JP2007077449A - 酸性塩化物水溶液からの鉄の電解採取方法 - Google Patents

酸性塩化物水溶液からの鉄の電解採取方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉄イオンと不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液から電解採取法によって電着鉄を回収する際に、隔膜として安価な濾布を用いかつ経済的な電力コストで、不純物元素の共析を制御し不純物元素含有量の低い鉄を得ることができる電解採取方法を提供する。
【解決手段】濾布4で仕切られたカソード室5とアノード室6から構成される電解槽1を多段に直列に配置した電解採取設備において、1段目の電解槽のカソード室への給液として鉄イオンと不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液(A)を供給し、排出させたカソード液を次段の電解槽のカソード室に供給し、一方、同時に1段目の電解槽のアノード室への給液として酸性塩化物水溶液(A)に比べて不純物元素含有量が少ない酸性塩化物水溶液(B)を供給し、排出させたアノード液を次段の電解槽のアノード室に供給することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸性塩化物水溶液からの鉄の電解採取方法に関し、さらに詳しくは、鉄イオンを含む酸性塩化物水溶液から電解採取法によって電着鉄を回収する際に、隔膜として安価な濾布を用いかつ経済的な電力コストで、不純物元素の共析を制御し不純物元素含有量の低い鉄を得ることができる電解採取方法に関する。これにより、液中の鉄イオンを金属鉄として回収し有用な資源としてリサイクルすることができる。
鉄イオンを含む酸性塩化物水溶液としては、メッキ、酸洗浄処理等の中間物又は廃液として工業的に大量に発生している。従来、これらの廃液中の鉄イオンを工業的に利用することが可能な形態として回収する際には、高コストを要し経済性に問題があった。このため、これらの廃液の最終処分方法としては、中和処理され、鉄等を水酸化物などの形態で固体化して埋め立て処分にする手段が取られることが多かった。しかしながら、鉄イオンを水酸化物として分離することは、生成物量を増大化することになり、処分場容量のゆとりを圧迫する等の問題があった。
さらに、水酸化物は化学的にそれほど安定な形態とは言えず、微量に共存する不純物成分が長時間の間に溶出するなどして地下水中に浸透すことも懸念される。したがって、環境に影響しないように浸透防止対策を行った管理型の処分場で処理したり、水酸化物を加熱脱水処理してヘマタイトなどの安定な酸化鉄の形態に変換してから処理することが行なわれていた。これらの処理には多額の費用がかかり、廃液処理のためのコストは無視できないものとなっていた。
この対策として、液中の鉄イオンを容量が少なくかつ安定な形態である金属鉄として固定化することが考えられる。金属鉄として回収された鉄は、新たな資源としてリサイクルすることができるので、環境対策としてもっとも優れた処理方法と言える。ところで、酸性液に含まれる鉄イオンを金属鉄として回収する方法としては、ガス還元、電解採取、中和後の乾式処理での還元等が挙げられるが、この中で、電解採取法による金属鉄の回収は、他の方法に比べて低い温度で行なうことができるので省エネルギーであるとともに、特別に高価な設備も不要であるのでもっとも有利な方法である。
ところで、鉄の電解採取法では一般に隔膜電解法が用いられる。例えば、塩化鉄水溶液の隔膜電解法では、鉄等をカソードとし、不溶性アノードとの間に通電することによって鉄をカソード表面上に電解析出させる(例えば、特許文献1参照)。一般に、銅、ニッケル等の電解採取では、通常含まれる不純物と目的とする不純物の電位差が充分に大きいので比較的容易にしかも高純度の電着物が得られるのに対して、鉄などの卑な金属の場合には、多くの不純物元素も鉄と共析してしまうという問題がある。さらに、鉄の電着状態は微量の不純物元素の影響を受けやすいため、電解析出状態が悪化すると、電着物がカソードから剥離してショートを発生し電力ロスとなったり、電着物に液を巻き込んで不純物元素品位がさらに上昇する等の問題も生じる。したがって、効率よく鉄を電解採取するためには、電解液の不純物元素を予め除去しておくこと等の共析を防止するための工程が欠かせない。
しかも、電解採取法では、一般に、アノードとして粗金属鉄を用いる電解精製法に比べて、アノード電位が高くなるので電解槽の槽電圧が上昇し電力コストが増加するという欠点があった。また、カソード表面に鉄が析出すると同時にアノード表面から塩素など酸化性のガスが発生する。このガスによって電解液中の2価の鉄イオンが3価に酸化され、この3価の鉄イオンによってカソードに電着した鉄が再溶出したりするため、電解析出に必要な電気量が増加して電流効率が低下するなどの問題が生じる。
