以下、本発明をパチンコ機に適用した一実施形態について、各対応図面を参照しながら説明する。
(1.第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態としての遊技機が適用されたパチンコ機1の構成例を示す正面図である。以下、まずパチンコ機1の概要構成例について説明する。
このパチンコ機1は、基枠が、ヒンジ機構を介して木製の外枠に開閉可能に装着され、その基枠には、前面枠(ガラス枠5)がヒンジ機構を介して、その基枠に開閉可能に装着されている。本実施形態では、これら基枠や前面枠(ガラス枠5)等の枠体を総称して「本体枠17」と呼称する。このうち基枠には、遊技盤2が着脱可能に嵌め込まれている。この遊技盤2には、その前面にほぼ円形の遊技領域が形成されており、その遊技領域には、多数の誘導釘(図示されていない)が所定のゲージ配列で打設されているほか、図示しない風車や各種入賞口15(始動入賞口、大入賞口、一般入賞口等)、ゲート口13、パネル装飾ランプ(参照符号なし)等が盤面構成要素として配設されている。各種入賞口15には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出器(図1において図示せず)が設けられている。また遊技盤2の裏面には、図1において図示しないメイン制御基板、サブ制御基板及び図柄制御基板などの各基板や電子部品が装着されている。
またガラス枠5には、多数の枠ランプ(枠装飾ランプ31など)が装飾的に配置されるほか、遊技の進行に伴い音響出力を行うための上部スピーカ29や、遊技者が適宜プッシュ操作できる演出ボタン10等が設置されている。また、パチンコ機1の前面には、遊技球を容れるための上皿4がガラス枠5側に設けられているとともに下皿6が基枠側に設けられている。またその他にも、その右下隅位置には上皿4に収容された遊技球を順次発射させるために遊技者が操作する発射ハンドル8が、基枠側に設けられている。また上皿4の左側位置の内側には、下部スピーカ29が配置されている。なお、パチンコ機1は通常、遊技場の島設備に複数台が横方向に並べて設置されており、その台間サンド12としてカードユニット(CR機の場合)が設けられている。
また、センター役物14の下縁部には球ステージ14aが形成されており、この球ステージ14a上に遊技球が誘導されると、そこで一時的に滞留しながら動きに変化が与えられる。球ステージ14aにおいて動きが与えられた遊技球は、この球ステージ14aに形成された球誘導路14bの入口に落下すると、この球誘導路14bに誘導されてその直下に設けられた入賞検出器(図1において図示せず)によって入賞が検出される。
また遊技盤2の右下縁部には、例えば4つの発光ダイオード(LED)を含む特別図柄表示装置41が設けられている。この特別図柄表示装置41は、後述するメイン制御基板に接続されており、始動入賞を契機に点灯或いは消灯状態を繰り返すとともに、メイン制御基板において実行した内部的な抽選(大当り抽選)の結果に応じた点灯状態或いは消灯状態となる。またさらに、この遊技盤2の右下縁部には、例えば2つの発光ダイオード(LED)を含む普通図柄表示装置42が設けられている。この普通図柄表示装置42も、メイン制御基板に接続されており、ゲート口13の通過を契機に所定期間にわたり点灯状態を変化させる構成となっている。ここで、この普通図柄表示装置42の点灯状態が所定の点灯状態となると、例えば電動チューリップ型の始動入賞装置(入賞検出手段)を所定時間入賞しやすい開状態にする。
また、上記のセンター役物14内に装飾図柄表示装置16が配置されており、この装飾図柄表示装置16は、上記特別図柄表示装置41による点灯状態或いは消灯状態を、装飾的に表した装飾図柄を表示するものである。この装飾図柄表示装置16は、例えば始動入賞口への入賞を契機として表示内容が変化し、上記特別図柄表示装置41の点灯状態或いは消灯状態に応じて、装飾図柄の変動を表す画像等が表示される。この装飾図柄は、一定時間に渡って変動した後に停止し、このとき所定の停止図柄態様(例えば同種の装飾図柄が3つ揃った表示態様)になると大当りになり、パチンコ機1において特別な遊技状態に移行する。
特別遊技状態に移行すると、装飾図柄表示装置16による表示内容が大当り中のラウンド表示に切り替わり、そこでラウンド演出(入賞個数のカウント表示や継続ラウンド回数など)が実行される。さらに特別遊技状態後の特典遊技(いわゆる「確変」や「時短」など)に移行すると、それぞれ特典遊技中である旨の情報(「確変中」や「時短中」)などが表示される場合もある。
また遊技盤2におけるセンター役物14の下縁部左右には、例えば2つずつ合計4つの発光ダイオード(LED)を含む特別図柄保留ランプ43が設けられている。この特別図柄保留ランプ43は、メイン制御基板に接続されており、図柄表示手段としての特別図柄表示装置41による点灯状態が変化中に始動入賞を保留して、その保留状況を表示する構成となっている。具体的には、各特別図柄保留ランプ43には、例えば「1」、「2」、「3」、「4」という数字をかたどった発光領域が設けられており、これら各発光領域が左から右へ「1」〜「4」を表すようにして順番に配列している。これら4つの発光領域は、「1」〜「4」の発光(点灯)態様に応じて特別図柄の始動記憶数(1〜4)を表している。
さらに遊技盤2の下縁部には、例えば2つの発光ダイオード(LED)を含む普通図柄保留ランプ44が設けられている。この普通図柄保留ランプ44は、メイン制御基板に接続されており、普通図柄表示装置42による点灯状態が変化中にゲート口13の通過を保留して、その保留状況を表示する構成となっている。この普通図柄保留ランプ44の近傍には、大当り種類表示ランプ45が2つ配列している。これら大当り種類表示ランプ45は、大当りとなった場合に少なくとも1つが点灯し、それによって大当りの種類を表示する。また遊技盤2の背面には、図1において図示しないメイン制御基板、サブ制御基板及び表示制御基板(後述する装飾図柄制御基板30)などが配設されている。
(2.パチンコ機の電気的な構成例)
図2は、パチンコ機1の電気的な構成例を示すブロック図である。
本体枠17には、払出制御基板25及び発射制御基板47が配設されている。一方、遊技盤2の背面には、その上部にメイン制御基板3(遊技制御部)及びサブ制御基板35(演出制御部)が設けられている。さらに、この遊技盤2の中央に配置された装飾図柄表示装置16の背面位置には、装飾図柄制御基板30が設けられており、この装飾図柄制御基板30は装飾図柄表示装置16に接続されている。
上記メイン制御基板3は、サブ制御基板35や払出制御基板25などの基板に接続されている。この払出制御基板25は、発射制御基板47や賞球払出装置21にも接続されており、このサブ制御基板35は、表示動作を制御する装飾図柄制御基板30にも接続されている。なお、このサブ制御基板35は、装飾図柄制御基板30の機能を備えている形態であっても良い。
サブ制御基板35は、装飾図柄制御基板30に対して、遊技動作中には遊技の進行に応じた演出表示動作を制御するための演出表示コマンドを送信する。装飾図柄制御基板30は、その演出表示コマンドを受信して、遊技領域のほぼ中央位置に設けられた装飾図柄表示装置16に、遊技の進行に応じたキャラクタ画像(以下「キャラクタ」と呼称する)を含む映像を表示させる。また、このサブ制御基板35は、ランプ中継基板32及びランプ中継基板34を介してパネル装飾ランプ12及び枠装飾ランプ31を点灯制御する。
ここで、このキャラクタには、例えば図柄の変動表示に関する映像、変動している図柄が所定の停止図柄態様(例えば同種の図柄が3つ揃った表示態様)になるかもしれないことを暗示する暗示演出に関する画像を含んでいる。例えば変動表示途中に同種の図柄が2つ揃うリーチ演出に関する変動パターンは、3つの図柄が変動表示を開始して図柄が1つ停止するまでのシーン、その後、同種の図柄が2つ揃うまでのシーンなど、複数のシーンの組み合わせで構成されている。そして、これら各シーンは、予め決められた順序で連続的に表示されるものである。
また各シーンは、動画像やスプライトの少なくとも一方を含んでおり、例えば動画像として映画のワンシーンを背景とするとともに、前景にスプライトとして図柄を重ねて表示した映像である。本実施形態では、この映像を1秒間に60枚のフレームによってフレーム割りしたフレームレートで、これらフレーム群の各フレームを次々に連続切り替え表示することで、表示態様が動的に変化する映像を表す。本実施形態では、このフレーム(コマ)を作るときに用いる動画像やスプライトを「シーンの素材」と呼称する。なお、本実施形態では、シーンの素材として、特に動画像に関して触れる必要性のある部分以外においては、主としてスプライトを例示している。
例示したリーチ演出の変動パターンは、リーチ演出の種類に応じて複数のパターンがある。各シーンは、表示すべき変動パターンに応じて、いくつかのシーンが組み合わされて使用されるものであり、各変動パターンによって1回しか使用されないシーンもあれば、共通して使用されるシーンもある。
次にスピーカ29は、例えばパチンコ機1の前面枠(ガラス枠5)上部や上皿4の基枠側に配設されており、スピーカ29からは、遊技の進行に伴う効果音や音声等が出力されるものとなっている。
メイン制御基板3は、CPU3a(以下「メインCPU」と呼称する)、RAM3b、ROM3c、入出力インターフェース等(全ては図示されていない)の電子部品類を備えている。このメイン制御基板3には、複数の入賞検出器15a(入賞検出手段)が接続されており、この入賞検出器15aは、遊技領域内にて各種の入賞口15(始動入賞口や大入賞口、一般入賞口等)への入球があったことを検出し、その検出信号をメイン制御基板3に出力する。また、ゲート口13を遊技球が通過した際にも、ゲート通過検出器(ゲートスイッチ)13aによって遊技球の通過が検出され、ゲート通過信号が発生するようになっている。
メイン制御基板3には、大入賞口ソレノイド18が接続されており、大当り抽選において大当りとなり特別遊技状態に移行すると、大入賞口ソレノイド18の作動によって大入賞口を開閉制御する。
メイン制御基板3による遊技動作の制御は、例えばメインCPU3aが所定の制御プログラム(以下「主制御プログラム」と呼称する)を実行することで行われる。メインCPU3aは、この主制御プログラムの実行に伴いソフトウェア上の乱数を生成し、始動入賞口への入賞を検出すると、これを契機として乱数を取得する。このときメインCPU3aは、取得した乱数値が所定の当り値に一致しているか否かを判断し(抽選)、所定の当り値に一致していると、サブ制御基板35に対して、大当りの態様で演出動作を実行させる演出コマンドを出力する。この後、実際に装飾図柄表示装置16にて大当りの態様で図柄の組み合わせが表示され、大当り状態(特別遊技状態)となる。
一方、メインCPU3aは、取得した乱数値が所定の当り値に一致していないと、サブ制御基板35に対してはずれの態様で演出動作を実行させる演出コマンドを出力し、サブ制御基板35は、演出コマンドの受け取りを契機として、はずれの態様で装飾図柄の組み合わせを装飾図柄表示装置16に表示させるべく、装飾図柄制御基板30に対して演出表示コマンドを出力する。この後は、通常の遊技が継続する。メインCPU3aにおいて決定するのは抽選結果と変動パターンであり、このメインCPU3aは、これら抽選結果と変動パターンに関するコマンドを、サブ制御基板35に対して出力する。
サブ制御基板35は、CPU35a(以下「サブCPU」と呼称する)、RAM35b、ROM35c、入力インターフェースなどの電子部品類を備えている。またサブ制御基板35は、図示しないコマンド受信バッファを有しており、割込み受信したコマンド(抽選結果や変動パターンに関するコマンド、遊技状態コマンドなど)を、このコマンド受信バッファに格納しておく。サブ制御基板35は、コマンド受信バッファに格納されたコマンドを取得して解析する。このサブ制御基板35は、解析結果に基づいてスピーカ29から音を出力させたり、ランプ中継基板32を介してパネル装飾ランプ12を所定の色で点灯させたり消灯させたり、ランプ中継基板34を介して枠装飾ランプ31を所定の色で点灯させたり消灯させるようになっている。
またサブ制御基板35のサブCPU35aは、リーチ予告やリーチ演出などのメインCPU3aが決定しない演出項目について決定する。そして、このサブCPU35aは、解析したコマンドの内容から視覚的な演出動作に係るコマンドを、装飾図柄制御基板30に対して送信する。なお、本実施形態では、サブ制御基板35が装飾図柄制御基板30に対して出力する演出動作に係るコマンドを「演出表示コマンド」と呼称している。この演出表示コマンドには、メイン制御基板3からの演出コマンド(変動パターンコマンドなど)の内容に応じた演出項目に関する情報が含められており、この装飾図柄制御基板30は、受信した演出表示コマンドに含まれる演出項目に関する情報に基づいて、装飾図柄表示装置16によって演出表示動作を制御する。また、サブ制御基板35のサブCPU35aは、2msごとに実行される定時間タイマ割込み処理により、パネル装飾ランプ(図示せず)を点灯したり消灯する制御データの出力など、演出に係る処理を実行するとともに、この定時間タイマ割込み処理を8回実行、16msごとに装飾図柄表示装置16に対するコマンド送信処理などを実行している。メイン制御基板3から受け取った遊技状態コマンドは、16msごとに実行されるコマンド送信処理において装飾図柄制御基板30に対して送信される。
大当り状態になると、メイン制御基板3(のメインCPU3a)は、特別遊技状態へと移行することで大入賞口ソレノイド18を作動させ、大入賞口の開閉扉を所定のパターンで開閉させる。このとき遊技者は、開放中に遊技媒体の一例としての遊技球を入賞させて多くの賞球を獲得することができる。上記以外にもメイン制御基板3による遊技動作の制御は各種の内容があるが、いずれも公知であるためここでは詳細な説明を省略する。
払出制御基板25もまたCPU25a(以下「払出CPU」と呼称する)、RAM25b、ROM25c、入出力インターフェース等(全ては図示されていない)を有しており、特に払出制御基板25はメイン制御基板3との間で双方向通信可能に接続されている。すなわち、メイン制御基板3と払出制御基板25との間にはシリアル信号の上下線Su,Sdと、これらに並行してACK信号の送信線Au,Adとが敷設されている。
