JP2007080961A - エレクトロルミネッセンス装置及びその製造方法 - Google Patents

エレクトロルミネッセンス装置及びその製造方法 Download PDF

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直之 豊田
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Abstract

【課題】 所望の画素領域からの電流のリークを好適に抑制することができるエレクトロルミネッセンス装置及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】 透明基板2上に、X方向に延設してY方向に複数本並設した走査電極3と分離突部8を形成した。また、データ電極11の外側面11aに発光層12と正孔輸送層13を積層して四角柱状の有機EL棒10を形成した。そして、有機EL棒10を透明基板2に取付ける際に、断面楔形状に形成された分離突部8に有機EL棒10を押圧し、各画素領域S毎に正孔輸送層13及び発光層12を分離する。さらに、有機EL棒10を押圧して正孔輸送層13と走査電極3を密着させた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、エレクトロルミネッセンス装置及びその製造方法に関する。
近年、液晶ディスプレイに替わる自発発光型ディスプレイとして、有機物を発光材料として用いた有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下単に、「有機ELディスプレイ」という。)の開発が盛んに行われている。有機ELディスプレイは、各画素内に形成された一対の電極の間に発光層、正孔輸送層、電子輸送層等からなる機能層を備え、機能層に供給する駆動電流やその駆動時間の制御によって、表示データに即した画像を表示するようにしている。
この有機ELディスプレイの駆動方法としては、パッシブマトリックス方式とアクティブマトリックス方式とが通常良く用いられる。その中でもパッシブマトリックス方式は、画素領域内にTFT等の制御素子を配置する必要がなく、さらに構造が比較的簡単であるため低コストで製造ができるという利点があり、有機ELディスプレイ以外の表示ディスプレイにも広く用いられている。
このパッシブマトリックス方式の有機ELディスプレイでは、前記機能層を挟んで複数の走査電極を行方向に延出形成するとともに、複数のデータ電極を列方向に延出形成し、各走査電極と各データ電極がそれぞれ交差する部分を画素領域としている。そして、走査電極駆動回路の線順次走査に基づいて各走査電極を1本ずつ順次選択し、データ電極駆動回路から対応するデータ電極にデータ電流を印加して所望の画素領域を発光している。さらに、選択する走査電極を一つずらして、次に対応するデータ電極にデータ電極駆動回路からデータ電流を印加する。この一連の動作を高速で繰返すことによって、有機ELディスプレイ上に所望の画像を表示する(例えば、特許文献1)。
特開2001−284057号公報
ところが、この種の有機ELディスプレイでは、走査電極の上側に走査電極からの正孔を発光層に輸送する正孔輸送層がべた状に形成されている。また、この正孔輸送層は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等の導電性の高分子材料で構成されている。そのため、所望の画素領域以外の正孔輸送層に電流がリークしやすく、発光に関与する電流効率が低下していた。さらに、このリーク電流によって画素領域以外でも正孔と電子の再結合によって光が発光されて所望の発光パターンが得られなくなる虞があった。
本発明は、前述した上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、所望の画素領域からの電流のリークを好適に抑制することができるエレクトロルミネッセンス装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明のエレクトロルミネッセンス装置(以下単に、「EL装置」という。)は、透明基板の一側面に、第1方向に延設した複数の第1電極を第2方向に並設するとともに、第2電極の外側面に発光層を含む機能層を積層した複数の発光棒を前記複数の第1電極に対して交差するように前記第1方向に並設したEL装置であって、前記複数の発光棒を、前記複数の第1電極との交差部分の機能層と、他の交差部分の機能層とを電気的に分離する分離手段を備えた。
本発明のEL装置によれば、第1電極と交差するように配設される発光棒は、分離手段によって、第1電極の交差部分の機能層と他の交差部分の機能層が電気的に分離される。従って、所望の機能層から他の機能層への電流のリークを好適に抑制することができる。
