JP2007079137A - パターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置のコストアップや、露光速度の低下を招くことなく、露光性能を向上させることにより、微細なパターンを高精度に形成可能であり、かつ厚みが異なる所望のパターンを高精細に形成可能なパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも第一感光層と、第二感光層とからなるパターン形成材料における感光層に対し、光照射手段からの光を受光してパターン情報に基づいて変調する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させ、前記光変調手段により変調された光を、結像手段と、焦点調節手段とを介して前記感光層の被露光面上に結像させて露光を行うことを少なくとも含み、前記露光が、前記光変調手段により変調された光を、前記結像手段の中央部を含む略矩形状の領域のみにおいて結像し、前記略矩形状の短辺方向を、前記感光層のうねり方向に向けて行われることを特徴とするパターン形成方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、空間光変調素子等の光変調手段により変調された光を、結像光学系を通して感光層の被露光面上に結像させて、該感光層を露光するパターン形成方法に関する。
従来より、入射された光をパターン情報(画像信号)に基づいて変調し、2次元パターンを形成する空間光変調手段等の光変調手段を備え、形成された2次元パターンを感光材料上に投影して露光する露光装置が知られている。
前記空間光変調手段としては、傾斜角度が変更可能なマイクロミラーを2次元状に多数配列(例えば、1024×756画素)したデジタル・マイクロミラー・デバイス(以下、「DMD」と表記する)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
光変調手段としてDMDを備えた露光装置は、2次元パターンの光を結像させるための投影レンズを有する結像手段を備え、該投影レンズは、DMDの各マイクロミラーのうち、所定角度に傾斜したマイクロミラーによって反射された光のみを感光材料上に結像するように構成されている。すなわち、この露光装置を用いた露光は、感光材料上に投影される2次元パターンを形成する各画素が、各マイクロミラーに対応するようにして行われるものである。
従来の露光装置では、前記結像手段を構成する投影レンズのほぼ全面領域を用い、感光材料上に2次元パターンを結像させていた。この場合、前記投影レンズの全面領域において、像面湾曲、非点隔差、及び歪曲等を抑制し、テレセントリック性を向上させ、高いレンズ光学性能を持たせる必要があった。
しかしながら、ほぼ全面領域において高いレンズ光学性能を持つ投影レンズの製造には、部品精度の向上、より良い部品の選別等の必要があり、また、全面領域において高いレンズ光学性能を持つ大口径の投影レンズの製造は困難であることから、大面積の露光ができず、露光速度の低下に繋がる。
よって、ほぼ全面領域において高いレンズ光学性能を持つ投影レンズを備えた露光装置を用いてパターン形成を行う場合、パターン形成の効率が低下し、さらに、コスト増につながるという問題があった。
一方、投影レンズのレンズ光学性能が悪いと、ビーム位置精度が悪化するため、例えば、多重露光の回数を増やす等の方法により、位置精度の悪化の影響を均す必要があるため、光学性能の劣る投影レンズを備えた露光装置を用いてパターン形成を行う場合には、露光速度の低下によるパターン形成効率の低下や、解像度の低下等の問題があった。
他方、プリント配線板の製造分野においては、配線パターンを、支持体と、その支持体の上に形成された感光層とからなるパターン形成材料(ドライフィルムレジストとも言う)を用いたフォトリソ技術によって形成することが行われている。
例えば、スルーホールを有するプリント配線板の製造の場合、プリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)にスルーホールを形成し、スルーホール内側壁部に金属めっき層を形成した後、基板表面にパターン形成材料の感光層を重ね合わせて密着させ、配線パターン形成領域とスルーホール開口部を含む領域のそれぞれに光を所定のパターン状に照射して露光を行い、感光層を硬化させる。次いで、パターン形成材料の支持体を剥がし取り、配線パターン形成領域上の硬化領域及びスルーホール開口部領域上の硬化領域(テント膜と呼ばれている)以外の未硬化領域を現像液を利用して溶解除去した後、露出した金属層部分をエッチング処理し、その後に硬化領域を除去することにより、基板表面に配線パターンを生成させることが行われている。
上記のテント膜を用いて、スルーホールの金属めっき層を保護する方法は、一般にテンティング法と呼ばれている。また多層構成のプリント配線板においてはビアホールと呼ばれる層間接続用のホールが設けられる場合があり、この場合にも同様に、配線パターン形成時には、テント膜によりビアホール部を保護することが必要である。
近年、プリント配線板への高密度化の要求が高くなってきており、より高い解像度が可能なフォトレジストフィルム(パターン形成材料)が求められている。解像度を高くするためには、その感光層の膜厚を薄くすることが有効である。しかし前述のように、感光層が硬化してなる硬化層は、プリント配線板に形成されたスルーホール又はビアホールを保護する役割もあり、単純に感光層の膜厚を薄くしてしまうと、未硬化領域を溶解除去する工程や露出した金属層部分をエッチング処理する工程で、このテント膜が破れてしまうという問題が発生する。
厚みが異なる所望のパターンを容易に形成することでき、薄層化により高解像度化が可能であり、破れにくいテント膜を形成することができるパターン形成方法が求められているが、未だ満足なものは提供されていない。
よって、装置のコストアップや、露光速度の低下を招くことなく、露光性能を向上させることにより、微細なパターンを高精度に形成可能であり、かつ厚みが異なる所望のパターンを高精細に形成可能であり、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を効率よく形成可能なパターン形成方法は未だ提供されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
特開2001−305663号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、装置のコストアップや、露光速度の低下を招くことなく、露光性能を向上させることにより、微細なパターンを高精度に形成可能であり、かつ厚みが異なる所望のパターンを高精細に形成可能であり、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を効率よく形成可能なパターン形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光層を2層以上有してなり、該感光層が少なくとも第一感光層と、前記第一感光層よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない第二感光層とからなるパターン形成材料における前記感光層に対し、
光照射手段からの光を受光してパターン情報に基づいて変調する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させ、前記光変調手段により変調された光を、結像手段と、焦点調節手段とを介して前記感光層の被露光面上に結像させて露光を行うことを少なくとも含み、
前記露光が、前記結像手段の中央部を含む略矩形状の領域のみにおいて、前記光変調手段により変調された光が結像され、
前記感光層の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域が、その短辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角が、その長辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角よりも小さくなるように向けられて行われることを特徴とするパターン形成方法である。該<1>に記載のパターン形成方法においては、前記光変調手段により変調された光が、結像手段と、焦点調節手段とを介して前記感光層の被露光面上に結像されることにより露光が行われる。該露光が、前記結像手段の中央部を含む略矩形状の領域のみにおいて、前記光変調手段により変調された光が結像され、前記感光層の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域が、その短辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角が、その長辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角よりも小さくなるように向けられて行われるため、光学性能の良い領域に選択的に照射された光が結像され、焦点位置が適切な位置に調整される。この結果、前記感光層への露光が高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。また、前記感光層は、硬化させるための光エネルギー量(光感度)が異なる複数の感光層が重層されてなるため、所望の領域毎に、所望の厚さ、所望の光透過性、又は所望の膜強度を示す硬化層を形成することができるため、例えば、プリント配線板の製造、特に、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を行う場合、高精細かつ高効率のテンティングを行うことができる。
<2> パターン形成材料における感光層が、支持体上に、第一感光層と、硬化させるための光エネルギー量が前記第一感光層よりも少ない第二感光層とがこの順に積層されてなる前記<1>に記載のパターン形成方法である。
<3> 第一感光層と第二感光層との間に、物質の移動を抑制可能なバリアー層を有する前記<2>に記載のパターン形成方法である。
<4> 結像手段が、周辺領域に歪みを持たせ、中央部を含む領域の歪みを少なくして製造された投影レンズから構成される前記<1>から<3>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<4>に記載のパターン形成方法においては、前記結像手段が、周辺領域に歪みを持たせ、中央部を含む領域の歪みを少なくして製造された投影レンズから構成されるため、前記投影レンズの光学性能の良い領域に光を選択的に照射することにより、投影レンズの全面領域を使用する場合に比べて焦点調節手段の光学系を小型化することができ、また、変調された光の焦点位置を安定に保ちながら高精度の焦点位置調整が可能になる。この結果、装置コストが低減されるとともに、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。
<5> 結像手段が、長辺の長さが短辺の長さの2倍以上の略矩形状の領域において、光変調手段により変調された光を結像する前記<1>から<4>に記載のパターン形成方法である。
<6> 焦点調節手段が、光変調手段により変調された光の光軸方向の厚さが変化するように形成されたくさび型プリズムペアを有し、
前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムを移動することによって、前記光変調手段により変調された光を感光層の被露光面上に結像する際の焦点を調節する前記<1>から<5>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<7> 焦点調節手段が、結像光学系を構成する光学部材と、ピエゾ素子とを有し、
前記光学部材を前記ピエゾ素子により移動させることによって、前記光変調手段により変調された光を感光層の被露光面上に結像する際の焦点を調節する前記<1>から<5>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<7>に記載のパターン形成方法においては、前記光学部材を前記ピエゾ素子により移動させることによって、前記光変調手段により変調された光を感光層の被露光面上に結像する際の焦点が調節されるため、焦点方向に対して垂直な方向への微小変位を抑制でき、高ビーム位置精度を保ちながら、極めて高精度に焦点位置が調整される。
<8> 結像手段が、光変調手段により変調された光の光軸に対し、前記光軸を中心に回転可能なレンズ、及び前記光軸に対して垂直方向に移動可能レンズのいずれかにより構成されてなる前記<1>から<7>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<9> 光変調手段が、n個(ただし、nは1以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<10> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<1>から<9>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<11> 光照射手段が、半導体レーザ素子から発せられたレーザ光を出射する前記<1>から<10>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<12> 光照射手段が、半導体レーザ素子から発せられたレーザ光を一端から入射し、入射したレーザ光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねたバンドル状のファイバ光源である前記<11>に記載のパターン形成方法である。該<12>に記載のパターン形成方法においては、ファイババンドル状の光源として面積あたりの光量の大きい高輝度な光源を用いることで、光パワーを向上させつつ、エタンデュー(Etendue)を小さくすることができるため、前記光変調手段側の開口数を小さくでき、更に、前記結像光学系の焦点深度を大きくすることができる。この結果、前記感光層の被露光面上に結像される画像のピントずれが抑制される。
<13> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<11>から<12>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<13>に記載のパターン形成材料においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細なパターンが形成される。
<14> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを平行光化して集光し、前記マルチモード光ファイバの入射端面に収束させる光源集光光学系とを有する前記<11>から<13>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<14>に記載のパターン形成方法においては、前記光照射手段により、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームが前記光源集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファーバーに結合可能とすることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記感光層への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像することにより、極めて高精細なパターンが形成される。
<15> バリアー層が、水又は炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して親和性を示す樹脂を主成分として含む前記<3>から<14>に記載のパターン形成材料である。
<16> バリアー層が、水又は炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して可溶性の樹脂を主成分として含む前記<3>から<15>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<17> バリアー層の厚みが、0.1〜5μmである前記<3>から<16>いずれかに記載のパターン形成方法である。
<18> 第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度が2〜200である前記<1>から<17>のうちのいずれかに記載のパターン形成方法である。
<19> 第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量BとのA/Bで表される比が、0.005〜0.5である前記<1>から<18>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<20> 第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量CとのC/Aで表される比が、1〜10の範囲になる前記<1>から<19>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<21> 第一感光層と第二感光層のそれぞれが増感剤を含む前記<1>から<20>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<22> 第二感光層に含有されている増感剤の量が第一感光層に含有されている増感剤の量よりも多い前記<21>に記載のパターン形成方法である。
<23> 第二感光層に含有されている光重合開始剤の量が第一感光層に含有されている光重合開始剤の量よりも多い前記<1>から<22>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<24> 第二感光層に含有されている重合性化合物の量が第一感光層に含有されている重合性化合物の量よりも多い前記<1>から<23>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<25> 第一感光層の厚みが、1〜100μmであり、かつ第二感光層の厚みよりも超える前記<1>から<24>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<26> 第二感光層の厚みが、0.1〜15μmである前記<1>から<25>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<27> 感光層が、増感剤を含む前記<1>から<26>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<28> 増感剤が、縮環系化合物、並びに、少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物から選択される少なくとも1種である前記<27>に記載のパターン形成方法である。
<29> バインダーが、酸性基を有する前記<1>から<28>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<30> バインダーが、ビニル共重合体である前記<1>から<29>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<31> バインダーの酸価が、70〜250mgKOH/gである前記<1>から<30>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<32> 重合性化合物が、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマーを含む前記<1>から<31>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<33> 光重合開始剤が、ハロゲン化炭化水素誘導体、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、メタロセン類、及びアシルホスフィンオキシド化合物から選択される少なくとも1種を含む前記<1>から<32>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<34> 感光層が、バインダーを10〜90質量%含有し、重合性化合物を5〜90質量%含有する前記<1>から<33>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<35> 支持体が、合成樹脂を含み、かつ透明である前記<1>から<34>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<36> 支持体が、長尺状である前記<1>から<35>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<37> パターン形成材料が、長尺状であり、ロール状に巻かれてなる前記<1>から<36>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<38> パターン形成材料における第二感光層の上に保護フィルムを形成する前記<1>から<37>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<39> パターン形成材料が、プリント配線板製造用である前記<1>から<38>のうちのいずれかに記載のパターン形成方法である。
<40> 基体上にパターン形成材料を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層し、露光する前記<1>から<39>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<41> 露光が行われた後、感光層の現像を行う前記<1>から<40>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<42> 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う前記<41>に記載のパターン形成方法である。
<43> 永久パターンが配線パターンであり、該永久パターンの形成がエッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかにより行われる前記<42>に記載のパターン形成方法である。
<44> 基体がホール部を有し、該ホール部及びその周辺部上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量と、該ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量とが異なる前記<40>から<43>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<44>に記載のパターン形成方法においては、前記ホール部及びその周辺部上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量が、前記ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギーと異なるため、露光後に現像することにより、前記ホール部及びその周辺部上には、前記ホール部及びその周辺部を除く領域の上と異なる厚み等の硬化膜が形成される。
<45> 基体がホール部を有し、該ホール部及びその周辺部上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量をB、該ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量をAとしたとき、B>Aである前記<44>に記載のパターン形成方法である。該<45>に記載のパターン形成方法においては、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板基板の場合、該ホール部及びその周辺部の上に位置する感光層に対して照射する光のエネルギー量を、該ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層(配線部の感光層)のそれより大きくすることによって、前記ホール部及びその周辺部上に形成されるテント膜の厚みを大きくすることができ、現像後の処理における該テント膜の耐久性を向上させることができる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、装置のコストアップや、露光速度の低下を招くことなく、露光性能を向上させることにより、微細なパターンを高精度に形成可能であり、かつ厚みが異なる所望のパターンを高精細に形成可能であり、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を効率よく形成可能なパターン形成方法を提供することができる。
(パターン形成方法)
本発明のパターン形成方法は、前記支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光層を2層以上有してなり、該感光層が少なくとも第一感光層と、前記第一感光層よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない第二感光層とからなる前記パターン形成材料における前記感光層に対し、露光を行う露光工程を少なくとも含み、適宜選択したその他の工程を含む。
前記パターン形成材料における感光層は、前記基体(被処理基体)上に積層されて露光されることが好ましい。
[露光工程]
前記露光工程は、前記光照射手段からの光を受光してパターン情報に基づいて変調する前記光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させ、前記光変調手段により変調された光を、結像手段と、焦点調節手段とを介して前記感光層の被露光面上に結像させて露光を行うことを少なくとも含む工程であり、
前記露光が、前記結像手段の中央部を含む略矩形状の領域のみにおいて、前記光変調手段により変調された光が結像され、
前記感光層の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域が、その短辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角が、その長辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角よりも小さくなるように向けられて行われる。
本発明のパターン形成方法の露光工程に係る露光装置の一例について、以下、図面を参照しながら説明する。前記露光工程における露光方法は、前記露光装置の説明を通じて明らかにする。
<露光装置の構成>
<<露光装置の外観>>
