この発明の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システム、医用装置プロトコル提供方法、及び医用装置プロトコル提供プログラムについて図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
この発明の第1の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、この発明の第1の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システムの構成を示すブロック図である。
医用装置プロトコル提供システム1は、プロトコル配信機関(医用機器ベンダ)2、プロトコル公開医療機関6、プロトコル公開機関8、及びプロトコル利用医療機関9を備えて構成されている。
医用画像を撮影するための基本的な撮影プロトコルは、プロトコル配信機関(医用機器ベンダ)2によってプロトコル公開医療機関6内の医用画像診断装置7やプロトコル利用医療機関9内の医用画像診断装置11などに予め提供されている。そして、医用画像診断装置の利用者(医療従事者)は、撮影プロトコルに含まれる各種パラメータの設定などに独自の工夫を加えて新たな撮影プロトコルを作成している。新たに作成された撮影プロトコルは、医用画像コンテストなどで発表されたり、医用画像に関する学会のホームページなどで公開されたりする場合がある。なお、撮影プロトコルは、撮影プロトコルの名称、撮影部位、及び撮影条件を少なくとも含むことが好ましい。
この実施形態において、プロトコル公開医療機関6が新たな撮影プロトコルを作成するプロトコル作成機関に該当し、プロトコル公開機関8が上記の医用画像コンテストの主催者や学会などに該当する。なお、プロトコル公開医療機関6とプロトコル公開機関8は、同じ機関であっても良い。
プロトコル公開医療機関6は、MRI装置、X線CT装置、又は超音波診断装置などの医用画像診断装置7を有している。この実施形態では、プロトコル公開医療機関6の医療従事者が、医用機器ベンダ2から予め提供された撮影プロトコルを変更して新たな撮影プロトコルを作成し、新たに作成した撮影プロトコルの公開を希望するものとする。従って、プロトコル公開医療機関6の医療従事者がプロトコル公開希望者に該当する。
プロトコル公開医療機関6は、新たに作成した撮影プロトコルを医用機器ベンダ2に送信することで、新たに作成した撮影プロトコルを医用機器ベンダ2に登録し、医用機器ベンダ2から撮影プロトコルを公開するための公開パッケージを取得する。この公開パッケージの詳細な説明は後述するが、公開パッケージには新たに作成された撮影プロトコルの識別情報や医用機器ベンダ2のアドレス(URL)などが含まれる。プロトコル公開希望者は、取得した公開パッケージを利用して撮影プロトコル公開用のWebページを作成する。
プロトコル公開機関8はプロトコル情報公開サーバ81を備え、プロトコル公開医療機関6が作成した撮影プロトコル公開用のWebページをインターネットなどの公開ネットワーク上に公開する。
プロトコル利用医療機関9は、新たに作成された撮影プロトコルを取得して利用を希望する機関であり、プロトコル情報参照端末10と医用画像診断装置11とを備えている。従って、医用画像診断装置11の医療従事者がプロトコル利用希望者に該当する。
プロトコル情報参照端末10は、プロトコル公開機関8がインターネット上に公開している撮影プロトコル公開用のWebページを参照し、新たに作成された撮影プロトコルの配信予約を医用機器ベンダ2に対して行うための端末である。例えばWebブラウザによって撮影プロトコル公開用のWebページを参照し、所望の撮影プロトコルのダウンロードを指示することで、撮影プロトコルの識別情報がプロトコル配信機関(医用機器ベンダ)2のプロトコル配信要求受付サーバ4に送信される。これにより、プロトコル利用医療機関9の撮影プロトコル利用希望者は、所望の撮影プロトコルの配信を予約することができる。
プロトコル配信機関(医用機器ベンダ)2は、プロトコル公開パッケージ作成サーバ3、プロトコル配信要求受付サーバ4、及びプロトコル配信サーバ5を備え、プロトコル公開医療機器6から新たに作成された撮影プロトコルを登録する機関であるとともに、医用画像診断装置に用いられる撮影プロトコルを提供する機関である。
プロトコル公開パッケージ作成サーバ3は、プロトコル公開医療機関6から送信される新たに作成された撮影プロトコルと公開パッケージ作成要求とを受けて、新たに作成された撮影プロトコルをプロトコル配信機関2内のプロトコル情報記憶手段に記憶させるとともに、撮影プロトコルを公開するための公開パッケージを作成し、プロトコル公開医療機関6にその公開パッケージを提供する。
プロトコル配信要求受付サーバ4は、配信を希望する撮影プロトコルの識別情報と、医用画像診断装置11の識別情報とを受けて、プロトコル利用医療機関9内の医用画像診断装置11に撮影プロトコルを配信するための配信計画を作成してプロトコル配信機関2内の配信計画情報記憶手段に記憶させる。この配信計画には、撮影プロトコルを配信する配信先の医用画像診断装置の識別情報や、配信のタイミングなどが含まれる。
プロトコル配信サーバ5は、上記配信計画に従って、プロトコル配信機関2に登録されている新たに作成された撮影プロトコルをプロトコル利用医療機関9の医用画像診断装置11に配信する。
また、プロトコル利用医療機関9内のプロトコル情報参照端末10、プロトコル公開機関8内のプロトコル情報公開サーバ81、及びプロトコル配信機関2内のプロトコル配信要求受付サーバ4は、インターネットなどの公開ネットワークに接続されている。一方、プロトコル利用医療機関9内の医用画像診断装置11、プロトコル公開医療機関6内の医用画像診断装置7、プロトコル配信機関2内のプロトコル公開パッケージ作成サーバ3、及びプロトコル配信サーバ5は、例えば専用回線やVPNなどのセキュア回線に接続されている。
従って、プロトコル公開医療機関6のプロトコル公開希望者は、新たに作成した撮影プロトコルと公開パッケージ作成要求とを、専用回線などのセキュア回線を介してプロトコル配信機関2に送信することになる。そして、プロトコル配信機関2は、セキュア回線を介して公開パッケージをプロトコル公開医療機関6に送信することになる。
また、プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は、プロトコル公開機関8がインターネットなどの公開ネットワーク上に公開している撮影プロトコル紹介用Webページを参照することで、配信を希望する撮影プロトコルを指定し、公開ネットワーク経由で配信要求をプロトコル配信機関2に送信することができる。そして、プロトコル配信機関2は、公開ネットワーク経由で撮影プロトコルの配信要求を受けると、セキュア回線を介して撮影プロトコルをプロトコル利用医療機関9に配信することになる。
なお、図1においては、プロトコル利用医療機関9には単一の医用画像診断装置11が設置されているが、複数の医用画像診断装置11が設置されていても良い。また、各医用画像診断装置11及びプロトコル情報参照用端末10は互いにLANで接続されていても良い。また、この実施形態においては、プロトコル配信機関2内のプロトコル配信要求受付サーバ4、プロトコル公開パッケージ作成サーバ5、及びプロトコル配信サーバ6は、互いにLANなどのネットワークに接続されている。
ここで、医用装置プロトコル提供システム1の処理の流れについて図2を参照して説明する。図2は、この発明の第1の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
プロトコル公開医療機関6の医療従事者(プロトコル公開希望者)が新たな撮影プロトコルを作成し、その撮影プロトコルの公開を希望する場合、新たに作成した撮影プロトコルと撮影プロトコルの公開に用いられる公開パッケージの作成要求とを、専用回線などのセキュア回線を介して医用画像診断装置7からプロトコル配信機関(医療機器ベンダ)2に送信する(ステップS01)。
プロトコル配信機関(医療機器ベンダ)2内のプロトコル公開パッケージ作成サーバ3は、プロトコル公開医療機関6から送信された、撮影プロトコルと公開パッケージ作成要求とを受信し、撮影プロトコルを公開するための公開パッケージ(撮影プロトコルの識別情報とプロトコル配信機関2のアドレス(URL)を含む)を作成する(ステップS02)。そして、プロトコル公開パッケージ作成サーバ3は、セキュア回線を介してその公開パッケージをプロトコル公開医療機関6に送信する(ステップS03)。
