JP2007079258A - レンズ保持機構体および光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レンズの位置調整を容易かつ高精度で行うことが可能なレンズ保持機構体および撮影するときにレンズの位置調整を容易かつ高精度で迅速に行うことが可能な光学装置を提供する。
【解決手段】 レンズ保持機構体1は、中央部に配置されたレンズ2、レンズ2の周囲に配置されレンズ2に当接されレンズ2を直接保持する弾性部材3、弾性部材3を介してレンズ2を保持するレンズ保持部4、弾性部材3を変形させるため弾性部材3に当接して応力を及ぼすように配置された駆動部材5を備える。駆動部材5は、レンズ2の光軸とほぼ垂直な平面上で光軸位置Oを通って相互にほぼ直交する軸Ax1、Ax2に対応させて2つ配置してあり、レンズ2の光軸にほぼ垂直な平面に対応させた2次元平面上でレンズ2を微小変位させてレンズ2の位置調整を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レンズを保持するレンズ光学系に関し、特に、レンズに当接された弾性部材を介してレンズを保持するレンズ保持部を備えるレンズ保持機構体および光学装置に関する。
レンズを保持するレンズ光学系(レンズ保持機構体)として、カメラなどに搭載されるレンズ光学系が知られている。そのようなレンズ光学系においては解像度やズーム性能の向上といった高機能化が進んでいる。また携帯機器などへの搭載においては小型化、軽量化、低消費電力化が重要になってきている。
レンズ光学系においては、そのような高機能化、小型化、軽量化、低消費電力化の進展に伴ってレンズの位置調整を高精度に行うことが強く求められてきている。これは、組み立ての精度が悪いとレンズ光学系の光学性能が大幅に低下してしまうという問題があるからである。
そのような背景から、レンズ位置を高精度に調整してレンズを高精度に保持するレンズ保持部を備えたレンズ保持機構体が求められ、その実現のために様々な検討がなされている。
例えば、従来例1として、露光装置における光学部材の位置と姿勢を調整することが可能な支持機構が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、従来例1の支持機構では、位置調整機構としてマイクロメータによるレンズの押圧により位置・姿勢制御を行う。そのためマイクロメータを駆動するための機構が必要であり、小型化、簡略化が困難であるという問題がある。
また、従来例2として、レンズの保持部材をレンズ光学系の光軸方向のほぼ垂直方向に変形させることによりレンズの位置調整を可能とする機構が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この機構では、レンズの位置調整のための機構が大きくなってしまい小型化が難しいという問題がある。
また、従来例3としての一般的なレンズ保持機構体においては、レンズ保持部へのレンズの取り付けは接着剤などを用いてレンズをレンズ保持部に直接接着して固定していた。また、接着剤としては一般にはUV硬化樹脂が用いられ、レンズをレンズ保持部に対して位置調整した後、調整位置を保持した状態で接着を行っていた。したがって、接着後はレンズをレンズ保持部に対して変位、調整させることはできなかった。
特開2004−347821号公報 特開2000−193862号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、レンズを弾性部材に取り付け、弾性部材を変形する駆動部材を備えることにより、レンズの位置調整を容易かつ高精度で行うことが可能なレンズ保持機構体を提供することを目的とする。
また、本発明は、駆動部材としてイオン伝導アクチュエータを用いることにより、小型化、軽量化、低消費電力化が可能で微小変位による迅速な位置調整が可能なレンズ保持機構体を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、撮影するときに、レンズに当接された弾性部材を変形させてレンズの位置を調整する駆動部材を備えることにより、ズーム動作時でのレンズの位置ずれ、撮像動作時でのレンズの位置ずれを容易かつ迅速に補正して光学性能の補償、画質低下の防止が可能な光学装置を提供することを他の目的とする。