このEL装置において、前記分離手段は、前記透明基板の一側面に前記各第1電極の間にそれぞれ形成されるようにしてもよい。
このEL装置によれば、各第1電極の間に形成された分離手段によって、発光棒の機能層を第1電極の交差部分の機能層毎に電気的に分離することができる。
このEL装置において、前記分離手段は、高抵抗体又は絶縁体であってもよい。
このEL装置によれば、機能層を分離する分離手段が高抵抗体又は絶縁体であるため、その分離手段にはより電流が流れにくくなる。従って、所望の機能層から他の機能層への電流のリークをより好適に抑制することができる。
このEL装置において、前記分離手段は、遮光体であってもよい。
このEL装置によれば、分離手段が遮光体であるため、その分離手段が設置されている領域からの光の出射を好適に抑制することができる。従って、所望の機能層以外からの光の出射を好適に抑制することができるため、所望の発光パターンを得ることができる。
このEL装置において、前記分離手段は、断面楔形状に形成してもよい。
このEL装置によれば、分離手段が断面楔形状に形成されているため、発光棒を分離手段の上面に当接させると、弱い押圧力によっても発光棒の機能層を分離することができる。
このEL装置において、前記機能層は、少なくとも正孔輸送層、正孔障壁層、電子輸送層、電子障壁層のいずれか1つを含むようにしてもよい。
このEL装置によれば、少なくとも正孔輸送層、正孔障壁層、電子輸送層、電子障壁層のいずれか1つを有する分だけ、EL装置の発光特性を向上させることができる。
このEL装置において、前記第1電極及び前記第2電極のいずれか一方は、透明電極であってもよい。
このEL装置によれば、第1及び第2電極のいずれか一方が透明電極であるため、透明電極が配設された側の面から光を効率的に出射させることができる。
本発明のEL装置の製造方法は、透明基板の一側面に、第1方向に延設した複数の第1電極を第2方向に並設するとともに、第2電極の外側面に発光層を含む機能層を積層した複数の発光棒を前記複数の第1電極に対して交差するように前記第1方向に並設して、前記複数の発光棒と前記複数の第1電極との交差部分の発光層から光を出射させるEL装置の製造方法であって、前記透明基板の一側面に前記複数の第1電極を形成した後、前記複数の第1電極の間にその先端が前記第1電極の上面より高い分離手段を形成する分離手段形成工程と、前記第2電極の外側面に前記発光層を含む機能層を積層した前記複数の発光棒の各々を、前記複数の第1電極と交差する方向に、前記機能層と前記第1電極の上面とを電気的に接続されるとともに、前記機能層を前記分離手段にて分離されるように取付ける発光棒取付け工程とを備えた。
本発明のEL装置の製造方法によれば、分離手段を第1電極の上面よりも高く形成するため、発光棒の機能層と第1電極の上面とを電気的に接続すると、分離手段によって機能層を分離することができる。従って、所望の機能層からの電流のリークを好適に抑制することができるEL装置を製造することができる。
このEL装置の製造方法において、前記発光棒取付け工程は、前記各発光棒を前記分離手段に対して押圧して、前記分離手段により前記発光棒の機能層を分離するようにしてもよい。
このEL装置の製造方法によれば、発光棒を分離手段に対して押圧するだけで、分離手段により発光棒の機能層を分離することができるため、所望の機能層からの電流のリークを好適に抑制することができるEL装置を簡便に製造することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、エレクトロルミネッセンス装置(以下単に、「EL装置」という。)1は、四角形状に形成された透明基板2を有している。透明基板2は、無アクリルガラス等の透明無機材料、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート等の透明樹脂材料からなる基板である。
透明基板2の一側面(走査電極形成面2a)には、四角柱状に形成された第1電極としての複数(m本)の走査電極3が、第1方向としてのX方向に向かって延設され、第2方向としてのY方向に等間隔に並設されている。各走査電極3は、仕事関数の高い光透過性の導電材料(例えば、ITO(Indium−Tin−Oxide)等)で形成された陽極であって、透明基板2の一側端に接続されたFPC(フレキシブル基板)5上の走査電極駆動回路6にそれぞれ電気的に接続されている。走査電極駆動回路6は、図示しない制御回路からの各種制御信号やクロック信号に基づいて、複数の走査電極3の中から所定の1つの走査電極3を所定のタイミングで順次選択し、選択した走査電極3に走査信号を出力するようになっている。
