JP2007084532A - 分散性に優れた補酵素q10粉体 - Google Patents

分散性に優れた補酵素q10粉体 Download PDF

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Abstract

【課題】界面活性剤等を用いずとも、簡便に水に分散できる補酵素Q10含有粉体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】補酵素Q10を生体適合性のある高分子重合物で被覆した補酵素Q10粉体とすることにより、水に難分散な補酵素Q10を粉体として容易に分散させることができ、ドリンク剤、化粧水等の水に分散させた組成物を簡便に得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、分散性に優れた補酵素Q10含有粉体に関する。
補酵素Qは細菌から哺乳動物まで広く生体に分布する必須成分であり、生体内の細胞中におけるミトコンドリアの電子伝達系構成成分として知られている。補酵素Qは、ミトコンドリア内において酸化と還元を繰り返すことで、電子伝達系における伝達成分としての機能を担っていることが知られている。補酵素Qの生理的作用としては、ミトコンドリア賦活作用によるエネルギー生産の活性化、心機能の活性化、細胞膜の安定化効果、抗酸化作用による細胞の保護効果などが挙げられている。また、還元型補酵素Qは抗酸化作用を持つことが知られている。
ヒトの体内においては、補酵素Qのうち、その側鎖が繰り返し構造を10個持つ補酵素Q10が主成分である。また補酵素Qには酸化型と還元型の2種類が存在するが、生体内においては、通常、40〜90%程度が還元型として存在している。補酵素Qは、そのビタミン様の機能からビタミンQとも呼ばれており、弱った細胞活性を健康な状態に戻す栄養源として身体を若返らせる成分である。なかでも補酵素Q10は、ミトコンドリア、リソゾーム、ゴルジ体、ミクロソーム、ペルオキシソーム、或いは細胞膜などに局在し、電子伝達系の構成成分としてATP産生賦活、生体内での抗酸化作用、膜安定化に関与している事が知られている、生体の機能維持に必要不可欠な物質である。また補酵素Q10は、食品、栄養機能食品、特定保健用食品、栄養補助剤、栄養剤、動物薬、飲料、飼料、化粧品、医薬品、治療薬、予防薬等として有用な化合物である。
酸化型補酵素Q10は、「ユビデカレノン」とも呼ばれ、欧米では健康食品として、日本では鬱血性心不全薬として用いられている。さらに近年では、日本でも栄養機能食品としても用いられている。
一方、還元型補酵素Q10はそれ自身でも強い抗酸化作用を持つため、血中に十分量の還元型補酵素Q10を送り込むことにより、血中の抗酸化作用活性を効果的に増加させることが可能となる。血中の抗酸化活性を増加させることは、虚血再還流時の血管障害、動脈硬化後の再狭窄防止、脳梗塞後の再血管障害の防止、動脈硬化の予防、糖尿病の合併症の予防など活性酸素種によって増悪が示唆されている多くの疾患に対して幅広い有効性を有することが考えられる。
このように補酵素Q10は高い効果・効能を有するにも関わらず、投与の容易さの点で問題がある。例えば、直接経口投与しようとした場合、通常のどごしが悪いことから、一般的に補酵素Q10の直接経口投与が受け入れられているとは言い難い。粉末状の補酵素Q10を摂取しやすくするために、水などの液体に分散させてから供することも考えられるが、水に対する分散性が悪いため、水に投入すると表面に浮上し、いわゆるダマが容易に発生する。このダマは、スプーンなどを用いて撹拌する程度で容易に解消するものではなく、補酵素Q10を水に添加して簡単に攪拌した程度では飲用に供試できるものとはならない。また、ホモジナイザー等を用いて強力に撹拌することにより、ダマを解消させ、飲用可能な状態に近づけることも一応可能ではあるが、誰もが通常実施できる方法ではない。仮に、このような方法を用いて補酵素Q10を液体に強制的に分散させたとしても、飲用に適するとは言い難い。そのため、補酵素Q10粉末を水に分散させた水性分散液あるいはそれに類似した組成物として利用することは難しい。この問題を解消し、上記水性分散液等として利用するためには、例えば油脂や界面活性剤等の添加剤を共存させるなどの必要があるものと考えられる。
しかし、界面活性剤には種類が多々あり、補酵素Q10に適した界面活性剤を選定するには、多大な時間を要する。また、他の物質が共存することにより、分散性に弊害をもたらすこともある。さらに、還元型補酵素Q10と特定の界面活性剤を共存させた場合には、還元型補酵素Q10の安定性に悪影響を及ぼすものも存在することもわかっている。
また、水溶性物質を用いて、ユビキノンを水溶液中に分散・乳化させる方法も提案されているが(特許文献1)、本方法では有機酸を必要とするなどその利用には制限がある。
一方、薬物の徐放性の改良を目的として、ナノカプセルの研究がなされている(特許文献2,特許文献3)。しかし、補酵素Q10を用いた例は未だ知られておらず、分散性向上を目的とした技術も確立していない。
特開2003−55203 特開平5−58882公報 特開平9−110678公報