本発明に係るレンズ保持機構体は、レンズと、該レンズに当接された弾性部材と、該弾性部材を介して前記レンズを保持するレンズ保持部とを備えるレンズ保持機構体であって、前記弾性部材を変形させる駆動部材を備えることを特徴とする。
この構成により、駆動部材を駆動制御して弾性部材を変形させることができるので、駆動部材の大きい変位を弾性部材で緩衝して弾性部材の小さい変形に変換し、弾性部材の微小変位に応じて前記レンズの位置(光軸)を微小調整することができる。つまり、レンズの光軸をレンズ保持機構体の光軸に合わせるレンズの位置調整を極めて容易かつ高精度に行うことができる。
本発明に係るレンズ保持機構体では、前記駆動部材は、前記レンズの光軸とほぼ垂直な平面に沿う方向で前記弾性部材を変形させる構成としてあることを特徴とする。
この構成により、レンズの位置(光軸)をレンズの光軸とほぼ垂直な方向で調整することができることから、高精度での位置調整が可能となる。
本発明に係るレンズ保持機構体では、前記弾性部材は、前記レンズの周囲に沿って連続的に配置してあることを特徴とする。
この構成により、弾性部材によりレンズを均等かつ確実に係止することができ、また、容易にレンズを弾性部材に組み込むことができる。
本発明に係るレンズ保持機構体では、前記駆動部材は前記弾性部材の外接線の方向に沿って2つ配置してあり、前記外接線は相互にほぼ直交する位置にあることを特徴とする。
この構成により、光軸にほぼ垂直な平面に対応する2次元平面上でレンズの位置調整ができることから、容易かつ高精度にレンズの位置を調整することができる。
本発明に係るレンズ保持機構体では、前記弾性部材は、前記レンズの周囲に沿って3ヶ所以上に分離して配置してあることを特徴とする。
この構成により、少ない弾性部材で確実にレンズを係止することができ、軽量化、省資源化が可能となる。
本発明に係るレンズ保持機構体では、前記駆動部材は、前記弾性部材の少なくとも2ヶ所に対応させてそれぞれ配置してあることを特徴とする。
この構成により、弾性部材に対応させた2ヶ所に駆動部材を配置するので、光軸にほぼ垂直な平面に対応する2次元平面上の位置調整ができることから、容易かつ高精度にレンズの位置を調整することができる。
本発明に係るレンズ保持機構体では、前記弾性部材は、前記レンズの半径方向に弾性変形を生じる構成としてあることを特徴とする。
この構成により、駆動部材の駆動方向に対応して弾性変形することが可能となり、レンズの位置を極めて容易かつ高精度に調整することができる。
本発明に係るレンズ保持機構体では、前記駆動部材は、イオン伝導アクチュエータであることを特徴とする。
この構成により、低電圧を供給することにより高速で大きな変位が得られることから、小型化、軽量化、低消費電力化が可能で、レンズの位置調整を迅速に行うことができる。また、高速応答が可能であることから、動作中の光学装置に適用することが可能となる。
本発明に係るレンズ保持機構体では、イオン伝導アクチュエータは、長さ方向で対向する2つの電極を有し、前記弾性部材を押圧して変形させる押圧駆動および前記弾性部材を伸長して変形させる伸長駆動を行う構成としてあることを特徴とする。
この構成により、レンズの位置(光軸)の調整(移動)をより広い範囲で行うことができる。
本発明に係るレンズ保持機構体では、前記弾性部材は、ゴムで構成してあることを特徴とする。
この構成により、レンズを嵌合した弾性部材をレンズ保持部で係止することができる。
本発明に係るレンズ保持機構体では、前記弾性部材は、接着剤で構成してあることを特徴とする。
この構成により、レンズを接着した弾性部材をレンズ保持部で係止することができる。
