JP2007087868A - 固体酸化物形燃料電池用燃料極及び固体酸化物形燃料電池用空気極並びに固体酸化物形燃料電池用セル - Google Patents
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Abstract
【解決課題】 電極の電子導電率又はイオン伝導率が高い、すなわち、電極の電子の導電経路又はイオンの伝導経路の切断が少ない固体酸化物形燃料電池用電極を提供すること、又は燃料極物質と電解質物質の含有量の差又は空気極物質と電解質物質の含有量の差を大きくしても、焼成時又は昇降温時に、電極にワレが発生し難い固体酸化物形燃料電池用電極を提供すること。
【解決手段】 分岐鎖を有する物質及び粒状の物質を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用電極。分岐鎖を有する物質に、粒状の物質が固定されている複合体を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用電極。これらの電極を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セル。
【選択図】 図4
【解決手段】 分岐鎖を有する物質及び粒状の物質を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用電極。分岐鎖を有する物質に、粒状の物質が固定されている複合体を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用電極。これらの電極を有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セル。
【選択図】 図4
Description
本発明は、固体酸化物形燃料電池に用いられる燃料極及び空気極、並びに該燃料極又は該空気極を用いて製造される固体酸化物形燃料電池用セルに関する。
固体酸化物形燃料電池のセルは、電解質を燃料極及び空気極で挟み込むようにして構成され、該電解質、該燃料極及び該空気極ともに金属酸化物又は金属で構成されており、全て固体である。
該固体酸化物形燃料電池において、電極反応は、ガス、イオン、電子のいずれもが反応可能な三相界面で起こる。そのため、電池性能を向上させるためには、該三相界面を増加させることが必要である。
そこで、従来より、電解質物質を電極物質に混合させることにより、該三相界面を、電解質と電極の接触面だけでなく、電極内部にも形成させ、該三相界面を増加させることが行われてきた。具体的には、母粒子に子粒子が固定されており、該母粒子又は該子粒子のいずれか一方を電解質物質とし、他方を燃料極物質又は空気極物質とする粉末状の複合粒子を、電極に成形することにより、電極材料に電解質材料が混合されている電極が製造されてきた(以下、複合粒子を用いて製造される電極を、従来の電極(I)とも記載する。)。また、電極形成用のスラリー中に、粒状の電解質物質及び粒状の燃料極物質又は粒状の空気極物質を含有する電極形成用スラリーを用いて、製膜及び焼成することにより、電極材料に電解質材料が混合されている電極が製造されてきた(以下、粒状の電解質物質と、粒状の燃料極物質又は粒状の空気極物質とを含有するスラリーを用いて製造される電極を、従来の電極(II)とも記載する。)。
なお、本発明において、燃料極物質とは、燃料の水素及び酸化物イオンから水及び電子を生成させ且つ電子を導電する性質を持つ物質を指し、空気極物質とは、酸素及び電子から酸化物イオンを生成させ且つ電子を導電する性質を持つ物質を指し、電解質物質とは、空気極で生成する酸化物イオンを燃料極に伝導する性質を持つ物質を指す。
該従来の電極(I)としては、例えば、特許文献1の特開平10−144337号公報には、酸素イオン導電性を有する酸化物(例えば、イットリア安定化ジルコニア)の表面に、電極活性を有する金属(例えば、酸化ニッケル)が担持されている複合粒子、及び該複合粒子からなる固体電解質形燃料電池用の燃料電極が開示されている。
該従来の電極(I)の場合、粉末状の複合粒子を、プレス成形機でプレス成形するか、あるいは、先ず、該複合粒子を含有するスラリーを調製し、次いで、ドクタープレート法等で該スラリー層を形成することにより、電極の形状に成形された成形体を得、該成形体を焼成することにより製造される。この時、電極中の電子又はイオンの導電経路は、母粒子同士が接触すること又は子粒子同士が接触することにより形成される。
例えば、母粒子が燃料極物質であり、子粒子が電解質物質である複合粒子により形成されている燃料極の場合、母粒子が、少なくとも他の2つの母粒子と接触していないと、燃料極中の電子の導電経路が繋がらない。また、同様に、子粒子が、少なくとも他の2つの子粒子と接触していないと、燃料極中のイオンの伝導経路が繋がらない。図12は、粉末状の複合粒子を成形して得られる燃料極の一部を示す模式図であり、図12中、燃料極50は、母粒子(燃料極物質)51に子粒子(電解質物質)52が固定されている複合粒子53により形成されている。もし、図12に示すように、母粒子51aと母粒子51bの間に子粒子52aが、母粒子51bと母粒子51cの間に子粒子52bが入り込むような状態で、燃料極が形成された場合、該母粒子51bは、母粒子51dとは直接接触しているものの、該母粒子51aや該母粒子51cとは直接接触していない。すなわち、該母粒子51bは、他の1つの母粒子とのみ接触している。そのため、該子粒子52a及び該子粒子52bにより、電子の導電経路54が切断されることとなる。
該複合粒子を用いて電極を製造する場合、電子の導電経路又はイオンの伝導経路の形成は、全くの偶然に頼らざるを得ず、制御することはできないので、上述したように、電子の導電経路又はイオンの伝導経路が切断されている箇所が電極中に多数存在した。
このような電子の導電経路又はイオンの伝導経路の切断は、電極内部の電子導電率の低下又はイオンの伝導率の低下につながる。従って、該従来の電極(I)は、電極中の電子の導電経路又はイオンの伝導経路が切断されている箇所が多いために、電極の電子導電率又はイオン伝導率が低いという問題があった。
該従来の電極(II)は、粒状の電解質物質と、粒状の燃料極物質又は粒状の空気極物質とを含有するスラリーを、電極の形状に製膜し、次いで、焼成することにより製造される。例えば、粒状の燃料極物質及び粒状の電解質物質を含有するスラリーを用いて燃料極を製造する場合、燃料極物質の間に電解質物質が入り込むような状態で、燃料極が形成されると、該電解質物質により該燃料極物質同士が直接接触することが妨げられるので、電子の導電経路が切断されてしまう。この点は、該従来の電極(I)と同様である。そして、該従来の電極(II)を製造する場合も、該従来の電極(I)を製造する場合と同様、電子の導電経路又はイオンの伝導経路の形成は、全くの偶然に頼らざるを得ず、制御することはできない。従って、該従来の電極(II)は、電極中の電子の導電経路又はイオンの伝導経路が切断されている箇所が多いために、電極の電子導電率又はイオン伝導率が低いという問題があった。
また、該従来の電極(I)又は該従来の電極(II)を製造する場合、例えば、燃料極中の電子の導電経路を増やすために、燃料極物質の含有量を増やして、電子の導電経路が形成される確立を高くすることが考えられる。しかし、燃料極物質の含有量を増やすと、燃料極物質と電解質物質との熱膨張率の差によるひずみのために、焼成時又は昇降温時に、電池にワレが生じることがあった。そのため、燃料極物質と電解質物質の含有量は、概ね50:50程度に設定しなければならなかったので、燃料極物質の含有量を増やして、電極の電子導電率を高くすることが困難であるという問題もあった。
従って、本発明の課題は、電極の電子導電率又はイオン伝導率が高い、すなわち、電極の電子の導電経路又はイオンの伝導経路の切断が少ない固体酸化物形燃料電池用電極を提供することにある。また、本発明の課題は、燃料極物質と電解質物質の含有量の差又は空気極物質と電解質物質の含有量の差を大きくしても、焼成時又は昇降温時に、電池にワレが発生し難い固体酸化物形燃料電池用電極を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、電極を形成する燃料極物質、空気極物質及び電解質物質のいずれかを、分岐鎖を有する物質にすることにより、(1)電極の電子導電率又はイオン伝導率が高くなること、(2)燃料極物質と電解質物質の含有量の差又は空気極物質と電解質物質の含有量の差を大きくしても、焼成時又は昇降温時に電池にワレが発生し難くなること等を見出し本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、分岐鎖を有する燃料極物質及び粒状の電解質物質を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極を提供することにある。
