JP2007079026A - 光学一体化シート、光学一体化シートの製造方法、および光学ユニットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】あるユニットに複数枚の光学シートを組み込む際に、これらの光学シートを適切に保管して、組み込み作業を簡単にする技術を提供する。
【解決手段】レンズシートと、レンズシートの表面および裏面のうち少なくとも一方の側に配置された拡散シートと、を備えるディスプレイ用光学シート10において、レンズシートおよび拡散シートと一体的に接合部19が設けられている。この接合部19がガイドレール110に係合されることによって、レンズシートおよび拡散シートがガイドレール110により支持される。
【選択図】 図14
【解決手段】レンズシートと、レンズシートの表面および裏面のうち少なくとも一方の側に配置された拡散シートと、を備えるディスプレイ用光学シート10において、レンズシートおよび拡散シートと一体的に接合部19が設けられている。この接合部19がガイドレール110に係合されることによって、レンズシートおよび拡散シートがガイドレール110により支持される。
【選択図】 図14
Description
本発明は、光学一体化シート、光学一体化シートの製造方法、および光学ユニットの製造方法に係り、例えばプリズムシートおよび光拡散シートが一体的に形成された光学一体化シートに関する。
近年、液晶表示素子や有機EL等の電子ディスプレイの用途に、導光板等の光源からの光を拡散させるフィルムや、正面方向に光を集光するレンズフィルム等が用いられている。
この場合、各種の光学フィルム(シート)を積層して使用する例が多い。たとえば、特許文献1においては、反射型偏光フィルムと位相差フィルムと半透過半反射層とが任意の順番で積層され、更に、これら3層の外側に吸収型偏光フィルムが積層されてなる半透過半反射性偏光フィルムが提供されている。そして、光源装置と液晶セルとの間に5層ものフィルムが介在しており、この構成により、画面輝度が高められ、又は消費電力が抑えられるとされている。
また、特許文献2〜4においては、1枚の光拡散フィルムとレンズフィルムの機能を一体化したフィルムが開示されている。
上述の光学機能を有する複数枚のシート(フィルム)をあるユニットに組み込む際には、複数のメーカーから購入した複数枚の光学シート毎に「光学シートの積層」および「光学シートの貼り合わせ」を繰り返すことが一般的である。このような複数枚のフィルムの組み込みについて、図21および図22を参照して以下に説明する。
図21は、光学機能を有する複数枚のシートを他のユニットに組み込む従来工程を示す模式図である。図22は、光学機能を有する複数枚のシートを他のユニットに組み込む従来工程を示すフローチャートである。図21および図22には、第1光学シート90A、第2光学シート90B、および第3光学シート90Cがバックライトユニット(BLU)92に順次組み込まれる例が示されている。
この例では、まず、第1光学シート90Aがバックライトユニット92に対して組み込まれる(図22のS11)。そして、組み合わされたバックライトユニット92および光学シート90Aのゴミ取りや傷検出が行われる(S12)。その後、第2光学シート90Bおよび第3光学シート90Cが、第1光学シート90Aと同様にして、バックライトユニット92に組み込まれる。すなわち、第1光学シート90Aの上から第2光学シート90Bがバックライトユニット92に組み込まれ(S13)、バックライトユニット92、第1光学シート90A、および第2光学シート90Bのゴミ取りや傷検出が行われる(S14)。そして、第2光学シート90Bの上から第3光学シート90Cがバックライトユニット92に組み込まれ(S15)、バックライトユニット92、第1光学シート90A、第2光学シート90B、および第3光学シート90Cのゴミ取りや傷検出が行われる(S16)。これらの工程(S11〜S16)を経て、バックライトユニット92に対し、第1光学シート90A、第2光学シート90B、および第3光学シート90Cが組み込まれた光学ユニット94が形成される。
この光学ユニット94では、光学シート90A〜90Cが固定されておらず比較的自由に動くことができるため、熱や湿度などによる光学シート90A〜90Cの膨張や収縮の影響が軽減されている。
特開2004−184575号公報
特開平7−230001号公報
特許第3123006号公報
特開平5−341132号公報
上述の図21および図22に示す組み込み工程では、第1光学シート90A、第2光学シート90B、および第3光学シート90Cの各々が積層された状態で保管されており、バックライトユニット92に組み込む際に、各光学シートを各保管場所から運ぶ必要がある。そのため、光学シートの枚数分の組み込み作業が必要になるとともに、組み込み時に生じるゴミや損傷の検出も光学シートの組み込み回数分行う必要がある。
一般に、組み込み作業が煩雑化するほど、ゴミが生じたり光学シートに損傷が生じやすく、また作業時のハプニングやミスも生じやすい。また特に、大きな光学シートや柔らかい光学シートを扱う場合には、シワや折れが生じやすく、品質の良い光学シートユニットを提供することが難しい。
したがって、光学シートの移動等の作業は、簡単かつ迅速に行われることが望ましい。しかしながら、図21および図22に示される組み込み工程では、そのような組み込み作業を簡素に行うことが難しく、作業が煩雑化しやすい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、あるユニットに複数枚の光学シートを組み込む際に、これらの光学シートを適切に保管して、組み込み作業を簡単にする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の光学一体化シートは、レンズシート
前記レンズシートの表面および裏面のうち少なくとも一方の側に配置され、レンズシートと一体的に設けられた平板状光学シートと、レンズシートおよび平板状光学シートのうち少なくともどちらか一方と一体的に設けられ、所定の支持体に係合される係合部と、を備える。係合部が支持体に係合されることによって、レンズシートおよび平板状光学シートが支持体により支持される。
前記レンズシートの表面および裏面のうち少なくとも一方の側に配置され、レンズシートと一体的に設けられた平板状光学シートと、レンズシートおよび平板状光学シートのうち少なくともどちらか一方と一体的に設けられ、所定の支持体に係合される係合部と、を備える。係合部が支持体に係合されることによって、レンズシートおよび平板状光学シートが支持体により支持される。
この態様によれば、一体的に形成されたレンズシートおよび平板状光学シートを、係合部を介して支持体に保持させることができる。これにより、簡単かつ適切にこれらのシートを保管しておくことができ、レンズシートおよび光学シートをあるユニットに組み込む際には、比較的簡単に組み込み作業を行うことができる
ここでいう「レンズシート」とは、レンチキュラーレンズ、フライアイレンズ(蠅の目レンズ)、プリズムシートが代表的であり、他に回折格子等も含まれる。
ここでいう「レンズシート」とは、レンチキュラーレンズ、フライアイレンズ(蠅の目レンズ)、プリズムシートが代表的であり、他に回折格子等も含まれる。
また、ここでいう「平板状光学シート」には、各種の光学シートが含まれ、例えば、光拡散シートや反射型偏光シート(3M社製のDBEFフィルム、等)がここでいう「平板状光学シート」に含まれる。
