JP2007086077A - 検出器の製造方法および検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出器が障害を受けにくくする。
【解決手段】シンチレータ素子(14)のアレイと、光検出素子(15)のアレイとを有する検出器を製造するために、シンチレータ材料から多数の個別の互いに接続されていないシンチレータ素子(14)が作られ、シンチレータ素子(14)はそれぞれ少なくともほぼ1つのピクセルの寸法を有する検出器の製造方法において、光検出素子(15)が、実装工程において、互いに接続されていない個別のシンチレータ素子(14)を実装される。
【選択図】図2

Description

本発明は、シンチレータ素子のアレイを有する検出器、特にX線用の検出器の製造方法に関する。更に、本発明はこの種の検出器に関する。
X線源およびX線検出器を備えたX線システムを有するX線装置、例えばX線コンピュータ断層撮影装置による画像化の際に、患者の周りにおけるX線システムの1回転内に患者の心臓の如き器官の全体を走査することができるようにするために、画像取得に使用可能なX線検出器の検出器面をできるだけ大きく構成する努力がなされている。平面型検出器とも呼ばれるこの種のX線検出器は、一般に、互いに2次元に並べられた多数の検出器モジュールから構成されている。各検出器モジュールがシンチレータ素子のアレイとフォトダイオードのアレイとを有し、シンチレータ素子とフォトダイオードとが互いに位置合わせされ、検出器モジュールの検出器素子を形成する。シンチレータ素子は入射するX線を可視光に変換する。可視光はフォトダイオードアレイのフォトダイオードによって電気信号に変換される。
検出器モジュールのために設けられるシンチレータ素子のアレイは、個々の直方体のシンチレータ素子を形成するために複合体全体を維持しながら切込みで構造化されている円板状のシンチレータセラミックスである。互いに接合されているシンチレータ素子間の切込みは、シンチレータ素子間の光クロストークをできるだけ僅かに保つために、光反射材料で埋められている。シンチレータ素子のアレイは複合体全体として検出器モジュールを形成するためにフォトダイオードのアレイ上に接着されている。
しかし、シンチレータ素子の比較的固い複合体は特にその縦方向および横方向に異なる熱膨張係数を有する。従って、検出器モジュールの作動時に、シンチレータ素子のアレイとフォトダイオードのアレイとを有する複合体構造において、機械的応力が発生し、これが検出器モジュールを少なくとも部分的に使用不能にするフォトダイオードの破壊をもたらす。有限要素法による解析から、シンチレータ素子のアレイとフォトダイオードのアレイとの平面接着がフォトダイオードの破壊に決定的な影響を及ぼすことが判明した。
本発明の課題は、冒頭に述べた如き方法および検出器において検出器が障害を受けにくくすることにある。
この課題は、本発明によれば、シンチレータ素子のアレイと、光検出素子のアレイを有する検出器を製造するために、シンチレータ材料から複数の互いに接合されていない個別のシンチレータ素子が作られ、シンチレータ素子はそれぞれ少なくともほぼ1つのピクセルの寸法を有する検出器の製造方法において、光検出素子が、実装工程において、互いに接合されていない個別のシンチレータ素子を実装されることによって解決される。
従って、検出器のためにシンチレータ素子のアレイの複合体全体ではなく、互いに接合されていない互いに独立して取扱い可能な個別のシンチレータ素子を、検出器を構成するために使用することが提案される。本発明の変形に従って、検出器が光検出素子のアレイ、好ましくはフォトダイオードのアレイを有する場合、それぞれ1つのシンチレータ素子が1つの光検出素子上に取付けられる。シンチレータ素子は接触せず、シンチレータ素子間の間隙には空気が存在する。このようにして、熱膨張の影響、特にシンチレータ素子と光検出器素子、とりわけフォトダイオードとの相違する熱膨張係数の影響が明白に少なくなる。更に、なおも一連の他の利点がもたらされる。例えば円板状のシンチレータ基礎材料から高い材料収量が得られる。