また、本発明(2)は、分岐鎖を有する電解質物質及び粒状の燃料極物質を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極を提供することにある。
また、本発明(3)は、分岐鎖を有する空気極物質及び粒状の電解質物質を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極を提供することにある。
また、本発明(4)は、分岐鎖を有する電解質物質及び粒状の空気極物質を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極を提供することにある。
また、本発明(5)は、分岐鎖を有する燃料極物質に、粒状の電解質物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極を提供することにある。
また、本発明(6)は、分岐鎖を有する電解質物質に、粒状の燃料極物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極を提供することにある。
また、本発明(7)は、分岐鎖を有する空気極物質に、粒状の電解質物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極を提供することにある。
また、本発明(8)は、分岐鎖を有する電解質物質に、粒状の空気極物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極を提供することにある。
また、本発明(9)は、燃料極が、前記本発明(1)、(2)、(5)及び(6)のいずれか記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極である固体酸化物形燃料電池用セルを提供することにある。
また、本発明(10)は、空気極が、前記本発明(3)、(4)、(7)及び(8)のいずれか記載の固体酸化物形燃料電池用空気極である固体酸化物形燃料電池用セルを提供するものである。
本発明によれば、電極の電子導電率又はイオン伝導率が高い、すなわち、電極の電子の導電経路又はイオンの伝導経路の切断が少ない固体酸化物形燃料電池用電極を提供することができる。また、本発明によれば、燃料極物質と電解質物質の含有量の差又は空気極物質と電解質物質の含有量の差を大きくしても、焼成時又は昇降温時に、電池にワレが発生しない固体酸化物形燃料電池用電極を提供することができる。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極は、分岐鎖を有する物質及び粒状の物質を含有する。そして、該電極が燃料極の場合は、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質のいずれか一方が燃料極物質であり、他方が電解質物質である。また、該電極が空気極の場合は、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質のいずれか一方が空気極物質であり、他方が電解質物質である。
すなわち、本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極は、
(1)分岐鎖を有する燃料極物質及び粒状の電解質物質を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極(以下、固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)とも記載する。)、
(2)分岐鎖を有する電解質物質及び粒状の燃料極物質を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極(以下、固体酸化物形燃料電池用燃料極(B)とも記載する。)、
(3)分岐鎖を有する空気極物質及び粒状の電解質物質を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極(以下、固体酸化物形燃料電池用空気極(A)とも記載する。)、
(4)分岐鎖を有する電解質物質及び粒状の空気極物質を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極(以下、固体酸化物形燃料電池用空気極(B)とも記載する。)、
のいずれかである。
(1)分岐鎖を有する燃料極物質及び粒状の電解質物質を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極(以下、固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)とも記載する。)、
(2)分岐鎖を有する電解質物質及び粒状の燃料極物質を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極(以下、固体酸化物形燃料電池用燃料極(B)とも記載する。)、
(3)分岐鎖を有する空気極物質及び粒状の電解質物質を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極(以下、固体酸化物形燃料電池用空気極(A)とも記載する。)、
(4)分岐鎖を有する電解質物質及び粒状の空気極物質を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極(以下、固体酸化物形燃料電池用空気極(B)とも記載する。)、
のいずれかである。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る分岐鎖を有する物質は、分岐鎖を有する燃料極物質、分岐鎖を有する空気極物質及び分岐鎖を有する電解質物質のうちのいずれかであり、該分岐鎖を有する燃料極物質は、燃料極物質の凝集体であり、該分岐鎖を有する空気極物質は、空気極物質の凝集体であり、該分岐鎖を有する電解質物質は、電解質物質の凝集体である。
該分岐鎖を有する物質の形状について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る分岐鎖を有する物質の模式図である。図1中、分岐鎖を有する物質1は、主鎖部2(図1中、点線で囲んだ部分。)から分岐鎖3(図1中、点線で囲んだ部分。)が分岐している形状を有する。該主鎖部2の形状、長さ及び径は、特に制限されない。また、該分岐鎖3の形状、長さ及び径、並びに該主鎖部2から該分岐鎖3が分岐する場所及び分岐する角度は、特に制限されない。また、1つの該分岐鎖を有する物質当りの該分岐鎖の数は、1以上であればよく、特に制限されない。
このように、燃料極物質、空気極物質及び電解質物質のうちのいずれかの物質が、例えば、図1に示す分岐鎖を有する物質1の形状に凝集して、該分岐鎖を有する物質を形成している。
該分岐鎖を有する物質の平均径は、特に制限されないが、好ましくは1〜30μm、特に好ましくは5〜20μm、更に好ましくは10〜15μmである。なお、本発明において、該分岐鎖を有する物質の平均径とは、該分岐鎖を有する物質で最も長い径、例えば、図1に示す該分岐鎖を有する物質1の場合であれば、径4の値の平均値である。また、該分岐鎖を有する物質の平均径の測定は、レーザー回折・散乱法を用いて行われる。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る粒状の物質は、粒状の燃料極物質、粒状の空気極物質及び粒状の空気極物質のうちのいずれかであり、金属酸化物(一次粒子)が凝集した凝集体(二次粒子)である。該粒状の物質について、図2を参照に説明する。図2は、本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る粒状の物質の模式図である。図2に示すように、粒状の物質5(二次粒子)は、金属酸化物6(一次粒子)が凝集して形成されている。
該粒状の物質の平均粒径は、0.1〜3μm、好ましくは0.1〜2μm、特に好ましくは0.1〜0.5μmである。
