以下、本発明を実施するための最良の形態として、本発明をパチスロ1に適用した形態について図1〜図22に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係るパチスロ1の概観を示す斜視図である。尚、このパチスロ1では、遊技価値としてメダルを適用するものとするが、遊技価値はこれに限られるものではない。例えば、コイン、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された遊技価値の情報を記憶したカード等も適用可能である。
前面ドア2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cが形成されている(詳細については後述)。また、前面ドア2の背後には、3個のリール3L、3C、3Rが、回転自在に横一列に設けられており、これらリール3L、3C、3Rは、定速回転(例えば、80回転/分)が可能なように構成されている。このリール3L、3C、3Rの外周面には、複数種類の図柄が描かれた透光性のリールシートが装着されている。遊技者は、このリール3L、3C、3Rの周面に配された複数の図柄を、表示窓21L、21C、21R(後述)を介して3個ずつ観察することができる。
また、パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cの下方には略水平面の台
座部4が形成されている。
台座部4の左側には、遊技者による押圧操作により、クレジットされているメダルの投入を要求する信号を出力するベットスイッチ5Sと電気的に接続するベットボタン5が設けられている。このベットボタン5の1回の押圧操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚が投入され、2回の押圧操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚が投入され、その3回の押圧操作により、クレジットされているメダルのうちの3枚が投入される。
尚、本実施の形態におけるパチスロ1では、遊技者により投入されたメダルの枚数に応じて点灯する1ベット表示部16a、2ベット表示部16b及び最大ベット表示部16cが設けられている(図2参照)。1ベット表示部16aは、投入されたメダル数が1枚のときに点灯する。2ベット表示部16bは、投入されたメダル数が2枚のときに点灯する。最大ベット表示部16cは、投入されたメダル数が3枚のときに点灯する。
また、台座部4の右側には、遊技者がメダルを投入可能な開口部を有したメダル投入口6が設けられている。
台座部4の前面部の左寄りには、メダルのクレジットを可能にするか不可能にするかを切り換えるためのC/Pスイッチ7が設けられている。尚、このC/Pスイッチ7の切り換えにより、正面下部のメダル払出口8からメダルが払い出される。このメダル払出口8から払い出されたメダルはメダル受け部9に溜められる。
メダル払出口8の上方の左右には、スピーカ9L、9Rが設けられている。
C/Pスイッチ7の右側には、メインCPU53(後述)に対してリール3L、3C、3Rの回転の開始を要求する信号を出力するスタートスイッチ10Sと電気的に接続するスタートレバー10が、所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。また、台座部4の前面部中央で、スタートレバー10の右側には、遊技者が、3個のリール3L、3C、3Rの回転を夫々停止させるための3個のストップボタン11L、11C、11Rが設けられている。このストップボタン11L、11C、11Rは、メインCPU53に対してリール3L、3C、3Rの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチ66と電気的に接続している。ストップスイッチ66は、遊技者によりストップボタン11Lが押圧操作されると、リール3Lの回転の停止を要求する信号を出力し、遊技者によりストップボタン11Cが押圧操作されると、リール3Cの回転の停止を要求する信号を出力し、遊技者によりストップボタン11Rが押圧操作されると、リール3Rの回転の停止を要求する信号を出力する。
前面ドア2の上方には、入賞が成立する図柄の組合せ及び配当などを表示する配当表パネル12が設けられている。
次に、図2を参照して、パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cについ
て説明する。
パネル表示部2aは、ボーナス情報表示部13、払出表示部14、クレジット表示部15、1ベット表示部16a、2ベット表示部16b及び最大ベット表示部16c等により構成される。ボーナス情報表示部13は、7セグメントLEDからなり、ボーナスゲームにおけるゲーム数等の情報を表示する。払出表示部14及びクレジット表示部15は、夫々7セグメントLEDから成り、入賞が成立した時のメダルの払出枚数及びクレジットされているメダルの枚数を表示する。
1ベット表示部16a、2ベット表示部16b及び最大ベット表示部16cはランプからなり、遊技者によって投入されたメダルの枚数を表示する。
液晶表示部2bは、表示窓21L、21C、21R、窓枠表示領域22L、22C、22R及び演出表示領域23等により構成される。この液晶表示部2bに表示される内容は、リール3L、3C、3Rの回転及び停止態様、並びに液晶表示装置31(後述)の動作により変化する。
表示窓21L、21C、21Rは、リール3L、3C、3Rに対応して設けられ、リール3L、3C、3R上の図柄の表示や、ゲームを彩る演出に係る表示等を行う。また、表示窓21L、21C、21Rには、入賞ラインとして、水平方向にトップライン23b、センターライン23c及びボトムライン23d、並びに斜め方向にクロスアップライン23a及びクロスダウンライン23eが設けられている。これらの入賞ラインは、遊技者が、ベットボタン5を押圧操作すること、又はメダル投入口6にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される(以下、有効化された入賞ラインを「有効ライン」という)。表示窓21L、21C、21Rは、少なくとも対応するリール3L、3C、3Rが回転中のとき、及び対応するストップボタン11L、11C、11Rが押圧操作可能なとき、遊技者がリール3L、3C、3Rの周面に配された図柄を視認できるように、透過状態となる。
後述する通り、本実施の形態におけるパチスロ1では、仮に入賞に係る図柄の組合せが必ずしも上記入賞ラインに沿って一直線に表示されなくても、入賞が成立することが有る。
