JP2007083324A - ホールソー - Google Patents

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Ryuichi Ueda
龍一 上田
敬之 ▲高▼浦
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Abstract

【課題】
老朽化したスレート板の取外し、解体や修理に当たり、スレート板のボルト・ナットによる取り付け部分の周辺部分を簡単に穿孔、除去してその接合部分をスレート板と共に切り離することができ、しかも好ましくは、その穿孔で取り外した部分を下方に落下さえることなく安全に作業ができるホールソーに関するものである。
【解決手段】 先端にカット刃1を有する筒状本体2内に内方へ後退可能に摺動子3を装着すると共に、当該摺動子3の中心部に軸方向に沿ったガイド孔4を形成することにより、上記課題を達成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スレート板やその他の板材を係止具で固定した部分の補修或いは取外しにおいて、係止具の周辺を穿孔して係止具の部分を簡単に除去できる施工性の良いホールソーに関するものである。
スレート板を用いた建造物、例えばスレート板の屋根は、波形スレート板をフックボルトを介して母屋等の構造躯体に係止することにより、取付けられている。この種のスレート板屋根が長年月がたって老朽化してくると、当然、スレート板が汚れたり割れ易くなり、またフックボルト等の係止具が錆びてしまうことは自然の理である。
したがって、所定期間が経過すると、スレート板の屋根等の葺き替えや、古いスレート板の上に新しいスレート板を重ねる補修等の必要性がでてくる。
従来から屋根や壁などにスレート板が多く使われているが、一般に構造躯体に一端のフック部が係止された係止具の他端のボルト部分をスレート板に挿通し、ナットで締め付けて固定している。そしてこれが屋外に使われると、ボルトにナットが錆び付いて外すことが困難となる。従って上記葺き替えや補修に際し、ボルト・ナット部分を治具で破壊させたり、その係止部分の周辺のスレート板を穿孔して取り外すことになる。
しかし、多く採用されている鉄道の付帯設備などでは、作業の安全のため、深夜に補修等の工事が行われることが多く、暗い高所での作業では、穿孔の位置決めが困難で、カット刃がボルトやナットに当たると刃こぼれが生じやすく、また、穿孔後のカット部分や取付金具等を下方に落とさないよう細心の注意を払う必要があった。
特開平8−245283号公報
本発明は、たとえ深夜、高所での条件が悪い工事であっても、穿孔部分の中心にボルト・ナット等の突部があっても支障とならず正確にスレート板を穿孔することができてスレート板の葺き替えや補修の施工性が向上したホールソーを提供するものである。
本発明の主たる特徴は、先端にカット刃1を有する筒状本体2内に内方へ後退可能に摺動子3を装着すると共に、当該摺動子3の中心部に軸方向に沿ったガイド孔4を形成したことであり、第2に、このガイド孔4の近傍に当該ガイド孔4の中心軸方向に突出した係止突部5を中心軸方向より遠ざかる方向に後退可能に設けたことである。
本発明にあっては上述のように、先端にカット刃1を有する筒状本体2内に内方へ(好ましくは弾性に抗して)後退可能に摺動子3を装着すると共に、当該摺動子3にガイド孔4を形成したので、補修しようとする屋根などのスレート板14の取り付けのためのボルト15のナット16より突出した部分がガイド孔4に納まり係合することにより正確かつ簡単に位置決めしてホールソーを操作することができるもので、スレート板14の取外しや補修のための穿孔作業をスムーズに行うことができる。
また、更にガイド孔4の内周の中心方向に係止突部5を突出させた場合には、穿孔作業時に前記のようにガイド孔4に挿通したボルト15は次いで係止突部5を押し広げてその奥に入り込んで保持されることになり(図11参照)、その状態で更に押し込むとカット刃1がスレート14に当接しカットが始まるもので、穿孔が終わっても、ボルト15が係止突部5に保持されて、穿孔による除去部分がホールソーの筒状本体2側にくっ付いて保持され、落下することもなく、安全性を確保することができる。
更に、係止突部5を鋼球等の球体とした場合は、ボルト15の外周面に当接し、穿孔により除去された部分が保持されて落下せず、またこの係止突部5を複数個設けた場合には、上記で保持される穿孔部分の荷重が分散されて、重い場合もバランス良く保持され、安全性がより一層向上する。穿孔除去部分をホールソーから取り外す時は、その除去部分を引っ張れば、係止突部5がボルト15から外れて引き抜くことができる。
(基本例)
以下本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。図1においてホールソーの筒状本体2は先端にカット刃1を有し、基端に回転具のチャックへの接続軸6が装着されている。筒状本体2内には、必要に応じ、ばね7に抗して摺動子3が奥に後退可能に納装される。また摺動子3に突設されたピン8が、筒状本体2に施された長孔9に突出、係止されて、摺動子3のストロークを設定すると共に、外部に外れないためのストッパーとなる。長孔9とピン8は1個所でも良いが、図3のように複数個所にしておくと安定性が良い。27はばね7の保持のためのボス、28はピン8の取付穴である。