該粒状の物質の平均粒径に対する該分岐鎖を有する物質の平均径の比(分岐鎖を有する物質の平均径/粒状の物質の平均粒径)は、特に制限されないが、好ましくは5以上、特に好ましくは10〜200、更に好ましくは10〜100である。該粒状の物質の平均粒径に対する該分岐鎖を有する物質の平均径の比が、上記範囲にあることにより、電極の電子導電率又はイオン導電率が高くなるという効果が高まる。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る電解質物質としては、通常、固体酸化物形燃料電池の製造に用いられる電解質物質であれば、特に制限されず、例えば、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、スカンジウム(Sc)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、ランタン(La)、ガリウム(Ga)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ケイ素(Si)、ガドリニウム(Gd)、ストロンチウム(Sr)、イッテルビウム(Yb)、鉄(Fe)、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)から選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物が挙げられる。該電解質物質を構成する金属酸化物のうち、金属種が2種以上である金属酸化物としては、例えば、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ;Sc2O3−ZrO2)、スカンジアセリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ;(10Sc2O3・CeO2)−ZrO2)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ;Y2O3−ZrO2)、ランタンストロンチウムマグネシウムガレート(LSGM;La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3)等のランタンガレート、ガドリニア安定化ジルコニア(Gd2O3−ZrO2)、サマリアドープセリア(Sm2O3−CeO2)、ガドリニアドープセリア(Gd2O3−CeO2)、酸化イットリウム固溶酸化ビスマス(Y2O3−Bi2O3)等が挙げられ、これらの金属酸化物のうち、酸素イオン導電性が良好であり、また、動作温度においても熱的に安定な点で、スカンジア安定化ジルコニア、スカンジアセリア安定化ジルコニア、イットリア安定化ジルコニア、ランタンストロンチウムマグネシウムガレート等のランタンガレートが好ましい。なお、サマリアドープセリア、ガドリニアドープセリアは、イオン導電性及び電子伝導性の両方を有しているので、電解質物質の金属酸化物として用いることも、酸化ニッケルと混合物して、後述する燃料極物質の金属酸化物として用いることもできる。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る燃料極物質としては、通常、固体酸化物形燃料電池の製造に用いられる燃料極物質であれば、特に制限されず、例えば、イットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ニオブ、タンタル、シリコン、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、鉄、コバルト、ニッケル及びカルシウム(Ca)から選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物である。該燃料極物質を構成する金属酸化物のうち、金属種が2種以上である金属酸化物としては、例えば、酸化ニッケル(NiO)とサマリアドープセリア(Sm2O3−CeO2)の混合物の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物(NiO−YSZ)の凝集体、酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアの混合物(NiO−ScSZ)の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアとサマリアドープセリアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアとサマリアドープセリアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアと酸化セリア(CeO2)の混合物の凝集体、酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアと酸化セリアの混合物の凝集体、酸化コバルト(Co3O4)とイットリア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化コバルトとスカンジア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化ルテニウム(RuO2)とイットリア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化ルテニウムとスカンジア安定化ジルコニアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとガドリニアドープセリア(Gd2O3−CeO2)の混合物の凝集体等が挙げられる。これらのうち、酸化ニッケルとサマリアドープセリアの混合物の凝集体、酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニアの混合物の凝集体及び酸化ニッケルとスカンジア安定化ジルコニアの混合物の凝集体が、電解質物質と反応せず、また、電解質物質と熱膨張率が近いので接合が良好である点で好ましい。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る空気極物質としては、通常、固体酸化物形燃料電池の製造に用いられる空気極物質であれば、特に制限されず、例えば、イットリウム、ジルコニウム、スカンジウム、セリウム、サマリウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ランタン、ガリウム、ニオブ、タンタル、シリコン、ガドリニウム、ストロンチウム、イッテルビウム、鉄、コバルト、ニッケル、カルシウム及びマンガン(Mn)から選ばれる1種又は2種以上の金属の酸化物である。該空気極物質を構成する金属酸化物のうち、金属種が2種以上である金属酸化物としては、例えば、ランタンストロンチウムマンガネート(La0.8Sr0.2MnO3)、ランタンカルシウムコバルテート(La0.9Ca0.1CoO3)、ランタンストロンチウムコバルテート(La0.9Sr0.1CoO3)、ランタンコバルテート(LaCoO3)、ランタンカルシウムマンガネート(La0.9Ca0.1MnO3)等が挙げられ、これらの金属酸化物のうち、ランタンストロンチウムマンガネートが、電解質物質と反応せず、また、電解質物質と熱膨張率が近いので接合が良好である点で好ましい。
該分岐鎖を有する物質は、例えば、図1中の分岐鎖を有する物質1の形状を有する金属又は金属塩の凝集体を製造し、次いで、該金属又は金属塩の凝集体を焼成し、金属酸化物の凝集体に変換することによって製造される。該分岐鎖を有する物質1の形状に成形された金属又は金属塩の凝集体として、市販のものを用いることができる。
該粒状の物質は、公知の方法を用いて得られ、また、市販の金属酸化物を粉砕及び分級することによっても得られる。
該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)中の該分岐鎖を有する燃料極物質の含有量は、好ましくは40〜80質量%、特に好ましくは55〜80質量%、更に好ましくは70〜80質量%である。また、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(B)中の該粒状の燃料極物質の含有量は、好ましくは40〜80質量%、特に好ましくは55〜80質量%、更に好ましくは70〜80質量%である。また、該固体酸化物形燃料電池用空気極(A)中の該分岐鎖を有する空気極物質の含有量は、好ましくは50〜90質量%、特に好ましくは60〜90質量%、更に好ましくは70〜90質量%である。また、該固体酸化物形燃料電池用空気極(B)中の該粒状の空気極物質の含有量は、好ましくは50〜90質量%、特に好ましくは60〜90質量%、更に好ましくは70〜90質量%である。該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)において、該分岐鎖を有する燃料極物質の含有量が、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(B)において、該粒状の燃料極物質の含有量が、該固体酸化物形燃料電池用空気極(A)において、該分岐鎖を有する空気極物質の含有量が、該固体酸化物形燃料電池用空気極(B)において、該粒状の空気極物質の含有量が、上記範囲にあることにより、(a)電極の電子導電率若しくはイオン伝導率が高くなる、又は(b)燃料極物質と電解質物質の含有量の差若しくは空気極物質と電解質物質の含有量の差を大きくしても、焼成時若しくは昇降温時に、電池にワレが発生し難いという本発明の効果が高まる。