例えば、メイン制御基板3が、賞球の払出を指示する賞球コマンドを下り線Sdを通じてシリアル形式で送信すると、これを受け取った払出制御基板25が、送信線Auを通じてメイン制御基板3に対してACK信号を送信する。また払出制御基板25が、払出制御基板25の状態を示す状態コマンド(例えば払出処理中)を、上り線Suを通じてメイン制御基板3に対して送信すると、これを受け取ったメイン制御基板3は、送信線Adを通じて払出制御基板25に対してACK信号を送信する。
パチンコ機1には、その本体枠17に賞球払出装置21が設けられており、この賞球払出装置21による遊技球の払出動作は払出制御基板25により制御されている。すなわち払出制御基板25は、メイン制御基板3から賞球コマンドを受け取ると賞球払出装置21の払出モータ20を作動させ、この賞球コマンドにより指示された個数分の払出動作を行わせる。このとき、実際に払い出された賞球数は、払出球検出器22によって一個ずつ検出されて、払出制御基板25にフィードバックされる。一方、払出モータ20の回転状態(回転角)は、モータ駆動センサ24により検出されて同じく払出制御基板25にフィードバックされるものとなっている。
その他、発射制御基板47には、発射モータ49の他に発射ハンドル8からの信号線が接続されている。この発射ハンドル8にはタッチ検出部48が内蔵されており、このタッチ検出部48は、人体(遊技者)の接触を検出して、そのタッチ検出信号を発射制御基板47に出力する。また発射ハンドル8は、発射スイッチ(図示しない)を内蔵しており、発射ハンドル8の回動によりON信号を発射制御基板47に出力する。この発射制御基板47は、上記台間サンド12としてのカードユニットによって出力されるカードユニット接続信号が払出制御基板25を介して入力されると、遊技球の発射動作を制御する機能を有している。この発射制御基板47は、このカードユニット接続信号、タッチ検出信号及びON信号を受け取った状態ではじめて発射モータ49の駆動を許可し、これにより遊技球の発射動作を行わせることができる。
払出制御基板25の払出CPU25aは、球ガミ、球切れ、満タンや、メイン制御基板3と払出制御基板25との接続異常などの障害を検出すると、払出制御基板25においてその障害の種類に応じたエラー情報が表示される。具体的には、払出制御基板25には7セグメントLED4aが設けられており、この7セグメントLED4aには、例えばそれら各種の障害の種類ごとにエラー番号が数字で表示されるものとなっている。
また、払出制御基板25にはエラー解除手段としての操作スイッチ4bが設けられており、この操作スイッチ4bは外部から操作可能な位置に配置されている。この操作スイッチ4bは、それら各種の障害が発生したとき、各障害への対処方法の音声ガイダンスするときの契機として用いられるとともに、7セグメントLED4aに表示されるエラー情報(数字表示)のクリアに用いられる。
(3.装飾図柄制御基板)
図3は、装飾図柄制御基板30の電気的な構成を簡素化して図示した一例を示すブロック図である。
図3に示す装飾図柄制御基板30は、キャラクタROM340、第1キャラクタRAM321、第2キャラクタRAM322、中央演算処理装置(以下「図柄CPU」と呼称する)311、制御ROM325、映像表示プロセッサ330及びメモリインターフェース制御回路324を備えている。
この装飾図柄制御基板30は、サブ制御基板35からの演出表示コマンドに基づいて演出表示動作を制御する機能を有する。この装飾図柄制御基板30においては、図柄表示制御プログラム(制御プログラム)の実行によって演出表示動作が制御されている。この装飾図柄制御基板30は、図柄CPU311の制御によって、メモリインターフェース制御回路324を介して、キャラクタROM340から読み出したスプライトデータ等をキャラクタRAM321,322に展開する一方、VDP330がこれらキャラクタRAM321,322に展開済みのスプライトデータ等に基づいて描画データを生成する。またこの装飾図柄制御基板30は、上記装飾図柄表示装置16に接続されており、表示させるべき映像に対応した描画データを装飾図柄表示装置16に出力する構成となっている。この装飾図柄制御基板30を構成する各種回路は、例えば6層の配線層を持つ単一の基板上に設けられている。以下、各構成について具体的に説明する。
(3−1.キャラクタROMの構成例)
ここで、装飾図柄制御基板30はキャラクタROM340を搭載しており、このキャラクタROM340には、変動表示パターンを構成する各シーンに係るデータ(映像の表示に必要なデータ)群が予め記憶されている。すなわち、このキャラクタROM340は、各シーンの表示に必要な素材としての動画像データやスプライトデータを含んでいるのである。この動画像データは、動画像を構成する一連のフレームに各々対応したフレームデータ群を含んでいる。
ここでスプライトデータは、予め設定された可逆な圧縮方式によってデータ構造が圧縮された状態で、キャラクタROM340に格納されている。一方、動画像データは、予め設定された非可逆な圧縮方式によってデータ構造が圧縮された状態で、キャラクタROM340に格納されている。本実施形態では、圧縮されたスプライトデータを「圧縮スプライトデータ」と呼称し、圧縮された動画像データを「圧縮動画像データ」と呼称する。
ここでスプライトは、その表示態様として、背景としての動画像に重ねた場合、この動画像を視覚的に透過しない非透過領域及び、背景としての動画像を視覚的に透過する透過領域を有する。なお、スプライト同士を重ねた場合においては、前景側のスプライトの非透過領域が背景側のスプライトを視覚的に透過せず、前景側のスプライトの透過領域が背景側のスプライトを視覚的に透過する。なお、本実施形態では、スプライトの非透過領域に含まれている画素を「非透過画素」と呼称するとともに、スプライトの透過領域に含まれている画素を「透過画素」と呼称している。
このスプライトは、例えば64ドット×64ドットの画素(ピクセル)を有しており、各画素が256色で表されるようになっている。すなわち、各スプライトは64ドット×64ドットの表示範囲で表示される画像であり、この表示範囲を超える画像は、複数のスプライトを縦横に数枚組み合わせて視覚的に構成されるようになっている。すなわち、各スプライトの表示に用いるスプライトデータは、例えば64ビット×64ビット×8ビット(256色)で表されるピクセルデータを含んでいる。なお、このスプライトデータのデータ構成に関しては、後述する。
(3−2.制御ROMの構成例)
また、装飾図柄制御基板30は制御ROM325を備えており、この制御ROM325
は、図柄表示制御プログラム及び展開テーブルを不揮発的に記憶している。この図柄表示制御プログラムは、図柄CPU311が実行するものである。この展開テーブルは、上記変動表示パターンを表示するにあたり図柄CPU311が参照するものであり、その変動表示パターンを構成するシーンの組み合わせや各シーンの表示順序を管理している。なお、図柄表示制御プログラムが、この展開テーブルの機能を含んでいても良い。
具体的には、この展開テーブルは、キャラクタRAM321,322においてシーン表示に必要なスプライトデータの展開先(展開先アドレスなど)に関する展開情報及びスケジューラデータ(表示情報)を含んでいる。なお、各シーンには少なくとも1つのキャラクタが含まれており、各キャラクタは少なくとも1つのスプライトによって構成されている。ここでいうスケジューラデータは、キャラクタの表示に用いるべきスプライトデータの先頭アドレス、キャラクタを構成するスプライトの構成枚数(縦及び横方向の枚数)、スプライトの識別子(スプライト番号など)及び、重ね合わせた場合の優先順位(以下「重ね合わせ優先順位」と呼称する)などの情報であって、後述する描画に用いる描画データを表示順序に記憶した表示情報を含んでいる。このうち「重ね合わせ優先順位」とは、スプライト同士(或いはスプライトと背景画像)を重ねる場合に、どのスプライトが上位側に配置すべきであるかに関する表示上の優先順位を表している。なお、制御ROM325においては、このスケジューラデータに展開情報が含まれて記憶されている形態又は、スケジューラデータと展開情報が並列して存在している形態のいずれであっても良い。
(3−3.図柄CPUの構成例)
また図柄CPU311(Central Processing Unit)は、SRAM(Static Ramdom Access Memory)を内蔵しており、その外側から制御ROM325がチップセレクト信号線で接続されている。本実施形態では、図柄CPU311が搭載するSRAMなどのメモリを「内蔵メモリ(図示せず)」と呼称する。また、この図柄CPU311は、制御ROM325に対して図示しないアドレス線及びデータ線によって接続されている。この制御ROM325は、演出表示動作を制御する図柄表示制御プログラムを格納する読み出し専用メモリである。
この図柄CPU311(表示制御プロセッサ)は、制御ROM325から内蔵メモリに読み込んだ図柄表示制御プログラムの動作によって、サブ制御基板35からの演出表示コマンドに基づいてVDP330の動作を制御する。この図柄CPU311は、サブ制御基板35から受信した上記演出表示コマンドを解析し、この解析結果に応じた演出表示動作の実行を制御する。
また図柄CPU311は、スプライトデータの展開指示にあたり、展開テーブルの内容を参照して、各シーンの種類ごとに、そのシーンの表示に用いるスプライト(や動画像)を把握し、このスプライトの表示に用いるスプライトデータを特定したり、動画像の表示に用いる動画像データを特定する。さらに図柄CPU311は、制御ROM325の展開テーブルを参照し、キャラクタRAM321,322におけるどの位置に、そのシーン表示に必要なスプライトデータ(や動画像データ)を展開すべきかに関する展開情報を取得して、後述するメモリインターフェース制御回路324に指令する。
また図柄CPU311は、描画指示にあたり、制御ROM325のスケジューラデータから後述するスプライト属性データやバックグラウンド属性データを生成し、各々VDP330に書き込むことで、描画態様を指令する。具体的には、図柄CPU311は、スケジューラデータに基づいて、スプライトのスプライト番号、このスプライト番号に該当するスプライトデータの展開先アドレス、スプライトを表示すべき座標、スプライトの構成枚数、スプライトを配置すべきレイヤー及び、このスプライトの表示色に関するパレット番号に関する情報を、スプライト属性データに含めている。なお、図柄CPU311は、重ね合わせ優先順位に従ってスプライトを配置すべきレイヤーを決定している。一方、図柄CPU311は、スケジューラに基づいて、背景画像のスプライト番号、この背景画像の表示色に関するパレット番号を、バックグラウンド属性データに含めている。
(4.メモリインターフェース制御回路の構成例)
図3に示すメモリインターフェース制御回路324は、図柄CPU311の制御によって、キャラクタROM340、第1キャラクタRAM321及び第2キャラクタRAM322と、VDP330との間のデータの受け渡しに関するインターフェースを制御する機能を有する。これらキャラクタRAM321,322には、各々チップレベルで同一のアドレスが付されたメモリ空間に、例えば使用頻度の高い同一のスプライトデータが展開されるようになっている。ここで、「チップレベルで同一のアドレスが付されている」とは、これらキャラクタRAM321,322のメモリ空間を各々独立して区別して見た場合に、これらキャラクタRAM321,322のメモリ空間に各々同一のアドレスが付されていることを示している。このようにすると、このVDP330は、キャラクタRAM321,322が切り替えられたとしても、これらキャラクタRAM321,322を各々区別することができないようになっている。
このメモリインターフェース制御回路324は、制御レジスタ群315a、画像伸張回路327及び展開データメモリコントローラ315を備えている。このメモリインターフェース制御回路324は、キャラクタROM340、図柄CPU311、VDP330及びキャラクタRAM321,322にそれぞれ接続されている。
(4−1.画像伸張回路の構成)
画像伸張回路327は、図柄CPU311によってレジスタ群315aに書き込まれる設定値によって、圧縮スプライトデータについて伸張処理を開始するようになっている。また、この画像伸張回路327は、図柄CPU311によってレジスタ群315aに書き込まれる設定値によって、圧縮動画像データについて伸張処理を開始するようになっている。また、この画像伸張回路327は、制御レジスタ群315aに書き込まれる設定値によって、転送元であるキャラクタROM340の圧縮動画像データの読み出し開始アドレス、読み出すデータ数(バイト数)、転送先であるキャラクタRAM321又はキャラクタRAM322への伸張データの書き込みアドレスを認識することができる。また、この制御レジスタ群315aは、伸張の処理状態、その他(実行中、停止中)などが確認できるステータスレジスタを含んでいる。
ここで、図柄CPU311は、画像伸張回路327による動画像及び静止画像に関する伸張動作を各々独立して制御する機能を有する。この画像伸張回路327はスプライト伸張部を有しており、このスプライト伸張部は、図柄CPU311による制御レジスタ群315aへの書き込みに基づいて、予め設定された可逆なスプライト伸張方式に従って、それぞれ指定された領域の可逆圧縮された圧縮スプライトデータを個々にスプライトデータに伸張する。さらに、この画像伸張回路327は動画像伸張部を有しており、この動画像伸張部は、図柄CPU311による上記書き込みに基づいて、非可逆圧縮された圧縮動画像データを予め設定された動画像伸張方式に従って伸張して動画像データとする。このように画像伸張回路327を搭載していると、アクセスが低速ながら安価なキャラクタROM340に、多くのスプライトデータや動画像データを圧縮して格納しておくことができる。
画像伸張回路327は、制御レジスタ群315aに書き込まれた設定値に従って、キャラクタROM340から、表示すべき変動表示パターンに含まれる各シーンを表示するための圧縮動画像データ及び圧縮スプライトデータを読み出す制御を行う。ここで図柄CPU311は、制御レジスタ群315aに、接続されるキャラクタROM340の種類を設定することにより、メモリインターフェース制御回路324は、様々な種類のキャラクタROMを採用することができる。
