JP2007079443A - 静電駆動素子及びこれを用いた画像表示装置 - Google Patents

静電駆動素子及びこれを用いた画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】静電駆動素子の駆動電圧の増大化を招来することなく、またブレーズ型構造に適用可能な構成をもってリボン間のショートを抑制する。
【解決手段】第1のリボン10a〜10dと第2のリボン11a〜11dとが交互に配置され、静電気により第1のリボン10a〜10dが変形する静電駆動素子1であって、その第2のリボン11a〜11dの長さが、第1のリボン10a〜10dの長さに比べて短くすることによって、リボンの横方向の復元力を高める。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば光を回折又は反射させる回折格子型光バルブなどの光回折変調素子に適用して好適な静電駆動素子及びこれを用いた画像表示装置に関する。
プロジェクターやプリンターなどの画像形成装置において、画像の解像度を上げる手法として、1次元の画像表示素子からの光束を光走査手段で走査しながら画像形成手段に投影し、2次元画像を形成する方法が知られている。1次元の画像表示用の光変調素子として、米国Silicon Light Machine社が開発した静電駆動型の光回折変調素子、いわゆる回折ライトバルブ(GLV:grating light valve)が知られている(例えば特許文献1参照。)。
この光回折変調素子は、光の回折を利用したマイクロマシン位相反射型回折格子より成り、光スイッチングの作用とともに、光の階調を電気的にコントロールすることが可能となっている。そしてこの光回折変調素子を多数配置して1次元アレイ構造とし、光変調されたライン状の光をスキャンミラーで走査することによって、2次元画像が得られる。
そのため、通常の2次元表示装置と比較して、このGLV型光回折変調素子を用いる場合は、画面の縦方向の画素数は1次元アレイの画素数と同じになるが、横方向は少なくとも1画素幅あれば良いので、2次元画像表示に必要な画素(ピクセル)数は少なくて済む。またこの光回折変調素子は、その光変調機能を発現する領域の寸法を小さく構成することが可能であり、高い解像度、高速なスイッチング速度及び広い帯域幅の表示が可能である。さらに、低い印加電圧で動作されるので、非常に小型化された表示装置を実現することが期待されている。
このGLV型光回折変調素子の動作原理を、図7〜図10を参照して簡単に説明する。図7は、1次元画像を表示するGLV型の光回折変調素子の一例の要部の概略斜視構成図である。図7に示すように、光回折変調素子31は、シリコン等より成る基板上に、ポリシリコン薄膜などから成る共通電極32が形成され、この共通電極32と所定の間隔を保って、条帯(ストリップ)状の可動リボン30a〜30dと、不動リボン31a〜31cとが交互に形成されている。可動リボン30a〜30dは、駆動電圧電源33に接続され、不動リボン31a〜31cは、固定電位とされる。また、図示しないがこれら可動リボン30a〜30d、不動リボン31a〜31cの少なくとも上面はアルミ又はアルミ合金等より成る反射膜が形成されており、反射部材として作用する。
光回折変調素子1の動作時には、可動リボン30a〜30dが駆動電圧に応じて、反射膜の反射面と直交する方向に移動可能であり、可動リボン30a〜30dの反射面の高さ(例えば基板に対する距離)を変えることができる。不動リボン31a〜31cは固定されており、反射面の高さは不変である。
なお、1つの画素(ピクセル)に対応する光回折変調素子内の可動リボン及び不動リボンの数は適宜変更可能である。
この光回折変調素子においては、各リボンが非動作時に表面がほぼ一平面上に配置される通常型構成のGLVと、各リボンが基準面(例えば光回折変調素子の基板面)から所定の角度をもって傾斜されて配置されるいわゆるブレーズ型GLVとが提案されている。これらの各タイプの光回折変調素子の一例の概略断面構成図を図8及び図9に模式的に示す。図8及び図9において、図7と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図8及び図9の例においては、一例として1画素に対応する光回折変調素子の可動リボン及び不動リボンの数を3本ずつとした場合を示す。