該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)の場合、燃料極物質としては、酸化ニッケルが好ましく、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)中、酸化ニッケルの含有量が、40〜80質量%であることが特に好ましく、55〜80質量%であることが更に好ましく、70〜80質量%であることがより好ましい。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極は、公知の方法により製造され、該電極の製造方法は、特に限定されない。本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法としては、例えば、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質を含有するスラリーを調製し、次いで、該スラリーを用いて、スクリーン印刷法、ドクタープレート法等により電極の形状に成形し、次いで、得られた成形体を焼成する方法や、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質の混合粉体を、プレス成形することにより、電極の形状に成形し、次いで、得られた成形体を、焼成する方法が挙げられる。そして、該焼成により、該分岐鎖を有する物質同士、該粒状の物質同士、又は該分岐鎖を有する物質と該粒状の物質が、結合する。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極の構造について、図3を参照して説明する。図3は、固体酸化物形燃料電池用電極(A)の一部を表す模式図であり、図3中(3−1)は、固体酸化物形燃料電池用電極(A)の、分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の構造を示し、図3中(3−2)は、固体酸化物形燃料電池用電極(A)の、分岐鎖を有する燃料極物質4単位分の構造を示す。なお、図3中(3−2)では、該分岐鎖を有する燃料極物質の表面に結合している粒状の電解質物質の記載を省略している。
図3中(3−1)に示すように、分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の燃料極10は、分岐鎖を有する燃料極物質11の表面に、多数の粒状の電解質物質12が結合している。この時、該粒状の電解質物質12が連結することにより、該分岐鎖を有する燃料極物質11の表面にイオンの伝導経路が形成されている。
そして、図3中(3−2)に示すように、該分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の燃料極10が多数結合して、燃料極15が形成されている。この時、該分岐鎖を有する燃料極物質同士が直接接触することにより、電気の導電経路が形成されている。
また、該分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の燃料極10の、分岐鎖同士又は分岐鎖と主鎖部が結合することにより、該燃料極15中に細孔13が形成される。従って、該燃料極15は、多孔質構造を有する。なお、該分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の燃料極10の、分岐鎖又は主鎖部で囲まれた部分が、該燃料極15の細孔13である。
なお、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(B)、該固体酸化物形燃料電池用空気極(A)、及び該固体酸化物形燃料電池用空気極(B)は、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質を構成する物質の種類が異なるものの、それらの構造は、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)と同様である。
本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池用電極は、分岐鎖を有する物質に、粒状の物質が固定されている複合体を含有する。そして、該電極が燃料極の場合は、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質のいずれか一方が燃料極物質であり、他方が電解質物質である。また、該電極が空気極の場合は、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質のいずれか一方が空気極物質であり、他方が電解質物質である。
すなわち、本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池用電極は、
(5)分岐鎖を有する燃料極物質に、粒状の電解質物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極(以下、固体酸化物形燃料電池用燃料極(C)とも記載する。)、
(6)分岐鎖を有する電解質物質に、粒状の燃料極物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極(以下、固体酸化物形燃料電池用燃料極(D)とも記載する。)、
(7)分岐鎖を有する空気極物質に、粒状の電解質物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極(以下、固体酸化物形燃料電池用空気極(C)とも記載する。)、
(8)分岐鎖を有する電解質物質に、粒状の空気極物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極(以下、固体酸化物形燃料電池用空気極(D)とも記載する。)、
のいずれかである。
(5)分岐鎖を有する燃料極物質に、粒状の電解質物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極(以下、固体酸化物形燃料電池用燃料極(C)とも記載する。)、
(6)分岐鎖を有する電解質物質に、粒状の燃料極物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用燃料極(以下、固体酸化物形燃料電池用燃料極(D)とも記載する。)、
(7)分岐鎖を有する空気極物質に、粒状の電解質物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極(以下、固体酸化物形燃料電池用空気極(C)とも記載する。)、
(8)分岐鎖を有する電解質物質に、粒状の空気極物質が固定されている複合体を含有する固体酸化物形燃料電池用空気極(以下、固体酸化物形燃料電池用空気極(D)とも記載する。)、
のいずれかである。
本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る複合体について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る複合体の模式図である。図4中、複合体16は、分岐鎖を有する物質17に、粒状の物質18が固定されている。
本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る分岐鎖を有する物質及び粒状の物質は、本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る分岐鎖を有する物質及び粒状の物質と同様である。また、本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る燃料極物質、空気極物質及び電解質物質は、本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る燃料極物質、空気極物質及び電解質物質と同様である。