なお、単に「光学シート」という場合には、光学的な機能を有するシート全般を指す。
係合部は、支持体に係合された状態で、支持体上を移動可能に設けられてもよい。この場合、係合部と支持体の係合状態を解かずに係合部を支持体上で移動させることができる。これにより、一体的に形成されたレンズシートおよび平板状光学シートを、支持体によって安定に支持した状態で移動させることができる。
係合部には、支持体が貫通可能な貫通孔が設けられており、当該貫通孔に支持体を貫通させることによって、レンズシートおよび平板状光学シートは支持体により支持されてもよい。この場合、貫通孔に支持体を貫通させるという簡単な構造により、レンズシートおよび平板状光学シートを支持体に保持させることができる。
なお、細長い棒状の部材を支持体として活用してもよい。この場合、貫通孔を介して係合部を支持体に沿ってスムーズに移動させることができる。
係合部には、貫通孔が複数形成されていてもよい。複数の貫通孔の各々に支持体を挿入することにより、レンズシートおよび平板状光学シートは支持体によって安定した状態で支持される。
貫通孔は、非真円形の断面形状を持っていてもよい。この場合、貫通孔を中心としたレンズシートおよび平板状光学シートの回転運動を防ぐことができ、安定した状態で係合部を支持体に係合させることができる。非真円形の断面形状とは、真円形以外の形状の断面を指し、多角形、楕円形、様々な形状を組み合わた形、等が非真円形の断面形状に含まれる。
本発明の別の態様は、光学一体化シートの製造方法である。この方法は、レンズシートの表面および裏面のうち少なくとも一方の側に平板状光学シートを配置する工程と、レンズシートおよび平板状光学シートのうち少なくともどちらか一方と一体的に、所定の支持体に係合される係合部を形成する工程と、レンズシートおよび平板状光学シートを接合する工程と、を備える。係合部が支持体に係合されることによって、レンズシートおよび平板状光学シートが支持体により支持される。
この態様によれば、レンズシートおよび平板状光学シートを支持体に係合部を介して保持させることができる光学一体化シートを適切に製造することができる。
なお、上述の各工程の実施順番は特に問われない。
本発明のさらに別の態様は、光学ユニットの製造方法である。この方法は、レンズシートと、レンズシートの表面および裏面のうち少なくとも一方の側に配置された平板状光学シートと、レンズシートおよび平板状光学シートのうち少なくともどちらか一方と一体的に設けられ、所定の支持体に係合される係合部と、を備え、係合部が支持体に係合されることによって、レンズシートおよび平板状光学シートが支持体により支持される光学一体化シートを、係合部を介して支持体に係合する工程と、係合部と支持体との係合を解いて、光学一体化シートを他のユニットに組み込む工程と、を備える。なお、
この態様によれば、係合部を介して支持体に保持された光学一体化シートを他のユニットに簡単に組み込むことができる。なお、この場合、係合部は、支持体に係合された状態で、支持体上を移動可能に設けられることが好ましい。係合部が支持体上で移動可能に設けられることによって、レンズシートおよび平板状光学シートを支持体により保持された状態で移動させることができる。そのため、この支持体は、他のユニットの近傍まで延びていることが好ましい。この場合、レンズシートおよび平板状光学シートを、支持体によって保持された状態で、他のユニットの近傍まで移動させることができる。
この態様によれば、係合部を介して支持体に保持された光学一体化シートを他のユニットに簡単に組み込むことができる。なお、この場合、係合部は、支持体に係合された状態で、支持体上を移動可能に設けられることが好ましい。係合部が支持体上で移動可能に設けられることによって、レンズシートおよび平板状光学シートを支持体により保持された状態で移動させることができる。そのため、この支持体は、他のユニットの近傍まで延びていることが好ましい。この場合、レンズシートおよび平板状光学シートを、支持体によって保持された状態で、他のユニットの近傍まで移動させることができる。
上述のレンズシートの熱膨張係数と平板状光学シートの熱膨張係数とは、ほぼ一致することが好ましい。このような構成であれば、フィルム間の熱膨張・熱収縮による問題が生じない。具体的には、レンズシートと平板状光学シートとの熱膨張係数の差△αは、2%以下が好ましく、1%以下がより好ましく0.05%以下が最も好ましい。
以上説明したように本発明によれば、一体的に形成されたレンズシートおよび平板状光学シートを、係合部を介して支持体に保持させることができる。これにより、簡単かつ適切にこれらのシートを保管しておくことができ、他のユニットにこれらのシートを組み込む際には、簡単にシートを移動させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。先ず、本実施形態に係るディスプレイ用光学シート(光学一体化シート)の構成例(第1〜第6の例)について説明する。次いで、これらのディスプレイ用光学シートの製造例(第1〜第6の製造方法)について説明する。次いで、ディスプレイ用光学シートをバックライトユニットに組み込む方法について説明する。
図1は、第1の例に係るディスプレイ用光学シートの断面構成を示す図である。図2は、第1の例に係るディスプレイ用光学シートの外観構成を示す図である。なお、図1は、図2のI−I線に沿った断面を示す。
ディスプレイ用光学シート10は、図1に示すように、下から順に、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートのモジュールである。第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18の各々には、複数の接合部19が一体的に設けられており、これらの接合部19を介して各拡散シートおよび各プリズムシートが接合、固定されている。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18は、透明なフィルム(支持体)の表面(片面)にビーズをバインダーで固定したシートであり、所定の光拡散性能を有するものである。第1の拡散シート12と第2の拡散シート18とはビーズの径(平均粒径)が異なっており、光拡散性能も異なっている。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18に使用される透明なフィルム(支持体)には、樹脂フィルムを使用できる。樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、芳香族ポリアミド、セルロースアシレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースダイアセテート等の公知のものが使用できる。これらのうち、特に、ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィンが好ましく使用できる。
第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18のビーズの径は、100μm以下であることが必要であり、25μm以下であることが好ましい。たとえば所定の分布7〜38μmの範囲で、平均粒径が17μmとできる。