上記のような背景の下、界面活性剤等を用いずとも、簡便に水に分散できる補酵素Q10含有粉体及びその製造方法が求められていた。
上記に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、驚くべきことに、補酵素Q10を生体適合性のある高分子重合物で被覆することにより、水に対する分散性が大きく改善されるだけでなく、粉体特性も改良されることを見出した。さらに、界面活性剤等を使用せずとも簡便に水に分散させることができることから、補酵素Q10を分散させたドリンク剤、化粧水、注射剤等の組成物として加工できることをも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、補酵素Q10を生体適合性のある高分子重合物で被覆した補酵素Q10含有粉体に関する。また、本発明は、上記補酵素Q10含有粉体を水に分散させて得られる補酵素Q10含有組成物にも関する。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「補酵素Q10」とは、酸化型補酵素Q10、還元型補酵素Q10及びその混合物の総称である。本明細書において単に「補酵素Q10」とのみ記載した場合は、酸化型補酵素Q10、還元型補酵素Q10、あるいは、その両者が混在する混合物全体、いずれをも表すものである。
本発明において使用する酸化型補酵素Q10は、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により得ることができる。なかでも、不純物含量などの純度の観点から発酵、天然物からの抽出により得られたものが好ましい。また、本発明で使用する還元型補酵素Q10は、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により得ることができる。また、上述の方法によって得られた酸化型補酵素Q10を亜ジチオン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸等の還元剤を用いて還元して得ることもできる。
本発明で使用する補酵素Q10含有粉体は、生体適合性のある、すなわち生体に悪影響を与えない高分子重合物で補酵素Q10を被覆したものである。
本発明で用いられる生体適合性のある高分子重合物としては特に制限されないが、例えば、生理活性を持たず、生体内で分解・消失される生体内分解性ポリマーが好ましい。なかでもヒドロキシカルボン酸、シアノアクリル酸、トリメチレンカーボネート、又は環状ラクトン開環体等よりなるホモポリマーやポリエチレングリコール等が特に好ましい。モノマー単位であるヒドロキシカルボン酸としては特に制限されないが、例えば、乳酸、リンゴ酸、グリコール酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシカプロン酸等を挙げることができ、好ましくは乳酸、グリコール酸である。環状ラクトンとしては特に制限されないが、例えば、イプシロンカプロラクトン等を挙げることができる。本発明においては、ホモポリマーのみならず、これらのモノマーを2種以上共重合させて得られるコポリマーも使用できる。また2種以上のホモポリマー及び/又はコポリマーの混合物であっても使用できる。本発明において好ましく使用できる高分子重合体は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、及び乳酸、グリコール酸のコポリマー[(乳酸/グリコール酸)共重合体]である。
生体適合性のある高分子重合物の重量平均分子量としては特に制限されないが、下限は普通約1000、好ましくは約2000、より好ましくは約5000であり、上限は普通約500000、好ましくは約200000、より好ましくは約150000、特に好ましくは約100000である。乳酸、グリコール酸の共重合体の場合、乳酸とグリコール酸のモノマー比(乳酸/グリコール酸(モル/モル))は、普通1/100以上、好ましくは1/10以上、より好ましくは1/1以上である。上限は、普通100/1、好ましくは10/1、より好ましくは6/1である。
本発明において、上記平均分子量を測定するには、使用する生体適合性のある高分子重合物の種類により異なり、一概に規定できないが、例えば、カラム:Shodex GPC LF−604(昭和電工(株)製;6.0mmID×150mm)、移動相:クロロホルムを用いてポリスチレン換算の値として求めることができる。測定装置については特に限定されないが、示差屈折率検出器(RI)を用いて、上記カラム・移動相を用いることにより測定することができる。
生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体中の補酵素Q10の含有量は、特に制限されないが、普通補酵素Q10含有粉体の総重量100重量%に対し約0.01重量%以上、好ましくは約0.1重量%以上、より好ましくは約0.5重量%以上、特に好ましくは約1重量%以上である。また、普通補酵素Q10含有粉体の総重量の約30%重量以下、好ましくは約20重量%以下、より好ましくは約15重量%以下、特に好ましくは約10重量%以下である。