なぜならば、より小さい部材、より小さい分離間隙およびより僅かな縁部裁断くずが達成されるからである。より小さい部材によって材料欠陥個所が都合の悪い結果となることがごく僅かとなるので、円板状のシンチレータ基材からの材料収量がなおも更に増加する。更に、コスト低減がもたらされる。なぜならばシンチレータ基材の円板構造化ならびに光反射材料を流し込んで間隙を埋める工程が省略されるからである。個別のシンチレータ素子は、検出器面の構成に関して新たなジオメトリへの検出器の迅速な適合化も可能にする。個別のシンチレータ素子によって、両アレイの位置合わせに関して光検出素子の互いに相対的な非平坦性がもはや重要ではないので、光検出素子の収容および配置のために、より簡単な、従ってより都合のよいプリント回路基板を使用することができる。
本発明の実施態様によれば、シンチレータ素子が円板状のシンチレータセラミックスから切取られる。シンチレータ素子が立方体状または直方体状に形成されると好ましい。個々のシンチレータ素子を立方体状または直方体状に形成することは、一般に、1つの検出器素子の構成のためにそれぞれ1つのシンチレータ素子が配置される正方形面または矩形面を有する光検出素子への適合のもとに行われる。
個々のシンチレータ素子間の光クロストークを回避するために、それぞれのシンチレータ素子は、本発明の変形に従って、5つの面に光反射材料を備える。シンチレータ素子の光検出素子側の面は光反射材料のないままである。本発明の変形に従って、光反射材料はシンチレータ素子の5つの面上にそれぞれ膜として被着される。シンチレータ素子の側面上への光反射材料の被着は、例えば半導体のパッケージ化の際にSMD技術(表面実装技術)で知られているような定められた温度および圧力条件下での成形工程にて行なうことができる。
本発明の有利な実施態様に従って、各シンチレータ素子が実装工程において光検出素子上に接着され、このためには従来使用されていた接着剤をさらに続けて使用することができる。実装工程は、電子装置生産の自動実装装置を使用して行なうことができる。
検出器に関する課題は、複数の直接に互いに接合されていない個別のシンチレータ素子を含むシンチレータ素子のアレイを備え、シンチレータ素子間の間隙に空気が存在する検出器、とりわけX線装置のための検出器によって解決される。
本発明の特に有利な実施態様によれば、検出器は光検出器素子のアレイ、好ましくはフォトダイオードのアレイを有し、各シンチレータ素子が1つの光検出素子に付設されている。
本発明による方法に関連して述べたように、個別のシンチレータ素子からなるシンチレータアレイの構成によって、熱膨張の影響、特にシンチレータ材料と光検出素子、特にフォトダイオードとの相違する熱膨張係数の影響が明白に低減され、それによってフォトダイオードの破壊を大幅に回避することができる。
方法の実施形態に対する前述の内容は検出器の同等の実施態様に対して相応に当てはまる。
検出器の変形によれば、検出器は複数の検出器モジュールを有し、それぞれの検出器モジュールが光検出器素子のアレイとシンチレータ素子のアレイとを有する。好ましくは、検出器モジュールを用いてX線装置、特にX線コンピュータ断層撮影装置用の平面型検出器が構成されるので、患者の心臓のような器官全体を患者の周りでのピラミッド状X線ビームの1回転で走査することができる。
本発明の実施例が添付された概略図面に示されている。
図1は部分的にブロック図を含む概略図にてコンピュータ断層撮影装置を示し、
図2は図1のコンピュータ断層撮影装置の検出器モジュールを示し、
図3は個別のシンチレータ素子からなるシンチレータアレイを示す。