プロトコル公開医療機関6のプロトコル公開希望者は、公開パッケージを利用して撮影プロトコルを公開するためのWebページを作成し、プロトコル公開機関8にそのWebページを登録する(ステップS04)。プロトコル公開機関8は、撮影プロトコル公開用のWebページをインターネット上に公開する(ステップS05)。
プロトコル利用医療機関9の医療従事者(プロトコル利用希望者)は、プロトコル情報参照用端末10によってそのWebページを参照し、配信を希望する撮影プロトコルを指定する(ステップS06)。その指定によって撮影プロトコルの識別情報と配信要求とが、インターネットを経由してプロトコル配信機関2のプロトコル配信要求受付サーバ4に送信され、これにより撮影プロトコルの配信予約が行われる(ステップS07)。
配信予約を受け付けたプロトコル配信機関2は、撮影プロトコルの識別情報に基づいて、プロトコル配信機関2に登録されている撮影プロトコルを検索し(ステップS08)、撮影プロトコルを配信するための配信計画を作成する。
プロトコル利用医療機関9の医療従事者(プロトコル利用希望者)は医用画像診断装置11を起動させ、撮影プロトコルのダウンロードの指示を与えることで、プロトコル配信機関2から専用回線などのセキュア回線を介して所望の撮影プロトコルが医用画像診断装置11に送信される(ステップS09)。これにより、プロトコル利用医療機関9は所望の撮影プロトコルを入手することが可能となる。
以上のように、プロトコル配信機関2のプロトコル公開パッケージ作成サーバ3が、撮影プロトコルの公開に利用される公開パッケージを作成するため、プロトコル公開医療機関6のプロトコル公開希望者は、新たに作成した撮影プロトコルを公開するために必要な情報を簡単に取得することが可能となる。
また、公開パッケージを利用して作成された医療プロトコル紹介用のWebページが、インターネットなどの公開ネットワーク上に公開されているため、プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は、プロトコル配信機関(医療機器ベンダ)2が公開する専用ページ以外の一般的なWebページを参照して、所望の撮影プロトコルの配信要求をプロトコル配信機関2に送信することが可能となる。これにより、より簡便に撮影プロトコルの配信要求を行うことが可能となる。
(医用装置プロトコル提供システム1の機能)
次に、医用装置プロトコル提供システム1を構成する各機関の機能について、図3を参照して説明する。図3は、この発明の第1の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システムの機能を示す機能ブロック図である。
まず、プロトコル配信機関(医療機器ベンダ)2に設置されている記憶手段について説明する。プロトコル配信機関2の記憶装置には、プロトコル情報記憶手段21、ユーザ情報記憶手段22、配信計画情報記憶手段23、及び装置ステータス記憶手段24が設置されている。
プロトコル情報記憶手段21には、公開パッケージ、及び識別情報が付された撮影プロトコルが記憶される。
ユーザ情報記憶手段22には、プロトコル公開医療機関6の医療従事者(プロトコル公開希望者)、プロトコル利用医療機関9の医療従事者(プロトコル利用希望者)が登録されている。例えば、プロトコル公開医療機関6の医療従事者やプロトコル利用医療機関9の医療従事者のユーザIDやパスワードなどのユーザ識別情報が、ユーザ情報記憶手段22に記憶されている。
さらに、ユーザ情報記憶手段22には、プロトコル配信機関2に登録されているユーザ(契約者など)が所有している医用画像診断装置の識別情報が、ユーザ識別情報と対応付けられて予め記憶されている。この実施形態では、プロトコル利用医療機関9内の医用画像診断装置11の識別情報(製造番号など)がユーザ識別情報と対応付けられて予めユーザ情報記憶手段22に記憶されている。
配信計画情報記憶手段23には、プロトコル利用医療機関9への撮影プロトコルの配信計画が記憶される。また、装置ステータス記憶手段24には、配信先の医用画像診断装置11の装置ステータス情報が記憶される。
以下、公開パッケージの作成に関連する機能、撮影プロトコル配信要求の受付に関連する機能、及び撮影プロトコル配信に関連する機能の順番で説明する。
(公開パッケージの作成に関連する機能)
まず、新たな撮影プロトコルを公開するための公開パッケージの作成に関連する機能について説明する。プロトコル公開医療機関6内の医用画像診断装置7に含まれる機能、及び医療機器ベンダ2内のプロトコル公開パッケージ作成サーバ3に含まる機能が、公開パッケージの作成に関連する機能に該当する。
プロトコル公開医療機関6のプロトコル公開希望者は、新たに作成した撮影プロトコルを公開するためにプロトコル配信機関(医療機器ベンダ)2にアクセスすると、医用画像診断装置7に設置されている表示装置(図示しない)、又は医用画像診断装置7に接続されているコンピュータの表示装置(図示しない)に、公開パッケージ作成用の指定画面が表示される。医用画像診断装置7内の公開パッケージ作成要求受付手段71は、その公開パッケージ作成用の指定画面からの入力を受け付ける。このとき、マウスやキーボードなどの既知の入力装置(図示しない)を用いることで、その入力が行われる。
公開パッケージ作成用の指定画面については後述するが、ユーザ認証画面、公開パッケージの作成対象である撮影プロトコルの選択画面、及び確認画面が表示装置上に表示される。ユーザ認証画面が表示装置上に表示されている場合に、キーボードなどの入力装置を用いてユーザの識別情報が入力されると、公開パッケージ作成要求受付手段71はそのユーザ識別情報の入力を受け付ける。また、公開パッケージ作成対象となる撮影プロトコルの選択画面が表示されている場合に、マウスなどの入力装置を用いて所望の撮影プロトコルが選択されると、公開パッケージ作成要求受付手段71はその選択の入力を受け付ける。
撮影プロトコル記憶手段72には、医用画像診断装置7に使用される撮影プロトコルが記憶されている。この撮影プロトコルには、プロトコル名称、プロトコル作成者名、作成者のコメント、代表画像などが付されている。プロトコル公開医療機関6の医療従事者により新たに作成された撮影プロトコルは、この撮影プロトコル記憶手段72に記憶される。
撮影プロトコル取得手段73は、プロトコル公開希望者が公開を希望する撮影プロトコル(公開パッケージ作成対象の撮影プロトコル)を撮影プロトコル記憶手段71から取得し、公開パッケージ作成要求送信手段74に送る。公開パッケージの作成対象となる撮影プロトコルは、プロトコル公開希望者が表示装置上に表示される公開パッケージ作成対象の選択画面を参照し、マウスなどの入力装置を用いることで指定される。その指定が公開パッケージ作成要求受付手段71により受け付けられ、撮影プロトコル取得手段73は指定された撮影プロトコルを撮影プロトコル記憶手段71から取得して公開パッケージ作成要求送信手段74に送る。
公開パッケージ作成要求送信手段74は、公開パッケージの作成要求と公開パッケージの作成対象となる撮影プロトコルとを、プロトコル配信機関2に送信する。また、公開パッケージ作成要求送信手段74は、撮影プロトコルとともにその撮影プロトコルが利用される医用画像診断装置7の識別情報(製造情報など)を医療機器ベンダ2に送信しても良い。医用画像診断装置7と医療機器ベンダ2との送信プロトコルや、送信先情報や、送信先接続情報(接続ID、接続認証)などは、予め医用画像診断装置7内に記憶させておけば良い。また、このときの送信方法として、Webサービス、FTP、又はHTTPなどを用いることができる。
プロトコル公開パッケージ作成サーバ3内の公開パッケージ作成要求受付手段31は、医用画像診断装置7から送信された公開パッケージ作成要求と撮影プロトコルとを受信する。また、公開パッケージ作成要求受付手段31は、プロトコル公開医療機関6に設けられた医用画像診断装置7からのログイン情報を受信してユーザの認証を行うユーザ認証機能が備えられている。公開パッケージ作成要求受付手段31によるユーザ認証の際には、ユーザ識別情報を記録したICカードや、ユーザ識別情報としてのユーザID及びパスワードを利用することができる。その他、指紋による認証、虹彩による認証などを利用することもできる.