図1には、本発明のパターン形成方法の露光工程に係る露光装置10の概略外観図が示されている。露光装置10は、前記パターン形成材料における前記感光層を、被処理基体上に積層してなるシート状の積層体(以下、「感光材料12」と表す)を、表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ14を備えている。4本の脚部16に支持された厚い板状の設置台18の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド20が設置されている。ステージ14は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド20によって往復移動可能に支持されている。更に露光装置10は、ステージ14をガイド20に沿って駆動するステージ駆動装置(不図示)を備えている。
そして、設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐようにコの字状のゲート22が設置されている。コの字状のゲート22の端部の各々は、設置台18の両側面に固定されている。ゲート22を挟んで一方側にはスキャナ24が設置され、他方側には感光材料12の先端及び後端を検知する複数のセンサ26が設置されている。スキャナ24及びセンサ26はゲート22に各々固定され、ステージ14の移動経路の上方に設置されている。尚、スキャナ24及びセンサ26はコントローラ(不図示)に電気的に接続されており、コントローラによって動作制御がなされる。
ステージ14にはスキャナ24による露光開始の際にスキャナ24から感光材料12の被露光面に照射されるレーザ光の光量を検出するための露光面計測センサ28が設置されている。露光面計測センサ28は、ステージ14における感光材料12の設置面の露光開始側の端部にステージ移動方向に直交する方向に延設されている。
図2はスキャナ24の概略外観図である。
図2に示すように、スキャナ24は、例えば、2行5列の略マトリクス状に配列された10個の露光ヘッド30を備えている。
各露光ヘッド30は、前記光変調手段として空間変調素子であるDMDを備え、該DMDによって形成された2次元パターンを感光材料12上に投影する。
露光エリア32は各露光ヘッドから射出された2次元パターンが感光材料12上に投影された時の投影エリアを示す。また、ステージ14の移動に伴って感光材料12には露光ヘッド30による帯状の露光済み領域34が形成される。
<<露光ヘッド>>
図3は露光ヘッド30の概略構成を説明するための概念図であり、図7は露光ヘッド30中を伝播するレーザ光の光路に沿って露光ヘッド30を構成する光学要素を説明するための図である。
露光ヘッド30は、前記光照射手段として光源ユニット60と、DMD照射光学系70と、DMD80と、前記結像手段として結像光学系50と、前記焦点調節手段としてくさび型プリズムペア54とを備えて構成されている。
光源ユニット60は、図4に示すように、複数(例えば、14個)のLDモジュール40を備えており、各LDモジュール40には、第1マルチモード光ファイバ41の一端が結合されている。第1マルチモード光ファイバ41の他端には、第1マルチモード光ファイバより小さいクラッド径を有する第2マルチモード光ファイバ68が結合されている。
図5に詳しく示すように、第2マルチモード光ファイバ68の第1マルチモード光ファイバ41と反対側の端部は走査方向と直交する方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部66が構成されている。
第2マルチモード光ファイバ64の端部で構成されるレーザ出射部66は、図5に示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、第2マルチモード光ファイバ64の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。第2マルチモード光ファイバ68の光出射端面は、光密度が高いために集塵しやすく劣化しやすいが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
LDモジュール40は、図6に示す合波レーザ光源によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック400上に配列固定された複数の(例えば7個)の半導体レーザ素子であるLDチップLD1、LD2、LD3、LD4、LD5、LD6及びLD7と、LDチップLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ401、402、403、404、405、406及び407と、1つの集光レンズ90と、1本の第1マルチモード光ファイバ41とから構成されている。尚、半導体レーザ素子の個数は7個に限定されるものではなく、その他の個数が採用されてもよい。また、上述のような7個のコリメータレンズ401〜407に代えて、それらのレンズが一体化されているコリメータレンズアレイを用いてもよい。
LDチップLD1〜LD7は、チップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザ素子であり、発振波長が全て共通(例えば、405[nm]程度)であり、最大出力も全て共通(例えば、マルチモードレーザでは100[mW]、シングルモードレーザでは30[mW])である。尚、350[nm]〜450[nm]の波長範囲であれば、上記405[nm]以外の発振波長を備える半導体レーザ素子をLDチップLD1〜LD7として用いてもよい。
このように、複数のLDチップLD1〜LD7から発せられた各レーザ光を1本の第1マルチモード光ファイバ41に入射させて合波し、さらにファイババンドル状の光源として面積あたりの光量の大きい高輝度な光源を用いることで、光パワーを向上させつつ、エタンデュー(Etendue)を小さくすることができる。
従って、前記結像手段の中央部を含む領域のみにおいて空間光変調手段で空間光変調することで被照明体(光変調手段)側に対する照明領域が小さくなっても、照明NA値を抑えることができる。これにより、結像光学系が被照明体の下流側に配置された場合でもその結像光学系の焦点深度を大きくすることができ、結像される露光画像のピントずれを抑制することができるという効果が得られる。
尚、エタンデューと焦点深度の詳しい関係については特開2005−018013号公報に掲載されている。
以上において、複数のLDチップLD1〜LD7を合波することによって光照射手段から出射される光を構成する場合について説明したが、合波せずに、半導体レーザ素子と光ファイバの一端とを1対1で結合し、光ファイバ他端に該光ファイバよりクラッド径の小さい光ファイバを結合してもよい。この場合は、半導体レーザ素子としてマルチモードの高出力レーザを用いることが好ましく、このような高出力レーザを用いることで高輝度な光源を実現できる。
DMD照射光学系70は、図7に示すように、コリメータレンズ71と、マイクロフライアイレンズ72及び73と、フィールドレンズ74と、ミラー75と、プリズム76とを備えて構成されている。
コリメータレンズ71は、レーザ光出射部61から出射された複数のレーザ光を概略平行光化するためのレンズである。
マイクロフライアイレンズ72及び73は、微小レンズセルが縦横に多数配置されてなるものであり、DMD80に照射するレーザ光の光量分布を均一化するためのレンズである。マイクロフライアイレンズ72及び73を透過したレーザ光は、フィールドレンズ74を透過してミラー75によって反射され、プリズム76に入射する。
プリズム76は、TIRプリズム(全反射プリズム)であり、ミラー75によって反射されたレーザ光をDMD80に向けて全反射する。DMD80の詳細については、後述する。
尚、DMD照射光学系70は、光量分布の均一化の手段として、ロッドインテグレータを備えることとしてもよい。
−結像手段−
−−結像光学系−−
結像光学系50は、前記光照射手段からのレーザ光をDMD80で変調されることによって形成された2次元パターンを、感光材料12上に結像させて投影させるための結像手段である。図7に示すように、結像光学系50は、第1投影レンズ51と、第2投影レンズ52と、マイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とを備えて構成されている。
DMD80を構成する各マイクロミラーによって反射されて形成された2次元パターンは、第1投影レンズ51を透過し、所定倍(例えば、3倍)に拡大されて結像される。ここで、第1投影レンズ51を透過した光束Laは、第1投影レンズ51による結像位置の近傍に配設されたマイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aによって個別に集光される。この個別に集光された光束がアパーチャ59aを通過して結像される。マイクロレンズアレイ55及びアパーチャアレイ59を通過して結像された2次元パターンは、第2投影レンズ52を透過して更に所定倍(例えば、1.67倍)に拡大され、くさび型プリズムペア54を透過して感光材料12上に結像される。最終的には、DMD80によって形成された2次元パターンが、第1投影レンズ51と第2投影レンズ52の拡大倍率をそれぞれ乗算した倍率(例えば、3倍×1.67倍=5倍)で拡大されて、感光材料12上に投影される。
なお、結像光学系50は、必ずしも第2投影レンズ52を備えた構成としなくてもよい。
図8A及び図8Bは、第1投影レンズ51、第2投影レンズ52を構成する投影レンズ300を示した平面図である。
前記露光装置の露光性能を上げるためには、高いレンズ光学性能(像面湾曲、非点隔差、歪曲等を抑制、高いテレセントリック性)を持つ投影レンズが必要となる。しかしながら、投影レンズの全面領域においてレンズ光学性能を向上させようとすると、レンズのコストアップに繋がり、大口径レンズの製造が困難になるという問題がある。一方、投影レンズの任意の領域のレンズ光学性能を高めるために、故意に所定の領域に歪みを持たせて投影レンズを製造することが可能であることが近年の研究で明らかになった。
そこで、例えば、投影レンズの周辺部分に歪みを持たせ、中央部の歪みを少なくして製造することによって、投影レンズの中央部を含む領域のレンズ光学性能を高め、更に中央部を含む領域にてDMD80によって形成された2次元パターンを透過させて結像することができる。具体的には、図8Aに示すように、投影レンズ300の周辺領域である領域320に像面湾曲、領域330に歪曲が大きいという特性を持たせ、その分投影レンズ300の中央部を含む領域の歪みを少なくさせて、レンズ光学性能が高くなるようにして製造することができる。
しかし、例えば図8Aに示すように、DMD80によって形成された2次元パターンが投影レンズ300の領域310に照射されて透過される場合には、2次元パターンの一部が像面湾曲や歪曲が大きい特性を含む領域を透過することになるため、2次元パターンは、投影レンズ300におけるレンズ光学性能の良い領域340に照射される必要がある。
そこで、投影レンズ300のレンズ光学性能の良い領域340を選択して2次元パターンを照射するために、例えば、2次元パターンの光の光軸を中心として、図8Bに示す矢印Aの方向に投影レンズ300を回転させることが好ましい。この回転により、レンズ光学性能の良い領域340と2次元パターンが照射される領域310を一致させ、レンズ光学性能の良い領域340において2次元パターンを透過させることができる。
このように、レンズ光学性能の良い領域において2次元パターンを透過させて結像させることによって、2次元パターンが感光材料12上に投影される際の画質を向上させることができる。
また、大口径の投影レンズを用いる場合、投影レンズの全面領域において十分なレンズ光学性能を得ようとすると製造が困難であるが、前記大口径の投影レンズの周辺領域等の任意の領域にレンズ歪みを持たせて、中央部を含む領域のレンズ歪みを少なくすることによって、高いレンズ光学性能を持たせることができる。このような大口径の投影レンズを用いることによって、露光面積が拡大し、露光速度を速くすることができる。
尚、DMD80から反射された光を、投影レンズの中央部を含む一部の領域において結像させるために、DMD80によって形成される2次元パターンは、図8A及び図8Bに示す領域310のように、長辺の長さが短辺の長さより2倍以上長い略矩形状のパターンであることが望ましい。これについては後述のDMDに関する説明において詳述する。
投影レンズ300のレンズ光学性能の良い領域340に2次元パターンを選択的に照射させるために、結像光学系50は2次元パターンの光の光軸を中心として回転可能な構成であることが好ましい。
図9の上図は、結像光学系50を備える鏡筒400の概略側面断面図であり、図9の下図は、上図における矢印Bの方向から見た鏡筒400の概略平面図である。
鏡筒400は側面につば状のフランジ410を備えている。フランジ410にはネジ貫通孔412がα[°]毎に形成されている。ブラケット420にはネジ貫通孔412に対応させて雌ネジ孔(不図示)が同じくα[°]毎に形成され、ネジ(不図示)をフランジ410のネジ貫通孔412に挿通して、ブラケット420の対応する雌ネジ孔に螺合させることにより、フランジ410とブラケット420が固定される。この構造により、鏡筒400は第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52の光軸を中心としてα[°]ずつ回転させて任意の角度位置で固定させることができる。またネジによってフランジ410とブラケット420を固定させる際は、ネジ貫通孔412のうち、全てのネジ貫通孔412にネジを挿通してブラケット420の対応する雌ネジ孔に螺合させてもよいし、例えば対角線上に位置する2箇所のネジ貫通孔412にネジを挿通してブラケット420の対応する雌ネジ孔に螺合させてもよい。
鏡筒400が回転されると、第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52が共に回転する。そして、感光材料12上に投影された2次元パターンの焦点、画質(解像度)等の露光性能を計測しながら、最も良い露光性能を示す回転位置でフランジ410とブラケット420を固定する。
このように、鏡筒400を2次元パターンの光の光軸を中心に回転させることによって第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52を回転させ、第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52を構成する投影レンズにおいてレンズ光学性能の良い領域と、光変調手段により形成された2次元パターンの照射領域を一致させることができる。
なお、第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52を構成する投影レンズは、各投影レンズ毎に独立して回転可能なように構成してもよい。
また、鏡筒400は2次元パターンの光軸に垂直方向に移動可能なように構成してもよく、2次元パターンの光軸の垂直方向に、第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52を構成する各投影レンズが独立して移動可能なように構成してもよい。
−光変調手段−
前記光変調手段としては、パターン情報(画像信号)に基づいて2次元パターンの光を形成可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、n個(ただし、nは1以上の自然数)の2次元状に配列された描素部を有するものが挙げられ、これらの中でも空間光変調素子が好ましく、具体的には、DMDが好ましい。
以下、前記光変調手段として、DMDを用いた場合について説明する。
DMD80の概略斜視図を図10に示す。DMD80は、DMD照射光学系70から入射された光を、パターン情報(画像信号)に基づいて空間光変調し、2次元パターンを形成する空間光変調手段である。
DMD80は、n個(例えば、1024×757個)の2次元状に多数配置された描素部(画素)としてのマイクロミラー81を有している。更にDMD80は、データ処理部とミラー駆動制御部を備えたコントローラ(不図示)に接続されている。
データ処理部は、パターン情報(画像信号)に基づいてDMD80に配されている各マイクロミラー81の駆動を制御するための制御信号を生成する。
ミラー駆動制御部は、データ処理部によって生成された制御信号に基づいて、DMD80の各マイクロミラー81の反射面の角度を制御する。
前記データ処理部及び前記ミラー駆動制御部によって、マイクロミラー81の反射面が所定の角度に傾斜され、DMD81に照射された光のうち、所定の角度に傾斜されたマイクロミラー81によって反射された光が2次元パターンとなって結像光学系50に入射される。
ところで、上述のとおり、第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52は、第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52を構成する投影レンズの周辺部分に歪みを持たせ、中央部の歪みを少なくして製造することによって、上記投影レンズの中央部を含む領域のレンズ光学性能を高め、その中央部を含む領域にて2次元パターンを透過させて結像するものである。このように2次元パターンを投影レンズの中央部を含む一部の領域において結像させるために、DMD80によって形成される2次元パターンは、図8Bに示す領域310のように、長辺の長さが短辺の長さより2倍以上長い略矩形状のパターンであることが好ましい。そのような略矩形状の2次元パターンを形成するために、DMD80の一部のマイクロミラー81を駆動制御して、辺の長さが短辺の長さより2倍以上長い略矩形状2次元パターンを形成することが好ましい。
略矩形状の2次元パターンについて、図11A及び図11Bを用いて詳しく説明する。
DMD80には、例えば、露光する際の主走査方向、即ち行方向に1024画素、更に露光する際の副走査方向、即ち列方向に756画素のマイクロミラー81が2次元状に配置されているが、列方向に756画素並ぶマイクロミラー81のうち、一部のマイクロミラー81(例えば、240画素)を使用して、1024×240画素の2次元パターンを形成させる。
ここで、列方向に並ぶマイクロミラー81のうち、使用するマイクロミラー81の数は、行方向に並ぶマイクロミラー81の数の1/2〜1/5程度の数であることが望ましい。
また、DMD80を構成する全てのマイクロミラーに対して、図11Aに示す領域80Cのように、DMD80の中央部を占めるマイクロミラーを使用してもよく、図11Bに示す領域80Tのように、DMD80の端部付近を占めるマイクロミラーを使用してもよい。
さらに、使用しているマイクロミラーに欠陥が生じた場合は、欠陥が発生していないマイクロミラーの領域を使用するなどして、状況に応じて使用するマイクロミラーの領域を適宜変更してもよい。
このように、DMD80を構成するマイクロミラー81において、列方向に並ぶマイクロミラー81のうち一部のマイクロミラー81を使用することによって、長辺の長さが短辺の長さより長い略矩形状の2次元パターンを形成することができ、第1投影レンズ51及び第2投影レンズ52を構成する投影レンズの高いレンズ光学性能を持つ領域のみに2次元パターンを照射させることが容易となる。
また、DMD80のデータ処理速度は、制御するマイクロミラー81の数(画素数)に比例するため、列方向に並ぶマイクロミラー81のうち一部のマイクロミラー81を使用することによって、データ処理速度を速くすることができ、露光速度を速くすることができる。
さらに、DMD80によって形成される2次元パターンを小さくすることによって、マイクロミラー81にそれぞれ対応するマイクロレンズがアレイ状に配されてなるマイクロレンズアレイ55を小型化することができる。前記マイクロレンズアレイは高価な光学部材であるため、露光装置のコストを削減することができる。
なお、長辺の長さが短辺の長さより長い略矩形状の2次元パターンを形成するために、DMD80において列方向に並ぶマイクロミラー81のうち、一部のマイクロミラー81を用いることとして説明したが、予め長辺方向のマイクロミラーの数が短辺方向のマイクロミラーの数より2倍以上多いDMDを用いてもよい。
−焦点調節手段−
−−くさび型プリズムペア−−
図12は、くさび型プリズムペア54の構成を示す側面図であり、図13はくさび型プリズムペア54を示す概略斜視図である。
くさび型プリズムペア54は、2次元パターンの光の光路長を変更して、2次元パターンを結像させる際の焦点を調節するための焦点調節手段である。
くさび型プリズムペア54は、くさび型プリズム540A及び540Bと、くさび型プリズム540A及び540Bをそれぞれ固定するベースプリズムホルダ541A及び541Bと、ベースプリズムホルダ541Aの両端に配設されたスライドベース542A及びスライドベース542A上を移動するスライダ542Bを含むスライド部545と、スライド部545を移動させる駆動部546とを備えて構成されている。くさび型プリズムペア54については、図13に示すように、例えばガラスやアクリル等の透明材料からなる平行平板を、この平行平板の平行平面H11及びH22に対して斜めに傾く平面Hkに沿って切断することによって得られる一対のくさび型プリズムA及びBを上記くさび型プリズム540A及び540Bとして使用することができる。
図12に示したくさび型プリズム540A及び540Bは、幅t(例えば、10[um])の空気層550を介してベースプリズムホルダ541A及び541Bに固定されている。また、スライドベース542A及びスライダ542Bとの組み合わせによってリニアスライドが可能であり、駆動部546がくさび型プリズム540A及び540Bの互いの位置を空気層550の幅tが変化しないようにスライド部545を1方向(図中矢印uの方向)に相対的に移動させる。このスライド部545の移動により、くさび型プリズムペア54の2次元パターンの光軸方向の厚さ(平行平面板の厚さから空気層550の幅tを除いた厚さ)が変更される。つまり、くさび型プリズムペア54によって2次元パターンを形成する光の光路長が変更されることになる。
このように、第2投影レンズ52と感光材料12の間にくさび型プリズムペア54を配設することによって、2次元パターンの光の光路長を簡単に調節することができる。
したがって、従来に比べ、第2投影レンズ52によって結像された2次元パターンを感光材料12上に結像する際の焦点調整を、簡単に、かつ短時間で行うことができる。
なお、図14に示すように、くさび型プリズムペア54を、マイクロレンズアレイ55と第2投影レンズ52との間に配置することにより、2次元パターンの光の光路長を変更して、2次元パターンの焦点を調節してもよい。
前記焦点調節手段として、くさび型プリズムペア54を用いた場合を説明したが、前記焦点調節手段はこれに限定されるものではなく、結像光学系50を構成する投影レンズの位置を変化させずに焦点調節を行う高ビーム位置精度の焦点調節手段であればよい。
−−結像光学系を構成する光学部材及びピエゾ素子による焦点調節手段−−
前記焦点調節手段としては、例えば、図15A、図15B、図16A、及び図16Bに示すように、結像光学系を構成する光学部材であるマイクロレンズアレイ55を、ピエゾ素子600を用いて焦点方向(図中矢印Xの方向)に移動させることにより焦点調整を行ってもよい。
ピエゾ素子600を用いることによって、マイクロレンズアレイ55の焦点方向と垂直な方向への変位を抑えつつ、焦点方向への微小移動を行うことができるため、安定したビーム位置精度を保ちながら焦点調整を行うことができる。
<露光方法>
上述した露光装置10による露光方法について説明する。
図17Aは感光材料12とDMD80の位置関係を概略的に示した斜視図である。なお、図2に示すように、露光装置10はDMD80を有する露光ヘッド30を10個備えることとして説明したが、図17A及び図17Bでは簡略化して1個のDMD80にのみ着目して図示及び説明する。
図17Aに示すように、DMD80の全てのマイクロミラー81に対して領域80Tを占めるマイクロミラー81を使用する場合、領域80Tの短辺方向を感光材料12のうねり方向に向けて感光材料12をそのうねり方向に移動させながら(領域80Tの短辺方向を感光材料12の移動方向に向ける)感光材料12に対して露光を行うことが好ましい。すなわち、領域80Tにより形成され、前記感光材料の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域が、その短辺方向と前記感光層のうねり方向とが略平行となるように露光を行うことが好ましい。
図17Aにおいて、露光エリア81はDMD80の全てのマイクロミラー81を使用して2次元パターンを形成したときの露光エリアであり、露光エリア81TはDMD81において領域80Tを占めるマイクロミラー81を使用して2次元パターンを形成したときの露光エリアである。
図17Bは、図17Aにおいて破線の枠Pで囲んだ部分を拡大して示した側面図である。図17Bに示すように、DMD80の全てのマイクロミラー81を使用して2次元パターンを形成した場合、露光エリア81の感光材料12に対する最大深度差(露光エリア81内における、感光材料12表面の最大高低差)はd2となる。
一方、DMD80において領域80Tを占めるマイクロミラー81を使用した場合、露光エリア81Tの感光材料12に対する最大深度差はd1となる。
図17Bに示すように、d1<d2であり、深度差が小さいほうが深度差が大きい場合より2次元パターン内における感光材料12のうねりの度合いが小さい。従って、2次元パターンの焦点位置をより適切な位置に合わせることができる。
また、1フレームの露光が終了し、ステージ14が走査方向に移動することによって感光材料12が移動すると、露光エリア81Tの位置が変化し、露光エリア81T内における感光材料12のうねりの度合いが変化するため、焦点位置も変化するが、くさび型プリズムペア54によって焦点調節がなされることにより、焦点位置は即座に調節される。従って、感光材料12のうねりに対応した長焦点深度を有する露光を行うことができる。
このように、DMD80を構成するマイクロミラー81において、列方向に並ぶマイクロミラー81のうち一部のマイクロミラー81を使用して、略矩形状の2次元パターンを形成させたとき、2次元パターンの短辺方向を感光材料12のうねり方向に向けて露光を行うことにより、露光エリア81T内における感光材料12のうねりの度合いを少なくすることができる。
このため、2次元パターンの焦点位置を適切な位置に合わせることができ、露光装置10の焦点深度を従来の露光装置より見かけ上大きくすることができ、この結果、露光画質を向上させることができ、高精細なパターン露光が行われる。
なお、図2に示すように、実際には露光ヘッド30はDMD80の画素列方向が走査方向と所定の設定傾斜角度をなすようにスキャナ24に取り付けられている。従って、各露光ヘッド30による露光エリア32(図17における露光エリア81Tに相当)は走査方向に対して傾斜した矩形状のエリアとなる。
露光エリア81T内の感光材料12のうねりによる影響の度合いを最小限に抑えるためには、露光エリア81Tの短辺方向と感光材料12のうねり方向を完全に一致させることが理想であるが、露光エリア81Tが上記所定の設定傾斜角度をなしていても、露光エリア81Tの短辺方向が長辺方向より感光材料12のうねり方向に向いていれば、すなわち、前記感光材料の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域が、その短辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角が、その長辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角よりも小さくなるように向いていればよい。