図1には部分的にブロック図を含む概略図にてコンピュータ断層撮影装置1が示されている。コンピュータ断層撮影装置1はX線源2を含み、X線源2の焦点FからX線ビーム3が出射する。X線ビーム3は、図1には示されていないが公知である絞りにより、例えばファン状またはピラミッド状に形成することができる。X線ビーム3は、検査すべき検査対象4を透過し、X線検出器5に入射する。X線源2およびX線検出器5は、図1に示されていないが互いに対向してコンピュータ断層撮影装置1の回転枠に配置されている。コンピュータ断層撮影装置1の回転枠はコンピュータ断層撮影装置1のシステム軸線Zの周りにφ方向に回転可能である。コンピュータ断層撮影装置1の作動時には、回転枠に配置されたX線源2およびX線検出器5が検査対象4の周りを回転し、種々の投影方向から検査対象4のX線画像が取得される。投影ごとに検査対象4を透過し、検査対象4の透過によって減弱されたX線がX線検出器5に入射し、X線検出器5が入射X線の強さに対応する信号を発生する。X線検出器5により求められた信号から画像コンピュータ6が公知のように検査対象4の1つ又は複数の2次元または3次元の画像を算出する。算出された画像は表示装置7において表示可能である。
X線検出器5はこの実施例においては複数の検出器モジュール8を有する。これらの検出器モジュール8は、円筒部分面である明確には示されていない検出器湾曲体上にφ方向およびZ方向に並べられて配置され、平面状のX線検出器5を構成している。
X線検出器5の検出器モジュール8が図2に模範的に示されている。検出器モジュール8は垂直構造を有し、シンチレータアレイ10が半導体をベースとするフォトダイオードのアレイ11上に配置されている。シンチレータアレイ10の上部にはコリメータ9が存在するので、定められた空間方向からのX線のみがシンチレータアレイ10に到達することができる。フォトダイオードアレイ11は、この実施例では、プリント回路基板12上に配置されている。プリント回路基板12の他方の面には、評価電子装置13に属する詳しくは図示されていない電子デバイスがあり、これらの電子デバイスはフォトダイオードから発生された電気信号を前処理する。前処理された信号は、引続いて、明示されていないが、例えばスリップリングによりコンピュータ6に伝達され、コンピュータ6が検査対象の2次元断層画像または3次元画像を再構成する。
シンチレータアレイ10は、図2および図3から認識できるように、本発明によれば、多数の個別のシンチレータ素子14から構成される。本実施例の場合には、個別のシンチレータ素子14は、これらが図示されていない円板状のシンチレータセラミックスから切取られることによって得られる。この種のセラミックスは、例えばシーメンス 株式会社によって製造され検出器の構成のため使用されるUFC(Ultra Fast Ceramic)である。原理的にはシンチレータセラミックスからシンチレータ素子をほぼ任意の形状で作ることができる。フォトダイオードアレイ11のフォトダイオード15の有利な形状および表面に合わせて、シンチレータ素子14は、本実施例の場合、直方体状に作られ、約1×1.2×1.2mmの辺長を持ったピクセルの寸法を有する。
図3から分かるように、各シンチレータ素子14の5つの表面16は光反射材料の膜を備えている。図3に示されたシンチレータ素子14の上面17のみが光反射材料の膜を持たない。シンチレータ素子14の上面はそれぞれのフォトダイオード15に向けられている。
図3には、自由に取扱える個別のシンチレータ素子14がどのようにシンチレータ素子のアレイに配置され得るかが示されている。しかしながら、シンチレータ素子14は互いに接合されず、従って自身では取扱い可能な複合体を形成していない。むしろ、図2から認識できるように、シンチレータ素子14の上面17が、実装工程において、フォトダイオード15上に、従来使用された接着剤、例えばアラルダイトの使用により接着されたときにはじめて、アレイとしての構成がもたらされる。この場合に個々のシンチレータ素子14は互いに接触していない。シンチレータ素子14間の間隙18は、本実施例の場合、空気を満たされている。このようにしてシンチレータ素子14は、特にそれらの熱膨張に関して互いに減結合されている。
これに対して、フォトダイオードアレイ11は、本実施例の場合、自身で取扱い可能な複合体として実施されている。それゆえ、領域19は、フォトダイオード15間の空気を満たされた間隙ではなく、ドーピングされていないまたは弱くドーピングされた半導体領域である。
更に、フォトダイオード15へのシンチレータ素子14の実装は、電子装置生産において使用されるような自動実装装置を使用して行なうとよい。