窓枠表示領域22L、22C、22Rは、表示窓21L、21C、21Rを囲むように設けられ、リール3L、3C、3Rの前面に配置された表示窓21L、21C、21Rの枠を表したものである。
演出表示領域24は、液晶表示部2bの領域のうち、表示窓21L、21C、21R及び窓枠表示領域22L、22C、22R以外の領域である。この演出表示領域23は、ボーナスの成立が実現可能であることを確定的に報知する画像(いわゆる告知ランプ)の表示、ゲームの興趣を増大するための演出、又は遊技者がゲームを有利に進めるために必要な情報等の表示を行う。
固定表示部2cは、予め定められた画像を表示する領域である。この固定表示部2cに表示された画像と、演出表示領域24に表示された画像により、一つの静止画像又は動画像を表示できるようにしても良い。
次に、図3及び図4を参照して、透過型の液晶表示装置31について説明する。図5は、液晶表示装置31の概略構成を示す斜視図である。図6は、液晶表示装置31の一部の構成の展開図である。
液晶表示装置31は、保護ガラス32、表示板33、液晶パネル34、導光板35、反射フィルム36、いわゆる白色光源(全ての波長の光を人の目に特定の色彩が目立たない割合で含む)である蛍光ランプ37a、37b、38a、38b、ランプホルダ39a〜39h、及び液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージからなり、液晶パネル34の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。この液晶表示装置31は、リール3L、3C、3Rの表示領域より手前側(表示面よりも手前側)に、リール3L、3C、3Rを跨いで設けられている。また、このリール3L、3C、3Rと液晶表示装置31とは、所定の間隔を開けて設けられている。
保護ガラス32及び表示板33は透光性部材で構成されている。保護ガラス32は、液晶パネル134を保護すること等を目的として設けられている。表示板33のパネル表示部2a及び固定表示部2cに対応する領域には画像が描かれている。ここで、パネル表示部2aに対応する表示板33の領域の裏側に配置される各種表示部を動作させる電気回路は省略している。
液晶パネル34は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板などの透明な基板とこれに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。この液晶パネル34の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態で白表示(表示面側に光が行く、すなわち透過した光が外部から視認される)となる構成である。ノーマリーホワイトに構成された液晶パネル34を採用することにより、液晶を駆動できない事態が生じた場合であっても、表示窓21L、21C、21Rを透してリール3L、3C、3R上に配置された図柄を視認することができ、ゲームを継続することができる。つまり、そのような事態が発生した場合にも、遊技者は、リール3L、3C、3Rの回転及びその停止を中心としたゲームを行うことができる。
導光板35は、蛍光ランプ37a、37bからの光を液晶パネル34へ導き出す(液晶パネルを照明する)ために液晶パネル34の裏側に設けられ、例えば2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂などの透光性部材(導光機能を有する)で構成されている。また、導光板35の前面(遊技者側)には、反射フィルム36からの光を液晶パネル134に向けて拡散する拡散性部材を有している。
反射フィルム36は、例えば白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板35に導入された光を導光板35の正面側に向けて反射させる。この反射フィルム36は、反射領域136A及び非反射領域(透過領域)36BL、36BC、36BRにより構成されている。この非反射領域36BL、36BC、36BRは、透明な材料で形成され、入射した光を反射することなく透過させる光透過部として形成され、リール3L、3C、3Rの回転が停止した場合に表示される図柄(合計3個の図柄)の各々の前方の位置に設けられている(リールシートに対応する領域を光透過部としている)。具体的には、非反射領域36BL、36BC、36BRの大きさ及び位置は、表示窓21L、21C、21Rのものと一致するようになっている。
蛍光ランプ37a、37bは、導光板35の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダ39により支持されている。この蛍光ランプ37a、37bは、導光板35に導入する光を発生する。
蛍光ランプ38a、38bは、反射フィルム136の裏側の上方位置及び下方位置にリール3L、3C、3Rに向かって配置されている。この蛍光ランプ38a、38bから出てリール3L、3C、3Rの表面で反射して非反射領域36BL、36BC、36BRへ入射した光は、液晶パネル34を照明する。
図5に示すように、リール3L、3C、3Rの夫々の内部には、リール3L、3C、3Rの回転が停止した場合に、表示窓21L、21C、21Rに表示される縦3列の図柄(合計9個の図柄)の裏側に、LED収納用回路基板40L、40C、40Rが設置されている。LED収納用回路基板40L、40C、40Rは、夫々3つのLED収納部を有し、ここに複数の3色LED41が設けられている。以下、合計9個のLED収納部のうち、上の列のLED収納部を左から順に、Z1、Z2、Z3、中央の列のLED収納部を左から順に、Z4、Z5、Z6、下の列のLED収納部を左から順に、Z7、Z8、Z9で表す。3色LED41は、リール3L、3C、3Rの外周面に沿って装着されたリールシートの後面側を各色の光で照射する。このリールシートは、透光性を有して構成され、3色LED41により出射された光は前面側へ透過するようになっている。
図6に示すように、リール3Lは、同形の2本の環状フレーム42及び43を所定の間隔(リール幅)だけ離して複数本の連結部材44で連結することで形成された円筒形のフレーム構造と、そのフレーム構造の中心部に設けられたステッピングモータ45Lの駆動力を環状フレーム42、42へ伝達する伝達部材46とにより構成される。尚、リール3Lの外周面に沿って装着されるリールシートについては省略している。