本発明に係る光学装置は、レンズと、該レンズに当接された弾性部材と、該弾性部材を介して前記レンズを保持するレンズ保持部とを備えるレンズ保持機構体を搭載した光学装置であって、撮影するときに、前記弾性部材を変形させて前記レンズの位置を調整する駆動部材を備えることを特徴とする。
この構成により、ズーム機構動作時でのレンズの位置ずれ、撮像動作時でのレンズの位置ずれを容易かつ迅速に補正して光学性能の補償、画質低下の防止を図ることができる。
本発明に係るレンズ保持機構体によれば、レンズを弾性部材に取り付け、弾性部材を変形駆動する駆動部材を備えることから、弾性部材を介して駆動部材によりレンズを微小変位させてレンズの光軸位置を調整することができるので、レンズの位置調整を容易かつ高精度で行うことが可能なレンズ保持機構体を提供できるという効果を奏する。
本発明に係るレンズ保持機構体によれば、駆動部材としてイオン伝導アクチュエータを用いることから、小型化、軽量化、低消費電力化が可能で微小変位による迅速な位置調整が可能なレンズ保持機構体を提供できるという効果を奏する。
本発明に係る光学装置によれば、撮影するときに、レンズに当接された弾性部材を変形させてレンズの位置を調整する駆動部材を備えることから、ズーム動作時でのレンズの位置ずれ、撮像動作時でのレンズの位置ずれを容易かつ迅速に補正して光学性能の補償、画質低下の防止が可能な光学装置を提供できるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係るレンズ保持機構体の構成概要を説明する平面図である。
本実施の形態に係るレンズ保持機構体1は、中央部に配置されたレンズ2、レンズ2の周囲に配置されてレンズ2に当接されレンズ2を直接保持する弾性部材3、弾性部材3を介してレンズ2を保持するレンズ保持部4、弾性部材3を変形させるため弾性部材3に当接して応力を及ぼすように配置された駆動部材5を備える。
レンズ光学系(レンズ保持機構体1)の光軸はレンズ保持部4により画定され、レンズ保持機構体1は、レンズ2の光軸をレンズ光学系の光軸に一致させるように調整可能な構成としてある。
レンズ2は、ガラスやプラスチックなどの素材で構成してあり、削り出しや金型を用いたモールドにより形成される。レンズ2の光軸に垂直な方向での表面形状としては、球面、非球面、自由曲面があげられる。また、レンズ2には必要に応じてコバが形成される。レンズ2は、弾性部材3に取り付けられ、保持される。
弾性部材3は、ゴムのような弾性材料により形成され、レンズ2を保持できる形状としてある。本実施の形態では、弾性部材3は、レンズ2の周囲に沿って連続的に、つまり、リング形状に形成してあり、レンズ2を弾性部材3に容易に組み立てることができる。弾性部材3は、リング形状のゴムで構成してあることから、リング形状の内径をレンズ2のコバ外径よりも小さくすることにより、レンズ2を挟み込んで保持することができる。
なお、弾性部材3は、ゴムの他に接着剤を用いることもできる。弾性を有する接着剤で弾性部材3を構成することにより、確実にレンズ2を保持することが可能となる。また、レンズ2を挟み込むための加工が不要となり、レンズ保持部4との接着もレンズ2の接着と同時に行うことができる。
一体化されたレンズ2と弾性部材3は、レンズ保持部4に取り付けしてある。取り付けは、弾性部材3とレンズ保持部4とを接着すること、または、レンズ保持部4の内径を弾性部3材の外径より小さくして嵌め込むことにより行うことができる。
したがって、弾性部材3は、レンズ2を確実に係止し、また、レンズ保持部4は弾性部材3を確実に係止することができるので、安定したレンズ保持機構体1とすることができる。なお、レンズ保持部4は、樹脂、金属などの素材で構成してあり、成型や切削などの加工により形成される。
駆動部材5は、レンズ2の光軸とほぼ垂直な平面(図1で示す平面)に沿う方向で長尺状の形状を有している。駆動部材5は、リング形状を有する弾性部材3の外周で外接線方向に沿うように配置され、一方の端部(の適宜の位置)は弾性部材3と接着して自由端とし、弾性部材3と接着していない他方の端部(の適宜の位置)は固定端としてレンズ保持部4または適宜の構造体(不図示)に固定してある。