(4−2.展開データメモリコントローラ)
展開データメモリコントローラ315は、図柄CPU311によってレジスタ群315aに書き込まれた設定値に従って、第1キャラクタRAM321及び第2キャラクタRAM322における書込状態(「展開状態」とも呼称する)と読出状態との切り替え条件が指定される。本実施形態では、この展開データメモリコントローラ315は、図柄CPU311の制御によって、第1キャラクタRAM321と第2キャラクタRAM322とを切り替えている。つまり、これら両キャラクタRAM321,322は、図柄CPU311の制御によって、一方のキャラクタRAM321が書込状態になり、他方のキャラクタRAM322が読出状態になる。つまりVDP330は、一方のキャラクタRAM321へスプライトデータ(や動画像データ)が展開されている最中に、他方のキャラクタRAM322から書込済みのスプライトデータ(や動画像データ)を読み出すことができる。
そして、この展開データメモリコントローラ315は、図柄CPU311によってレジスタ群315aに書き込まれた設定値に従って、第1キャラクタRAM321へのスプライトデータ及び動画像データの展開や読み出しを制御する機能を有する一方、第2キャラクタRAM322へのスプライトデータ及び動画像データの展開や読み出しを制御する機能を有する。
(4−3.レジスタの構成)
制御レジスタ群315aには、さらに図柄CPU311が転送元アドレス、転送バイト数及び転送先アドレスを書き込み可能な構成となっている。この転送元アドレスとは、キャラクタROM340からキャラクタRAM321,322に転送すべきスプライトデータ(や動画像データ)の転送元アドレスを示している。ここで、転送先アドレスとは、キャラクタROM340からキャラクタRAM321,322に転送すべきスプライトデータ(や動画像データ)の転送先アドレスを示している。また、転送バイト数は、キャラクタROM340からキャラクタRAM321,322に転送すべきスプライトデータ(や動画像データ)のバイト数を示している。なお、動画像データは、各フレームに対応した転送バイト数が設定されてフレーム単位ごとに、フレームデータとして転送可能になっている。
(4−4.キャラクタRAMの切り替え構成)
図3に示す第1キャラクタRAM321及び第2キャラクタRAM322は、それぞれ展開データメモリコントローラ315の制御によって、動画像データやスプライトデータを一時的に記憶する書込状態(展開状態)と、記憶済みの動画像データやスプライトデータを読み出す読出状態とが、互いに逆になるように交互に切り替わる構成となっている。
より具体的には、第1キャラクタRAM321へ展開している期間(以下「第1展開期間」と呼称する)においては、第2キャラクタRAM322から動画像データやスプライトデータを読み出されるよう制御されている。一方、第2キャラクタRAM322へ展開している期間(以下「第2展開期間」と呼称する)においては、第1キャラクタRAM321から読み出されるよう制御されている。本実施形態では、この展開データメモリコントローラ315は、図柄CPU311による設定に従って、キャラクタRAM321,322の切り替えを制御している。
この展開データメモリコントローラ315は、その図柄CPU311による設定に応じて、VDP330が出力する外部信号である垂直同期信号(いわゆるVブランク信号)を契機に、これら第1展開期間と第2展開期間とが繰り返し連続するように、第1キャラクタRAM321及び第2キャラクタRAM322の切り替え動作を制御することも採用することができる。なお、本実施形態においては、展開データメモリコントローラ315は、図柄CPU311の制御に従って、キャラクタRAM321,322が切り替えられているものとする。
(4−5.キャラクタRAMのメモリ空間管理)
ここで本実施形態では、VDP330がメモリインターフェース制御回路324を介して見た場合、これら第1キャラクタRAM321及び第2キャラクタRAM322のメモリ空間が1つであるかのように見えている。つまり、これら第1キャラクタRAM321のメモリ空間と第2キャラクタRAM322のメモリ空間とは、VDP330から見た場合、区別する必要がないようにしている。
これら第1キャラクタRAM321及び第2キャラクタRAM322の常駐エリアには、各々同一のスプライトデータ(素材画像データ)が展開される一方、これらの常駐エリア外には、動画像データ(素材画像データ)がフレーム単位で交互に展開される。つまり、キャラクタRAM321,322の常駐エリア外には、動画像の表示に用いる動画像データをフレーム単位で分けたフレームデータ群が各々交互に展開されている。ここで、動画像データのデータサイズが大きくなると、その取り扱い制御に関する負担が増大するものの、本実施形態では、使用頻度の高いスプライトデータを常駐エリアに恒常的に展開しておき、メモリインターフェース制御回路324の処理能力(展開などの処理能力)を、例えば取り扱いに負担の掛かる動画像データの取り扱い制御に集中的に専念させることができるようにしている。
ここで、本実施形態においては、第1キャラクタRAM321及び第2キャラクタRAM322は、各々変動表示パターンに使用するシーンの組み合わせの表示に必要なスプライトデータ(や動画像データ)を一時的に記憶可能な構成となっている。ここで、これらキャラクタRAM321,322には、各々シーンが表示される前に、このシーンの表示に必要なスプライトデータがキャラクタROM340からキャラクタRAM321,322へ展開されている。また、これら第1キャラクタRAM321,322からは、展開データメモリコントローラ315の制御によって、それぞれシーンの組み合わせに各々必要なスプライトデータが読み出されるようになっている。ここである変動表示パターンを例示すると、図柄CPU311は、スケジューラデータに従って、この変動表示パターンに対応した指示をVDP330に対してする。すると、VDP330は、メモリインターフェース制御回路324を介してキャラクタRAM321,322からスプライトデータを読み出す。
このスプライトデータは、図4に示すようにピクセルデータPD以外にもヘッダ情報HDを含んでいる。ヘッダ情報HDは、このピクセルデータPDと対となるようにスプライトデータの一部として構成されている。このヘッダ情報HDは、非透過画素と透過画素とを画素ごとに識別可能とする画素識別子を格納している。なお、キャラクタROM340に格納されているスプライトデータ群は、各々、そのヘッダ情報HDに必ずしも画素識別子を含んでいなければならないわけではなく、スプライトデータ群のうち少なくとも1つのスプライトデータが、そのヘッダ情報HDに画素識別子を含んでいる形態であれば良い。
このスプライトに関してさらに具体的に説明すると、このスプライトは、例えば図5に示す各ドット(画素)によって構成されている。なお説明の簡素化のため、図示のスプライトの一例においては、スプライトが8ドット(画素)×8ドット(画素)で表されている。各画素は、上述のように8ビット(256色)で表される。
図示のスプライトは、例えば矢印を表しており、この矢印が上記表示範囲の中心に配置するように表されている。このスプライトにおいては、例えばいくつかの透過画素TG及び非透過画素HGによって視覚的に構成されている。すなわち、上記矢印の部分の画素は非透過画素HGによって構成されており、上記矢印以外の画素は透過画素TGによって構成されている。なお、本実施形態においては、スプライトにおける横方向を「列方向」と呼称し、縦方向を「行方向」と呼称している。
また、このスプライトにおいては、左上の画素から右上の画素までの列方向に沿って画素の配列場所を表す「画素列値」が設定されており、この画素列値としては、例えば左上の画素から右上の画素にまで、各々の画素に1〜8が設定されている。一方、このスプライトにおいては、左上の画素から左下の画素までの行方向に沿って画素の配列場所を表す「画素行値」が設定されており、この画素行値としては、例えば左上の画素から左下の画素まで、各々の画素に1〜8が設定されている。
ここで本実施形態では、上記画素識別子として、例えば行ごとに透過画素TGの数を管理している。また本実施形態では、このような行ごとの透過画素TGの数を管理するにあたり、さらに透過画素TGの数の数え方が、左右各々から数えるようになっている。すなわち、画素行値が「1」である場合においては、左からの画素識別子が「3」となっており、右からの画素識別子が「3」となっている。
また画素行値が「2」である場合においては、左からの画素識別子が「2」となっており、右からの画素識別子が「2」となっている。さらに画素行値が「3」である場合においては、左からの画素識別子が「1」となっており、右からの画素識別子が「1」となっている。また画素行値が「4」〜「8」である場合においては、左からの画素識別子が「3」となっており、右からの画素識別子が「3」となっている。なお、図5においてマトリクス状に配列している透過画素TG及び非透過画素HGの周囲に図示した数値「3」などは、該当する画素行値(例えば「1」)における1列の画素列における左右からの透過画素TGの数の一例を表している。
またキャラクタROM340においては、スプライトデータが、画素ごとに、非透過画素HGについて非透過画素データとして管理されているとともに、透過画素TGについては透過画素データとして管理されている。つまり、キャラクタROM340からスプライトデータを読み出す場合、少なくとも非透過画素HGについては、非透過画素データとして読み出せるようになっている。
図6及び図7は、各々図5に示すスプライトの表示に用いるスプライトデータのピクセルデータPD及びヘッダ情報HDの具体的な内容を示す図であり、図8は、VDP330が実質的にキャラクタROM340から読み出す画素数分の非透過画素データに基づく非透過画素HGの画素数の一例を示す図である。
例えばスプライト番号「100」に該当するスプライトのピクセルデータPDは、図6に示すように画素行値ごとに画素列値が1〜8にわたり設定されている。なお、画素行値が5〜8については、画素行値4の場合と同一であるため、図示を省略している。画素色指定とは、該当する画素について透明であるか否かの指定や色の指定を表している。例えば画素列値が1で画素行値が1で表される画素は、透明であることを表しており、画素列値が4で画素行値が1で表される画素は、白色であることを表している。このようなピクセルデータPDが画素行値2〜8にわたり設定されていることで、スプライトデータに基づくスプライトの各画素の色が指定されている。
本実施形態においては、このスプライトが、非透過画素HGを白色とするとともに透過画素TGを透明とした、いわゆる「指定方向外進入禁止」の矢印であるものとしている。このため、画素行値1に該当する1列の画素列においては、画素列値4,5に各々該当する画素が白色の非透過画素HGであり、残りの画素列値1,2,3,6,7,8に各々該当する画素が透明な透過画素TGとなっている。画素行値2に該当する1列の画素列においては、画素列値3,4,5,6に各々該当する画素が白色の非透過画素HGであり、残りの画素列値1,2,7,8に各々該当する画素が透明な透過画素TGとなっている。
画素行値3に該当する1列の画素列においては、画素列値2,4,6,8に各々該当する画素が白色の非透過画素HGとなっており、画素列値1,3,6,8に各々該当する画素が透明な透過画素TGとなっている。なお、この画素行値3に該当する1列の画素群においては、非透過画素HGと透過画素TGとが交互に登場しているため、本実施形態においては、画素列値2〜7に各々該当する画素を一括して管理するものとする。
また、画素行値4に該当する1列の画素列においては、画素列値4,5に各々該当する画素が白色の非透過画素HGとなっており、画素列値1,2,3,6,7,8に各々該当する画素が透明な透過画素TGとなっている。なお、画素行値5〜8に各々該当する1列の画素列は、上記画素行値4に該当する1列の画素列と同一の画素配列であるため、説明を省略する。
スプライトデータは、図6に示すピクセルデータPDに対応して、図7に示すヘッダ情報HDを有している。このヘッダ情報HDは、上記ピクセルデータPDに基づいて事前に設定されている情報である。このヘッダ情報HDにおいては、各画素行値における画素列ごとに、左右から白色の非透過画素HGが登場するまでに、いくつの透明な透過画素TGが配列しているかを、左右から(左右基準フラグ)の画素数(連続管理画素数)を管理することで、1枚のスプライトにおける非透過画素HGの位置を管理している。
この左右基準フラグは、1枚のスプライトに含まれる同一の画素行値に該当する各画素列について、左右どちらから画素を数えるかを表しており、例えば左右基準フラグが「1」である場合には左から数えることを示しており、左右基準フラグが「0」である場合には右から数えることを示している。なお、1つのスプライトの各画素の位置を特定するに当たっては、このように1つのスプライトに含まれる各画素を左右両方から各々分けて数える代わりに、左右いずれかから数えるようにしても良い。なお、上記画素識別子は、左右各々からの透過画素TGの連続管理画素数を表しており、これら左右基準フラグ及び連続管理画素数によって表される。
具体的には、VDPコントローラ331が、このヘッダ情報HDを参照すると、上記図6に示すピクセルデータPDを参照していないにもかかわらず、各画素行値に該当する1列の画素列において、次のように非透過画素HGと透過画素TGとが配列していることが分かるようになっている。
すなわち、画素行値が1に該当する1列の画素列においては、左から数えた場合(左右基準フラグ=「1」)、連続管理画素数が3である透明な透過画素TG及び、連続管理画素数が1である白色の非透過画素HGが配列していると判明するとともに、右から数えた場合(左右基準フラグ=「0」)、連続管理画素数が3である透明な透過画素TG及び、連続管理画素数が1である白色の非透過画素HGが配列していることが判明する。
また、この画素行値が2に該当する1列の画素列においては、左から数えた場合(左右基準フラグ=「1」)、連続管理画素数が2である透明な透過画素TG及び、連続管理画素数が2である白色の非透過画素HGが配列していると判明するとともに、右から数えた場合(左右基準フラグ=「0」)、連続管理画素数が2である透明な透過画素TG及び連続管理画素数が2である白色の非透過画素HGが配列していることが判明する。