一般に、電解採取法においてアノードの電位を下げ、同時に不純物元素の共析を防ぐためには、例えば、アノードとカソード間をイオン交換膜で仕切ることで不純物の移動を制限し、アノード電位の低下と不純物元素の共析防止の両立を図る方法がある。しかしながら、この方法には、高価なイオン交換膜を使用することから初期投資及び維持費がかさんでしまうこと、さらに、水溶液中の2価の鉄イオンは比較的容易に酸化されるので、酸化された鉄イオンがさらに酸化物として析出してイオン交換膜の表面に付着するなどして、電解槽電圧の上昇や膜の劣化を促進するなどの問題を生じることも懸念されること等の問題もあり鉄を回収する際には実用的な方法とはいえない。
この解決策として、本発明者らによる硫化銅鉱物を含む銅原料の精錬方法では、銅を分離回収した後の酸性塩化物水溶液に含まれる鉄イオンを、不溶性アノードを備えた隔膜電解法で金属鉄として回収する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。ここでは、陽極室に陰極で析出する鉄量の2倍量以上の鉄イオンを供給して浴電圧を低下させて電解を行うことによって、電解での塩素ガスの発生の抑制と槽電圧の低下が達成され、電解に要する電力コストを削減することができる。しかしながら、この方法では不純物元素を浄液工程において十分に除去した後の精製液が想定されている。したがって、酸性塩化物水溶液中に、電着鉄への共析が問題となるレベルで不純物元素が含まれる場合において、不純物元素含有量の低い鉄を経済的な電力コストで得ることができる方法が求められている。
特開平7−111488号公報(第1頁、第2頁) 特開2005−60813号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、鉄イオンと不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液から電解採取法によって電着鉄を回収する際に、隔膜として安価な濾布を用いかつ経済的な電力コストで、不純物元素の共析を制御し不純物元素含有量の低い鉄を得ることができる電解採取方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、隔膜で仕切られたカソード室とアノード室から構成される電解槽を用いて、鉄イオンと不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液から鉄を電解採取する方法について、鋭意研究を重ねた結果、各電解槽へ特定の給排液方法を行なう多段に配置したカスケード方式の電解採取設備を用いたところ、隔膜として安価な濾布を用いかつ経済的な電力コストで、不純物元素の共析を制御し不純物元素含有量の低い鉄を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、濾布で仕切られたカソード室とアノード室から構成される電解槽を多段に直列に配置した電解採取設備において、1段目の電解槽のカソード室への給液として鉄イオンと不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液(A)を供給し、鉄イオンの一部を電解析出させた後、排出させたカソード液を次段の電解槽のカソード室に供給し、一方、同時に1段目の電解槽のアノード室への給液として酸性塩化物水溶液(A)に比べて不純物元素含有量が少ない酸性塩化物水溶液(B)を供給し、鉄イオンを酸化させた後、排出させたアノード液を次段の電解槽のアノード室に供給することを特徴とする鉄の電解採取方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記電解採取設備は、3段以上の電解槽からなることを特徴とする鉄の電解採取方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記1段目の電解槽のカソード室への給液のpHは、0.5〜1.5に調整されることを特徴とする鉄の電解採取方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記酸性塩化物水溶液(B)は、最終段の電解槽から排出されたカソード液であることを特徴とする鉄の電解採取方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、カソード室の給排液は、カソード室の槽底部に供給し液面部から排出し、一方、アノード室の給排液は、アノード室の液面部に供給し槽底部から排出することを特徴とする鉄の電解採取方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、前記電解槽は、アノード室において電解槽の底からアノードの有効面の下端までの距離を電解槽の底からアノードの有効面の上端までの距離の10%以上の割合に設定し、かつアノード室とカソード室の間に設けた仕切りの内、電解槽の底からアノード有効面の下端までの部分に液移動のできない堰を設ける構造にすることを特徴とする鉄の電解採取方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、前記酸性塩化物水溶液(A)は、1段目の電解槽から得られた電着鉄の一部と接触させることにより液中の不純物元素含有量を低下させた後、1段目の電解槽のカソード室に供給することを特徴とする鉄の電解採取方法が提供される。