公開パッケージ作成手段32は、公開パッケージ作成の要求があった撮影プロトコルについて公開パッケージを作成し、作成した公開パッケージを公開パッケージ送信手段33に送るとともに、プロトコル情報記憶手段21に記憶させる。
ここで、公開パッケージ作成手段32による公開パッケージの作成方法、及び公開パッケージの内容について説明する。公開パッケージ作成手段32は、撮影プロトコル配信の要求先の情報(この実施形態ではプロトコル配信機関2のアドレス(URL)など)の他、公開パッケージの作成対象となる撮影プロトコルの識別情報、HTMLテンプレート、又は撮影プロトコルの識別情報から求められた割符データのうち、少なくとも1つを含ませたものを公開パッケージとする。
撮影プロトコルの識別情報とは、撮影プロトコルを基にして予め定められた方法で作成された一意となる識別情報である。例えば、公開パッケージ作成手段32は、プロトコル公開医療機関6から送信された撮影プロトコルからハッシュ値を算出し、そのハッシュ値を撮影プロトコルの識別情報とする。
また、医用画像診断装置7から、公開パッケージの作成対象となる撮影プロトコルとともに、その撮影プロトコルを利用する医用画像診断装置7の識別情報(製造番号など)がプロトコル公開パッケージ作成サーバ3に送信された場合、公開パッケージ作成手段32は、撮影プロトコルからハッシュ値を算出し、そのハッシュ値と医用画像診断装置7の識別情報(製造番号など)とを含む情報を撮影プロトコルの識別情報とすることもできる。
また、公開パッケージ作成要求受付手段31は、プロトコル公開医療機関6から公開パッケージ作成要求を受け付けた際に、公開パッケージ作成要求の受付番号を発番することができる。公開パッケージ作成手段32は、公開パッケージ作成要求受付手段31が発番した受付番号を、撮影プロトコルの識別情報とすることもできる。
さらに、公開パッケージ作成手段32は、公開パッケージ作成要求受付手段31が公開プロトコル作成要求を受け付けた受付日時とプロトコル公開パッケージ作成サーバ3の識別情報とから作成した情報を撮影プロトコルの識別情報とすることもできる。
HTMLテンプレートは、プロトコル公開機関8で撮影プロトコルを公開する際に用いられるWebページのテンプレートとなる。HTMLテンプレートを公開パッケージに含ませる場合、公開パッケージ作成手段32は、上記撮影プロトコルの識別情報をHTMLテンプレートに含ませる。つまり、公開パッケージ作成手段32は、HTMLテンプレートに撮影プロトコルの識別情報を記述し、そのHTMLテンプレートを公開パッケージに含ませる。
公開パッケージにHTMLテンプレートを含ませることにより、プロトコル公開医療機関6におけるプロトコル公開希望者は、このHTMLテンプレートに撮影プロトコルの代表画像を添付したりコメントを追記したりすれば良いため、撮影プロトコル公開用のWebページを簡便に作成することが可能となる。そして、プロトコル公開機関8は、そのHTMLテンプレートに従って作成された撮影プロトコル公開用のWebページをインターネット上に公開する。
また、上記撮影プロトコルの識別情報を暗号化しても良い。撮影プロトコルの識別情報を暗号化する場合、公開パッケージ作成手段31は、上記撮影プロトコルの識別情報を予め定められた方法で暗号化し、暗号化データを予め定められた方法で分割して割符データを生成する。このとき、公開パッケージ作成手段31は、分割後の各割符データに割符識別情報を付す。そして、公開パッケージ作成手段31は、一方の割符データを公開パッケージに含ませ、他方の割符データをプロトコル配信機関2内のプロトコル情報記憶手段21に記憶させておく。復号する場合は、各割符データに付された割符識別情報に基づいて対となる割符データをプロトコル情報記憶手段21から検索し、復号処理を行って撮影プロトコルの識別情報を得る。このように識別情報を分割することで、割符として機能することになる。
また、撮影プロトコルそのものを暗号化しても良い。この場合、公開パッケージ作成手段31は、撮影プロトコルを予め定められた方法で暗号化し、暗号化データを予め定められた方法で分割して割符データを生成する。このとき、公開パッケージ作成手段31は、分割後の各割符データに割符識別情報を付す。そして、公開パッケージ作成手段31は、一方の割符データを公開パッケージに含ませ、他方の割符データをプロトコル配信機関2内のプロトコル情報記憶手段21に記憶させておく。復号する場合は、各割符データに付された割符識別情報に基づいて対となる割符データをプロトコル情報記憶手段21〜検索し、復号処理を行って撮影プロトコルを得る。このように撮影プロトコルを分割することで、割符として機能することになる。
以上のようにして公開パッケージを作成すると、公開パッケージ作成手段32は、公開パッケージを公開パッケージ送信手段33に送り、さらにその公開パッケージをプロトコル情報記憶手段21に記憶させる。このとき、公開パッケージ作成手段32は、撮影プロトコルに、上記方法により作成した識別情報を付してプロトコル情報記憶手段21に記憶させる。
公開パッケージ送信手段33は、公開パッケージ作成手段32が作成した公開パッケージをプロトコル公開医療機関6内の医用画像診断装置7に送信する。このときの送信方法として、Webサービス、FTP、又はHTTPなどを用いることができる。
医用画像診断装置7内の公開パッケージ受信手段75は、公開パッケージ送信手段33から送信された公開パッケージを受信する。公開パッケージ取得手段76は、公開パッケージ受信手段75が受信した公開パッケージを取得する。プロトコル公開希望者は、その公開パッケージを利用して撮影プロトコル公開用のWebページを作成する。上述したように、公開パッケージにHTMLテンプレートが含まれている場合は、プロトコル公開希望者は、そのHTMLテンプレートにコメントを追記したり代表画像を添付したりするだけで、容易に撮影プロトコル公開用のWebページを作成することが可能となる。
この撮影プロトコル公開用のWebページのリンク情報として、公開パッケージに含まれる転送先URL(プロトコル配信機関2のURL)、撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値など)を定義しておく。そして、このWebページをインターネット上に公開し、プロトコル利用希望者がWebページを参照してWebページ上で配信要求を指示すると、撮影プロトコルの配信要求と撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値など)が上記転送先URLに従ってプロトコル配信機関2に送信される。これにより、プロトコル配信機関2に対する撮影プロトコルの配信予約が完了する。
プロトコル公開機関8はプロトコル情報公開サーバ81を備えている。プロトコル情報公開サーバ81は、プロトコル公開医療機関6の公開希望者によって作成されたWebページをインターネットなどの公開ネットワーク上に公開する。このプロトコル公開サーバ81が、プロトコル公開手段として機能する。プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者はそのWebページを参照することで、配信を希望する撮影プロトコルの指定が可能となる。
なお、医用画像診断装置7は、コンピュータに公開パッケージ作成要求のプログラムを読み込ませることにより、コンピュータに公開パッケージ作成要求受付手段71、撮影プロトコル取得手段73、公開パッケージ作成要求送信手段74、公開パッケージ受信手段75、及び公開パッケージ取得手段76の機能を実行させる。
また、プロトコル公開パッケージ作成サーバ3は、コンピュータに公開パッケージ作成プログラムを読み込ませることにより、コンピュータに公開パッケージ作成要求受付手段31、公開パッケージ作成手段32、及び公開パッケージ送信手段の機能を実行させる。
次に、上述した各機能による公開パッケージ作成処理の流れについて図4及び図5を参照して説明する。図4は、この発明の第1の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システムによる公開パッケージ作成処理の流れを示すフローチャートである。図5は、公開パッケージ作成に際して表示装置に表示される画面を示す図である。
プロトコル公開医療機関6のプロトコル公開希望者がプロトコル配信機関(医療機器ベンダ)2にアクセスすると、医用画像診断装置7又はそれに接続されたコンピュータの表示装置(図示しない)に、図5(a)に示すユーザ認証画面が表示される。ここでは、ユーザID及びパスワードを利用する例を示す。キーボードなどの入力装置(図示しない)を用いてユーザID及びパスワードなどのユーザの識別情報が入力されると、公開パッケージ作成要求受付手段71はユーザの識別情報の入力を受け付け、ユーザの識別情報を公開パッケージ作成要求送信手段74に送る。公開パッケージ作成要求送信手段74は、ユーザの識別情報を医用機器ベンダ2に設置されているプロトコル公開パッケージ作成サーバ3に送信する。
プロトコル公開パッケージ作成サーバ3内の公開パッケージ作成要求受付手段31は、プロトコル公開医療機関6から送信されたユーザの識別情報を受信してユーザ認証を行う(ステップS20)。公開パッケージ作成要求受付手段31は、そのユーザ認証の際、ユーザ情報記憶手段22に記憶されている登録されたユーザ識別情報を参照し、ユーザが適正なユーザであるか否かを判断する。
ユーザ認証がされて、適正なユーザであると判断された場合は、プロトコル公開医療機関6内の表示装置(図示しない)には、図5(b)に示す公開パッケージ作成対象の選択画面が表示される。公開パッケージ作成対象となる撮影プロトコルの選択画面には、撮影プロトコル記憶手段72に記憶されている撮影プロトコルを特定するための情報が表示される。例えば撮影プロトコルの一覧が表示され、その中から複数の撮影プロトコルを選択することが可能となっている。この一覧表示には、撮影プロトコルの名称や撮影プロトコルの作成者などが表示される。その他にも、ユーザが作成したコメントや、撮影プロトコルを用いて撮影して得られた代表画像などを同時に表示しても良い。このように、コメントや代表画像などを表示することで、撮影プロトコルの選択が容易になる。例えば図5(b)に示す例では、「123」は撮影プロトコルの番号を示し、「頭部用」は撮影プロトコルが適用される診断部位を示し、「Dr.A」は撮影プロトコルの作成者を示している。