また、この画素行値が3に該当する1列の画素列においては、左から数えた場合(左右基準フラグ=「1」)、連続管理画素数が1である透明な透過画素TG、連続管理画素数が6である1つの白色の非透過画素HG、1つの透明な透過画素TG及び1つの白色の非透過画素HGが配列していると判明する。これとともに、この画素行値が3に該当する1列の画素列においては、右から数えた場合(左右基準フラグ=「0」)、1つの透明な透過画素TG、1つの白色の非透過画素HG及び、連続管理画素数が2である透明な透過画素TG及び、連続管理画素数が6である1つの白色の非透過画素HGが配列していることが判明する。
また、この画素行値が4に該当する1列の画素列においては、左から数えた場合(左右基準フラグ=「1」)、連続管理画素数が3である透明な透過画素TG及び、連続管理画素数が1である白色の非透過画素HGが配列していると判明するとともに、右から数えた場合(左右基準フラグ=「0」)、連続管理画素数が3である透明な透過画素TG及び、連続管理画素数が1である白色の非透過画素HGが配列していることが判明する。なお、画素行値が5〜8に該当する1列の各画素列においては、画素行値4に該当する1列の画素列と同位置の画素配列であるため、説明を省略する。
VDP330がキャラクタRAM321,322からスプライトデータを読み出すにあたり、VDPコントローラ331は、このようなヘッダ情報HDに基づく図柄CPU311の指示に従って、画素行値が1の場合、連続管理画素数が3であることに基づいて3画素分の透過画素データの読み出しをスキップして、次の連続管理画素数が1であることに基づいて1画素分の非透過画素データを、実際にキャラクタRAM321,322から読み出す。
またさらに、VDPコントローラ331は、同様に画素行値が1の場合、続いて連続管理画素数が1であることに基づいて1画素分の非透過画素データを、実際にキャラクタRAM321,322からから読み出すものの、次の連続管理画素数が3であることに基づいて3画素分の透過画素データの読み出しをスキップする。このようにすると、VDP330は、キャラクタRAM321,322から、図8(A)に示すように実際には一括して2画素分の非透過画素データのみを読み出すことになる。
さらにVDP330が1つのスプライトデータをキャラクタRAM321,322から読み出すにあたり、VDPコントローラ331は、画素行値が2〜8の場合も同様に、各々図8(B)〜図8(H)に示すように本来は読み出すべきであったスプライトデータのうち一部を読み出せば良いことになる。具体的には、VDP330は、キャラクタRAM321,322から、1つのスプライトにおける全ての画素分(例えば64画素分)の透過画素データ及び非透過画素データを読み出す場合に比べて、読み出すべきデータ量が少なくなる。
ここで、図8(C)に示すように連続管理画素数が6で管理されている画素列においては、VDP330が、キャラクタRAM321,322から非透過画素データのみならず、一部透過画素データを読み出すケースも生じる。つまり、VDPコントローラ331は、画素行値が3である場合、連続管理画素数が6であることに基づいて、6画素分にわたり非透過画素データ及び透過画素データが混在した画素データ群を読み出すことになる。この場合、VDPコントローラ331は、読み出した6画素分の画素データ群を用いて、そのまま処理しても2画素分の透過画素データを多少余分に処理すればよいだけであるため、キャラクタRAM321,322からの読み出し効率が向上することを考慮すれば、さほど描画処理に影響を与えることはないと考えられる。
(5.VDPの構成例)
図9は、図3に示す映像表示プロセッサ(VDP)330の電気的な構成例を示すブロック図である。
VDP330は、CPUインターフェース383(図において「CPU I/F」と略す)、ROMインターフェース333(図において「ROM I/F」と略す)、バス382、VDPコントローラ331、ラインバッファ336、カラーパレットレジスタ332c、スプライト属性レジスタ332s、バックグラウンド(図において「BG」と略す)属性レジスタ332b、内蔵RAM335及びDMAコントローラ384を含んだ構成となっている。VDP330(映像表示プロセッサ)は、図柄CPU311の制御によって、装飾図柄表示装置16に映像を表示させるための描画データを生成する機能を有する。以下、このVDP330について具体的に説明する。
まず、カラーパレットレジスタ332c、スプライト属性レジスタ332s及びBG属性レジスタ332bは、それぞれVDPコントローラ331による画像表示動作の制御に際し、このVDPコントローラ331が参照するレジスタである。つまりVDPコントローラ331は、図柄CPU311の指示に基づいて、これらカラーパレットレジスタ332c、スプライト属性レジスタ332s及びBG属性レジスタ332bを参照しつつ、描画データに基づいて、ラインバッファ336を経由して装飾図柄表示装置16の表示動作を制御する。
(5−1.各レジスタ)
カラーパレットレジスタ332cは、0〜255番で表される各パレット番号に対応して256パレット分のカラーパレットデータが予め書き込まれるレジスタである。具体的には、上記図柄CPU311が、電源投入後、まず最初に、制御ROM325から読み出したカラーパレットデータをカラーパレットレジスタ332cに書き込んでおくのである。ここで1つのパレットは、例えば16色で構成されている。このカラーパレットレジスタ332cは、図柄CPU311によるキャラクタ(スプライト、動画像など)設定時にパレット番号(例えば0〜255番)の指定があると、この指定されたパレット番号に対応したカラーパレットデータを提供する。
スプライト属性レジスタ332sは、キャラクタ(スプライト、動画像などを含む)の表示に関する情報を設定するレジスタである。1つのスプライトは、64ビット×64ビット×8ビット(256色)=4Kバイト(4096バイト)で構成されており、各スプライトには0〜65535番までのスプライト番号が付されて管理されている。
このスプライト属性レジスタ332sは、上記図柄CPU311によってスプライト属性データが書き込まれる。このスプライト属性データは、スプライト番号、そのスプライト番号に該当するスプライトを含むキャラクタを表示すべき座標、各キャラクタを構成するスプライトの構成枚数、重ね合わせ優先順位(スプライトを配置すべきレイヤーなど)及び、表示の際に参照する上記カラーパレットの番号(パレット番号)などを含んでいる。
BG(バックグラウンド)属性レジスタ332bは、上記図柄CPU311によってバックグラウンド(BG)属性データが書き込まれるレジスタである。バックグラウンド属性データは、表示すべき背景画像のスプライト番号及び、この背景画像の表示にあたり参照すべきカラーパレット番号などを含んでいる。
これらスプライト属性レジスタ332s及びバックグラウンド属性レジスタ332bには、各々上記図柄CPU311によってスプライト属性データ及びバックグラウンド属性データが書き込まれる。また内蔵RAM335は、書き換え可能な揮発性のメモリであり、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。
(5−2.VDPコントローラ)
VDPコントローラ331は、図柄CPU311の指示に従って描画処理を実行しており、メモリインターフェース制御回路324を経由してキャラクタRAM321,322から読み出したスプライトデータなどから描画データを生成する機能を有する。
(5−2−1.スプライトデータの読み出し)
具体的には、VDPコントローラ331は、キャラクタRAM321,322にアクセスする際に指定する、スプライト番号に対応する先頭アドレスを管理しており、図柄CPU311によってスプライト属性レジスタ332sに書き込まれたスプライト番号に対応するアドレスを、先頭アドレスから順次、キャラクタを構成するスプライトの構成枚数×4Kバイト(4096バイト)分発生させる。すると、VDPコントローラ331は、メモリインターフェース制御回路324を介してキャラクタRAM321,322からそのスプライト番号に該当するスプライトデータ(や背景画像データ)などを取得することができる。
(5−2−2.属性データの取得)
VDPコントローラ331は、取得したスプライトデータなどのスプライト番号に基づいて、スプライト属性レジスタ332s及びBG属性レジスタ332bから、各々スプライト属性データ及びバックグラウンド属性データを取得する。そしてVDPコントローラ331は、取得したのがスプライト属性データである場合、このスプライト属性データから、該当するキャラクタについてスプライト番号、表示すべき座標、キャラクタの構成枚数、スプライトを配置すべきレイヤー及び、参照すべきカラーパレット番号を取得する。一方、VDPコントローラ331は、取得したのがバックグラウンド属性データである場合、このバックグラウンド属性データから、この背景画像の表示にあたり参照すべきカラーパレット番号を取得する。
(5−2−3.レイヤーの重ね合わせ)
ここで本実施形態においては、例えば複数のレイヤーを重ねて1つのフレームを表示するものとし、各レイヤーには、少なくとも1つのスプライトなどが配置可能となっている。なお、上記背景画像は、優先順位が低く設定されており、最下位レイヤーに配置するものとする。
このVDPコントローラ331は、該当するスプライトを配置すべきレイヤー及び座標の設定に従って各レイヤーに、構成枚数分のスプライトを、先頭スプライトから予め定められた順に従って配置させる。さらにVDPコントローラ331は、これらスプライトなどを各々配置させた複数のレイヤーを画素ごとに互いに重ね合わせて1つのフレームを構成する。これとともに、このVDPコントローラ331は、走査線(ライン)ごとに描画データを生成し、ラインバッファ336に対して出力する。
(5−2−4.非透過画素データ読み出し及び背景画素との重ね合わせ)
ここで本実施形態においては、描画データを生成するにあたり、VDPコントローラ331は、このスプライトデータから、ピクセルデータPD及びヘッダ情報HDを取得する。そしてさらに、VDPコントローラ331は、ヘッダ情報HDから画素識別子を取得し、この識別子に基づいて、スプライトに関して非透過画素HGと透過画素TGとを識別する。
ここで、VDPコントローラ331は、スプライトの非透過画素HGについては、このスプライトデータのうち非透過画素HGに該当する非透過画素データを読み出して、この非透過画素データと、背景画像データのうちこの非透過画素HGが重なるべき画素に対応した背景画素データとに基づいて、該当する画素に関して描画データを生成する。
一方、VDPコントローラ331は、スプライトの透過画素TGについては、このスプライトデータのうち透過画素TGに該当する透過画素データを読み出さず、この背景画像データのうち透過画素TGが本来重なるべきであった画素に対応した背景画素データに基づいて、該当する画素に関して描画データを生成する。
(5−2−5.ラインバッファへの描画データの蓄積)
ラインバッファ336は、VDPコントローラ331によって画素ごとに生成された描画データを、表示すべき画像の走査線(ライン)単位で蓄積する機能を有する。このラインバッファ336は、いわゆるダブルバッファ構造を採用しており、2つのラインバッファのうち一方のラインバッファに描画データを走査線単位で蓄積すると同時に、他方のラインバッファにおいて蓄積し終わった描画データを、走査線単位で装飾図柄表示装置16に映像信号88として出力する構成となっている。なお、VDPコントローラ331は、このような描画データを出力する際、この描画データに同期させた同期信号SYNCも出力している。一方、装飾図柄表示装置16においては、このように同期信号SYNCに同期させつつVDP330から映像信号88を受け取ると、この映像信号88に基づいて走査線(ライン)単位で映像を表示する。
(6.演出表示処理)
パチンコ機1の装飾図柄制御基板30は以上のような構成であり、次に図1〜図9を参照しつつ、この図柄表制御プログラムの動作により演出表示処理が実行される様子について説明する。まず、リセットスタート処理について説明する。
(6−1.リセットスタート処理の一例)
次に主として電源投入後におけるリセットスタート処理における動作例について説明する。
まず装飾図柄制御基板30においては、図柄CPU311は、VDP330によって16msごとに出力されたいわゆるVブランク信号を受信すると、定常処理を実行する。この定常処理に含まれる代表的な処理としては、VDP330による表示処理を例示することができる。この表示処理では、VDP330が、メモリインターフェース制御回路324を経由してキャラクタRAM321,322から読み出したスプライトデータなどに基づいて、スプライトなどを装飾図柄表示装置16に表示させている。
図10は、装飾図柄制御基板30におけるリセットスタート処理以降の基本的な処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10に示すリセットスタート処理は、装飾図柄制御基板30がリセットされた或いは新規に電源投入された場合に、順次実行される処理例を表している。
まず最初にブート処理が実行される(ステップS10)。このブート処理では、リセットスタート後、ブート(起動)した図柄表示制御プログラムはバスやポートなど最低限度の初期化を行った後、図示しないローダが最初に起動され、このローダが、制御ROM325に格納されている図柄表示制御プログラムに含まれるプログラムコードを、図柄CPU311の内蔵メモリ(図示せず)上へ転送(ロード)する。
(6−1−1.ハードウェアに関する初期化処理)
以下、この図柄表示制御プログラムは、このように転送されたプログラムコードの実行によって図柄CPU311の内蔵メモリ上で動作する。まず、装飾図柄制御基板30の図柄CPU311などのハードウェアに関して初期化が実行される。つまり図柄表示制御プログラムは、ブート処理中にバスやポートなど、最低限度の初期化を実行するとともに、その後、上記ブート処理で初期化していない他のハードウェアに関して初期化処理を実行する。より具体的には、このハードウェアに関する初期化処理では、まず、図柄CPU311の割込みなど各種設定処理が実行される(ステップS20)。