以上説明したとおり、本発明のパターン形成方法における露光は、結像手段を構成する投影レンズの周辺領域に歪みを持たせ、その分中央部を含む領域の歪みを少なくして、該中央部を含む領域の光学性能を高めた結像手段を備えた露光装置を用いることにより、光学性能の良い領域において空間光変調された光を結像することによって、該空間光変調された光が、感光材料上に投影される際の画質を向上させることができる。
また、投影レンズの周辺領域等の任意の領域にレンズ歪みを持たせて、中央部を含む領域のレンズ歪みを少なくすることによって、大口径の投影レンズでも高いレンズ光学性能を持たせることができ、これにより、露光面積が拡大し、露光速度が速くなる。
そして、前記露光装置における結像手段が、空間光変調された露光光の光軸を中心に回転可能、又は光軸に対して垂直方向に移動可能であることにより、結像手段を構成する投影レンズの光学性能の良い領域に空間光変調された光が選択的に照射される。
また、投影レンズの周辺領域等にレンズ歪みを持たせて中央部を含むレンズ性能のよい領域のみを使用することにより、前記投影レンズの全面領域を使用する場合に比べて焦点調節手段の光学系を小型化することができ、その結果、高精度な安定保持及び移動機構を実現した露光装置により高精細な露光が行われる。更に、空間変調された露光光の光位置を安定に保ちながら高精度に焦点位置が調整される。
また、空間光変調された光をマイクロレンズアレイを通して小さなスポットに集光する場合において、高価なマイクロレンズアレイを小型化できるので、よりピッチ精度が高く低コストなマイクロレンズアレイを採用することができる。更に、焦点調整手段としてピエゾ素子を用いることによって、焦点方向に対して垂直な方向への微小変位を抑制でき、高ビーム位置精度を保ちながら、高精度に焦点位置を調整することができる。
また、複数の半導体レーザ素子から発せられた各レーザ光を1本の光ファイバに入射させて合波し、さらにファイババンドル状の光源として面積あたりの光量の大きい高輝度な光照射手段を用いることにより、光パワーを向上させつつ、エタンデュー(Etendue)を小さくすることができ、DMD側の開口数(NA)を小さくすることができる。これにより、前記結像手段の中央部を含む略矩計状の領域のみにおいて空間光変調手段で空間光変調する場合であっても、DMD側の開口数を小さくでき、更に、結像光学系が被照明体の下流側に配置された場合においても、その結像光学系の焦点深度を大きくすることができ、結像される露光画像のピントずれが抑制される。
更に、前記結像手段が長辺の長さが短辺の長さの2倍以上の略矩形状の領域において空間光変調された露光光を結像し感光材料上に投影させる際に、前記感光材料の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域が、その短辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角が、その長辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角よりも小さくなるように露光を行うことにより、投影された空間光変調された露光光の投影エリア内における感光材料のうねりの度合いを少なくすることができ、空間光変調された光の焦点位置を調整することができる。これにより、焦点深度を従来の露光装置より見かけ上大きくすることができ、解像度(露光画質)を向上させることができる。
<積層体>
前記露光工程における露光の対象としては、前記支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む前記感光層を2層以上有してなり、該感光層が少なくとも第一感光層と、前記第一感光層よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない第二感光層とからなる前記パターン形成材料における前記感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記パターン形成材料における前記感光層を前記基体(被処理基体)上に積層してなる前記積層体の前記感光層に対して露光が行われることが好ましい。
<パターン形成材料>
前記パターン形成材料としては、前記支持体上に、少なくとも前記感光層を有し、適宜選択したバリアー層、及びクッション層等のその他の層を含む。
−感光層−
前記感光層としては、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤とを少なくとも含み、適宜選択したその他の成分を含むものが好ましい。
前記感光層を二層有する前記パターン形成材料の一例を図18〜21に示す。
図18では、パターン形成材料510が、支持体511と、第一感光層512と、第二感光層514との順で積層されている。前記第一感光層512及び前記第二感光層514は、前記バインダーと、前記重合性化合物と、前記光重合開始剤とを含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射により硬化する。該パターン形成材料は、前記第二感光層514が、前記第一感光層512よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない、すなわち、相対的に光感度が高い点に特徴がある。ここで、前記光感度とは、それぞれの感光層が硬化するのに必要な光エネルギー量に相当し、前記光感度が高いとは、前記第二感光層514の硬化が、前記第一感光層512よりも少ない光の照射量で開始すること、または、前記第二感光層514の硬化が、前記第一感光層512よりも少ない光の照射量で完了することを意味する。
前記パターン形成材料は、前記第一感光層と、前記第二感光層との間にバリアー層を配置することが好ましい。図19は、前記第一感光層512と、前記第二感光層514との間に、前記バリアー層513を有するパターン形成材料の断面図の一例を表す。
図20及び図21は、図18及び図19の前記パターン形成材料に、保護フィルム515が積層されたパターン形成材料である。
前記第一感光層、前記バリアー層、及び前記第二感光層の厚みはそれぞれ、目的に応じて選択することができ、例えば、1〜100μmが好ましく、5〜80μmがより好ましく、10〜50μmが特に好ましい。
前記第一感光層の厚みが、1μm未満であると、膜強度を強くするには好ましくない場合があり、100μmを超えると、現像残渣が残りやすくなるなどの問題が発生することがある。前記第一感光層の厚みは、前記第二感光層の厚みよりも大きいほうが好ましい。
前記バリアー層の厚みは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜4μmより好ましく、1〜3μmが特に好ましい。
前記バリアー層の厚みが、0.1μm未満であると、充分なバリアー性が得られない場合があり、5μmを超えると、現像に長時間を要するようになる。
前記第二感光層の厚みは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜15μmが好ましく、1〜12μmがより好ましく、3〜10μmが特に好ましい。
前記第二感光層の厚みが、0.1μm未満であると、塗布の際の厚みのムラがでやすくなり、15μmを超えると、解像性が低下するなどの問題が発生する。
前記パターン形成材料の層構成は、図18〜図21で図示した層構成に限定されるものではなく、図18〜図21で示したもの以外の層を有してもよい。例えば、支持体511と第一感光層512との間、及び保護フィルム515と第二感光層514との間とに、前記支持体又は基板との剥離性や密着力を調整する層、ハレーション防止層、及び前記バリアー層などを設けてもよい。この場合のバリアー層は、前記感光層、前記支持体、及び前記保護フィルムに含まれる物質の移行防止や移行の抑制、酸素や湿度などの外的影響を防止したり、抑制したりする役割等を有する。
次に、前記パターン形成材料及び前記積層体における、前記光の照射量と前記感光層の硬化量との関係を、図22を参照しながら説明する。
図22は、前記感光層に光を照射したときの前記光の照射量(露光)と、現像処理により生成する前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)である。
具体的には、図18に示したパターン形成材料、又は図20に示した前記パターン形成材料から前記保護フィルムを剥離した前記パターン形成材料を、前記基板上に転写して、積層体を形成させる。次に、前記基板とは反対の側から、前記支持体を有している場合には、前記支持体を通して、又は必要に応じて前記支持体を剥離して、前記感光層に光を照射したときの前記光の照射量(露光)と、前記現像処理により生成する前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)である。
図22では、横軸は、光の照射量を表し、縦軸は、光の照射により硬化させ、現像処理を行った後に得られた前記硬化層の厚みを表す。前記縦軸のDは、前記第二感光層から形成される硬化層の厚みを、Eは、前記第一感光層から形成される前記硬化層の厚みと、前記第二感光層から形成される前記硬化層の厚みとを合計した厚みを表す。
図22に示すように、前記支持体側から照射した光は、前記支持体を有する場合は、前記支持体と、前記第一感光層と、前記第二感光層との順に進み、前記第二感光層の硬化は、前記第一感光層よりも先に、少ない光エネルギー量で始まる。前記第二感光層の全体が硬化した後、前記光エネルギー量を増加すると、前記第一感光層の硬化が始まり、さらに前記光エネルギー量を多くすると、前記第一感光層の全体が硬化する。
前記第一感光層の感度と、第二感光層の感度との関係については、前記第一感光層の光感度を1とした場合において、前記第二感光層の光感度が、2〜200が好ましく、2.5〜100がより好ましく、3〜50が特に好ましい。
前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは、前記第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと同量であってもよいが、前記光エネルギー量Aよりも大きい方が好ましい。
図19及び図21に示すパターン形成材料のように、前記第一感光層と、前記第二感光層との間に前記バリアー層を有する場合でも、図22と同様の光の照射量と硬化層の厚みの関係が得られる。この場合の前記Eは、前記第一感光層から形成された硬化層の厚みと、前記第二感光層から形成された硬化層の厚みと、前記バリアー層の厚みとの合計を表す。
前記パターン形成材料は、三層以上の感光層を有してもよい。
前記感光層が、三層の場合の断面図を図23に示す。また、各感光層の間に前記バリアー層553を有する場合を図24に、図23の感光層の上に保護フィルム556を有する場合を図25に、図24の感光層の上に前記保護フィルム556を有する場合を図26に示す。
図23〜図26に示すパターン形成材料550において、前記支持体は551で表わされ、前記支持体551の上に、前記第一感光層552と、前記第二感光層554と、前記第三感光層55とが、順次積層されている。図24に示すパターン形成材料550では、前記第一感光層552と、前記第二感光層554との間と、前記第二感光層554と、前記第三感光層555との間に、前記バリアー層553が設けられている。図25は、図23に示す前記パターン形成材料に前記保護フィルム556が設けられており、図26は、図24に示すパターン形成材料に前記保護層556が設けられている。
前述の三層の感光層を有する場合では、各感光層は、前記支持体に近い側の感光層の感度に比べて、前記支持体から離れた側の感光層の感度が相対的に高くなる。すなわち、前記感光層の感度は、前記第三感光層が最も高く、次いで前記第二感光層が高く、前記第一感光層の感度が最も低い。
図23〜26に示した構成のパターン形成材料を用い、前記パターン形成に用いる光エネルギー量を必要な領域に応じて、前記第三感光層のみを硬化させる光エネルギー量Xと、前記第三感光層と、前記第二感光層とを硬化させる光エネルギー量Yと、前記第三感光層と、前記第二感光層と、前記第一感光層とを硬化させる光エネルギー量Zと、前記光照射量とを変化させる。図27に示したように、基板557の上に、前記第三感光層555のみを、硬化させた厚みを有する領域と、前記第三感光層555と、前記第二感光層554とを硬化させた厚みを有する領域と、前記第三感光層555と、前記第二感光層554と、前記第一感光層552とを硬化させた厚みを有する領域とを含む三段階の異なる厚みを有するパターンを、一種類のパターン形成材料で形成することが可能になる。
前記感光層が、N層(感光層の数がN)で、前記支持体に近い側の感光層の感度に比べて、前記支持体から離れた側の感光層の感度が、相対的に高いパターン形成材料を用いれば、N段階の異なる厚みを有する硬化層パターンを、一種類のパターン形成材料で形成することが可能になる。
前記パターン形成材料は、前記露光量に応じて、前記露光及び現像処理により得られる硬化層の厚みを、所望の厚みとすることが可能であり、前記露光量のパターンを必要に応じて変更することにより、前記基板に最も近い感光層のみを硬化させる領域から、順次、厚みを変えて全ての感光層を硬化させる領域まで、作り分けることが可能である。すなわち、画像の内部で厚みが異なる三次元造形をする、所望の領域の膜の強度を高くする、所望の領域のみの画像濃度を高める等の特性を付与した硬化樹脂画像を作製するなどを、一種類のパターン形成材料で形成することが可能となる。
前記パターン形成材料を、プリント配線板の製造、特に、前記スルーホール又は前記ビアホール(以下、これらをホール部と称することがある。)を有するプリント配線板の製造などに用いると、前記配線パターン形成領域には相対的に厚みが薄く、高解像の硬化層を形成し、前記スルーホール又は前記ビアホールには相対的に厚みの高い、高強度の硬化層を形成することができる。すなわち、前記パターン形成材料を用いることにより、前記テンティング法として、充分な前記テント膜強度を有し、かつ高解像度の硬化樹脂パターンを容易に形成することができる。
前記感度曲線を有するパターン形成材料は、各感光層の感度を、前記支持体に近い側から前記支持体から離れた側に向かうに従って、順次相対的に高くすることで実現できる。前記感光層を二層以上とし、前記感光層の感度を、順次相対的に高くする方法としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高感度の開始剤を用いる、増感剤を用いる、光重合開始剤及又は増感剤の含有量を増量する、前記感光層中の前記重合性化合物の含有率を多くする、重合抑制剤又は重合禁止剤の割合を少なくするなどの手法によって得ることができる。
特に、前記感光層が二層の場合であれば、前記高感度の開始剤を用いる、前記第二感光層に前記増感剤を添加する、前記第二感光層中の前記光重合開始剤又は前記増感剤の含有量を、前記第一感光層より多くする、前記第二感光層中の重合性化合物の含有率を前記第一感光層より多くするなどの手法により得ることができる。
前記支持体上に、前記バインダー、前記重合性化合物、前記光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる前記第一感光層と、前記バインダー、前記重合性化合物、及び前記光重合開始剤を含む前記感光性樹脂組成物で形成され、前記第一感光層の光感度よりも高い光感度を示す第二感光層とが、この順に積層されてなるパターン形成材料、又は前記第一感光層と、前記第二感光層との間に前記バリアー層が配置されているパターン形成材料を用いて、画像パターン(硬化樹脂パターン)を形成する場合において、前記第二感光層の硬化が始まる光エネルギー量Sとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.05〜10mJ/cmが好ましく、0.1〜5mJ/cm2がより好ましく、0.15〜2.5mJ/cmが特に好ましい。
また、第二感光層を硬化させるために必要な、前記光エネルギー量Aとしては、0.1〜20mJ/cmが好ましく、0.2〜15mJ/cm2より好ましく、0.4〜10mJ/cmが特に好ましい。
前記第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bとの比(A/B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.005〜0.5が好ましく、0.01〜0.4がより好ましく、0.02〜0.35が特に好ましい。
前記第二感光層を硬化させるために必要な、前記光エネルギー量Aと、前記第一感光層の硬化が始まるまで必要な、前記光エネルギー量Cとの比(C/A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することでき、例えば、1〜10が好ましく、さらに1.1〜9が好ましく、特に1.3〜8が好ましい。
前記光エネルギー量Cとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜200mJ/cmが好ましく、1〜100mJ/cmがより好ましく、2〜50mJ/cmが特に好ましい。
<<バインダー>>
前記バインダーとしては、例えば、アルカリ性液に対して膨潤性であることが好ましく、アルカリ性液に対して可溶性であることがより好ましい。
アルカリ性液に対して膨潤性又は溶解性を示すバインダーとしては、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。
前記酸性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基が好ましい。
カルボキシル基を有するバインダーとしては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。また、現像性の観点から、スチレン及びスチレン誘導体の少なくともいずれかの共重合体も好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基を有するビニルモノマー、及び(2)これらと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)と環状無水物(例えば、無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物)との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記その他の共重合可能なモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類(例えば、スチレン、スチレン誘導体等)、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2―アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2―アクリロイルオキシエチルエステル)、官能基(例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基)を有するビニルモノマーなどが挙げられ、これらの中でも配線パターンなどの永久パターンを高精細に形成することができる点、及び前記パターンのテント性を向上させることができる点で、前記スチレン類(スチレン及びスチレン誘導体)が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、t−Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
前記官能基を有するビニルモノマーの合成方法としては、例えば、イソシアナート基と水酸基又はアミノ基の付加反応が挙げられ、具体的には、イソシアナート基を有するモノマーと、水酸基を1個含有する化合物又は1級若しくは2級アミノ基を1個有する化合物との付加反応、水酸基を有するモノマー又は1級若しくは2級アミノ基を有するモノマーと、モノイソシアネートとの付加反応が挙げられる。
前記イソシアナート基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(1)〜(3)中、R´は水素原子又はメチル基を表す。
前記モノイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、トルイルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。
前記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(4)〜(12)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(4)〜(12)中、R´は水素原子又はメチル基を表し、n、n、及びnは、それぞれ1以上の整数を表す。
前記水酸基を1個含有する化合物としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i―プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール等)、更に置換基を含むものとして、フロロエタノール、トリフロロエタノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシフェノール等が挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、ビニルベンジルアミンなどが挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を1個含有する化合物としては、例えば、アルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i―プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン)、環状アルキルアミン(シクロペンチルアミン、シクロへキシルアミン等)、アラルキルアミン(ベンジルアミン、フェネチルアミン等)、アリールアミン(アニリン、トルイルアミン、キシリルアミン、ナフチルアミン等)、更にこれらの組合せ(N−メチル−N−ベンジルアミン等)、更に置換基を含むアミン(トリフロロエチルアミン、ヘキサフロロイソプロピルアミン、メトキシアニリン、メトキシプロピルアミン等)などが挙げられる。
また、上記以外の前記その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ヒドロキシスチレンなどが好適に挙げられる。
前記その他の共重合可能なモノマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法により常法に従って共重合させることで調製することができる。例えば、前記モノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用することにより調製することができる。また、水性媒体中に前記モノマーを分散させた状態でいわゆる乳化重合等で重合を利用することにより調製することができる。
前記溶液重合法で用いられる適当な溶媒としては、特に制限はなく、使用するモノマー、及び生成する共重合体の溶解性等に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2′−アゾビス−(2,4′−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩などが挙げられる。
前記ビニル共重合体におけるカルボキシル基を有する重合性化合物の含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜35モル%が特に好ましい。
前記含有率が、5モル%未満であると、アルカリ水への現像性が不足することがあり、50モル%を超えると、硬化部(画像部)の現像液耐性が不足することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、質量平均分子量として、2,000〜300,000が好ましく、4,000〜150,000がより好ましい。
前記質量平均分子量が、2,000未満であると、膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になることがあり、300,000を超えると、現像性が低下することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記バインダーを2種以上併用する場合としては、例えば、異なる共重合成分からなる2種以上のバインダー、異なる質量平均分子量の2種以上のバインダー、及び異なる分散度の2種以上のバインダーなどの組合せが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、そのカルボキシル基の一部又は全部が塩基性物質で中和されていてもよい。また、前記バインダーは、さらにポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の構造の異なる樹脂を併用してもよい。
また、前記バインダーとしては、特許2873889号等に記載のアルカリ水溶液に可溶な樹脂などを用いることができる。
前記感光層における前記バインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
前記含有量が10質量%未満であると、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下することがあり、90質量%を超えると、現像時間に対する安定性や、硬化膜(テント膜)の強度が低下することがある。なお、前記含有量は、前記バインダーと必要に応じて併用される高分子結合剤との合計の含有量であってもよい。
前記バインダーがガラス転移温度(Tg)を有する物質である場合、該ガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記パターン形成材料のタック及びエッジフュージョンの抑制、並びに前記支持体の剥離性向上の、少なくともいずれかの観点から、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、120℃以上が特に好ましい。
前記ガラス転移温度が、80℃未満であると、前記パターン形成材料のタックやエッジフュージョンが増加したり、前記支持体の剥離性が悪化したりすることがある。
前記バインダーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜250(mgKOH/g)が好ましく、90〜200(mgKOH/g)がより好ましく、100〜180(mgKOH/g)が特に好ましい。
前記酸価が、70(mgKOH/g)未満であると、現像性が不足したり、解像性が劣り、配線パターン等の永久パターンを高精細に得ることができないことがあり、250(mgKOH/g)を超えると、パターンの耐現像液性及び密着性の少なくともいずれかが悪化し、配線パターン等の永久パターンを高精細に得ることができないことがある。
<<重合性化合物>>
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマー又はオリゴマーが好適に挙げられる。また、これらは、重合性基を2種以上有することが好ましい。