本発明の酸性塩化物水溶液からの鉄の電解採取方法は、第1の発明において、鉄イオンと不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液から電解採取法によって電着鉄を回収する際に、隔膜として安価な濾布を用いかつ経済的な電力コストで不純物元素含有量の低い鉄を得ることができるので、その工業的価値は極めて大きい。また、第2〜7の発明では、不純物元素の共析をさらに抑制し、または電力コストを低下することができるので、より有利である。
以下、本発明の酸性塩化物水溶液からの鉄の電解採取方法を詳細に説明する。
本発明の酸性塩化物水溶液からの鉄の電解採取方法は、濾布で仕切られたカソード室とアノード室から構成される電解槽を多段に直列に配置した電解採取設備において、1段目の電解槽のカソード室への給液として鉄イオンと不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液(A)を供給し、鉄イオンの一部を電解析出させた後、排出させたカソード液を次段の電解槽のカソード室に供給し、一方、同時に1段目の電解槽のアノード室への給液として酸性塩化物水溶液(A)に比べて不純物元素含有量が少ない酸性塩化物水溶液(B)を供給し、鉄イオンを酸化させた後、排出させたアノード液を次段の電解槽のアノード室に供給することを特徴とする。
本発明において、濾布で仕切られたカソード室とアノード室から構成される電解槽を多段に直列に配置した電解採取設備を用いることと、酸性塩化物水溶液からなる電解液を1段目の電解槽のカソード室とアノード室にそれぞれ供給し、各電解槽のカソード液とアノード液を別系統で順次移送する特別の給排液方法を用いることが重要である。これによって、隔膜として濾布を用いても、濾布を通してのアノード室からカソード室への液混入、槽電圧の上昇、アノードでのガス発生等を防止して電力コストの増加を抑えるとともに、不純物元素の共析を制御し不純物元素含有量の低い鉄を得ることができる。
すなわち、一般的な隔膜電解法で鉄を電解採取する際、電流効率を向上させるためには、アノードで酸化されたアノード液がカソード室に混入してカソード表面に接触しないことが必要である。このため、アノード室とカソード室の仕切りには、遮断性が高いイオン交換膜が有効である。ところが、経済性の観点からイオン交換膜ほどの遮断性はないが安価な濾布を用いる場合には、適切な濾布の選定が重要となる。すなわち、濾布の通水度が大きすぎると、アノード室からカソード室への液混入が多くなり、電流効率が低下する。一方、濾布の通水度が小さすぎると、液抵抗が増加し槽電圧が上昇したり、アノード室の液が滞留してアノード表面でのガス発生が促進され、電力コストの点で著しく不利となる。
これに対して、本発明の方法では、電解槽への給琲液方法を変更し、電解液を1段目の電解槽のカソード室とアノード室にそれぞれ供給しそのカソード液とアノード液をそれぞれに排出する。したがって、仕切りに用いる隔膜としては、電気を通すだけの通水度さえ維持できれば液が交換するほどの通水度は必要としないので、イオン交換膜の代わりに濾布を用いても同等の効果が得られる。すなわち、上述した濾布の通水度による諸課題、濾布を通しての液混入、槽電圧の上昇、アノードでのガス発生等が解決される。
また、一般に、鉄イオンと不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液から隔膜電解法で鉄を電解採取する際、鉄よりも貴な元素が優先的に電解析出されるので、多くの不純物元素が鉄と共析してしまい、不純物元素含有量の低い鉄を得ることができない。これに対して、本発明の方法では、電解槽を多段に直列に配置した電解採取設備を用いて、排出されたカソード液は次段の電解槽のカソード室への給液として、また排出されたアノード液は次段の電解槽のアノード室への給液として、それぞれ次段の電解槽へ移送して多段で電解採取する。これにより、酸性塩化物水溶液中に含まれる鉄よりも貴な不純物元素を1段目の電解槽の電着鉄中に優先的に電解析出させ、後段の電解槽から不純物元素含有量の低い電着鉄を回収することができる。すなわち、不純物元素の共析を制御し不純物元素含有量の低い鉄を得ることができる。