リール3Lの内側に配置されたLED収納用回路基板40Lは、夫々複数の3色LED41を収納する3つのLED収納部Z1、Z2、Z3を備えている。LED収納用回路基板40Lは、遊技者が表示窓21Lを透して視認できる図柄(合計3個の図柄)の各々の裏側にLED収納部Z1、Z2、Z3が位置するように設置されている。尚、リール3C、3Rについて図示していないが、リール3Lと同様の構造を有し、各々の内部にLED収納用回路基板40C、40Rが設けられている。
3色LED41は、後述する副制御回路51のLED駆動回路80(図13)によって個別に又は複数纏めて発光制御され、リールの周面に配された図柄を背後から照射する。
図7は、リール3L、3C、3R(より詳しくは、リール3Lの外周面に沿って装着されるリールシート)上の図柄の配列を示している。この配列に係る情報は、各図柄に「00」〜「20」のコードナンバーを付し、図柄配列テーブルとして、後述するメインROM54(図12)に記憶されている。図7に示すように、各リール3L、3C、3R上には、「青7(図柄91)」、「赤7(図柄92)」、「BAR(図柄93)」、「ベル(図柄94)」、「チェリー(図柄95)」、「リプレイ(図柄96)」及び「スイカ(図柄97)」からなる7種類の図柄が配されている。リール3L、3C、3Rは、図7の矢印方向に向かって回転する。
図8は配当表を示しており、この配当表に基づいて1ゲームの結果が得られる。ここでは、表示窓21L、21C、21Rにより表示される図柄の組合せと、その種別を識別する表示役と、その表示役毎に定められるメダルの払出枚数が規定されている。この配当表に係る情報も、図柄組合せテーブルとして、メインROM54に格納されている。
有効ラインに沿って「チェリー−ANY−ANY」が並ぶと、表示役としてチェリーが決定され、2枚のメダルが払い出される。
有効ラインに沿って「ベル−ベル−ベル」が並ぶと、表示役としてベルが決定され、15枚のメダルが払い出される。
有効ラインに沿って「スイカ−スイカ−スイカ」が並ぶと、表示役としてスイカが決定され、8枚のメダルが払い出される。
有効ラインに沿って「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が並ぶと、表示役としてリプレイが決定され、メダルの払い出しは行われないが、前のゲームにおいて投入されたメダルの枚数と同じ枚数のメダルが投入されるので、遊技者は、新たにメダルを投入することなく、次のゲームを行うことができる。
有効ラインに沿って「BAR−BAR−BAR」が並ぶと、表示役としてRBが決定され、RBが作動する。
本実施の形態におけるパチスロ1は、いわゆる遊技状態として、一般遊技状態、内部当選状態及びレギュラーボーナス(以下、「RB」という)遊技状態を有している。各遊技状態間の移行は、内部当選役としてRBが決定されたことや、RBの作動に係る図柄の組合せが表示されたことなどを契機に行われる。
RB遊技状態とは、RBの作動に係る図柄の組合せが表示されたことを契機として移行するものであり、RB作動中フラグ(後述)がオンであるか否かに基づいて識別される。このRB遊技状態は、12回のゲームが行われるか、8回の入賞が成立したときに終了するものである。また、内部当選状態とは、主として、持越役にRBがセットされているか否かに基づいて識別される。そして、RB遊技状態及び内部当選状態を除く遊技状態を一般遊技状態という。尚、本実施の形態では、表示役として、チェリー、ベル及びスイカのうち少なくとも何れかが決定されると、入賞が成立したものとして見なされる。
図9は、パチスロ1の動作を制御する主制御回路50と、主制御回路50と電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路50から送信されるコマンドに基づいて、液晶表示装置31等を制御する副制御回路51と、を含む回路構成を示す。
主制御回路50は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ52を主たる要素とし、これに乱数値をサンプリングするための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ52は、予め設定されたプログラムに従って動作するメインCPU53と、このプログラムを記憶するメインROM54と、一時的な記憶領域を提供するメインRAM55とを含む。
メインCPU53には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路56及び分周器57、並びに乱数値をサンプリングするための乱数発生器58及びサンプリング回路59が接続されている。尚、乱数値をサンプリングするための手段として、マイクロコンピュータ52にて、即ちメインCPU53が乱数値をサンプリングするように構成しても良い。この場合、乱数発生器58及びサンプリング回路59は省略可能であり、乱数発生器58及びサンプリング回路59のバックアップ用として残しておくことも可能である。
メインROM54には、パチスロ1の動作を制御するプログラム、内部当選役の決定に用いられる確率抽選テーブル(図11〜図13)、停止テーブルの選択に用いられる停止テーブル選択テーブル(図14)等が記憶されている。
メインRAM55は、メインCPU53による演算の結果、出力される各種データや、遊技状態を識別する識別情報等の一時的な格納領域として機能する。
図9に示す通り、マイクロコンピュータ52により動作が制御される主要な周辺装置としては、各種表示部(ボーナス遊技情報表示部13、払出表示部14及びクレジット表示部15)と、リール3L、3C、3Rを回転駆動するステッピングモータ45L、45C、45Rと、800枚程度のメダルが収納可能であって、マイクロコンピュータ52からの命令により所定枚数のメダルを払い出すホッパー63と、各種ランプ(1ベット表示部16a、2ベット表示部16b及び最大ベット表示部16c)と、がある。
このため、メインCPU53の出力部には、I/Oポート60を介して、各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路61、ステッピングモータ45L、45C、45Rを駆動制御するモータ駆動回路62、ホッパー63を駆動制御するホッパー駆動回路64及びランプ駆動回路69が接続されている。これらの各駆動回路は、それぞれメインCPU53から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各周辺装置の動作を制御する。
モータ駆動回路62は、メインCPU53が出力する励磁信号に基づいて、ステッピングモータ45L、45C、45Rに駆動電流を出力する。