第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16は、1軸方向に形成された凸状レンズが隣接して略全面に配列されたレンズシートであり、たとえば、ピッチを50μmと、凹凸高さを25μmと、凸部の頂角を90度(直角)とできる。
この第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とは、凸状レンズ(プリズム)の軸が略直交する向きに配されている。すなわち、図1において、第1のプリズムシート14の凸状レンズの軸は紙面に垂直方向に配されており、第2のプリズムシート16の凸状レンズの軸は紙面に平行方向に配されている。なお、図1においては、第2のプリズムシート16の断面が凸状のレンズである旨が理解できるように、実際とは異なった向きに示されている。
第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16の材質及び製法は、公知の各種態様が採り得る。たとえば、ダイより押し出したシート状の樹脂材料を、この樹脂材料の押し出し速度と略同速度で回転する転写ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)と、この転写ローラに対向配置され同速度で回転するニップローラ板とで挟圧
し、転写ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する樹脂シートの製造方法が採用できる。
し、転写ローラ表面の凹凸形状を樹脂材料に転写する樹脂シートの製造方法が採用できる。
また、ホットプレスにより、プリズムシートの反転型が表面に形成されている転写型板(スタンパー)と樹脂板とを積層し、熱転写によりプレス成形する樹脂シートの製造方法が採用できる。
このような製造方法に使用される樹脂材料としては、熱可塑性樹脂を用いることができ、たとえば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、MS樹脂、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、又はこれらの共重合体、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
また、他の製造方法として、第1の拡散シート12及び第2の拡散シート18に使用されるのと同様の透明なフィルム(ポリエステル、セルロースアシレート、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等)の表面に、凹凸ローラ(プリズムシートの反転型が表面に形成されている)表面の凹凸を転写形成する樹脂シートの製造方法が採用できる。
より具体的には、表面に接着剤と樹脂とが順次塗布されることにより、接着剤層と樹脂層(たとえばUV硬化性樹脂)とが2層以上に形成されている透明なフィルムを連続走行させ、この透明なフィルムを回転する凹凸ローラに巻き掛け、樹脂層に凹凸ローラ表面の凹凸を転写し、透明なフィルムが凹凸ローラに巻き掛けられている状態で樹脂層を硬化させる(たとえばUV照射する)凹凸状シートの製造方法が採用できる。なお、接着剤はなくてもよい。
なお、第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16の製法は、上記の例に限定される訳ではなく、表面に所望の凹凸形状が形成できる方法であれば、他の製法も採用できる。
凸形形状の接合部19は、図2に示すように、ディスプレイ用光学シート10の長辺の各々に二つずつ設けられている。各接合部19は、対向する長辺に設けられた接合部19の一つと向かい合うようにして設けられており、四つの接合部19が短辺を挟んで対称的に設けられている。第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18と、各接合部19との境界部には所定の切取線19aが形成されている。接合部19は、この切取線19aによって、各プリズムシートおよび各拡散シートから分離可能に設けられている。また、各接合部19には、略真円の断面形状を有する接合孔19bが設けられている。この接合孔19bは、様々な用途に利用可能であり、後述する係合部としても活用可能である。
第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18は、このような接合部19を介して一体的に接合されている。なお、接合部19における上記接合は、炭酸レーザ加工等などが利用されて行われる。
本実施形態の接合部19は、後述するガイドレール110(図14参照)に係合される係合部としても機能する。すなわち、接合部19の接合孔19bは、ガイドレールが貫通可能な大きさに設けられており、接合孔19bにガイドレールを貫通させることによって、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が、ガイドレールにより保持される。
以上に説明したディスプレイ用光学シート10は、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。この場合、既述した各種のメリット(ディスプレイ用光学シートを従来より簡易な工程で低コストで、かつ高品質に製造できる)に加え、液晶表示素子のアセンブル作業も非常に容易となるというメリットが得られる。
次に、第2の例に係るディスプレイ用光学シートについて説明する。図3は、第2の例に係るディスプレイ用光学シート20の断面構成を示す図である。なお、第1の例(図1および図2参照)と同一、類似の部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート20は、下から順に、拡散シート12、第1のプリズムシート14、及び第2のプリズムシート16が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2の拡散シート18が省略されている。
以上に説明したディスプレイ用光学シート20は、第1の例と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、第3の例に係るディスプレイ用光学シートについて説明する。図4は、第3の例に係るディスプレイ用光学シート30の断面構成を示す図である。なお、上述の第1の例および第2の例(図1〜図3参照)と同一、類似の部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート30は、下から順に、第1の拡散シート12、プリズムシート14、及び第2の拡散シート18が積層されてなる光学シートである。
このディスプレイ用光学シート30は、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されているものである。
以上に説明したディスプレイ用光学シート30は、第1の例と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、第4の例に係るディスプレイ用光学シートについて説明する。図5は、第4の例に係るディスプレイ用光学シート40の断面構成を示す図である。なお、第1の例、第2の例、および第3の例(図1〜図4参照)と同一、類似の部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート40は、下から順に、拡散シート12、及びプリズムシート14が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第2の拡散シート18が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されている。