前記重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和結合(例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル等のビニル基、アリルエーテルやアリルエステル等のアリル基など)、重合可能な環状エーテル基(例えば、エポキシ基、オキセタン基等)などが挙げられ、これらの中でもエチレン性不飽和結合が好ましい。
−ウレタン基を有するモノマー−
前記ウレタン基を有するモノマーとしては、ウレタン基を有する限り、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特公昭48−41708、特開昭51−37193、特公平5−50737、特公平7−7208、特開2001−154346、特開2001−356476号公報等に記載されている化合物などが挙げられ、例えば、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′ジメチル−4,4′−ジフェニルジイソシアネート等のジイソシアネート;該ジイソシアネートを更に2官能アルコールとの重付加物(この場合も両末端はイソシアネート基);該ジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート等の3量体;該ジイソシアネート若しくはジイソシアネート類と、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセリン等の多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物等の得られる他官能アルコールとの付加体などが挙げられる。
前記分子中に水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(ランダム、ブロック等)などの異なるアルキレンオキシド部を有するジオール体の片末端(メタ)アクリレート体などが挙げられる。
また、前記ウレタン基を有するモノマーとしては、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレート環を有する化合物が挙げられる。これらの中でも、下記構造式式(13)、又は構造式(14)で表される化合物が好ましく、テント性の観点から、前記構造式(14)で示される化合物を少なくとも含むことが特に好ましい。また、これらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(13)及び(14)中、R´〜R´は、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。X〜Xは、アルキレンオキサイドを表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらの組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基がより好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、m〜mは、1〜60の整数を表し、2〜30が好ましく、4〜15がより好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、Y及びYは、炭素原子数2〜30の2価の有機基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)又はこれらを組み合わせた基などが好適に挙げられ、これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、シクロへキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、又は下記に示すいずれかの基などが好適に挙げられる。
前記アリーレン基としては、炭化水素基で置換されていてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ジフェニレン基、ナフチレン基、又は下記に示す基などが好適に挙げられる。
前記これらを組み合わせた基としては、例えば、キシリレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基としては、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記構造式(13)及び(14)中、nは3〜6の整数を表し、重合性モノマーを合成するための原料供給性などの観点から、3、4又は6が好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、Zはn価(3価〜6価)の連結基を表し、例えば、下記に示すいずれかの基などが挙げられる。
但し、Xはアルキレンオキサイドを表す。mは、1〜20の整数を表す。nは、3〜6の整数を表す。Aは、n価(3価〜6価)の有機基を表す。
前記Aとしては、例えば、n価(3価〜6価)の脂肪族基、n価(3価〜6価)の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、又はスルホニル基とを組み合わせた基が好ましく、n価(3価〜6価)の脂肪族基、n価(3価〜6価)の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、酸素原子とを組み合わせた基がより好ましく、n価(3価〜6価)の脂肪族基、n価(3価〜6価)の脂肪族基とアルキレン基、酸素原子とを組み合わせた基が特に好ましい。
前記Aの炭素原子数としては、例えば、1〜100の整数が好ましく、1〜50の整数がより好ましく、3〜30の整数が特に好ましい。
前記n価(3価〜6価)の脂肪族基としては、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記脂肪族基の炭素原子数としては、例えば、1〜30の整数が好ましく、1〜20の整数がより好ましく、3〜10の整数が特に好ましい。
前記芳香族基の炭素原子数としては、6〜100の整数が好ましく、6〜50の整数がより好ましく、6〜30の整数が特に好ましい。
前記n価(3価〜6価)の脂肪族基、又は芳香族基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記アルキレン基の炭素原子数としては、例えば、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記アリーレン基は、炭化水素基で更に置換されていてもよい。
前記アリーレン基の炭素原子数としては、6〜18の整数が好ましく、6〜10の整数がより好ましい。
前記置換イミノ基の1価の炭化水素基の炭素原子数としては、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記Aの好ましい例は以下の通りである。
前記構造式(13)及び(14)で表される化合物としては、例えば下記構造式(15)〜(34)で表される化合物などが挙げられる。
但し、前記構造式(15)〜(34)中、n、n、n、及びmは、1〜60を意味し、lは、1〜20を意味し、R´は、水素原子又はメチル基を表す。
−−アリール基を有するモノマー−−
前記アリール基を有するモノマーとしては、アリール基を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物及び多価アミノアルコール化合物の少なくともいずれかと不飽和カルボン酸とのエステル又はアミドなどが挙げられる。
前記アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物又は多価アミノアルコール化合物としては、例えば、ポリスチレンオキサイド、キシリレンジオール、ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2、2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシエチルレゾルシノール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、2,3,5,6−テトラメチル−p−キシレン−α,α′−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ブタンジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,1′−ビ−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、1,1′−メチレン−ジ−2−ナフトール、1,2,4−ベンゼントリオール、ビフェノール、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、カテコール、4−クロルレゾルシノール、ハイドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコール、メチルハイドロキノン、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロール、レゾルシノール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホンなどが挙げられる。また、この他、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、ノボラック型エポキシ樹脂やビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジル化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、フタル酸やトリメリット酸などと分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ベンゼンジスルホン酸ジアリル、重合性モノマーとしてカチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ビスフェノールAジビニルエーテル)、エポキシ化合物(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、ビニルエステル類(例えば、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート等)、スチレン化合物(例えば、ジビニルベンゼン、p−アリルスチレン、p−イソプロペンスチレン等)が挙げられる。これらの中でも下記構造式(35)で表される化合物が好ましい。
前記構造式(35)中、R´、R´は、水素原子又はアルキル基を表す。
前記構造式(35)中、X及びXは、アルキレンオキサイド基を表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。該アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)、などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらを組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基がより好ましい。
前記構造式(35)中、m、mは、1〜60の整数が好ましく、2〜30の整数がより好ましく、4〜15の整数が特に好ましい。
前記構造式(35)中、Tは、2価の連結基を表し、例えば、メチレン、エチレン、MeCMe、CFCCF、CO、SOなどが挙げられる。
前記構造式(35)中、Ar、Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、例えば、フェニレン、ナフチレンなどが挙げられる。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
前記アリール基を有するモノマーの具体例としては、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換したエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン等)、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン等)、又はこれらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両方を含む化合物(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物等、又は、市販品として、新中村化学工業社製、BPE−200、BPE−500、BPE−1000)、ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物などが挙げられる。なお、これらは、ビスフェノールA骨格に由来する部分をビスフェノールF又はビスフェノールS等に変更した化合物であってもよい。
前記ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物としては、例えば、ビスフェノールとエチレンオキシド又はプロピレンオキシド等の付加物、重付加物として得られる末端に水酸基を有する化合物にイソシアネート基と重合性基とを有する化合物(例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、α、α−ジメチル−ビニルベンジルイソシアネート等)などが挙げられる。
−その他の重合性モノマー−
本発明のパターン形成方法には、前記パターン形成材料としての特性を悪化させない範囲で、前記ウレタン基を含有するモノマー、アリール基を有するモノマー以外の重合性モノマーを併用してもよい。
前記ウレタン基を含有するモノマー、芳香環を含有するモノマー以外の重合性モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルのモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜18であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2から18であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,5−ベンタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物等)、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの少なくともいずれかを付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、キシレノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、その入手の容易さ等の観点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステルなどが好ましい。
前記イタコン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリトリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネートなどが挙げられる。
前記クロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリトリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートなどが挙げられる。
前記イソクロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリトリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネートなどが挙げられる。
前記マレイン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリトリトールジマレート、ソルビトールテトラマレートなどが挙げられる。
前記多価アミン化合物と前記不飽和カルボン酸類から誘導されるアミドとしては、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、オクタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
また、上記以外にも、前記重合性モノマーとして、例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー類、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマー、アリルエステル(例えば、フタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、ジアリルアミド(例えば、ジアリルアセトアミド等)、カチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリトリトールテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等)、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等)、オキセタン類(例えば、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン等)、エポキシ化合物、オキセタン類(例えば、WO01/22165号公報に記載の化合物)、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレート等の異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物などが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペートなどが挙げられる。
これらの多官能モノマー又はオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記重合性モノマーは、必要に応じて、分子内に重合性基を1個含有する重合性化合物(単官能モノマー)を併用してもよい。
前記単官能モノマーとしては、例えば、前記バインダーの原料として例示した化合物、特開平6−236031号公報に記載されている2塩基のモノ((メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル)モノ(ハロヒドロキシアルキルエステル)等の単官能モノマー(例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート等)、特許2744643号公報、WO00/52529号公報、特許2548016号公報等に記載の化合物が挙げられる。
前記感光層における重合性化合物の含有量としては、例えば、5〜90質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
前記含有量が、5質量%となると、テント膜の強度が低下することがあり、90質量%を超えると、保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化することがある。
また、重合性化合物中に前記重合性基を2個以上有する多官能モノマーの含有量としては、5〜100質量%が好ましく、20〜100質量%がより好ましく、40〜100質量%が特に好ましい。
<<光重合開始剤>>
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、メタロセン類、及びアシルホスフィンオキシド化合物などが挙げられる。これらの中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から、トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、オキシム誘導体、ケトン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましい。
前記ヘキサアリールビイミダゾールとしては、例えば、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−フロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(4−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(4−メトキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、WO00/52529号公報に記載の化合物などが挙げられる。
前記ビイミダゾール類は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,33,565(1960)、及びJ.Org.Chem,36(16)2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。
トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、オキサジアゾール骨格を有するものとしては、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物が挙げられる。
前記若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物としては、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記英国特許1388492号明細書記載の化合物としては、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭53−133428号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記独国特許3337024号明細書記載の化合物としては、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物としては、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭62−58241号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−281728号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−34920号公報記載化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、例えば、下記構造式(36)〜(69)で表される化合物が挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4′−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシー2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
前記メタロセン類としては、例えば、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η−シクロペンタジエニル−η−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
前記アシルホスフィンオキシド化合物としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキシド、LucirinTPOなどが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等)、N−フェニルグリシン等、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3′−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号公報等に記載のクマリン化合物など)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル、ペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、アミノフルオラン類(ODB,ODBII等)、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレット等)などが挙げられる。
更に、米国特許第2367660号明細書に記載されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、特開2002−229194号公報に記載の有機ホウ素化合物、ラジカル発生剤、トリアリールスルホニウム塩(例えば、ヘキサフロロアンチモンやヘキサフロロホスフェートとの塩)、ホスホニウム塩化合物(例えば、(フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩等)(カチオン重合開始剤として有効)、WO01/71428号公報記載のオニウム塩化合物などが挙げられる。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の組合せとしては、例えば、米国特許第3549367号明細書に記載のヘキサアリールビイミダゾールと4−アミノケトン類との組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物の組合せ、また、芳香族ケトン化合物(例えば、チオキサントン等)と水素供与体(例えば、ジアルキルアミノ含有化合物、フェノール化合物等)の組合せ、ヘキサアリールビイミダゾールとチタノセンとの組合せ、クマリン類とチタノセンとフェニルグリシン類との組合せなどが挙げられる。
前記感光層における光重合開始剤の含有量としては、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、0.5〜15質量%が特に好ましい。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、例えば、増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、発色剤、着色剤などが挙げられ、更に基体表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば、顔料、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、表面張力調整剤、連鎖移動剤等)を併用してもよい。これらの成分を適宜含有させることにより、目的とするパターン形成材料の安定性、写真性、焼きだし性、膜物性等の性質を調整することができる。
−増感剤−