通常型では、図8に動作時の一例を示すように、可動リボン30a〜30cの移動量z1を例えば入射光の波長λに対しλ/4とすると、入射方向と逆向きに反射される0次回折光(図示せず)と、±1次回折光Lr(+1)及びLr(−1)が回折光として反射される。例えば+1次回折光のみを利用することにより、1本の回折光だけを空間フィルタを通してスクリーン上に結像し、画像表示用に利用することができる。非動作時(駆動電圧をゼロとする場合)には+1次回折光は生じないため、このオフ状態は画面の暗状態に対応し、表示画面が黒になる。すなわち、可動リボン30a〜30cへの駆動電圧を外部からの画像情報に対応して調整して、移動量z1を制御することによって、画素のオン/オフとこの間の階調表示が可能となる。
一方ブレーズ型では、図9に示すように、基準面S(図示しないが例えば光回折変調素子の基板面と平行な面)から例えば角度θをもって各リボン30a〜30c、31a〜31cを傾斜して配置する。この時角度θは好適にはリボン1本分の周期に対して1/4λとなる。そして、動作時には、一対の可動リボン30a〜30cと不動リボン31a〜31cの表面が一平面を成すように、可動リボン30a〜30cを移動させる。このときその移動量z2は、入射光の波長λに対してλ/4(つまり2本のリボン周期ごとに1/2λの段差)となるように動作させると、+1次回折光のみが出射される。従って、この+1次回折光を用いて、1本の回折光だけを空間フィルタを通してスクリーン上に結像することができる。
このように反射回折光のうち1本の回折光を利用する構成とすることにより、光利用効率を高めることができるためプロジェクター等の画像表示装置用としてブレーズ型GLVを用いることが有望視されている。
米国特許公開2003/0035189A1号明細書
上述したように、静電駆動型の光回折変調素子、いわゆるGLVを用いる場合は、他の光変調素子であるLCD(液晶表示)パネルなどの光利用効率が30%〜50%であることに比べると利用効率は高くなるという利点があり、上述のブレーズ型構成のGLV素子の光利用効率は現状にて70%に達する。
しかし、光源に高価なレーザを利用する場合においては、光変調素子の利用効率をより高めることが、プロジェクターなどへの応用を考えると経済的に望ましい。
ここでGLV型の光回折変調素子の効率をより高めるためには、そのリボン上の反射膜の反射率を高める方法と共に、リボンとリボンのギャップ(間隔)を狭めることが有効である。
特に、各リボンが、その支持方向を軸として傾けられた構造とするブレーズ構造を用いて、1次回折光を利用する光学系を構成した場合、リボン間のギャップを仮にゼロとすることができればGLVの光回折変調素子としての光利用効率は、理論的にはリボンの表面の反射材の反射効率そのものと同一となる。
図10にこの様子を示す。図10において、実線R1、G1及びB1はそれぞれ通常型のGLVにおいて赤、緑及び青の各波長に対するギャップ間隔と1次回折効率の変化を示す。破線R2、G2及びB2はブレーズ型のGLVにおいて赤、緑及び青の各波長に対するギャップ間隔と1次回折効率の変化を示す。図10から、ギャップ間隔を狭くする程1次回折効率が向上し、特にブレーズ型では、リボンの反射領域の反射効率と同一となることがわかる。
このため光利用効率向上の観点からはリボンギャップを可能な限りゼロに近づけることが望ましい。
しかしながら、リボン間のギャップを狭めていくと、電圧印加時に本来下部電極方向に湾曲するべきリボンが、図11にその概略斜視構成図を示すように、横方向(リボンの配列方向)に変形し、隣接リボンとショートしてしまい、このショート部36において局所電流による融着を起こして素子に非可逆的な損傷を与える場合がある。図11において、図7〜図9と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この例では、可動リボン30a〜30d、不動リボン31a〜31dの各4本ずつを設けた例で、それぞれ支持体34及び35に支持される。