以上に説明したディスプレイ用光学シート40は、第1の例と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、第5の例に係るディスプレイ用光学シートについて説明する。図6は、第5の例に係るディスプレイ用光学シート50の断面構成を示す図である。なお、第1の例〜第4の例(図1〜図5参照)と同一、類似の部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート50は、下から順に、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び拡散シート18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1の拡散シート12が省略されている。
以上に説明したディスプレイ用光学シート50は、第1の例と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、第6の例に係るディスプレイ用光学シートについて説明する。図7は、第6の例に係るディスプレイ用光学シート60の断面構成を示す図である。なお、第1の例〜第5の例(図1〜図6参照)と同一、類似の部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このディスプレイ用光学シート60は、下から順に、第1のプリズムシート14、及び拡散シート18が積層されてなる光学シートである。既述のディスプレイ用光学シート10のような広い拡散性能が求められない場合に第1の拡散シート12が省略され、既述のディスプレイ用光学シート10のような紙面に垂直方向の拡散性能が求められない場合に、第2のプリズムシート16が省略されている。
以上に説明したディスプレイ用光学シート60は、第1の例と同様に、たとえば光源装置と液晶セルとの間に配され、全体で液晶表示素子を形成するように使用される。
次に、ディスプレイ用光学シートの製造方法(第1〜第6の製造方法)について説明する。これらの製造方法は、既述のディスプレイ用光学シート10〜60に共通して適用できるものであるが、説明の便宜より4層構成の第1の例のディスプレイ用光学シートに適用した場合について説明する。
本実施形態に係るディスプレイ用光学シートの製造方法の概要は、プリズムシートの表面および/または裏面に拡散シートを配置し、プリズムシートおよび拡散シートの各々と一体的に設けられる接合部を形成し、その接合部を介してプリズムシートおよび拡散シートを接合することによりディスプレイ用光学シートを製造する。以下、様々なパターンのディスプレイ用光学シートの製造方法について説明する。
図8は、第1の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン11の構成図である。図の左端部に設けられているロール12B、14B、16B、及び18Bは、それぞれ、既述の図1に示される第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18が巻回されたロールである。
このロール12B、14B、16B、及び18Bは、図示しない繰り出し手段の回転軸にそれぞれ軸支されており、ロール12B、14B、16B、及び18Bより第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18がそれぞれ略同一速度で繰り出し可能となっている。
繰り出された第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、及び第2の拡散シート18は、それぞれガイドローラG、G…に支持され、最終的には、後述するレーザヘッド24の上流側において積層されるようになっている(積層工程)。
レーザヘッド24を含むレーザ光照射装置は、ディスプレイ用光学シート10を構成する各シートの接合(溶着)と、ディスプレイ用光学シート10の裁断とを行う。すなわち、レーザヘッド24は、積層体周縁の被裁断箇所に裁断用のレーザ光を照射するとともに、各接合部19に接合用のレーザ光を照射する。より具体的には、ディスプレイ用光学シート10を構成する各光学シートの接合部19に対応する部分を所定のレーザによって溶着することにより、ディスプレイ用光学シート10を構成する各シートを接合する。また、ディスプレイ用光学シート10の輪郭に沿って所定のレーザを照射し、ディスプレイ用光学シート10を打ち抜く。波長等を含むレーザのエネルギーは、用途に応じて適宜変更され、接合用のレーザと裁断用のレーザとが使い分けられる。なお、切取線19aを構成する所定の切れ込みや接合孔19bもレーザヘッド24のレーザによって形成される。
レーザヘッド24は、例えば、波長が355〜1064nmのYAGレーザ照射装置、半導体レーザ照射装置、波長が9〜11μmの炭酸ガスレーザ照射装置等が採用できる。発振方式は連続発振でもパルス発振でもよい。
レーザヘッド24から発信支えるレーザの出力及び周波数は、素材の送り速度、レーザ光のスキャン速度、素材の厚さ等により異なるが、概ね、出力は2〜50Wが、周波数は100kHz以下の条件で良好な溶着結果が得られる。
レーザヘッド24は、X方向(シート幅方向)又はXY方向に移動できるX駆動ロボット軸又はXY駆動ロボット軸に取り付けられており、任意の位置への位置決めや任意の軌跡移動を行うことができる。レーザ光の照射パターンに応じてレーザヘッド24ごと移動させてもよいが、レーザヘッド24を別置き(固定)にして、レーザ光のみを光ファイバーにより導波することでXY方向の移動機構を簡素化することもできる。
なお、レーザヘッド24による裁断時及び溶着時に発生する煙を吸引する公知の機構(吸引装置等)を設けることもできる。
以上の工程を経ることにより、ディスプレイ用光学シート10(図1および図2参照)が形成される。裁断及び接合されたディスプレイ用光学シート10は、コンベア26上に搬送されて停止する。コンベア26上のディスプレイ用光学シート10は吸着横移載装置28により集積装置32上に順次重ねられる。
一方、レーザヘッド24によりディスプレイ用光学シート10が打ち抜かれたシートの積層体34は、巻き取り装置(詳細は不図示)の巻き取りロール36に巻き取られる。
以上のディスプレイ用光学シートの第1の製造方法によれば、以下の効果が得られる。
1)傷故障削減効果
レンズシート(第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16)の上面、下面に傷がつくとレンズ効果のせいもあって、傷が目立ってしまう。一方、拡散シート(第1の拡散シート12、第2の拡散シート18)の下面に傷がついた場合は、光が拡散されるので傷は目立たない。このようなことから、レンズシートへの傷付きを防止することが傷故障削減に繋がる。傷は、シート加工後の取扱時に付くことが多いが、レンズシートを拡散シートと複合化することにより、拡散シートが保護シートの役割を果たすため、傷付きによる故障が削減できる。特に、レンズシートが表面に出ない、第1の例のディスプレイ用光学シート10(図1参照)、及び第2の例のディスプレイ用光学シート30(図3参照)においてその効果が大きい。