高分子重合体で被覆された補酵素Q10含有粉体の平均粒径としては、特に制限されないが、例えば、約1mm以下、好ましくは約500μm以下、より好ましくは約100μm以下、更に好ましくは約10μm以下、特に好ましくは約1μm以下、とりわけ好ましくは約0.1μm以下である。言うまでもなく、粒子径が小さいほうが補酵素Q10の生体への吸収性は高まるであろう。
本発明において、補酵素Q10含有粉体の粒径及び平均粒径は、得られた補酵素Q10含有粉体を水に懸濁させ、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いることにより測定することができる。平均粒径の算出法としては特に限定されないが、例えば、メジアン径を用いるのが好ましい。
本発明において、生体適合性のある高分子重合物で被膜される補酵素Q10は、酸化型であっても還元型であってもその混合物でもかまわない。また混合物である場合、酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の重量比に特に制限はない。水への分散性という目的においては、酸化型、還元型を問わず同程度の効果が期待できる。但し、還元型補酵素Q10の場合、ポリエチレン等のプラスチック製やガラス製の容器に付着しやすい等、粉体特性に欠点があるため、還元型補酵素Q10の方が、酸化型補酵素Q10と比較して粉体特性の改良に対する要求が高い。従って、粉体特性の改良という点においては、酸化型補酵素Q10を用いる場合よりも、還元型補酵素Q10単体、或いは還元型補酵素Q10を一定量以上含む酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の混合物の方がより高い改良効果を期待できる。
本発明の補酵素Q10含有粉体は、核となる補酵素Q10が生体適合性のある高分子重合物で被覆されておればよく、その製造方法は特に問わない。具体的には、例えば、1)生体適合性のある高分子重合物と補酵素Q10を含有した揮発性の水溶性有機溶媒の溶液を水相中に攪拌しながら添加することにより、生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体を析出させる方法(以下、「(A)法」と称する)、2)生体適合性のある高分子重合物と補酵素Q10を含有した揮発性の有機溶媒の溶液を、水相に攪拌しながら添加することにより、乳化あるいは分散させた後、該有機溶媒を留去することにより補酵素Q10含有粉体を得る方法(以下、「(B)法」と称する)、3)生体適合性のある高分子重合物と補酵素Q10を含有した揮発性の有機溶媒の溶液を熱風中に噴霧する方法(以下、「(C)法」と称する)、等を挙げることができる。ここで述べる揮発性の有機溶媒とは、沸点が、常圧(1atm(=0.10MPa))において通常約120℃以下、好ましくは約100℃以下、より好ましくは約80℃以下の有機溶媒を指す。
以下、生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体の製造方法について詳細に説明する。
1つ目の方法[(A)法]として、補酵素Q10と生体適合性のある高分子重合物を含有した水溶性有機溶媒の溶液を水相に添加し、生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体を析出させる方法について説明する。
本方法は、補酵素Q10、及び、生体適合性のある高分子重合物を、揮発性の水溶性有機溶媒に溶解させ、得られた溶液を、水相中に撹拌しながら添加することにより、生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体を析出させることによって所望の補酵素Q10含有粉体を取得する方法である。
ここでいう「水溶性有機溶媒」は、水に対する溶解度が、容量比で普通約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、特に好ましくは約95%以上の有機溶媒であり、水と完全に混和するものが最も好ましい。そのような水溶性有機溶媒としては、例えば、ケトン類、アルコール類、環状エーテル類、ニトリル類等を挙げることができる。
具体的には、上記ケトン類としては、炭素数3〜6のケトン類が好ましく、例えば、アセトン、アセチルアセトン等を挙げることができる。上記アルコール類としては、炭素数1〜5のアルコール類が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール等を挙げることができる。上記環状エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を挙げることができる。上記ニトリル類としては、炭素数2〜3のニトリル類が好ましく、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等を挙げることができる。これらは単独でも使用することができ、また2種以上を併用することができる。