また、X方向に延設された各走査電極3の間には、分離手段としての分離突部8が、それぞれX方向に延設されている。図2に示すように、分離突部8は、断面三角形状すなわち楔形状に形成されており、二酸化珪素等の無機材料から構成され、絶縁性を有している。
各走査電極3及び各分離突部8の上側には、四角柱状に形成された複数(n本)の発光棒としての有機エレクトロルミネッセンス棒(以下単に、「有機EL棒」という。)10が、それぞれ各走査電極3及び各分離突部8と直交するようにY方向に向かって延設され、X方向に等間隔に並設されている。なお、本実施形態では、これらn本の有機EL棒10がm本の走査電極3と交差するm×n個の領域を画素領域Sという。
各有機EL棒10は、その中央に第2電極としてのデータ電極11を備えており、そのデータ電極11の外側面11aには、データ電極11の軸心側から順に、発光層12と正孔輸送層13が積層されている。
各データ電極11はY方向に延びる四角柱状に形成された陰極であって、仕事関数の低い導電性材料(例えば、Li,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb,Ag,Cu,Al,Cs,Rbの金属元素単体等)によって形成されている。
また、図1に示すように、各データ電極11は、透明基板2の一側端に配設された前記FPC5上のデータ電極駆動回路14にそれぞれ電気的に接続されている。データ電極駆動回路14は、図示しない制御回路からの各種制御信号や表示データに基づいて、各データ電極11に、対応するデータ信号を所定のタイミングで出力するようになっている。
図2に示すように、各発光層12は、データ電極11の外側面11aの全体にわたって均一な膜厚で積層された有機層であって、発光層材料としてのフルオレン−ジオチフェンコポリマー(以下単に、「F8T2」という。)で形成されて、それぞれ対応するデータ電極11から、データ信号に対応した電子が注入されるようになっている。
なお、発光層材料は、「F8T2」に限らず、以下に示すような公知の低分子系の発光層材料、あるいは高分子系の発光層材料を利用することができる。
低分子系の発光層材料としては、シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、クマリン誘導体物、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等の金属錯体等を利用することができる。
高分子系の発光層材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリフルオレノン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、ポリビニレンスチレン誘導体、及びそれらの共重合体、トリフェニルアミンやエチレンジアミン等を分子核とした各種デンドリマー等を利用することができる。
各正孔輸送層13は、発光層12の外側面12aの全体にわたって均一な膜厚で積層された有機層であって、正孔輸送層材料としてのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下単に、「PEDOT」という。)で形成されている。正孔輸送層13は、それぞれ交差するm本の走査電極3と面接触で接続されて、各走査電極3から注入された正孔を、対応する画素領域Sの発光層12まで輸送するようになっている。
なお、正孔輸送層材料は、「PEDOT」に限らず、以下に示すような公知の低分子系の正孔輸送層材料、あるいは高分子系の正孔輸送層材料を利用することができる。
低分子系の正孔輸送層材料としては、例えば、ベンジジン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチリルアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ピラゾリン誘導体、カルバゾール誘導体、ポリフィリン化合物等を利用することができる。
高分子系の正孔輸送層材料としては、上記した低分子構造を一部に含む(主鎖あるいは側鎖にする)高分子化合物、あるいはポリアニリン、ポリチオフェンビニレン、ポリチオフェン、α−ナフチルフェニルジアミン、トリフェニルアミンやエチレンジアミン等を分子核とした各種デンドリマー等を利用することができる。