レンズシート(第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16)の上面、下面に傷がつくとレンズ効果のせいもあって、傷が目立ってしまう。一方、拡散シート(第1の拡散シート12、第2の拡散シート18)の下面に傷がついた場合は、光が拡散されるので傷は目立たない。このようなことから、レンズシートへの傷付きを防止することが傷故障削減に繋がる。傷は、シート加工後の取扱時に付くことが多いが、レンズシートを拡散シートと複合化することにより、拡散シートが保護シートの役割を果たすため、傷付きによる故障が削減できる。特に、レンズシートが表面に出ない、第1の例のディスプレイ用光学シート10(図1参照)、及び第2の例のディスプレイ用光学シート30(図3参照)においてその効果が大きい。
2)組立工数削減効果
たとえば、液晶表示素子の組み立てにおいて、第1の例のディスプレイ用光学シート10(図1参照)を使用した場合には、組立工数はディスプレイ用光学シート10を組み込む1工程だけなのに対し、従来品を使用した場合には、第1の拡散シートの組み込み⇒第1のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの組み込み⇒第2のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの組み込み⇒第2の拡散シートの組み込み、と8工程必要となる。このように、第1の製造方法によれば、大幅な組立工数削減を達成でき、製品コストの低減ができる。
たとえば、液晶表示素子の組み立てにおいて、第1の例のディスプレイ用光学シート10(図1参照)を使用した場合には、組立工数はディスプレイ用光学シート10を組み込む1工程だけなのに対し、従来品を使用した場合には、第1の拡散シートの組み込み⇒第1のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第1のレンズシートの組み込み⇒第2のレンズシートの裏面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの表面保護シート剥し⇒第2のレンズシートの組み込み⇒第2の拡散シートの組み込み、と8工程必要となる。このように、第1の製造方法によれば、大幅な組立工数削減を達成でき、製品コストの低減ができる。
3)保護シートの削減効果
レンズシートには、傷付き防止のために保護シートを表裏に貼着することが多い。この保護シートは、レンズシートを組み込んだ後は廃却するものであり、非常に無駄である。本実施形態によれば、拡散シートを保護シートの役割とすることで、この保護シートを節約することができる。
レンズシートには、傷付き防止のために保護シートを表裏に貼着することが多い。この保護シートは、レンズシートを組み込んだ後は廃却するものであり、非常に無駄である。本実施形態によれば、拡散シートを保護シートの役割とすることで、この保護シートを節約することができる。
具体的には、第4の例のディスプレイ用光学シート40(図4参照)、及び第6の例のディスプレイ用光学シート60(図6参照)において保護シートを1枚削減でき、第3の例のディスプレイ用光学シート30(図3参照)において保護シートを2枚削減でき、第2の例のディスプレイ用光学シート20(図2参照)、及び第5の例のディスプレイ用光学シート50(図5参照)において保護シートを3枚削減でき、第1の例のディスプレイ用光学シート10(図1参照)において保護シートを4枚削減できる。
次に、ディスプレイ用光学シートの第2の製造方法について説明する。図9は、第2の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン21の構成図である。なお、第1の製造方法に係るディスプレイ用光学シート製造ライン11(図8参照)と同一、類似の部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このディスプレイ用光学シート製造ライン31においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン11のレーザヘッド24に代えて、ディスペンサ42、44、46及び打ち抜きプレス装置48が採用されている。
このディスペンサ42、44及び46は、それぞれ接着剤を先端より吐出する供給装置である。ディスペンサ42は、第1の拡散シート12と第1のプリズムシート14とを接着するために、第1の拡散シート12の接合部19に接着剤を供給するものであり、ディスペンサ44は、第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とを接着するために、第1のプリズムシート14の接合部19に接着剤を供給するものであり、ディスペンサ46は、第2のプリズムシート16と第2の拡散シート18とを接着するために、第2のプリズムシート16の接合部19に接着剤を供給するものである。接合部19は、供給された接着剤によって相互に付着し、ディスプレイ用光学シート10を構成する各シートを接合する。
ディスペンサ42、44及び46より供給される接着剤は、熱又は触媒の助けにより接着される接着剤であることが好ましい。具体的には、シリコン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤など一般的な接着剤を用いることができる。
ディスプレイ用光学シート10〜60は、高温で使用する可能性があるため、常温〜120°Cでも安定している接着剤が好ましい。これらの中で、エポキシ系接着剤は強度、耐熱性に優れているため、好適に利用できる。シアノアクリレート系接着剤は、即効性と強度に優れているため、効率的なディスプレイ用光学シートの作製に利用できる。ポリエステル系接着剤は、強度、加工性に優れているため、特に好適である。
これらの接着剤は、接着方法によって熱硬化型、ホットメルト型、2液混合型に大別されるが、好ましくは連続生産が可能な熱硬化型又はホットメルト型が使用される。どの接着剤を使用した場合でも、その塗布厚さは、0.5μm〜50μmが好ましい。
また、下流のプレスローラ(ガイドローラG)までの間に、接着剤を乾燥させる乾燥手段を設けるのが好ましい。この乾燥手段としては、特に制限はなく、公知の乾燥方法、たとえば、温風や熱風による乾燥、脱湿風による乾燥、等が挙げられる。
ディスペンサ42、44及び46はX方向(シート幅方向)又はXY方向に移動できるX駆動ロボット軸又はXY駆動ロボット軸に取り付けられ、任意の位置への位置決めや任意の軌跡移動を行うことができるようになっている。
これらのディスペンサ42、44及び46より接着剤を積層体周縁の各接合部19に供給し、積層体を搬送しながら下流のプレスローラ(ガイドローラG)により各接合部19同士を接合する。
ディスペンサ42、44及び46の下流の打ち抜きプレス装置48は、積層体の周縁を製品サイズに裁断する装置である。なお、切取線19aを構成する切れ込みや接合孔19bも、プレス装置48によって形成される。
