本発明の一実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、全ての図中において、同様の部材には同じ符号を付与している。また、これらの各図は、詳細な説明の一部として明確に組み入れられるものである。
本発明の構成要素を、ここに示されている図においては一般化して描き、説明しているが、多種多様な形態に変更および設計することができる。したがって、本発明の方法およびシステムの実施形態に関する以下の詳細な説明は、本発明の範囲を限定するものではなく、単に、本発明の現時点での好ましい実施形態の一例を示すものに過ぎない。
本発明の実施形態の構成要素を、ハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアに組み込んでもよい。本明細書中に記載されている典型的な実施形態は、これらの形態のほんの一例を説明しているが、当業者であれば、本発明の範囲内において、これらの構成要素をこれらのあらゆる形態において実施できることを理解できるであろう。
本発明の実施形態は、画像形成装置を遠隔演算装置のアプリケーションと統合するインターフェースならびに構成(アーキテクチャ)、および、画像形成装置単体では不可能なソリューションを提供する環境を含んでいる。また、ネットワーク上のアプリケーションが、画像形成装置の機能をプログラム制御でき、かつ画像形成装置の入力パネルを介してユーザと交信できる基本設備(インフランストラクチャ)およびインターフェースを含んでいてもよい。画像形成装置内で実用的でないソフトウェア機能は、画像形成装置からアクセス可能なサーバ上で実行することができる。
本明細書および特許請求の範囲では、画像形成装置(IDev)を、画像処理機能を有する装置として説明する。ここでいう画像処理機能には、例えば、画像読取、印刷、コピー、画像伝送(送信および受信)、画像変換などの機能が含まれる。典型的な画像形成装置としては、プリンタ、コピー機、ファックス、画像読取器、画像を伝送,変換,または加工する演算装置等がある。また、画像形成装置(IDev)は、複数の画像処理機能を有するものであってよい。例えば、これに限定されるものではないが、一般的には、プリンタ、画像読取器、コピー機および/またはファックス、または画像送信機/受信機のうちの複数の機能がある多機能周辺機器(MFP)は、画像形成装置の1タイプである。なお、MFPとしての他の画像形成装置は、上記以外の機能の組み合わせを備えたものであってよい。
本明細書および特許請求の範囲では、遠隔演算装置(RCD;リモートコンピュータ機器)を、データ処理ができ、かつ通信回線を介して他の装置と通信できる能力を有する装置とする。遠隔演算装置(RCD)は、画像形成装置などの他の装置と通信するための、例えばネットワーク接続、電話線、シリアルケーブル、または他の有線リンクあるいは無線リンクのような通信用リンクを必要とするリモート装置である。典型的な遠隔演算装置(RCD)としては、通信用リンクを有するネットワークサーバ、ネットワークコンピュータ、その他の処理装置、および、その他の記憶装置などが挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態を、図1および図2を参照して説明する。これらの実施形態は、画像形成装置(IDev)4を備えている。この画像形成装置4は、多機能周辺機器(MFP)であってもよく単機能装置であってもよい。画像形成装置4は、ユーザインターフェース(UI)パネル2をさらに備えている。ユーザインターフェースパネル2は、入力ボタン14および表示装置16を備えている。あるいは、ユーザインターフェースパネル2は、タッチパネルシステムを備えていてもよい。タッチパネルシステムは、ボタン14を備えていてもいなくてもよい。また、ユーザ入力および表示は、別個のUI装置8を介して実行されるものであってよい。このUI装置8は、例えばUSB、ネットワークケーブル、無線などの通信回線12によって、画像形成装置4と接続されている。UI装置8は、表示装置だけでなく、キーボードまたはボタンのような入力装置を備えていてよい。また、UI装置8に備えられる表示装置は、タッチスクリーンパネルであってもよい。このような種類のUI装置8は、リモート入力装置からUI装置8へと入力された命令を伝送するためのインターフェースをさらに備えていてもよい。また、UI装置8は、画像形成装置4へ伝送するための入力データを記憶するために構成されている記憶装置(例えば、メモリスティック、USBメモリカードなど)を備えていてよい。
これらの実施形態は、ネットワーク10などの通信リンクを介して画像形成装置4とリンクされている遠隔演算装置(RCD)6をさらに備えている。このネットワーク10は、一般的な有線リンクまたは無線リンクであってよい。
本発明の実施形態では、遠隔演算装置6から、ネットワーク10を介して、画像形成装置4のUIパネル2またはUI装置8へとメニューデータを提供してもよい。このメニューデータが画像形成装置4へ送られると、画像形成装置4のUIパネル2あるいはUI装置8を使用して、遠隔演算装置6上において動作するアプリケーションと情報交換することができる。UIパネル2あるいはUI装置8が受け付けたユーザ入力を、遠隔演算装置6へ直接戻してもよい。
ウェブサービスは、URI(Uniform Resource Identifier)によって識別されたソフトウェアアプリケーションである。URIのインターフェースおよびバインディング(binding)は、XML(Extensible Markup Language)のアーティファクトによって定義、記述、発見される機能を持ち、また、XMLベースのメッセージを用いて、インターネットベースのプロトコルを介して、他のソフトウェアアプリケーションと直接情報交換することをサポートする。
遠隔演算装置6上のアプリケーションは、1以上のウェブサービスを用いて、装置の機能を有効にしたり、無効にしたり、設定したり、あるいは装置の機能を制御したりするなど、画像形成装置4の様々な特性を制御することができる。
本発明の実施形態では、遠隔演算装置6上で動作するネットワークアプリケーションは、画像形成装置4のI/Oパネル(UIパネル2)を介して、その画像形成装置4のユーザと情報交換できる。上記の実施形態では、画像形成装置4のユーザインターフェース(UI)(すなわち、タッチパネル、ボタン、または、ディスプレイ)をネットワークアプリケーションによって制御できる。また、カスタム表示画面またはカスタム表示メニューを、画像形成装置4に固有のユーザインターフェースと統合する形態もある。上記の実施形態では、画像形成装置4の機能の制御を、画像形成装置4のユーザインターフェースに対するユーザ入力に応じて画像形成装置4において実行する標準操作モードと、画像形成装置4のユーザインターフェースにおけるユーザ入力を介して遠隔演算装置6上のアプリケーションなどのネットワークリソースを利用するオープンシステムモードとの間で切り替える(hand off)ことができる。
上記の実施形態では、テキストおよび図形を任意のフォーマットで表示するように、ネットワーク上で動作するアプリケーションが画像形成装置4のUIを完全に制御するようになっている。上記の実施形態では、上記アプリケーションは、所望のレイアウトで、ボタン、テキストボックス、および図形などをプログラム表示することができる。
上記ユーザインターフェースの配置を、マークアップ言語などの標準言語を用いて容易にプログラムすることができてもよい。これらの言語としては、ハイパーテキストマークアップ言語(Hypertext Markup Language:HTML)、エクステンシブルマークアップ言語(Extensible Markup Language:XML)、ワイヤレスマークアップ言語(Wireless Markup Language:WML)、エクステンシブルハイパーテキストマークアップ言語(Extensible Hypertext Markup Language:XHTML)等を用いることができる。
遠隔演算装置6のアプリケーションまたはサーバのアプリケーションが、キーボードUIを画像形成装置4のUIパネル2またはUI装置8に表示させるように要求することができてもよい。また、この機能が、画像形成装置4において用いられることができ、遠隔演算装置6のアプリケーションによって再形成される必要がなくてもよい。また、上記遠隔演算装置6が、キーボードプロンプトやデフォルト値を定義するようにしてもよい。これらの実施形態では、遠隔演算装置6は、OKボタン、キャンセルボタンのような、画像形成装置4のユーザインターフェースにおける各ボタンの名称を変更でき、他のボタンを定義できる。
また、画像形成装置4自体が、あるいは遠隔演算装置6が、画像形成装置4のユーザインターフェースにメニューテンプレートを供給するようにしてもよい。
(外部認証アプリケーション)
本発明の実施形態の中には、外部認証サーバとして登録されている遠隔演算装置6のアプリケーションを含んだものもある。この外部認証アプリケーションは、画像形成装置4へのアクセスを制御し、また画像形成装置4のユーザインターフェースを最上位で制御(top-level control)する。上記アプリケーションによるユーザインターフェースの制御は、内部制御部(internal auditor)による制御と同様の方法であってもよい。