駆動部材5を弾性部材3の外接線方向と交差する方向(レンズ2の半径方向)に変形させることにより、駆動部材5の自由端が弾性部材3を変形させるので、レンズ2の位置を調整することが可能となる。
なお、弾性部材3は、レンズ2の半径方向で弾性変形を生じる構成とすることにより、駆動部材5の駆動方向に対応して変形することとなるから、より確実に変形することができる。
駆動部材5は弾性部材3と接着してあることから、弾性部材3を押圧する方向での押圧駆動だけでなく、押圧方向と逆の引っ張り方向(伸長方向)での伸長駆動により弾性部材3を駆動(変形)させることができる。押圧駆動および伸長駆動の異なる方向での駆動が可能であることから、より広い範囲でのレンズ2の位置調整が可能となる。また、弾性部材3の種類を変えることによりさらに制御性を変えることが可能となる。
つまり、駆動部材5の駆動に応じて弾性部材3をレンズ2の半径方向で変形させ、弾性部材3の変形に応じてレンズ2の位置(光軸位置O)をレンズ2の光軸とほぼ垂直な方向で調整することができることから、レンズ保持機構体1の光軸とレンズ2の光軸(光軸位置O)とを極めて容易かつ精度良く調整することができる。
本実施の形態では、駆動部材5は、レンズ2の光軸とほぼ垂直な平面上で光軸位置Oを通って相互にほぼ直交する軸Ax1、Ax2に対応させて2つ配置してある。なお、軸Ax1、Ax2は、弾性部材3の外周の外接線にほぼ垂直に交差することから、軸Ax1、Ax2は、レンズ2の半径方向に構成されることとなる。つまり、2つの駆動部材5は、それぞれが沿う方向の外接線が相互にほぼ直交する位置に配置してある。
したがって、レンズ2の光軸にほぼ垂直な平面に対応させた2次元平面上でレンズ2の位置調整を行うことができることから、レンズ2の光軸にほぼ垂直な平面上の全方向でレンズ2の光軸位置Oを容易かつ高精度に調整することができる。
制御部6は、駆動部材5へ適宜の駆動信号を供給し、駆動信号に応じて弾性部材3を変形させ、結果的にはレンズ2の位置(中心位置つまり光軸位置O)を調整することができる。
レンズ保持機構体1は、レンズ2とレンズ保持部4の間に弾性部材3を介在させていることから、外部からの衝撃などに対してレンズ2を保護することができる。また、弾性部材3を介してレンズ2の位置を変位させることから、レンズ2を変位させる際にレンズ2を損傷することがない。
なお、駆動部材5は、具体的にはイオン伝導アクチュエータ50で構成してある(図2参照)。
図2は、本発明の実施の形態1に係るレンズ保持機構体に用いる駆動部材の詳細を説明する説明図であり、(A)は電圧を印加しない状態での駆動部材の形状を示す平面構成図、(B)は第1極性の電圧を印加した状態での駆動部材の形状を示す平面構成図、(C)は第1極性と逆極性の電圧を印加した状態での駆動部材の形状を示す平面構成図である。なお、弾性部材の図示は省略してある。
駆動部材5としてのイオン伝導アクチュエータ50は、高分子のイオン交換樹脂で構成され短冊状に形成された高分子電解質層51、高分子電解質層51の長さ方向で相互に対向する面に配置された2つの電極52a、52b(両者を区別する必要がない場合には、電極52とする。)で構成される。
高分子電解質層51の一端は固定端として固定部材53に固定される。また、高分子電解質層51の他端は自由端として自由に動く構成とし、さらに弾性部材3(図1参照)に接着剤などを用いて適宜接着することにより、弾性部材3を駆動可能な構成としてある。
電極52には、制御部6から延長された一対の配線54が接続してあり、適宜の電圧を印加できる構成としてある。
同図(A)では、制御部6からの電圧印加が無い状態として配線54を開放(または短絡)状態とし、電極52aと電極52bを同電位としてあるので、高分子電解質層51は変位を生じないで直線状となっている。この直線状が弾性部材3に対する外接線に沿う方向としてある。
同図(B)では、制御部6からの印加電圧を第1極性の電圧Epとして配線54を介して電極52aにプラス、電極52bにマイナスを印加してあるので、高分子電解質層51は電極52aの方向に屈曲している。