前記増感剤は、後述する光照射手段として可視光線や紫外光・可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができるが、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン(例えば、2−クロロ−10−ブチルアクリドン等)など)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等があげられ、他に特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号等の各公報に記載のクマリン化合物など)、及びチオキサントン化合物(チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルオキシチオキサントン、QuantacureQTX等)などが挙げられる。これらの中でも、芳香族環や複素環が縮環した化合物(縮環系化合物)、少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物が好ましい。
前記縮環系化合物の中でも、ヘテロ縮環系ケトン化合物(アクリドン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物等)、及びアクリジン系化合物がより好ましい。前記ヘテロ縮環系ケトン化合物の中でも、アクリドン化合物及びチオキサントン化合物が特に好ましい。
前記少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物は、330〜450nmの波長域の光に対して吸収極大を有する増感剤であることが好ましく、例えば、ジ置換アミノベンゾフェノン系化合物、ベンゼン環上のアミノ基に対し、パラ位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物、ベンゼン環上のアミノ基に対し、パラ位の炭素原子にスルホニルイミノ基を含む置換基を有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物、及びカルボスチリル骨格を形成したジ置換アミノ−ベンゼン系化合物、並びに、少なくとも2個の芳香族環が窒素原子に結合した構造を有する化合物等のジ置換アミノ−ベンゼンを部分構造として有する化合物が挙げられる。
〔ジ置換アミノベンゾフェノン系化合物〕
前記ジ置換アミノベンゾフェノン系化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(I)中、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、脂肪族基及び芳香族基のいずれかを表し、R、R、R、R、及びR〜R12は、それぞれ独立して、水素原子及び一価の置換基のいずれかを表す。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、それぞれ独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。
なお、前記一般式(I)中、前記脂肪族基は、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、前記芳香族基は、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基、複素環(ヘテロ環)基を表し、前記1価の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアミノ基、アルコキシカルボニル基、水酸基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。
前記芳香族基としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基を挙げることができ、中でも、フェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
また、これらの芳香族基は置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基が挙げられる。例えば、後述のアルキル基、置換アルキル基、又は置換アルキル基における置換基として示したものなどを挙げることができる。
また、前記複素環(ヘテロ環)基としては、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ベンゾピロール環基、ベンゾフラン環基、ベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、イソチアゾール環基、インダゾール環基、ベンゾイソキサゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キナゾリン環基、キノキサリン環基、アシリジン環基、フェナントリジン環基、カルバゾール環基、プリン環基、ピラン環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、モルホリン環基、インドール環基、インドリジン環基、クロメン環基、シンノリン環基、アクリジン環基、フェノチアジン環基、テトラゾール環基、トリアジン環基等が挙げられ、中でも、フラン環基、チオフェン環基、イミダゾール環基、チアゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、インドール環基、アクリジン環基が特に好ましい。
また、これらの複素環基は置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団からなる基が挙げられる。例えば、後述のアルキル基、置換アルキル基、又は置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。
前記1価の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアミノ基、アルコキシカルボニル基、水酸基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましい。
また、前記非金属原子からなる1価の置換基としては、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましい。
前記置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
前記置換基を有していてもよいアルキル基の置換基としては、水素原子を除く一価の非金属原子からなる置換基が挙げられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィイナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)およびその共役塩基基(ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))「alkyl=アルキル基、以下同」、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))「aryl=アリール基、以下同」、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、シリル基等が挙げられる。
これらの置換基におけるアルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、前記置換基におけるアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基等が挙げられる。
また、前記置換基におけるアルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、前記置換基におけるアルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
前記置換基におけるヘテロ環基としては、例えば、ピリジル基、ピペリジニル基、などが挙げられる。
前記置換基におけるシリル基としてはトリメチルシリル基等が挙げられる。
前記置換基にはアシル基(R01CO−)を含んでいてもよく、該アシル基としては、該R01が、例えば、水素原子、上記のアルキル基、アリール基のものなどが挙げられる。
アシル基(R01CO−)のR01としては、水素原子、並びに前記アルキル基、アリール基を挙げることができる。これらの置換基の内、さらにより好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスホノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。このような置換基とアルキレン基を組み合わせることで得られる置換アルキル基の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、s−ブトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、ピリジルメチル基、テトラメチルピペリジニルメチル基、N−アセチルテトラメチルピペリジニルメチル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシエチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
前記置換アリール基としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。
前記置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基等を挙げることができる。
前記アルケニル基、前記置換アルケニル基、前記アルキニル基、及び前記置換アルキニル基(−C(R02)=C(R03)(R04)、及び−C≡C(R05))としては、R02、R03、R04、R05が一価の非金属原子からなる基のものが使用できる。
02、R03、R04、R05としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基が好ましく、これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1から10までの直鎖状、分岐状、環状のアルキル基がより好ましい。
具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、置換アルキル基の置換基として例示したピリジル基等が挙げられる。
上記置換オキシ基(R06O−)としては、R06が水素原子を除く一価の非金属原子からなる基であるものを用いることができる。好ましい置換オキシ基としては、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、ならびにアリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基ならびに、アリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。また、アシルオキシ基におけるアシル基(R07CO−)としては、R07が、先の例として挙げたアルキル基、置換アルキル基、アリール基ならびに置換アリール基のものを挙げることができる。これらの置換基の中では、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、アリールスルホキシ基がより好ましい。好ましい置換オキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基等が挙げられる。
アミド基も含む置換アミノ基(R08NH−、(R09)(R010)N−)としては、R08、R09、R010が水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。なおR09とR010とは結合して環を形成してもよい。置換アミノ基の好ましい例としては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N’−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができ、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基おけるアシル基(R07CO−)のR07は前述のとおりである。これらの内、より好ましいものとしては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基が挙げられる。好ましい置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
置換スルホニル基(R011−SO2−)としては、R011が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。より好ましい例としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。このような、置換スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基等が挙げられる。
スルホナト基(−SO )は前述のとおり、スルホ基(−SOH)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンとともに使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
置換カルボニル基(R013−CO−)としては、R013が一価の非金属原子からなる基のものを使用できる。置換カルボニル基の好ましい例としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N’−アリールカルバモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい置換カルボニル基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基が挙げられ、さらにより好ましいものとしては、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基ならびにアリーロキシカルボニル基が挙げられる。好ましい置換カルボニル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ジメチルアミノフェニルエテニルカルボニル基、メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基等が挙げられる。
置換スルフィニル基(R014−SO−)としてはR014が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。好ましい例としては、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい例としてはアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基が挙げられる。このような置換スルフィニル基の具体例としては、ヘキシルスルフィニル基、ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基等が挙げられる。
置換ホスホノ基とはホスホノ基上の水酸基の一つもしくは二つが他の有機オキソ基によって置換されたものを意味し、好ましい例としては、前述のジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、アルキルアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、モノアリールホスホノ基が挙げられる。これらの中ではジアルキルホスホノ基、ならびにジアリールホスホノ基がより好ましい。このような具体例としては、ジエチルホスホノ基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基等が挙げられる。
ホスホナト基(−PO 、−PO)とは前述のとおり、ホスホノ基(−PO)の、酸第一解離もしくは、酸第二解離に由来する共役塩基陰イオン基を意味する。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
置換ホスホナト基とは前述の置換ホスホノ基の内、水酸基を一つ有機オキソ基に置換したものの共役塩基陰イオン基であり、具体例としては、前述のモノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))の共役塩基が挙げられる。
前記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び、下記に示す構造式で表される化合物等が挙げられる。
〔ジ置換アミノ−ベンゼン系化合物<1>〕
前記ベンゼン環上のアミノ基に対し、パラ位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物としては、前記複素環基が、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子を含む5員環又は6員環であるものが好ましく、縮合ベンゼン環を有する5員環がより好ましく、例えば、下記一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
ただし、前記一般式(II)中、R21及びR22は、それぞれ独立して、脂肪族基及び芳香族基のいずれかを表し、R23〜R30は、それぞれ独立して、水素原子及び1価の置換基のいずれかを表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチレン基、イミノ基、及び脂肪族基若しくは芳香族基が置換したイミノ基のいずれかを表す。R21とR22、R21とR23、及びR22とR24は、それぞれ独立して、含窒素複素環を形成していてもよく、複素環に縮合するベンゼン環は置換基を有していてもよい。
なお、前記一般式(II)中、前記脂肪族基、前記芳香族基、及び前記1価の置換基としては、上述の一般式(I)における例として示したものを挙げることができる。
前記一般式(II)で表される化合物の具体例としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔4,5〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔6,7〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、及び、下記に示す構造式で表される化合物等が挙げられる。
一方、ベンゼン環上のアミノ基に対してパラ位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物の中でも、前記一般式(II)で表される化合物以外の化合物としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。
〔ジ置換アミノ−ベンゼン系化合物<2>〕
前記ベンゼン環上のアミノ基に対し、パラ位の炭素原子にスルホニルイミノ基を含む置換基を有するジ置換アミノ−ベンゼン系化合物としては、例えば、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(III)中、R31及びR32は、それぞれ独立して、脂肪族基及び芳香族基のいずれかを表し、R33〜R37は、それぞれ独立して、水素原子及び一価の置換基のいずれかを表し、R38は、一価の置換基を表す。R31とR32、R31とR33、及びR32とR34は、それぞれ独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。
なお、前記一般式(III)中、前記脂肪族基、前記芳香族基、及び前記1価の置換基としては、上述の一般式(I)における例として示したものを挙げることができる。
前記一般式(III)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記に示す構造式で表される化合物等が挙げられる。
〔ジ置換アミノ−ベンゼン系化合物<3>〕
前記カルボスチリル骨格を形成したジ置換アミノ−ベンゼン系化合物としては、例えば、下記一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(IV)中、R41及びR42は、それぞれ独立して、脂肪族基及び芳香族基のいずれかを表し、R43〜R47は、それぞれ独立して、水素原子及び一価の置換基を表し、Yは、酸素原子及びNR48のいずれかを表し、R48は、水素原子及び一価の置換基のいずれかを表す。R41とR42、R41とR43、及びR42とR44は、それぞれ独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。
なお、前記一般式(IV)中、前記脂肪族基、前記芳香族基、及び前記1価の置換基としては、上述の一般式(I)における例として示したものを挙げることができる。
前記一般式(IV)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開2004−212958号公報に記載の化合物、クマリン化合物(例えば、クマリン−1、クマリン−152、クマリン−307、クマリン−106、クマリン−340等)などが挙げられる。
前記一般式(I)〜(IV)で表される前記増感剤の中でも、前記一般式(I)、(III)及び(IV)で表される化合物が好ましい。
また、前記増感剤としては、下記一般式(V)〜(VII)で表される少なくとも2個の芳香族環が窒素原子に結合した構造を有する化合物等がより好ましい。
ただし、前記一般式(V)〜(VII)中、環A〜Gは、それぞれ独立に芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかを基本骨格とするものであり、環Aと環B、環Dと環E、環Fと環Gは互いに結合してNを含む結合環を形成していても良い。
前記一般式(VI)中、連結基Lは、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかを含む連結基を表し、連結基LとNとは、該芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで結合しており、nは2以上の整数を表す。
前記一般式(VII)中、Rは、置換基を有していても良いアルキル基を表す。
なお、環A〜G及び連結基Lは、置換基を有していても良く、これらの置換基同士が互いに結合して環を形成していても良い。
前記一般式(V)〜(VII)において、環A〜Gで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、アズレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、及びインデン環などが挙げられ、これらの中でもベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
また、環A〜Gで表される芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、チアジゾール環、オキサジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環などが挙げられ、これらの中でもフラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、オキサゾール環、チアゾール環が好ましく、フラン環、チオフェン環、ピロール環がより好ましい。
また、環A、環B、環D、環E、環F、環G、及び連結基Lに含まれる環は互いに結合してNを含む縮合環を結合していても良く、この場合、各環が結合するN原子を含むカルバゾール環を形成する例が挙げられる。カルバゾール環を形成する場合は、A〜Gの環のいずれかが例外的に環構造ではなく、任意の置換基であっても良いが、その場合の該置換基としては、置換基を有していても良いアルキル基が好ましい。
環A〜Gはいずれも任意の箇所に任意の置換基を有していても良く、これらの置換基同士が互いに結合して環を形成していても良い。
前記一般式(VI)において、連結基Lは、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかを1個乃至2個以上含む連結基であり、Nは、該連結基Lの芳香族炭化水素環又は芳香族複素環と直接結合している。
連結基Lに含まれる芳香族炭化水素環、芳香族複素環としては、環A〜Gの芳香族炭化水素環、芳香族複素環として例示したものと同様のものが挙げられる。
連結基Lに含まれる芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
また、連結基Lに含まれる芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、オキサゾール環、チアゾール環、チアジゾール環、オキサジアゾール環が好ましく、フラン環、チオフェン環、ピロール環がより好ましい。
連結基Lが、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかを2個以上含む場合、これらの環は直接連結していても良く、また、2価以上の連結基(なお、この連結基は、2価以上の基に限らず、2価以上の原子を含む)を介して結合しても良い。この場合、2価以上の連結基としては公知のものが挙げられ、例えば、下記式(a)で表されるアルキレン基、下記式(b)で表されるアセチレン基、アミン基、O原子、S原子、ケトン基、チオケトン基、−C(=O)O−、アミド基、Se、Te、P、As、Sb、Bi、Si、Bなどの金属原子、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基(不飽和複素環基)、非芳香族複素環基(飽和複素環基)、及びこれらの任意の組み合わせなどが挙げられる。
ただし、前記式(a)及び(b)中、mは、1以上の整数を表す。
連結基Lに含まれる芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかの間に挟まれ得る連結基としては、下記式(a)で表されるアルキレン基、下記式(b)で表されるアセチレン基、アミン基、O原子、S原子、ケトン基、−C(=O)O−、アミド基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、−C=N−、−C=N−N=、飽和もしくは不飽和の複素環基が好ましく、炭素数が1〜3のアルキレン基、−OCHO−、−OCHCHO−、−O−、ケトン基、ベンゼン環基、フラン環基、チオフェン環基、ピロール環基がより好ましい。
また、前記一般式(XII)において、nは、2〜5であることが好ましい。
連結基Lにおいては、芳香族炭化水素環あるいは芳香族複素環と不飽和連結基の組み合せの調整により、350〜430nmの波長域に吸収極大および適度な吸収をもたせることが望ましい。
連結基Lに含まれる環、環同士を連結する連結基は任意の箇所に任意の置換基を有していても良く、これらの置換基が互いに連結して環を形成していても良い。