また、有機EL棒10が各走査電極3及び各分離突部8の上側に配設されると、各走査電極3と交差する有機EL棒10の領域は、各走査電極3と正孔輸送層13とが面接触する。一方、各分離突部8と交差する有機EL棒10の領域は、各分離突部8によって有機EL棒10の下部(図2において下側)に形成されている発光層12及び正孔輸送層13が電気的に分離される。図3に示すように、分離突部8は、その高さが、走査電極3とデータ電極11の下部に形成されている正孔輸送層13と発光層12との高さを合わせた高さと略同じに形成されている。また、分離突部8は、断面楔形状に形成されているため、薄膜である正孔輸送層13や発光層12を弱い押圧力で分離することができる。そのため、各走査電極3に正孔輸送層13を面接触させるように有機EL棒10を分離突部8に押圧すると、分離突部8が、データ電極11の下部に形成された正孔輸送層13及び発光層12を分離する。従って、分離突部8によって、画素領域S毎に機能層(発光層12及び正孔輸送層13)を区切ることができる。なお、データ電極11は、分離突部8によって分離されないようになっている。
このように、データ電極11の下部に形成された正孔輸送層13及び発光層12を、絶縁性を有する分離突部8により電気的に分離することによって、所望の画素領域Sから他の画素領域Sの正孔輸送層13及び発光層12に電流が流れにくくなる。従って、所望の(発光すべき)画素領域Sから他の画素領域Sへの電流のリークを好適に抑制することができる。
各有機EL棒10の上側には、図1〜図3に2点鎖線で示すように、封止基板15が配設されている。封止基板15は、ガスバリヤ性を有した基板であって、その透明基板2側(図1において下側)の側面(取付面15a)には、Y方向に沿う複数の凹溝(取付け溝15b:図2参照)が、等間隔をおいてX方向に配列形成されている。各取付け溝15bは、封止基板15が透明基板2に配設される状態で、その形成位置が、有機EL棒10の配列位置に対応するようになっている。そして、各取付け溝15bは、有機EL棒のX方向の幅と略同じ大きさの溝幅で形成されて、複数の有機EL棒10をY方向に沿って案内するようになっている。
封止基板15と透明基板2との間であって、これら封止基板15及び透明基板2の外縁には、図1に示すように、四角枠状に形成された封止層16が形成されている。封止層16は、ガスバリヤ性を有した光透過性の無機あるいは有機高分子膜であって、封止基板15(有機EL棒10)を透明基板2(走査電極3)に密着させて、封止基板15と透明基板2との間の空間(各データ電極11、各発光層12、各正孔輸送層13、各走査電極3、各分離突部8)を封止して、水分や酸素等の侵入を遮断するようになっている。
そして、走査電極駆動回路6の線順次走査に基づいて各走査電極3が1本ずつ順次選択されて、データ電極駆動回路14からのデータ信号が対応するデータ電極11に順次入力される。すると、選択された各走査電極3に対応する各画素領域Sで、それぞれ走査電極3からの走査信号に対応した正孔と、データ電極11からのデータ信号に対応した電子とが発光層12に注入される。そして、各画素領域Sに対応する発光層12内で正孔と電子の再結合によるエキシトン(励起子)が生成されて、このエキシトンが基底状態に戻るときのエネルギー放出によって、蛍光あるいは燐光の光L(図2参照)が発光される。各画素領域Sで発光された発光層からの光Lは、対峙する走査電極3と透明基板2を通過して、走査電極形成面2aと相対向する透明基板2の一側面(表示面2b)から出射される。これによって、表示データに基づく表示画像が、透明基板2の表示面2bに表示される。
次に、上記EL装置1を製造する製造方法について、以下に説明する。
まず、透明基板2の走査電極形成面2aに走査電極3を形成する走査電極形成工程を行う。すなわち、図4に示すように、透明基板2の走査電極形成面2aに対し、光透過性の導電性材料を利用したスクリーン印刷法やインクジェット法等の液相プロセス、あるいは蒸着法やスパッタ法等の気相プロセスを施すことによって、X方向に延びる複数の走査電極3を形成する。
走査電極3を形成すると、各走査電極3の間に走査電極3の上面よりも高い分離突部8を形成する分離手段形成工程としての分離突部形成工程を行う。すなわち、分離突部8は、プラズマCVD法によって形成され、フォトエッチングでパターン形成されて、走査電極形成工程において形成した各走査電極3の間に分離突部8が形成される。
各走査電極3の間に分離突部8を形成すると、データ電極11の外側面11aに発光層12を形成する発光層形成工程を行う。すなわち、図5に示すように、透明基板2に組みつけられる前のデータ電極11を、前記「F8T2」を含む液状体(発光層形成液12L)に浸漬して引き出す。そして、データ電極11の外側面11aに堆積した発光層形成液
12Lの液状膜12Fを乾燥することによって発光層12が形成される。つまり、発光層12は、透明基板2から独立した製造工程によって形成される。
発光層12を形成すると、発光層12の外側面12aに正孔輸送層13を形成する正孔輸送層形成工程を行う。すなわち、図6に示すように、発光層12を形成したデータ電極11を、前記「PEDOT」を含む液状体(正孔輸送層形成液13L)に浸漬して引き出す。そして、発光層12の外側面12aに堆積した正孔輸送層形成液13Lの液状膜13Fを乾燥することによって正孔輸送層13が形成される。つまり、正孔輸送層13は、発光層12と同じく、透明基板2から独立した製造工程によってデータ電極11の外側面11aに形成されて、有機EL棒10を透明基板2(各走査電極3及び各分離突部8)に組み付けることによって機能するようになっている。