このような非可逆的な隣接リボンとのショートを防ぐ方法としては、リボン自身の横方向に対する復元力を上げることが挙げられ、例えばリボンを短くすることが考えられる。ところが可動リボンを短くすると下部電極に対する湾曲に対しても復元力が高まり、結果として駆動電圧が上がってしまい、リボンを駆動する回路の高耐圧が要求されるなどの不都合が生じる。
また不動リボンのみを空中に懸架する構造とせず、リボンの下を充填することにより不動リボンの復元力を増す方法も考えられるが、ブレーズ構造を導入することが困難であるとか、またリボンの下が充填されている不動リボンとリボンの下が空洞となっている可動リボンとの間にわずかな段差が生じ、これが常に回折光の発生を生みプロジェクターの光変調素子として利用した場合にはコントラストの低下となって現れるという問題が生じる。
以上の問題に鑑みて、本発明は、静電駆動素子の駆動電圧の増大化を招来することなく、またブレーズ型構造に適用可能な構成をもってリボン間のショートを抑制することを目的とし、ショートによる不具合を発生しにくく、良好な画像の表示が可能な画像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、第1のリボンと第2のリボンとが交互に配置され、静電気により第1のリボンが変形する静電駆動素子であって、その第2のリボンの長さが、第1のリボンの長さに比べて短くされる構成とする。
また本発明による上述の静電駆動素子は、その第2のリボンの長さを第1のリボンより短くする手法として、第1のリボンを支持する支持体と比較して、第2のリボンを支持する支持体が、この第2のリボンの長手方向において、より中央部に近い位置に配置されて成る構成としてもよい。
また本発明による上述の静電駆動素子は、第2のリボンに、第1のリボンに印加する最大の駆動電圧よりも低い電圧を印加する第2のリボン用電源が接続される構成としてもよい。
また、本発明による画像表示装置は、その光回折変調素子として、上述の静電駆動素子を用いる構成とする。すなわち本発明は、光源からの照射光を光回折変調素子に照射し、光回折変調素子からの射出光により表示手段上に画像を形成する画像表示装置であって、光回折変調素子は、反射領域を有する第1のリボンと第2のリボンとが交互に配置され、静電気により第1のリボンが変形して回折格子が構成され、その回折光量の変化により光が変調されて成る。そして光回折変調素子を構成する第2のリボンの長さが、第1のリボンの長さに比べて短くされる構成とする。
上述したように本発明による静電駆動素子は、第2のリボンを第1のリボンより短くする構造を導入するものである。リボンの横方向の復元力は、近似的に実効的なリボン長に反比例して増強される。したがって、第1のリボンを従来同様の低電圧で駆動することを可能にしたまま、隣接リボンとの静電力に対する復元力を増加させ、これにより隣接リボンのショートに対する素子耐性を向上させることができる。
また、第2のリボンを支持する支持体を、第1のリボンを支持する支持体よりも、第2のリボンの長手方向において中央側に近い位置に配置することによって、第2のリボンの実効的な長さを短くすることができ、より簡易な構成をもって、第2のリボンを第1のリボンよりも短く構成することができる。
また、本発明において、第2のリボンに対して、第1のリボンに印加する最大の駆動電圧よりも低い電圧を第2のリボン用電源により印加することによって、後述するように、実効的な第1のリボンと第2のリボンとの印加電圧の差を低減化し、隣接リボン間に働く静電力を低減化して、更に隣接リボンのショートの発生を抑制することができる。
また、このような本発明によれば、静電駆動素子を光回折変調素子として用いる場合の光利用効率に直接影響を与えるリボン間ギャップを狭めることが可能となり、光回折変調素子としての光利用効率を改善することができる。すなわち、本発明の画像表示装置によれば、光回折変調素子の不具合の発生を抑制し、光利用効率を改善できることから、良好な画像の表示が可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、静電駆動素子の隣接するリボン同士のショートに対する耐性を向上させることができる。