ステッピングモータ45L、45C、45Rは2相励磁方式が採用され、この励磁パターンは、メインCPU53により出力される励磁信号により決定される。各図柄(より厳密には、各図柄に割り当てられた領域)には、16相が割り当てられおり、励磁信号が16回出力されることにより、図柄1個分リールが回転し、励磁信号が336回出力されることにより、リールが1回転する。
リール3L、3C、3Rの回転が開始した後、メインCPU53により出力される励磁信号の数が計数され、その計数値はメインRAM55の所定エリア(以下、このエリアを「パルスカウンタ」という)に書き込まれる。このパルスカウンタは、励磁信号が出力される度に減算されるものであり、その値が「0」になると「16」に変更する。このとき、メインCPU53は、メインRAM55の所定エリア(以下、このエリアを「図柄カウンタ」という)を加算する。この図柄カウンタは、センターライン23cの位置にある図柄を識別するために設けられているものであり、前述の加算の結果、「21」になると、「0」に変更する。尚、リール3L、3C、3Rからは、リール位置検出回路65を介して、一回転毎にリセット信号がメインCPU53に入力される。こうして得られたリセット信号により、メインRAM55により格納されるパルスカウンタが「0」にクリアされ、図柄カウンタの値、即ちソフトウェア的に把握されている図柄の位置と、ハードウェア的に把握されている図柄の位置と、の基本的な整合性が確保される。尚、パチスロ1では、後述する通り、ソフトウェア的に把握されている図柄の位置と、ハードウェア的な図柄の位置とが一致しない場合が有る。
リール3L、3C、3Rの回転位置(即ち、図柄カウンタ)と、リール上の図柄とを対応づけるためのテーブルが、メインROM54内に記憶されている。このテーブルでは、上述したリセット信号が発生する位置を基準として、各リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示すコードとが対応づけられている。
また、マイクロコンピュータ52が各周辺装置に駆動を要求する信号を出力するために必要な信号を発生する主な手段としては、ベットスイッチ5S、投入メダルセンサ6S、C/Pスイッチ7、スタートスイッチ10S、リール位置検出回路65、ストップスイッチ66、払出完了信号回路67がある。これらも、I/Oポート60を介して、メインCPU53に接続されている。
ベットスイッチ5Sは、ベットボタン5が押圧操作されたことを検出し、その旨を示す信号をメインCPU53に出力する。投入メダルセンサ6Sは、メダル投入口6に投入されたメダルを検出し、その旨を示す信号をメインCPU53に出力する。C/Pスイッチ7Sは、C/Pボタン7が押圧操作されたことを検出し、その旨を示す信号をメインCPU53に出力する。
スタートスイッチ10Sは、スタートレバー10の傾動操作を検出し、その旨を示す信号をメインCPU53に出力する。リール位置検出回路65は、リールに設けられたリールインデックスをフォトセンサ(図示せず)により検出し、その旨を示す信号(リセット信号、後述)をメインCPU53に出力する。ストップスイッチ66は、ストップボタン11L、11C、11Rが押圧操作されたことをフォトセンサ(図示せず)により検出し、押圧操作されたストップボタン11L、11C、11Rの種別を示す識別情報と共に、その旨を示す信号をメインCPU53に出力する。
また、払出完了信号回路67は、メダル検出部68の計数値(ホッパーから払い出されたメダルの枚数)が指定された値に達し、メダルの払い出しが完了したことを検出し、その旨を示す信号をメインCPU53に出力する。
乱数発生器58は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路59は、スタートレバー10が傾動操作されたタイミングで一個の乱数値をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数値と、メインROM54内に格納されている確率抽選テーブルとに基づいて、内部当選役が決定される。
更に、メインROM54内には、上述した通り、入賞等が成立する図柄の組合せを判定するための図柄組合せテーブルが記憶されている。この図柄組合せテーブルでは、入賞等が成立する図柄の組合せと、その種別を識別する情報(即ち、表示役)と、その組合せ毎の配当とが対応づけられている。この図柄組合せテーブルは、リール3L、リール3C、リール3Rのうち何れかの回転が停止したときと、リール3L、リール3C、リール3Rの全てが停止したときに参照される。
メインCPU53は、決定された内部当選役と、ストップボタン11L、11C、11Rが押圧操作されたタイミングに基づいてストップスイッチ66から出力される信号(停止指令信号)と、選択された停止テーブルとに基づいて、リール3L、3C、3Rの回転を停止する信号をモータ駆動回路62に出力する。
リール3L、3C、3Rの回転が停止した結果、図柄カウンタに基づいて、有効ラインに沿って並ぶ図柄の組合せを特定し、それが入賞の成立を示すもの判別されれば、メインCPU53は、ホッパー駆動回路64に駆動信号を出力し、ホッパー63から所定枚数のメダルが払い出される。その際、メダル検出部68は、ホッパー63から払い出されたメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された値に達したときに、メインCPU53に所定の信号を出力する。これにより、メインCPU53は、ホッパー駆動回路64を介してホッパー63の駆動を停止し、メダルの払い出しを終了する。
図10は、副制御回路51の構成を示すブロック図である。副制御回路51は、INポート71を介して、主制御回路50から供給された各種コマンドに基づいて、液晶表示装置11の動作等を制御する。この副制御回路51は、主制御回路50を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)72を主たる要素とし、スピーカ9L、9Rを制御する音源IC77と、増幅器としてのパワーアンプ78と、3色LED41を制御するLED駆動回路79と、液晶表示装置31を制御する手段としての画像制御回路91と、から構成されている。
サブマイクロコンピュータ72は、主制御回路50から送信されたコマンドに従って制御動作を行うサブCPU73と、サブROM74と、サブRAM75とを含む。
副制御回路51は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU73の動作プログラム上で乱数値のサンプリングを実行するように構成されている。