次に、このハードウェアに関する初期化処理では、VDP330の初期化処理が実行される(ステップSS30)。さらに、このハードウェアに関する初期化処理では、メモリインターフェース制御回路324の初期化処理が実行される(ステップS40)。このメモリインターフェース制御回路324の初期化処理では、このメモリインターフェース制御回路324に含まれる制御レジスタ群315aの設定値を初期設定する。
(6−1−2.ホット・コールド判定処理)
次にホット・コールド判定処理が実行される(ステップS50)。このホット・コールド判定処理においては、ホットスタートであるかコールドスタートであるかの判断が実行される。図柄表示制御プログラムは、リセット後、チェックサムにより管理されたバックアップメモリ領域をテストする。このテストの結果、信頼できるバックアップメモリ領域が存在した場合は、図柄表示制御プログラムがそのバックアップメモリの内容を用いて実行する(ホットスタート)。またバックアップ対象メモリ以外のワーク領域を全て「0」で埋め尽くす(以下「0クリアする」と呼称する)。ここで、信頼できるメモリ領域が存在しなかった場合は、図柄表示制御プログラムは、図柄CPU311の内蔵メモリの全ワーク領域およびスタック領域の0クリアを実行する(コールドスタート)。
(6−1−3.モジュール初期化処理など)
次にモジュール初期化処理では、図柄表示制御プログラムに含まれる各機能モジュールの初期化が実行される(ステップS60)。具体的には、この図柄表示制御プログラムは、所定の演出表示動作をさせるために定義した演出モジュールなどをソフトウェア上の処理で初期化する。なお、このモジュール初期化処理は、ホットスタートとコールドスタートとで区別して行われていても良い。
(6−1−4.キャラクタRAMの切り替え開始)
次に展開データメモリコントローラ315は、キャラクタROM340とVDP330とが各々互いに異なるキャラクタRAM321,322に接続するように切り替えを開始する。つまり、展開データメモリコントローラ315は、図柄CPU311の設定に応じて、複数のフレーム画像の各表示切り替え期間ごとに、キャラクタRAM321,322を切り替えている。
このような切り替えが開始されると、まず、メモリインターフェース制御回路324が、第1キャラクタRAM321と接続してスプライトデータを展開すると同時に、VDP330が第2キャラクタRAM322からスプライトデータを読み出し可能に制御する。また切り替わると、メモリインターフェース制御回路324が、第2キャラクタRAM322と接続してスプライトデータを展開すると同時に、VDP330が第1キャラクタRAM321からスプライトデータを読み出し可能に制御する。
そして、装飾図柄制御基板30は、Vブランク信号を受信する間に、非定常処理を実行する(ステップS70)。ここで、非定常処理としては、この乱数更新によって更新された乱数値に応じてキャラクタ画像などの表示を演出上切り替えることを挙げることができる。
(6−1−5.定常処理)
次に図柄表示制御プログラムは、例えば16msごとに定常処理を実行する。この16msという周期は、VDP330が出力する外部信号である垂直同期信号(いわゆるVブランク信号)の出力周期である。つまり、この定常処理は、このVブランク信号の入力があると実行される処理である。この定常処理としては、例えば展開指示処理や描画データ生成指示処理を含んでいる。
本実施形態では、上述したように1フレーム分の描画データが16msごとに装飾図柄表示装置16に出力されて、例えば装飾図柄の表示態様が予め設定された表示態様(例えば変動表示している図柄が停止した際に同一の図柄が揃っていること)となりそうであることを暗示する暗示演出動作などの変動表示パターンの表示(いわゆるリーチ演出に係るリーチ演出動作)を制御する。そして、この変動表示パターンは、リーチ演出に係る表示であり、このリーチ演出表示は、いくつかのシーンの組み合わせの連続表示によって視覚的に構成されるものである。
サブ制御基板35は、メイン制御基板3からの抽選結果及び演出コマンドに基づいて、16msごとの割込み処理に含まれるコマンド送信処理において装飾図柄制御基板30に対して演出表示コマンドを送信する。この装飾図柄制御基板30においては、受信した演出表示コマンドに応じた演出表示動作を制御するため、リーチ演出動作として、いくつかの変動表示パターンに含まれるシーンを表示するためのスプライトデータをそれぞれ圧縮した圧縮スプライトデータが、予めキャラクタROM340に用意されている。これらスプライトデータは、例えば数秒から数十秒程度にわたりシーンを表示するための素材画像データの一例である。
なお、本実施形態では、表示演出(装飾図柄表示装置16による演出)に連動して、効果音などを制御するサブ制御基板35の割込周期と、表示の見た目のちらつきを考慮して決められる値である。通常、液晶素子を用いた装飾図柄表示装置16のフレームレートは1/60Hz、約16.7msである。本実施形態においてサブ制御基板35は、スピーカ29などによる効果音の制御の他、装飾LED(パネル装飾ランプ12、枠装飾ランプ31)の点灯点滅、階調制御や、ステッピングモータによる可動体の駆動制御を行うことから、2msの割込み処理周期で割込み処理を実行している。そこで本実施形態では、16.7msに最も近い値として、2msの割込周期を8回実行したとき、すなわち、16msを基本周期に演出コマンドの出力処理を実行すべくプログラミングされている。これに装飾図柄制御基板30のVDP330のフレームレートを一致させている。この演出コマンドは一方的にサブ制御基板35から出力されるが、少なくとも処理周期を一致させることにより、演出制御が大きくずれてしまうことを防止している。
(7.演出表示処理)
図11は、装飾図柄制御基板30において実行される演出表示指示処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図12は、図11に示す展開処理S300の手順の一例を示すフローチャートである。
まず装飾図柄制御基板30では、そのサブ制御基板35から、変動表示パターンを表示すべき旨のコマンド(演出表示コマンド)を受信したかどうかを確認する(図11のステップS201)。受信していない場合には演出表示処理を終了し、受信している場合には、図柄CPU311が制御ROM325の展開テーブルを参照し(ステップS202)、その演出表示コマンドに対応した変動表示パターンに含まれる各シーン及び各シーンの表示順序を取得する。
(8.展開処理)
次に展開指示処理について説明する(ステップS204)。
(8−1.圧縮データ取得処理)
このとき図柄CPU311は、各シーンを表示するのに用いる素材画像データ(スプライトデータ及び動画像データ)に関するアドレスなどの情報についても併せて取得している。ここでいうアドレスは、キャラクタROM340の記憶領域における素材画像データ(以下、主に「スプライトデータ」を例示する)を格納しているアドレス空間における位置(置き場)を意味している。
図柄CPU311は、その変動表示パターンに含まれる各シーンの表示に用いるスプライトデータ群を取得すべく、まず、制御ROM325の展開テーブルを参照する。この図柄CPU311は、参照した展開テーブルにおいて、所望の圧縮スプライトデータが、それぞれキャラクタROM340におけるどのアドレス空間に予め格納されているかを把握し、そのアドレス空間を示すアドレスを、メモリインターフェース制御回路324に対して指定する。
具体的には、図柄CPU311は、制御レジスタ群315aに対して、読み出しアドレスなどの設定値を書き込む。展開データメモリコントローラ315は、制御レジスタ群315aに対してそれぞれ書き込まれた転送元アドレスなどに基づいて、キャラクタROM340から圧縮スプライトデータ(や圧縮動画像データ)を読み出す(ステップS301)。
(8−2.伸張処理)
図柄CPU311が、画像伸張回路327のレジスタに対して、転送元アドレス(キャラクタROM340の記憶領域におけるアドレス)、読み出すべきバイト数及び転送先アドレス(キャラクタRAM321,322の記憶領域におけるアドレス)などを設定後、伸張開始を指示すべき旨の書き込みを行う。画像伸張回路327は、書き込まれた転送元アドレスに基づいてキャラクタROM340から圧縮スプライトデータを読み出す。そして、この画像伸張回路327は、圧縮スプライトデータに関して伸張処理を施してスプライトデータを生成する(ステップS302)。一方、同様に画像伸張回路327は、圧縮動画像データに関して伸張処理を施して動画像データを生成している。なお、以下の説明では、主としてスプライトデータを取り扱うものとする。
(8−3.展開処理)
生成されたスプライトデータは、展開データメモリコントローラ315に対して引き渡される。この展開データメモリコントローラ315は、図柄CPU311からのレジスタ群315aへの書き込みを契機として、スプライトデータについて展開処理を実行する(ステップS303)。
(8−3−1.2つのキャラクタRAMの切り替え)
展開データメモリコントローラ315は、図柄CPU311からレジスタ群315aへの書き込みを契機として、転送先であるキャラクタRAM321,322の切り替え並びに展開(及び読み出し)を実行する。
具体的には、展開データメモリコントローラ315は、キャラクタRAM321,322の一方にシーン表示に必要なスプライトデータを展開するとともに、それらキャラクタRAM321,322の他方から展開済みのシーン表示に必要なスプライトデータを読み出し可能に切り替え制御を行っている。なお、本実施形態では、第1キャラクタRAM321及び第2キャラクタRAM322には、同一のスプライトデータがそれぞれ展開されている。
具体的には、展開データメモリコントローラ315は、第1キャラクタRAM321にシーン表示に必要なスプライトデータを展開するとともに、第2キャラクタRAM322からシーン表示に必要なスプライトデータを読み出し可能に切り替える(ステップS304)。本実施形態では、この期間を「第1展開期間」と呼称する。一方、展開データメモリコントローラ315が、第2キャラクタRAM322にシーン表示に必要なスプライトデータを展開するとともに、第1キャラクタRAM321からシーン表示に必要なスプライトデータを読み出し可能に切り替える(ステップS306)。本実施形態では、この期間を「第2展開期間」と呼称する。なお、次のシーンがある場合には、ステップS303に戻る(ステップS307)。
(9.表示処理)
図13は、描画処理の手順の一例を示す手順図であり、図14は、図13に示す描画処理を実行した場合においてレイヤー同士を重ねる様子の一例を示す斜視図である。
(9−1.表示態様の指定)
まず、図柄CPU311は、VDP330に対して表示態様を指定する。具体的には、この図柄CPU311は、変動表示パターンの表示動作にあたり、制御ROM325が管理する展開テーブルの展開情報やスケジューラデータ(表示情報)に基づいて、この表示態様を指定している。ここで表示態様の指定とは、図柄CPU311が、展開情報やスケジューラデータに基づいて、変動表示パターンの各シーンの表示に必要なスプライトデータや背景画像データなどに関して、VDP330が、キャラクタRAM321,322から読み出すべき旨を指示することを挙げることができる。
(9−2.展開済みデータの取得処理)
(9−2−1.背景画像データの取得)
この表示態様の指定が終了すると、まず、VDP330は、図柄CPU311の指示に基づいて、キャラクタRAM321,322の記憶領域を示す転送先アドレスを、VDP330のROMインターフェース(ROM I/F)333にセットする。この転送先アドレスに該当する記憶領域には、その表示態様に応じて表示されるべき映像に背景として含めるべき背景画像の表示に用いる背景画像データが展開されている。すると、VDP330は、この転送先アドレスのセットによって、これらキャラクタRAM321,322内における展開先アドレスに該当する記憶領域から背景画像データを読み出す(ステップS401)。
(9−2−2.スプライトデータの取得)
さらにVDP330は、図柄CPU311の指定があった場合、キャラクタRAM321,322の記憶領域を示す転送先アドレスを、VDP330のROMインターフェース(ROM I/F)333にセットする(ステップS402)。この転送先アドレスに該当する記憶領域には、その表示態様に応じて表示される映像に含めるべきスプライトデータなどが展開されている。すると、VDP330は、この転送先アドレスのセットによって、これらキャラクタRAM321,322において該当する記憶領域からスプライトデータなどを読み出す準備をする。
このときVDP330は、図柄CPU311の指示に従って、キャラクタRAM321,322からスプライトデータに含まれる各スプライト画素データ全てを次々と読み出す代わりに、次に示すようにスプライトデータの一部の画素に該当するスプライト画素データ(素材画素データ)のみを読み出すようになっている。
すなわち、VDP330のVDPコントローラ331は、図柄CPU311が指定したスプライトデータを解析し、まず、このスプライトデータからヘッダ情報HDを取得する(ステップS403)。さらに、VDPコントローラ331は、スプライトデータ単位で、このスプライトデータのヘッダ情報HDに画素識別子が含まれているか否かを判断する(ステップS404)。
(9−2−2−1.ヘッダ情報に画素識別子を含まない場合)
このヘッダ情報HDに画素識別子を含まない場合には、VDP330は、このスプライトデータをキャラクタRAM321,322の展開先アドレスから全て読み出す。ここでVDP330は、これらキャラクタRAM321,322のメモリ空間を参照した場合、チップレベルで同一のアドレスであるように見える。このためVDP330は、キャラクタRAM321,322のどちらに切り替えられた場合においても、同じ読み出し制御によって簡単にスプライトデータを次々と読み出すことができる。そしてVDP330のVDPコントローラ331は、スプライト属性レジスタ332sのスプライト属性データに従って、所望のレイヤーにスプライトデータに基づくスプライトを配置させるとともに、これら各レイヤーを重ね合わせて(ステップS405)、各フレームに対応した描画データを走査線(ライン)ごとに生成する。
(9−2−2−1.ヘッダ情報に画素識別子を含む場合)