また、本発明の画像表示装置によれば、本発明の静電駆動素子を光回折変調素子として用いることにより、光回折変調素子の不具合の発生を抑制し、良好な画像の表示が可能な画像表示装置を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
〔1〕第1の実施形態例
図1は、本発明の第1の実施形態例における画像表示装置の一例の概略構成図である。
この図1に示す画像表示装置20は、光源21、照明光学系22、入射光が1次元画像を表示する光に変調される光回折変調素子23、この光回折変調素子23の後述する第1のリボンと第2のリボンとにそれぞれ電圧を印加する第1のリボン用電源29a及び第2のリボン用電源29b、更に対物レンズ24a、空間フィルタ25、投影レンズ24b、スキャンミラー26を有し、スキャンミラー26により走査される画像表示光がスクリーン27に照射される構成とされる。
光源21は、例えば半導体レーザなどのコヒーレントな光を射出する発光装置が用いられる。カラー画像表示を行う場合は、3原色である赤、緑及び青色の光束を射出する光源をそれぞれ含む構成としてもよい。照明光学系22は、光回折変調素子23の反射領域の形状に合わせて、光源21からの光ビームスポット径やスポット形状を変換して光回折変調素子23に照射する。
本実施形態例においては、光回折変調素子23として本発明構成の静電駆動素子が用いられ、第1のリボン及び第2のリボンを有する構成とされる。
この光回折変調素子23は、前述の図8及び図9において説明した例と同様に、可動リボンとする第1のリボンに駆動電圧を印加しない状態では、例えば隣接する第2のリボンとこの第1のリボンが略同一平面に配置され、照明光学系22から入射された光をほぼ反射する。これがオフ状態となる。また、第1のリボンに駆動電圧を印加すると、静電力により第1のリボンが下部電極側に移動し、第2のリボンと所定の光路差を生じる段差が形成され、回折格子として作用する。光が入射されると、回折作用により±1次回折光などの回折光28a、28cが射出され、0次光28bと異なる各方向に進行する。この状態がオン状態となる。
そして、図1に示す光回折変調素子23として利用する場合は、例えば1080画素が1次元に配列されており、表示する画像に対応する駆動電圧の印加によって階調動作し、入射した照明光を反射又は回折し、反射光又は回折光を射出する。
対物レンズ24aは、光回折変調素子23からの反射光28b、又は回折光28a及び28cを平行光に変換して、空間フィルタ25に照射する。
そしてこの空間フィルタ25において、対物レンズ24aから射出された平行光に含まれている±1次回折光28a、28cが透過され、対物レンズ24aから射出された反射光又は0次光28bが遮蔽される。
透過した±1次回折光28a、28cはさらに投影レンズ24bによってスクリーン27上に像を結ぶように結像され、途中設けられたガルバノミラー等より成るスキャンミラー26によって走査され逐次的に1次元画像から2次元画像への展開が行われ、スクリーン27において2次元の画像が表示される。
次に、この光回折変調素子23として適用可能な本発明構成の静電駆動素子の一実施形態例について図2の概略斜視構成図を参照して説明する。
図2に示すように、この静電駆動素子1は、第1のリボン10a〜10dと第2のリボン11a〜11dとが交互に配置され、静電気により第1のリボン10a〜10dが変形する構造とする。具体的には、基板上に下部電極が形成され(図示せず)、その上に、第1のリボン10a〜10d及び第2のリボン11a〜11dが支持体14及び15によりそれぞれ支持されて懸架される構成とすることができる。図示しない基板及び下部電極、更に各リボンと反射領域、支持体などの材料は、通常の静電駆動素子と同様の材料を用いることができる。