以上において本発明をコンピュータ断層撮影装置に関連させて説明した。しかしながら、検出器モジュールを有する検出器は、他のX線装置、例えばCアームX線装置においても使用可能である。
コンピュータ断層撮影装置を示す概略図 図1のコンピュータ断層撮影装置の検出器モジュールを示す概略図 個別のシンチレータ素子からなるシンチレータアレイを示す概略図
符号の説明
1 コンピュータ断層撮影装置
2 X線源
3 X線ビーム
4 検査対象
5 X線検出器
6 画像コンピュータ
7 表示装置
8 検出器モジュール
9 コリメータ
10 シンチレータアレイ
11 フォトダイオードアレイ
12 プリント回路基板
13 評価電子装置
14 シンチレータ素子
15 フォトダイオード
16 表面
17 上面
18 間隙
19 領域
F 焦点
Z システム軸線
φ 回転方向

Claims (16)

  1. シンチレータ素子のアレイ(10)と、光検出素子(15)のアレイとを有する検出器(5)を製造するために、シンチレータ材料から複数の互いに接続されていない個別のシンチレータ素子(14)が作られ、シンチレータ素子(14)がそれぞれ少なくともほぼ1つのピクセルの寸法を有する検出器の製造方法において、光検出素子(15)が、実装工程において、互いに接続されていない個別のシンチレータ素子(14)を実装されることを特徴とする検出器の製造方法。
  2. 光検出素子のアレイ(11)を有する検出器(5)を製造するために、それぞれ1つのシンチレータ素子(14)が1つの光検出素子(15)上に固定されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. シンチレータ素子(14)が円板状のシンチレータセラミックスから切取られることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. シンチレータ素子(14)が立方体状または直方体状に形成されることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の方法。
  5. 各シンチレータ素子(14)の5つの面が光反射材料を備えることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 光反射材料がシンチレータ素子(14)の5つの面(16)上にそれぞれ膜として被着されることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 各シンチレータ素子が実装工程において光検出素子上に接着されることを特徴とする請求項2乃至6の1つに記載の方法。
  8. 複数の直接に互いに接合されていない個別のシンチレータ素子(14)を含むシンチレータ素子のアレイ(10)を備え、シンチレータ素子(14)間の間隙に空気が存在することを特徴とする検出器。
  9. 光検出器素子のアレイ(11)を有し、各シンチレータ素子(14)が1つの光検出素子(15)に付設されていることを特徴とする請求項8記載の検出器。
  10. シンチレータ素子(14)が立方体状または直法体状に形成されていることを特徴とする請求項8又は9記載の検出器。
  11. シンチレータ素子(14)の5つの面が光反射材料を備えていることを特徴とする請求項10記載の検出器。
  12. 光反射材料がシンチレータ素子(14)の5つの面上にそれぞれ膜として存在することを特徴とする請求項11記載の検出器。
  13. シンチレータ素子(14)が光検出器素子(15)に接着されていることを特徴とする請求項9乃至12の1つに記載の検出器。
  14. 複数の検出器モジュール(8)を備え、それぞれの検出器モジュール(8)が光検出器素子のアレイ(11)とシンチレータ素子のアレイ(10)とを有することを特徴とする請求項9乃至13の1つに記載の検出器。
  15. X線装置(1)用として用いられることを特徴とする請求項8乃至14の1つに記載の検出器。
  16. X線コンピュータ断層撮影装置(1)用として用いられることを特徴とする請求項8乃至15の1つに記載の検出器。
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