該固体酸化物形燃料電池用燃料極(C)中の該分岐鎖を有する燃料極物質の含有量は、好ましくは40〜80質量%、特に好ましくは55〜80質量%、更に好ましくは70〜80質量%である。また、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(D)中の該粒状の燃料極物質の含有量は、好ましくは40〜80質量%、特に好ましくは55〜80質量%、更に好ましくは70〜80質量%である。また、該固体酸化物形燃料電池用空気極(C)中の該分岐鎖を有する空気極物質の含有量は、好ましくは50〜90質量%、特に好ましくは60〜90質量%、更に好ましくは70〜90質量%である。また、該固体酸化物形燃料電池用空気極(D)中の該粒状の空気極物質の含有量は、好ましくは50〜90質量%、特に好ましくは60〜90質量%、更に好ましくは70〜90質量%である。
本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池用電極に係る複合体の平均径は、特に制限されないが、好ましくは1〜30μm、特に好ましくは5〜20μm、更に好ましくは10〜15μmである。なお、本発明において、該複合体の平均径とは、該複合体で最も長い径、例えば、図4に示す該複合体16の場合であれば、径19の値の平均値である。また、該複合体の平均径の測定は、レーザー回折・散乱法を用いて行われる。
該粒状の物質の平均粒径に対する該分岐鎖を有する物質の平均径の比(分岐鎖を有する物質/粒状の物質)は、特に制限されないが、好ましくは5以上、特に好ましくは10〜200、更に好ましくは10〜100である。
該複合体は、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質の混合物に、機械的エネルギーを加えることにより、製造される。該混合物に該機械的エネルギーを加える方法としては、特に制限されず、固体酸化物形燃料電池用電極の製造用の複合粒子、すなわち、母粒子に子粒子が固定化されている複合粒子の製造に用いられる公知の方法を適宜採用することができ、例えば、(i)該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質の混合物に、加圧力及びせん断力を加える方法、(ii)該粒状の物質を、該分岐鎖を有する物質に衝突させる方法等が挙げられる。
(i)の方法としては、例えば、図5に示す粉体処理装置を用いて、該混合物に、加圧力及びせん断力を加える方法が挙げられる。該粉体処理装置について、図5及び図6を参照に説明する。図5は、粉体処理装置の模式図であり、図6は、粉体処理装置20をX−X面で切った断面図である。図5中、粉体処理装置20は、台座21に設置された外筒22、該外筒22の内部に回転可能なように設置される回転体23、及びプレスヘッド25を有する。該回転体23の壁面には孔29が設けられており、該回転体23の外周部には一定間隔で羽根部材30が取り付けられている。また、該回転体23及び該プレスヘッド25は、その間に隙間27が形成されるように設置されている。
そして、該粉体処理装置20に、粉体混合物24(該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質の混合物)を投入し、該回転体23を回転させることにより、該粉体混合物24が、該プレスヘッド25と該回転体23の受け面26の間に入り込み、該粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる。加圧力及びせん断力が加えられた該粉体混合物24は、該孔29から該回転体23の外側に排出され、該羽根部材30によって、再び該回転体23の内側に循環される。
該粉体処理装置20中で、該粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる様子を、図7を参照して説明する。図7は、粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる様子を示す模式図であり、図6の粉体処理装置20中、粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる部分、すなわち、図6中、該プレスヘッド25及び該回転体23が、該粉体混合物24を挟み込む部分の拡大図である。図7中、(7−1)は粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられる前の状態を示し、(7−2)及び(7−3)は粉体混合物24に、加圧力及びせん断力が加えられている状態を示す。該回転体23(移動部材)が、移動方向32の方向に移動することにより、該粉体混合物24が該プレスヘッド25(固定部材)に向かって移動し、該粉体混合物24が、該プレスヘッド25と該回転体23の間に挟みこまれるようにして、該隙間27に入り込む。この時に該粉体混合物24に加圧力が加えられる(7−2)。次いで、該回転体23が、該プレスヘッド25との間に該粉体混合物24を挟み込んだ状態で移動することにより、該粉体混合物24にせん断力が加えられる(7−3)。従って、該(i)の方法では、該加圧力及び該せん断力は、固定部材(プレスヘッド25)と移動部材(回転体23)の隙間の幅((7−1)中の31)、及び移動部材の移動速度により規定される。該固定部材と移動部材の隙間の幅は、処理する粉体の粒径により適宜調節することができるが、通常0.01〜5mm、好ましくは0.1〜2mmである。該移動速度は、通常10〜100m/s、好ましくは20〜80m/sである。なお、図5及び図6に示す粉体処理装置20では、プレスヘッド25及び受け面26は、いずれも曲面であるが、図7では、説明の便宜上いずれも平面で示した。
また、該(i)の方法では、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質の混合物は、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質を含有するスラリー又は懸濁液であってもよい。
該(i)の方法では、該粒状の物質が、該分岐鎖を有する物質に強い力で押し付けられながら、該分岐鎖を有する物質の表面を引きずられることにより、該粒状の物質が該分岐鎖を有する物質にめり込み、固定される。
また、(ii)の方法としては、例えば、特開平05−168895号公報に記載されている固体粒子の表面改質方法が挙げられ、具体的には、衝撃板が設けられた回転体を回転させ、該回転体に、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質の混合物を投入することにより、該混合物と該衝撃板を衝突させ、更に該衝撃板の回転による高速気流により、該混合物を対流させ、繰り返し該衝撃板と衝突させる方法である。該表面改質方法では、該混合物が該衝撃板に衝突する際に、該混合物中の粒状の物質の一粒子が、該衝撃板と該混合物中の分岐鎖を有する物質に挟まれ、分岐鎖を有する物質と粒状の物質の衝突が起こる。従って、該(ii)の方法では、該混合物を衝突させる力は、該混合物の衝突速度によって規定される。上記表面改質方法では、該衝撃板の方が移動するので、該衝撃板の移動速度が、相対的に該混合物の衝突速度であり、該衝撃板の移動速度は、通常、10〜100m/s、好ましくは20〜80m/sである。
本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池用電極は、公知の方法により製造され、該電極の製造方法は、特に限定されない。本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池用電極の製造方法としては、例えば、該複合体を含有するスラリーを調製し、次いで、該スラリーを用いて、スクリーン印刷法、ドクタープレート法等により電極の形状に成形し、次いで、得られた成形体を焼成する方法や、粉末状の該複合体を、プレス成形することにより、電極の形状に成形し、次いで、得られた成形体を、焼成する方法が挙げられる。そして、該焼成により、該複合体同士が結合する。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池用電極及び本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池用電極(以下、総称して本発明の電極とも記載する。)は、該分岐鎖を有する物質を含有するので、粒状の電解質物質と、粒状の燃料極物質又は粒状の空気極物質とを含有するスラリーを用いて製造される従来の電極(II)に比べ、電極の電子伝導率又はイオン伝導率が高い。本発明の電極と、従来の電極(II)との、電極の電子導電率又はイオン導電率の違いを、図8及び図13を参照して説明する。図8は、固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)の一部を拡大した模式図であり、分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の模式図である。また、図13は、従来の燃料極(II)の一部を拡大した模式図であり、図8中の分岐鎖を有する燃料極物質1単位分と同程度の大きさ分を取り出した図である。なお、図8においては、説明の都合上、分岐鎖を有する燃料極物質の表面に結合している粒状の電解質物質の記載を省略している。また、図13においては、説明の都合上、燃料極物質61a、61bの間に入り込んでいる粒状の電解質物質のみ記載し、他の粒状の電解質物質の記載を省略している。
