JP2007084364A - 内包カーボンナノカプセル前駆体の製造方法およびこの前駆体を用いた内包カーボンナノカプセルの製造方法 - Google Patents

内包カーボンナノカプセル前駆体の製造方法およびこの前駆体を用いた内包カーボンナノカプセルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 カーバイド相を形成し易い元素であっても被内包物質として使用でき、しかもそれを囲むカプセルのグラフェン層数、カプセルの粒子サイズおよびサイズ分布を制御することができる内包カーボンナノカプセルの製造方法を提供する。
【解決手段】 陰極炭素棒と被内包物質を含有する陽極複合炭素棒とを対向させて両電極間に直流電流を流しアーク放電を生じさせる方法において、装置内のヘリウム圧力を15〜100Torrとすることによって、被内包物質を内包した2〜10nmの微小な内包カーボンナノカプセル状物質を内包カーボンナノカプセル前駆体として装置内壁に付着する煤中に生成させる。この前駆体を、真空中または不活性ガス雰囲気下で500〜3000℃で加熱処理することにより内包カーボンナノカプセルを得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、数ナノ〜数十ナノメートル(nm)の大きさを持つ炭素の多層多面体からなるカーボンナノカプセル内部に、元素、金属、化合物等の各種の物質を内包させた内包カーボンナノカプセルの製造方法に関し、さらには、この内包カーボンナノカプセルを製造するための前駆体の製造方法に関するものである。
希ガス中アーク放電法により、数〜数十nmの大きさを持つ炭素の多層多面体(カーボンナノカプセルと称する)内部に、ランタンカーバイドの微結晶が内包されることが1993年に初めて発見された。この新しい物質は、希ガス中アーク放電法の一種であるクレッチマー−ハフマン法(Kratchmer-Huffman process)において、直流アーク放電で使用する陽極炭素棒を、ランタン等の希土類の酸化物を含有する複合炭素棒に変更することにより、合成された(以後、本明細書中では、複合炭素棒を陽極に用いたクレッチマー−ハフマン法を「改良クレッチマー−ハフマン法」と称する)。
直流アーク放電により、対向陰極から電子衝撃を受けて高温になる陽極は、先端から蒸発して徐々に消耗が進むため、消耗電極とも呼ばれる。蒸発した陽極物質は装置内のヘリウムガスで冷却されて、蒸発量の約半分が気相で凝縮し、煤(歴史的にフラーレン煤と呼ばれる)として装置内壁面に付着する。改良クレッチマー−ハフマン法ではこのフラーレン煤は大部分が不定形炭素煤であるが、その中には、通常、C60に代表されるフラーレンや内包フラーレン(フラーレン中に被内包物質が内包されているもの)、単層カーボンナノチューブ(陽極中に触媒金属が含まれる場合に限り生成される)等が含まれる。蒸発した物質の残り半分は陰極表面上に凝縮し、“陰極堆積物”と呼ばれる柱状の炭素質物質が成長する。カーボンナノカプセルが見つかる場所は、この“陰極堆積物”の表面や内部にほぼ限られる。歴史的にはカーボンナノカプセルは、この堆積物内部に存在する多層カーボンナノチューブの表面に付着した副産物として、偶然発見されたものである(非特許文献1参照)。
その発見後すぐに、純粋相またはカーバイド相として、多くの金属元素等がカーボンナノカプセルに内包されることが明らかになり、これらを総称して「内包カーボンナノカプセル」または炭素被覆金属粒子(Carbon Encapsulated Metal Nanoparticles; CEMNs)(非特許文献2のP839)などと呼ばれるようになった。本明細書においては以後、これらを「内包カーボンナノカプセル」と総称する。
カーボンナノカプセルに内包される元素としては、大多数のランタノイド元素、鉄族元素(鉄、コバルト、ニッケル)、アルカリ土類元素(カルシウム、ストロンチウム等)、貴金属元素(銅、銀、金)、白金族元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等)、IVおよびV族遷移金属元素(チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル等)、VIおよびVII族遷移金属元素(クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム等)、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、イオウ、セレン、アクチノイド元素(ウラン、トリウム等)などが報告されていて、これらは試験が進めばさらに増加する可能性がある。これらは、純粋相として内包される場合とその炭化物が内包される場合がある(非特許文献1のP26参照)。その他、金属硫化物(CaS)(特許文献1参照)や、金属リン化物(Pd3 P)(非特許文献3)などの化合物も、被内包物質とされる例が報告されている。