環A〜G及び連結基Lが有し得る任意の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;水酸基;ニトロ基;シアノ基;1価の有機基などが挙げられ、1価の有機基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、tert−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数3〜18のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニル基;シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の炭素数3〜18のシクロアルケニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、アミルオキシ基、tert−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、アミルチオ基、tert−アミルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、tert−オクチルチオ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキルチオ基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基等の炭素数6〜18のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜18のアラルキル基;ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ヘキセニルオキシ基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニルオキシ基;ビニルチオ基、プロペニルチオ基、ヘキセニルチオ基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニルチオ基;−COR51で表されるアシル基;カルボキシル基;−OCOR52で表されるアシルオキシ基;−NR5354で表されるアミノ基;−NHCOR55で表されるアシルアミノ基;−NHCOOR56で表されるカーバメート基;−CONR5758で表されるカルバモイル基;−COOR59で表されるカルボン酸エステル基;−SONR6061で表されるスルファモイル基;−SO62で表されるスルホン酸エステル基;−C=NR63で表される基;−C=N−NR6465で表される基;2−チエニル基、2−ピリジル基、フリル基、オキサゾリル基、ベンゾキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、ピロリジニル基、テトラヒドロチオフェンジオキサイド基等の飽和もしくは不飽和の複素環基などが挙げられる。
なお、R51〜R65は、それぞれ独立に水素原子、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いアルケニル基、置換されていても良いアリール基、又は置換されていても良いアラルキル基を表す。これらの置換基群において、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アラルキル基、アルケニルオキシ基、及びアルケニルチオ基は、更に置換基で置換されていても良い。
これらの置換基の、環A〜G、連結基Lにおける置換位置には特に制限はなく、また、複数の置換基を有する場合、これらは同種のものであっても良く、異なるものであっても良い。
環A〜G、連結基Lは、無置換であるか、或いは、置換基としてハロゲン原子、シアノ基、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いシクロアルキル基、置換されていても良いアルケニル基、置換されていても良いアルコキシ基、置換されていても良いアリール基、置換されていても良いアラルキル基、置換されていても良いアルケニルオキシ基、置換されていても良いアルケニルチオ基、置換されていても良いアミノ基、置換されていても良いアシル基、カルボキシル基、−C=NR63で表される基、−C=N−NR6465で表される基、飽和もしくは不飽和の複素環基で置換されていることが好ましい。置換基を有する場合の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていても良いアルキル基、置換されていても良いシクロアルキル基、置換されていても良いアルケニル基、置換されていても良いアルコキシ基、置換されていても良いアリール基、置換されていても良いアラルキル基、置換されていても良いアミノ基、−C=NR63で表される基、−C=N−NR6465で表される基、飽和もしくは不飽和の複素環基が好ましい。
環A〜G、及び連結基Lが有し得る上記の任意の置換基が、更に任意の置換基で置換されている場合、該置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシ基;メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、エトキシメトキシメトキシ基、エトキシエトキシメトキシ基等の炭素数3〜15のアルコキシアルコキシアルコキシ基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基(これらは置換基で更に置換されていても良い。);フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等の炭素数2〜12のアルケニルオキシ基;アセチル基、プロピオニル基などのアシル基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシル基;テトラヒドロフリル基;アミノ基;N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等の炭素数1〜10のアルキルアミノ基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、iso−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、iso−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基などの炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基;ビニル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜18の直鎖又は分岐のアルケニル基;等が好ましい。
前記一般式(V)〜(VII)で表される増感剤は、390〜430nmの波長域に適度な吸収を有し、330〜450nmの波長域に吸収極大をもつことが好ましく、350〜430nmの波長域に吸収極大をもつことがより好ましい。そのために、分子中に4個以上の芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかを有することが好ましく、5個以上の芳香族炭化水素環及び芳香族複素環の少なくともいずれかを有することがより好ましい。
前記一般式(V)〜(VII)で表される化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
ただし、前記式(V−l)中、R71、R72、R73は、それぞれ独立に、以下の基のいずれかを表す。
ただし、前記式(VI−g)において、結合位置は、末端の2つのフェニル基、又は末端の2つのトリル基のうちのいずれか2つのベンゼン環上である。
ただし、前記式(VI−j)において、R81、R82、R83は、それぞれ独立に、以下の基のいずれかを表す。
前記光重合開始剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記感光層における前記増感剤の含有量としては、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.05質量%未満となると、活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性が低下することがあり、30質量%を超えると、前記感光層から保存時に析出することがある。
−熱重合禁止剤−
前記熱重合禁止剤は、前記感光層における前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加してもよい。
前記熱重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレート等が挙げられる。
前記熱重合禁止剤の含有量としては、前記感光層の前記重合性化合物に対して0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満であると、保存時の安定性が低下することがあり、5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
−可塑剤−
前記可塑剤は、前記感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
前記可塑剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。
−発色剤−
前記発色剤は、露光後の前記感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加してもよい。
前記発色剤としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−〔4−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(4−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(2−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4′−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−4−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−2−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素を有していないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4′−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4′−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)が挙げられ、これらの中でも、ロイコクリスタルバイオレット等のトリアリールメタン系化合物が好ましい。
更に、前記発色剤は、前記ロイコ体を発色させるためなどの目的で、ハロゲン化合物と組み合わせることが一般に知られている。
前記ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば、四臭化炭素、ヨードホルム、臭化エチレン、臭化メチレン、臭化アミル、臭化イソアミル、ヨウ化アミル、臭化イソブチレン、ヨウ化ブチル、臭化ジフェニルメチル、ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3−トリブロモプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタンなど);ハロゲン化アルコール化合物(例えば、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−t−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなど);ハロゲン化カルボニル化合物(例えば1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノン等);ハロゲン化エーテル化合物(例えば2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテル等);ハロゲン化エステル化合物(例えば、酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチル等);ハロゲン化アミド化合物(例えば、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなど);硫黄やリンを有する化合物(例えば、トリブロモメチルフェニルスルホン、4−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、4−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート等)、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールなどが挙げられる。有機ハロゲン化合物では、同一炭素原子に結合した2個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化合物が好ましく、1個の炭素原子に3個のハロゲン原子を持つハロゲン化合物がより好ましい。前記有機ハロゲン化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニルトリアゾールが好ましい。
前記発色剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。また、前記ハロゲン化合物の含有量としては、前記感光層の全成分に対し0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜1質量%がより好ましい。
−染料−
前記感光層には、取り扱い性の向上のために感光性樹脂組成物を着色し、又は保存安定性を付与する目的に、染料を用いることができる。
前記染料としては、ブリリアントグリーン(例えば、その硫酸塩)、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業社製)、ローダミンB、ローダミン6G、ビクトリアピュアブルーBOHなどを挙げることができ、これらの中でもカチオン染料(例えば、マラカイトグリーンシュウ酸塩、マラカイトグリーン硫酸塩等)が好ましい。該カチオン染料の対アニオンとしては、有機酸又は無機酸の残基であればよく、例えば、臭素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の残基(アニオン)などが挙げられる。
前記染料の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%が特に好ましい。
−密着促進剤−
各層間の密着性、又はパターン形成材料と基体との密着性を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
前記密着促進剤としては、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報等に記載の密着促進剤が好適挙げられる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記密着促進剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。
前記感光層は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ又はジアゾ化合物、光還元性色素、有機ハロゲン化合物などを含んでいてもよい。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
前記過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。
前記レドックス化合物は、過酸化物と還元剤の組合せからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。
前記アゾ及びジアゾ化合物としては、例えば、α,α′−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類が挙げられる。
前記光還元性色素としては、例えば、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンが挙げられる。
−界面活性剤−
前記パターン形成材料を製造する際に発生する面状ムラを改善させるために、公知の界面活性剤を添加することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素含有界面活性剤などから適宜選択できる。
前記界面活性剤の含有量としては、感光性樹脂組成物の固形分に対し、0.001〜10質量%が好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満になると、面状改良の効果が得られなくことがあり、10質量%を超えると、密着性が低下することがある。
前記界面活性剤としては、上述の界面活性剤の他、フッ素系の界面活性剤として、炭素鎖3〜20でフッ素原子を40質量%以上含み、かつ、非結合末端から数えて少なくとも3個の炭素原子に結合した水素原子がフッ素置換されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合成分として有する高分子界面活性剤も好適に挙げられる。
<バリアー層>
前記パターン形成材料としては、前記第一感光層と、前記第二感光層との間にバリアー層を配置していることが好ましい。前記バリアー層は、前記感光層と、前記支持体と、前記保護フィルムとに含まれる物質の移行防止又は移行の抑制と、酸素、湿度などの外的影響を防止又は抑制する役割等とを有する。例えば、前記バリアー層の設置は、各感光層の成分が、他の層に移行して、感度や膜物性が変化させてしまうのを防ぐなどの効果がある。
前記バリアー層は、物質の移動を抑制可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性乃至水分散性であってもよく、アルカリ性液に対して可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。なお、前記物質の移動を抑制可能とは、前記バリアー層を有しない場合と比較して、前記バリアー層と隣接する層における目的物質の含有量の増加又は減少が、抑制されていることを意味する。
前記バリアー層により移動を制御される物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、酸素、水、前記感光層及びクッション層の少なくともいずれかに含まれる物質が挙げられる。
前記バリアー層が、水溶性乃至水分散性である場合には、水溶性乃至水分散性の樹脂を含むことが好ましく、アルカリ性液に対して可溶性である場合には、アルカリ性液に対して可溶性の樹脂を含むことが好ましい。なお、前記水溶性の程度としては、例えば、25℃の水に対し、0.1質量%以上溶解するものが好ましく、1質量%以上溶解するものがより好ましい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種のアルコール可溶性樹脂、水溶性樹脂、アルコール分散性樹脂、水分散性樹脂、乳化性樹脂、アルカリ性液に対して可溶性の樹脂などが挙げられ、具体的には、ビニル重合体(例えば、ポリビニルアルコール(変性ポリビニルアルコール類も含む)、ポリビニルピロリドン等)、上述のビニル共重合体、水溶性ポリアミド、ゼラチン、セルロース、これらの誘導体などが挙げられる。また、特許2794242号に記載の熱可塑性樹脂や中間層に使用されている化合物、前記バインダーなどを使用することもできる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記バリアー層が、アルカリ性液に対して不溶性である場合には、アルカリ性液に対して不溶性の樹脂を含むことが好ましい。
前記アルカリ性液に対して不溶性の樹脂としては、例えば、主成分がエチレンを必須の共重合成分とする共重合体が挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記バリアー層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10μm未満が好ましく、0.1〜6μmがより好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
前記厚みが、10μm以上となると、露光の際、前記バリアー層で光散乱が生じ、解像度及び密着性の少なくともいずれかが悪化することがある。
(パターン形成材料の製造方法)
前記パターン形成材料の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前述の各種材料を、水または溶剤に溶解、乳化または分散させて、前記第一感光層形成用の前記第一感光性樹脂組成物溶液と、前記第二感光層形成用の第二感光性樹脂組成物溶液をそれぞれ調製する。またバリアー層を有する場合にはバリアー層形成用の溶液を調製する。
前記第一感光性樹脂組成物溶液、及び前記第二感光性樹脂組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどを挙げることができ、これらは混合して用いてもよい。前記第一感光性樹脂組成物溶液、及び前記第二感光性樹脂組成物溶液には、公知の界面活性剤を添加してもよい。
前記バリアー層形成用のポリマー溶液の溶剤には、感光層と同様の塗布溶媒を用いてもよく、水、あるいは水と溶剤との混合溶剤を用いることができる。溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類などの前記親水性溶媒などを用いることができる。溶剤の使用は、固形分10%〜90%の塗布液になるように用いるのが好ましい。
次に、前記第一感光性樹脂組成物の溶液を前記支持体の上に塗布し、乾燥することにより前記第一感光層を形成する。前記バリアー層を有する場合には、前記バリアー層形成用の塗布液を、前記第一感光層の上に塗布、乾燥する。その上に前記第二感光性樹脂組成物の溶液を塗布し、乾燥することにより、前記第二感光層を形成する。重層する際の塗布は、前述のように逐次塗布してもよいし、同時に重層で塗布してもよい。感光性樹脂組成物溶液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、及びナイフコート法等が挙げられる。乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記感光層が二層よりも多い場合でも、同様の操作を繰り返すことによって、所望のパターン形成材料を製造することができる。感光層を二層以上とすることで、感光層の厚みの総和を10μm〜1mmの範囲にすることも可能である。
<支持体及び保護フィルム>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2〜150μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、8〜50μmが特に好ましい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20000mの長さのものが挙げられる。
前記パターン形成材料は、前記感光層上に保護フィルムを形成してもよい。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
前記保護フィルムを用いる場合、該保護フィルムと前記感光層との層間接着力(以下、「層間接着力D」が、前記層間接着力Aよりも小さくなることが好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、上述のような接着力の関係を満たすことができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記パターン形成材料は、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状のパターン形成材料の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。
なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状のパターン形成材料をシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いる事が好ましい。
前記保護フィルムは表面処理してもよく、表面処理としては、保護フィルムと感光層との接着性を調整するためならば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、及びポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を設ける。下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥することにより一般に行われる。また、感光層、バリアー層、支持体、保護フィルムの他にクッション層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有してもよい。
−−クッション層−−
前記クッション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱可塑性樹脂を含むものが好ましい。
また、前記クッション層は、アルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。
前記クッション層がアルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体などが挙げられる。
この場合の熱可塑性樹脂の軟化点(Vicat)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、80℃以下が好ましい。
前記軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂の他、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による軟化点が約80℃以下の有機高分子の内、アルカリ性液に可溶なものが挙げられる。また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質においても、該有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して実質的な軟化点を80℃以下に下げることも可能である。
前記クッション層がアルカリ性液に対して不溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、主成分がエチレンを必須の共重合成分とする共重合体が挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記クッション層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50μmが好ましく、10〜50μmがより好ましく、15〜40μmが特に好ましい。
前記厚みが、5μm未満になると、基体の表面における凹凸や、気泡等への凹凸追従性が低下し、高精細な永久パターンを形成できないことがあり、50μmを超えると、製造上の乾燥負荷増大等の不具合が生じることがある。