サブROM74は、サブCPU73で実行する制御プログラムを格納する。また、サブROM74は、3色LED41の発光に関する制御プログラムや液晶表示装置31の表示に関する制御プログラムや、各種テーブルを格納する。サブRAM75は、上記制御プログラムをサブCPU73で実行する場合の一時記憶手段として構成される。
LED駆動回路79は、サブCPU73から送信されるLED発光制御信号を受信すると、駆動信号を生成し、当該駆動信号を3色LED41に出力する。これにより、3色LED41は所定の態様(赤色、青色等)で発光制御される。
画像制御回路91は、画像制御CPU92、画像制御ワークRAM93、画像制御プログラムROM94、INポート95、画像ROM96、ビデオRAM97及び画像制御IC98で構成される。
画像制御CPU92は、サブマイクロコンピュータ72で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムROM94内に格納された制御プログラムに従って、液晶表示装置31による表示を制御する。画像制御プログラムROM94は、液晶表示装置31による表示を制御するのに必要な制御プログラムや各種テーブルを格納する。画像制御ワークRAM93は、上記制御プログラムを、画像制御CPU92で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC98は、画像制御CPU92で決定された内容に応じた種類の画像を形成し、液晶表示装置31に出力する。画像ROM96は、各種の画像をドットデータとして格納する。ビデオRAM97は、画像制御IC98で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
図11〜図13は、内部当選役を決定するための確率抽選テーブルを概念的に示すものである。この確率抽選テーブルは、後述の確率抽選処理において参照されるものである。この確率抽選テーブルには、内部当選役に応じて乱数の範囲が設定されており、「0」〜「16383」の範囲からサンプリングされる一個の乱数値を用いて、内部当選役が決定される。
図11に示す確率抽選テーブルは、遊技状態が一般遊技状態であって、3枚のメダルが投入されたゲームにおいて参照されるものである。この確率抽選テーブルでは、サンプリングされた乱数値が200の場合、内部当選役はベルとなり、また、サンプリングされた乱数値が3640の場合には、内部当選役はRBとなる。
図12に示す確率抽選テーブルは、遊技状態が内部当選状態であって、3枚のメダルが投入されたゲームにおいて参照されるものである。この確率抽選テーブルでは、内部当選役として、RBが内部当選役として決定される確率が0となっている。
図13に示す確率抽選テーブルは、遊技状態がRB遊技状態であって、1枚のメダルが投入されたゲームにおいて参照されるものである。この確率抽選テーブルは、図11の確率抽選テーブルと比較して、内部当選役としてベルが決定される確率が相対的に高く設定されている一方、内部当選役としてハズレが決定される確率が相対的に低く設定されており、遊技者にとって相対的に有利なものとなっている。
尚、遊技状態が一般遊技状態又は内部当選状態であって、1枚のメダルが投入されたゲームにおいて参照される確率抽選テーブル及び2枚のメダルが投入されたゲームにおいて参照される確率抽選テーブルを省略しているが、これら2の遊技状態においては、遊技者の所望に応じて1枚から3枚までのメダルが投入可能となっている。更に、投入されたメダルがより多い方が、期待値の高い確率抽選テーブルが用いられる。尚、RB遊技状態において、遊技者が投入可能なメダルの枚数の最大値は、より多くのメダルが純増するように、「1」となっている。
図14は、後述する停止テーブル選択処理において参照される停止テーブル選択テーブルを概念的に示すものである。この停止テーブル選択テーブルでは、内部当選役に応じて停止テーブルが対応付けられており、図示の通り、内部当選役と、選択される停止テーブルとの関係は一対一の関係になっている。即ち、内部当選役としてリプレイが決定された場合、リプレイ用停止テーブルが選択されるような構成となっている。
次に、パチスロ1の動作について説明する。
先ず、図15〜図21を参照して、主制御回路50のメインCPU53により制御される処理について、以下のフローチャート(以下、「メインフローチャート」という)に即して説明する。
最初に、メインCPU53は、電源が投入されると、メインCPU53の初期化やメインRAM55が正常か否かのチェック等を行う(ST101)。次に、メインCPU53は、メインRAM55の所定領域のクリアを行う(ST102)。尚、この処理は、1ゲームが終了する度に行われるものでもある。
次に、メインCPU53は、メダルの自動投入が要求されているか否かを判別する(ST103)。メダルの自動投入が要求されていると判別された場合には、メインCPU53は、自動投入が要求されている分のメダル、即ち、前回のゲームで投入された分のメダルを投入する(ST104)。また、メダルの自動投入が要求されてないと判別された場合には、メインCPU53は、ベットスイッチ5Sや投入メダルセンサ6Sを監視し、遊技者によるメダルの投入を監視する(ST105)。尚、このとき、現在の遊技状態に応じて、遊技者が投入可能なメダルの枚数が設定され、その枚数を超えた分については、クレジットされたり、メダル払出口8より払い出される。
メダルが自動投入されるか、遊技者によってメダルが投入されると、メインCPU53は、メダル投入コマンドを副制御回路51に送信する(ST106)。尚、このメダル投入コマンドとは、メダルが投入される度に副制御回路51に送信されるものであり、当該ゲームにおいて投入されたメダルの枚数(例えば、1〜3枚)や現在の遊技状態が含まれる情報である。
次に、メインCPU53は、スタートスイッチ10Sのオンを検出した否かを判別する(ST107)。尚、スタートスイッチ10Sのオンが検出されなかった場合、ST103からの処理が繰り返される。
スタートスイッチ10Sのオンを検出したと判別されると、メインCPU53は、抽選用の乱数値として、「0」〜「16383」の範囲の中から、一個の乱数値をサンプリングする(ST108)。
次に、メインCPU53は、現在の遊技状態を判別し、その遊技状態をセットする遊技状態監視処理を行う(ST109、後述)。
そして、メインCPU53は、投入されたメダルの枚数と、ST108の処理でサンプリングされた乱数値と、ST109の処理でセットされた遊技状態に対応する確率抽選テーブルとに基づいて、内部当選役を決定する確率抽選処理を行う(ST110、後述)。