上記の実施形態において、画像形成装置4の制御部は、起動時に、外部認証アプリケーションが登録されているかどうかを確認する。登録されている場合、画像形成装置4は使用不可モードになり、上記アプリケーションは上記ユーザインターフェースを制御するために接続される。上記外部認証サーバを利用できない場合は、エラーメッセージが表示されて、画像形成装置4は使用不可のままである。この場合、画像形成装置4は、利用可能になるまで、上記外部認証サーバに定期的接続しようとする。下記の表1は、典型的な実施形態において、上記画像形成装置4が使用不可モードにある場合、何が上記ユーザインターフェースを制御するのかを表している。
(遠隔演算装置アプリケーション)
本発明の実施形態では、画像形成装置4のカスタムUIパネル2に対するアクセス方法は、アプリケーションによって異なっていてもよい。文書管理統合(Document Management integration)などのソリューションには、固有の画像送信画面を用いることが好ましいものもあるが、画像読取ジョブに関する付加的な情報を集約したUIパネルを表示すものもある。カスタム印刷アプリケーションのような他のソリューションに、固有の機能以外の個々のモードからアクセスしてもよい。
これらソリューションアプリケーションの多様化するニーズに対応するため、上記の実施形態では、ユーザインターフェース制御に対する複数の統合ポイントをサポートしている。これらの統合ポイントは、ユーザによるアプリケーションを登録するための操作(「トリガー」)に基づいている。いくつかの実施形態では、アプリケーションがターゲット装置(画像形成装置4)に登録されることにより、「遠隔演算装置B」に対する接続命令がUIパネル2になされて「トリガーA」がいつ生じるのかを画像形成装置4が把握するようにしてもよい。典型的な実施形態において、アプリケーションは、複数の「トリガー」ポイントにおいて画像形成装置4と一体化されている。
遠隔演算装置6は特定の機能に登録されており、画像形成装置4のユーザインターフェースにおいて上記機能(例えば画像送信)のハードウェアキーが押されたときに接続される。上記遠隔演算装置6によって供給されるユーザインターフェース情報は、画像形成装置4にもともと備えられている標準機能画面に代えて表示される。このトリガーは、既存の機能を完全なカスタムUIの機能に置き換えるアプリケーションに対しても使用できる。このようなアプリケーションとしては、例えば、代替画像読取ソリューション(alternative scan solution)や特殊ディスプレイなどがある。特殊ディスプレイとは、例えば、「セクション508」互換画面、または他の特殊なニーズに対応したインターフェースである。これら特殊ディスプレイは、大きなボタンまたは他の設備(accommodations)を備えていてもよい。
また、画像形成装置4における各機能のメニューを、タッチスクリーン上に表示してもよい形態もある。また、このメニューは、サーバなどの遠隔演算装置6が登録するようにしてもよい。これによって、ソリューションアプリケーションが、カスタムコンテンツを供給し、かつ、画像形成装置4によって設けられた標準機能の一部を引き続き利用することが可能になる。カスタムアプリケーションに割り当てられたボタンが選択されると、その機能に登録されたソリューションと共にメニューが表示される。ユーザは所望のソリューションを選択することができ、遠隔演算装置6は、命令を受けるために接続される。
遠隔演算装置6のアプリケーションを供給する独立型のRCDモードが、全画面上に表示される上記ユーザインターフェースのジョブキュー部分からアクセスすることができる形態もある。このトリガーポイントは、例えば画像形成装置4におけるカスタム印刷ソリューションのような、画像形成装置4の標準装置機能の一つに含まれないアプリケーションに使用できる。上記RCDメニューが選択されると、一般RCDモードに登録されているソリューションアプリケーションと共にメニューが表示される。ユーザは所望のソリューションを選択し、上記遠隔演算装置6は、命令を受けるために接続される。
(ハードウェアキーの相互作用)
本発明の実施形態の中には、画像形成装置4が使用可能であると、この装置を管理するために追加ハードウェアキーが使用されるものもある。典型的な実施形態におけるハードウェアキーの割り当てを表2に示す。
なお、*キーの押下によるログアウトに加えて、タイムアウトによるログアウトを実行するようにしてもよい。また、所定時間(例えば10秒〜240秒)が経過したときに自動的に消去する設定(あるいは使用不可にする設定)にしてもよい。これらの実施形態では、自動消去設定の時間内に何の動作もなかった場合、装置は自動的に使用不可モードに戻り、ユーザインターフェースを再制御するために遠隔演算装置6に接続を試みる。
(エラー&ジャム通知)
特定のソリューションに応じて、遠隔演算装置アプリケーション(RCUアプリケーション)は、画像形成装置4のユーザインターフェースおよび特定の画像処理ジョブ(imaging job)を完全に、あるいは部分的に制御してもよい。部分的制御の場合、遠隔演算装置6がクリックをモニタリングしながら、固有モード(native mode)においてユーザインターフェースの情報交換に応答できるようにし、ジョブを制御していてもよい。また、部分的制御として、遠隔演算装置アプリケーションが固有モードと一体化される構成としてもよい(ユーザインターフェーストリガー=機能カスタムメニュー)。画像形成装置4が、関連する遠隔演算装置アプリケーションに全てのエラーおよびジャム通知を送信するようにしてもよい。
遠隔演算装置アプリケーションが画像形成装置4のユーザインターフェースおよびジョブを完全に制御するケースでは、エラーおよびジャム通知を、エラーの種類に応じて異なる方法で処理するようにしてもよい形態もある。修復可能なエラーの場合は、遠隔演算装置アプリケーションに通知が送信され、該アプリケーションは、UIパネル2またはUI装置8におけるメッセージの表示および通知されたエラーを解決する処理を行う。また、修復不可能なエラーの場合、画像形成装置モードとRCDモードとが情報交換して、エラー状態を適切に処理する(例えば、ユーザに、ジャムを消去するという命令を与える)。
(ハンドオフ制御(Control Handoffs))
画像処理ジョブ中の様々な時点において、複数のアプリケーションによって画像形成装置を制御するようにしてもよい。これらのアプリケーションとしては、特に限定されるものではないが、例えば外部認証アプリケーション、標準的なRCDアプリケーション、画像形成装置4の固有モードなどが含まれる。以下の説明では、典型的な実施形態における、典型的なジョブの様々な工程について、各工程中における制御を行う主体、およびどの様な種類の制御が可能であるかについて説明する。
工程1:ユーザが、画像形成装置のユーザインターフェースにおいて、画像形成装置にアクセスするための証明データを提示する。この工程は、外部認証アプリケーションなどの遠隔演算装置6、または画像形成装置4自体に内蔵される内部課金(Internal Accounting)(固有モード)によって制御される。この工程の最後に、画像形成装置は使用可能になる。上記の外部認証アプリケーションはまた、デフォルトパラメータを指定してもよく、あるいは特定のジョブパラメータを使用不可にしてもよい(例えば、デフォルトファイル形式はPDFだが、ユーザがこれを変更できるようにしてもよい。また、カラーモードは白黒に設定されていて、ユーザがこれを変更できないようにしてもよい。)。
工程2:ユーザが、上記画像形成装置の固有モードのいずれかまたは標準的なRCDのアプリケーションを使用して、ジョブパラメータを設定する。この工程の最後に、ユーザはジョブを開始するための入力を行う。この入力がなされると、任意の通知が上記の標準的なRCDアプリケーションへ送信される。次に、この標準的なRCDアプリケーションが、必要に応じてジョブパラメータを変更する。ユーザが入力を行ったときに通知を要求するアプリケーションの一例として、電子メールのアプリケーションが挙げられる。ユーザは、固有の画像送信画面または他の入力手段を使用して、画像読取オプションを選択し、電子メールの受信者を選択する。次に、ユーザは、カスタムアプリケーションボタンを選択して、メニューから、画像読取・電子メール送信(scan-to-e-mail)オプションを選択する。次に、ユーザのファイルについての許可設定を行うために、電子メールアプリケーションがカスタム画面を表示する。ユーザが原稿を画像読取器上に置いて処理を開始すると、電子メールアプリケーションは、ユーザによって設定された宛先パラメータを取り込み、上記の対象の宛先を、電子メールアプリケーションのFTPサーバに変更する。次に、電子メールアプリケーションは、上記ファイルを受信し、適切な許可を与え、ユーザによって選択された電子メールを受信者へ送信する。なお、いくつかの実施形態と同様に、上記アプリケーションが、読み取った画像のサムネイルを作成して表示させてユーザに確認させる場合、この時点で、遠隔演算装置のアプリケーションは、ユーザインターフェースの再制御を要求してもよい。