また、図5(b)に示す画面上で、公開パッケージを作成するときの作成条件を指定することもできる。例えば、撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値など)のみを作成して公開パッケージに含ませるのか、識別情報を含むHTMLテンプレートを公開パッケージに含ませるのか、を選択可能に表示することもできる。プロトコル公開希望者は、マウスなどの入力装置(図示しない)を用いて作成条件を選択することができる。
プロトコル公開医療機関6に設置された表示装置に表示された公開パッケージ作成対象の選択画面上で、マウスなどの入力装置(図示しない)を用いてプロトコル公開希望者により公開を希望する撮影プロトコルが指定されると、公開パッケージ作成要求受付手段71はその指定の入力を受け付ける(ステップS21)。また、公開パッケージの作成条件が入力装置にて指定された場合は、公開パッケージ作成要求受付手段71はその指定の入力も受け付ける。
撮影プロトコル取得手段73は、公開パッケージ作成対象の撮影プロトコルを撮影プロトコル記憶手段71から取得し、公開パッケージ作成要求送信手段74に送る(ステップS22)。
公開パッケージ作成要求送信手段74は、公開パッケージの作成要求と撮影プロトコル記憶手段71から取得された撮影プロトコルとを、医療機器ベンダ2内のプロトコル公開パッケージ作成サーバ3に送信する(ステップS23)。公開パッケージの作成条件が指定されている場合は、公開パッケージ作成要求送信手段74は、その作成条件を示す情報もプロトコル公開パッケージ作成サーバ3に送信する。また、撮影プロトコルが利用される医用画像診断装置7の識別情報(製造番号など)を送信しても良い。
プロトコル公開パッケージ作成サーバ3内の公開パッケージ作成要求受付手段31は、医用画像診断装置7から送信された公開パッケージ作成要求と公開パッケージ作成対象の撮影プロトコルを受信し、それらを公開パッケージ作成手段32に送る。なお、医用画像診断装置7から、公開パッケージの作成条件及び医用画像診断装置7の識別情報が送信された場合は、公開パッケージ作成要求受付手段31は、それらの情報も公開パッケージ作成手段32に送る。
公開パッケージ作成手段32は公開パッケージ作成対象の撮影プロトコルを受けると、その撮影プロトコルの識別情報を作成する(ステップS24)。例えば、公開パッケージ作成手段32は撮影プロコルのハッシュ値を算出し、そのハッシュ値を撮影プロトコルの識別情報とする。公開パッケージの作成条件が指定されて場合は、公開パッケージ作成手段32は、その作成条件に従って公開パッケージを作成する。
また、医用画像診断装置7から識別情報(製造番号など)が送信された場合は、撮影プロトコルのハッシュ値と医用画像診断装置7の識別情報(製造番号など)とを含む情報を撮影プロトコルの識別情報としても良い。さらに、公開パッケージ作成要求受付手段31で発番された公開パッケージ作成要求の受付番号を撮影プロトコルの識別情報としても良く、受付日時とプロトコル公開パッケージ作成サーバ3の識別情報とから作成した情報を撮影プロトコルの識別情報としても良い。
さらに、公開パッケージ作成手段32は、撮影プロトコルの識別情報を暗号化し、さらに分割して割符データを作成しても良い。割符データを作成する場合、公開パッケージ作成手段32は、各割符データに割符識別情報を付す。
そして公開パッケージ作成手段32は、撮影プロトコル配信の要求先の情報(ここではプロトコル配信機関2のアドレス(URL))と、撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値や割符データなど)とを含ませたものを公開パッケージとする(ステップS25)。なお、公開パッケージの作成条件として、HTMLテンプレートを公開パッケージに含ませる要求があった場合は、公開パッケージ作成手段32は、撮影プロトコルの識別情報が記載されたHTMLテンプレートを公開パッケージに含ませる。
公開パッケージ作成手段32は、作成した公開パッケージをプロトコル情報記憶手段21に記憶させるとともに、公開パッケージ送信手段33に送る。このとき、公開パッケージ作成手段32は、撮影プロトコルに識別情報を付してプロトコル情報記憶手段21に記憶させる。
公開パッケージ送信手段33は、公開パッケージ作成手段32から送られた公開パッケージをプロトコル公開医療機関6に送信する(ステップS26)。
プロトコル公開医療機関6の公開パッケージ受信手段75は、プロトコル配信機関2から送信された公開パッケージを受信し、公開パッケージ取得手段76は受信された公開パッケージを取得する。公開パッケージ受信手段75が公開パッケージを受信すると、医用画像診断装置7の表示装置上に、図5(c)に示す公開パッケージの内容を示す確認画面が表示される。例えば、番号が「123」で「頭部用」の撮影プロトコルの公開パッケージが作成され、その公開パッケージに、撮影プロトコル配信の要求先の情報(プロトコル配信機関2のURLなど)と撮影プロトコルの識別情報とが含まれている場合は、表示装置上に「123 頭部用 識別情報のみ」と表示される。この場合、公開パッケージには、HTMLテンプレートが含まれていないことになる。
プロトコル公開医療機関6のプロトコル公開希望者は、取得した公開パッケージを利用して撮影プロトコル公開用のWebページを作成する(ステップS27)。公開パッケージにHTMLテンプレートが含まれている場合は、そのHTMLテンプレートに代表画像を添付したりコメントを追記したりするだけで、簡便にWebページを作成することができる。このWebページのリンク情報として、公開パッケージに含まれる転送先URL(ここではプロトコル配信機関2のURL)、プロトコルの識別情報(ハッシュ値や割符データなど)を定義しておく。
そして、プロトコル公開機関8内のプロトコル情報公開サーバ81は、上記Webページをインターネット上に公開する(ステップS28)。
プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は、インターネット上に公開されたWebページを参照することで、配信を希望する撮影プロトコルの指定が可能となる。そして、そのWebページ上で配信を希望する撮影プロトコルを指定すると、撮影プロトコルの配信要求と撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値など)とが、Webページに定義されているURLに従ってプロトコル配信機関2に送信され、撮影プロトコルの配信予約がなされる。
以上のように、プロトコル公開医療機関6のプロトコル公開希望者は、新たに作成した撮影プロトコルをプロトコル配信機関(医療機器ベンダ)2に登録し、撮影プロトコル公開用の公開パッケージを取得することで、新たに作成した撮影プロトコルを公開するための情報を簡単に取得することができる。これにより、新たに作成された撮影プロトコルを簡単に公開することが可能となる。また、公開パッケージにHTMLテンプレートを含ませることにより、更に簡便に公開用のWebページを作成することが可能となる。
(撮影プロトコル配信要求の受付に関連する機能)
次に、撮影プロトコル配信要求の受付に関連する機能について説明する。プロトコル利用医療機関9内のプロトコル情報参照端末10の機能、医用画像診断装置11の機能、及び医療機器ベンダ2内のプロトコル配信要求受付サーバ4の機能が、撮影プロトコル配信要求の受付に関連する機能に該当する。
プロトコル情報参照用端末10の公開情報参照手段101は、プロトコル公開機関8が公開している情報を参照する手段であり、プロトコル公開機関8がWebページとして情報を公開している場合はWebブラウザとして機能し、Webサービスとして情報を公開してればWebサービスクライアントとして機能する。プロトコル情報参照用端末10の表示装置(図示しない)に表示される画面の一例として、Webページとして情報が公開されている場合について図9を参照して説明する。図9は、撮影プロトコル配信要求の受付に際して表示装置に表示される画面を示す図である。
プロトコル公開機関8内のプロトコル情報公開サーバ81は、図9(a)に示すような撮影プロトコルを紹介するWebページを公開する。このWebページは、プロトコル配信機関2により作成された公開パッケージを利用して、プロトコル公開医療機関6のプロトコル公開希望者が作成したWebページである。
プロトコル公開医療機関6のプロトコル公開希望者が、Webページに代表画像を添付した場合は、図9(a)に示すWebページのように、撮影プロトコルの一部である撮影条件とその代表画像が掲載されている。また、コメントを追記した場合には、Webページにはそのコメントが掲載される。
プロトコル利用医療機関6のプロトコル利用希望者は、公開情報参照手段101によってWebページに公開されている代表画像やその説明を参照し、配信を希望する撮影プロトコルを決定する。その後、撮影プロトコルの利用希望者がマウスなどの入力装置を用いて、図9(a)に示す画面上のダウンロードボタン(DLボタン)をクリックする。
上述したように、プロトコル公開機関8が公開するWebページのリンク情報として、公開パッケージに含まれる転送先URL(プロトコル配信機関2のURL)、及び撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値や割符データなど)が定義されている。これにより、DLボタンがクリックされることで、Webページに含まれる、または、プロトコル情報参照用端末10に予めインストールされているプラグイン機能が持つプロトコル配信要求送信手段102が、プロトコル配信要求をプロトコル配信機関2に送信する。このとき、プロトコル配信要求送信手段102は、プロトコル配信要求とともに、Webページに定義されている撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値や割符データなど)もプロトコル配信機関2に送信する。