次に、ディスプレイ用光学シートの第3の製造方法について説明する。図10は、第3の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン31の構成図である。なお、第1の製造方法に係るディスプレイ用光学シート製造ライン11及び第2の製造方法に係るディスプレイ用光学シート製造ライン21(図8及び図9参照)と同一、類似の部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このディスプレイ用光学シート製造ライン31においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン21のディスペンサ42、44、46に代えてテープ供給装置52、54、56が採用されている。このテープ供給装置52、54及び56は、それぞれ両面テープを先端より供給する供給装置である。
テープ供給装置52は、第1の拡散シート12と第1のプリズムシート14とを接着するために、第1の拡散シート12の接合部19に両面テープを供給するものであり、テープ供給装置54は、第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16とを接着するために、第1のプリズムシート14の接合部19に両面テープを供給するものであり、テープ供給装置56は、第2のプリズムシート16と第2の拡散シート18とを接着するために、第2のプリズムシート16の接合部19に両面テープを供給するものである。接合部19は、供給された両面テープによって相互に付着し、ディスプレイ用光学シート10を構成する各シートを接合する。
テープ供給装置52、54及び56より供給される両面テープは、両面に粘着剤が塗布されたものである。この両面テープの粘着剤としては、高粘着性アクリル共重合樹脂が使用できるが、それ以外にはたとえば、シリコン系、天然ゴム系、合成ゴム系等の粘着剤が使用でき、耐熱性、耐クリープ性等の物理強度、価格等を総合的に考慮すればアクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。
両面テープを供給するテープ供給装置52、54及び56は、市販されている汎用のテープディスペンサーを使うことで対応可能である。テープ供給装置52、54及び56はX方向(シート幅方向)の任意の位置に移動可能な1軸の移動機構に取り付けられており、打抜きパターンに応じて両面テープ貼りの位置を可変させることができる。
また、テープ供給装置52、54及び56の固定部分にはピボット機構があり、シートの送り速度に同期させてテープ供給装置52、54及び56の位置をかえることで、斜め方向へのテープ貼りパターンにも対応可能な機構となっている。
次に、ディスプレイ用光学シートの第4の製造方法について説明する。図11は、第4の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン41の構成図である。なお、第1の製造方法〜第3の製造方法に係るディスプレイ用光学シート製造ライン(図8〜図10参照)と同一、類似の部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このディスプレイ用光学シート製造ライン41においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン21のディスペンサ42、44、46に代えて超音波ホーン62、64、66が採用されている。この超音波ホーン62、64及び66は、それぞれプレスローラ(ガイドローラG)の下流側に配されている。
この超音波ホーン62、64及び66は、2枚以上の積層されたシートを融着させる装置である。すなわち、超音波ホーン62は、第1の拡散シート12の接合部19と第1のプリズムシート14の接合部19とを融着させるものであり、超音波ホーン64は、第1のプリズムシート14の接合部19と第2のプリズムシート16の接合部19とを融着させるものであり、超音波ホーン66は、第2のプリズムシート16の接合部19と第2の拡散シート18の接合部19とを融着させるものである。
超音波ホーン62、64及び66(超音波溶着装置)としては、従来より公知であり、エアシリンダでホーンを昇降させる形式のものや、サーボモータによりホーンを昇降させる型式のものが知られているが、接合部19に荷重を加えながら超音波振動を付与して接合部19同士を溶着できるものであれば、どのような型式の超音波溶着装置でも適用可能である。
超音波ホーン62、64及び66の位置制御は、打抜きパターンがシートの送り方向に対して水平の場合は、シートの幅方向への位置切替だけでよいが、斜めに打抜くようなパターンに対応する場合には、超音波ホーン62、64及び66の走行方向が任意の向きに可変できるような首振り機構を設け、シートの移動量と同期させて幅方向へ移動させることで対応可能である。
超音波ホーン62、64及び66の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
次に、ディスプレイ用光学シートの第5の製造方法(第5の製造方法)について説明する。図12は、第5の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン51の構成図である。第1の製造方法〜第4の製造方法のディスプレイ用光学シート製造ラインと同一、類似の部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このディスプレイ用光学シート製造ライン51においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン41の超音波ホーン62、64及び66に代えてレーザヘッド72、74、76が採用されている。このレーザヘッド72、74、76は、超音波ホーン62、64及び66と同様に、それぞれプレスローラ(ガイドローラG)の下流側に配されている。
このレーザヘッド72、74、76は、超音波ホーン62、64及び66と同様に、2枚以上の積層されたシートの接合部19を融着させる装置である。すなわち、レーザヘッド72は、第1の拡散シート12の接合部19と第1のプリズムシート14の接合部19とを融着させるものであり、レーザヘッド74は、第1のプリズムシート14の19と第2のプリズムシート16の19とを融着させるものであり、レーザヘッド76は、第2のプリズムシート16の接合部19と第2の拡散シート18の接合部19とを融着させるものである。
なお、レーザヘッド72、74、76は、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン11におけるレーザヘッド24と異なり、接合工程にのみ使用され、裁断工程は打ち抜きプレス装置48により行われる。ただし、レーザヘッド72、74、76の基本的な仕様や周辺の構成は、第1の製造方法と略同様である。
レーザヘッド72、74及び76の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
次に、ディスプレイ用光学シートの第6の製造方法について説明する。図13は、第6の製造方法に適用されるディスプレイ用光学シート製造ライン61の構成図である。なお、第1の製造方法〜第5の製造方法に係るディスプレイ用光学シート製造ライン(図8〜図12参照)と同一、類似の部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