これらのなかでも、アセトン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニトリルがさらに好ましく、なかでも、アセトン、エタノールが特に好ましい。
上記水相には、水をそのまま使用しても良い。補酵素Q10と生体適合性のある高分子重合物を溶解させた水溶性有機溶媒の溶液が、急速に水相へ拡散移行する際に、油滴及び/又は析出した粉体の合一化を防ぐという観点からは、例えば、水相に分散剤を加えた分散剤の水溶液を用いるのが好ましい。このような分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アラビアガム、デンプン、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができ、好ましくはポリビニルアルコールである。
水溶液中の分散剤の濃度としては、特に制限されないが、例えば約0.1w/w%以上、好ましくは約0.3w/w%以上、より好ましくは約0.5w/w%以上であり、また、約10w/w%以下、好ましくは約5w/w%以下、より好ましくは約3w/w%以下である。なお上記「w/w%」の値は、水溶液の全重量に対する分散剤の重量を百分率で表したものである。
分散剤としてポリビニルアルコールを使用する場合、そのポリビニルアルコールの重合度としては特に制限されないが、普通約100以上、好ましくは約200以上、より好ましくは約500以上であり、上限は、普通約5000、好ましくは約4000、より好ましくは約3000である。また、ポリビニルアルコールのけん化度としては特に制限されないが、普通約75以上、好ましくは約80以上、より好ましくは約85以上であり、言うまでもなく上限は100であるが、約98以下のものが好ましい。
上記撹拌は通常マグネティックスターラーやメカニカルスターラー等を用いて行うこともできるが、ホモジナイザー等を用いて行うこともできる。
このようにして得られた懸濁液を、遠心分離等により固相と液相に分離することにより、生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体を得ることができる。該補酵素Q10含有粉体は、必要に応じ、水洗することができる。特に水相に分散剤の水溶液を用いた場合には、水洗することが好ましい。
このようにして得られた生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体は、減圧乾燥、凍結乾燥、通気乾燥等により乾燥し、乾体として取得することができる。粉体の取り扱い易さの観点から乾体として取得するのが好ましい。
上記、補酵素Q10の有機溶媒への溶解や有機溶媒溶液の水相への添加、懸濁液の分離、乾燥などの各工程を行う温度条件は特に限定されないが、通常0℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上で実施され、また、普通50℃以下、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下で実施されうる。尚、凍結乾燥工程については普通約−20℃以下、好ましくは−30℃以下で実施されうる。また、これらの各工程は通常の空気雰囲気下で行えるが、補酵素Q10として還元型補酵素Q10のみを用いる場合、あるいは還元型補酵素Q10の含有量が高い混合物を使用する場合は、空気酸化により酸化型に変換されるのを防ぐため、窒素、アルゴン、水素、炭酸ガス等の脱酸素雰囲気下などでも行うことも出来る。
2つ目の方法[(B)法]として、生体適合性のある高分子重合物と補酵素Q10を含有した揮発性の有機溶媒溶液を、水相に攪拌しながら添加することにより、乳化あるいは分散させた後に、該有機溶媒を留去することにより補酵素Q10含有粉体を得る方法について説明する。
本方法は、補酵素Q10及び生体適合性のある高分子重合物を、揮発性の有機溶媒に溶解させた後、得られた溶液を、水相に撹拌しながら添加することにより、乳化あるいは分散させ、得られた乳化液または分散液から揮発性の有機溶媒を蒸発・除去することにより生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体を取得する。なお、この方法においては揮発性の有機溶媒は、水溶性、非水溶性問わず使用することができる。しかし、本方法では、一般に水相として除去することが難しい非水溶性有機溶媒を簡便に除去できるため、特に非水溶性有機溶媒を用いた場合に、本方法が好ましく用いられる。
ここでいう水溶性有機溶媒は(A)法の説明において上述したものを使用することができる。また、ここでいう非水溶性有機溶媒は、水に対する溶解度が、普通約10w/w%以下、好ましくは約5w/w%以下のものである。具体的には、例えば、脂肪族又は脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、脂肪酸エステル類、鎖状エーテル類等を挙げることができる。