発光層12及び正孔輸送層13を形成して有機EL棒10を形成すると、透明基板2に有機EL棒10を取付ける発光棒取付け工程としての有機EL棒取付け工程を行う。すなわち、図7に示すように、まず、封止基板15の取付け面15aを上側にして、各取付け溝15b内に、複数の有機EL棒10を配置する。封止基板15に各有機EL棒10を配置すると、封止基板15の外縁に沿って紫外線硬化性樹脂16Lを塗布し、封止基板15及び透明基板2を、不活性ガスの減圧雰囲気下に搬送して、各有機EL棒10と各走査電極3及び分離突部8が交差するように、透明基板2を封止基板15上に載置して貼り合わせる。さらに、各有機EL棒10の正孔輸送層13と各走査電極3とが密着するまで押圧する。このとき、断面楔形状の分離突部8が走査電極3とデータ電極11の下部に形成されている正孔輸送層13と発光層12との高さを合わせた高さに形成されているため、正孔輸送層13と走査電極3とが密着すると、分離突部8によって有機EL棒10の下部に形成された正孔輸送層13及び発光層12が分離される。その結果、有機EL棒10が各画素領域S毎に区切られる。そして、この押圧した状態の透明基板2及び封止基板15を大気に解放し、紫外線硬化性樹脂16Lに紫外線を照射して硬化する。
これによって、走査電極3、分離突部8及び有機EL棒10を挟むようにして、透明基板2に封止基板15を密着させることができる。そして、大気圧によって、各走査電極3を均一に各有機EL棒10(正孔輸送層13)に押圧することができ、正孔輸送層13と各走査電極3との間の電気的な接触を確保することができる。また、透明基板2と封止基板15との間に封入した不活性ガスによって有機EL棒10の電気的安定性を確保することができる。
次に、本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、走査電極形成面2aの走査電極3の間に形成した複数の分離突部8によって、同分離突部8及び走査電極3の上面に直交するように配設される有機EL棒10の正孔輸送層13及び発光層12を画素領域S毎に分離することができる。従って、所望の画素領域Sから他の画素領域Sの正孔輸送層13及び発光層12に電流が流れにくくなるため、所望の画素領域Sからの電流のリークを好適に抑制することができる。その結果、分離された各画素領域S毎に光Lが発光されるため、所望の発光パターンを得ることができる。
(2)本実施形態によれば、絶縁性を有する二酸化珪素で分離突部8を形成するようにした。従って、その分離突部8に電流がより流れにくくなるため、所望の画素領域Sから他の画素領域Sへの電流のリークをより好適に抑制することができる。
(3)本実施形態によれば、有機EL棒取付け工程において、正孔輸送層13と各走査電極3とが密着するまで押圧することによって、分離突部8により各有機EL棒10を各画素領域S毎に区切ることができる。すなわち、正孔輸送層13及び発光層12は、分離
突部8に押圧されることによって、分離突部8により分離される。従って、有機EL棒10を分離突部8に押圧するという簡便な方法により、各画素領域S毎に有機EL棒10を区切ることができる。
(4)本実施形態によれば、分離突部8を断面楔形状に形成したため、薄膜である正孔輸送層13や発光層12を弱い押圧力で分離することができる。従って、正孔輸送層13及び発光層12を分離するための特別な装置を要しないため、EL装置1の構造を簡単にすることができる。
(5)本実施形態によれば、データ電極11を有機EL棒10の一部として構成したため、有機EL棒10のサイズや本数を変更することによって、EL装置1のサイズを容易に変更することができる。
(6)上記実施形態によれば、データ電極11(有機EL棒10)を四角柱状に形成したため、正孔輸送層13と走査電極3とを面接触させることができ、正孔輸送層13と走査電極3との電気的接続を安定させることができる。
なお、上記各実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・上記実施形態における分離突部8を、遮光体として形成するようにカーボンブラック等の遮光材を分散させた黒色樹脂材料を用いて、分離突部8を構成するようにしてもよい。これによって、その分離突部8が設置されている領域からの光の出射を好適に抑制することができため、所望の発光パターンを得ることができる。