工程3:上記ジョブが開始されると、画像形成装置は、このジョブの画像読取またはRIPingを実行して、それをHDDにスプールする。画像形成装置が、外部認証アプリケーションを用いてジョブを認証するように構成されている場合は、上記アプリケーションへクリックレポートを送信して命令を待つ。上記外部認証アプリケーションは、ジョブの送信/印刷、キャンセル、またはジョブパラメータの変更をする(ジョブパラメータを変更して使用可能にする)ことができる。例えば、ルールベース印刷アプリケーションは、クリックレポートを受信後、ジョブパラメータの変更を求める。ルールベース印刷アプリケーションには、時刻、宛先、その他の多くのパラメータに基づいて、各ユーザが実行できる行為を制限する、ルールベース印刷およびルールベース画像読取をサポートしているものもある。例えば、マーケティンググループ内のユーザのみが高品質のカラー画像を画像読取することができるように設定できる。例えば、別グループのユーザがカラー,600dpiを選択すると、ルールベースアプリケーションは、パラメータをカラー,200dpiに変更する。この工程の最後において、上記ジョブは許可されるか、あるいはキャンセルされる。
工程4:工程2の標準的なRCDアプリケーションが、一時的な保存先としてHDDに宛先を指定した場合は、この工程は省略してもよい形態もある。また、この工程は、実施形態によっては、画像形成装置4上で動作するJava(登録商標)アプリケーションによって実行されるものであってもよい。例えば、政府機関は、画像形成装置4上で動作するカスタム暗号化アプリケーションを有することがある。このカスタム暗号化アプリケーションは、画像読取された文書を取り込み、それを暗号化し、その後、工程2においてユーザが選択した対象の宛先へと、この文書を送信するよう画像形成装置4に要求する。なお、この工程の後および送信/印刷工程後に、外部認証アプリケーションへ通知を送ると有益である形態もある。なぜならば、上記画像形成装置が、上記ファイルがどれほどの時間ハードディスクに記憶されるのか、あるいは、上記アプリケーションがそれを用いて何を行うのか、を認識していないからである。
工程5:最終工程において、上記ファイルが実際に出力される。典型的な実施形態では、上記ファイルは、ネットワーク上で送信されるか、あるいは端末において印刷される。この工程の最後に、ジョブが正常に終了したという通知が、上記外部認証アプリケーションへ送信される。なお、上記標準的なRCDアプリケーションへも送信されるようにしてもよい。
(装置制御および管理API群)
このAPI群によって、遠隔演算装置アプリケーションが、販売アプリケーション(vend applications;使用料が徴収されるアプリケーション)を実行する画像形成装置へのアクセスを制御し、遠隔位置から該画像形成装置4を管理することができる。
(装置制御および販売API(Device Control and Vend API))
本発明の実施形態では、装置制御および販売APIによって、アプリケーションが、画像形成装置4へのアクセスを可能または不可能にし、かつクリック数を追跡記録するようにできるものもある。装置制御および販売APIは、遠隔演算装置6に以下に示す制御を行わせる。
画像形成装置4の機能を使用可能/使用不可能にする:これにより、遠隔演算装置6が、画像形成装置4全体へのアクセス、または画像形成装置4の特定の機能へのアクセスを可能または不可能にして、個々のユーザの権利を行使させることができる。典型的な実施形態としては、例えば表3に記載の機能を、アプリケーションによって任意に使用可能または使用不可能にするものもある。
使用されたクリックをレポートする:正常なジョブの最後に、使用されたクリックが遠隔演算装置RCDに戻ってレポートされる。
デビットモード(Debit Mode):これらの実施形態において、アプリケーションは画像形成装置4を使用可能にする際、現在のジョブが認証を要するか否かを指定する。この場合、上記ジョブはメモリにスプールされ、クリック情報(例えば表4において定義された情報)が遠隔演算装置6へ送信される。上記ジョブを削除すべきか、あるいは出力/送信するべきかを、遠隔演算装置6は画像形成装置4に通知する。この時、上記アプリケーションは、ジョブパラメータを変更するか否か選択することができる。上記アプリケーションが認証を要求しない場合、上記ジョブは通常通りに続行され、このジョブの最後にクリックレポートが送信される。
印刷ジョブの課金:これらの実施形態において、遠隔演算装置6は、ウォークアップ機能(walk-up function)および印刷ジョブの監視を実行する。印刷ジョブの課金にあたり、画像形成装置4は、送信されてくる全ての印刷ジョブを監視し、またジョブを印刷する前にPJLヘッダー中の課金データを検証のために遠隔演算装置6へ送る。遠隔演算装置6は、この課金データ(またはその不足)を検証して、ジョブを続行すべきかあるいはキャンセルすべきかを示す情報を画像形成装置4に与える。
未確認ジョブに関するレポート:これらの実施形態において、遠隔演算装置RCDは、例えば装置レポートや送信されてくるファックスジョブなど、遠隔演算装置RCDが特定のユーザと関連付けできない印刷ジョブの監視を要求する。遠隔演算装置RCDは、全ての未確認ジョブのクリック数を受信するための登録をして、これらのジョブを一般アカウント(general account)に請求することができる。
(装置管理API)
本発明の実施形態では、装置管理APIによって、ネットワークアプリケーションが、画像形成装置を遠隔設定および管理できるようにしてもよいものもある。典型的な実施形態では、上記装置管理APIは、遠隔演算装置6に以下の制御を行わせることができる。
・装置状態−遠隔演算装置6は、画像形成装置4の現在の状態を要求する。これは、埋め込み型ウェブページ(embedded web pages)にレポートされる状態情報と同じである。
・装置構成−遠隔演算装置6は、画像形成装置4によってサポートされている、インストールされているオプションの一覧を検索する。
・ウェブページ設定−遠隔演算装置6は、埋め込み型ウェブページ上で構成可能な任意の値を検索および設定する。
・キー操作プログラム−遠隔演算装置6は、ソフトウェアキーを含むキー操作プログラムにおいて構成可能な任意の値を検索および設定する。
・カスタム設定−遠隔演算装置6は、カスタム設定において構成可能な任意の値を検索および設定する。
・ジョブ状態−遠隔演算装置RCDは、現在のジョブキューおよび履歴情報を検索して、そのキューのジョブの優先順位を変更する、あるいは該ジョブを削除する。
・クリック数―遠隔演算装置6は、アカウントコードごとに、画像形成装置4におけるクリック数の総数および各機能のクリック数を検索する。
・データのセキュリティー設定−遠隔演算装置6は、DSK上の状態情報(例えば最終削除)を検索して、データ消去機能を開始する。
・レッドデータ(RED DATA)−遠隔演算装置6は、レッドメッセージ(RED message)等で通常送信される全てのデータを検索する。
・遠隔リブート―遠隔演算装置6は、画像形成装置4のリブートを開始する。
上記の分類は、どの設定が含まれるべきかを詳述する典型的な実施形態として記載されているにすぎない。実施形態によっては、実際のAPIが、機能領域ごとに分類されているものもある。なぜなら、キー操作設定とウェブページ設定とが重複している可能性があるためである。
(内部課金API(INTERNAL ACCOUNTING API))
内部課金APIによって、遠隔演算装置アプリケーションが、内部課金のシステムを構成し、かつクリック数をレポートすることができる。模範的な実施形態の中には、内部課金APIが、以下のものを含んでいるものもある。
・監査オプションを設定−遠隔演算装置6は、どのモードの監査が可能であるのかを含む監査オプションを設定する。上記のモードとしては、例えば、「アカウント番号のセキュリティー」、「無効なアカウントのジョブのキャンセル」などが含まれる。
・アカウントコードの管理−遠隔演算装置6は、アカウントコードを追加、編集、または削除する。
・アカウント制限−遠隔演算装置アプリケーションは、個別のアカウントコードまたは全アカウントコードの、クリック数の上限を機能別に指定する。
・アカウントリセット−遠隔演算装置アプリケーションは、個別のアカウントまたは全アカウントのクリック数をリセットする。
・クリック検索−遠隔演算装置6は、各アカウントコードのクリック数を機能別に検索する。
(フォントおよび書式管理API(Font and Form Management API))
上記の実施形態では、フォントおよび書式管理APIを含んでいてもよいものもある。フォントおよび書式管理APIによって、RCDアプリケーションが、フォントおよび書式を大容量記憶装置に遠隔ダウンロードして管理することができる。実施形態の中には、フォントおよび書式管理APIは、遠隔演算装置6に以下の制御を行わせることができるものもある。
・大容量記憶装置の制御−遠隔演算装置6のアプリケーションは、記憶容量、利用可能なスペース、および書込み禁止モードを含む、大容量記憶装置の状態情報を検索し、かつ書込み禁止状態を変更する。
・リソース一覧−遠隔演算装置アプリケーションは、記憶されているフォントおよび書式(例えば、フォントまたはマクロID、フォント番号、フォント/書式名、エスケープシーケンス、ファイルサイズなど)の一覧を検索する。
