流路12aと、前記燃料管2aに連通して天然ガスを流通する内部流路12bとを備えて、冷却容器11の一面に当接する熱伝導性に優れた金属(例えばアルミなど)からなるブロック体12c(熱交換手段)であり、その外周面には断熱層12dが形成されている。また、内部流路12aには窒素を圧縮によって昇温させる圧縮手段としてのポンプ12eと、減圧手段の一例としての絞り部12fが形成されている。
12gは流入口11d、流出口11eと内部流路12aが連通する部分に設けたOリングであり、これらのOリング12gによって冷却容器11と熱交換器12との接続部におけるシールを十分に行うことにより、冷却容器11内の液体窒素が外部に漏れないようにする。また、熱交換器12が熱伝導性に優れた金属からなるブロック体12cであるから、2つの内部流路12a,12bを流れる流体間で効率よく熱交換を行う、また、熱交換の効率がよいので小型化を達成する。さらに、ブロック体12cである熱交換器12は、窒素ガスを流すための配管を複雑に配置したものに比べて堅牢性に優れており、常に振動する自動車1内に配置するのに適している。
流量制御弁14は燃料管2aに流れる天然ガスの流量を調整するための流路開閉機構を備えた電磁弁であり、エンジン3に求められる出力の大きさに応じて適宜開閉されるものである。つまり、エンジン3が大きな駆動力を出力するときは流路制御弁14が開かれるので、大流量の天然ガスが内部流路12b内に流れ、熱交換器12内の温度は十分に低下する。なお、流量制御弁14よりも上流側の燃料管2aを流れるLNGは流量制御弁14を通過すると減圧して天然ガスとなるので、この流量制御弁14の直ぐ下流側に配置される前記内部流路12b内ではLNGの沸点110Kになるように周囲から気化熱を奪う。
従って、前記制御部17は温度センサ16を用いて熱交換器12内の温度を測定し、これをモニタしながら、温度センサ15を用いて測定した保冷容器11内の液体窒素Nの温度が77K以下になるように、ポンプ12eを駆動させる。制御部17がポンプ12eを制御して内部流路12a内の窒素ガスの圧力を調節することにより、加圧によって上昇した窒素ガスの温度を、液体窒素Nが気化した直後の温度よりも高く(110K以上に)し、この加圧によって昇温した窒素ガスを気化した天然ガスによって冷却する。また、天然ガスによって冷却された窒素ガスは絞り部12gを通るときに再び減圧して十分に冷却された液体窒素Nとして冷却容器11内に戻る。
このようにして、制御部17は温度センサ16によって測定した液体窒素Nの温度が70K程度になるように前記ポンプ12eを駆動させることにより、超電導モータ5を、これが超電導状態になる111Kに比べて十分に低温状態(70K以下)に冷却することができる。つまり、超電導モータ5の性能を十分に高めることができる。
上記構成の超電導利用自動車1は、LNGを燃料としてエンジン3を駆動させることにより、自動車1の後輪Wrを駆動するための駆動力を得ることができると共に、エンジン3から供給される駆動力の余剰分を発電機9によって電気エネルギーに変換して電源8に蓄積することができ、エンジン3から供給される駆動力が不足するときなどには、電源8から超電導モータ5に供給される電気エネルギーを駆動力に変えて出力することができる。また、超電導モータ5は超電導材料からなり、エンジン3にて消費されるLNGを冷熱源として十分に冷却することができるので、電気エネルギーを駆動力に変換する時の効率を可及的に引き上げることができる。
また、冷却容器11内の液体窒素Nを冷却するための冷熱源として用いられるLNGはエンジン3によって燃料として用いられるものであるから、別途の冷熱源を形成する必要がなく、それだけ、車載超電導機器の冷却システム10を簡単にすることができる。とりわけ、自動車1内の限られた空間に車載超電導機器の冷却システム10を形成する場合には、できるだけ小型であることが重要であり、かつ、自動車1のように常に振動する部分に冷却システム10を構成する場合、本実施例に示すように十分な堅牢性を有することが重要である。
図3は本発明の第2実施例に係る超電導利用自動車20の例を示す図である。図3において、21は天然ガス利用機関の一例としての燃料電池であり、22はLNGを改質して燃料電池21に供給するための水素ガスを生成する改質装置、23,24は超電導機器であって、23は本実施例では燃料電池21から供給される電気エネルギーを用いて駆動力を得る超電導モータである。なお、この超電導モータ23は自動車20の慣性など駆動力の余剰分を電気エネルギーに変換する超電導発電機としても機能するので、以下の説明では超電導発電機23ということもある。また、24は超電導発電機23によって発電された電力を一時的に蓄積する超電導コイルなどからなるSMESである。