したがって、本発明の電解採取方法では、2段以上、より不純物元素含有量の低い鉄を得るためには好ましくは3段以上の電解槽を配置した電解採取設備を用いる。ここで、各段の電解槽から得られる電着鉄中の不純物元素含有量は、用いる酸性塩化物水溶液中の不純物元素含有量、電解槽への供給液流量及び通電する電流量等の電解条件により異なるので、これらを勘案して電解槽の最適段数の設計が行われる。
上記電解採取方法において、1段目の電解槽のカソード室への給液としては、鉄イオンと不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液(A)を用いる。上記酸性塩化物水溶液(A)としては、特に限定されるものではなく、例えば、メッキ、酸洗浄処理、鉄鋼製錬、非鉄金属製錬等の中間工程水、廃液等の鉄イオンと銅、鉛等の鉄よりも貴な不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液等が挙げられるが、この中で、鉄イオンが2価状態で存在する液は、カソードでの鉄電着量とアノードでの鉄イオンの酸化反応の関係を制御することが容易である。
例えば、銅の湿式製錬法として注目されている、銅原料を塩素により浸出する塩素浸出工程、第1銅イオンを含む還元生成液を得る銅イオン還元処理工程、銅を含む逆抽出生成液と抽出残液とを得る溶媒抽出工程、前記逆抽出生成液を電解採取に付し電着銅を得る銅電解採取工程、前記溶媒抽出工程で得られる抽出残液を浄液に付し、精製液を得る浄液工程、前記精製液を電解採取に付し電着鉄を得る鉄電解採取工程からなる一連のプロセスにおいて、溶媒抽出工程から得られる抽出残液、特に浄液工程から得られる精製液では、鉄イオンは実質的に2価のイオンで存在するので、上記電解採取方法のカソード室への給液として好ましく用いられる。
また、酸性塩化物水溶液(A)中に鉄よりも貴な金属イオンが高含有量で含まれる液から、より高純度の電着鉄を得るためには、事前の工程において鉄よりも貴な金属イオンの一部を除去した液を用いることが望ましい。例えば、酸性塩化物水溶液(A)を1段目の電解槽から得られた電着鉄の一部と接触させることにより、置換(セメンテーション)反応によって鉄よりも貴な金属イオンを金属化し液中の不純物元素含有量を低下させた後、1段目の電解槽のカソード室に供給することによって、より高純度の電着鉄を得ることができる。なお、1段目の電解槽から得られた電着鉄は相対的に不純物元素含有量が高いので、置換反応の還元剤として利用することによって有効に活用される。
上記置換反応は、金属イオンが2価のとき下記の式(1)により進行するので、反応当量の一倍以上の金属鉄の存在下で行なうことが好ましい。
式(1) M2++Fe=M+Fe2+
(式中M2+は、2価の金属イオンを表す。)
上記1段目の電解槽のカソード室への給液のpHとしては、特に限定されるものではなく、好ましくは0〜2.0、より好ましくは0.5〜1.5に調整される。すなわち、pHが2.0を超えると、巻き込んだ空気により電解液中に鉄の水酸化物が生成し、電解液を懸濁して配管又は濾布の目詰まりを生じたり、カソードで電着鉄への巻き込みを生じる。また、アノード表面で酸化物が生成しアノード表面を覆うことで電圧が上昇する現象が起こる。一方、pHが0.5未満では、特に0未満では、カソードで析出した電着鉄の化学溶解が促進され電流効率の低下が著しくなる。
上記電解採取方法において、1段目の電解槽のアノード室への給液として、酸性塩化物水溶液(A)に比べて不純物元素含有量が少ない酸性塩化物水溶液(B)を用いる。ここで、アノード室への給液として酸性塩化物水溶液(A)を用いると、カソード液での不純物元素濃度の増加が懸念されるので好ましくない。すなわち、カソード室では鉄よりも貴な不純物元素が優先的に電着するので、電解開始後後半ほど液中の不純物元素が少ない状態となる。これに対して、アノード室では前述したような優先電着による液の精製効果がないため、アノード室の液が仕切りの濾布からカソード室へ漏れて通り抜けることによって、カソード液中での不純物元素濃度が増加する。
上記酸性塩化物水溶液(B)としては、特に限定されるものではないが、例えば、液中の不純物元素が低下された後に排出されたカソード液、特に最終段の電解槽から排出されたカソード液が好ましい。すなわち、最終段の電解槽から排出されたカソード液を1段目の電解槽のアノード室への給液とすれば、カソード室で必要量の鉄が電解析出された後に残存した鉄イオンがアノード室に供給される。このとき、最終段の電解槽から排出されたカソード液中の鉄イオンは、すべて2価イオンであるので、アノード室の給液として3価の鉄イオンだけの液、或いは塩酸などのように直接塩素ガスを発生させる液を使う場合に比較して、槽電圧の上昇を抑制することができ、それだけ電力コストを低減することができる。すなわち、最終段の電解槽から排出されたカソード液の場合には、アノード室では2価の鉄イオンが3価に酸化された後に塩素ガスの発生が始まる。