・リソースのダウンロード−遠隔演算装置アプリケーションは、PCLフォント、PCLマクロ、PSフォント、書式をダウンロードする。リソースがウェブページを介してダウンロードされる際に実行されるあらゆる特別な処理は、リソースがオープンシステムを介してダウンロードされる際にも実行される。
・リソースを削除−遠隔演算装置アプリケーションは、大容量記憶装置に記憶されている全てのリソースを削除する。
・リソースをアップロード−遠隔演算装置アプリケーションは、個々の、あるいは全てのリソースをアップロードする。効率的なメモリ管理を行えない画像形成装置4の場合、サーバアプリケーションは、この機能を用いて大容量記憶を「デフラグ」することができる。
・フォント/マクロID−遠隔演算装置アプリケーションは、PCLフォントおよびマクロに割り当てられたIDを割り当て、または変更する。
(ファームウェア管理API(Firmware Management API))
上記の実施形態には、ファームウェア管理APIによって、遠隔演算装置またはネットワークアプリケーションが、画像形成装置ファームウェアを遠隔ダウンロードおよび管理するようにしてもよいものもある。典型的な実施形態では、ファームウェア管理APIは、遠隔演算装置6(例えばサーバ)に以下の制御を行わせることができる。
・ファームウェアバージョン−遠隔演算装置アプリケーションは、現在のファームウェアバージョン番号を検索する。
・サービスモード−遠隔演算装置アプリケーションは、MFPをサービスモードにして、ファームウェアのアップグレードを阻害するであろう他のジョブを締め出す。サービスモード要求を受信すると、画像形成装置4は、送信されてくるジョブの受信を停止し、キューの全てのジョブを終了し、そして該画像形成装置4がサービスモードにあることをサーバに通知する。
・ファームウェアをアップデート−遠隔演算装置6は、最新ファームウェアバージョンを画像形成装置4にダウンロードする。再起動が必要である場合、ダウンロード終了後に画像形成装置4を自動的に再起動させる。
・ダウンロード状態−画像形成装置4は、ファームウェアのダウンロード後、遠隔演算装置6に状態通知(正常/エラー)を送信する。
・旧バージョンへ戻す−ファームウェアが正常に更新されない場合、旧ファームウェアバージョンへ戻すよう画像形成装置4に要求する。
(装置機能API群)
上記の実施形態の中には、装置機能API群によって、遠隔演算装置アプリケーションが、画像形成装置の既存の機能を用いて新しいカスタムソリューションを提供することができるものもある。
(画像送信API)
上記の実施形態の中には、画像送信APIによって、遠隔演算装置に以下の制御を行わせることができるものもある。
・画像送信パラメータ―遠隔演算装置RCDのアプリケーションは、以下の画像読取およびファックスパラメータ値を入手および設定する:
・カラーまたは白黒
・画像モード−テキスト、テキスト/フォト、フォト;露光レベル
・解像度
・ファイル形式―ファイルの種類、圧縮、ファイルのページ数
・原稿―原稿サイズ、片面/両面、回転、ジョブビルド(job build)
・ファイル名
・件名
・メッセージ
・送信元
・予定送信時間
・ページ分割(本の画像読取)
・表紙
・伝送メッセージ(機密、緊急など)
・薄紙の画像読取
・宛先
・文書ファイリング
・画像読取開始―遠隔演算装置RCDのアプリケーションは、画像読取機能を開始させる(ユーザがスタートボタンを押した場合と同様に開始させる)。
実施形態の中には、遠隔演算装置6が、画像形成装置4のデフォルト値、または現在のジョブの値を変更できるものもある。また、遠隔演算装置6が、現在のジョブに対してユーザが画像読取パラメータを変更できるかどうかを指定するようにしてもよい。1つの遠隔演算装置アプリケーション(例えばアクセス制御アプリケーション)がパラメータを変更できないように指定し、第2のアプリケーション(例えば文書管理アプリケーション)がパラメータを設定しようとした場合、第2のアプリケーションに通知が送信され、設定は変更されない。
(印刷API)
実施形態の中には、遠隔演算装置が、印刷ジョブを、標準印刷チャネルを介して提示するようにしてもよいものもある。実施形態の中には、印刷APIが、遠隔演算装置に以下の制御を行わせるようにしてもよいものもある。
・PJL検索(sniffing)−遠隔演算装置RCDのアプリケーションは、印刷ジョブ中に特定のPJLコマンドが発見されたときに命令に接続する(contacted for)ように、画像形成装置に登録する。遠隔演算装置は、画像形成装置IDevに、コマンドの置き換え、ジョブのキャンセル、または印刷の続行を命令できる。このインターフェースは、課金などのアプリケーションに使用することができ、他の種類のアプリケーションとの互換性がある。
(コピーAPI)
上記の実施形態では、コピーAPI(Copy API)が、遠隔演算装置に以下の制御を行わせるようにしてもよい。
・コピーパラメータ―遠隔演算装置RCDのアプリケーションは、以下のコピーパラメータの値を入手および設定する。
・カラーまたは白黒
・露光−テキスト、テキスト/フォト、フォト、スーパーフォト;露光レベル
・用紙選択(トレイ毎)
・コピー率
・両面コピー−1対1、1対2、2対2、2対1;端部綴じ
・排出−排出トレイ、ソート、ステープル、グループ、オフセット
・原稿サイズ
・特殊な機能−余白変更、消去、パンフレット等
・文書ファイリング
・コピー開始−遠隔演算装置RCDのアプリケーションは、コピー機能を開始する(ユーザがスタートボタンを押した場合と同様に開始させる)。
実施形態の中には、遠隔演算装置が、画像形成装置のデフォルト値、または現在のジョブの値を変更できるものもある。また、遠隔演算装置が、現在のジョブに対してユーザがコピーパラメータを変更できるかどうかを指定するようにしてもよい。
(文書ファイリングAPI)
上記の実施形態では、文書ファイリングAPIが、遠隔演算装置に以下の制御を行わせるようにしてもよいものもある。
・バックアップ/復元−遠隔演算装置RCDのアプリケーションは、全ての文書ファイリングデータと共にバッチファイルをインポートおよびエクスポートする。実施形態の中には、このパッケージが独自の形式(proprietary format)であってもよいものもある。なぜならこのパッケージは、パスワード保護されている個人がアクセスできない文書を含んでいるからである。このパッケージは、一般的には、障害の際や他装置へ複製する際に復元するために用いられる。
・ファイル/フォルダリスト−遠隔演算装置6のアプリケーションは、画像形成装置4へ記憶させるため(あるいは画像形成装置4の管理のため)に、新規のファイルおよびフォルダを検索、変更、および、作成する。
・ファイルのダウンロード−遠隔演算装置6は、新規ファイルを文書ファイリングシステムへダウンロードし、フォルダ、ファイル名、ユーザ名、パスワードを指定する。
・ユーザリスト−遠隔演算装置アプリケーションは、画像形成装置4へ記憶させるため(あるいは画像形成装置4の管理のため)に、新規のユーザを検索、変更、および、登録する。
・HDD状態−遠隔演算装置アプリケーションは、メインフォルダ、クイックフォルダ、カスタムフォルダに割り当てられている%(容量の割合)、および残存%などの、現在のHDD状態を検索する。
・文書ファイリングパラメータ−遠隔演算装置アプリケーションは、ファイルを文書ファイリングへ保存する際の、各種の値(例えば以下に示す値)を入手および設定する:
・露光
・解像度
・原稿−サイズ、片面/両面
・ファイル情報−ユーザ名、ファイル名、フォルダ、機密、パスワード
・特殊モード−消去、袋とじコピー、2IN1、ジョブビルド、カードショット(card shot)
・印刷開始−遠隔演算装置アプリケーションは、記憶されているファイルの1つを選択し、例えば以下のパラメータを反映して印刷を開始する:
・用紙サイズ/ソース
・排出−ソート/グループ化、排出トレイ、ステープル、パンチ、オフセット
・片面/両面(タブレット/ブックレット)
・タンデム印刷
・コピー部数
・印刷後に削除するかあるいは保存しておくか
・送信開始−遠隔演算装置のアプリケーションは、記憶さているファイルの1つを選択し、例えば以下のパラメータを反映して送信を開始する:
・解像度
・ファイル形式
・宛先
・タイマー
・送信元
・ファイル名
・件名
・メッセージ。
(セキュリティー)
外部アプリケーションによる画像形成装置4の制御を可能にすることによって、該画像形成装置4が、新たなセキュリティーの脆弱性にさらされることになる。セキュリティー対策を提供している本発明の実施形態では、以下の典型的な項目がセキュリティー上の懸念事項であり、遠隔演算装置6のインターフェースによってこれらに対処している。
遠隔演算装置6のインターフェースへのアクセスは、正規アプリケーションに限定されている。実施形態では、画像形成装置4の広範囲に及ぶアクセスおよび制御を提供しているが、これによってセキュリティー上の重大な危険がもたらされる。これらの実施形態におけるインターフェースは、攻撃者によるアクセスから保護されている一方、有効なソリューションのセットアップおよび利用は容易なままである。