脂肪族又は脂環式炭化水素類としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等を挙げることができる。芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン等を挙げることができる。ハロゲン化炭化水素類としては、例えば、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロエタン、クロロエチレン、ジクロロエチレン等を挙げることができる。脂肪酸エステル類としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができる。鎖状エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル等を挙げることができる。
これらの中でも、ハロゲン化炭化水素類、ヘプタン、ヘキサン、又は酢酸エチルが特に好ましい。
上記揮発性有機溶媒は単独で使用することもでき、また2種以上を併用することもできる。2種以上を併用する場合、例えば、水溶性有機溶媒と水溶性有機溶媒の組み合わせでも良いし、非水溶性有機溶媒と非水溶性有機溶媒の組み合わせでも良いし、水溶性有機溶媒と非水溶性有機溶媒の組み合わせであっても良い。組み合わせる場合は、水溶性有機溶媒と非水溶性有機溶媒の組み合わせが好ましく、そのなかでも、アセトン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニトリルのいずれかと、ハロゲン化炭化水素類、ヘプタン、ヘキサン、酢酸エチルのいずれかとの組み合わせが好ましい。
上記水相としては、水をそのまま使用しても良い。補酵素Q10と生体適合性のある高分子重合物を溶解させた揮発性有機溶媒の溶液が、急速に水相へ拡散移行する際に、乳化あるいは分散された油滴の合一化を防ぐという観点からは、例えば、水相に分散剤を加えた水溶液を用いても良いし、分散剤の水溶液を用いるのが好ましい。このような分散剤としては、上記(A)法の説明にて例示したものを挙げることができる。
上記乳化・分散時の攪拌は通常マグネティックスターラーやメカニカルスターラー等を用いて行うこともできるが、高速ホモジナイザー等を用いて行うこともできる。
分散した液滴中の溶媒を除去するために、撹拌しながら、加熱、減圧等により、使用した揮発性有機溶媒を蒸発・除去するのが好ましい。減圧しながら加熱することにより、揮発性有機溶媒を除去するのが除去効率の観点からより好ましい。
このように揮発性有機溶媒を蒸発・除去することにより、生体適合性のある高分子重合物により被覆された補酵素Q10含有粉体を含む懸濁液を得ることができる。さらに、得られた懸濁液を遠心分離により固相と液相に分離することにより、生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体を得ることができる。該補酵素Q10含有粉体は、必要に応じ、水洗することができる。特に水相に分散剤の水溶液を用いた場合には、水洗することが好ましい。
このようにして得られた生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10は、減圧乾燥、凍結乾燥、通気乾燥等により乾燥し、乾体として取得することができる。粉体の取り扱い易さの観点から乾体として取得するのが好ましい。
上記、補酵素Q10の揮発性有機溶媒への溶解や揮発性有機溶媒溶液の水相への添加、懸濁液の分離、乾燥などの各工程を行う温度条件は特に限定されないが、通常0℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上で実施され、また、普通50℃以下、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下で実施されうる。尚、凍結乾燥工程については普通約−20℃以下、好ましくは−30℃以下で実施されうる。また、これらの各工程は通常の空気雰囲気下で行えるが、補酵素Q10として還元型補酵素Q10のみを用いる場合、あるいは還元型補酵素Q10の含有量が高い混合物を使用する場合は、空気酸化により酸化型に変換されるのを防ぐため、窒素、アルゴン、水素、炭酸ガス等の脱酸素雰囲気下などでも行うことも出来る。
3つ目の方法[(C)法]として、生体適合性のある高分子重合物と補酵素Q10を揮発性の有機溶媒に溶解させた溶液を、熱風中に噴霧することにより揮発性の有機溶媒を蒸発させて、補酵素Q10含有粉体を得る方法について説明する。この方法において使用する上記溶媒は、生体適合性のある高分子重合物が溶解する揮発性有機溶媒であれば特に制限されない。
このような揮発性有機溶媒としては、例えば、上記(A)法又は(B)法の説明において例示したケトン類、アルコール類、環状エーテル類、ニトリル類、脂肪族又は脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、脂肪酸エステル類、鎖状エーテル類等を挙げることができる。
この生体適合性のある高分子重合物と補酵素Q10を含有した揮発性有機溶媒の溶液を、液滴を細かく分散しながら噴霧状にして熱風中に吹き付け、揮発性有機溶媒の蒸発を行うことにより、生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体を得ることができる。