内包カーボンナノカプセルについて別の見方をするならば、表面を炭素膜で被覆された径10〜100nmの微結晶であり、ナノサイズの複合粒子と考えることができる。ただし内包カーボンナノカプセルでは粒子を被覆している炭素の形態に大きな特徴があり、グラファイト化して炭素網面が発達した構造を示し、かつその網面がカプセル面に平行なものと定義することが出来る。内包されている被内包物質が無ければ、カーボンナノカプセルと呼ばれる炭素の多層多面体と全く同じ物質である。内包カーボンナノカプセルにおいては、内包された微結晶とグラファイト化し多角多面体化したカプセル内壁との間に、何もない空洞部分がしばしば観察されることが特徴とされている。しかし、鉄族元素の内包カーボンナノカプセルのように、このような空洞をほとんど示さない例もある。これら内包カーボンナノカプセルについては、成書やレビューがある(非特許文献1または2参照)。
ところで、ランタンカーバイドは反応性が高く不安定で、湿分を含む通常の空気中では直ぐに反応して急速に加水分解が進行することが知られている。しかし、カーボンナノカプセルに内包されたランタンカーバイド微結晶は、何年もの長期にわたって湿潤空気中に放置されても全く変化せず、加水分解しないことが観測されてきている。この観測事実は、そのカーバイド結晶粒子がカーボンナノカプセル空洞の内部に物理的に閉じ込められているだけではなく化学的にも遮蔽されていて、空気中の水や酸素との接触が完璧に抑えられている証拠であると考えられている(非特許文献2のP846参照)。
カーボンナノカプセルに内包された微結晶の乾燥空気中での熱的安定性と酸化特性に関しては、ランタノイドの中で最も化学反応性が高いとされるランタンカーバイドに関する研究報告があり、それによると、陰極堆積物から採取したランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルを熱重量法(Thermogravimetry, TG)分析装置にかけて空気中で昇温(10℃/min)させていくと、ほぼ500℃までは反応せず安定であることが明らかにされている(非特許文献4)。500℃を超えると、それまで抑えられていたランタンカーバイドの燃焼反応が急激に起こり、温度の急上昇が観察されることが報告されている。
グラファイト網面(1枚をグラフェンと呼ぶ)の高い物理的安定性と物質の非透過性、および空気中や水中における炭素の高い化学的安定性を考慮すると、この空間的に閉じたカーボンナノカプセルは極めて高いバリア機能を持つことが期待されるが、前述したランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルの耐酸化性は、その現われであると考えられている。したがってこのバリア機能は、ランタンカーバイド以外のどんな物質や元素を内包させた場合でも同様に発揮されることは明らかで、その内部空洞に内包された物質は、大気中の酸素や湿度に対して不安定な物質であっても、これらを安定に保持することが期待できる。またカーボンナノカプセルは、被内包物質の超微粒子が再凝集してより大きなバルク体になるのを抑制する働きがある。
このように優れた特性を有する内包カーボンナノカプセルは、従来は前述の改良クレッチマーハフマン法(希ガス中直流アーク放電法)に加えて、レーザーアブレーション法(非特許文献5参照)、タングステンアーク・金属プール法(非特許文献2のP853参照)、プラズマトーチ法(非特許文献2のP854参照)、イオンビームスパッタ法(非特許文献2のP857参照)、ダイヤモンドナノ粒子混合加熱法(特許文献2参照)等の方法によって形成され、供給されていた。
しかし上記の方法のうち、改良クレッチマーハフマン法、レーザーアブレーション法、タングステンアーク・金属プール法、プラズマトーチ法、イオンビームスパッタ法では、材料は一旦高温で気相状態を経てその急冷により内包カーボンナノカプセルを形成するため、粒子サイズやサイズ分布の制御が困難であるという問題がある。