この場合、上述したように下部電極(図示せず)を接地すると共に、例えば第2のリボン11a〜11dを接地して、第1のリボン10a及び10b、10c及び10dに対し第1のリボン用電源13A及び13Bからそれぞれ駆動電圧を印加することによって、静電力により第1のリボン10a及び10b、10c及び10dがそれぞれ変調信号に対応する移動量をもって、下部電極側にそれぞれ移動する構成とする。
すなわちこの場合、第1のリボン10a及び10bと第2のリボン11a及び11bより成る4本のリボン、また第1のリボン10c及び10dと第2のリボン11c及び11dより成る4本のリボンで1画素(ピクセル)分とした例を示す。1ピクセルに対応するリボンの数はこれに限定されるものではなく、その他2本、6本・・など種々変更することが可能である。
そしてこれら第1のリボン10a〜10d及び第2のリボン11a〜11dの長手方向中央部には反射領域17が設けられ、第1のリボン10a〜10dの静電駆動により、この第1のリボン10a〜10dと第2のリボン11a〜11dとで回折光量を変調する光回折変調素子を構成する。
なお、光回折変調素子23の形状としては、上述の図2に示すように、各リボンを基板と平行に形成し、オフ状態において略同一平面を形成する形状に限定されるものではなく、基板に対して各リボンが所定の角度を有する構造であるいわゆるブレーズ型の静電駆動素子であってもよい。
また、オフ状態において、上述したように第1のリボンと第2のリボンとの反射光の光路差が0となり、各リボンが略同一平面を形成する状態以外にも、例えば光路差が入射波長λの整数倍になるように、つまりλ/4の偶数倍の段差を第1のリボンと第2のリボンとの間において形成してもよい。また、オン状態において形成されるリボン間の段差は、λ/4の奇数倍であればよい。
そして本発明においては、図2に示すように、光回折変調素子として用いる静電駆動素子1の第2のリボン11a〜11dの長さを、第1のリボン10a〜10dの長さに比べて短くする構成とする。第1のリボン10a〜10dは支持体14に、第2のリボン11a〜11dは支持体15にそれぞれ支持されて、長手方向に引っ張る張力とともに、その長さが規定される。
このように、第2のリボン11a〜11dを比較的短く構成することにより、上述したように、リボンの横方向の復元力は近似的に実効的なリボン長に反比例して増強されるので、第2のリボン11a〜11dの相対的な横方向(隣接するリボン方向)の復元力、すなわち静電力による変形に対する復元力を高めることができる。したがって、第1のリボン10a〜10dとの間隔をより狭小化しても、非可逆的な隣接リボンとのショートを防ぐことが可能となり、よって光回折変調素子として利用する場合に、隣接リボン間のギャップを狭小化でき、その光利用効率を高めることが可能となる。
またこの場合、第1のリボンの長さは変わらないため、下部電極方向への復元力に変化はなく、駆動電圧の上昇を招くことを回避できる。
更に、隣接リボン間のショートは製造工程において発生する静電気などによっても引き起こされるため、これに対する耐性を向上させることは製造上の歩留まりを向上させ、また静電駆動素子の信頼性の向上にも資するものとなる。
〔2〕第2の実施形態例
図3の概略斜視構成図を参照して、本発明による静電駆動素子の一実施形態例を説明する。図3において、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この例においては、第2のリボンの実効的な長さを短くする構造として、上述の図2に示すように、第2のリボンのみを実際に短く形成するのではなく、図3に示すように、第2のリボン11a〜11dのみ実効リボン長が短くなるように、リボンの長手方向においてより中央に近い位置に支持体18を挿入する。すなわち、支持体14及び15はそれぞれ第1のリボン10a〜10dと第2のリボン11a〜11dの中央位置から同じ長さをもって配置したまま、第2のリボン11a〜11dのみに、長手方向の中央位置よりに、別体の支持体18を配置するものである。
このような構成とすることによって、上述の第1の実施形態例において説明した静電駆動素子と同様に、第2のリボンの隣接リボンとの間に働く静電力に対する復元力が高められ、非可逆的な隣接リボンとのショートを抑制することが可能となり、また光回折変調素子として利用する場合に、リボン間のギャップを狭小化することができ、その光利用効率を高めることができる。