このときの熱風の温度としては特に制限されないが、例えば、約60℃以上、好ましくは約80℃以上、より好ましくは約100℃以上で実施される。
以上、3つの方法について説明したが、この他の方法により得られる生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体についても、本発明の範疇である。
このようにして得られた生体適合性のある高分子重合物で被覆された補酵素Q10含有粉体は、水に容易に分散し、界面活性剤等を用いずとも水に良好に分散させた組成物とすることができる。
水に分散させた組成物中の上記補酵素Q10含有粉体の濃度としては、補酵素Q10に期待する効果、効能により異なり、特に制限されないが、例えば約0.01w/v%以上、好ましくは約0.1w/v%以上、より好ましくは約1w/v%以上、さらに好ましくは約5w/v%以上、特に好ましくは約10w/v%以上である。なお、上記「w/v%」の値は、組成物全容量に対する上記補酵素Q10含有粉体の重量を百分率で表したものである。
本発明の組成物には他の活性成分を含むことを妨げない。このような活性成分としては、例えば、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール、有機酸、糖類、ペプチド、タンパク質等を挙げることができる。上記活性成分を乳化・分散させるために、必要に応じ、界面活性剤等を添加してもよい。
本発明の補酵素Q10含有粉体を用いれば、油脂や界面活性剤等を使用せずとも、補酵素Q10が高分子で被覆されていることから、補酵素Q10を水に分散させた組成物を簡便に調製できる。従って、ドリンク剤等の食品や注射剤等の医薬品はもとより、化粧水をはじめとする化粧品等の利用にも適するなど、広範に利用できるものであり、その利点は大きい。また補酵素Q10を高分子で被覆することにより、補酵素Q10の粉体特性が改良され、取り扱い性や輸送性等が向上する。もともと粉体特性に欠点がある、還元型補酵素Q10においてその効果はより発揮される。
本発明の方法によれば、容易に水に分散しない補酵素Q10を水に容易に分散させることができ、油脂や界面活性剤等を使用せずとも、ドリンク剤、化粧水、注射剤等の補酵素Q10を水に分散させた組成物を簡便に製造することができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
また、実施例中の酸化型補酵素Q10の純度、還元型補酵素Q10の純度、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10との重量比は下記HPLC分析により求めたが、得られた酸化型補酵素Q10、還元型補酵素Q10の純度は本発明における純度の限界値を規定するものではなく、また、同様に、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10との重量比における還元型補酵素Q10の割合も、その上限値を規定するものではない。
(HPLC分析条件)
カラム:SYMMETRY C18(Waters製)250mm(長さ)4.6mm(内径)、移動相:COH:CHOH=4:3(v:v)、検出波長:210nm、流速;1ml/min、還元型補酵素Q10の保持時間:9.1min、酸化型補酵素Q10の保持時間:13.3min。
(製造例1)
1000gのエタノール中に、100gの酸化型補酵素Q10((株)カネカ製、純度99.4%)、60gのL−アスコルビン酸を加え、78℃にて攪拌し、還元反応を行った。30時間後、50℃まで冷却し、同温を保持しながらエタノール400g、水100gを添加した。この溶液(還元型補酵素Q10を100g含む)を攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、10℃/時間の冷却速度で2℃まで冷却し、白色のスラリーを得た。得られたスラリーを減圧ろ過し、得られた湿結晶を冷エタノール、冷水、冷エタノール、で順に洗浄(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)して、さらに、得られた湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg(=133.32〜4000Pa))することにより、白色の乾燥結晶95gを得た。なお、減圧乾燥を除くすべての操作は窒素雰囲気下で実施した。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.5/0.5、還元型補酵素Q10の純度は99.3%であった。
(実施例1)
酸化型補酵素Q10((株)カネカ製、100%酸化型)140mg、(乳酸/グリコール酸)共重合体(乳酸/グリコール酸=1/1(モル比)、重量平均分子量10000)2800mgをアセトン80mLに添加し、溶解させた。このアセトン溶液を、メカニカルスターラーにて撹拌しながら1w/v%のポリビニルアルコール(重合度1000)水溶液800mLに添加し、懸濁液を得た。得られた懸濁液を遠心分離機にて遠心分離することにより懸濁液から粉体を分取した後、粉体を蒸留水800mLにて洗浄し、得られた湿粉体を凍結乾燥することにより(乳酸/グリコール酸)共重合体で被覆された酸化型補酵素Q10含有粉体1900mgを得た。粉体中の酸化型補酵素Q10の含有率は4.1%であり、酸化型補酵素Q10の回収率は58%であった。