同図(C)では、制御部6からの印加電圧を第1極性の電圧Epと逆極性の第2極性の電圧Emとして配線54を介して電極52aにマイナス、電極52bにプラスを印加してあるので、高分子電解質層51は電極52bの方向に屈曲している。
イオン伝導アクチュエータ50によれば、2つの電極の間に異なる極性の電圧を印加することにより、変形方向を逆にすることができる。したがって、自由端を弾性部材3に接着させて異なる極性の電圧を印加すれば、弾性部材3を押圧して変形させる押圧駆動と伸長して変形させる伸長駆動とを行うことができる。つまり、レンズ2の位置(光軸)の調整(移動)をより広い範囲で行うことができる。
イオン伝導アクチュエータ50の駆動電圧は2V程度であり消費電力は少なく、昇圧機構などは不要であることから、低電圧電源から供給される電圧値を制御する機能を有する制御部6を備えれば良く、制御部6を含めた全体の構成を小型化、軽量化、低消費電力化を図ることが可能となる。また、制御部6は小型かつ小容量で良いことから、レンズ保持機構体1が搭載される光学装置の制御手段の電源を利用することが可能となり、光学装置の制御手段に組み込むことも可能となる。
つまり、制御部6を制御してイオン伝導アクチュエータ50に印加する電圧の極性、電圧の大きさを変えることにより、任意の方向に高分子電解質層51を変位(形状変化)させることができる。また、形状変化の度合いは印加電圧の大きさで適宜制御することができることから、弾性部材3を自由に変位させることができ、結果としてレンズ2の光軸位置Oを自由に制御することができる。したがって、自由端の適宜の位置を弾性部材3の適宜の位置に接着することにより、弾性部材3を押圧方向および伸長方向の両方向で駆動することが可能となる。
イオン伝導アクチュエータ50の変形量は必要とされるレンズ2の移動量(通常は数ミクロン)に比べて大きくなるが、レンズ2を直接駆動することなく、弾性部材3を介在させてレンズ2を駆動することから、弾性部材3の弾性変形によりイオン伝導アクチュエータ50の変位(変形量)が実質上縮小されるので、レンズ2を微小変位させることが可能となり、レンズ2の位置調整をより高精度で行うことが可能となる。
つまり、イオン伝導アクチュエータ50によりレンズ2の光軸位置Oをレンズ2の光軸に対してほぼ垂直な方向で高精度に駆動(変位)させることが可能となるから、レンズ光学系の光軸に対してレンズ2の位置を最適な位置へ調整することができる。
また、イオン伝導アクチュエータ50は、制御部6からの電気信号により制御されることから、高速駆動が可能であり、迅速な位置調整が可能となる。
なお、イオン伝導アクチュエータ50の他に微小変位させる手段としては、一般に圧電素子を用いる方法がある。しかし、圧電素子はサイズが小さくなるにつれ変位量が小さくなることから、レンズ2を保持するレンズ保持部4に取り付け可能な大きさ(およそ1〜2mm角)の圧電素子では、必要となる変位量である数ミクロンの変位を得るために数十Vといった高い電圧が必要となり、昇圧機構などを設けることが必要となる。したがって、駆動部材5として圧電素子を用いことは不可能ではないが、イオン伝導アクチュエータ50を用いることがより好ましい。
<実施の形態2>
図3は、本発明の実施の形態2に係るレンズ保持機構体の構成概要を説明する平面図である。
本実施の形態に係るレンズ保持機構体21は、中央部に配置されたレンズ22、レンズ22の周囲に沿って分離して配置されレンズ22に当接してレンズ22を直接保持する弾性部材23、弾性部材23を介してレンズ22を保持するレンズ保持部24、弾性部材23を変形させるため弾性部材23に当接して応力を及ぼすように配置された駆動部材25を備える。
制御部26は、駆動部材25へ適宜の駆動信号を供給し、駆動信号に応じて弾性部材23を変形させ、結果的にはレンズ22の位置(中心位置つまり光軸位置O)を調整することができる。
レンズ光学系(レンズ保持機構体21)の光軸はレンズ保持部24により画定され、レンズ保持機構体21は、レンズ22の光軸をレンズ光学系の光軸に一致させるように調整可能な構成としてある。