またこの場合、その製造工程において各リボンのパターン形状はそのままで、支持体を設ける際の例えば露光パターンを変更するのみによって製造可能であり、工程数の増加を招くことなく比較的簡易に本発明構成の静電駆動素子を製造することが可能となる。
〔3〕第3の実施形態例
図4を参照して、本発明による静電駆動素子の他の実施形態例を説明する。図4において、図2及び図3と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においては、図4に示すように、第1のリボン10a〜10d、第2のリボン11a〜11dの両端部に段差部31を設けて、反射領域17が段差部31を設ける側が基板側に近づいて傾斜するいわゆるブレーズ構造30を構成した場合である。この段差部31は、各リボンの長手方向の両端部、すなわち反射領域17の外側に設けられ、各リボンの幅方向において傾斜させる側(基板に近づける側)に所定の幅をもって設けるものである。段差部31の形成位置、幅及び深さによって、ブレーズ構造30における各リボンの傾斜角度を調整することが可能である。
更にこの例においては、各リボンの支持体として、リボンを構成する材料を基板に達する孔部内に被着して支持構造とするいわゆるポスト構造を採用した例を示す。すなわちこの場合、このポスト構造とした第1のリボン10a〜10dの支持体32に対し、第2のリボン11a〜11dの支持体33を、その長手方向において、より中央側に位置するように配置する。
このような構成とすることによって、上述の第1及び第2の実施形態例と同様に、第2のリボン11a〜11dの実効的な長さが短くなり、これにより隣接リボンとの間に働く静電力に対する復元力が高められ、非可逆的な隣接リボンとのショートを抑制することが可能となる。更にまた、光回折変調素子として利用する場合に、リボン間の間隔を狭小化することができ、その光利用効率を高めることができる。
特に、前述の図10において説明したように、リボン間ギャップを狭めることによる光利用効率の改善効果は、この実施形態例のようにブレーズ構造をもつ場合において顕著であることから、この第3の実施形態例の構造を採用することによって、より高い光利用効率を得ることができる。
なお、リボンを傾けるブレーズ構造30及び支持体32及び33の構造は、この例に限定されるものではなく、その他の種々の構造を採用することができる。
以上説明したように、本発明の静電駆動素子において、第2のリボンを駆動する第1のリボンより短くすることによって、第2のリボンの横方向の復元力が高められる。
なお、隣接リボンとのショートによる非可逆的な構造破壊を起こす臨界的なリボン間の距離すなわちギャップは、第2のリボンの短縮を行わない場合に比べた相対値として、近似的に以下の数1により与えられる。
ここでLは駆動する第1のリボンに対する第2のリボンの実効長の相対値であり、例えば第2のリボンが第1のリボンの半分の長さの時にはL=0.5となる。
Figure 2007079443
上記数1より求めた第1のリボン(駆動するリボン)と第2のリボン(駆動しないリボン)の長さの比に対する臨界ギャップ(リボン間距離)の相対値を図5に示す。
この図5から、第1及び第2のリボンの長さが同じである従来例と比較して、例えば第2のリボンの有効的な長さを半分とすることにより、臨界リボン間ギャップを従来に比べて10%程度低減化することができることがわかる。そしてこの場合、前述の図10から、このリボン間のギャップの狭小化によって、回折光のロスを約3%低減できることがわかる。
〔4〕第4の実施形態例
次に、図6を参照して本発明による静電駆動素子の他の実施形態例について説明する。図6において、図4と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においては、図6に示すように、第2のリボン11a及び11bと、11c及び11dに対して、第2のリボン用電源19から、第1のリボン10a〜10dに印加する最大電圧よりも低い電圧を印加する構成とするものである。