(実施例2)
酸化型補酵素Q10の代わりに製造例1で得られた還元型補酵素Q10を使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、(乳酸/グリコール酸)共重合体で被覆された還元型補酵素Q10含有粉体1950mgを得た。粉体中の還元型補酵素Q10の含有率は4.0%、酸化型補酵素Q10の含有率は0.1%(還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比=96.5/3.5)であり、補酵素Q10としての回収率は59%であった。
(実施例3)
酸化型補酵素Q10((株)カネカ製、100%酸化型)140mg、(乳酸/グリコール酸)共重合体(乳酸/グリコール酸=1/1(モル比)、重量平均分子量10000)2800mgをジクロロメタン30mLとアセトン50mLからなる溶液に添加し、溶解させた。この溶液を、メカニカルスターラーにて撹拌しながら1w/v%のポリビニルアルコール(重合度1000)水溶液800mLに添加し、乳化液を得た。得られた乳化液から減圧下にて、ジクロロメタンを留去し、懸濁液を得た。得られた懸濁液を遠心分離機にて遠心分離することにより懸濁液から粉体を分取した後、粉体を蒸留水800mLにて洗浄し、得られた湿粉体を凍結乾燥することにより(乳酸/グリコール酸)共重合体で被覆された酸化型補酵素Q10含有粉体1915mgを得た。粉体中の酸化型補酵素Q10の含有率は4.1%であり、酸化型補酵素Q10の回収率は58%であった。
(実施例4)
酸化型補酵素Q10の代わりに製造例1で得られた還元型補酵素Q10を使用する以外は実施例3と同様の操作を行い、(乳酸/グリコール酸)共重合体で被覆された還元型補酵素Q10含有粉体1915mgを得た。粉体中の還元型補酵素Q10の含有率は4.0%、酸化型補酵素Q10の含有率は0.1%(還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比=96.5/3.5)であり、補酵素Q10としての回収率は58%であった。
(実施例5)
酸化型補酵素Q10((株)カネカ製、100%酸化型)150mg、(乳酸/グリコール酸)共重合体(乳酸/グリコール酸=1/1(モル比)、重量平均分子量10000)3000mgをジクロロメタン100mLに添加し、溶解させた。この溶液をスプレードライヤーを用いて噴霧乾燥(入口温度:170℃)し、(乳酸/グリコール酸)共重合体で被覆された酸化型補酵素Q10含有粉体2800mgを得た。酸化型補酵素Q10の含有率は4.6%であり、酸化型補酵素Q10の回収率は86%であった。
(実施例6)
実施例1〜5で得られた粉体100mgを水100mLに添加し、軽く振とうした。粉体の壁への付着は見られず、またダマにもならず、粉体は容易に分散した。
(実施例7)
実施例1〜5で得られた粉体100mgを水5mLに添加し、軽く振とうした。粉体の壁への付着は見られず、またダマにもならず、粉体は容易に分散した。
(比較例1)
酸化型補酵素Q10結晶、または、製造例1で得られた還元型補酵素Q10結晶5mgを水100mLに添加し、軽く振とうした。いずれも、ほとんどの結晶は水面に浮かび、まったく分散しなかった。
(比較例2)
酸化型補酵素Q10結晶、または、製造例1で得られた還元型補酵素Q10結晶5mgを水100mLに添加し、強く撹拌した。いずれも、粉体の一部は壁に付着し、また一部はダマとなり水面に浮かぶなど、容易に分散しなかった。
(実施例8)実施例4で得られた粉体500mgを10mL容のガラス製のサンプル瓶に入れ、振とうさせたところ、壁への付着はほとんどなかった。
(比較例3)製造例1で得られた還元型補酵素Q10結晶500mgを10mL容のガラス製のサンプル瓶に入れ、実施例8と同様に振とうさせたところ、結晶のほとんどが壁に付着した。
(調製例1)
ビタミンC、クエン酸、スクロース、及び、実施例1で得た粉体の混合物に滅菌精製水を加え、定法により下記成分よりなるドリンク剤を調製した。
ビタミンC 0.5重量%
クエン酸 1.0重量%
スクロース 3.0重量%
実施例1で得た粉体 1.0重量%
滅菌精製水 100.0重量%に
(調製例2)
ビタミンC、ニコチン酸アミド、タウリン、クエン酸、ハチミツ、及び、実施例4で得た粉体の混合物に滅菌精製水を加え、定法により下記成分よりなるドリンク剤を調製した。
ビタミンC 0.5重量%
ニコチン酸アミド 0.03重量%
タウリン 1.0重量%
クエン酸 1.0重量%
ハチミツ 3.0重量%
実施例4で得た粉体 1.0重量%
滅菌精製水 100.0重量%に
(調製例3)
スクワラン、エタノール、グリセリン、及び、実施例1で得た粉体の混合物に滅菌精製水を加え、定法により下記成分よりなる化粧水を調製した。
スクワラン 0.1重量%
エタノール 14.0重量%
グリセリン 4.0重量%
実施例1で得た粉体 1.0重量%