図8中、分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の燃料極35は、分岐鎖を有する燃料極物質36に表面に、図示しない粒状の電解質物質が結合し、形成されている。該分岐鎖を有する燃料極物質36は、一端38a及び38bから、他端39a及び39bまで、一体であるので、該分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の燃料極35においては、一端38a及び38bから、他端39a及び39bまでは、確実に電気的に結合されている。従って、該分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の燃料極35においては、確実に、一端38a及び38bから、他端39a及び39bまで、電子の導電経路40が形成されている。
一方、従来の燃料極(II)は、粒状の燃料極物質61、粒状の電解質物質62を含有するスラリーを用いて製造されるため、図13に示すように、粒状の燃料極物質61aと61bの間に、粒状の電解質物質62が入り込むような状態で、該従来の燃料極(II)60が形成されることがある。このような場合、該粒状の電解質物質62により、該粒状の燃料極物質61aと該粒状の燃料極物質61bが直接接触することが妨げられるので、電子の導電経路が、該粒状の電解質物質62で切断され、一端63a及び63bから他端64a及び64bまで繋がることはない。そして、図13中、該従来の燃料極(II)60において、一端63a及び63bから他端64a及び64bまで、電子の導電経路が形成されるのは、該粒状の燃料極物質61全てが、連結した場合のみであるが、従来の燃料極(II)の製造方法では、電極を形成する物質の結合は、全くの偶然に頼らざるを得ないので、図8中の分岐鎖を有する燃料極物質1単位の長さ分、該粒状の燃料極物質61が連結する確立は低い。
また、複合粒子を成形して得られる該従来の電極(I)の製造においても、図8中の分岐鎖を有する燃料極物質1単位の長さ分、母粒子同士が連結する確立は低い。
以上のように、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)は、分岐鎖を有する燃料極物質1単位分は確実に電子の導電経路が形成されているので、該従来の燃料極(I)及び(II)に比べ、電極中の電子の導電経路の切断が少ない。よって、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)は、該従来の燃料極(I)及び(II)に比べ、電極の電子導電率が高い。このことは、分岐鎖を有する燃料極物質を含有している該固体酸化物形燃料電池用燃料極(C)についても同様である。また、同様の理由で、分岐鎖を有する空気極物質を含有している該固体酸化物形燃料電池用空気極(A)及び該固体酸化物形燃料電池用空気極(C)は、従来の空気極(I)及び(II)に比べ、電極の電子導電率が高い。また、分岐鎖を有する電解質物質を含有している該固体酸化物形燃料電池用燃料極(B)、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(D)、該固体酸化物形燃料電池用空気極(B)及び該固体酸化物形燃料電池用空気極(D)は、従来の燃料極(I)及び(II)並びに従来の空気極(I)及び(II)に比べ、電極中のイオンの伝導経路の切断が少ないので、電極のイオン伝導率が高い。
また、本発明の電極は、該分岐鎖を有する物質を含有するので、燃料極物質と電解質物質の含有量の差又は空気極物質と電解質物質の含有量の差を大きくしても、該従来の燃料極(I)及び(II)に比べ、焼成時又は昇降温時に電池にワレが発生し難い。燃料極物質及び電解質物質により形成される燃料極を例に挙げて説明すると、燃料極物質と電解質物質とは、熱膨張率が異なるので、電解質と燃料極の境界面においては、温度変化によって、熱膨張率の差によるひずみが生じ、該ひずみにより、電池にワレが発生する。そして、該熱膨張率の差によるひずみは、燃料極中の燃料極物質の含有量が多い程、大きくなる。そのため、該従来の電極(I)及び(II)では、該熱膨張率の差によるひずみを極力小さくし、且つ燃料極中の電子導電率を確保するために、燃料極物質及び電解質物質の含有量の比(複合粒子の場合は、母粒子と子粒子の質量比)を、50:50近辺にせざるを得なかった。これは、該従来の燃料極(I)及び(II)では、燃料極物質及び電解質物質が、いずれもが粒状なので、変形し難いために、燃料極物質及び電解質物質が、熱膨張率の差によるひずみを吸収することができないからである。
一方、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)では、図9に示すように、該分岐鎖を有する燃料極物質1は、自らが変形することにより、具体的には、該主鎖部2又は該分岐鎖3が変形すること(図9中、(9−1)又は(9−2))、あるいは、該主鎖部2に対する該分岐鎖3角度が変わること(図9中、(9−3))により、該熱膨張率の差によるひずみを吸収することができる。図9中、(9−1)、(9−2)及び(9−3)は、いずれも、矢印の右側が、変形後の該分岐鎖を有する物質1を示し、それらは、変形箇所41、42又は43において、変形している。このことにより、該粒状の電解質物質の含有量に対する該分岐鎖を有する燃料極物質の含有量の割合を大きくすることにより、該分岐鎖を有する燃料極物質と該粒状の電解質物質との熱膨張率の差が生じても、該分岐鎖を有する燃料極物質が変形することによりひずみが吸収されるため、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)は、従来の燃料極(I)及び(II)に比べ、焼成時又は昇降温時に、電池にワレが発生し難い。そのため、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)は、電極中の燃料極物質の含有量を多くすることができるので、電極の電子導電率を高くすることができる。また、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)は、燃料極物質と電解質物質の含有比率を大きく変えることができるので、燃料極の電子導電率及びイオン伝導率を調整し易く、柔軟な設計変更を可能とする。
また、分岐鎖を有する物質が熱膨張率の差によるひずみを吸収するという点は、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(B)、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(C)、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(D)、該固体酸化物形燃料電池用空気極(A)、該固体酸化物形燃料電池用空気極(B)、該固体酸化物形燃料電池用空気極(C)及び該固体酸化物形燃料電池用空気極(D)についても同様である。
また、本発明の電極は、分岐鎖を有する物質を含有するので、電極中に隙間、すなわち、細孔が形成され易い。一方、該従来の電極(I)及び(II)は、電極を形成する物質がいずれも球に近い形状なので、細密充填されるため、隙間、すなわち、細孔が形成され難い。従って、本発明の電極は、該従来の電極(I)及び(II)に比べ、空孔率が高い。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池セルは、燃料極が、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(A)、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(B)、該固体酸化物形燃料電池用燃料極(C)及び該固体酸化物形燃料電池用燃料極(D)のいずれかである。
本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池セルは、空気極が、該固体酸化物形燃料電池用空気極(A)、該固体酸化物形燃料電池用空気極(B)、該固体酸化物形燃料電池用空気極(C)及び該固体酸化物形燃料電池用空気極(D)のいずれかである。