上記電解採取方法で用いるカソード室とアノード室の給排液方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、カソード室の給排液は、カソード室の槽底部に供給し液面部から排出し、一方、アノード室の給排液は、アノード室の液面部に供給し槽底部から排出することが好ましい。すなわち、ガラス等の透明な材質で作製した電解槽を用いた電解試験において電極表面の液の動きを観察したところ、カソード室では上昇流が発生し、一方アノード室では下降流が発生することを見出したことによる。ここで、アノード室の下部(槽底部)と上部(液面部)の電解液を採取し、鉄イオンの形態を分析すると、下部の方が2価イオンより3価イオンの割合が高いことが判明した。これらの現象は、カソード室では鉄イオンが電解析出することで液の比重が低くなり上昇流を生じ、一方アノード室では2価の鉄イオンが3価の鉄イオンに酸化されるにつれ比重が高くなり下降流を生じるものと考えられる。したがって、前述したような給排液方法は、この液の流れに一致するので電解槽内の自然な攪拌を促進することができるので効果的である。
また、アノード室で対流により下部へ移動した比重の高い3価の鉄イオンがアノード室から電解槽の外へ円滑に排出されなかった場合には、3価の鉄イオンが、アノード室下部でアノード表面を覆って電圧を上昇させたり、槽底部でカソード室へ逆流してカソード上の電着鉄を再溶解したりすることが生ずる。これらを防止するためには、電解槽の底の深さをアノードの深さに対してゆとりを持たせて深くしておくことが肝要である。
以上より、上記電解採取方法で用いる電解槽としては、特に限定されるものではないが、例えば、アノード室において電解槽の底からアノード有効面(実質的に電極として作用する表面部)の下端までの距離を電解槽の底からアノードの有効面の上端までの距離の好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上の割合に設定し、さらにアノード室とカソード室の間に設けた仕切りの内、電解槽の底からアノード有効面の下端までの部分に液移動のできない堰による壁を設ける構造であるものが好ましい。これによって、電解槽の底に沈降したアノード液のカソード室への逆流を抑制し、電解槽の槽電圧を低減することができる。
上記電解採取方法に用いる電解槽と電解方法の概要について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に用いる電解槽の構造の一例を表す概略図である。なお、本発明の電解採取設備は、このような電解槽を複数個用いて、1段目の電解槽から排出されたカソード液が次段の電解槽のカソード室の給液として、また1段目の電解槽から排出されたアノード液が次段の電解槽のアノード室の給液として、それぞれ次段の電解槽へ移送されるように、多段に直列に配置されたものである。
図1において、電解槽1は、濾布4によってカソード室2とアノード室3に仕切られている。各室には、所定の電極面積を有するカソード5と不溶性アノード6が所定の極間距離で設置される。また、濾布4の下部には液移動のできない堰による壁が設けられている。
電解において、1段目の電解槽では、電解液として所定の温度に調整された酸性塩化物水溶液(A)が、カソード室2の槽底部に設けられたカソード室給液口7から所定の流量で供給され、カソード液をカソード室2の液面部に設けられたカソード室排液口8から排出させ、次段の電解槽のカソード室に供給する。この間、カソード5の表面では鉄イオンが還元され金属鉄が析出される。
これと同時に、所定の温度に調整された酸性塩化物水溶液(B)が、アノード室3の液面部に設けられたアノード室給液口9から所定の流量で供給され、アノード液をアノード室3の槽底部に設けられたアノード室排液口10から排出させ、次段の電解槽のアノード室に供給する。この間、不溶性アノード6の表面では2価の鉄イオンが3価に酸化される。ここで、電解はカソード5と不溶性アノード6間に所定の電流密度となるように所定の電流を通電して行われる。
本発明の電解採取設備では、前述したように最終段の電解槽のカソード室からの排液を、1段目の電解槽のアノード室への給液として用いることが好ましい。また、最終段の電解槽のアノード室からの排液は液中の鉄イオンが3価に酸化されているので、本発明の電解採取方法を前述した銅の湿式製錬法の鉄電解採取工程に適用する場合には、銅原料を塩素により浸出する塩素浸出工程の浸出液として好適である。
上記電解槽に用いるカソードとしては、特に限定されるものではなく、鉄、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス、チタン、チタン合金、黒鉛等が挙げられるが、この中で、ステンレス、又はチタンが好ましい。その形状としては、板状、穿孔板状、棒状、簾状、エキスパンドメタル状のもの等が用いられる。