滅菌精製水 100.0重量%に
(調製例4)
ブドウ糖、Tween 80、及び、実施例3で得た粉体の混合物に滅菌精製水を加えた後、酢酸にてpHを調整し、定法により下記成分よりなる注射剤を調製した。
ブドウ糖 5.0重量%
Tween 80 0.3重量%
実施例3で得た粉体 1.0重量%
酢酸(pH調整剤) 適量
滅菌精製水 100.0重量%に

Claims (25)

  1. 補酵素Q10を生体適合性のある高分子重合物で被覆した補酵素Q10含有粉体。
  2. 生体適合性のある前記高分子重合物が生体内分解性ポリマーである請求項1記載の補酵素Q10含有粉体。
  3. 前記生体内分解性ポリマーがポリ乳酸、ポリグリコール酸、(乳酸/グリコール酸)共重合体、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種のポリマーである請求項2記載の補酵素Q10含有粉体。
  4. 生体適合性のある高分子重合物の重量平均分子量が2000〜200000である請求項1又は2に記載の補酵素Q10含有粉体。
  5. 平均粒径が1mm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の補酵素Q10含有粉体。
  6. 粉体中の補酵素Q10含有率が0.01〜30重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の補酵素Q10含有粉体。
  7. 補酵素Q10が還元型補酵素Q10である請求項1〜6のいずれか1項に記載の補酵素Q10含有粉体。
  8. 補酵素Q10、及び、生体適合性のある高分子重合物を、揮発性の水溶性有機溶媒に溶解させ、
    得られた溶液を、水相中に撹拌しながら添加することにより補酵素Q10含有粉体を析出させる
    ことを特徴とする補酵素Q10粉体の製造法。
  9. 揮発性の前記水溶性有機溶媒が、ケトン類、アルコール類、環状エーテル類及びニトリル類からなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒である請求項8記載の製造法。
  10. 前記水相が分散剤の水溶液である請求項8又は9記載の製造法。
  11. 前記分散剤がポリビニルアルコールである請求項10記載の製造法。
  12. 補酵素Q10、及び、生体適合性のある高分子重合物を、揮発性の有機溶媒に溶解させ、
    得られた溶液を、水相に撹拌しながら添加することにより、乳化あるいは分散液を調製し、
    得られた乳化液または分散液から揮発性の有機溶媒を蒸発・除去することにより補酵素Q10含有粉体を得る
    ことを特徴とする補酵素Q10含有粉体の製造法。
  13. 前記揮発性の有機溶媒が、脂肪族若しくは脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、脂肪酸エステル類、鎖状エーテル類、ケトン類、アルコール類、環状エーテル類及びニトリル類からなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒である請求項12記載の製造法。
  14. 揮発性の前記有機溶媒が非水溶性有機溶媒である請求項12又は13に記載の製造法。
  15. 揮発性の有機溶媒を2種以上併用する請求項12又は13に記載の製造法。
  16. 揮発性の有機溶媒の蒸発・除去を減圧下で行う請求項12記載の製造法。
  17. 前記水相が分散剤の水溶液である請求項12〜16いずれか1項に記載の製造法。
  18. 前記分散剤がポリビニルアルコールである請求項17記載の製造法。
  19. 補酵素Q10、及び、生体適合性のある高分子重合物を揮発性の有機溶媒に溶解させ、
    得られた溶液を、噴霧状にして、熱風中に吹き出させることにより揮発性の有機溶媒を蒸発させ、補酵素Q10含有粉体を得る
    ことを特徴とする補酵素Q10粉体の製造法。
  20. 前記熱風の温度が60℃以上である請求項19記載の製造法。
  21. 揮発性の前記有機溶媒が、ケトン類、アルコール類、環状エーテル類、ニトリル類、脂肪族若しくは脂環式炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、脂肪酸エステル類及び鎖状エーテル類からなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒である請求項19記載の製造法。
  22. 請求項1〜7のいずれか1項に記載された補酵素Q10含有粉体を水に分散させて得られる補酵素Q10含有組成物。
  23. 組成物中の補酵素Q10含有粉体の含有率が0.01〜10重量%である請求項22記載の補酵素Q10含有組成物。
  24. 補酵素Q10以外に他の活性成分をさらに含むことを特徴とする請求項22又は23に記載の補酵素Q10含有組成物。
  25. ドリンク剤、化粧水、又は、注射剤に加工された請求項22〜24のいずれか1項に記載の組成物。
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