機密データ(ユーザ証明データおよびジョブデータ)は、ネットワーク伝送中は保護されている。ユーザ証明データおよびジョブデータがネットワーク伝送中に保護されているのは、盗難予防、侵入者による装置動作のモニター予防、そして介入者攻撃によるメッセージの改変予防を確実に行えるようにするためである。画像形成装置4は、該画像形成装置4と遠隔演算装置アプリケーションとの間を通信している間、データの安全を確保するように、セキュアソケットレイヤー(Secure Sockets Layer;SSL)および他の接続をサポートしている。
管理者は、画像形成装置4へのアクセスを制限することができる。厳しいセキュリティーを要求するユーザに対して、管理者は遠隔演算装置6からのアクセスを不可にしたり、特定のアプリケーションへのアクセスを制限することができる。管理者は、任意に、画像形成装置4のインターフェースにアクセスできるアプリケーションを限定して登録することができる。
遠隔演算装置アプリケーションは、画像形成装置4に「なりすまし」されないようにすることができる。遠隔演算装置6は、該遠隔演算装置6と接続されている画像形成装置4を認証することができる。これは、侵入者が、その画像形成装置4になりすましてネットワーク構成およびパスワード情報を収集したり、文書管理システムのファイル/フォルダ構成をモニターしたり、画像形成装置4のセキュリティー設定およびDSK状態をだましたりできないようにするためである。
遠隔演算装置6は、サーバに「なりすまし」されないようにすることができる。画像形成装置4は、該画像形成装置4と接続されている全遠隔演算装置6を認証できなければならない。これは、侵入者が遠隔演算装置6のIPアドレスになりすますことを防ぐためである。遠隔演算装置6を装うことによって、侵入者は、ユーザ証明データを盗み出したり、読み取った文書を転送したり、装置構成またはファームウェアを改変したり、(権限のないユーザにアクセスを与えるため、あるいは正規ユーザに対するサービス不能攻撃を開始するために)アクセス制御システムを停止させたりできる。
アクセス制御/販売アプリケーションは、遠隔演算装置6が使用できない状態にあるときは、危険にさらされることはない。遠隔演算装置6が使用できない状態にあるとき、画像形成装置4にオープンアクセスを与えることは許可されない。遠隔演算装置6が起動されているにもかかわらず使用できない場合、あるいは随時使用できなくなった場合(例えば、誰かがネットワークケーブルを切断した場合)、画像形成装置4は即座に使用不可になり、エラーメッセージが表示される。
管理者は、企業およびあるいはアプリケーションの必要性に基づいて、セキュリティーレベルを調整することができる。セキュリティー要件は、遠隔演算装置アプリケーションの開発に費やす時間、およびソリューションを実行するために必要なリソースに大きな影響を与える。いくつかの実施形態を利用するユーザは、保有する画像形成装置4は1つで、ITスタッフがおらず、単純な画像読取アプリケーションまたは印刷アプリケーションを使用している小企業から、アクセス制御と全装置の動作について記録する監査証跡とを用いる政府機関にまで及ぶかもしれない。画像形成装置4のインターフェースを保護するために講じられるセキュリティー対策は、目的とする環境と合致するように、管理者によって調整可能である。
画像形成装置4および遠隔演算装置アプリケーションは、ユーザ証明データを相互に通信することができる。ユーザは、ジョブ中の複数の時点において、ログインするように促されることがある。例えば、アクセス制御アプリケーションまたは課金アプリケーションは、全ての装置アクセスを制御し、画像形成装置4は、画像送信を可能にするユーザ認証を行い、文書管理アプリケーションは、フォルダリストを表示する前に、ユーザにログインするよう要求する。多くの環境において、これら全てのアプリケーションは、共通のユーザデータベースを使用する。このため、実施形態によっては、ユーザが認証工程を繰り返す必要がないように、上記アプリケーションはユーザ証明データを相互に通信し合うことが望ましいものもある。
本発明の一部の実施形態について、図3を参照して説明する。これらの実施形態は、例えば通信回線を介して接続されるサーバなどの遠隔演算装置と相互通信するように構成された画像形成装置を含んでいる。画像形成装置30は、ユーザインターフェース32およびディスプレイ36を備えている。ユーザインターフェース32は、例えばキーボード、1つ以上のボタン、ノブまたはスイッチ、あるいはタッチスクリーンパネルといった、ユーザ入力装置34である。ディスプレイ36は、タッチスクリーンパネル形式のユーザ入力装置であってもよい。
画像形成装置30は、一般的に、1つ以上の画像処理機能を実行する能力がある。ここでいう画像処理機能としては、例えば画像読取、印刷、コピー、ファックス通信(送信および受信)などが含まれるが、これらに限定されるものではない。
この実施形態では、通信回線38がさらに備えられている。この通信回線38は、(図3に示すような)有線であってよい。有線としては、例えば、ネットワークケーブル、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus;USB)ケーブル、シリアルケーブル、パラレルケーブル、例えばホームプラグ(HomePlug)接続回線などの電力通信線、あるいはその他の有線を用いることができる。あるいは、通信回線38は、無線であってもよい。無線による接続としては、例えば、IEEE802.11(b)規格の接続、ブルートゥース接続、赤外線通信協会(Infrared Data Association;IrDA)接続、あるいはその他の無線接続を用いることができる。
画像形成装置30の動作例について、図4を参照して説明する。これらの実施形態では、まず、画像形成装置30は、遠隔演算装置(図3には不図示)からメニューデータを受信する(工程40)。この遠隔演算装置は、有線または無線接続の通信回線38を介して画像形成装置30に接続されている。次に、画像形成装置30のユーザインターフェース32のディスプレイ36に上記メニューデータを表示する(工程42)。リモートメニューデータをこのように表示させる目的は、ユーザによる、ユーザインターフェース32のユーザ入力装置34上での入力を迅速にするためである。
上記実施形態の画像形成装置30は、リモートメニューデータが表示された後のユーザによる入力を受け付けて、ユーザ入力データを遠隔演算装置へ送信するように構成されている(工程44)。実施形態によっては、このユーザ入力データは、遠隔演算装置によって処理されるものもある。上記処理とは、例えば、遠隔演算装置におけるアプリケーションの実行、遠隔演算装置に記憶されているデータへのアクセス、該データの通信などである。
また、上記実施形態の画像形成装置30は、上記ユーザ入力データの処理によって生じるデータを受信する(工程46)ように構成されている。上記受信するデータとは、ユーザ入力後に遠隔演算装置上で実行されるアプリケーションによって生成されるデータを含んでいてもよい。画像形成装置30はまた、ユーザ入力の処理後にファイルサーバなどの遠隔演算装置に記憶されたデータを受信してもよい。
画像形成装置30は、上記処理データを受信する(工程46)と、そのデータに応じて、あるいはそのデータを使用することによって固有の機能を実行する(工程48)。例えば、これに限定されるものではないが、画像形成装置30は、遠隔演算装置に記憶され、かつユーザ入力に応じて遠隔演算装置上で修正されている文書を印刷する。別の例として、これに限定されることはないが、画像形成装置30は、工程46における処理データを受信すると、上記画像形成装置30の機能(例えば、画像読取、コピー、印刷、ファックス通信)をアクティブまたは使用可能にするようになっていてもよい。
画像形成装置30の、さらに具体的ないくつかの実施形態について、図5を参照して説明する。上記実施形態では、画像形成装置30は、マークアップ言語によってフォーマットされたメニューデータを、遠隔演算装置から受信する(工程50)ように構成されている。上記メニューデータが通信される通信回線は、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol;HTTP)を使用して構築および維持されるものであってもよい。上記のマークアップ言語としては、例えばハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、エクステンシブルマークアップ言語(XML)、ワイヤレスマークアップ言語(WML)、エクステンシブルハイパーテキストマークアップ言語(XHTML)、および/または他の言語を用いることができる。
画像形成装置30は、上記メニューデータを受信(工程50)すると、受信したメニューデータを画像形成装置30のユーザインターフェースディスプレイ36上に表示する(工程52)。前述した実施形態と同様に、上記メニューデータは、一般的に、画像形成装置30のユーザインターフェース32上でのユーザによる入力を迅速にするためのものである。遠隔記憶されたメニューデータの表示(工程52)は、画像形成装置30に備えられているブラウザアプリケーションを用いて達成されてよい。
上記の実施形態では、画像形成装置30はさらに、ユーザインターフェース32を介して受信されたユーザ入力を、遠隔演算装置へと送信する(工程54)ように構成されている。遠隔演算装置は、上記ユーザ入力を受信すると、アプリケーションを実行するか、あるいは受信したユーザ入力を処理してその処理結果を画像形成装置30へ返信する。画像形成装置30はさらに、遠隔演算装置から処理データを受信する(工程56)ように構成されている。実施形態によっては、画像形成装置30が、処理データの受信(工程56)後に、1つ以上の機能を実行するようにしてよいものもある。