ここで、プロトコル配信要求送信手段102の具体的な構成について図6を参照して説明する。図6は、プロトコル配信要求送信手段の具体的な構成を示すブロック図である。
プロトコル識別情報保持手段102Aは、撮影プロトコルの識別情報を保持する手段であり、例えば、HTML文書に撮影プロトコル(ハッシュ値など)が記述されている。送信情報保持手段102Bは、撮影プロトコルの配信要求先であるプロトコル配信機関2のURLを保持する手段であり、例えば、HTML文書にそのURLが記述されている。送信データ生成手段102Cは、ブラウザの機能として実現され、プロトコル配信要求と撮影プロトコルとからなる送信データを生成する。送信手段102Dは、ブラウザの機能として実現され、プロトコル配信要求と撮影プロトコルの識別情報とを、上記URLに従って医療機器ベンダ2に送信する。
プロトコル配信要求受付サーバ4内のプロトコル配信要求受付手段41は、プロトコル配信要求送信手段102から送信されたプロトコル配信要求と撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値や割符データなど)とを受け付ける。そして、プロトコル配信要求受付手段41は、プロトコル配信要求を受け付けると、ユーザ認証用の画面情報をプロトコル情報参照用端末10に送信する。
このユーザ認証画面を図9(b)に示す。ここでは、ユーザID及びパスワードを利用する例を示す。プロトコル情報参照用端末10でユーザID及びパスワードなどのユーザの識別情報が入力されると、プロトコル配信要求送信手段102はユーザの識別情報を医用機器ベンダ2のプロトコル配信要求受付サーバ4に送信する。プロトコル配信要求受付手段41は、送信されたユーザ識別情報と、予め登録されてユーザ情報記憶手段22に記憶されているユーザ識別情報とを比較することでユーザ認証を行う。
ユーザ認証されて適正なユーザであると判断されると、プロトコル配信要求受付手段41は、ユーザ識別情報に基づいて撮影プロトコルのダウンロード先の医用画像診断装置を特定する。上述したように、ユーザ情報記憶手段22には、プロトコル配信機関2のユーザが所有している医用画像診断装置の識別情報がユーザ識別情報と対応付けられて予め記憶されているため、プロトコル配信要求受付手段41は、ユーザ識別情報に基づいて撮影プロトコルの配信先の医用画像診断装置11を特定する。
このように配信先の医用画像診断装置11を自動的に特定しても良く、ユーザに選択させても良い。例えば、ユーザ認証されると、プロトコル配信要求受付手段41は撮影プロトコルの配信条件設定用の画面情報をプロトコル情報参照用端末10に送信する。
プロトコル情報参照用端末10の表示装置に表示される配信条件設定用の画面を図9(c)に示す。表示装置には、撮影プロトコル配信先の医用画像診断装置11の識別情報(装置名称や製造番号など)が表示され、マウスなどの入力装置を用いて、その識別情報(装置の名称や製造番号など)を指定することができる。ここで指定された医用画像診断装置11の識別情報は、プロトコル配信要求送信手段102によってプロトコル配信要求受付手段41に送信される。図9(c)に示す例においては、「装置A」、「装置B」などは医用画像診断装置11の名称を示し、「CT」、「MR」は医用画像診断装置11の種類を示し、「型式A−123」などは医用画像診断装置11の製造番号を示している。
さらに、プロトコル配信要求受付手段41は、プロトコル配信要求送信手段102から送信された撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値や割符データなど)に基づいて、配信が必要な撮影プロトコルを特定する。例えば、プロトコル公開パッケージ作成サーバ3が公開パッケージを作成したときに、撮影プロトコルに基づいてハッシュ値が求められた場合は、そのハッシュ値が撮影プロトコルの識別情報となるため、プロトコル配信要求送信手段102からハッシュ値がプロトコル配信要求受付手段41に送信される。従って、プロトコル配信要求受付手段41は、そのハッシュ値に基づいて配信が必要な撮影プロトコルを特定する。プロトコル配信要求受付手段41は、そのハッシュ値を検索条件としてプロトコル情報記憶手段21を検索して、そのハッシュ値(識別情報)が付された撮影プロトコルを取得する。
また、プロトコル公開パッケージ作成サーバ3が公開パッケージを作成したときに、撮影プロトコルに基づいてハッシュ値を求め、そのハッシュ値に医用画像診断装置7の識別情報を加えた情報を撮影プロトコルの識別情報とした場合は、プロトコル配信要求送信手段102からハッシュ値と医用画像診断装置7の識別情報とを含む撮影プロトコルの識別情報がプロトコル配信要求受付手段41に送信される。従って、プロトコル配信要求受付手段41は、そのハッシュ値と医用画像診断装置7の識別情報とに基づいて配信が必要な撮影プロトコルを特定する。この場合も、プロトコル配信要求受付手段41は、ハッシュ値と医用画像診断装置7の識別情報とを検索条件としてプロトコル情報記憶手段21を検査して、そのハッシュ値と医用画像診断装置7の識別情報とが付された撮影プロトコルを取得する。
また、プロトコル公開パッケージ作成サーバ3が公開パッケージを作成したときに、撮影プロトコルの識別情報を暗号化し、暗号化データを分割して割符データを作成した場合は、プロトコル配信要求送信手段102から割符データがプロトコル配信要求受付手段41に送信される。この場合、プロトコル配信要求受付手段41は、受信した割符データに付されている割符識別情報に基づいて対となる割符データをプロトコル情報記憶手段21から取得し、復号処理を行って撮影プロトコルの識別情報を得る。そして、プロトコル配信要求受付手段41は、撮影プロトコルの識別情報に基づいて配信が必要な撮影プロトコルを特定する。
さらに、プロトコル配信要求受付手段41は、ユーザの識別情報に基づいて予め設定された配信条件を特定する。例えば、配信条件をユーザ識別情報に対応付けて予め配信計画情報記憶手段23に記憶させておく。そして、プロトコル配信要求受付手段41は、ユーザ識別情報を検索条件として配信計画情報記憶手段23を検索して配信条件を特定する。
配信条件には、配信すべき日付や日時を示す配信日付情報、配信する際の医用画像診断装置11のステータスの情報などの情報が含められる。つまり、いつ撮影プロトコルを配信すべきかが配信条件とされる。この際、撮影プロトコルの配信タイミングは、日時とすることもできるし、医用画像診断装置11が所定のステータスとなった時とすることもできる。ステータスとして、医用画像診断装置11の次回の起動時、停止時、又はアイドリング時などが該当する。
また、配信条件は、プロトコル利用希望者によって、その都度、設定することもできる。例えば、図9(c)に示す配信条件設定用の画面をプロトコル情報参照用端末10の表示装置に表示しても良い。この配信条件設定用の画面を参照し、マウスなどの入力装置を用いることにより、配信する際の医用画像診断装置11のステータスの情報を指定することができる。ここで指定された配信条件を示す情報は、プロトコル配信要求送信手段102からプロトコル配信要求受付手段41に送信される。例えば、医用画像診断装置11の起動時に配信するのか、停止時に配信するのかを選択することができる。
以上のように、配信が必要な撮影プロトコルと、その撮影プロトコルの配信先の医用画像診断装置11とが特定されると、さらにプロトコル配信要求受付手段41は、特定した配信先の医用画像診断装置11と特定した撮影プロトコルとを対比し、その撮影プロトコルがその医用画像診断装置11にインストールできるか否かの判断を行う。インストール可能と判断した場合は、プロトコル配信要求受付手段41は、配信計画を作成し、その配信計画を配信計画情報記憶手段23に記憶させる。配信計画には、撮影プロトコルの配信先の医用画像診断装置11の識別情報(製造番号など)、配信条件(配信のタイミング)、及び配信すべき撮影プロトコルの識別情報が含まれる。
インストールできないと判断した場合は、その撮影プロトコルを医用画像診断装置11に適合するようにパラメータを変換する。医用画像診断装置11の型式情報をキーとしたパラメータ値変換テーブルを予め用意して記憶手段に記憶しておき、プロトコル配信要求受付手段41は、そのテーブルを用いることで撮影プロトコルの変換を行う。または、パラメータ値変換のための式を医用画像診断装置11の型式をキーとして予め作成して記憶手段に記憶しておき、その式を利用して撮影プロトコルのパラメータを変換しても良い。
プロトコル配信要求受付サーバ4は、コンピュータに撮影プロトコル配信要求受付のプログラムを読み込ませることにより、コンピュータにプロトコル配信要求受付手段41の機能を実行させる。
また、プロトコル情報参照用端末10は、コンピュータにプログラムを読み込ませることにより、コンピュータに公開情報参照手段101及びプロトコル配信要求送信手段102の機能を実行させる。
次に、上述した各機能による撮影プロトコル配信要求の受付処理の流れについて図7、図8及び図9を参照して説明する。図7は、この発明の第1の実施形態に係る医用装置プロトコル管理システムによる撮影プロトコル配信要求の受付処理の流れを示すフローチャートである。図8は、この発明の第1の実施形態に係る医用装置プロトコル管理システムによる撮影プロトコルの特定処理の流れを示すフローチャートである。
プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は、プロトコル情報参照用端末10を用いてプロトコル公開機関8がインターネット上に公開しているWebページを参照する(ステップS30)。プロトコル公開機関8内のプロトコル情報公開サーバ81は、図9(a)に示す撮影プロトコルを紹介するWebページを公開する。このWebページは、プロトコル配信機関2により作成された公開パッケージを利用して、プロトコル公開医療機関6の公開希望者が作成したWebページである。
プロトコル利用希望者は、公開情報参照手段101によってWebページに公開されている代表画像やその説明を参照し、配信を希望する撮影プロトコルを決定する(ステップS31)。配信希望の撮影プロトコルを決定した後、撮影プロトコルの利用希望者は、マウスなどの入力装置を用いて、図9(a)に示す画面上のダウンロードボタン(DLボタン)をクリックする。