このディスプレイ用光学シート製造ライン61においては、ディスプレイ用光学シート製造ライン51の3台のレーザヘッド72、74及び76に代えて1台のレーザヘッド78が採用されている。このレーザヘッド78は、プレスローラ(ガイドローラG)の下流側に配されている。
このレーザヘッド78は、2枚以上の積層されたシートの接合部19を融着させる装置である。すなわち、レーザヘッド78は、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、および第2の拡散シート18の各々と一体的に設けられている接合部19同士を融着させるものである。
なお、レーザヘッド78は、図7(第1の製造方法)のディスプレイ用光学シート製造ライン11におけるレーザヘッド24と異なり、接合工程にのみ使用され、裁断工程は打ち抜きプレス装置48により行われる。ただし、レーザヘッド78の基本的な仕様や周辺の構成は、第1の製造方法と略同様である。
レーザヘッド78の設定条件は、融着部分が熱により溶け切れたりしない範囲で定めればよく、必要に応じて接着(融着)後にエア吹き付けなどの空冷機構により接着部分を冷却してもよい。
次に、ディスプレイ用光学シート10をバックライトユニット100に組み込む方法について説明する。この組み込み方法は、既述のディスプレイ用光学シート10〜60に共通して適用できるものであるが、説明の便宜より4層構成の第1の例のディスプレイ用光学シート10に適用した場合について説明する。
図14は、本実施形態に係るディスプレイ用光学シート10をバックライトユニット100に組み込む第1の工程を示す模式図である。図15は、本実施形態に係るディスプレイ用光学シート10をバックライトユニット100に組み込む第2の工程を示す模式図である。図16は、本実施形態に係るディスプレイ用光学シート10をバックライトユニット100に組み込む工程を示すフローチャートである。
図14に示すように、本実施形態では、2本のガイドレール110によって吊り下げられた状態の複数枚のディスプレイ用光学シート10が、ガイドレール110に沿って移動させられ、順次、バックライトユニット100に組み込まれて貼り合わせられる(図16のS21)。
ガイドレール110は、各ディスプレイ用光学シート10の接合部19の接合孔19bに貫通可能な大きさに形成され、バックライトユニット100の近傍まで延びている。このガイドレール110は、バックライトユニット100の近傍付近においてやや大きな傾斜を持つように形成されており、このガイドレール110から外れたディスプレイ用光学シート10がスムーズかつ適切にバックライトユニット100上に配置されるようになっている。
本実施形態のディスプレイ用光学シート10は、長辺の一方に設けられた二つの接合部19の各々にガイドレール110を貫通させた状態で保管されている。そして、バックライトユニット100に組み込まれる際には、接合部19がガイドレール110と係合した状態でガイドレール110上を滑動し、バックライトユニット100の近傍でディスプレイ用光学シート10の接合部19とガイドレール110との係合が解かれ、ディスプレイ用光学シート10はバックライトユニット100上に配置される。
そして、張り合わされたバックライトユニット100およびディスプレイ用光学シート10のゴミ取りや傷検出が行われる(S22)。
その後、図15に示すように、接合部19が、切り取られ、第1の拡散シート12、第1のプリズムシート14、第2のプリズムシート16、および第2の拡散シート18の各々から分離される(S23)。これにより、ディスプレイ用光学シート10を構成する全てのシートがバックライトユニット100に張り合わされる。
このように、ディスプレイ用光学シート10をバックライトユニット100に組み込んだ後に接合部19を切り離す方法よれば、ディスプレイ用光学シート10を構成する光学シートの枚数が多数に及ぶ場合であっても、「光学シートの貼り合わせ」の工程および「ゴミ取りや傷検出」の工程数を削減することができ、上述のように各工程が1回しか行われない場合であっても、その目的が十分に達成される。
また、本実施形態の組み込み方法によれば、バックライトユニット100に対する複数枚の光学シートの組み込み作業を簡素化することができる。これにより、組み込み作業中のミス等を極力減らすことができるとともに、高品質の光学シート組み込みユニットを低コストで製造することができる。また、複数枚の光学シートを一体化したディスプレイ用光学シート10を使用することで、各光学シートの保管場所や、組み込み時の作業スペースを縮小することができる。
また特に、本実施形態のディスプレイ用光学シート10は、接合孔19bを介してガイドレール110により案内され、バックライトユニット100に組み込まれる。したがって、大きなディスプレイ用光学シート10や柔らかいディスプレイ用光学シート10が用いられる場合であっても、ディスプレイ用光学シート10は、ガイドレール110によって適切な状態で支持、案内され、シワや折れを生じることなく、バックライトユニット100に容易に組み込まれる。
また、上述の光学シートの組み込み体では、バックライトユニット100に対するディスプレイ用光学シート10の組み込み後に接合部19が取り除かれているので、図20に示す従来例と同様に、バックライトユニット100上における各光学シートの自由度が十分に確保される。
また、本実施形態によれば、以下の効果も得られる。
1)コストの削減、薄型化による製品価値の向上
大型液晶テレビに用いられる光学シートは剛性が必要なため、支持体の厚さをそれぞれ従来より2倍程度に厚くしたものが用いられている。しかしながら、本実施形態に係る光学シートは、シートを複合化したものであるため、それぞれの厚さを厚くせずとも充分に剛性を持たせることができ、各層の厚さを減らすことができる。
大型液晶テレビに用いられる光学シートは剛性が必要なため、支持体の厚さをそれぞれ従来より2倍程度に厚くしたものが用いられている。しかしながら、本実施形態に係る光学シートは、シートを複合化したものであるため、それぞれの厚さを厚くせずとも充分に剛性を持たせることができ、各層の厚さを減らすことができる。
2)集光効果の低減防止による性能の向上
レンズシートの傷付き防止(傷を目立たなくする目的)のために、裏面をマット処理している製品もある。本実施形態による光学シートではその必要がなく、生産コストが削減できるのみならず、マット処理による集光効果低減防止が可能であり、性能が向上する。
レンズシートの傷付き防止(傷を目立たなくする目的)のために、裏面をマット処理している製品もある。本実施形態による光学シートではその必要がなく、生産コストが削減できるのみならず、マット処理による集光効果低減防止が可能であり、性能が向上する。
以上、本発明の実施形態の各例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
たとえば、本実施形態の例では、いずれの場合においても第1のプリズムシート14及び第2のプリズムシート16のプリズムが上向きになっているが、このプリズムを下向きにして積層することもできる。
また、ディスプレイ用光学シートの層構成も上記の実施形態の例に限定されるものではなく、たとえば、保護シートを上下面に積層することもできる。また、ディスプレイ用光学シートを構成するレンズシート(プリズムシート)および拡散シートの枚数や配置も、必要に応じて適宜変更可能である。この場合、レンズシートの表面および/または裏面に拡散シートが配置されることが好ましい。