本発明のさらに他の実施形態について、図6を参照して説明する。この実施形態は、通信回線64を備えた遠隔演算装置(RCD)60を含んでいる。通信回線64としては、(図6に示したように)ネットワークケーブル、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブル、シリアルケーブル、パラレルケーブル、例えばホームプラグ接続などの電力通信線、あるいはその他の有線などを用いることができる。あるいは、通信回線64による接続は、例えばIEEE802.11(b)規格の接続、ブルートゥース接続、赤外線通信協会(IrDA)規格によって規定されているような赤外線接続、あるいはその他の無線接続であってもよい。実施形態の中には、遠隔演算装置60がさらに、データ記憶装置62をさらに備えていてもよいものもある。このデータ記憶装置62は、一般的にはハードドライブであるが、例えばコンパクトディスクドライブなどの光学ドライブ装置、フラッシュメモリ、またはその他の記憶装置であってよい。
遠隔演算装置60の実施形態について、図7を参照してより詳細に説明する。これらの実施形態では、遠隔演算装置60はプロセッサ72を備えている。このプロセッサ72は、データを処理し、かつオペレーティングシステムやアプリケーションなどのプログラムを実行する。遠隔演算装置60はメモリ74をさらに備えている。このメモリ74は、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよく、読込専用メモリ(ROM)であってもよい。一般的には、プロセッサ72によって処理されるあらゆるアプリケーションはメモリ74に読み込まれる。遠隔演算装置60はさらに、ネットワークインターフェース78を備えている。このネットワークインターフェース78は、遠隔演算装置60が、画像形成装置30などの別の装置と通信することを可能にする。なお、実施形態によっては、遠隔演算装置60は、ユーザインターフェース(UI)80をさらに備えているものもあるが、これは多くの実施形態において不要である。また、遠隔演算装置60は、本発明の実施形態の画像形成装置30によってアクセスされるアプリケーションおよびデータを記憶させる記憶装置62を備えている。プロセッサ72、メモリ74、記憶装置62、ネットワークインターフェース78、および任意に備えられるユーザインターフェース80は、一般的に、システムバス76によって接続されている。これによって、各部材間のデータ伝送が可能になる。通信回線64は、ネットワークインターフェース78を介して、遠隔演算装置60を別の装置と接続させる。
図8に関して記載したいくつかの実施形態では、遠隔演算装置60は、記憶装置62またはメモリ74に記憶されたメニューデータを有している。画像形成装置30のユーザインターフェース32上にこのメニューデータが表示されるように構成されていてもよい。また、上記メニューデータは、様々な形式および構成で記憶されてよい。実施形態の中には、上記メニューデータが、マークアップ言語によって表現される言語形式(form of terms)であってもよいものもある。マークアップ言語としては、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、エクステンシブルマークアップ言語(XML)、ワイヤレスマークアップ言語(WML)、エクステンシブルハイパーテキストマークアップ言語(XHTML)、および/または他の言語を用いることができる。本実施形態では、メニューデータは、工程82において、通信回線64を介して画像形成装置30へと送信される。従って、画像形成装置30上に表示されるように構成されたメニューデータは、遠隔演算装置60に記憶されている。
次に、いくつかの実施形態の遠隔演算装置60は、ユーザ入力を受信する(工程84)ように構成されている。このユーザ入力は、画像形成装置30のユーザインターフェース32を介して入力され、通信回線38ならびに64を介して遠隔演算装置60へ伝送されたものである。遠隔演算装置60は、この入力データを受信すると、この入力データの処理を行う(工程86)。この処理工程86は、このデータを新たな形式に変換する工程であってもよく、このデータ内のコマンドを実行する工程であってもよく、その他の処理工程であってもよい。遠隔演算装置60は、上記入力データを処理(工程86)した後、処理結果を画像形成装置30へ返信する。画像形成装置30は、受信した処理結果を、画像形成装置30における処理または画像形成装置30において実行する機能に使用する。
他の実施形態について、図9を参照して説明する。この実施形態では、遠隔演算装置60は、画像形成装置30のディスプレイ36用に構成されているメニューデータを、マークアップ言語を用いて送信する(工程90)。このマークアップ言語メニューデータは、画像形成装置30において受信され、ユーザに表示される。これによって、通常は、画像形成装置30のユーザインターフェース32上でユーザが迅速に入力できるようになる。このユーザ入力は、画像形成装置30によって遠隔演算装置RCD60へと送信され、遠隔演算装置RCD60は、画像形成装置30上のメニューデータを迅速に表示する入力データを受信する(工程92)。さらに、遠隔演算装置RCD60は、受信した入力データを処理する(工程94)。この処理工程は、例えば、形式、文書、または遠隔演算装置RCD60に記憶されているその他のデータを選択、記録、変更等する工程であってもよく、上記ユーザ入力によって識別されたユーザを認証する工程であってもよく、上記ユーザによって入力された文書を翻訳する工程であってもよく、ユーザ入力に関連するマップまたはその他の指示を生成する工程であってもよく、あるいはその他の処理または機能であってもよい。
本発明のさらに他の実施形態について、図10および図11を参照して説明する。上記実施形態は、少なくとも一台の遠隔演算装置RCD60、および複数の画像形成装置30a〜30dを含んでいる。上記実施形態において、画像形成装置30a〜30dの内の少なくとも一台は、ディスプレイ36およびユーザ入力パネル34を有するユーザインターフェース32を備えている。ユーザ入力パネル34は、ディスプレイと一体型(すなわちタッチスクリーン)であってもよく、あるいはディスプレイとは別個の入力装置であってもよい。遠隔演算装置RCD60は、通信リンクおよびネットワーク100によって画像形成装置30a〜30dに接続されている。これにより、遠隔演算装置RCD60と画像形成装置30a〜30dとの間のデータ伝送が可能になっている。
上記実施形態では、メニューデータは、遠隔演算装置RCD60に記憶されており、そして画像形成装置30a〜30dの内の少なくとも一台に送信される。そして、このメニューデータは、ユーザインターフェースに表示される。画像形成装置30a〜30dのいずれも、上記メニューデータを受信しユーザ入力を受け付け(工程112)、受け付けたユーザ入力を遠隔演算装置60へ伝送する(工程114)ように構成されている。遠隔演算装置60は、ユーザ入力データを受信すると、前述の実施形態と同様にこのデータを処理する(工程116)。そして、処理(工程116)の結果を、任意に組み合わせた画像形成装置30a〜30dへと返信する(工程118)。
上記実施形態では、一台の遠隔演算装置RCD60を使用して、処理能力、リソース、および機能性を複数の画像形成装置30a〜30dへ供給している。このとき、これらのリソースを各画像形成装置において再生することはない。なお、実施形態によっては、ある画像形成装置30aに対する入力に応じて生成した処理データを、この処理データの出力または最終処理のために、別の画像形成装置30dへ送信するようにしてもよいものもある。
本発明のさらに他の実施形態について、図12を参照して説明する。本実施形態では、画像形成装置(IDev)120は、ユーザインターフェース124を備えている。ユーザインターフェース124は、ユーザ入力を受け付けることができ、また、データをユーザに表示することができる。ユーザインターフェース124は、一般にディスプレイを備えている。このディスプレイは、タッチパネルの形態であることが多い。このディスプレイは、データをユーザに表示するために使用される。このデータは、例えば、ユーザIDおよびパスワードなどのユーザ選択、データ入力、形式選択、およびその他の入力を迅速にするための、メニューデータなどである。画像形成装置120は、通信リンク122を備えている。この通信リンク122としては、一般的なコンピュータネットワーク接続、シリアルケーブル、あるいは、別の実施形態において説明した有線または無線通信回線を用いることができる。通信リンク122は、画像形成装置120を、サーバなどの遠隔演算装置(RCD)126a、126bへ接続する。遠隔演算装置126a,126bは、形式やその他のデータなどの文書を記憶するためのものであってもよく、データを画像形成装置120からアクセス可能にするために使用されるものであってもよい。遠隔演算装置RCD126a,126bはまた、画像形成装置120およびそのユーザインターフェース124と情報交換するアプリケーションや、上記の画像形成装置120およびそのユーザインターフェース124に対する入力を受け付けるアプリケーションを実行するものであってもよい。また、実施形態によっては、データベース125が、画像形成装置120および/または遠隔演算装置126a・126bにリンクされていてもよいものもある。また、実施形態によっては、遠隔演算装置126bまたはデータベース125が、インターネット128などの広域ネットワークを介して画像形成装置120に接続されていてもよいものもある。