一方、上記ヘッダ情報HDに画素識別子を含む場合には、VDP330は、画素識別子に基づいて、キャラクタRAM321,322に展開されているスプライトデータについて、画素ごとに非透過画素HGであるか否かを確認する(ステップS406)。
非透過画素HGではない場合(透過画素TGである場合)には、VDPコントローラ331は、対象となっているスプライトデータのうち透過画素TGに該当する透過画素データを、メモリインターフェース制御回路324を経由してキャラクタRAM321,322から読み出さない。
そして、VDPコントローラ331は、上記背景画像データのうち透過画素TGが本来重なるべきであった画素に対応した背景画素データに基づいて、この透過画素TGを背景画素に重ねずに、カラーパレットデータ及びバックグラウンド属性データから、該当する画素に関して描画データを生成してラインバッファ336に走査線単位で書き込む(ステップS408)。
一方、非透過画素HGである場合(透過画素TGではない場合)には、VDPコントローラ331が、対象となっているスプライトデータのうち非透過画素HGに該当する非透過画素データを、メモリインターフェース制御回路324を経由してキャラクタRAM321,322から読み出す。
そして、VDPコントローラ331は、この非透過画素データと、上記背景画像データのうち非透過画素HGが重なるべき画素に対応した背景画素データとに基づいて、この非透過画素HGを背景画素に重ねて、カラーパレットデータ、スプライト属性データ及びバックグラウンド属性データから、該当する画素に関して描画データを生成してラインバッファ336に走査線単位で書き込む(ステップS409)。
そして、VDP330のVDPコントローラ331は、カラーパレットデータ、スプライト属性データ及びバックグラウンド属性データを参照して、メモリインターフェース制御回路324を介してキャラクタRAM321,322から取得したスプライトデータ及び動画像データから描画データを生成する。なお、VDPコントローラ331は、対象となるスプライトデータに関して全画素について描画処理が終了するまで、画素ごとに以上のような描画処理を繰り返す(ステップS410)。
(9−2−3.スプライトの重ね合わせの様子)
図14(A)〜図14(D)は、各々スプライトが配置されている複数のレイヤー同士が重ね合わされる様子の一例を示す斜視図である。なお、図14においては、一例として2枚のレイヤーL1,L2が重ね合わされて1つのフレームが構成されるものとして例示している。
本実施形態では、図14(A)に示すようにレイヤーL1がレイヤーL2に対して上位側に配置しており、上位側であるレイヤーL1(以下「上位レイヤー」と呼称する)に配置されたスプライトが、下位側であるレイヤーL2(以下「下位レイヤー」と呼称する)に配置されたスプライトに重なる場合を想定している。この下位レイヤーL2は、例えば背景画像が一面にわたり配置されている。この背景画像は、例えば青色の画像であり、この背景に重ねるべきスプライトは、例えば白色の画像である。なお、これら背景画像及びスプライトによって表示される映像は、例えば矢印の部分が白色であり、矢印の背景が青色である、いわゆる「指定方向外進入禁止」を示す標識であるものとする。
上位レイヤーL1にはスプライトSP1が配置されており、下位レイヤーL2には例えば同一の座標にスプライトSP2が配置されている。スプライトSP1,SP2には、各々画素P1,P2,P3,P4が一方向に沿って配列しており、両レイヤーL1,L2を重ね合わせた際に、互いに画素P1,P2,P3,P4が重なり合うものとする。
図14(B)に示すようにスプライトSP1においては、画素P1〜P3が透過画素TGであるとともに、画素P4が例えば白色の非透過画素HGとなっている。図14(C)に示すようにスプライトSP2においては、画素P1〜P4が例えば青色の非透過画素HGとなっている。
図14(B)に示すスプライトSP1(上位レイヤーL1)をスプライトSP2(下位レイヤーL2)に重ねると、図14(D)に示すように画素P1〜P3が例えば青色の画素であるとともに、画素P4が例えば白色の画素となっている。これら青色の画素及び白色の画素は、上記「指定方向外進入禁止」を表す標識における青色の下地に白色の矢印の一部を表している。
本実施形態においては、このようなレイヤー同士の重ね合わせにあたり、VDP330のVDPコントローラ331が、この上位レイヤーL1のスプライトSP1の画素識別子に基づいて、まず、この上位レイヤーL1のスプライトSP1に関して非透過画素HG(上位レイヤーL1の画素P1〜P3)と透過画素TG(上位レイヤーL1の画素P4)とを識別する。
またさらにVDPコントローラ331は、この上位レイヤーL1のスプライトSP1の非透過画素HG(画素P4)については、このスプライトSP1の表示に用いるスプライトデータのうち非透過画素HGに該当する非透過画素データをキャラクタRAM321,322から読み出して、この非透過画素データと、スプライトSP2の表示に用いる背景画像データのうち非透過画素HGが重なるべき画素に対応した背景画素データとに基づいて、該当する画素(図14(D)に示す画素P4)に関して描画データを生成する。
一方、VDPコントローラ331は、この上位レイヤーL1のスプライトSP1の透過画素TGについては、このスプライトSP1の表示に用いるスプライトデータのうち透過画素TGに該当する透過画素データをキャラクタRAM321,322から読み出さず、背景画像データのうち透過画素TGが本来重なるべきであった画素に対応した背景画素データに基づいて、該当する画素(図14(D)に示す画素P1〜P3)に関して描画データを生成する。
(9−2−4.描画データのラインバッファへの蓄積)
VDPコントローラ331は、このように画素ごとに生成した描画データを、例えば走査線(ライン)単位で、いわゆるダブルバッファ構造を採用するラインバッファ336の一方に蓄積する。このVDPコントローラ331は、この描画データの蓄積と同時に、走査線単位で描画データを蓄積し終わったラインバッファ336の他方から、装飾図柄表示装置16に対して同期信号SYNCに同期させつつ描画データを映像信号88として出力する。一方、装飾図柄表示装置16においては、このように同期信号SYNCに同期させつつVDP330から映像信号88を受け取ると、この映像信号88に基づいて走査線(ライン)単位で表示する。
このようにして装飾図柄表示装置16が1フレーム分の描画データを受け、フレームレートに合わせて次々と各フレームを順次連続的に繰り返し表示すると、この装飾図柄表示装置16の表示領域には、これら各フレームの連続表示によって視覚的に構成されたシーンが表示される。
さらにVDP330は、次のシーンに関しても前シーンの表示中にキャラクタRAM321,322に展開されたスプライトデータを取得し、1シーンを続けて表示する。このように各シーンが装飾図柄表示装置16に表示されることで、この装飾図柄表示装置16の表示領域には、これらシーンの連続表示により視覚的に構成される変動表示パターンが表示される。
(9−2−5.表示例)
本実施形態においては、上記「指定方向外進入禁止」についての標識のみならず、例えば次に示すような各スプライトを各レイヤーに配置することもできる。具体的には、これらのスプライトとしては、例えば図15(A)に示すような人間の形状を構成する非透過画素HG及び、この非透過画素HGの周囲に透過画素TGが配置しているスプライトや、図15(B)に示すような樹木の形状を構成する非透過画素HG及び、この非透過画素HG周囲に透過画素TGが配置しているスプライトを挙げることができる。また、スプライトとしては、空を背景画像として、太陽、雲、山、道路を挙げることができる。VDPコントローラ331が以上のような各スプライトを各レイヤーに配置させて重ね合わせて描画データを生成して装飾図柄表示装置16に表示させた場合には、図15(C)に示すような表示態様となる。
図15(C)に示す映像(フレーム)においては、例えば晴れた空に態様及び雲が存在しているとともに、山に向かって登る道に人間が立っている。また、この道の周囲には、樹木が存在しており、この道の左端には、この道に関して、上記「指定方向外進入禁止」を示す標識が存在している。この標識は、例えば青色の円板を背景画像とし、上記矢印を前景とする画像である。この図示の映像においては、最下位レイヤーから最上位レイヤーにわたり、空、太陽、雲、山(陸地)、道路、樹木、標識及び人間の順位で、重なるように各レイヤーL1などに各々スプライトが配置されている。
(10.第1実施形態による有用性についての言及)
本実施形態では、VDP330が、映像の表示にあたり、スプライトの透過画素TGについては、スプライトデータのうち透過画素TGに対応した透過画素データを読み出さず、背景画像データにおいて対応する画素についての背景画素データに基づいて、該当する画素に関して描画データを生成する。このようにVDP330は、透過画素TGに対応した透過画素データを読み出さないことから、そもそも、この透過画素TGを該当する背景画像の画素に重ねるべきか否かに関して、画素ごとに逐一判断する必要がなくなる。このためVDP330は、その分、他の非透過画素HGに関して画素ごとに背景画像に重ねる処理をさらに進めることができることから、1つのスプライトを背景画像に重ねる処理に掛かる時間を短縮できる。
このようにVDP330は、1つのスプライトを背景画像に重ねる処理に掛かる時間を短縮することで、映像の表示に係る単位時間(いわゆるフレームレート)内に、さらに多くのスプライトデータを処理して、より多くのスプライトを各フレームに含めることができる。このため本実施形態によれば、より多くのスプライトが含められた各フレームにより構成された映像によって、多彩な演出表示を実現することができる。
また本実施形態においては、装飾図柄制御基板30が、画像伸張回路327(伸張部)と、2つのキャラクタRAM321,322及びメモリインターフェース制御回路324を有している。このメモリインターフェース制御回路324は、これら2つのキャラクタRAM321,322を交互に切り替えて、この画像伸張回路327によって伸張した背景画像データ及びスプライトデータを、これらキャラクタRAM321,322のうち一方のキャラクタRAMに展開している間に、他方のキャラクタRAMに展開済みのスプライトデータをVDP330に対して提供している。このVDP330は、図柄CPU311の指示に基づいて、このメモリインターフェース制御回路324を介してキャラクタRAM321,322から背景画像データ及びスプライトデータを読み出すとともに、これら背景画像データ及びスプライトデータから生成した描画データに基づいて、非透過画素HGを背景画像に重ねて構成した映像を装飾図柄表示装置16に表示させている。
一般的にキャラクタROM340は、表示する映像を多彩にすべく格納しておくべきスプライトデータなどの数を増やすために、これらスプライトデータなどは、データ構造が圧縮された状態でキャラクタROM340に格納されている。従って、これらスプライトデータなどは、このキャラクタROM340から読み出された後に伸張する必要があり、キャラクタRAM321,322への展開を開始するまでに時間を要している。このように映像の表示に必要なスプライトデータなどをキャラクタRAM321,322に揃えるまでに時間が掛かるため、一見すると、VDP330が、映像を構成する各フレームに含めるスプライトなどの数を多くすることができず、多彩な映像を実現することができないようにも思える。
しかしながら本実施形態は、仮にキャラクタROM340からのスプライトデータなどの読み出しや、読み出したスプライトデータなどの伸張処理に時間を要した場合においても、VDP330は、このようにキャラクタROM340からの読み出し処理や伸張処理などに時間を要するものの、映像の表示に必要なスプライトデータなどを、直接アクセスの速いキャラクタRAM321,322から調達することができる。さらにVDP330は、このようにキャラクタROM340のスプライトデータが圧縮されている場合においても、上記同様、スプライトの透過画素TGに関して背景画像と重ねるか否かを判断する必要がないため、図柄CPU311の指示に従って必要に応じて、さらに高速に、このスプライトデータに基づいて映像を装飾図柄表示装置16に表示させることができる。なお、本実施形態においては、スプライトデータを可逆な圧縮方式によってデータ構成を圧縮しているため、素材画像データを伸張しても、この素材画像データに含まれる画素識別子を正確に復元することができる。
また本実施形態では、画素識別子は、スプライトにおいてマトリクス状に配列する各画素のうち、1列の画素列内における透過画素TGの配列数と、この1列の画素列内における非透過画素HGの配列数と、を含んでおり、VDP330は、画素識別子に含まれる透過画素TGの配列数に基づいて、この透過画素TGの配列数分にわたり透過画素データを読み出さない一方、この画素識別子に含まれる非透過画素HGの配列数に基づいて、この非透過画素HGの配列数分にわたり非透過画素データを読み出している。
このような構成とすると、VDP330は、キャラクタRAM321,322からスプライトデータを読み出すにあたり、このスプライトデータに含まれる画素識別子を参照し、このスプライトデータにおける非透過画素データ及び透過画素データを識別する。このVDP330は、スプライトを背景画像に重ねるにあたり、このスプライトデータのうち透過画素TGのみを、背景画像において該当する背景画素に重ねている。
従ってVDP330は、スプライトデータの全ての画素データを読み出す必要がないことから、画素識別子に基づいて非透過画素データのみを読み出せば良くなる。この読み出しにあたり、VDP330は、画素識別子に含まれる透過画素TGの配列数及び非透過画素HGの配列数に応じて、簡単に、スプライトにおける1列の画素列において透過画素データの読み出しを飛ばして、非透過画素データを読み出している。このためVDP330は、図柄CPU311の指示に従って、効率よくキャラクタRAM321,322からスプライトデータを読み出すことができる。
(10−1.第1実施形態の変形例による有用性についての言及)