この欠点を克服するため、前記したダイヤモンドナノ粒子混合加熱法が開発され、被内包物質の粉末をダイヤモンドナノ粒子と混ぜ合わせ不活性ガス中で熱処理することにより、内包カーボンナノカプセルを調製する方法が提案された。この方法の場合、最初に所望の大きさの粒子を形成したのち、ダイヤモンドナノ粒子と混ぜ合わせ熱処理しているので、生成する内包カーボンナノカプセルのサイズ制御が比較的容易であるという利点を持つ。しかし内包される側の被内包物質が炭素と反応して炭化物(カーバイド)となる場合は、カプセル形成が困難であるという問題を持っている。つまり、ダイヤモンドナノ粒子混合加熱法は、被内包物質として炭化物形成が比較的少ない元素に限られており、カーボンナノカプセルに金属相として内包され易い元素:具体的には鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、アンチモン等に適用が限られることになる(非特許文献1のP26参照)。
斎藤弥八、坂東俊治;「カーボンナノチューブの基礎」、コロナ社(1998) "Fullerenes, Chemistry, Physics and Technology", K.M.Kadish and R.S.Ruoff, Editors; P839-885, Wiley-Interscience; New York (2000) 奥 健夫;「炭素素原料科学と材料設計II」、P11、CPC研究会(2000) "Bulk Synthesis and Characterization of Carbon Nanocapsules Containing Lanthanum Carbaide", in Fullerenes, Vol. 14, P.V. Kamat, D.M.Guldi, F.D'Souza and S.Fukuzumi, Editors, PV 2004-12, P110-117, The Electrochemical Society, Pennington, NJ (2004) 斉藤弥八;プラズマ・核融合学会誌、75巻、P908 (1999) 特開平8−133716号公報 特開2001−39707号公報
以上詳述したように、内包カーボンナノカプセルについては、カーバイド相を形成し易い元素(例えばランタノイド諸元素)を被内包物質とする場合には、カプセルの粒子サイズやサイズ分布を制御する方法がなかった。より具体的には、被内包物質の粒径やそれを囲むカプセルのグラフェン層数、およびそれらの分布を制御する方法がなく、これらを調節した内包カーボンナノカプセルを製造することができなかった。
そこで本発明は、カーバイド相を形成し易い元素であっても被内包物質として使用でき、しかもそれを囲むカプセルのグラフェン層数、カプセルの粒子サイズおよびサイズ分布を制御することができる、新規かつ改良された内包カーボンナノカプセルを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者は、上記の課題を解決することを目的として、内包カーボンナノカプセル生成の制御の研究に長年にわたり携わってきた。その結果、改良クレッチマー−ハフマン法において生成するフラーレン煤の性状と、アーク放電時のヘリウム圧力の関係に着目し、15〜100Torrという低圧で生成するフラーレン煤に、粒径2〜10nmの微小な内包カーボンナノカプセル状物質が多く含まれることを発見した。本明細書中においては、この内包カーボンナノカプセル状物質を“内包カーボンナノカプセル前駆体”と称している。さらに、この内包カーボンナノカプセル前駆体を含むフラーレン煤を不活性ガス雰囲気下で加熱処理すると、より大きな内部空洞を持つ多層多面体状の内包カーボンナノカプセルへと成長し、この熱処理温度を調節することにより、成長する内包カーボンナノカプセルの粒径やグラフェン層数が制御できることを見い出した。
すなわち本発明は、陰極炭素棒と被内包物質を含有する陽極複合炭素棒とをヘリウム雰囲気中で対向させて両電極間に直流電流を流しアーク放電を生じさせることによって高温となる前記陽極複合炭素棒を蒸発させるようにした直流アーク放電装置を使用し、前記陽極複合炭素棒の蒸発物をヘリウム雰囲気中で冷却、凝縮させてその一部を前記装置内壁に煤として付着させる方法において、前記装置内のヘリウム圧力を15〜100Torrとすることによって、被内包物質を内包した2〜10nmの微小な内包カーボンナノカプセル状物質を内包カーボンナノカプセル前駆体として前記装置内壁に付着する煤中に生成させることを特徴とする内包カーボンナノカプセル前駆体の製造方法である。
さらに本発明は、前記の方法により生成した内包カーボンナノカプセル前駆体を、真空中または不活性ガス雰囲気下で500〜3000℃で加熱処理することを特徴とする内包カーボンナノカプセルの製造方法である。