(ウエブページナビゲーションの実施形態)
本発明のある実施形態では、アプリケーションはウエブコンテンツを通してユーザと通信する。ウエブコンテンツは、IDevユーザインターフェースディスプレイ上の表示のためのIDevウエブブラウザに送信される。IDevは、表示されたコンテンツに関連する入力を、IDevユーザインターフェース(UI)入力装置を通して、あるいは、アプリケーション上の入力の他の方法や機能により、受け入れる。
画像形成装置アプリケーションは、ユーザインターフェースディスプレイ装置上の情報表示を介してユーザと通信する。これは、比較的小さなLCDあるいは、サイズや機能が変化した似通ったディスプレイでは、典型的なことである。アプリケーションは、画像形成装置の異なる選択と共に使用されるアプリケーションは、複数のディスプレイ機能に対してサポートの提供を典型的にする必要がある。
本発明の実施の形態では、IDevからアプリケーションへ通信される、そして、アプリケーションデータに挿入されているあるいは関連している、形式位置属性(form position attribute)を使用することでナビゲートのサポートを提供するシステムおよび方法を含んできる。位置属性と関連したページがIDevにより要求されると、アプリケーションの判断にて直ぐにあるいは他の時に、形式属性はIDevに戻すよう送信される。このような実施の形態では、アプリケーションとIDevはとは、アプリケーションからIDevに送信されるメニュースクリーンデータを調整する2方向の通信を行うことになる。
本発明に係る実施の形態では、UIディスプレイ・スクリーンのようなアプリケーションインターフェース要素は、マークアップ言語ページとして格納される。PCウエブブラウザの一つでは、ウエブページは、スクローリングバーを使用する複数のページを含むページを通して、スクローリングによりナビゲートされる。しかしながら、いくつかのIDevでは、ピクセルバイピクセルあるいは、ラインバイラインの状態のウエブページを通して流動性のあるスクロール機能がないものものある。このようなIDevは、スクリーンバイスクリーンの状態において、ひと続きの情報のフルスクリーン間をジャンプしなければならない。その結果、長さにおいて、IDevUIディスプレイ・スクリーンより長いウエブページは、データのスクリーンに関連したとしひと続きとして閲覧される。ページの各スクリーン間のナビゲートはIDevにて行われる。IDevユーザが、ページの頭あるいは第1スクリーン以外のスクリーンにナビゲートすると、位置あるいはスクリーンは、追跡され記憶される。そのため、ユーザは、後でその位置に戻ってくることができる。時々ユーザがこの位置からあるページのあるスクリーンにナビゲートすると、他のページへのリンクを選択する。ユーザが選択したリンクからその位置に戻って来たい場合、ユーザは、トップのページから手動でその位置にスクロールバックしなければならない。しかしながら、本願発明に係る実施の形態では、ユーザは、そのページから離れていても、素早くページのその位置に戻ってくることができる。これは、IDevが、その位置を追跡しており、IDevUIの制御を行うアプリケーションに位置情報を中継するからである。
いくつかの実施の形態では、位置属性は、アプリケーションに送信され、アプリケーションのインターフェースページとして保持され、それからIDevに戻すよう送信され、次に関連ページが選択される。IDevブラウザが位置属性と共にページを受信すると、そのブラウザは、位置属性に相当するページのスクリーンを表示する。
本発明のいくつかの実施形態では、内部処理能力のあるスタンドアロンのIDevが含まれている。他の実施の形態では、アプリケーションが動作する1あるいは複数の遠隔演算装置と通信を行うIDevが含まれている。
本発明の一実施の形態を図13に示す。本実施の形態では、IDev130が含まれており、IDev130は、アプリケーション、ナビゲーション、スクローリング、及び他の選択を受信するユーザインターフェース及びディスプレイ(UIディスプレイ)131を有している。IDev130は、さらに、IDevウエブブラウザ132A、テーブル132Bあるいは類似のデータユニットを格納するメモリあるいはストレージ、IDevディスプレイ・アプリケーション133を有している。IDevディスプレイ・アプリケーション133は、UIディスプレイ131での表示のために、アプリケーション138から受信したマークアップ言語ページを、再フォーマットあるいは翻訳する。IDevディスプレイ・アプリケーション133は、ウエブページでのユーザの位置を追跡し、形式位置タグおよび/または属性を保持する。この形式位置タグおよび/または属性は、保存されアプリケーションに送信される。これらの属性は、ページに添付されているか関連しており、ユーザがページから離れてからページ内で位置を指し示すよう呼び出されたときにアクセスされる。IDev130は、マークアップ言語インタープリタ134を備えており、これは、アプリケーションから受信したマークアップ言語のページを翻訳し、ユーザーインターフェースディスプレイ131にマークアップ言語のページを表示させるために、テーブルかIDevディスプレイ・アプリケーション133によって使用される他のデータ構造かに変換する。他の実施形態では、IDevは、少なくとも1つのRCD137と通信する。このRCD137は、マークアップ言語メニューデータ139をIDevに送信するアプリケーション138を有しており、IDevからの容易急135に対して、応答135を送る。
本発明の他の実施の形態を図14を用いて説明する。本実施形態では、IDevは、アプリケーションから第1マークアップ言語ページ(第1ページ)を受信する(工程140)。そして、IDevディスプレイ・アプリケーションは、IDevディスプレイ用に第1ページを再フォーマットし(工程142)、第1ページのサイズが十分であれば、第1ページから複数のスクリーンを形成する(工程144)。その後、IDevは、第1ページの第1スクリーンをスクローリング特性と共に表示する(工程146)。このスクローリング特性により、ユーザはページの続きスクリーンをスクロールすることができる。そして、IDevは、ユーザインターフェースにてスクローリング選択を受け付け(工程148)、それから、続きの次のスクリーンを表示する(工程150)。IDevが第2あるいは次ページの選択を受け付ける(工程151)と、IDevディスプレイ・アプリケーションは、第2スクリーンがページ上での最後に閲覧されたスクリーンであることを示す形式位置属性をマークする(工程152)。この形式位置属性は、典型的に、記録のためにアプリケーションに送られ、関連ページと関連付けられる。一旦位置が覚えられアプリケーションに送信されると、IDevは、ユーザにより選択された次のページ要求し、次のページを通してユーザのナビゲーションを追跡する。加えて、形式位置属性は、マークされ、次のページに関連したアプリケーションに送信される。ユーザが次のページ、他の続いて閲覧されるページについて、処理し終えると、ユーザは、手動あるいは自動の選択いずれでも、第1ページに戻ることができる。この、戻る選択があると、IDevは、第1ページをアプリケーションから要求する。応答において、アプリケーションは、IDevに、位置属性に基づいたページを送る。ページと位置属性とを受信すると、IDevは、位置属性にて示されるページのスクリーンを表示する(そのページの、最後に閲覧されたスクリーンあるいは第2スクリーン)(工程154)。