次いで、メインCPU53は、上述した停止テーブル選択テーブル(図14参照)を参照し、ST110の処理で決定された内部当選役に基づいて、リール3L、3C、3Rの回転を停止するときに使用される停止テーブルを選択する(ST111)。前述した通り、この停止テーブルとは、遊技者による開始操作のタイミングに応じて、滑り駒数を決定するための情報である。
そして、メインCPU53は、スタートコマンドを副制御回路51に送信する(ST112)。このスタートコマンドとは、現在の遊技状態と、決定された内部当選役と、持越役の有無と、選択された停止テーブル等を含む情報である。
その後、メインCPU53は、後述する1ゲーム監視用タイマに基づいて、前回のゲームにおいて、リール3L、3C、3Rが回転を開始してから4.1秒が経過したか否かを判別する(ST113)。この判別の結果、前回のゲームから4.1秒が経過していないと判別された場合には、その経過を待つ(ST114)。
次に、メインCPU53は、1ゲームに要する時間を監視するためのタイマである、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST115)。
1ゲーム監視用タイマがセットされると、メインCPU53は、リール3L、3C、3Rの回転の開始を要求する(ST116)。尚、リール3L、3C、3Rの回転開始、加速制御、定速制御、減速制御及び停止制御は、このメインフローチャートに対して定期的(1.1173ms毎)に割り込む割込処理にて制御される(図26参照、後述)。
そして、メインCPU53は、リール停止許可コマンドを副制御回路51に送信する(ST117)。このリール停止許可コマンドとは、各リール3L、3C、3Rに対応するストップボタン11L、11C、11Rが押圧操作を有効に受付可能になったことなどを示す情報である。
次に、メインCPU53は、ストップスイッチ66を監視して、ストップボタン11L、11C、11Rのうち、何れかが押圧操作されたか否かを判別する(ST118)。ストップボタン11L、11C、11Rのうち何れの押圧操作もないと判別された場合、メインCPU53は、ST118の処理を繰り返す。
ストップボタン11L、11C、11Rの何れが押圧操作されると、メインCPU53は、そのストップボタン11L、11C、11Rが対応するリール3L、3C、3Rのパルスカウンタが「14」を未満か否かを判別する(ST119)。
STの119の判別の結果、パルスカウンタが「14」未満であると判別されると、メインCPU53は、遊技者により押圧操作されたのがストップボタン11Rか否かを判別する(ST120)。
STの120の判別の結果、遊技者により押圧操作されたのがストップボタン11Rであると判別されると、メインCPU53は、内部当選役がRBか否かを判別する(ST121)。
尚、ここでは、RBを適用しているが、本発明はこれに限定されず、RBの代わりにハズレやベルを適用するなど、適宜設計変更可能である。また、この内部当選役も1つに限定されず、2以上であっても良く、そのときの状況に応じて、これらを変動する構成を備えるようにしても良い。
そして、STの121の判別の結果、内部当選役がRBでないと判別されると、メインCPU53は、当選の確率が1/256である所定の抽選を行う(ST122)。
尚、ここでは、メインCPU53が、新たに乱数値を取得し、予め設けられたテーブルを照合して、当選か非当選かを判別するようにしても良い。また、当選の確率は必ずしも「1/256」である必要はなく、適宜設計変更可能である。また、そのときの状況に応じて、その確率を変動する構成を備えるようにしても良い。
STの122の抽選に当選しなかったり、ST120の判別の結果、遊技者により押圧操作されたのがストップボタン11Rではないと判別されたりすると、メインCPU53は、図柄更新処理を行う(ST123)。この図柄更新処理とは、ソフトウェア的に把握している図柄の位置が、リールの回転方向に向かって1個変わるまで待機する処理である。より具体的には、メインCPU53が、現在のパルスカウンタ(即ち「1」〜「13」)が「0」(「16」と略等価)になるまで、励磁信号を継続的に出力し、図柄カウンタが1加算されるまで待機する。
このST123の図柄更新処理が終了するか、ST119の判別の結果、パルスカウンタが14未満ではないと判別された場合の他、ST121の判別の結果、内部当選役がRBであると判別されたり、ST122の抽選に当選したりすると、停止開始位置として、現在の図柄カウンタの値をレジスタにセットする(ST124)。
そして、メインCPU53は、レジスタにセットされたリール3L、3C、3Rの停止開始位置と、内部当選役と、持越役と、選択されている停止テーブルとに基づいて、滑り駒数を決定する滑り駒数決定処理を行う(ST125)。
尚、この滑り駒数とは、ストップスイッチ66により、ストップボタン11L、11C、11Rが押圧操作されたことを示す信号が出力されたときの図柄カウンタと、対応するリール3L、3C、3Rが停止したときの図柄カウンタとの差分であり、基本的には、センターライン23cを通過する図柄の数と一致する。この滑り駒数の内容は、メインRAM55の所定領域に格納され、ST102の処理にてクリアされる。尚、本実施の形態におけるパチスロ1では、滑り駒数としては「0」〜「4」となっている。
ST122の処理により滑り駒数が決定されると、メインCPU53は、その滑り駒数分、該当するリールが回転するのを待ち、その回転の停止を要求する(ST126)。ここでは、リール3L、3C、3Rの回転の停止を要求するフラグをオンにし、後述する割込処理にてリールの回転が停止される。
メインCPU53は、リール停止コマンドを副制御回路51に送信する(ST127)。このリール停止コマンドとは、リール3L、3C、3Rのうち1つのリールの回転が停止したことなどを示す情報である。
次に、メインCPU53は、全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止したか否かを判別する(ST128)。全リール3L、3C、3Rの回転が停止したと判別されると、メインCPU53は、全リール停止コマンドを副制御回路51に送信する(ST129)。この全リール停止コマンドとは、全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止したことなどを示す情報である。尚、全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止したものと判別されなかった場合には、ST118からの処理を繰り返す。