前記超電導モータ(兼超電導発電機)23およびSMES24は一つの冷却容器11内に収容されており、車載超電導機器の冷却システム10によって冷却容器11内の温度が常に70K以下の低温状態に保たれる。従って、これらの超電導機器23,24を構成する超電導材料は超電導状態となって、その機能を十分に発揮することができる。ここで、SMES24は超電導モータ23と電気的に接続されるだけでよいので、これを冷却容器11内に収容することは極めて容易である。
その他の構成については図1と同じであるので、図1と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
本実施例のように超電導利用自動車20がLNGを改質して直接的に電気エネルギーに変換することにより、第1実施例の自動車1に比べてエンジン3を省略することができる分だけ小型化を達成することができる。また、超電導モータ23が超電導発電機24としても機能するので、超電導の特性を生かした極めて効率の高い駆動力と電気エネルギーのエネルギー変換を双方向に行うことができる。
加えて、自動車20が減速するときには超電導発電機24を用いて駆動力を効率よく電気エネルギーに変換し、これをSMES24に蓄積できるので、ほとんど損失のない駆動力の蓄積を行うことができ、自動車20が次に加速するときにはSMES24に蓄積された電気エネルギーを超電導モータ23によって再び効率良く駆動力に変換することができる。これによって、高低差のないルートを走行する場合には、消費エネルギーは摩擦抵抗によって消耗するエネルギーを補充する程度ですむので、極めて燃料消費率を向上することができる。
1 超電導利用自動車
2 タンク
3 エンジン(天然ガス利用機関)
5 超電導モータ(超電導機器)
10 車載超電導機器の冷却システム
11 保冷容器
12 熱交換器
12c 熱交換手段
12e 圧縮手段
12f 減圧手段
21 燃料電池(天然ガス利用機関)
23 超電導モータ兼超電導発電機(超電導機器)
24 超電導電力貯蔵装置(超電導機器)
2 タンク
3 エンジン(天然ガス利用機関)
5 超電導モータ(超電導機器)
10 車載超電導機器の冷却システム
11 保冷容器
12 熱交換器
12c 熱交換手段
12e 圧縮手段
12f 減圧手段
21 燃料電池(天然ガス利用機関)
23 超電導モータ兼超電導発電機(超電導機器)
24 超電導電力貯蔵装置(超電導機器)
Claims (3)
- 液化天然ガスを収容するタンクおよびこの天然ガスを用いて駆動力を得る天然ガス利用機関を備えた自動車に搭載された車載超電導機器の冷却システムであって、
超電導機器と、
前記超電導機器を収容した状態で超電導冷却媒体が充填されることにより超電導機器を低温状態に保つことができる保冷容器と、
熱交換器とを有し、かつ、
この熱交換器が、前記超電導冷却媒体を圧縮することにより昇温させる圧縮手段と、昇温させた超電導冷却媒体を液化天然ガスによって冷却する熱交換手段と、この熱交換手段によって冷却した超電導冷却媒体を減圧によって降温させる減圧手段とを備えてなることを特徴とする車載超電導機器の冷却システム。 - 前記超電導機器がモータおよび/または発電機である請求項1に記載の車載超電導機器の冷却システム。
- 請求項1または請求項2に記載の車載超電導機器の冷却システムを備えることを特徴とする超電導利用自動車。
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JP2020061918A (ja) * | 2018-10-12 | 2020-04-16 | 卓利 岩下 | 電動車両用の超電導式創蓄電システム及びプラットフォーム |
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-
2005
- 2005-09-21 JP JP2005274398A patent/JP2007089297A/ja active Pending
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