本発明に係る他の実施の形態について図15を用いて説明する。IDevのUIにてアプリケーション選択を受け付け(工程160)、アプリケーションに、第1XHTMLアプリケーションメニューページの要求を送信する(工程162)。アプリケーションは、第1XHTMLページの要求をIDevから受信し(工程164)、IDevに、ページに関連する形式指標により特定される形式に対応する固有のテンプレートフォーマットで第1XHTMLページを送信する(工程166)。IDevは、形式指標と共に、テンプレートフォーマットの第1XHTMLページを受信する(工程167)。受信すると、IDevマークアップ言語インタープリタ(MLI)は、マークアップ言語コードを翻訳し、そのページをテーブルあるいは同様のデータ構造に変換する(工程168)。ページが複数のスクリーンを満たすのに十分なデータを含んでいれば、テーブルは、各スクリーンに要求されるデータを保存する。このテーブルあるいは構造は、関連した形式指標と共に、IDevディスプレイ・アプリケーションにより読み出される(工程170)。IDevは、スクリーン1を表示する(工程172)。そして、IDevがUIにてスクローリング選択を受け入れる(工程174)と、IDevディスプレイ・アプリケーションは、テーブルを読み込み、スクリーン2を配置させる(工程176)。IDevは、第2スクリーンを表示し(工程178)、第2ページへリンクしている第2スクリーンでのリンクのユーザ選択を受け付ける(工程180)。IDevディスプレイ・アプリケーションは、第1ページのコードの中に挿入するよう、アプリケーションに形式位置属性を送信する(工程182)。IDevがアプリケーションから第2ページを要求する(工程184)と、アプリケーションは、テンプレートフォーマットの第2ページを形式指標と共に送信する(工程186)。そして、IDevは、第2ページを受信する(工程187)。IDevMLIは、コードを翻訳し、テーブルに変換する(工程188)。IDevディスプレイ・アプリケーションは、テーブルデータを読み出し、形式を結合させ、第2ページの1つである新たなスクリーンを配置させる(工程190)。IDevは、第2ページの1つである新たなスクリーンを表示する(工程192)。IDevは、第1ページの自動あるいは手動の選択を受け付ける(工程194)と、アプリケーションに、第1ページの要求を送信する(工程196)。アプリケーションは、挿入された位置属性と共に第1ページを、IDevに送信する(工程198)。そして、IDevが、アプリケーションから第1ページを受信する(工程199)と、IDevMLIは、第1ページコードを、形式位置属性を用いて翻訳し、テーブルに変換する(工程200)。その後、IDevディスプレイ・アプリケーションは、位置属性により指し示された位置に対して、テーブルを読み出し、形式を配置させる(工程202)。IDevは、ユーザが前もって選択した第2ページへのリンクの位置であり、形式位置タグにて示される位置にて、第1ページを表示する(工程204)。
本発明に係る他の実施の形態について図16を用いて説明する。本実施形態では、まず、アプリケーションから第1ページを受信する(工程210)。すると、IDevディスプレイ・アプリケーションは、IDevディスプレイ用に第1ページを再フォーマットし(工程212)、第1ページから複数のスクリーンを形成する(工程214)。次に、IDevは、UIにて、スクローリング特性を含んでいる第1スクリーンを表示する(工程216)。それから、IDevは、スクローリング選択を受け付け(工程218)、応答において、第1ページの第2スクリーンを表示する(工程220)。IDevが、第2ページへのリンクの選択を受け付ける(工程222)と、IDevディスプレイ・アプリケーションは、形式位置属性をアップデートし、アップデータされた形式位置属性を、第1ページの最後に閲覧したスクリーン(例えば第2スクリーン)の位置を記憶するために、アプリケーションに送る(工程224)。第1ページが再度選択されると、IDevは、形式位置属性により示される最後に閲覧された位置に戻る(工程226)。
本発明に係る他の実施の形態について図17を用いて説明する。本実施形態では、IDevUIにてアプリケーション選択を受信し(工程230)、第1XHTMLアプリケーションメニューページのリクエストを、アプリケーションに送信する(工程232)。次に、IDevは、第1XHTMLページを、形式指標と共に、アプリケーションから受信すると(工程233)、IDevマークアップ言語インタープリタ(MLI)は、そのページを翻訳し、テーブルに変換する(工程234)。そのテーブルは、IDevディスプレイ・アプリケーションにより読み出される(工程236)。それから、IDevディスプレイ・アプリケーションは、テーブルからデータを読み出し、第1スクリーンに対し、形式属性により示される形式を配置させる。IDevは、第1スクリーンを、スクローリング特性と共に表示し(工程238)、ユーザからのスクローリング選択を受け入れる(工程240)。スクローリング選択を受け付けると、IDevディスプレイ・アプリケーションは、再度テーブルを読み出し、次のスクリーンのためのデータを獲得し、次のスクリーンのための形式を配置させる(工程242)。IDevは、次のスクリーンを表示する(工程244)。
IDevが、ユーザによる、第2ページ上のスクリーンへのリンクの選択を受け付ける(工程246)と、IDevディスプレイ・アプリケーションは、最後に閲覧されたスクリーン(例えば、第2スクリーン)を示す、第1ページに対する形式位置属性をアップデートする(工程248)。このスクリーンからユーザは第2ページへリンクされる。IDevは、アプリケーションから第2ページを要求し(工程250)、アプリケーションから第2ページ(テンプレートでフォーマットされている)を受信する(工程252)。IDevのMLIは、ページコードを翻訳し、テーブルに変換する。このテーブルは、IDevディスプレイ・アプリケーションが形式指標と共に読み出す(工程256)。このデータは、新たな第2ページスクリーンの配置に使用され、IDevは、第2スクリーンをスクローリング特性と共に表示する(工程258)。IDevが「バック」選択を受け入れる(工程260)と、IDevは、アプリケーションから第1ページを要求し(工程262)、第1ページを、第2スクリーン位置を示すアップデートされた形式位置属性と共に受信する(工程264)。IDevのMLIは、ページコードと形式位置属性とを翻訳し、テーブルに転換する(工程266)。このテーブルは、IDevディスプレイ・アプリケーションにより、形式位置属性により指し示された最後の閲覧位置での形式を配置するために、読みだされる(工程268)。IDevは、第1ページを、ユーザが前もって選択した第2ページにリンクする位置にて表示する(例えば、第2スクリーン)。
さらなる他の実施の形態について図18を用いて説明する。本実施形態では、IDevから第1ページの要求を受信する(工程270)。アプリケーションは、IDevに第1ページを送信する(工程272)。そして、アプリケーションは、第1ページコードと共に格納するために、IDevからアップデートされた形式位置属性を受信する(工程274)。アプリケーションは、第1ページの形式位置属性を格納する(工程276)。アプリケーションは、IDevから第1ページに対する他の要求を受信し(工程278)、IDevに第1ページをアップデートした形式位置属性と共に送信する
本発明に係る他の実施の形態について図19を用いて説明する。本実施形態では、IDevから第1XHTMLページの要求を受信する(工程280)。そして、アプリケーションは、形式指標と共に第1XHTMLページを、IDevに(テンプレートフォーマットで)送信する(工程282)。次に、アプリケーションは、第1ページと共に格納するために、IDevからアップデートされた形式位置属性を受信する(工程284)。アプリケーションは、第1ページについて形式位置属性をアップデートする(工程286)。そして、アプリケーションは、IDevから、第1XHTMLページへの他の要求を受信し(工程288)、それから、IDevに第1XHTMLページを、アップデートされた形式位置属性と共に送信する(工程289)。
本発明に係る他の実施の形態を図20に示す。本実施形態では、ウエブページ290を含んでおり、ウエブページ290は、IDevによる要求による応答として、IDevに送信される。ウエブページ290は、特定の統語プロファイルあるいは、IDevインタープリタがUI及びディスプレイの使用を受け付けるようにプログラムされているテンプレートに基づきフォーマットされる。ウエブページ290は、形式IDを含んでおり、形式IDは、ウエブページが相互的に関連されている形式を指し示している。IDevにて受信された後、ウエブページ290は、読み出され、マークアップ言語インタープリター(MLインタープリター)292により翻訳され、テーブル294に変換される。テーブル294は、IDevのディスプレイ・アプリケーション298によりアクセスされる。ディスプレイ・アプリケーション298は、1あるいはそれ以上の格納された形式296にアクセスする。格納された形式296は、形式IDにより識別される。テーブル294データと形式IDに一致する格納された形式とは、ブラウザを介したIDevディスプレイ306での表示のための、1あるいはそれ以上のメニュースクリーン300−304を形成するのに使用される。
ユーザが、異なる他のアプリケーションメニューのページにリンクするアプリケーションメニューの選択をすると、ディスプレイ・アプリケーション298は、ページ(このページから新たなページ選択が形成される)のページコードに挿入するために、形式位置属性308をアプリケーションに送信する。形式位置属性308は、スクリーンを指し示し、このスクリーンから新たなページへのリンクが形成され、前のページに戻るユーザ選択があると、アプリケーションは、IDevにユーザが前もって閲覧している同じスクリーンにページを表示させる310に挿入されたあるいは関連した形式位置属性と共に、ページを送信することができる。
本明細書中において使用されている用語および表現は、内容を説明するためのものであって本発明の技術範囲を限定するものではない。また、これらの用語および表現は、図示および説明されている本発明の特徴あるいはその一部に関して差異をつけることを意図したものではない。つまり、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。