・上記実施形態では、分離突部8は絶縁性を有するように二酸化珪素で形成するようにした。これに限らず、例えば高抵抗材料で分離手段を形成するように変更して実施してもよい。この場合、正孔輸送層13よりも高抵抗性を有することが好ましく、さらに、発光層よりも高抵抗性を有することがより好ましい。
・上記実施形態では、分離突部8を、プラズマCVD法によって形成した。これに限らず、例えばスクリーン印刷法によって形成するように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、分離突部8によって、正孔輸送層13及び発光層12が分離されるように具体化したが、これに限らず、例えば正孔輸送層13のみを分離するような構成としてもよい。
・上記実施形態では、有機EL棒10を分離突部8に押圧することによって、正孔輸送層13及び発光層12を分離していた。これに限らず、例えば有機EL棒10を分離突部8の上面に当接させながらスライドさせたり、回転させたりすることによって、正孔輸送層13及び発光層12を分離するように変更して実施してもよい。これによって、より弱い押圧力で正孔輸送層13及び発光層12を分離することができる。
・上記実施形態では、分離突部8を断面楔形状に具体化したが、この形状に制限されるものではない。
・上記実施形態では、分離突部8をX方向に延設し、Y方向に並設するように構成したが、これに限らず、例えばY方向に延設され、X方向に複数本並設される分離手段をさらに形成するように変更して実施してもよい。また、画素領域S以外の正孔輸送層13及び発光層12を分離することができればよいため、分離手段をX方向に延設するのではなく、画素領域S以外の対応する位置毎にそれぞれ分離手段を形成するように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、有機EL棒10を四角柱状に具体化したが、これに限らず、例え
ば断面が三角形や五角形以上の多角形であってもよく、さらには断面が楕円形状や円形状であってもよい。
・上記実施形態では、発光層12及び正孔輸送層13を液相プロセスによって形成する構成にしたが、これに限らず、蒸着等の気相プロセスによって形成する構成にしてもよい。
・上記実施形態では、発光層材料を有機系高分子あるいは有機系低分子によって構成した。これに限らず、例えば発光層材料を、ZnS/CuCl、ZnS/CuBr、ZnCdS/CuBr等の無機分子で構成してもよい。この際、当該発光層材料を有機バインダーに分散させて発光層形成液12Lを形成する構成が好ましい。なお、有機バインダーには、シアノエチルセルロース、シアノエチルスターチ、シアノエチルプルラン等の多糖類のシアノエチル化物、シアノエチルヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルグリセロールプルラン等の多糖類誘導体のシアノエチル化物、シアノエチルポリビニルアルコール等のポリオール類のシアノエチル化物等が挙げられる。
・上記実施形態では、走査電極3を透明電極としたが、これに限らず、例えばデータ電極11を透明電極として構成するように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、データ電極11の外側面11a全体に発光層12及び正孔輸送層13を形成する構成にした。これに限らず、データ電極11の外側面11aであって、透明基板2側の側面のみに、発光層12及び正孔輸送層13を形成する構成にしてもよい。
・上記実施形態では、有機EL棒10の軸心をデータ電極11によって構成したが、これに限らず、例えばガラスや樹脂等からなる棒部材を別途軸体として利用し、同軸体の外側面にデータ電極11を形成する構成にしてもよい。
・上記実施形態では、機能層を、発光層12及び正孔輸送層13によって構成した。これに限らず、例えば正孔輸送層13を省略する構成にしてもよく、あるいは正孔輸送層13と走査電極3との間に、対応する発光層12への正孔の注入効率を高めるための正孔注入層を形成する構成にしてもよい。さらには、正孔輸送層13と発光層12との間に、電子の移動を抑制する電子障壁層を形成する構成にしてもよい。
あるいは、発光層12とデータ電極11との間に、データ電極11から注入された電子を発光層12まで輸送する電子輸送層を形成する構成にしてもよい。さらには、発光層12と対応する電子輸送層との間に、正孔の移動を抑制する正孔障壁層を形成する構成であってもよい。
・上記実施形態では、有機EL棒10に発光層12を一層のみ形成する構成にした。これに限らず、例えば有機EL棒10は、対応する発光層12と電荷発生層からなるユニットを複数積層した、いわゆるマルチフォトン構造であってもよい。