本発明においては、前記内包カーボンナノカプセル前駆体の加熱処理温度を調節することによって、得られる内包カーボンナノカプセルの粒径とグラフェン層数を調節することができる。
さらに本発明においては、前記陽極複合炭素棒中の炭素と被内包物質の混合比の調節と、前記内包カーボンナノカプセル前駆体の加熱処理温度の調節とを組み合わせることによって、得られる内包カーボンナノカプセルの粒径とグラフェン層数を任意に調節することが可能となる。
本発明による内包カーボンナノカプセルの製造方法によれば、炭素と反応してカーバイドを形成し易い元素であっても被内包物質としてカーボンナノカプセル内に内包させることができるとともに、この被内包物質を囲むカプセルのグラフェン層数、カプセルの粒子サイズおよびサイズ分布を制御することができるため、所望の仕様の内包カーボンナノカプセルを容易かつ効率よく製造することが可能となる。
図1は、本発明の方法で採用する改良クレッチマー−ハフマン法を実施するために使用される直流アーク放電装置の一例を示す断面図である。密閉された直流アーク放電装置1の内部空間はヘリウム雰囲気とされており、この装置内で陰極炭素棒2と陽極複合炭素棒3とを対向配置させた状態で両電極間に直流電流を流すことにより、アーク放電が生じる。本発明においては、陽極となる複合炭素棒3として、カーボンナノカプセルに内包させたい被内包物質を含有させた複合炭素棒を使用する。
直流アーク放電が生じることにより、陽極複合炭素棒3は対向陰極2から電子衝撃を受けて高温となり、先端から蒸発して徐々に消耗が進むため、陽極駆動機構4により消耗分だけ陽極を前進させて、対向陰極との間隔をアーク放電に適した間隔に維持している。
蒸発した陽極物質は、装置1内のヘリウムガスで冷却され、蒸発量の約半分は気相で凝縮して煤を形成し、装置1内壁面に付着する。蒸発した陽極物質の残りの半分は、陰極2先端で直接凝縮して陰極堆積物2aと呼ばれる柱状の炭素質物質が成長する。なお、図1の直流アーク放電装置1には真空排気系やヘリウムガス供給系が必要とされるが、図示を省略してある。
本発明によるに内包カーボンナノカプセル前駆体は、放電装置1内のヘリウム圧力を15〜100Torr、好ましくは25〜50Torrに調整してアーク放電を行った場合に、装置内壁面に付着する煤中に含まれる形で得られる。15Torrを下回るか、または100Torrを上回るヘリウム圧力では、本発明の内包カーボンナノカプセル前駆体はほとんど生成しない。
この内包カーボンナノカプセル前駆体のグラフェン層は1〜10層程度で、2〜6層のものが多い。なお、非特許文献2のP851によれば、ヘリウム圧力100〜125Torrは最適フラーレン生成条件、ヘリウム圧力500〜600Torrは最適カーボンナノチューブ生成条件とされているが、本発明は、それよりも低いヘリウム圧力において、内包カーボンナノカプセル前駆体となる物質が製造できることを見出したことに由来する。内包カーボンナノカプセル前駆体は、粒子サイズが小さいものほど丸みを帯びた形状のものが多い点と、被内包物質とグラフェンが密着していて内部空洞を持たない点を除けば、多層多面体構造を持つ内包カーボンナノカプセルの一種であるとみなすことができる。
内包カーボンナノカプセル前駆体製造時のアーク放電に使用する電流と電圧の条件は、非特許文献2のP851に記載されている改良クレッチマー−ハフマン法で一般的に使用されている条件が同様に採用できる。すなわち非特許文献2には、直径1/2インチ(約12.7mm)の円柱状電極を使用した場合、電圧範囲は25〜45V、電流範囲は70〜200Aと記載されており、これらの条件を本発明においても同様に採用することができる。本発明におけるようなヘリウム圧力範囲でアーク放電を行う場合には、電圧範囲を15〜45V程度とする。一般に15V未満のアーク放電は殆ど実現できず、40Vを超えるとアーク放電は一般に不安定で放電が持続しない。また、直径10mmの円柱状電極を使用した場合、100〜300Aの電流範囲で安定なアーク放電が生じていることも確認されている。
上記で得られた内包カーボンナノカプセル前駆体を、真空中または不活性ガス雰囲気下で500〜3000℃で加熱処理すると、この前駆体は互いに接合・成長し、内包カーボンナノカプセルとなる。この場合、加熱処理温度が高いほど、粒子サイズがより大きく、またグラフェン層数のより多い内包カーボンナノカプセルへと成長する。したがって加熱処理温度を調節することによって、得られる内包カーボンナノカプセルの粒径やグラフェン層数を制御することが可能になる。なお、直流アーク放電時のヘリウム圧力が15〜100Torrの範囲から外れた圧力下で調製された煤を500〜3000℃で加熱処理しても、内包カーボンナノカプセルは得られない。