このように、第2のリボンに対して電圧を印加することにより、隣接する第1のリボンとの間にかかる静電気力を少なくし、これにより隣接リボンが接触することを、より抑制することができる。
一方、第2のリボンに電圧をかけると、第2のリボン自身も下部電極方向に沈み込んでしまい、第1のリボンとの段差が確保できなくなることから、第1のリボンに対してより多くの電圧を印加しないと同一の回折光量を確保できない恐れがある。
しかしながら、リボンの沈み込み量は、近似的に電圧の二乗に比例し、リボン長の二乗に反比例する。
このため、例えば従来の静電駆動素子において、すなわちリボン長は第1のリボンと第2のリボンで同じで、かつ第2のリボンを接地している構造の静電駆動素子において、第1のリボンに20V加えると回折光を最大にするに十分な沈み込み量、すなわち第1のリボンにおける照射波長λの1/4の移動量を確保できる場合を考える。ここで、仮に第2のリボンに2.5Vをかけたとすると、それによって生じる第2のリボンの沈みこみ量は、
(2.5V/20V)×(1/4λ)=(1/64)×(1/4λ)
となり、この分の段差を第1のリボンで補うために、第1のリボンに付加的にかける必要のある電圧は、
√[{(1/64)×(1/4λ)+(1/4λ)}/(1/4λ)]×20V
=20.16V
となる。
この結果から、第2のリボンに2.5Vの電圧を印加する場合は、回折量を同等とするためには、第1のリボンにおおよそ+0.16Vの電圧を余分に印加する必要があることがわかる。しかしながら、これにより隣接リボン間の電圧の差は、20Vであるのに対して、17.66V(=20.16−2.5)となり、すなわち、隣接リボン間の電位差を2.34V(=20−17.66)低減できることを示している。
更にこの例において、図6に示すように、第2のリボン11a〜11dの長さを第1のリボン10a〜10dの長さの半分とする場合は、第1のリボンに対して上述の例と同等の0.16Vの電圧を付加するのに対し、第2のリボンに対しては、4倍の10Vの電圧を印加することが可能となり、隣接リボン間の電位差を原理的な最小値となる最大駆動電圧のほぼ半分である10.16Vにまで低減し、ショートに対してほぼ倍のマージンを確保することが可能となる。このマージンを隣接リボン間距離の短縮に振り向けることによって素子の光回折効率をさらに高めることが可能となる。
このような静電駆動素子1を前述の図1に示す画像表示装置20において光回折変調素子23として用いることによって、すなわち図1に示す第2のリボン用電源29bから適切な電圧を第2のリボンに印加することによって、隣接するリボン間のショートを更に低減化することができ、光利用効率の高い光回折変調素子を用いることが可能となり、光利用効率に優れ、良好な表示が可能な画像表示を提供することができることとなる。
以上説明したように、本発明によれば、静電駆動素子の隣接リボン間のショートを低減化することができ、臨界リボン間のギャップの狭小化が可能となり、これによって、光回折変調素子として利用する場合に、その光利用効率を高めることができる。
また、特に第2のリボンに対して、第1のリボンに印加する最大駆動電圧よりも低い電圧を印加することによって、第1のリボンと第2のリボンに印加する電圧の差を低減化することができ、より隣接リボン間のショートを抑制することができる。
隣接リボン間のショートは製造工程において発生する静電気などによっても引き起こされるため、これに対する耐性を向上させることは製造上の歩留まりを向上させ、また静電駆動素子の信頼性の向上にも資するものとなる。
更に、このような静電駆動素子を光回折変調素子として用いる本発明の画像表示装置によれば、光利用効率に優れ、良好な表示が可能な画像表示装置を提供することができる。
なお、本発明は、上述の各実施形態例において説明した例に限定されるものではなく、静電駆動素子のリボンの実効的な長さに関する構造以外の各部の構造や、各部の材料構成など、また画像表示装置の各部品や照明系、投影光学系などにおいて、本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