DLボタンがクリックされることで、Webページに含まれる、または、プロトコル情報参照用端末10に予めインストールされているプラグイン機能が持つプロトコル配信要求送信手段102が、プロトコル配信要求と、公開パッケージに含まれる撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値や割符データなど)をプロトコル配信機関2に送信する(ステップS32)。上述したように、Webページにはプロトコル配信機関2のURLや撮影プロトコルの識別情報が定義されているため、DLボタンをクリックすることで、プロトコル配信要求送信手段102によって、プロトコル配信要求と撮影プロトコルの識別情報とがプロトコル配信機関2に送信される。
プロトコル配信要求受付サーバ4内のプロトコル配信要求受付手段41は、プロトコル配信要求と撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値や割符データなど)とを受け付けると、ユーザ認証用の画面情報をプロトコル情報参照用端末10に送信する。
プロトコル情報参照用端末10の表示装置には、図9(b)に示すユーザ認証画面が表示され、プロトコル利用希望者は、入力装置を用いてユーザID及びパスワードなどのユーザ識別情報を入力する。ここで入力されたユーザ識別情報は、プロトコル配信要求送信手段102によりプロトコル配信機関2のプロトコル配信要求受付手段41に送信される。プロトコル配信要求受付手段41は、送信されたユーザ識別情報と、予め登録されているユーザ識別情報とを比較することでユーザ認証を行う(ステップS33)。
ユーザ認証されて適正なユーザであると判断されると、プロトコル配信要求受付手段41は、ユーザ識別情報に基づいてユーザ情報記憶手段22を検索することで、撮影プロトコルの配信先の医用画像診断装置11を特定する(ステップS34)。または、図9(c)に示す配信条件設定用の画面を参照して、プロトコル利用希望者が配信先の医用画像診断装置11を指定することもできる。この場合、医用画像診断装置11の名称(装置Aなど)や製造番号(型式A−123)などを表示装置に表示し、プロトコル利用希望者は入力装置を用いて配信先の医用画像診断装置11を指定する。ここで指定された医用画像診断装置11の識別情報は、プロトコル配信要求送信手段102によってプロトコル配信要求受付手段41に送信される。
さらに、プロトコル配信要求受付手段41は、ユーザ識別情報に基づいて配信計画情報記憶手段23を検索することで、配信タイミング(配信条件)を特定する(ステップS35)。または、図9(c)に示す配信条件設定用の画面を参照して、プロトコル利用希望者が配信タイミング(配信条件)を指定することができる。
次に、プロトコル配信要求受付手段41は、プロトコル配信要求送信手段102から送信された撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値や割符データなど)に基づいて、配信が必要な撮影プロトコルを特定する(ステップS36)。このステップS36における撮影プロトコルの特定処理の流れについて図8を参照して説明する。
公開パッケージに含まれる情報によって撮影プロトコルの特定方法が異なる。つまり、公開パッケージを作成した際に、作成された識別情報の種類によって撮影プロトコルの特定方法が異なる。プロトコル配信要求送信手段102から送信された撮影プロトコルの識別情報がハッシュ値の場合(ステップS361、Yes)、プロトコル配信要求受付手段41は、そのハッシュ値を検索条件として、そのハッシュ値が付された撮影プロトコルをプロトコル情報記憶手段21から取得する(ステップS362)。
その後、プロトコル配信要求受付手段41は、撮影プロトコルの配信計画を作成する(ステップS363)。このときプロトコル配信要求受付手段41は、先に特定された配信のタイミング(配信条件)、配信先の医用画像診断装置11の識別情報(製造番号など)、及び配信すべき撮影プロトコルの識別情報を含む情報を配信計画とし、この配信計画を配信計画情報記憶手段23に記憶させる。
また、プロトコル配信要求送信手段102から送信された識別情報が撮影プロトコルのハッシュ値ではなく(ステップS361、No)、ハッシュ値と医用画像診断装置の識別情報とを含む情報の場合(ステップS364、Yes)、プロトコル配信要求受付手段41は、ハッシュ値と医用画像診断装置の識別情報とを検索条件として撮影プロトコルをプロトコル情報記憶手段21から取得する(ステップS365)。その後、プロトコル配信要求受付手段41は、撮影プロトコルの配信計画を作成する(ステップS363)。
また、プロトコル配信要求送信手段102から送信された識別情報がハッシュ値と医用画像診断装置の識別情報とを含む情報ではなく(ステップS364、No)、割符データである場合には(ステップS366、Yes)、プロトコル配信要求受付手段41は、その割符データに含まれる割符識別情報に基づいて対となる割符データをプロトコル情報記憶手段21から取得する(ステップS367)。そして、プロトコル波信要求受付手段41は、2つの割符データを復号処理することにより撮影プロトコルの識別情報を得る(ステップS368)。復号処理が正常に行われた場合は(ステップS369、Yes)、プロトコル配信要求受付手段41は復号した撮影プロトコルの識別情報を検索条件として撮影プロトコルをプロトコル情報記憶手段21から取得する(ステップS370)。一方、復号処理でエラーが発生した場合は(ステップS369、No)、割符データに何らかの問題があるため、エラー処理を行って(ステップS371)、配信計画などの以後の処理を行わずに終了する。
以上のように、撮影プロトコルが特定されて配信計画が作成されると、プロトコル配信要求受付手段41は、配信先の医用画像診断装置と特定された撮影プロトコルとから、その撮影プロトコルが配信先の医用画像診断装置にインストール可能か否かの判断を行う(ステップS37)。
インストール可能であると判断した場合は(ステップS37、Yes)、プロトコル配信要求受付手段41は先に作成した配信計画を配信計画情報記憶手段23に記憶させる(ステップS38)。
一方、インストールができないと判断した場合は(ステップS37、No)、プロトコル配信要求受付手段41は、撮影プロトコルを配信先の医用画像診断装置に適合するように変換する(ステップS39)。例えば、医用画像診断装置の型式情報をキーとしたパラメータ値変換テーブルを予め作成してプロトコル情報記憶手段21に記憶させておく。プロトコル配信要求受付手段41は、その変換テーブルを参照することで配信先の医用画像診断装置に適合するように撮影プロトコルの変換を行う。または、パラメータ値変換のための式を医用画像診断装置の型式をキーとして予め作成して記憶手段21に記憶させておき、その式を利用して撮影プロトコルのパラメータを変換しても良い。プロトコル配信要求受付手段41は、撮影プロトコルの変換処理を行った後に配信計画を配信計画情報記憶手段23に記憶させる(ステップS38)。
配信計画が配信計画情報記憶手段23に記憶されると、プロトコル配信要求受付手段41は、配信予約の完了を示す画面情報をプロトコル情報参照用端末10に送信する。プロトコル情報参照用端末10の表示装置には、図9(d)に示す配信予約の完了を示す画面が表示され、プロトコル利用希望者はその画面を参照することで、配信予約が完了したことを確認することが可能となる。
以上の処理により、撮影プロトコルの配信予約が完了したことになる。プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は、プロトコル配信機関2が公開している専用ページのみならず、インターネットなどの公開ネットワーク上に一般的に公開されている撮影プロトコルに関する情報を参照して、プロトコル配信機関2に撮影プロトコルの配信予約が可能となるため、簡便に所望の撮影プロトコルの配信を予約することが可能となる。
(撮影プロトコルの配信に関連する機能)
次に、プロトコル配信機関2からプロトコル利用医療機関9への撮影プロトコルの配信に関連する機能について図10を参照して説明する。図10は、この発明の第1の実施形態に係る医用機器プロトコル提供システムにおける撮影プロトコルの配信に関連する機能を示す機能ブロック図である。プロトコル配信機関2内のプロトコル配信サーバ5に含まれる機能、及びプロトコル利用医療機関9に含まれる医用画像診断装置11に含まれる機能が、撮影プロトコルの配信に関連する機能に該当する。
プロトコル配信サーバ5内の装置情報取得手段52は、医用画像診断装置11から送信された、医用画像診断装置11が起動状態であるか否かなどのステータスを示すステータス情報信号及び医用画像診断装置11の識別情報(製造番号など)を装置データとして受信する装置データ受信機能を有する。また、装置情報取得手段52は、医用画像診断装置11から受信した装置データを解析することにより医用画像診断装置11のステータスを判定する装置情報解析機能を有する。さらに、装置情報取得手段52は、ステータスの判定結果を装置ステータス情報として装置ステータス記憶手段24に書き込む装置情報保管機能を有する。
ステータス情報信号には、例えば医用画像診断装置11の起動、停止(装置シャットダウン)、アイドリング開始、検査開始(撮影開始)、検査終了(撮影終了)などのイベントの際に生成されるイベント情報信号などの信号が利用される。
プロトコル配信手段51は、配信計画情報記憶手段23に保存された配信計画と、装置ステータス記憶手段24に保存された装置ステータス情報とを参照し、必要に応じて現在の時間情報と配信計画情報に含まれる配信日時情報とを照合することにより撮影プロトコルの医用画像診断装置11への配信が必要でるか否かを判定する配信条件判定機能を有する。
なお、プロトコル配信手段51は、配信計画情報記憶手段24に保存されている配信計画に含まれる配信日時情報と現在の時間情報のみから、撮影プロトコルの医用画像診断装置11への配信が必要であるか否かを判定するようにしても良い。