内包カーボンナノカプセル前駆体の加熱処理に使用する加熱装置としては、真空または不活性ガス雰囲気を達成できる装置であれば、処理温度に対応して種々の加熱装置が使用できる。例えば、処理温度が1200℃以下の場合には、石英ボートに内包カーボンナノカプセル前駆体を載置して管状電気炉に収納し、炉内雰囲気を制御した後、加熱処理することができる。これより高温の3000℃までの温度で加熱処理する場合は、石英ボートでは融解してしまうため、炭素坩堝等に内包カーボンナノカプセル前駆体を入れてこれを黒鉛抵抗炉に収納して同様に熱処理を行う。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒素ガス等を使用することができる。
さらに、直流アーク放電による内包カーボンナノカプセル前駆体の製造時に、陽極複合電極に含有させる被内包物質と炭素との混合比を調節することが容易にできるので、内包カーボンナノカプセル前駆体の加熱処理温度の調節と組み合わせることによって、最終的に生成する内包カーボンナノカプセルの粒径とグラフェン層数を任意に組み合わせた内包カーボンナノカプセルの製造が可能になる。
本発明によれば、炭素と反応してカーバイドを形成し易い元素、例えば、大多数のランタノイド元素、アルカリ土類元素、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、ホウ素、ケイ素、アクチノイド元素等であっても、被内包物質としてカーボンナノカプセルに内包させることができるため、所望の被内包物質を選択するとともに、内包カーボンナノカプセルの粒径とグラフェン層数を制御することによって、必要な仕様を満たす内包カーボンナノカプセルを製造することができる。
以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
ランタン酸化物(La2 3 )を1.8atom%含有する複合炭素棒(直径10mm×長さ150mmの円柱棒)を陽極に用いた図1の直流アーク放電装置を使用して、ヘリウム圧力35Torrの雰囲気下で改良クレッチマー−ハフマン法による直流アーク放電を行い、装置内壁面に付着したランタンフラーレン煤を製造した。アーク電流は165A、アーク電圧は30〜40V、電流密度は2.1A/mm2 の条件とし、得られた煤の量は蒸発した陽極重量の27質量%であった。この煤を黒鉛抵抗炉を用いヘリウム雰囲気下で1000〜2200℃の範囲の種々の温度で加熱処理を施した。
加熱処理をしていない無処理の煤を煤(A)、1000℃で熱処理した煤を煤(B)、1400℃で熱処理した煤を煤(C)、1800℃で熱処理した煤を煤(D)、2200℃で熱処理した煤を煤(E)とそれぞれ表し、高分解能TEM写真観察から求めたそれぞれの煤における内包カーボンナノカプセル前駆体、または内包カーボンナノカプセルの平均粒径(nm)、グラフェン層数をまとめて表1に示す。また、同時に生成した特徴的な物質(後述するグラファイトナノボール、La(OH)3 マイクロ粒子、La2 3 ナノ粒子)について、その存在量をあわせて表1に示した。さらに表1の最後の欄には、煤(A)〜(E)について乾燥空気中でTG分析した時に示される内包ランタンカーバイドへの着火温度をまとめて示した。
Figure 2007084364
得られた煤の構造について、高分解能TEM(HF−2000 FE TEM、HV=200kV、(株)日立製作所製)による観察と評価を行った。熱処理する前の製造したそのままの煤(A)について、高分解能TEM写真の代表例を図2に示す。アモルファス状の炭素煤は全く見られず、その代わり図2に示される閉じたグラフェン殻の内部にランタンカーバイドと思われる微結晶を隙間無く閉じ込めた構造体(内包カーボンナノカプセル前駆体)が、びっしりと積み重なっている状況が累々と観察された。これらの前駆体の多くは、粒径が2〜10nmと小さく、グラフェンの層数は最低で1枚、通常は2〜6枚程度で、被内包物質とグラフェン殻が密着していて空隙が全く見られないことが特徴的であった。サンプルの他の視野では、粒径10nmを超える前駆体や、グラフェン層数が10枚程度の前駆体も観測された。これらに内包されているランタン化合物は、結晶格子像を示す場合にはランタンカーバイドLaC2 であると推定された。なお煤全体の元素分析(エネルギー分散型蛍光X線マイクロアナライザーによる測定。以後“EDX測定”と記述する)を行うと、ランタンと炭素に加えて酸素のピークが強く表れ、ランタン酸化物とランタンカーバイドが煤の中に混在していることがわかった。この煤(A)に含まれるランタンカーバイド内包カーボンナノカプセル前駆体の、内包ランタンカーバイドへの着火温度は、TG測定から259℃であった。