前記パターン形成材料としては、前記プリント配線板、前記カラーフィルタ、前記柱材、前記リブ材、前記スペーサー、前記隔壁などの前記ディスプレイ用部材、前記印刷版、前記ホログラム、前記マイクロマシン、前記プルーフなどの各種の画像形成材料、前記パターン形成材料などとして広く利用することが可能である。このなかでも、前記プリント配線板、前記ディスプレイ部材への応用が好ましく、前記プリント配線板への応用が特に好ましい。
<基体(被処理基体)>
前記パターン形成材料を転写する基体(被処理基体)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、板状の基体、いわゆる基板が好ましく、公知のプリント配線板製造用の基板、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記基体上に、前記バインダー、前記重合性化合物、及び前記光重合開始剤を含む前記感光性樹脂組成物を含む前記第二感光層と、前記バインダー、前記重合性化合物、及び前記光重合開始剤を含む前記感光性樹脂組成物からなり、前記第二感光層の光感度よりも低い光感度を有する前記第一感光層とが、この順に積層されてなる積層体を形成し、さらに、前記第一感光層と、前記第二感光層との間に前記バリアー層が配置されている積層体を形成することが好ましい。
前記積層体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基体上に前記パターン形成材料を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層することが好ましい。
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)、真空ラミネーターなどが好適に挙げられる。
前記積層体への露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体、前記クッション層及び前記バリアー層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体、前記クッション層及び前記バリアー層を剥離した後、前記感光層を露光してもよい。
[その他工程]
前記その他の工程としては、特に制限はなく、公知のパターン形成における工程の中から適宜選択することが挙げられるが、例えば、現像工程、エッチング工程、メッキ工程などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記現像工程は、前記露光工程により前記感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、パターンを形成する工程である。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ性液、水系現像液、有機溶剤などが挙げられ、これらの中でも、弱アルカリ性の水溶液が好ましい。該弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
前記弱アルカリ性の水溶液のpHとしては、例えば、約8〜12が好ましく、約9〜11がより好ましい。前記弱アルカリ性の水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。
前記現像液の温度としては、前記感光層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、例えば、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
前記エッチング工程としては、公知のエッチング処理方法の中から適宜選択した方法により行うことができる。
前記エッチング処理に用いられるエッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
前記エッチング工程によりエッチング処理した後に前記パターンを除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
前記永久パターンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配線パターンなどが好適に挙げられる。
前記メッキ工程としては、公知のメッキ処理の中から適宜選択した適宜選択した方法により行うことができる。
前記メッキ処理としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイフローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなど処理が挙げられる。
前記メッキ工程によりメッキ処理した後に前記パターンを除去することにより、また更に必要に応じて不要部をエッチング処理等で除去することにより、前記基体の表面に永久パターンを形成することができる。
本発明のパターン形成方法は、(1)前記パターン形成材料を用いて、被処理基体上に、前記第二感光層が、前記基体側となるように積層して前記積層体を作製する工程、(2)前記積層体の前記第一感光層の側から、所定のパターンの露光を行い、光照射を受けた領域の、第一感光層と、第二感光層とを共に硬化させる前記露光工程、(3)前記積層体から支持体を除去する工程、及び(4)前記積層体を現像して、前記積層体中の未硬化部分を除去する工程を含み、前記基体上に、第一感光層と第二感光層とを共に硬化することにより形成された硬化樹脂が存在する領域と、硬化樹脂が存在しない領域とを有するパターンを形成することにより、所望のパターンを形成することが可能である。
また、本発明のパターン形成方法は、(1)前記パターン形成材料を用いて、前記被処理基体上に、前記第二感光層が、前記基体側となるように積層して前記積層体を作製する工程、(2)前記積層体の前記第一感光層の側から、互いに相違する、少なくとも二つのレベル以上の光照射エネルギー量の光を照射する領域を規定するパターンで露光し、前記光照射エネルギー量が、相対的に大きい光照射を受けた領域の前記第一感光層と、前記第二感光層とを共に硬化させ、前記光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を受けた領域の、前記第二感光層を硬化させる露光工程、(3)前記積層体から前記支持体を除去する工程、及び(4)前記積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程を含み、前記基体上に、前記第一感光層と、前記第二感光層とが共に硬化することにより形成された樹脂が存在する領域と、前記第二感光層が、硬化することにより形成された樹脂が存在する領域と、硬化樹脂が存在しない領域とからなるパターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することも可能である。
ただし、上記の方法において、前記(3)の工程を、前記(2)の工程と、前記(4)の工程との間で行う代わりに、前記(1)の工程と、前記(2)の工程との間で行ってもよい。
前記(2)の露光工程における露光光の光源としては、前記支持体を介して光照射を行う場合おいて、前記支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化することができる限り、特に制限はなく、目的において適宜選択することができ、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
光源としては、レーザ光が好ましく、レーザの波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、370nm〜650nmが特に好ましく、400nm〜450nmが一番好ましい。
(プリント配線板の製造方法)
本発明のパターン形成材料は、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造に好適に用いることができる。
本発明のパターン形成方法は、(1)前記パターン形成材料を用いて、前記基板上に、前記第二感光層が、前記基板側となる前記積層体を作製する工程、(2)前記積層体の第一感光層の側から、所定の配線パターンの露光を行い、光照射を受けた領域の前記第一感光層と、前記第二感光層とを共に硬化させる工程、(3)積層体から支持体を除去する工程、及び(4)前記積層体を現像して、前記積層体中の未硬化部分を除去する工程を含み、前記プリント配線板形成用基板上に、前記第一感光層と前記第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている領域と、基板表面が露出している領域とからなる配線パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することが可能である。
また、本発明のパターン形成方法は、(1)前記パターン形成材料を用いて、前記基板上に、前記第二感光層が、前記基板側となる前記積層体を作製する工程、(2)前記積層体の前記第一感光層の側から、ホール部には、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を与えて、前記第一感光層と、前記第二感光層とを共に硬化させ、配線形成領域には、光照射エネルギー量が、相対的に小さい前記光照射を与えて、前記第二感光層を硬化させるようなパターンの露光を行う工程、(3)積層体から支持体を除去する工程、及び(4)前記積層体を現像して、前記積層体中の未硬化部分を除去する工程を含み、前記ホール部を有する前記プリント配線板形成用基板上に、前記第一感光層と、前記第二感光層が共に硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている前記ホール部と、前記第二感光層が、硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている領域と、そして基板表面が露出している領域とからなる配線パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することも可能である。
上記の方法において、前記(3)の工程を、前記(2)の工程と、前記(4)との間で行う代わりに、前記(1)工程と、前記(2)工程との間で行ってもよい。
前記(2)の工程における光照射の光源としては、前記支持体を介して光照射を行う場合では、前記支持体を透過し、かつ前記と同様な光源が用いられる。前記光源としては、前記レーザ光の照射により行うことが好ましい。
プリント配線板の処理としては、前記配線パターンが形成された前記プリント配線板形成用基板を、エッチングもしくはめっきする工程を行う方法、例えば、公知のサブトラクティブ法またはアディティブ法(セミアディティブ法、フルアディティブ法)で処理すればよい。本発明の、工業的に有利なテンティングでプリント配線板を形成する目的のためにはエッチングによるサブトラクティブ法を用いるのが好ましい。上記処理後プリント配線板形成用基板に残存する硬化樹脂は剥離すればよく、また、セミアディティブ法の場合は、剥離後さらに銅薄膜部をエッチングすればよく、所望のプリント配線板を形成できる。また、多層プリント配線板も、前記プリント配線板の製造法と同様に製造が可能である。
次に、前記パターン形成材料を用いた前記スルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、図28を参照しながら説明する。なお、図28は、図19に示した前記パターン形成材料、あるいは図21に示したパターン形成材料を用いる場合を想定しているが、図18又は図20に示したパターン形成材料を用いる場合において、前記バリアー層513を含まないこと以外は同様である。
まず、図28中の(1)に示すように、スルーホール522を有し、表面が金属めっき層523で覆われたプリント配線板製造用基板521を用意する。前記プリント配線板製造用基板521としては、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅めっき層を形成した基板、又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅めっき層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、図28中の(2)に示すように、パターン形成材料510が、前記保護フィルムを有する場合には、前記保護フィルムを剥離して、第二感光層514が、前記プリント配線板形成用基板521の表面に接する様にして、加圧ローラ531を用いて圧着する(積層工程)。これにより、前記プリント配線板形成用基板521と、前記第二感光層514と、バリアー層513と、第一感光層512と、支持体511とをこの順で積層した積層体が得られる。前記パターン形成材料の積層としては、室温(15〜30℃)あるいは加熱下(30〜180℃)が好ましく、60〜140℃が特に好ましい。圧着ロールのロール圧としては、1〜10kg/cm2が好ましい。圧着速度としては、1〜3m/分が好ましい。また、前記プリント配線板形成用基板521を予備加熱しておいてもよく、減圧下で積層してもよい。
また、前記パターン形成材料を用いる代わりに、パターン形成材料製造用の前記第二感光性樹脂組成物溶液と、バリアー層溶液と、第一感光性樹脂組成物溶液とをこの順にプリント配線板形成用基板の表面に直接塗布し、乾燥することによって、前記プリント配線板形成用基板と、前記第二感光層と、前記バリアー層と、前記第一感光層とをこの順で積層した前記積層体を得ることもできる。
次に、前記図28中の(3)に示すように、前記支持体511側の面から光を照射して、前記感光層を硬化させる。なお、この際、必要に応じて(例えば支持体の光透過性が不十分な場合など)支持体を剥離してから前記光照射を行ってもよい。前記プリント配線板形成用基板521の配線パターン形成領域に、前記第二感光層514を硬化させるために必要な光エネルギー量の光を所定のパターン状に照射して、配線パターン形成用の硬化層516の領域を形成する(配線部露光工程)。前記プリント配線板形成用基板の前記スルーホール522の開口部及びその周囲には、前記第一感光層512と、前記第二感光層514とをそれぞれ硬化させるために必要な光エネルギー量の光を照射して、スルーホールの金属層保護用硬化層517の領域を形成する(ホール部露光工程)。
前記配線部露光工程と、前記ホール部露光工程とは、それぞれ別に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
前記露光工程は、上述したマスクレス露光の他、フォトマスクを介して露光を行っても良いが、上述のパターン形成装置を用いる本発明のパターン形成方法におけるマスクレス露光は、高価なマスクを使用せずにパターン形成が可能なので、前記マスクに起因する工程上の問題が無くなることから、少量多品種の製品の製造などに好ましい。
前記フォトマスクを介して光を照射する場合には、配線パターン形成用の硬化層516の領域形成用のフォトマスクを介して、第二感光層のみを硬化させる光エネルギー量を照射し、前記スルーホールの金属層保護用の硬化層517の領域形成用のフォトマスクを介して前記第二感光層と、前記第一感光層の両層を硬化させる光エネルギー量を照射する様に露光を2回行う方法も利用できる。また、前記配線パターン形成用の硬化層516の領域部に対応する光透過率が低く、前記スルーホールの金属層保護用の硬化層517の領域部に対応する光透過率が高くなるように作製されたフォトマスクを用いて、一括露光を行うこともできる。
一方、上述したパターン形成装置を用いてレーザ光を照射する場合としては、それぞれの必要な領域で光照射量を変更しながら走査露光を行うことが好ましい。
支持体を未だ剥離していない場合には、図28中の(4)に示すように、前記積層体から、前記支持体511を剥がす(支持体剥離工程)。
次に、図28中の(5)に示すように、前記プリント配線板形成用基板521上の前記第一感光層512と、前記バリアー層513及び前記第二感光層514の未硬化領域とを、適当な現像液にて溶解除去して、前記配線パターン形成用の硬化層516と、前記スルーホールの金属層保護用硬化層517のパターンとを形成し、基板表面の金属層523を露出させる(現像工程)。現像液としては、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤など感光性樹脂組成物に対応したものが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、弱アルカリ水溶液が好ましく、前記弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
また、現像に用いる前記弱アルカリ水溶液のpHとしては、約8〜12が好ましく、約9〜11が特に好ましい。
具体的には、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。また、前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて調整することでき、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液には。界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えばエチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や現像を促進させるため有機溶剤(アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類など)を併用してもよい。前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液を用いてもよく、有機溶剤単独で用いてもよい。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理を行ってもよい。現像は上記のようなウエット現像法でもよいし、ドライ現像法で行ってもよい。
次いで、図28中の(6)に示すように、基板表面の露出した金属層523をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。前記スルーホール522の開口部は、前記硬化樹脂組成物(テント膜)517で覆われているので、前記エッチング液が、前記スルーホール内に入り込んで、前記スルーホール内の金属めっきを腐食することなく、前記スルーホールの金属めっきは所定の形状で残ることになる。また、前記配線パターン形成領域は、前記配線パターン形成用の硬化層516で覆われているので、前記エッチング液が、前記配線パターン形成領域の金属めっきを腐食することがない。これにより、前記プリント配線板形成用基板521に配線パターン524が形成される。
前記金属層523が銅で形成されている場合において、前記エッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも特に塩化第二鉄溶液がエッチングファクターの点から好ましい。
次に、図28中の(7)に示すように、強アルカリ水溶液等にて、前記硬化層516、517を剥離片518として、前記プリント配線板形成用基板から除去する(硬化物除去工程)。
前記強アルカリ水溶液の塩基成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また、用いる強アルカリ水溶液のpHは約12〜14、特に約13〜14とすることが好ましい。具体的には、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを用いることができる。
また、前記プリント配線板は多層構成のプリント配線板でもよい。また前記パターン形成材料は、前記エッチングプロセスのみでなく、めっきプロセスに使用してもよい。前記めっき法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどの銅めっき、ハイフローはんだめっきなどのはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルなどのニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっきなどの金めっきなどが挙げられる。
本発明の前記パターン形成方法は、前記パターン形成材料を用いるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等のディスプレイ用部材の製造、印刷版、ホログラム、マイクロマシン、プルーフ等の各種の画像形成材料、及び三次元構造材料などの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
−パターン形成材料の製造−
前記支持体として厚みが20μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、下記の組成からなる第一感光層用感光性樹脂組成物溶液(以下、「第一感光性樹脂組成物溶液」という)を塗布し乾燥させて、厚みが25μmの第一感光層を形成した。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8
、質量平均分子量:90,000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04質量部
・ベンゾフェノン 1.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
次に、前記第一感光層の上に、下記組成を有する第二感光層用感光性樹脂組成物溶液(以下、「第二感光性樹脂組成物溶液」という)を塗布し、乾燥して、厚みが5μmの第二感光層を形成した。
[第二感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8
、質量平均分子量:90000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.4質量部
・ベンゾフェノン 3.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 20質量部
前記第二感光層の上に、保護フィルムとして厚みが20μmの前記ポリエチレンフィルムを積層してパターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。こうして得たパターン形成材料を用い、以下の方法により積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を評価した。結果を表1に示す。
−積層体の調製−
表面を研磨、水洗、乾燥した銅張積層板(スルーホールなし)の表面に、前記パターン形成材料の前記保護フィルムを剥がしながら、前記パターン形成材料の前記第二感光層が基板に接するようにパターン形成材料をラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて圧着して、銅張積層板、前記第二感光層、(実施例4〜7では、更に前記バリアー層)、前記第一感光層、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作製した。圧着条件は圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力3kg/cm2、そして圧着速度1m/分とした。
<露光感度>
−最短現像時間の測定−
積層体から前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、前記銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーした。炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から、前記銅張積層板上の前記感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを前記最短現像時間とした。
この結果、最短現像時間は25秒であった。
−露光感度の測定−
前記調製した積層体におけるパターン形成材料の感光層に対し、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から405nmのレーザ光源を有する下記のパターン形成装置を用いた下記の露光方法により、0.1mJ/cmから21/2倍間隔で100mJ/cmまで光エネルギー量の異なる光を照射して、前記感光層を硬化させた。室温にて10分間静置した後、積層体から前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取った。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて上記の方法により求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去して、残った硬化層の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚みとの関係をプロットして感度曲線を得た。こうして得た感度曲線から硬化層の厚みが露光前の第二感光層の厚みとなった時の光エネルギー量(光エネルギー量A)、硬化層の厚みが露光前の感光層の厚み(第一感光層及び第二感光層の厚み)となった時の光エネルギー量(光エネルギー量B)、及び硬化層の厚みが露光前の第二感光層の厚みを超えた時の光エネルギー量(光エネルギー量C)を読み取った。このようにして前記感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量(露光感度)を求めた。
なお、この結果、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、4mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cmであり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは3.5、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は10であった。
<<露光装置>>
図1に外観の概略を示した露光装置10を用いた。該露光装置の露光ヘッドの構成は図7に示されるとおりであり、具体的には、前記光照射手段として図4〜6に示した合波レーザ光源と、前記光変調手段として図10に概略図を示したDMDであって、図11に示すように主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に756組配列された内、1024個×240列のみを駆動するように制御したDMDと、図8A及びBに示した投影レンズ及び図9に示した鏡筒から構成される結像光学系と、図12〜13に示したくさび型プリズムペアとを有する露光ヘッドを備えた露光装置である。
図9に示した鏡筒400を回転させ、感光層の被露光面上に投影された2次元パターンの焦点、画質等の露光性能を計測しながら、最も良い露光性能を示す回転位置で、前記鏡筒のフランジ410とブラケット420とを固定し、投影レンズの向きを固定した。
さらに、1フレームの露光が終了し、ステージが走査方向に移動することによって感光層(積層体)が移動すると、露光エリア内における感光層のうねりの度合いが変化するため、くさび型プリズムペア54によって焦点調節を行った。
<解像度の測定>