また本実施形態では、仮にスプライトが、背景画像を透過しない画素としての非透過画素HGを少なくとも含んでおり、このようなスプライトを背景画像に重ねた映像を表示する場合においても次のような有用性を発揮する。まず、このスプライトは、その表示態様として、非透過画素HG以外にも、背景画像を透過する画素としての透過画素TGを含む場合にのみ、非透過画素HGと透過画素TGとを画素ごとに識別可能な画素識別子を含めたデータ構成とされているようにしても良い。
この場合、VDP330は、このスプライトの表示に用いるスプライトデータに画素識別子が含まれている場合、このスプライトデータの画素識別子に基づいて、このスプライトに関して非透過画素HGと透過画素TGとを識別し、このスプライトの非透過画素HG及び透過画素TGについて次のように処理する。
まず、VDP330のVDPコントローラ331は、このスプライトの非透過画素HGについて、スプライトデータのうち非透過画素HGに該当する非透過画素データを読み出して、この非透過画素データと、この背景画像データのうち非透過画素HGが重なるべき画素に対応した背景画素データとに基づいて、該当する画素に関して描画データを生成する。
一方、VDPコントローラ331は、このスプライトの透過画素TGについては、このスプライトデータのうち透過画素TGに該当する透過画素データを読み出さず、この背景画像データのうち透過画素TGが本来重なるべきであった画素に対応した背景画素データに基づいて、該当する画素に関して描画データを生成する。
一方、VDPコントローラ331は、このスプライトデータに画素識別子が含まれていない場合、このスプライトデータのうち、この非透過画素HGに該当する非透過画素データを読み出して、この非透過画素データと、この背景画像データのうち非透過画素HGが重なるべき画素に対応した背景画素データとに基づいて、該当する画素に関して描画データを生成する。
一方、VDPコントローラ331は、透過画素TGに該当する透過画素データを読み出して、この透過画素データと、この背景画像データのうち透過画素TGが重なるべき画素に対応した背景画素データとに基づいて、該当する画素に関して描画データを生成している。
このようにすると、第1の変形例においても、VDP330のVDPコントローラ331が、キャラクタRAM321,322からスプライトデータを読み出すにあたり、このスプライトデータに含まれる画素識別子を参照して、上記のように、この素材画像データの一部(非透過画素HGの表示に用いる非透過画素データ)のみを読み出せばよく、描画処理にあたり、上記同様の作用効果を発揮することができる。
ここでスプライトが非透過画素HGのみを含み透過画素TGを含まない場合には、VDP330が、キャラクタRAM321,322からスプライトデータの非透過画素データのみならず透過画素データも読み出す必要がある。このため、この場合においては、VDP330が、キャラクタRAM321,322からスプライトデータを読み出すにあたり、逐一画素識別子を確認していたのでは、逆にこの画素識別子を確認する分、描画処理が遅延してしまうことも考えられる。
そこで、VDP330が、キャラクタRAM321,322からスプライトデータを読み出すにあたり、まず、このスプライトデータが画素識別子を含んでいるか否かを確認し、画素識別子を含まない場合には、敢えて、上述した透過画素データの読み飛ばしをしないようにしている。
このようにすると、VDP330は、画素識別子に基づいて、上記透過画素データの読み飛ばし処理を実行すべきか否かを、逐一判断する必要が内分、それ以外のスプライトデータについての描画処理に処理能力を割り当てることができる。このためVDP330が、無駄な処理を実行しない分、より効率よくスプライトデータを処理して、1つのフレームに含めるスプライトの数を増やして、装飾図柄表示装置16に表示させる映像をより多彩な演出表示を実現することができる。
(12.第1応用例)
第1応用例としてのパチンコ機は、上記装飾図柄制御基板30とほぼ同様の構成及び動作の表示制御基板(演出制御部、表示制御部)を備えている点など、第1実施形態としてのパチンコ機1とほぼ同様の構成及び動作を行うため、同様の構成及び動作についてはその説明を省略し、以下異なる点を中心として説明する。なお、第1応用例において第1実施形態と同様の構成及び動作について説明が及ぶ場合は、第1実施形態と同一の符号を用いる。
このパチンコ機は、いわゆる「羽根物」と称される種類に属するものである。パチンコ機は大きく分けて本体枠及び遊技盤から構成されており、本体枠の内側に遊技盤が着脱可能に設置されている。遊技盤の前面(盤面)にはほぼ円形の遊技領域が形成されている。なお、遊技盤以外の外観上の構成は、第1実施形態とほぼ同様であるため、説明を省略する。
遊技盤の遊技領域内には、そのほぼ中央にひときわ大きく目を引くセンター役物が配置されており、このセンター役物は入賞装置としての機能を果たすものとなっている。センター役物の左右には普通入賞口が配置されているほか、その下方の位置に左右一対の1回始動口及び中央位置に1つの2回始動口が配列されている。その他にも、遊技領域には各種の装飾体や装飾ランプ、風車、図示しない多数の障害釘(いずれも参照符号なし)が設けられているが、これら構成要素には公知のものを適用可能であるため、ここでは個々の説明を省略する。
センター役物は左右一対の可動片(可動部材)を有しており、これら可動片は左右方向に開いた状態と、内側寄りに閉じた位置との間で変位することができる。これら可動片が開いた位置にあるとき、センター役物の大入賞口が開放された状態となる。センター役物の背後には図示しない大入賞口ソレノイドが配設されており、左右一対の可動片は大入賞口ソレノイドにより駆動される。
通常、センター役物が作動されていない場合、可動片は閉じた位置にあり、それゆえ大入賞口は閉塞された状態にある。一方、遊技中に上記の1回始動口または2回始動口に入賞すると、これを契機としてセンター役物が作動される。これにより、一対の可動片が開いた位置に移動し、大入賞口が所定時間だけ開放されて遊技球の入賞を可能とする。可動片の開閉動作は、1回始動口及び2回始動口にそれぞれ割り当てられている開閉回数(1回または2回)だけ行われる。
センター役物内には、左右の大入賞口にそれぞれ対応して大入賞口カウントスイッチが配設されている。各大入賞口に入賞した遊技球は、対応する大入賞口カウントスイッチにより通過を検出、つまり入賞個数がカウントされる。このようにセンター役物内に遊技球が受け入れられると、この遊技球がセンター役物内を転動する。このセンター役物内には図示しない所定の特定領域が存在し、この特定領域を遊技球が通過すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する。
この特別遊技状態では、例えば最大15ラウンドにわたり、センター役物の左右一対に設けられた可動片の開閉動作(ラウンド動作)を繰り返して遊技球をセンター役物内に受け入れ可能な状態とし、受け入れた遊技球の数に応じた賞球が遊技者に対してなされる。このようにして遊技者は、特別遊技状態により多くの利益を享受することができる。
上記第1応用例によれば、第1実施形態とほぼ同様の効果を上げることができるとともに、これに加えてさらに、VDP330が、スプライトを背景画像に重ねる処理にあたり、このスプライトのうち透過画素TGに関する処理を減らすことができるため、スプライトを背景画像に重ねる処理をより高速に実行することができる。このため第1応用例によれば、VDP330が、映像を構成する各フレームに含めることができるスプライトの数を増やすことができるため、多彩な演出表示を実現することができる。特に第1応用例によれば、入賞装置に受け入れられた遊技球が特定領域を通過するかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせる演出表示や、特別遊技状態における演出表示などに関し、多彩な演出表示を実現することができる。
(13.第2応用例)
次に本発明の第2応用例としての遊技機が適用されたスロットマシンの構成例について説明する。
第2応用例としてのスロットマシンは、上記装飾図柄制御基板30とほぼ同様の構成及び動作の表示制御基板(演出制御部、表示制御部)を備えている点など、第1実施形態としてのパチンコ機1とほぼ同様の構成及び動作を行うため、同様の構成及び動作についてはその説明を省略し、以下異なる点を中心として説明する。なお、第2応用例において第1実施形態と同様の構成及び動作について説明が及ぶ場合は、第1実施形態と同一の符号を用いる。
このスロットマシンは箱形の筐体を有しており、この筐体をベースとして遊技場の島設備等に設置される。島設備には、複数台のスロットマシンが幅方向に列をなして配置され、通常、その台間にメダルサンド(図示していない)が付属して配置されている。このメダルサンド(台間サンド)に例えば現金を投入すると、その金額に見合った枚数分のメダルが貸し出され、遊技者はこれらを用いてスロットマシン遊技を実施することができる。なお、遊技媒体は特にメダルやコインに限らず、遊技球やトークン等を用いる態様であってもよい。あるいは、台間サンドにプリペイドカードを挿入し、その残り度数とメダル等を交換して遊技を実施する態様であってもよい。
スロットマシンの筐体は、遊技者に相対する前面に前面扉を有しており、この前面扉は一側端(この例では左側端)を中心として手前に開くことができる。この前面扉には鍵穴が形成されており、この鍵穴は、挿入した専用鍵を左右に各々回転可能な構成となっている。ここで、このスロットマシンにおいては、専用鍵を右に回した場合、施錠されている前面扉を解錠可能となっている。また、この前面扉はその中程の位置にガラス板(透明板)を有しており、その中央に矩形の表示窓が形成されている。このスロットマシンは、機械的な図柄表示装置(図柄表示手段)の一例として3つのリール(左リール、中リール、右リール)を装備しており、これらのリールは前面扉の奥、つまり、筐体の内部に配置されている。
各リールの外周にはそれぞれリール帯が張り巡らされており、その表面に各種の図柄が付されている。図示されていないが、図柄には例えば、数字の「7」を図案化したものや特定のアルファベット(またはその文字列)を図案化したもの、ベル等の縁起物を図案化したもの、スイカ、リンゴ、チェリー等の青果類を図案化したもの、あるいは、スロットマシンの機種を特徴付けるキャラクターや図形、記号等を図案化したものが含まれている。
スロットマシンは、これらリールを回転または停止させることで、図柄の表示態様を変動させたり停止させたりすることができる。なお、スロットマシンの前面からは、表示窓を透かしてリールの一部のみが視認可能であり、その停止時には各リールにつき3つの図柄が有効に表示されるものとなっている。
ガラス板のうち、表示窓の両脇にはそれぞれ表示領域が形成されており、この表示領域には各種の文字情報や図柄情報が所定の配列で付されている。ガラス板の背後にはランプユニットが配置されており、この表示領域内の情報はランプによって点灯表示される。例えば、最初に遊技者がメダル投入口を通じてメダルを投入すると、その投入枚数に応じてベット数が加算され、このとき右側の表示領域ではベット数に対応したメダルラインランプが点灯表示される。ベット数が最大(例えば3ベット)に達すると、さらに投入されたメダルはクレジットとして貯留され、そのクレジット数は表示部に数値表示される。
メダルラインランプが点灯表示された状態で遊技者が始動レバー(始動操作手段)を操作すると、内部抽選(内部的な抽選)が実行されるとともに、リールが一斉に回転し始めて図柄が変動する。さらに遊技者が停止ボタン(停止操作手段)を操作すると、右・中・左のそれぞれに対応するリールが回転を停止して図柄の変動が停止する。ここで図柄の変動が停止する際には、上記内部抽選の結果に応じて、所定の図柄の組み合わせの表示が許容される。
このとき、表示窓内で有効化されている有効ライン上に一定の図柄の組み合わせ(例えば特定の図柄の組み合わせが一列に揃った状態)が表示されると、遊技者に特典が付与される。この特典としては、例えばメダルの払い出しや特別遊技状態(いわゆるビッグボーナスゲームやレギュラボーナスゲーム、あるいは、アシストタイム、チャレンジタイム等)への移行等を挙げることができ、遊技者は特別遊技を実行することでより多くのメダルの払い出しを受けることが可能となる。
上述した遊技操作によって所定の図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されると、そのとき表示された図柄の組み合わせの種類に応じたメダルの払出枚数が、表示部に表示される。また、ビッグボーナスゲームやレギュラボーナスゲームに移行すると、その進行中に残りゲーム数が表示部に表示されるものとなっている。払い出されたメダルは表示部のクレジット数が最大になるまでクレジットとして貯留され、最大クレジット数を超えた分のメダルは払出口を通じて受け皿に払い出される。また遊技者は、クレジット精算ボタンを操作することでメダルの貯留(クレジット)を解除し、それまで貯留していたメダルの払い出しを受けることも可能である。
本実施形態のスロットマシンは、表示窓の上方に液晶表示装置(表示装置、表示器)を有しており、この液晶表示装置には、遊技の進行に伴う演出のための映像や各種ボーナスゲームでの獲得メダル数等が表示されるものとなっている。また、払出口の左右には、遊技の進行に伴う効果音やBGM、音声等を出力するための2個のスピーカが設けられている。その他、前面扉には各所にランプが配置されており、これらランプは遊技状態に応じた発光装飾による演出を実施することができる。
図14は、スロットマシン101に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。このスロットマシン101は、遊技の進行を統括的に制御するためのメイン制御基板192(遊技制御部)を有しており、このメイン制御基板192には、CPU210、ROM212、RAM214及び入出力インターフェース216などが実装されている。このCPU210は、遊技制御プログラムなどのソフトウェアによって抽選用の乱数を発生し、内部的に抽選を実行する。そしてCPU210は、通常遊技中に、始動レバー118の操作を契機にソフトウェア上で取得した乱数値と当り値とを照合して、この内部抽選に当選しているか否かを判定する。