また、プロトコル配信手段51は、配信が必要であると判定された撮影プロトコルをプロトコル情報記憶手段21から取得して、配信先となる医用画像診断装置11に配信するプロトコル配信機能を有する。さらに、プロトコル配信手段51は、撮影プロトコルの医用画像診断装置11への配信が成功したか失敗したかの判定結果である配信結果を、配信計画情報記憶手段23に保存されている配信計画に付加することにより、配信が失敗した場合には所要の配信ルールに従って再度配信が実施されるように配信計画を更新させる配信結果判定機能を有する。
プロトコル配信確認手段53は、医用画像診断装置11から専用回線を介して、未配信の撮影プロトコルの配信予約状況を示す配信計画を確認し、必要に応じて配信計画を変更するための配信確認画面情報の生成要求を受信する配信確認画面生成要求受付機能を有する。また、プロトコル配信確認手段53は、配信確認画面情報を生成する配信確認画面情報生成機能を有する。さらに、プロトコル配信確認手段53は、生成した配信確認画面情報を指定された日時などのタイミングで、撮影プロトコルを配信すべき医用画像診断装置11に送信する配信確認画面送信機能を有する。
また、必要に応じてプロトコル配信確認手段53は、配信確認画面情報とともに、配信確認画面情報を確認した旨あるいは配信条件を変更すべき旨の配信確認情報の要求を医用画像診断装置11に送信する一方、医用画像診断装置11から配信確認情報を受信してプロトコル配信手段51に与える機能が備えられている。
この場合、プロトコル配信手段51には、プロトコル配信確認手段53から受けた配信確認情報に基づいて、必要に応じて配信計画確認を更新する機能が備えられる。そして、プロトコル配信手段51は、更新後の配信計画に従って撮影プロトコルの配信が必要であるか否かを判定し、配信が必要であると判定した撮影プロトコルを医用画像診断装置11に配信する。
なお、プロトコル配信サーバ5は、コンピュータに医用装置プロトコル配信プログラムを読み込ませることにより、コンピュータをプロトコル配信手段51、装置情報取得手段52、及びプロトコル配信確認手段53として機能させたものでる。
次に、上述した各機能による撮影プロトコルの配信処理の流れについて図11及び図12を参照して説明する。図11は、この発明の第1の実施形態に係る医用装置プロトコル供給システムにおいける撮影プロトコルの配信処理の流れを示すフローチャートである。図12は、撮影プロトコル配信の際に表示装置に表示される画面を示す図である。
プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は医用画像診断装置11を起動させ、医療機器ベンダ2にアクセスすると、プロトコル配信サーバ5は、ユーザ認証用の画面情報を医用画像診断装置11に送信する。医用画像診断装置11の表示装置には、図12(a)に示すユーザ認証画面が表示され、プロトコル利用希望者は、入力装置を用いてユーザID及びパスワードなどのユーザ識別情報を入力する。プロトコル配信サーバ5は、そのユーザ識別情報に基づいてユーザ認証を行う。
ユーザ認証がされて適正なユーザであると判断された場合は、医用画像診断装置11から撮影プロトコルの配信確認画面情報の生成要求がプロトコル配信機関2に送信される(ステップS40)。プロトコル配信確認手段53は、配信確認画面情報の生成要求を受信する。
次に、プロトコル配信確認手段53は、配信確認画面情報を生成する(ステップS41)。配信確認画面情報には、例えば、配信計画の内容、配信計画を設定したユーザの識別情報、配信予約が完了した日時、配信先となる医用画像診断装置11の識別情報、配信される撮影プロトコルに関する説明情報などの情報が含まれる。
次に、プロトコル配信確認手段53は、生成した配信確認画面情報とともに配信確認情報の要求を医用画像診断装置11に送信する(ステップS42)。そして、医用画像診断装置11は、配信確認画面情報、及び配信確認情報の送信要求を受信して、配信確認画面を表示装置(図示しない)に表示させる。例えば、図12(b)に示すように、配信先の医用画像診断装置11の識別情報(名称や製造番号など)や、配信条件(起動時など)が表示装置に表示される。
このため、プロトコル利用希望者は、医用画像診断装置11の表示装置上に表示された配信確認画面を参照することにより、撮影プロトコルの配信予約情報を確認することが可能となる。
そして、プロトコル利用希望者は、配信確認画面を確認すると、配信確認情報を医用画像診断装置11から医療機器ベンダ2に送信する(ステップS43)。例えば、図12(b)に示す画面において、マウスなどの入力装置を用いて「DL」ボタン(ダウンロードボタン)をクリックすると、図12(c)に示すように、配信の最終確認画面が表示装置上に表示され、入力装置を用いて「開始」ボタンをクリックすると、医用画像診断装置11からプロトコル配信機関2に配信確認情報が送信される。
ここで、プロトコロル利用希望者は、撮影プロトコルの配信タイミングを変更したい場合には、配信計画情報を更新させることができる。例えば、プロトコル利用希望者は、撮影プロトコルの配信タイミングを、一定期間経過後の医用画像診断装置11の起動時に変更することができる。このような場合には、配信計画変更要求が配信確認情報とともに医用画像診断装置11からプロトコル配信機関2に送信される。
次に、プロトコル配信確認手段53は、医用画像診断装置11から送信された配信確認情報と配信計画変更要求とを受信してプロトコル配信手段51に与える。そして、プロトコル配信手段51は、受信した配信計画変更要求に従って、配信計画記憶手段23に保存された配信計画を更新する。例えば、一定期間経過後の医用画像診断装置11の起動時に撮影プロトコルが配信されるように、配信計画が更新される。
このため、例えば、緊急検査のために医用画像診断装置11を起動させる場合のように撮影プロトコルの配信をキャンセルしたい場合には、配信確認画面を参照して配信計画を変更することにより撮影プロトコルの配信を延期することができる。
次に、プロトコル配信確認手段53は、再び更新後の配信計画に従って配信確認画面情報を生成する(ステップS41)。
そして、再びプロトコル配信確認手段53は、更新後の配信計画に基づいて生成された配信確認画面情報を医用画像診断装置11に送信する(ステップS42)。このため、プロトコル利用希望者は、医用画像診断装置11の表示装置上に表示された配信確認画面を参照することにより、撮影プロトコルの配信予約が変更された旨とともに更新後の配信予約状況を確認することができる。
そして、プロトコル利用希望者は、配信確認画面を確認すると、配信確認情報を医用画像診断装置11から医療機器ベンダ2に送信する(ステップS45)。例えば、プロトコル利用希望者は、更新後の配信予約条件に従って撮影プロトコルが配信されるように、配信計画の変更がない旨の配信確認情報のみをプロトコル配信機関2に送信する。そして、プロトコル配信確認手段53は、医療画像診断装置11から送信された配信確認情報を受信する。
次に、医用画像診断装置11のステータスに変化があった際に、装置データが医療機器ベンダ2に送信される(ステップS46)。つまり、医用画像診断装置11では、医用画像診断装置11の起動、停止、検査開始、又は検査終了などのイベントの際、イベントがあった旨のイベント情報信号が、医用画像診断装置11が起動状態であるか否かなどのステータスを示すステータス情報信号として生成される。そして、ステータス情報信号は医用画像診断装置11の識別情報(製造番号など)とともに装置データとして専用回線などのセキュア回線を介してプロトコル配信機関2に送信される。
このため、プロトコル配信機関2の装置情報取得手段52は、医用画像診断装置11から送信されたステータス情報信号及び医用画像診断装置11の識別情報(製造番号など)を装置データとして受信し、解析することにより、医用画像診断装置11のステータスを判定し、判定結果及び医用画像診断装置11の識別情報(製造番号など)を装置ステータス情報として装置ステータス記憶手段24に書き込む。
次に、プロトコル配信手段51は、例えば装置情報取得手段52による装置データの受信や装置ステータス情報の生成及び保存をトリガとして、装置ステータス記憶手段24に保存された装置ステータス情報と、配信計画情報記憶手段23に保存された配信計画とに基づいて撮影プロトコルの医用画像診断装置11への配信が必要でるか否かを判定する(ステップS47)。
つまり、プロトコル配信手段51により装置ステータス情報のうち医用画像診断装置11の識別情報が抽出され、その識別情報に対応する医療画像診断装置11についての配信計画が配信計画情報記憶手段23に保存されているか否かを判定する。そして、判定の結果、識別情報に対する医療画像診断装置11についての配信計画が存在し、撮影プロトコルの配信が未完了である場合には、配信計画に含まれる医用画像診断装置11の配信時におけるステータスの指定情報と、装置ステータス情報とを照合する。
さらに、プロトコル配信手段51は、配信計画に含まれる配信日時情報と現在の時間とを照合し、配信日時として指定された日時を経過したか否かを判定する。
次に、プロトコル配信手段51は、照合の結果、医療画像診断装置11のステータスが配信計画となる指定されたステータス(例えば起動状態)であり、かつ配信日時として指定された日時を経過したと判定した場合には、配信計画において指定された撮影プロトコルをプロトコル情報記憶手段21から抽出して医用画像診断装置11の識別情報に対応する医用画像診断装置11に専用回線を介して送信する(ステップS48)。この際、撮影プロトコルの配信が必要であると判定された医用画像診断装置11が複数存在する場合には、それぞれの医用画像診断装置11に対応する各撮影プロトコルがプロトコル配信手段51により配信される。
次に、プロトコル配信手段51は、撮影プロトコルの医用画像診断装置11への配信が成功したか失敗したかを判定する(ステップS49)。そして、プロトコル配信手段51は、判定結果である配信結果を配信計画情報記憶手段23に保存された配信計画に付加することにより、配信計画を更新させる。
すなわち、プロトコル配信手段51は、撮影プロトコルの配信に失敗した場合には配信計画に配信未完了のステータス情報を付加する一方、配信が正常に終了した場合には、配信完了のステータス情報を付加する。