本実施の形態は、実施の形態1に対して、弾性部材23の構成が異なる。その他の構成は実施の形態1とほぼ同様であるので詳細な説明は省略する。なお、弾性部材23を駆動する駆動部材25の構成は、基本的に実施の形態1と同様でありレンズ22の光軸とほぼ垂直な平面(図3で示す平面)に沿う方向で長尺状の形状を有している。
弾性部材23は、レンズ22の周囲に沿って3箇所に分離して均等に配置してある。均等配置してあることから、レンズ22の光軸位置Oに対して、それぞれ相互に120度の角度を有する位置に配置してある。つまり、レンズ22の光軸位置Oを中心にして相互に120度の角度を有する軸Ax3、Ax4、Ax5とレンズ22の外周が交差する位置で、レンズ22は弾性部材23の弾性によりレンズ保持部24により3点保持の態様で係止される。
この構成により、少ない弾性部材23で確実にレンズ22を係止することができるので、軽量化、省資源化が可能となる。また、弾性部材23は、少なくとも3箇所以上に配置することにより、レンズ22をレンズ保持部24に対して均等に係止することができる。
弾性部材23の内少なくとも2ヶ所には、駆動部材25が対応させて配置してある。駆動部材25は、弾性部材23の配置に対応して配置されることから、配置位置が実施の形態1の場合に対して異なる。駆動部材25は、具体的には実施の形態1と同様にイオン伝導アクチュエータ50(図2参照)で構成することが好ましい。
弾性部材23は、分離して設けてあることから、実施の形態1の場合(リング形状の弾性部材3)に比較して、レンズ22を保持する力は弱くなる。また、レンズ22が小さい場合には弾性部材23も小さな形状とする必要があり、加工が困難になると共にさらに保持力が小さくなる。
したがって、このようにレンズ22が小さい場合などには、弾性部材23は、適当な弾性力を有する接着剤で構成することが好ましい。接着剤を使用することにより接着点が三点であっても十分な取り付け強度を確保することができる。
駆動部材25は、実施の形態1の場合と同様に弾性部材23に接着してあることから、弾性部材23を押圧する方向だけでなく、押圧方向と逆の引っ張り方向(伸長方向)においても弾性部材23を駆動することができる。また、レンズ22とレンズ保持部24との間の接着強度を超えない範囲でレンズ22を微小変位させることが可能である。
駆動部材25は、レンズ22の光軸とほぼ垂直な平面上で光軸位置Oを通って相互にほぼ120度の角度を有する軸Ax3、Ax4に対応させて2つ配置してある。また、駆動部材25は、軸Ax3、Ax4とほぼ垂直に交差する方向に沿って配置してあることから、軸Ax3、Ax4の方向を押圧方向または伸長方向とすることができる。
したがって、本実施の形態でも実施の形態1と同様、レンズ22の光軸にほぼ垂直な平面に対応させた2次元平面上でレンズ22の位置調整を行うことができることから、レンズ22の光軸にほぼ垂直な平面上の全方向でレンズ22の光軸位置Oを容易かつ高精度に調整することができる。
<実施の形態3>
実施の形態1、実施の形態2に係るレンズ保持機構体1は、レンズ2をレンズ保持部4に装着するときの調整機構として用いることができる。また、ズーム機構を有する光学装置(カメラなど)のレンズ系において、撮影するときに作動させてレンズ2の位置を微調整するために用いることもできる。
つまり、本実施の形態に係る光学装置(不図示)は、レンズ2(22)と、レンズ2(22)に当接された弾性部材3(23)と、弾性部材3(23)を介してレンズ2(22)を保持するレンズ保持部4(24)とを備えるレンズ保持機構体1(21)を搭載した光学装置であって、撮影するときに、弾性部材3(23)を変形させてレンズ2(22)の位置を容易かつ迅速に調整する駆動部材5(25)を備える。
例えば、ズーム機構を有するようなカメラのレンズ光学系において、等倍時においてはレンズ2(22)の位置が光学設計値通りの最適配置をとっていたとしても、高倍率時(ズーム機構動作時)におけるレンズ配置においては最適配置からのずれや公差が厳しくなるなどの原因により光学性能の低下が問題となりやすい。