このメイン制御基板192には、ベットボタン112,114,116や始動レバー118、停止ボタン120,122,124及び貯留精算ボタン146等が接続されているこれら操作ボタン類は、図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、検出された操作信号をメイン制御基板192に出力する。具体的には、始動レバー118は、上記3つのリールを始動させる操作信号をメイン制御基板192に出力し、停止ボタン120,122,124は、各々3つのリールを停止させる操作信号をメイン制御基板192に対して出力する。
また、図示しないエラー解除センサが上記鍵穴の奥に設置されており、このエラー解除センサは、この鍵穴に専用鍵が挿入された後に左回りに回されたことを検出する機能を有し、この検出を契機にリセット信号をメイン制御基板192に出力する。一方、このエラー解除センサは、この鍵穴に専用鍵が挿入された後に右回りに回されて解錠することで前面扉が開放されると、上記前面扉の裏に設けられた扉開放センサ232により開放信号がメイン制御基板へ出力される。この扉開放センサ232はエラー解除センサ200と隣接して設置されており、前面扉が開放されると、前面扉と本体部分とが離れたことを検出することができる。
またスロットマシン101にはメイン制御基板192とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン制御基板192に各種の信号が入力されている。機器類には、前述の3つのリールを擁するリール装置(左リール駆動モータ188a、中リール駆動モータ188b及び右リール駆動モータ188cなど)の他、ホッパ装置178等がある。
リール装置は、各リールの回転に関する基準位置を検出するための位置センサを有しており、これら位置センサ(各リールに対応してそれぞれ左リール位置センサ206a、中リール位置センサ206b、右リール位置センサ206cと呼ぶ)からの検出信号(インデックス信号)がメイン制御基板192に入力されている。また上記メダル投入口の奥には、投入センサ204およびロックアウトソレノイド202が設置されている。
このうち投入センサ204は、図示しないメダル投入口から投入されたメダルを検出し、この検出信号をメイン制御基板192に出力する。一方、ロックアウトソレノイド202は、前面扉の内側でメダル投入口の奥に配置されたメダルセレクタの通路をロックアウトする(塞ぐ)役割を果たす。このロックアウトソレノイド202は、ノーマル(非作動)の状態でメダルセレクタの通路をロックアウトしているが、作動時にはこの通路を開き(ロックアウト解除)、メダルの投入を受け付け可能な状態にする。また、投入されたメダルは投入センサ204で検出される。逆に、ロックアウトソレノイド202が非作動状態になるとメダルセレクタがロックアウトされてメダルの投入が受け付けられなくなり、遊技者がメダルを投入しても、そのまま吐き出されて受け皿に返却される。また、このとき合わせて投入センサ204の機能が無効化されるので、メダル投入によるベット加算、クレジット加算のいずれも行われなくなる。
ホッパ装置178は、払出し口内に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ198を有しており、この払出センサ198から、メダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン制御基板192に入力されている。また、図示しない遊技メダル補助収納庫にはメダル満タンセンサ186が設けられており、内部に貯留されたメダルの貯留数が所定数量を超えた場合、メダルが予め定められた数量を超えたことを示す検出信号をメイン制御基板192に出力することができ、液晶表示部158等により遊技機の異常を知らせるエラー表示が行われ、遊技者等に報知されることとなっている。
一方、メイン制御基板192からは、前述した各リールを回転させるための各リール駆動モータ188a,188b,188cを含むリール装置及び、ホッパ装置178に対して制御信号が出力される。すなわち、このメイン制御基板192は、各リール駆動モータ188a,188b,188cの起動及び停止を制御するための駆動パルス信号を、リール装置やホッパ装置178に対して出力する。またホッパ装置178には、組み合わせが表示された図柄の種類に応じてメイン制御基板192から駆動信号が入力され、これを受けてホッパ装置178はメダルの払い出し動作を行なう。
このときホッパ装置178内に、払出しに必要な枚数のメダルが不足している状態か、或いはメダルが全く無い状態であると、払出しセンサ198による枚数検出が滞ることとなる。この状態で所定時間経過(例えば3秒間)すると、この払出しセンサ198が、払出しメダルの異常信号をメイン制御基板192に対して出力する。これを受けて、メイン制御基板192は、メダルの払出しに異常が発生したことを知らせる内容を、エラー表示部134や液晶表示部158等に表示させる。
スロットマシン101は、メイン制御基板192の他にサブ制御基板194(演出制御部、表示制御部)を備えており、このサブ制御基板194には、CPU218、ROM220、RAM222、入出力インターフェース230、音源IC228及びオーディオアンプ226が実装されている。このサブ制御基板194は、メイン制御基板192から各種の指令信号を受け、各ランプ160,162,164,166各々の点灯、点滅及び消灯を制御しているとともに、スピーカ156の作動を制御している。このサブ制御基板194には、後述する表示制御基板30zが接続されている。この表示制御基板30zには、その制御によって映像を表示する液晶表示部158が接続されている。なお、この表示制御基板30zの機能はサブ制御基板194に搭載されていても良い。この場合、サブ制御基板194には表示制御基板30zが接続されておらず、直接、液晶表示部158が接続されていることになる。
さらに、メイン制御基板192には外部端子板196が接続されており、スロットマシン1はこの外部端子板196を介して遊技場(ホール)のホールコンピュータ208に接続されている。この外部端子板196は、このメイン制御基板192から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ208に中継する役割を担っている。
その他、スロットマシン101の内部には電源ユニット170が収容されており、この電源ユニット170は外部電源から電力を取り込んでスロットマシン101の作動に必要な電力を生成する。ここで生成された電力は、電源ユニット170から各ユニット(メイン制御基板192、サブ制御基板194及び表示制御基板30zなど)に供給されている。
また電源ユニット170には、設定キースイッチ172、リセットスイッチ174及び電源スイッチ176が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン101の外側に露出しておらず、前面扉を開くことで始めて操作可能となる。このうち電源スイッチ176は、スロットマシン101への電力供給をON/OFFするためのものであり、設定キースイッチ172は、例えばソフトウェアによって生成された抽選用乱数を用いた当選確率の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ174は、スロットマシン101で発生したエラーを解除するためのものであり、さらには設定キースイッチ172とともに設定を変更する際にも操作される。
ここで、上記表示制御基板30zは、液晶表示部158に表示させる映像の内容が異なる点を除いて、第1実施形態における装飾図柄制御基板30とほぼ同様の構成であるとともにほぼ同様の機能を発揮し、この液晶表示装置158によるキャラクタ画像などの映像の表示動作を制御している。なお、この表示制御基板30zは、第1実施形態におけるリーチ演出などの変動表示パターンとは異なる演出表示であって、遊技の進行などに伴う演出表示としていくつかのシーンを組み合わせてある映像を表示させる機能を有する。
この表示制御基板30zには、第1実施形態(図3参照)と同様に図柄CPU311(表示制御プロセッサ)、2つのキャラクタRAM321,322(揮発性映像メモリ)、制御ROM325(制御メモリ)、キャラクタROM340(不揮発性映像メモリ)、VDP(映像表示プロセッサ)330及びメモリインターフェース制御回路324(メモリインターフェース部)が搭載されている。
なお表示制御基板30zは、その機能がサブ制御基板194に搭載されている形態であってもよい。つまりサブ制御基板194は、これら図柄CPU311、キャラクタRAM321,322、制御ROM325、キャラクタROM340、VDP330及びメモリインターフェース制御回路324などを備えている形態であってもよい。
スロットマシン101は、表示制御基板30zの図柄CPU311の制御によって、VDP330が、キャラクタROM340に格納されているキャラクタ画像データ(動画像データ及びスプライトデータ)の読み出しを指示し、この読み出したキャラクタ画像データに基づくキャラクタ画像を液晶表示部158(表示装置、表示器)に表示させる構成となっている。
本発明の第2応用例によれば、遊技機が回胴式遊技機である点を除いて第1実施形態とほぼ同様の効果を上げることができるとともに、これに加えてさらに、VDP330が、スプライトを背景画像に重ねる処理にあたり、このスプライトのうち透過画素TGに関する処理を減らすことができるため、スプライトを背景画像に重ねる処理をより高速に実行することができる。このため第2応用例によれば、VDP330が、映像を構成する各フレームに含めることができるスプライトの数を増やすことができるため、多彩な演出表示を実現することができる。特に第2応用例によれば、特別遊技状態へ移行するかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせる演出表示や、特別遊技状態における演出表示などに関し、多彩な演出表示を実現することができる。
(14.その他の実施形態についての言及)
以上は一実施形態についての説明であるが、本発明の実施の形態がこれに制約されることはない。以下に、その他の実施形態についていくつか例を挙げて言及する。例えばレイヤーL1など同士を重ねた場合に画素同士を重ね合わせるのは、上記スプライトと背景画像のみならず、スプライト同士であっても良いし、或いは、背景画像を一種のスプライトと考えて、背景画像以外のスプライトと、背景画像のスプライトとであっても良い。
また本実施形態では、VDPコントローラ331が、ヘッダ情報HDに画素識別子が存在しているか否かに応じてスプライトデータが画素識別子を含むか否かを判断する代わりに、次のようにしても良い。すなわち本実施形態では、このヘッダ情報HD自体に、画素識別子の有無を表す画素識別子有無フラグを含めておいて、VDPコントローラ331が、この画素識別子有無フラグの設定に応じて、スプライトデータ(のヘッダ情報HD)が画素識別子を含むか否かを判断する形態であっても良い。このようにすると、VDPコントローラ331は、この画素識別子有無フラグを参照すれば、即座にスプライトデータ(のヘッダ情報HD)に画素識別子が存在しているか否かを判断することができる。
また、上記演出表示の具体例としては、リーチ演出表示や特別遊技状態におけるラウンド表示を挙げることができる。このリーチ演出表示は、例えば遊技球の入賞を契機とした大当り抽選において当選しそうであること或いは当選しないもののあたかも大当りに当選するかもしれないことを、遊技者などに対して暗示して遊技者を期待させる演出表示である。また上記実施形態では、キャラクタROM340に予め格納されているシーン表示に必要な素材画像データ(動画像データ及びスプライトデータ)が圧縮された形態を採用しているが、これに限られず、圧縮されていない形態を採用しても良いことはいうまでもない。
また本実施形態では、映像としてのシーンとして、動画像を背景とするとともに前景にスプライトを表示させる形態を例示しているが、これに限られず、背景をスプライトとするとともに前景に動画像及びスプライトを表示させる形態など、動画像及びスプライトの少なくとも一方を表示する形態を採用することもできる。
上記各実施形態では、液晶素子を用いて表示動作を実行する表示手段(装飾図柄表示装置など)を例示しているがこれに限られず、EL(エレクトロルミネッセンス:Electro Luminescence)素子を用いた表示手段或いはプラズマを用いた表示手段に適用しても良い。
また、上記各実施形態は、遊技媒体として遊技球を用いて遊技する回胴式遊技機にも適用することができる。遊技球を用いた回胴式遊技機は、遊技媒体としてメダルやコインを用いた回胴式遊技機とほぼ同様の構成であるとともにほぼ同様の動作を実行するが、以下の点が、メダルやコインを用いた回胴式遊技機とは異なっている。
つまり、遊技球を用いて遊技する回胴式遊技機では、まず、遊技媒体としての遊技球を規定個数分だけまとめて遊技価値の1単位とする遊技価値計数装置(遊技価値計数手段)を備え、この遊技価値計数装置によって1単位とされた所定数の遊技価値を掛ける点が異なっている。さらに、遊技球を用いて遊技する回胴式遊技機では、表示された図柄の組み合わせの種類に応じた数の遊技価値に相当する個数分の遊技球を遊技者に与える(遊技価値付与手段)点が異なっている。なお、メダルやコインを用いて遊技する回胴式遊技機及び、遊技球を用いて遊技する回胴式遊技機のいずれにおいても、1回のゲームごとに掛けられる遊技価値の所定数は1通りでもよいし、複数通りであってもよい。
このような遊技球を用いて遊技する回胴式遊技機によれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を発揮することができるとともに、これに加えてさらに、VDP330が、スプライトを背景画像に重ねる処理にあたり、このスプライトのうち透過画素TGに関する処理を減らすことができるため、スプライトを背景画像に重ねる処理をより高速に実行することができる。このため、遊技球を用いて遊技する回胴式遊技機によれば、VDP330が、映像を構成する各フレームに含めることができるスプライトの数を増やすことができるため、多彩な演出表示を実現することができる。特に、遊技球を用いて遊技する回胴式遊技機によれば、特別遊技状態へ移行するかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせる演出表示や、特別遊技状態における演出表示などに関し、多彩な演出表示を実現することができる。