全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止したと判別されると、メインCPU53は、各有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せ(より正確には、ソフトウェア的に把握されている図柄の位置)に基づいて、表示役を特定する(ST130)。この表示役とは、表示窓21L、21C、21Rにより表示された図柄の組合せの種類を識別するものであり、例えば、「ベル−ベル−ベル」が表示されている場合、表示役はベルとなり、「BAR−BAR−BAR」が表示されている場合、表示役はRBとなる。
次に、メインCPU53は、内部当選役及び持越役に基づいて、特定された表示役が正常であるか否かを判別し(ST131)、表示役が正常でない場合には、イリーガルエラーの表示を行い(ST132)、処理を中断する。
ST131の判別の結果、表示役が正常であると判別された場合には、メインCPU53は、副制御回路51に表示役コマンドを送信する(ST133)。この表示役コマンドとは、上述した表示役を示す情報等である。
次に、メインCPU53は、メダルの払出枚数が「0」であるか否かを判別する(ST134)。メダルの払出枚数が0でない場合には、表示役に応じて、メダルの払い出し又はその分のクレジットを行う(ST135)。
次に、メインCPU53は、RB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ST136)。RB作動中フラグがオンである場合には、メインCPU53は、RB遊技状態の終了時か否かをチェックするRB終了チェック処理を行う(ST137)。
そして、メインCPU53は、RB遊技状態の終了時であるか否かを判別し(ST138)、RB遊技状態の終了時である場合には、メインCPU53は、メインRAM55に記憶された、所定領域内の情報のクリアを行う(ST139)。
尚、ST136の判別の結果、RB作動中フラグがオンでないと判別された場合、メインCPU53は、表示役がRBか否かをチェックするRB作動チェック処理を行う(ST140)。表示役がRBの場合には、RB作動中フラグをオンにすると共に、RB遊技状態でゲーム可能な回数と、入賞成立が可能な回数をセットしたりする。尚、このとき、持越役をクリアする。尚、表示役がリプレイであれば、自動投入の要求を行う。
上述したST138の判別の結果、RB遊技状態の終了時でないと判別されるか、ST139の処理、又はST140の処理が終了すると、メインCPU53は、ST102からの処理を繰り返す。
次に、図20を参照して、前述した遊技状態監視処理を詳述する。
先ず、主制御回路50のメインCPU53は、RB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ST201)。RB作動中フラグがオンであると判別された場合には、メインRAM55における所定の領域に所定の識別情報をセットすることにより、遊技状態としてRB遊技状態をセットし(ST202)、本処理を終了する。
RB作動中フラグがオンでないと判別された場合には、メインCPU53は、持越役にRBがセットされているか否かを判別する(ST203)。ここで、持越役にRBがセットされていると判別された場合には、メインRAM55における所定の領域に所定の識別情報をセットすることにより、遊技状態として内部当選状態をセットし(ST204)、本処理を終了する。
ST203の判別の結果、持越役にRBがセットされていないと判別された場合には、メインCPU53は、遊技状態として一般遊技状態をセットし(ST205)、本処理を終了する。
次に、図21を参照して、前述した確率抽選処理を詳述する。
先ず、主制御回路50のメインCPU53は、遊技状態としてRB遊技状態がセットされているか否かを判別する(ST301)。RB遊技状態であると判別された場合には、メインCPU53は、メインROM54に記憶されているRB遊技状態用確率抽選テーブルの先頭アドレスをレジスタにセットする(ST302)。
遊技状態としてRB遊技状態がセットされていないと判別された場合には、メインCPU53は、遊技状態として内部当選状態がセットされているか否かを判別する(ST303)。内部当選状態であると判別された場合には、メインCPU53は、メインROM54に記憶されている内部当選状態用確率抽選テーブルの先頭アドレスをレジスタにセットする(ST304)。
ST303の判別の結果、遊技状態として内部当選状態がセットされていないと判別された場合には、メインCPU53は、メインCPU53は、メインROM54に記憶されている一般遊技状態用確率抽選テーブルの先頭アドレスをレジスタにセットする(ST305)。
そして、メインCPU53は、ST302の処理、ST304の処理、又はST305の処理の結果、レジスタにセットされた確率抽選テーブルと、サンプリングされた乱数値と、投入されているメダルの枚数と、に基づいて、内部当選役を決定し、レジスタにセットする(ST306)。
次に、ST307の処理によりレジスタにセットされた内部当選役がRBであるか否かを判別する(ST307)。内部当選役がRBである場合には、メインRAM55における所定の格納領域に持越役を格納する(ST308)。
そして、ST307の処理により決定された内部当選役と、メインRAM55に格納される持越役との論理和を、内部当選役としてメインRAM55に格納して(ST309)、本処理を終了する。
次に、図22を参照して、前述したメインフローチャートに対して定期的(本実施の形態では、1.1173ms毎)に割り込む割込処理を詳述する。
先ず、主制御回路50のメインCPU53は、メインRAM55に設けられたリール3L、3C、3Rに関する情報を示すリール識別情報にリールRに関する情報をセットする(ST401)。
次に、メインCPU53は、リール3Rについてのリール制御処理を行う。より具体的には、リール3Rが制御中(即ち、リールが完全に停止している状態を除く状態)であれば、リール3Rの回転開始、加速制御、定速制御、減速制御又は停止制御などを行う(ST402)。尚、これらリール3L、3C、3Rの回転開始、加速制御、定速制御、減速制御及び停止制御は、上述したメインフローチャートにより設定されるフラグが参照されて行われる。
ところで、リール3L、3C、3Rの回転がより滑らかに停止することを目的として、上述した滑り駒数分、リール3L、3C、3Rが回転すると、所定期間、減速制御が行われ、その後、停止制御が行われる。即ち、リール3L、3C、3Rの回転の停止が開始してから、実際に、リール3L、3C、3Rの回転が停止するまでに所定の時間が要されることとなる。