本発明の第一の形態の固体酸化物形燃料電池セル及び本発明の第二の形態の固体酸化物形燃料電池セルを製造する方法は、特に制限されず、先に電極を製造し、次いで、該電極を電解質基板に合わせ、焼成することにより接合させる方法、あるいは、電解質基板に、該分岐鎖を有する物質及び該粒状の物質を含有するスラリーを塗布し、焼成することにより、電極を形成させる方法等が挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
(分岐鎖を有する物質の製造)
分岐鎖を有する金属ニッケルを、600℃、5時間焼成し、分岐鎖を有する酸化ニッケルAを得た。
・分岐鎖を有する金属ニッケル:INCO Type 255(インコ社製)、樹枝状金属ニッケル、平均径(フィッシャー値)2.2〜2.8μm、見かけ密度0.5〜0.65g/ml
(分岐鎖を有する物質の製造)
分岐鎖を有する金属ニッケルを、600℃、5時間焼成し、分岐鎖を有する酸化ニッケルAを得た。
・分岐鎖を有する金属ニッケル:INCO Type 255(インコ社製)、樹枝状金属ニッケル、平均径(フィッシャー値)2.2〜2.8μm、見かけ密度0.5〜0.65g/ml
(燃料極形成用スラリーの調製)
該分岐鎖を有する酸化ニッケルA 40.0g、粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)10.0g、フタル酸ジ−n−ブチル10ml、オクチルフェニルエーテル2ml、分散剤(ノニオンOP−83RAT、日本油脂社製)2ml、ポリビニルブチラール樹脂(和光純薬社製)5.0g、イソプロパノール80ml、アセトン80mlをボールミルに加え、室温で24時間混合した。得られたスラリーを、エバポレーターで減圧しながら溶媒を蒸発させ、該スラリーの粘度が、15000mPa秒になるように調製し、燃料極形成用スラリーBを得た。
・粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア;ジルコニア中のスカンジアの含有量10mol%、セリアの含有量1mol%、平均粒径0.55μm
該分岐鎖を有する酸化ニッケルA 40.0g、粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)10.0g、フタル酸ジ−n−ブチル10ml、オクチルフェニルエーテル2ml、分散剤(ノニオンOP−83RAT、日本油脂社製)2ml、ポリビニルブチラール樹脂(和光純薬社製)5.0g、イソプロパノール80ml、アセトン80mlをボールミルに加え、室温で24時間混合した。得られたスラリーを、エバポレーターで減圧しながら溶媒を蒸発させ、該スラリーの粘度が、15000mPa秒になるように調製し、燃料極形成用スラリーBを得た。
・粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア;ジルコニア中のスカンジアの含有量10mol%、セリアの含有量1mol%、平均粒径0.55μm
(燃料極形成用グリーンシートの作成)
次いで、該燃料極形成用スラリーBを用い、ドクタープレート法にて、膜厚が800μmの燃料極形成用スラリー層を形成させ、自然乾燥して、燃料極形成用グリーンシートCを得た。
次いで、該燃料極形成用スラリーBを用い、ドクタープレート法にて、膜厚が800μmの燃料極形成用スラリー層を形成させ、自然乾燥して、燃料極形成用グリーンシートCを得た。
(電解質形成用スラリーの調製)
燃料極形成用スラリーの調製で用いた粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)50.0g、フタル酸ジ−n−ブチル10ml、オクチルフェニルエーテル2ml、燃料極形成用スラリーの調製で用いた分散剤2ml、燃料極形成用スラリーの調製で用いたポリビニルブチラール樹脂10g、イソプロパノール80ml、アセトン80mlをボールミルに加え、室温で24時間混合した。得られたスラリーを、エバポレーターで減圧しながら溶媒を蒸発させ、該スラリーの粘度が、15000mPa秒になるように調製し、電解質形成用スラリーDを得た。
燃料極形成用スラリーの調製で用いた粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)50.0g、フタル酸ジ−n−ブチル10ml、オクチルフェニルエーテル2ml、燃料極形成用スラリーの調製で用いた分散剤2ml、燃料極形成用スラリーの調製で用いたポリビニルブチラール樹脂10g、イソプロパノール80ml、アセトン80mlをボールミルに加え、室温で24時間混合した。得られたスラリーを、エバポレーターで減圧しながら溶媒を蒸発させ、該スラリーの粘度が、15000mPa秒になるように調製し、電解質形成用スラリーDを得た。
(電解質形成用スラリーの塗布及び焼成)
該燃料極形成用グリーンシートCの一方の表面に、該電解質形成用スラリーDを、スクリーン印刷法にて、膜厚が10μmとなるように塗布し、乾燥させた後、電解質形成用スラリーが塗布された燃料極形成用グリーンシートCを、1400℃で、5時間焼成し、電解質が形成されているハーフセル基板E(以下、単にハーフセル基板Eと記載する。)を得た。
該燃料極形成用グリーンシートCの一方の表面に、該電解質形成用スラリーDを、スクリーン印刷法にて、膜厚が10μmとなるように塗布し、乾燥させた後、電解質形成用スラリーが塗布された燃料極形成用グリーンシートCを、1400℃で、5時間焼成し、電解質が形成されているハーフセル基板E(以下、単にハーフセル基板Eと記載する。)を得た。
(空気極形成用スラリーの調製)
ランタンストロンチウムマンガネート(Ln0.8Sr0.2Mn1.0O3)40g、燃料極形成用スラリーの調製で用いた粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)10g、フタル酸ジ−n−ブチル10ml、オクチルフェニルエーテル2ml、燃料極形成用スラリーの調製に用いた分散剤2ml、燃料極形成用スラリーの調製に用いたポリビニルブチラール樹脂5.0g、イソプロパノール80ml、アセトン80mlをボールミルに加え、室温で24時間混合した。得られたスラリーを、エバポレーターで減圧しながら溶媒を蒸発させ、該スラリーの粘度が、15000mPa秒になるように調製し、空気極形成用スラリーFを得た。
・ランタンストロンチウムマンガネート;平均粒径0.49μm
ランタンストロンチウムマンガネート(Ln0.8Sr0.2Mn1.0O3)40g、燃料極形成用スラリーの調製で用いた粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア(10Sc1CeSZ)10g、フタル酸ジ−n−ブチル10ml、オクチルフェニルエーテル2ml、燃料極形成用スラリーの調製に用いた分散剤2ml、燃料極形成用スラリーの調製に用いたポリビニルブチラール樹脂5.0g、イソプロパノール80ml、アセトン80mlをボールミルに加え、室温で24時間混合した。得られたスラリーを、エバポレーターで減圧しながら溶媒を蒸発させ、該スラリーの粘度が、15000mPa秒になるように調製し、空気極形成用スラリーFを得た。
・ランタンストロンチウムマンガネート;平均粒径0.49μm
(空気極形成用スラリーの塗布及び焼成)
該ハーフセル基板Eに形成されている電解質の表面に、該空気極形成用スラリーFを、スクリーン印刷法にて、塗布後の膜厚が20μmとなるように塗布し、乾燥した。次いで、空気極形成用スラリーFが塗布されたハーフセル基板Eを、1200℃で、3時間焼成し、固体酸化物形燃料電池用セルGを得た。
該ハーフセル基板Eに形成されている電解質の表面に、該空気極形成用スラリーFを、スクリーン印刷法にて、塗布後の膜厚が20μmとなるように塗布し、乾燥した。次いで、空気極形成用スラリーFが塗布されたハーフセル基板Eを、1200℃で、3時間焼成し、固体酸化物形燃料電池用セルGを得た。
(性能評価)
該固体酸化物形燃料電池用セルGの発電試験を行ったところ、最大出力密度は約2.0W/cm2であった。また、発電試験終了後の燃料極のSEM写真を図10に示す。
該固体酸化物形燃料電池用セルGの発電試験を行ったところ、最大出力密度は約2.0W/cm2であった。また、発電試験終了後の燃料極のSEM写真を図10に示す。
(比較例1)
分岐鎖を有する酸化ニッケルA 40.0gに代えて、粒状の酸化ニッケル40.0gとする以外は実施例1と同様の方法で行い、固体酸化物形燃料電池用セルHを得た。該固体酸化物形燃料電池用セルHの最大出力密度は、約0.6W/cm2であった。また、発電試験終了後の燃料極のSEM写真を図14に示す。
・粒状の酸化ニッケル:平均粒径7μm