前記最短現像時間の評価方法と同じ方法及び条件で前記積層体を作製し、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上から、前記露光装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅10μm〜50μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行う。この際の露光量は、前記露光感度(前記パターン形成材料の感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量)である。室温にて10分間静置した後、前記積層体からポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)を剥がし取る。銅張積層板上の感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化領域を溶解除去する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常が無く、かつスペース形成可能な最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
<エッチング性>
前記解像度の測定において形成したパターンを有する積層体を用いて、該積層体における露出した銅張積層板の表面に、塩化鉄エッチャント(塩化第二鉄含有エッチング溶液、40°ボーメ、液温40℃)を0.25MPaで、36秒スプレーして、硬化層で覆われていない露出した領域の銅層を溶解除去することによりエッチング処理を行った。次いで、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーすることにより前記形成したパターンを除去して、表面に前記永久パターンとして銅層の配線パターンを備えたプリント配線板を調製した。該プリント配線基板上の配線パターンを光学顕微鏡で観察し、該配線パターンの最小のライン幅を測定した。この最小ライン幅が小さいほど高精細な配線パターンが得られ、エッチング性に優れていることを意味する。
<プリント配線板の製造、評価>
内壁に銅めっき層が形成された、直径3mmの前記スルーホールを有し、表面が研磨、水洗、乾燥された前記銅張積層板の上に、前記保護フィルムを剥離した前記パターン形成材料の前記第二感光層を重ね、ラミネートし、前述と同様にして前記銅張積層板、前記第二感光層、前記第一感光層、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作製して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記積層体の前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの上から、銅張積層板の配線パターン形成領域に、各パターン形成材料の前記第二感光層が硬化する光エネルギー量の光を所定のパターン状に照射し、一方、銅張積層板のスルーホールの開口部及びその周囲領域に、各パターン形成材料の前記第一感光層が、硬化する光エネルギー量の光を照射して、前記感光層を露光した。露光後、積層体から前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、次いで前述の評価法と同様に炭酸ナトリウム水溶液を感光層表面にスプレーして、前記第一感光層及び前記第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、硬化層レリーフを得た。得られた硬化層パターンを顕微鏡で観察し、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれやテント膜の破れ(前記テント性)などの欠陥の有無を観察した。
なお、この際の硬化層の厚さをレーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス(株)製)で測定したところ、配線パターン形成領域上の硬化層の厚みは5μmであり、スルーホール開口部上の硬化層の厚みは30μmであった。
<スルーホール内の銅めっきの異常の有無>
次いで、銅張積層板の表面に、塩化鉄エッチャント(塩化第二鉄含有エッチング溶液)をスプレーして、硬化層で覆われていない露出した領域の銅層を溶解除去する。次に、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして硬化物レリーフを除去して、前記スルーホールを有し、表面に配線パターン状の銅層を備えたプリント配線板を得た。得られたプリント配線板のスルーホール内壁の、銅めっき層の異常の有無を目視で観察した。
(実施例2)
実施例1において、前記第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は25秒であった。
前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cmであり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cmであり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は20であった。
(実施例3)
実施例1において、前記第二感光性樹脂組成物溶液のメチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体15質量部を13質量部に、ドデカプロピレングリコールジアクリレート6.5質量部を8.1質量部に、テトラエチレングリコールジメタクリレート1.5質量部を1.9質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は25秒であった。
前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cmであり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cmであり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は20であった。
(実施例4)
厚みが20μmの前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(前記支持体)に、下記の組成からなる第一感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、厚み25μmの第一感光層を形成した。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質
量平均分子量:90,000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04質量部
・ベンゾフェノン 1.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
次に、前記第一感光層の上に、下記の組成からなる水溶性ポリマー溶液を塗布し、乾燥して、厚みが1.6μmのバリアー層を形成した。
[水溶性ポリマー溶液の組成]
・ポリビニルアルコール(PVA205 クラレ(株)製) 13質量部
・ポリビニルピロリドン 6質量部
・水 200質量部
・メタノール 180質量部
次に、前記バリアー層の上に、下記の組成からなる第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、厚みが5μmの第二感光層を形成した。
[第二感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質
量平均分子量:90,000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.4質量部
・ベンゾフェノン 3.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 20質量部
前記第二感光層の上に、保護フィルムとして厚みが12μmのポリプロピレンフィルムを積層してパターン形成材料を得た。次に巻き芯に上記パターン形成材料を幅550mm、長さ200mで支持体側を外側になるように巻き取りロール状物を得た。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は30秒であった。
前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、4mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量B(硬化層の厚みが31.6μmとなったときのエネルギー量)は40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは3.5、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は10であった。
(実施例5)
実施例4において、前記第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部にした以外は、実施例4と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も層厚ムラが±5%以内であった。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は30秒であった。
前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量B(硬化層の厚みが31.6μmとなったときのエネルギー量)は40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は20であった。
(実施例6)
実施例4において、前記第二感光性樹脂組成物溶液のメチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体15質量部を13質量部に、ドデカプロピレングリコールジアクリレート6.5質量部を8.1質量部に、テトラエチレングリコールジメタクリレート1.5質量部を1.9質量部にした以外は、実施例4と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は30秒であった。
前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cmであり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量B(硬化層の厚みが31.6μmとなったときのエネルギー量)は40mJ/cmであり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は20であった。
(実施例7)
実施例6において、前記第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部にし、第一感光性樹脂組成物溶液を下記にした以外は、実施例4と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も層厚ムラが±5%以内であった。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、最短現像時間は30秒であった。
第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、1mJ/cmであり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量B(硬化層の厚みが31.6μmとなったときのエネルギー量)は10mJ/cmであり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは3mJ/cm(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは3、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は10であった。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質
量平均分子量:90,000、Tg:70℃) 24質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネートとオクタエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレートの1/2モル比付加物 12質量部
・N−メチルアクリドン 0.2質量部
・2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール 0.8質量部
・2−メルカプトベンズイミダゾール 0.2質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.8質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.03質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.03質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.32質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.25質量部
・メチルエチルケトン 55質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 8質量部
(実施例8)
実施例1において、下記の露光装置を用いて露光を行った以外は、実施例1と同様にしてパターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
<<露光装置>>
実施例1で用いた露光装置において、くさび型プリズムペアに代えて、図15〜16に示すピエゾ素子及びマイクロレンズアレイとの組合せからなる焦点調節手段を備える露光装置を用いた。前記ピエゾ素子により、マイクロレンズアレイの焦点方向と垂直な方向への変位を抑えつつ、焦点方向への微小移動を行うことにより、焦点の調節を行った。
(比較例1)
実施例1おいて、前記第一感光層の厚みを30μmに変更し、前記第二感光層を塗布しない以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を作製した。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、前記最短現像時間は25秒、前記感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cmであり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cmであった。
(比較例2)
実施例1において、前記第一感光層の厚みを5μmに変更し、前記第二感光層を塗布しない以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を作製した。
こうして得た前記パターン形成材料を用い、実施例1と同様にして積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
なお、最短現像時間は10秒以下、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは4mJ/cmであった。
(比較例3)
実施例1において、焦点調節手段としてのくさび型プリズムペアを備えない構成の(又は稼動させないようにした)の露光ヘッドを用いた以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1の露光装置において、投影レンズによる結像を、前記投影レンズの全面で行った以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1において、前記感光層の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域の向きを調整せずに露光を行った以外は、実施例1と同様にしてパターン形成材料、及び積層体を調製し、パターンを形成し、露光感度、解像度、エッチング性、硬化層の剥がれの有無、テント破れの有無、及びスルーホール内の銅めっき異常の有無を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
*1:露光感度A…第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量
露光感度B…第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量
露光感度C…第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量
*2:すべてで破れ発生
*3:銅は残存せず
表1の結果から、比較例3〜5のパターンと比較して、実施例1〜8のパターンは高精細であり、エッチング性に優れることがわかった。また、周辺領域にレンズ歪みを持たせて、中央部を含む領域のレンズ歪みを少なくした投影レンズを用い、該投影レンズを回転可能とした鏡筒を備えた露光ヘッドを使用することにより、低コストで高精細な露光を実現することができ、また、くさび型プリズムペアを備えることにより、簡単かつ短時間で焦点距離を調整することができるため、効率の良い露光ができることがわかった。また、第二感光層を形成してなる実施例1〜8のパターンは、比較例1のパターンと比較して、解像度及びエッチング性に優れ、比較例2のパターンと比較して、テント破れが発生せず、良好なパターンが得られることがわかった。
本発明のパターン形成方法は、装置のコストアップや、露光速度の低下を招くことなく、露光性能を向上させることにより、微細なパターンを高精度に形成可能であり、かつ厚みが異なる所望のパターンを高精細に形成可能であるため、高精細な露光が必要とされる各種パターンの形成などに好適に使用することができ、特にスルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造に好適に使用することができる。
図1は、露光装置の概略外観図である。 図2は、スキャナの概略外観図である。 図3は、露光ヘッドの内部構成を示した図である。 図4は、光照射手段としての光源ユニットの構成を示した図である。 図5は、光照射手段におけるレーザ出射部の構成を示した図である。 図6は、光照射手段におけるLDモジュールの構成を示した図である。 図7は、露光ヘッドを構成する光学要素の説明図である。 図8Aは、投影レンズを示した平面図である。 図8Bは、投影レンズを示した平面図である。 図9は、結像光学系を備える鏡筒の概略側面断面図と鏡筒の概略平面図である。 図10は、光変調手段であるDMDの概略斜視図である。 図11Aは、DMDを構成するマイクロミラーの使用領域の説明図である。 図11Bは、DMDを構成するマイクロミラーの使用領域の説明図である。 図12は、焦点調節手段であるくさび型プリズムペアの構成を示す側面図である。 図13は、焦点調節手段であるくさび型プリズムペアの概略斜視図である。 図14は、露光ヘッドを構成する光学要素の説明図である。 図15Aは、焦点調節手段の他の一例であるピエゾ素子を備えたマイクロレンズアレイの構成を示す図である。 図15Bは、焦点調節手段の他の一例であるピエゾ素子を備えたマイクロレンズアレイの構成を示す図である。 図16Aは、焦点調節手段の他の一例であるピエゾ素子を備えたマイクロレンズアレイの構成を示す図である。 図16Bは、焦点調節手段の他の一例であるピエゾ素子を備えたマイクロレンズアレイの構成を示す図である。 図17Aは、感光材料とDMDの位置関係を概略的に示した斜視図である。 図17Bは、感光材料とDMDの位置関係を概略的に示した側面図である。 図18は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図19は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図20は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図21は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図22は、感光層に支持体側から光を照射したときの、光の照射量と硬化層の厚さとの関係を表す感度曲線を示すグラフである。 図23は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図24は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図25は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図26は、パターン形成材料の一例の模式断面図である。 図27は、三層の感光層からなるパターン形成材料を用いて形成が可能な硬化層パターンを示す模式図である。 図28は、スルーホールを有するプリント配線板の製造工程を示す工程図である。
符号の説明
10 露光装置
30 露光ヘッド
80 DMD
50 結像光学系
51 第1投影レンズ
52 第2投影レンズ
54 くさび型プリズムペア
12 感光材料(積層体)
510、550 パターン形成材料
511、551 支持体
512、552 第一感光層
513、553 バリアー層
514、554 第二感光層
515、555 保護フィルム
516 薄膜硬化層
517 厚膜硬化層
518 剥離片
521 プリント配線板形成用基板
522 スルーホール
523 金属めっき層
524 配線パターン
531 加圧ローラ

Claims (17)

  1. 支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光層を2層以上有してなり、該感光層が少なくとも第一感光層と、前記第一感光層よりも硬化させるための光エネルギー量が少ない第二感光層とからなるパターン形成材料における前記感光層に対し、
    光照射手段からの光を受光してパターン情報に基づいて変調する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させ、前記光変調手段により変調された光を、結像手段と、焦点調節手段とを介して前記感光層の被露光面上に結像させて露光を行うことを少なくとも含み、
    前記露光が、前記結像手段の中央部を含む略矩形状の領域のみにおいて、前記光変調手段により変調された光が結像され、
    前記感光層の被露光面上に結像される略矩形状の露光領域が、その短辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角が、その長辺方向と前記感光層のうねり方向とがなす角よりも小さくなるように向けられて行われることを特徴とするパターン形成方法。
  2. パターン形成材料における感光層が、支持体上に、第一感光層と、硬化させるための光エネルギー量が前記第一感光層よりも少ない第二感光層とがこの順に積層されてなる請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 第一感光層と第二感光層との間に、物質の移動を抑制可能なバリアー層を有する請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 結像手段が、長辺の長さが短辺の長さの2倍以上の略矩形状の領域において、光変調手段により変調された光を結像する請求項1から3のいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 焦点調節手段が、光変調手段により変調された光の光軸方向の厚さが変化するように形成されたくさび型プリズムペアを有し、
    前記くさび型プリズムペアを構成する各くさび型プリズムを移動することによって、前記光変調手段により変調された光を感光層の被露光面上に結像する際の焦点を調節する請求項1から4のいずれかに記載のパターン形成方法。
  6. 焦点調節手段が、結像光学系を構成する光学部材と、ピエゾ素子とを有し、
    前記光学部材を前記ピエゾ素子により移動させることによって、前記光変調手段により変調された光を感光層の被露光面上に結像する際の焦点を調節する請求項1から4のいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 結像手段が、光変調手段により変調された光の光軸に対し、前記光軸を中心に回転可能なレンズ、及び前記光軸に対して垂直方向に移動可能レンズのいずれかにより構成されてなる請求項1から6のいずれかに記載のパターン形成方法。
  8. 光変調手段が、空間光変調素子である請求項1から7のいずれかに記載のパターン形成方法。
  9. 光照射手段が、半導体レーザ素子から発せられたレーザ光を出射する請求項1から8のいずれかに記載のパターン形成方法。
  10. 光照射手段が、半導体レーザ素子から発せられたレーザ光を一端から入射し、入射したレーザ光を他端から出射する光ファイバを複数本束ねたバンドル状のファイバ光源である請求項9に記載のパターン形成方法。
  11. 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である請求項9から10のいずれかに記載のパターン形成方法。
  12. 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを平行光化して集光し、前記マルチモード光ファイバの入射端面に収束させる光源集光光学系とを有する請求項9から11のいずれかに記載のパターン形成方法。
  13. 感光層が、増感剤を含む請求項1から12のいずれかに記載のパターン形成方法。
  14. 増感剤が、縮環系化合物、並びに、少なくとも2つの芳香族炭化水素環及び芳香族複素環のいずれかで置換されたアミン系化合物から選択される少なくとも1種である請求項13に記載のパターン形成方法。
  15. 露光が行われた後、感光層の現像を行う請求項1から14のいずれかに記載のパターン形成方法。
  16. 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う請求項15に記載のパターン形成方法。
  17. 永久パターンが配線パターンであり、該永久パターンの形成がエッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかにより行われる請求項16に記載のパターン形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11243468B2 (en) * 2017-03-10 2022-02-08 Jsr Corporation Composition for resist underlayer film formation, resist underlayer film and formation method thereof, and patterned substrate production method

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