そして、主制御回路50のメインCPU53は、メインRAM55に設けられたリール3L、3C、3Rに関する情報を示すリール識別情報にリール3Cに関する情報をセットする(ST403)。
次に、メインCPU53は、リール3Cについてのリール制御処理を行う。より具体的には、リール3Cが制御中であれば、リールRの回転開始、加速制御、定速制御、減速制御又は停止制御などを行う(ST404)。
そして、主制御回路50のメインCPU53は、メインRAM55に設けられたリール3L、3C、3Rに関する情報を示すリール識別情報にリール3Lに関する情報をセットする(ST405)。
次に、メインCPU53は、リール3Lについてのリール制御処理を行う。より具体的には、リール3Lが制御中であれば、リールLの回転開始、加速制御、定速制御、減速制御又は停止制御などを行う(ST406)。
次に、メインCPU53は、メダルが投入されたときに、適正なメダルと不適正なメダルとを振り分けるコインセレクタ(図示せず)を制御する電磁カウンタ制御処理を行う(ST407)。
次に、メインCPU53は、ランプ駆動回路62を駆動することによって、1ベット表示部16a、2ベット表示部16b及び最大ベット表示部16cなどを点滅する制御を行う(ST408)。
次に、メインCPU53は、表示部駆動回路61を駆動することによって、ボーナス遊技情報表示部13、払出表示部14及びクレジット表示部15などの表示の制御を行い(ST409)、本処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチスロ1によれば、遊技者によりストップボタン11Rが押圧操作されたときにおけるパルスカウンタが14未満のとき、所定の内部当選役(例えば、RB)が決定されたか否かに応じて、リール3Rの回転の停止が開始する位置として、現在の図柄カウンタが適用されたり、当該図柄カウンタに1加算されるまで待機し、リール3Rの回転方向に向かって次の図柄の位置が適用されたりする。そして、ここで決定された図柄の位置に基づいて、滑り駒数が決定され、リール3Rの回転が停止する。即ち、遊技者が、ステッピングモータ45Rの回転角レベルで、同一のタイミングでストップボタン11Rを押圧操作したとしても、リール3Rの回転の停止が開始する位置が異なる場合が生じる。この結果、遊技者がストップボタン11Rを押圧操作するタイミングを計ることをより困難なものとすることができ、遊技者の挑戦意欲を煽ることができる。
また、リール3Rの回転の停止が開始する位置を多岐なものとしたことから、リール3Rの回転の停止が開始する位置に応じて異なる滑り駒数が決定され、仮に、表示窓21Rにより表示される図柄が同じになるとしても、リール3Rの回転が停止するまでの時間が異なり、遊技者に違和感を与えることができる。また、リール3Rの回転の停止が開始する位置が異なるにもかかわらず、同じ滑り駒数が決定された場合、リール3Rの回転が停止するまでの時間も同様となるが、表示窓21Rにより表示される図柄が異なるため、遊技者に違和感を与えることができる。即ち、リール3Rの回転が停止する過程の変化により、何らかの事象が発生したのではないかと遊技者に思わしめたりするなどして、パチスロ1の面白味を向上させることができる。
また、滑り駒数として「0」が決定されたときにおいて、パルスカウンタが「0」(「16」)、「14」及び「15」のときに停止制御が開始されると、図柄の中心が有効ラインを越えずにリールの回転が停止する一方、滑り駒数として「0」が決定されたときにおいて、パルスカウンタが「1」〜「13」のときに停止制御が開始されると、図柄の中心が有効ラインを越えてリールの回転が停止する場合が生じる。従って、仮に表示窓21L、21C、21Rにより同一の図柄が表示されるのであっても、その表示態様に変化が生じ、違和感を遊技者に与えることができる。また、このような違和感により、所定の内部当選役が決定されたことを知ること遊技者に知らしめることも可能となる。
また、上記実施の形態によれば、停止操作が行われたときのパルスカウンタに基づいて、停止開始位置が異なるので、停止テーブルを複数種類設けることなく、即ち、データの容量の増加を極力防ぎつつ、出目を多様なものとすることが可能となる。
また、ストップボタン11Rが押圧操作されたときのパルスカウンタが14未満のときに、図柄更新処理を行わない条件として、所定の抽選に当選したとき、所定の遊技状態にあるとき、連続する複数のゲームから構成される所定期間内にあるとき、10×n(nは整数)ゲーム目など予め定められたゲームであるとき、いわゆる設定変更が行われた後の最初のゲームであるとき、電源がオンされた後の最初のゲームであるとき、いわゆるAT(AssistTime)やRT(ReplayTime)が開始するゲームであるとき、などが挙げられる。このように、何らかの条件を備えることにより、その条件が達成したことを遊技者に報知することができるという効果を奏す。尚、これら例示したものに限らず、遊技者に何らかの情報を報知することを目的にしたり、ゲームを彩る演出を目的にしたりして良く、各種構成の適宜の組合せも適用可能である。
また、本実施の形態のように、停止操作の対象となったリールの種別が特定のものか否かを判別するリール種別判別部を備え、停止操作の対象となったリールの種別が特定のものであると判別されたことを条件に、ストップボタンが押圧操作されたときのパルスカウンタが14未満のとき、図柄更新処理を行わない構成であっても良い。また、停止操作の種別が特定のもの(例えば、最初の停止操作又は最後の停止操作)か否かを判別する操作種別判別部を備え、停止操作の種別が特定のものであると判別されたことを条件に、ストップボタンが押圧操作されたときのパルスカウンタが14未満のとき、図柄更新処理を行わない構成であっても良い。これら2の構成を適用した場合、例えば、有効ラインに図柄の組合せが表示されたとき、ズレが大きすぎて、遊技者が、何れの表示役が決定されたのかを識別することが困難になってしまう状態を回避することができる。尚、停止操作の対象となったリールの種別にかかわらず、所定の条件が成立したか否かに応じて、ストップボタンが押圧操作されたときのパルスカウンタが14未満のとき、図柄更新処理を行わない構成であっても良い。
そして、上述してきたパチスロ1の動作を、家庭用ゲームとして擬似的に実行可能にするゲームプログラムにも適用しても良い。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)等、任意の記録媒体を利用することができる。
その他、パチスロ1の構成に関し、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。