また、上述の実施形態ではディスプレイ用光学シート10の長辺の各々に接合部19が二つずつ設けられる例について説明したが、ディスプレイ用光学シートを構成するプリズムシートや拡散シートから接合部19が分離可能に設けられている限り、接合部19の配置や数は限定されない。接合部19の配置に関する変形例について、以下、図17および図18を参照して説明する。
図17は、接合部19の配置に関する一変形例を示す図である。図18は、接合部19の配置に関する他の変形例を示す図である。図17に示すようにディスプレイ用光学シート10の四辺の各々に一つずつ接合部19を形成してもよい。また、図18に示すようにディスプレイ用光学シート10の四箇所の隅部(角部)の各々に接合部19を形成してもよい。その他に、ディスプレイ用光学シートを構成する複数のシートを、単一の接合部19によって接合したり、ディスプレイ用光学シート10の略全辺に亘って設けられた接合部19によって接合したりしてもよい。
また、接合部19の接合孔19bの断面形状、等も、上述の略真円形状には限定されない。図19は、接合孔19bの一変形例を示す図である。図20は、接合孔19bの他の変形例を示す図である。なお、図19および図20は、接合部19の近傍を拡大した状態を示す。接合孔19bは、非真円形状の断面形状であってもよく、例えば図19に示すように、ディスプレイ用光学シート10の一辺に沿った方向に細長く延びる断面形状であってもよい。この場合、ディスプレイ用光学シート10はガイドレール110によってより安定した状態で支持される。また、接合孔19bは、図20に示すように、単一の接合部19に複数設けられてもよい。この場合、各接合孔19bにガイドレール110を貫通させることで、ディスプレイ用光学シート10はガイドレール110によってより安定した状態で保持される。
また、接合部19の切取線19aは、切れ込みによって構成されるものに限定されず、接合部19の切り取り方法に応じた任意の切取線19aを設けることができる。例えば、単に切り取り位置を示すラインを接合部19と各シートとの境界部に描いたものなどを切取線19aとすることも可能である。
また、上述の実施形態では、光拡散シートを用いた例について説明したが、光拡散シートの代わりに、図23に示すように反射型偏光シートを用いることも可能である。図23には、プリズムシート14の表面側に反射型偏光シート13が配置されるとともに、プリズムシート14の裏面側に拡散シート12が配置されている例が示されている。この場合にも、本発明を好適に応用することができる。なお、図23に示すディスプレイ用光学シート10を液晶パネルと光源との間に配置する場合には、液晶パネル側に反射型偏光シート13が配置されるとともに光源側に拡散シート12が配置されるようにすることが光学的に好ましい。
10…ディスプレイ用光学シート、11…ディスプレイ用光学シート製造ライン、12…拡散シート、13…反射型偏光シート、14…プリズムシート、16…第2のプリズムシート、18…第2の拡散シート、19…接合部、19a…切取線、19b…接合孔、20…ディスプレイ用光学シート、21…ディスプレイ用光学シート製造ライン、24…レーザヘッド、26…コンベア、28…吸着横移載装置、30…ディスプレイ用光学シート、31…ディスプレイ用光学シート製造ライン、32…集積装置、34…積層体、36…ロール、40…ディスプレイ用光学シート、41…ディスプレイ用光学シート製造ライン、42…ディスペンサ、44…ディスペンサ、46…ディスペンサ、48…プレス装置、51…ディスプレイ用光学シート製造ライン、52…テープ供給装置、54…テープ供給装置、56…テープ供給装置、60…ディスプレイ用光学シート、61…ディスプレイ用光学シート製造ライン、62…超音波ホーン、64…超音波ホーン、66…超音波ホーン、72…レーザヘッド、74…レーザヘッド、76…レーザヘッド、78…レーザヘッド、90…ディスプレイ用光学シート、90A…光学シート、90A…第1光学シート、90B…第2光学シート、90C…第3光学シート、92…バックライトユニット、94…光学ユニット、100…バックライトユニット
Claims (7)
- レンズシートと、
前記レンズシートの表面および裏面のうち少なくとも一方の側に配置され、レンズシートと一体的に設けられた平板状光学シートと、
前記レンズシートおよび前記平板状光学シートのうち少なくともどちらか一方と一体的に設けられ、所定の支持体に係合される係合部と、を備え、
前記係合部が前記支持体に係合されることによって、前記レンズシートおよび前記平板状光学シートが前記支持体により支持されることを特徴とする光学一体化シート。 - 前記係合部は、前記支持体に係合された状態で、前記支持体上を移動可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の光学一体化シート。
- 前記係合部には、前記支持体を貫通可能な貫通孔が設けられており、当該貫通孔に前記支持体を貫通させることによって、前記レンズシートおよび前記平板状光学シートは前記支持体により支持されることを特徴とする請求項1または2に記載の光学一体化シート。
- 前記係合部には、前記貫通孔が複数形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光学一体化シート。
- 前記貫通孔は、非真円形の断面形状を持つことを特徴とする請求項3または4に記載の光学一体化シート。
- レンズシートの表面および裏面のうち少なくとも一方の側に平板状光学シートを配置する工程と、
前記レンズシートおよび前記平板状光学シートのうち少なくともどちらか一方と一体的に、所定の支持体に係合される係合部を形成する工程と、
前記レンズシートおよび前記平板状光学シートを接合する工程と、を備え、
前記係合部が前記支持体に係合されることによって、前記レンズシートおよび前記平板状光学シートが前記支持体により支持されることを特徴とする光学一体化シートの製造方法。 - レンズシートと、前記レンズシートの表面および裏面のうち少なくとも一方の側に配置された平板状光学シートと、前記レンズシートおよび前記平板状光学シートのうち少なくともどちらか一方と一体的に設けられ、所定の支持体に係合される係合部と、を備え、前記係合部が前記支持体に係合されることによって、前記レンズシートおよび前記平板状光学シートが前記支持体により支持される光学一体化シートを、前記係合部を介して前記支持体に係合する工程と、
前記係合部と前記支持体との係合を解いて、前記光学一体化シートを他のユニットに組み込む工程と、を備えることを特徴とする光学ユニットの製造方法。
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WO2009047929A1 (ja) * | 2007-10-09 | 2009-04-16 | Sharp Kabushiki Kaisha | 光学部材、光学部材の製造方法、表示装置用照明装置、表示装置、テレビ受信装置 |
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2005
- 2005-09-13 JP JP2005265862A patent/JP2007079026A/ja active Pending
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