このため、撮影プロトコルの配信に失敗した場合には、次回の装置データが装置情報取得手段52により受信されて装置ステータス情報が装置ステータス記憶手段24に保存された際に、再びプロトコル配信手段51により撮影プロトコルの配信判定、及び配信が実行されることになる。
以上の処理により、プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は、インターネットなどの公開ネットワーク上に一般的に公開されているWebページを参照して、医療機器ベンダ2に対して撮影プロトコルの配信予約が可能となり、簡便に所望の撮影プロトコルを取得することが可能となる。
(変形例)
次に、第1の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システムの変形例について説明する。プロトコル配信機関(医療機器ベンダ)2がインターネットなどのネットワーク上に公開しているWebページに、撮影プロトコルを公開しているプロトコル公開機関8のリンク情報を掲載しても良い。この場合、プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は、プロトコル配信機関2が提供するWebページを参照することで、撮影プロトコルを公開しているプロトコル公開機関8を簡単に見つけることが可能となる。つまり、プロトコル配信機関2が提供するWebページをポータルサイトとして機能させることで、プロトコル利用希望者は、多くの撮影プロトコル情報が掲載されているWebページを自ら検索する必要がなくなり、簡単にプロトコル公開機関8のサイトを見つけることができ、より利便性が向上する。
ここで、プロトコル配信機関2が公開しているWebページをポータルサイトとして、そのサイトから撮影プロトコルの配信予約を行う例について、図13を参照して説明する。図13は、撮影プロトコル配信要求の受付に際して表示装置に表示される画面を示す図である。
まず、プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は、プロトコル情報参照端末10を用いてプロトコル配信機関2にアクセスすると、図13(a)に示すユーザ認証画面がプロトコル情報参照端末10の表示装置に表示される。ここで、キーボードなどの入力装置にてユーザID及びパスワードなどのユーザ識別情報を入力すると、プロトコル配信要求送信手段102は、そのユーザ識別情報がプロトコル配信機関2のプロトコル配信要求受付サーバ41に送信され、ユーザ認証処理が施される。ユーザ認証の方法については、上述した方法と同じである。
そして、ユーザ認証がされて適正なユーザであると判断されると、プロトコル情報参照端末10の表示装置には、図13(b)に示すように、撮影プロトコルを公開しているプロトコル公開機関8のリンク情報が表示される。プロトコル利用希望者は、このリンク情報を参照することで、簡単にプロトコル公開機関8のWebページを見つけることが可能となる。図13(b)に示す例においては、プロトコル公開機関8として学会の名称や病院の名称などが表示されている。この他、検査目的や診断部位などでカテゴリが分かれて表示されて、プロトコル公開機関8のWebページが検索できるようにしても良い。
プロトコル利用希望者は、リンク情報に従って所望のプロトコル公開機関8のWebページを参照し、撮影プロトコルの配信予約を行う。配信予約及び配信の処理内容は、上述した実施形態と同じである。
プロトコル利用希望者はプロトコル公開機関8にアクセスし、プロトコル公開機関8が公開しているWebページを参照して所望の撮影プロトコルを指定する。プロトコル公開機関8は、図13(c)に示すように、代表画像と撮影プロトコルの説明とが掲載されたWebページを公開し、プロトコル利用希望者はこのWebページを参照することで所望の撮影プロトコルを指定する。上述した実施形態と同様に、医療機器ベンダ2のURLと、撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値など)とがWebページに定義されているため、プロトコル利用希望者がマウスなどの入力装置を用いてDLボタンをクリックすると、プロトコル配信要求送信手段102は、上記URLに従ってプロトコル配信要求と撮影プロトコルの識別情報とを医療機器ベンダ2のプロトコル配信要求受付サーバ4に送信する。
その後、プロトコル情報参照端末10の表示装置には、図13(d)に示す配信条件設定用の画面が表示される。この設定画面を参照し、入力装置で配信先の医用画像診断装置11及び配信のタイミングを指定することができる。ここで指定された配信条件を示す情報は、プロトコル配信要求送信手段102によってプロトコル配信要求受付サーバ4に送信され、プロトコル配信要求受付手段41によって受け付けられる。また、配信条件を予め作成して配信計画情報記憶手段23に記憶させておいても良い。
以上のように配信予約が完了すると、上述した配信処理と同様に設定された配信計画に従って、撮影プロトコルが医用画像診断装置11に配信される。
[第2の実施の形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システムの構成について、図14及び図15を参照して説明する。図14は、この発明の第2の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システムの構成を示すブロック図である。図15は、この発明の第2の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システムの機能を示す機能ブロック図である。
第1の実施形態では、公開パッケージ作成手段32をプロトコル配信機関(医療機器ベンダ)2内に設置したが、この第2の実施形態では、図15に示すように、公開パッケージ作成手段32をプロトコル公開医療機関6A内に設置した。この場合、公開パッケージ作成手段32を医用画像診断装置7Aに設置しても良く、プロトコル公開医療機関6A内のコンピュータ(PC)に設置しても良い。また、プロトコル公開医療機関6Aにはプロトコル情報送信手段77が設置されている、このプロトコル情報送信手段77は、撮影プロトコルと、公開パッケージ作成手段31によって作成された撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値)とをプロトコル配信機関(医療機器ベンダ)2Aのプロトコル管理サーバ12に送信する。
また、図14に示すように、プロトコル配信機関2Aには、プロトコル公開パッケージ作成サーバ3の代わりに、プロトコル管理サーバ12が設置されている。図15に示すように、プロトコル管理サーバ12には、プロトコル情報受付手段121とプロトコル情報登録手段122とが設置されている。プロトコル情報受付手段121は、プロトコル公開医療機関6Aから送信された撮影プロトコルと撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値など)とを受け付ける。プロトコル情報登録手段122は、その撮影プロトコルと識別情報とをプロトコル情報記憶手段21に記憶させる。このとき、撮影プロトコルに識別情報を付してプロトコル情報記憶手段21に記憶させる。
上記構成以外の、プロトコル配信要求受付サーバ4、プロトコル配信サーバ5、プロトコル公開機関8、及びプロトコル利用医療機関9の構成及び処理内容は、第1の実施形態に係る医用装置プロトコル提供システム1と同じである。
プロトコル公開医療機関6Aのプロトコル公開パッケージ作成手段32によって公開パッケージが作成され、プロトコル情報送信手段77によって撮影プロトコルと識別情報(ハッシュ値など)とが、プロトコル配信機関2Aのプロトコル管理サーバ12に送信される。
プロトコル管理サーバ12内のプロトコル情報受付手段121は、撮影プロトコルと識別情報とを受け付け、プロトコル情報登録手段122は撮影プロトコルに識別情報(ハッシュ値など)を付してプロトコル情報記憶手段21に記憶させる。
プロトコル公開医療機関6Aのプロトコル公開希望者は、公開パッケージを利用して撮影プロトコル公開用のWebページを作成し、プロトコル公開機関8にそのWebページを登録する。プロトコル公開機関8は、そのWebページをインターネットなどの公開ネットワーク上に公開する。
プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は、プロトコル公開機関8が公開しているWebページを参照することで、配信を希望する撮影プロトコルを指定する。この指定により、プロトコル配信要求送信手段102は、Webページに定義されているURLに従って、プロトコル配信機関2Aのプロトコル配信要求受付サーバ4に、撮影プロトコルの配信要求と撮影プロトコルの識別情報(ハッシュ値など)とを送信する。
プロトコル配信要求受付サーバ4のプロトコル配信要求受付手段41が、撮影プロトコルの配信要求と撮影プロトコルの識別情報とを受け付けると、配信先の医用画像診断装置11や配信すべき撮影プロトコルを特定し、配信条件を決定して配信計画を作成する。これにより、撮影プロトコルの配信予約が完成する。
プロトコル配信サーバ5は、その配信計画に従ってプロトコル情報記憶手段21から撮影プロトコルを取得し、医用画像診断装置11に送信する。これにより、撮影プロトコルの配信が完了する。
以上のように、プロトコル公開医療機関6Aで公開パッケージを作成しても、プロトコル公開希望者は、撮影プロトコルを公開するための情報を容易に取得することが可能となる。
また、プロトコル利用医療機関9のプロトコル利用希望者は、第1の実施形態と同様に、インターネットなどの一般に公開されたWebページを参照して、配信を希望する撮影プロトコルの配信をプロトコル配信機関2Aに要求することが可能となるため、簡便な方法により撮影プロトコルの配信予約及び取得が可能となる。
また、第1の実施形態の変形例のように、プロトコル配信機関2Aが公開するWebページに、プロトコル公開機関8のリンク情報を掲載して、プロトコル配信機関2AのWebページをポータルサイトとして機能させても良い。