また、図示例ではカット刃1が若干円筒面より内方へ突出しているため、摺動子3にはそれに対応して図2、図3のように逃げ面10が施されているが、カット刃1が円筒面内に突出しない場合は、勿論なくても良い。
摺動子3には、図2のように中央部に透孔状のガイド孔4が施される。この内径はボルトの外径よりも若干大きく設定されている。特に、下記のような係止突部5を施さない場合は、ボルト5よりこのガイド孔4の内径をほんの少しだけ太くするに止め、ガイド孔4をやや傾けることにより、ボルト5の保持を良好なものとする。
(係止突部が球体の例)
図4から図7は更に摺動子3には横穴11を施してその横穴11に鋼球等の球体を係止突部5として装入した例である。この係止突部5はばね12でガイド孔4の中心部方向に押出される方向に弾発され、その一部がガイド孔4内に突出している。この場合、係止突部5はその他、砲弾状の形状でも良いし、ローレット状の滑り止めが先端面に施されたものであっても構わない。この係止突部5は下記のようにばね12で弾性的に後ろから押し圧しておくのが好ましいが、それに代えてねじなどで押すようにしても構わない。
ここで、係止突部5は図6、図11のようにボルト15の外周面に当接し、穿孔除去部分が落下しないように保持する。係止突部5は一箇所でもいいが、複数個所の方がバランス上好ましい。ここで横穴11のガイド孔4への開口は、係止突部5よりも若干小径にしておく。横穴11はばね12を介してねじ13で塞がれるが、複数箇所の場合は、いずれかを上記のピン8が兼用しても構わない。勿論、全部のピン8をねじ13で兼用することもできる。たとえば、上記例では図7のように横穴11とは別途の取付穴28を有しているが、これをなくして、図6のねじ13に代え、ピン8を横穴11に螺合しても良い。
(係止突部が板ばねの例)
図8は板ばねを係止突部5として使用した例を示すもので、摺動子3の上又は下に装着され、中央部に切り込み29により分離して切り起こして円錐筒状部30を形成したものである。この場合では下からボルト15が挿入されると、図9のように板ばねの弾性に抗して切り欠き29を押し広げ、円錐筒状部30の縁がボルト15の外周面を掴んで穿孔除去部分を保持する。31はこの係止突部5を摺動子3の取付穴32に取り付けるためのねじである。
(使用方法)
本発明は、老朽化したスレート板14の構造躯体への係止具18の完全に腐蝕したボルト15、ナット16、ワッシャ17の密着部分に対して、スレート板14のその周辺部分を穿孔、除去するもので、まず図11のようにガイド孔4をボルト15に被せ、そのまま筒状本体2をスレート板14に押し付けて移動させながらカット刃1を回転させる。
この際、先ずボルト15がそれに応じてガイド孔4に深く入り込み、次いでカット刃1が下がってスレート板14に当接してカットを開始するもので、やがて図11のように穿孔部分が切り離されることになる。その後はばね7で摺動子3が図4と同様の位置まで押し出されるが、ボルト15の外周は係止突部5に保持されているので、そのまま筒状本体2を引き上げて穿孔除去部分を引っ張って取り外すことができる。
本発明にあっては、経年使用でボルト・ナットが錆付いてしまった屋根などの解体に適したもので、ボルト・ナットによる接合部分を含めてその周辺のスレート板14を穿孔して一部を除去し、その後スレート板を構造躯体から引き離して除去し、葺き替えても良いし、残してその上に葺くようにしても良い。屋根以外にも板材が同様の取付け方で施工された現場の解体に適用できる他、スレート以外にも、金属板や樹脂板等、取付け部分のボルト・ナットが錆び付いて取り外せない現場であればいずれも上記と同様に適用できる。
本発明の一実施例の分解斜視図。 同上の概略断面図。 同上の底面図。 同上の他の実施例の概略断面図。 同上の摺動子の分解斜視図。 同上の摺動子の係合突部付近の横断面図。 同上の摺動子のピン付近の横断面図。 同上の更に他の実施例の分解斜視図。 同上の作用説明断面図。 同上のスレート板穿孔直前の作用説明断面図。 同上のスレート板穿孔直後の作用説明断面図。 図6のX−Y線による作用説明断面図。
符号の説明
1 カット刃
2 筒状本体
3 摺動子
4 ガイド孔
5 係止突部



Claims (5)

  1. 先端にカット刃1を有する筒状本体2内に内方へ後退可能に摺動子3を装着すると共に、当該摺動子3の中心部に軸方向に沿ったガイド孔4を形成して成ることを特徴とするホールソー。
  2. 先端にカット刃1を有する筒状本体2内に内方へ後退可能に摺動子3を装着すると共に、当該摺動子3の中心部に軸方向に沿ったガイド孔4を形成し、このガイド孔4の近傍に当該ガイド孔4の中心軸方向に突出した係止突部5を中心軸方向より遠ざかる方向に後退可能に設けて成ることを特徴とするホールソー。
  3. 先端にカット刃1を有する筒状本体2内に内方へ後退可能に摺動子3を装着すると共に、当該摺動子3の中心部に軸方向に沿ったガイド孔4を形成し、このガイド孔4の内周に係止突部5を中心方向へ突出可能に装着して成ることを特徴とするホールソー。
  4. 係止突部5が球体であることを特徴とする請求項2又は3に記載のホールソー。
  5. 係止突部5を複数箇所に施したことを特徴とする請求項2乃至4に記載のホールソー。
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