このような場合に、高倍率時において駆動部材5(25)を制御部6(26)により制御して作動させ、レンズ位置を最適配置することで光学性能の補償(補正調整)を行うことが可能となる。
また、撮像動作時において作動させることもできる。例えば、撮像動作状態で外部からなんらかの衝撃が加わり、これによりレンズ位置にずれが生じて撮像画質を悪化させる原因が発生しても、瞬時にレンズ位置の補正調整を行うことにより画質低下を最小限に抑えることができる。
本発明の実施の形態1に係るレンズ保持機構体の構成概要を説明する平面図である。 本発明の実施の形態1に係るレンズ保持機構体に用いる駆動部材の詳細を説明する説明図であり、(A)は電圧を印加しない状態での駆動部材の形状を示す平面構成図、(B)は第1極性の電圧を印加した状態での駆動部材の形状を示す平面構成図、(C)は第1極性と逆極性の電圧を印加した状態での駆動部材の形状を示す平面構成図である。 本発明の実施の形態2に係るレンズ保持機構体の構成概要を説明する平面図である。
符号の説明
1、21 レンズ保持機構体
2、22 レンズ
3、23 弾性部材
4、24 レンズ保持部
5、25 駆動部材
6、26 制御部
50 イオン伝導アクチュエータ
51 高分子電解質層
52a、52b 電極
O 光軸位置

Claims (12)

  1. レンズと、該レンズに当接された弾性部材と、該弾性部材を介して前記レンズを保持するレンズ保持部とを備えるレンズ保持機構体であって、
    前記弾性部材を変形させる駆動部材を備えることを特徴とするレンズ保持機構体。
  2. 前記駆動部材は、前記レンズの光軸とほぼ垂直な平面に沿う方向で前記弾性部材を変形させる構成としてあることを特徴とする請求項1に記載のレンズ保持機構体。
  3. 前記弾性部材は、前記レンズの周囲に沿って連続的に配置してあることを特徴とする請求項2に記載のレンズ保持機構体。
  4. 前記駆動部材は前記弾性部材の外接線の方向に沿って2つ配置してあり、前記外接線は相互にほぼ直交する位置にあることを特徴とする請求項3に記載のレンズ保持機構体。
  5. 前記弾性部材は、前記レンズの周囲に沿って3ヶ所以上に分離して配置してあることを特徴とする請求項2に記載のレンズ保持機構体。
  6. 前記駆動部材は、前記弾性部材の少なくとも2ヶ所に対応させてそれぞれ配置してあることを特徴とする請求項5に記載のレンズ保持機構体。
  7. 前記弾性部材は、前記レンズの半径方向に弾性変形を生じる構成としてあることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載のレンズ保持機構体。
  8. 前記駆動部材は、イオン伝導アクチュエータであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載のレンズ保持機構体。
  9. イオン伝導アクチュエータは、長さ方向で対向する2つの電極を有し、前記弾性部材を押圧して変形させる押圧駆動および前記弾性部材を伸長して変形させる伸長駆動を行う構成としてあることを特徴とする請求項8に記載のレンズ保持機構体。
  10. 前記弾性部材は、ゴムで構成してあることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一つに記載のレンズ保持機構体。
  11. 前記弾性部材は、接着剤で構成してあることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一つに記載のレンズ保持機構体。
  12. レンズと、該レンズに当接された弾性部材と、該弾性部材を介して前記レンズを保持するレンズ保持部とを備えるレンズ保持機構体を搭載した光学装置であって、
    撮影するときに、前記弾性部材を変形させて前記レンズの位置を調整する駆動部材を備えることを特徴とする光学装置。
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