図3に、1400℃熱処理の煤(C)の高分解能TEM写真の例を示す。この温度で熱処理した煤(C)は、熱処理前の煤(A)と比べて2つの点で大きく違った様相を示した。第1の相違点は、図2の煤(A)よりも全体的に炭素の組織化が進み、乱雑だったグラフェンがまとまってグラファイト構造を形成し始めている様子が観察されたことである。それとともに、量的には少ないが粒径5〜20nm前後の小型の内包カーボンナノカプセルがサンプル中に出現したことが、多くの視野で確認された。この小型の内包カーボンナノカプセルのグラフェンは4〜10層で、熱処理前の構造に比べグラフェン層数が多く観察された。図4に、この小型の内包カーボンナノカプセルの被内包物質のピンポイントEDX測定の結果を示す。このEDXスペクトルから、この被内包物質が酸素を含んでいないことが判るので、これらの小型内包カーボンナノカプセルは、ランタンカーバイドを内包していることが判明した。この分析の結果、改良クレッチマー―ハフマン法により得られた煤(A)の1400℃熱処理により出現したこの小型のカプセル状物質は、形状からも被内包物質の組成からも、ランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルであることが確認された。陰極堆積物に生成する内包カーボンナノカプセルとの唯一の違いは、被内包物質とグラフェンの間に明確な空洞が見られない点だけである。この煤(C)に含まれるランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルの内包ランタンカーバイドへの着火温度は、TG測定から355℃であり、熱処理によりグラフェン層数が増加したため着火温度が上昇していることが確認できた。
図3に示す煤(C)と図2に示す熱処理前の煤(A)とのもう1つの大きな相違点は、煤(C)のあちこちに、粒径20nm前後のグラフェンに囲まれていない格子模様の特徴的な結晶(図3中央の縞状結晶)が新たに出現した点である。この結晶のEDX測定で得られたEDXスペクトルを図5に示す。図5から、この結晶が酸化ランタンLa2 3 ナノ粒子であることが判った。これらのLa2 3 ナノ粒子は、ランタンフラーレン煤全体に広く含まれていた微小なLa2 3 結晶が、ヘリウム雰囲気下での1400℃の熱処理に伴い接合・成長して出現したものであると考えられる。
なお、1000℃熱処理の煤(B)の高分解能TEM像に関しては、熱処理前の煤(A)と煤(C)の中間の傾向が見られる部分もあったが、サンプル自体の視野ごとのばらつきが大きいため、TEM写真上では煤(A)および煤(C)との明確な違いを確認することが出来なかった。しかしこの煤(B)に含まれるランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルの内包ランタンカーバイドへの着火温度はTG測定から300℃であり、熱処理により明らかに着火温度が上昇していることが確認できた。
図6に、2200℃熱処理の煤(E)の高分解能TEM写真の例を示す。この温度で熱処理したランタンフラーレン煤から、内部空洞が備わって、陰極堆積物由来の内包カーボンナノカプセルと見紛うほどに大きく成長したランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルが、数多く見つかった。この2200℃熱処理では、煤全体として炭素の組織化がさらにすすみ、グラフェン構造の直線化・多角形化に伴って構造内に多くの内部空洞が生じてきたのが特徴と言える。この煤(E)に含まれるランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルの内包ランタンカーバイドへの着火温度はTG測定から454℃であり、熱処理によりグラフェン層数が増加したためさらに着火温度が上昇していることが確認できた。
さらに煤(E)のサンプルではランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルの他に、直径100nm程度の中実グラファイト結晶(グラファイトナノボール)が煤のいたるところに生成していることが観察された。なお、1400℃熱処理の煤(C)のサンプル中でしばしば観察されたLa2 3 ナノ粒子は、2200℃熱処理の煤(E)では全く観察されず、これらは2000℃を超えると全て炭化物LaC2 に変化して、その後、昇華してサンプルから失われたことが確認できた。残った一部のLaC2 マイクロ結晶は、空気中で湿分と反応して水酸化物に変わり、La(OH)3 マイクロ粒子として観察された。