本発明の画像表示装置の一実施形態例の概略構成図である。 本発明の静電駆動素子の一実施形態例の概略斜視構成図である。 本発明の静電駆動素子の一実施形態例の概略斜視構成図である。 本発明の静電駆動素子の一実施形態例の概略斜視構成図である。 静電駆動素子の第2のリボン(駆動しないリボン)と第1のリボン(駆動するリボン)の長さの比と臨界リボンギャップとの関係を示す図である。 本発明の静電駆動素子の一実施形態例の概略斜視構成図である。 従来の光回折変調素子の一例の概略斜視構成図である。 従来の光回折変調素子の一例の回折態様の説明図である。 従来の光回折変調素子の一例の回折態様の説明図である。 回折光変調素子のギャップ間隔と1次光回折効率の関係を示す図である。 従来の光回折変調素子のショートした状態を示す概略斜視構成図である。
符号の説明
1.静電駆動素子、10a.第1のリボン、10b.第1のリボン、10c.第1のリボン、10d.第1のリボン、11a.第2のリボン、11b.第2のリボン、11c.第2のリボン、11d.第2のリボン、12.共通電極、13A.第1のリボン用電源、13B.第1のリボン用電源、14.支持体、15.支持体、16.ショート部、17.反射領域、18.支持体、19.第2のリボン用電源、20.画像表示装置、21.光源、22.照明光学系、23.光回折変調素子、24a.対物レンズ、24b.投影レンズ、25.空間フィルタ、25a.回折部、25b.光透過部、25c.遮光部、26.スキャンミラー、27.スクリーン、28a.回折光、28c.回折光、28b.反射光、29a.第1のリボン用電源、29b.第2のリボン用電源、30.ブレーズ構造、31.段差部、32.支持体、33.支持体

Claims (8)

  1. 第1のリボンと第2のリボンとが交互に配置され、静電気により前記第1のリボンが変形する静電駆動素子であって、
    前記第2のリボンの長さが、前記第1のリボンの長さに比べて短くされて成る
    ことを特徴とする静電駆動素子。
  2. 前記第1のリボンを支持する支持体と比較して、前記第2のリボンを支持する支持体が、前記第2のリボンの長手方向において、より中央部に近い位置に配置されて成る
    ことを特徴とする請求項1記載の静電駆動素子。
  3. 前記第2のリボンに、前記第1のリボンに印加する最大の駆動電圧よりも低い電圧を印加する第2のリボン用電源が接続されて成る
    ことを特徴とする請求項1記載の静電駆動素子。
  4. 前記第1及び第2のリボンが、その支持体による支持方向を軸として傾斜されて成るブレーズ構造部を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の静電駆動素子。
  5. 前記第1及び第2のリボンの支持体が、前記ブレーズ構造部の外側に形成されて成る
    ことを特徴とする請求項4記載の静電駆動素子。
  6. 前記第1及び第2のリボンに反射領域が設けられ、
    前記第1のリボンの静電駆動により、前記第1のリボンと前記第2のリボンとで回折光量を変調する光回折変調素子が構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の静電駆動素子。
  7. 光源からの照射光を光回折変調素子に照射し、前記光回折変調素子からの射出光により表示手段上に画像を形成する画像表示装置であって、
    前記光回折変調素子は、反射領域を有する第1のリボンと第2のリボンとが交互に配置され、静電気により前記第1のリボンが変形して回折格子が構成され、その回折光量の変化により光が変調されて成り、
    前記光回折変調素子を構成する前記第2のリボンの長さが、前記第1のリボンの長さに比べて短くされて成る
    ことを特徴とする画像表示装置。
  8. 前記第1のリボンに駆動電圧を印加する第1のリボン用電源と共に、前記第2のリボンに、前記第1のリボンに印加する最大の駆動電圧よりも低い電圧を印加する第2のリボン用電源とが設けられて成る
    ことを特徴とする請求項7記載の画像表示装置。


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