分岐鎖を有する酸化ニッケルA 40.0gに代えて、粒状の酸化ニッケル40.0gとする以外は実施例1と同様の方法で行い、固体酸化物形燃料電池用セルHを得た。該固体酸化物形燃料電池用セルHの最大出力密度は、約0.6W/cm2であった。また、発電試験終了後の燃料極のSEM写真を図14に示す。
・粒状の酸化ニッケル:平均粒径7μm
(実施例2)
分岐鎖を有する酸化ニッケルA 40.0gに代えて、分岐鎖を有する酸化ニッケルA 20.0gとし、粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア10.0gに代えて、粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア30.0gとする以外は、実施例1と同様の方法で行い、固体酸化物形燃料電池用セルJを得た。該固体酸化物形燃料電池用セルJの最大出力密度は、約0.9W/cm2であった。また、発電試験終了後の燃料極のSEM写真を図11に示す。
分岐鎖を有する酸化ニッケルA 40.0gに代えて、分岐鎖を有する酸化ニッケルA 20.0gとし、粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア10.0gに代えて、粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア30.0gとする以外は、実施例1と同様の方法で行い、固体酸化物形燃料電池用セルJを得た。該固体酸化物形燃料電池用セルJの最大出力密度は、約0.9W/cm2であった。また、発電試験終了後の燃料極のSEM写真を図11に示す。
(比較例2)
分岐鎖を有する酸化ニッケルA 40.0gに代えて、粒状の酸化ニッケルA 25.0gとし、粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア10.0gに代えて、粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア25.0gとする以外は、実施例1と同様の方法で行い、固体酸化物形燃料電池用セルKを得た。該固体酸化物形燃料電池用セルKの最大出力密度は、約0.3W/cm2であった。また、発電試験終了後の燃料極のSEM写真を図15に示す。
分岐鎖を有する酸化ニッケルA 40.0gに代えて、粒状の酸化ニッケルA 25.0gとし、粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア10.0gに代えて、粒状のスカンジアセリア安定化ジルコニア25.0gとする以外は、実施例1と同様の方法で行い、固体酸化物形燃料電池用セルKを得た。該固体酸化物形燃料電池用セルKの最大出力密度は、約0.3W/cm2であった。また、発電試験終了後の燃料極のSEM写真を図15に示す。
1、17 分岐鎖を有する物質
2 主鎖部
3 分岐鎖
4 径
5、18 粒状の物質
6 金属酸化物
10、35 分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の燃料極
11、36 分岐鎖を有する燃料極物質
12、62 粒状の電解質物質
13 細孔
15、50、60 燃料極
16 複合体
20 粉体処理装置
21 台座
22 外筒
23 回転体
24 粉体混合物
25 プレスヘッド
26 受け面
27 隙間
29 孔
30 羽根部材
31 クリアランス
32 移動方向
33 加圧力及びせん断力が加えられる部分
35
38a、38b、63a、63b 一端
39a、39b、64a、64b 他端
40、54、63 電子の導電経路
41、42、43 変形箇所
51a、51b、51c、51d 母粒子
52a、52b 子粒子
53 複合粒子
61a、61b 粒状の燃料極物質
2 主鎖部
3 分岐鎖
4 径
5、18 粒状の物質
6 金属酸化物
10、35 分岐鎖を有する燃料極物質1単位分の燃料極
11、36 分岐鎖を有する燃料極物質
12、62 粒状の電解質物質
13 細孔
15、50、60 燃料極
16 複合体
20 粉体処理装置
21 台座
22 外筒
23 回転体
24 粉体混合物
25 プレスヘッド
26 受け面
27 隙間
29 孔
30 羽根部材
31 クリアランス
32 移動方向
33 加圧力及びせん断力が加えられる部分
35
38a、38b、63a、63b 一端
39a、39b、64a、64b 他端
40、54、63 電子の導電経路
41、42、43 変形箇所
51a、51b、51c、51d 母粒子
52a、52b 子粒子
53 複合粒子
61a、61b 粒状の燃料極物質
Claims (12)
- 分岐鎖を有する燃料極物質及び粒状の電解質物質を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料極。
- 前記燃料極物質が酸化ニッケルであることを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極。
- 固体酸化物形燃料電池用燃料極中、前記酸化ニッケルの含有量が40〜80質量%であることを特徴とする請求項2記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極。
- 分岐鎖を有する電解質物質及び粒状の燃料極物質を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料極。
- 分岐鎖を有する空気極物質及び粒状の電解質物質を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用空気極。
- 分岐鎖を有する電解質物質及び粒状の空気極物質を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用空気極。
- 分岐鎖を有する燃料極物質に、粒状の電解質物質が固定されている複合体を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料極。
- 分岐鎖を有する電解質物質に、粒状の燃料極物質が固定されている複合体を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用燃料極。
- 分岐鎖を有する空気極物質に、粒状の電解質物質が固定されている複合体を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用空気極。
- 分岐鎖を有する電解質物質に、粒状の空気極物質が固定されている複合体を含有することを特徴とする固体酸化物形燃料電池用空気極。
- 燃料極が、請求項1〜4、7及び8のいずれか1項記載の固体酸化物形燃料電池用燃料極であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セル。
- 空気極が、請求項5、6、9及び10のいずれか1項記載の固体酸化物形燃料電池用空気極であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セル。
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JP2005277700A JP2007087868A (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | 固体酸化物形燃料電池用燃料極及び固体酸化物形燃料電池用空気極並びに固体酸化物形燃料電池用セル |
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JP2005277700A JP2007087868A (ja) | 2005-09-26 | 2005-09-26 | 固体酸化物形燃料電池用燃料極及び固体酸化物形燃料電池用空気極並びに固体酸化物形燃料電池用セル |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012514693A (ja) * | 2009-01-07 | 2012-06-28 | コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ | 基本セルのスタックを含む高温型電解セルまたは高温型燃料電池を製作するための方法 |
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- 2005-09-26 JP JP2005277700A patent/JP2007087868A/ja active Pending
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