1800℃熱処理の煤(D)の高分解能TEM像では、炭素およびカーボンナノカプセルの構造化に関して、熱処理煤(C)と煤(E)の中間的な傾向が見られた。煤(D)では、La2 3 ナノ粒子の存在が際立っており、1400℃熱処理の煤(C)よりも大きく成長している様子が観察された。
表1に示したカーバイド着火温度の変化を観察すると、着火温度は内包カーボンナノカプセルのグラフェン層数と密接に関係があり、平均グラフェン層数が多いほど着火温度が高くなることがわかる。さらに、表1に示す実施例の結果から、内包カーボンナノカプセル前駆体を加熱処理する温度を調節することで、この前駆体からから生成する内包カーボンナノカプセルの粒径とグラフェン層数を制御できることがわかる。
なお、本実施例では、内包カーボンナノカプセル前駆体に内包される被内包物質がランタンカーバイドである例を示したが、本発明における被内包物質はランタンカーバイドに限られるものではなく、カーバイドを形成する、しないに拘わらず、カーボンナノカプセルに内包させることができる元素であれば、全てに適用できるものである。
本発明の方法で製造できる内包カーボンナノカプセルは上述したような優れた特性を持つため、工業的に様々な分野への利用が期待できる。各種物質を内包させた内包カーボンナノカプセルは、各種の磁気記録媒体、磁気トナー、磁気インク、磁性流体、MRI用増感剤(以上の分野は、被内包物質として磁性体を使用する)、顔料、塗料、ゴム・塗料・プラスチック等のフィラー、耐火物のフィラー、走査型トンネル顕微鏡用の先端チップ、エネルギー貯蔵用機器の電極、極細電子回路用の軽量部品やワイヤー、化粧品、合体防止機能を持った微粒子、大気中で酸化し易い又は発火しやすい元素・金属・化合物等を取り扱う耐候性カプセル、高温還元雰囲気で蒸発・昇華しやすい物質を保持するカプセル等の分野で利用することができる。
本発明の方法を実施するための直流アーク放電装置の一例を示す断面図である。 実施例で得られた煤(A)(内包カーボンナノカプセル前駆体を含む)の高分解能TEM写真である。 煤(A)を1400℃で加熱処理して得られた煤(C)(内包カーボンナノカプセルを含む)の高分解能TEM写真である。 煤(C)における内包カーボンナノカプセルの被内包物質のEDXスペクトルである。 図3の煤(C)中に出現したグラフェンに囲まれていない結晶のEDXスペクトルである。 煤(A)を2200℃で加熱処理して得られた煤(E)(内包カーボンナノカプセルを含む)の高分解能TEM写真である。
符号の説明
1:直流アーク放電装置
2:陰極炭素棒
2a:陰極堆積物
3:陽極複合炭素棒
4:陽極駆動機構

Claims (4)

  1. 陰極炭素棒と被内包物質を含有する陽極複合炭素棒とをヘリウム雰囲気中で対向させて両電極間に直流電流を流しアーク放電を生じさせることによって高温となる前記陽極複合炭素棒を蒸発させるようにした直流アーク放電装置を使用し、前記陽極複合炭素棒の蒸発物をヘリウム雰囲気中で冷却、凝縮させてその一部を前記装置内壁に煤として付着させる方法において、前記装置内のヘリウム圧力を15〜100Torrとすることによって、被内包物質を内包した2〜10nmの微小な内包カーボンナノカプセル状物質を内包カーボンナノカプセル前駆体として前記装置内壁に付着する煤中に生成させることを特徴とする内包カーボンナノカプセル前駆体の製造方法。
  2. 前記請求項1の方法により生成した内包カーボンナノカプセル前駆体を、真空中または不活性ガス雰囲気下で500〜3000℃で加熱処理することを特徴とする内包カーボンナノカプセルの製造方法。
  3. 前記内包カーボンナノカプセル前駆体の加熱処理温度を調節することによって、得られる内包カーボンナノカプセルの粒径とグラフェン層数を調節することを特徴とする請求項2に記載の内包カーボンナノカプセルの製造方法。
  4. 前記陽極複合炭素棒中の炭素と被内包物質の混合比の調節と、前記内包カーボンナノカプセル前駆体の加熱処理温度の調節とを組み合わせることによって、得られる内包カーボンナノカプセルの粒径とグラフェン層数を任意に調節することを特徴とする請求項2に記載の内包カーボンナノカプセルの製造方法。
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