・上記実施形態におけるEL装置1は、有機EL棒10の発光層12がそれぞれ赤色に対応した波長領域の光を発光する赤色発光層、緑色に対応した波長領域の光を発光する緑色発光層、青色に対応した波長領域の光を発光する青色発光層で構成されるカラー表示用のEL装置にも適用することができる。また、光Lが出射される方向の側面にカラーフィルタを配設したカラー表示用のEL装置にも適用することができる。
本実施形態におけるEL装置を説明するための概略斜視図。 同じく、EL装置を説明するための要部拡大斜視図。 同じく、EL装置を説明するための要部拡大断面図。 同じく、EL装置の製造方法を説明するための斜視図。 同じく、EL装置の製造方法を説明するための断面図。 同じく、EL装置の製造方法を説明するための断面図。 同じく、EL装置の製造方法を説明するための斜視図。
符号の説明
S…画素領域、1…エレクトロルミネッセンス装置、2…透明基板、3…第1電極としての走査電極、8…分離手段としての分離突部、10…発光棒としての有機エレクトロルミネッセンス棒、11…第2電極としてのデータ電極、12…機能層を構成する発光層、13…機能層を構成する正孔輸送層、15…封止基板、16…封止層。

Claims (9)

  1. 透明基板の一側面に、第1方向に延設した複数の第1電極を第2方向に並設するとともに、第2電極の外側面に発光層を含む機能層を積層した複数の発光棒を前記複数の第1電極に対して交差するように前記第1方向に並設したエレクトロルミネッセンス装置であって、
    前記複数の発光棒を、前記複数の第1電極との交差部分の機能層と、他の交差部分の機能層とを電気的に分離する分離手段を備えたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置。
  2. 請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス装置において、
    前記分離手段は、前記透明基板の一側面の前記各第1電極の間にそれぞれ形成されたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエレクトロルミネッセンス装置において、
    前記分離手段は、高抵抗体又は絶縁体であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のエレクトロルミネッセンス装置において、
    前記分離手段は、遮光体であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のエレクトロルミネッセンス装置において、
    前記分離手段は、断面楔形状に形成したことを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のエレクトロルミネッセンス装置において、
    前記機能層は、少なくとも正孔輸送層、正孔障壁層、電子輸送層、電子障壁層のいずれか1つを含むことを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載のエレクトロルミネッセンス装置において、
    前記第1電極及び前記第2電極のいずれか一方は、透明電極であることを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置。
  8. 透明基板の一側面に、第1方向に延設した複数の第1電極を第2方向に並設するとともに、第2電極の外側面に発光層を含む機能層を積層した複数の発光棒を前記複数の第1電極に対して交差するように前記第1方向に並設して、前記複数の発光棒と前記複数の第1電極との交差部分の発光層から光を出射させるエレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
    前記透明基板の一側面に前記複数の第1電極を形成した後、前記複数の第1電極の間にその先端が前記第1電極の上面より高い分離手段を形成する分離手段形成工程と、
    前記第2電極の外側面に前記発光層を含む機能層を積層した前記複数の発光棒の各々を、前記複数の第1電極と交差する方向に、前記機能層と前記第1電極の上面とを電気的に接続されるとともに、前記機能層を前記分離手段にて分離されるように取付ける発光棒取付け工程と
    を備えたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載のエレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、
    前記発光棒取付け工程は、前記各発光棒を前記分離手段に対して押圧して、前記分離手段により前記発光棒の機能層を分離することを特徴とするエレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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