上記電解槽に用いる不溶性アノードとしては、特に限定されるものではなく、市販されている黒鉛、白金被覆チタン、酸化ルテニウム被覆チタン、イリジウム酸化物系被覆チタン等が用いられる。また、板状、穿孔板状、棒状、簾状、エキスパンドメタル状等の形状ものが用いられる。
上記電解槽に用いる濾布としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂、モダアクリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン等の材質からなるものが用いられ、この中でも、特に目が細かく、通水度が低くなるように織られた濾布が好ましい。通水度としては、特に限定されるものではないが、鉄イオンを扱う場合には、0.04〜0.15L/m.sの範囲であることが好ましい。すなわち、概ね0.04L/m.s未満では、液の移動が少なく、また、鉄イオンが酸化されて生成した酸化物などの浮遊物による閉塞も生じやすくなるため槽電圧が上昇し、閉塞による濾布の洗浄又は交換に伴なうコストも上昇する。一方、概ね0.15L/m.sを超えれば、アノード室からカソード室への液混入が多くなり、仕切りの効果が低下し、その結果、電流効率が低下する。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた電着鉄中のPbとCuの分析は、蛍光X線分析法で行った。
(実施例1)
下記の電解液と電解採取設備を用いて、得られた電着鉄の不純物元素組品位と槽電圧を評価した。
[電解液]
1段目の電解槽のカソード室への給液として、鉄濃度が56g/l、塩化物濃度が164g/l、不純物元素として鉛濃度と銅濃度がそれぞれ58mg/l、3mg/l、及びpHが1になるように、試薬を用いて調製した酸性塩化物水溶液を用いた。なお、試薬1級の塩化第1鉄、食塩、塩化鉛、塩化第銅、及び塩酸を用いた。また、1段目の電解槽のアノード室への給液は、5段目の電解槽のカソード室からの排液を用いた。
[電解採取設備]
図1に示した構造の電解槽を5段に直列に配置し、電解槽から排出されたカソード液を次段の電解槽のカソード室への給液として、また電解槽から排出されたアノード液を次段の電解槽のアノード室への給液として、カソード液とアノード液がそれぞれ次段の電解槽へ移送されるようにした。電解槽は塩化ビニールで製作され、その大きさは、長さ60mm、横幅90mm、深さ160mmであった。電解槽の長さ方向を、アノード室で20mm、カソード室で40mmとなる位置でテトロン(商品名)製の濾布で仕切った。アノード室給液口を電解槽上部から15mm、またカソード室排液口を電解槽上部から10mmとなる位置に取り付けた。アノードとして、ペルメレック電極(株)製の塩素発生型不溶性アノードを電極面積が65×120mmとなるようにテープでマスキングしたもの1枚を、カソードとして、厚さ3mmのチタン板を電極面積がアノードと同じようになるようにマスキングしたもの1枚を、アノードとカソードの間の極間距離が60mmとなるように電解槽の壁側にそれぞれ装入し固定した。また、壁側に位置する電極の裏面はいずれも全面をマスキングした。なお、電極の有効面から電解槽の底までの距離は、アノード室で25mm、カソード室で30mmとなる。
まず、上記電解液の給液温度を60℃に調整した後、次いで、電解液の貯液槽から定量ポンプで毎分7mlの割合で1段目の電解槽のカソード室へ給液し、最終段である5段目のカソード室の排液を1段目の電解槽のアノード室へ給液した。各電解槽の液量は、カソード室で540ml及びアノード室で270mlであるので、給液流量から求めた平均滞留時間は、電解槽1槽当たり、カソード室77分及びアノード室39分で計約2時間であった。なお、カソード室とアノード室からの排液流量を測定すると、カソード室からアノード室に濾布を通して流れた液量は、各槽あたり毎分0.4mlであり、少なく抑えられた。
通電は、電解電流を3.1A(電流密度400A/m)に調整して24時間行なった。この間、通電から5分毎にアノードとカソードの間の電圧を槽電圧として記録し、通電後6時間目以降から停電までの各槽電圧の測定値を平均した値を平均槽電圧とした。なお、初期槽電圧は2.7V程度であり、その後上昇し停電時の槽電圧は約3.2Vであった。また、通電中のアノード室からの排液の酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)は約500〜530mVであり、かつアノード室の上部気相部分の検知管測定では塩素ガスが検出されなかったことから、アノードで塩素ガス発生が起こらなかったことが確認された。
通電終了後、各電解槽のカソードを引き上げて電着鉄を剥ぎ取り、これを2M塩酸と純水で洗浄し、秤量後分析した。なお、電着鉄量は73.5gで電流効率は95%であった。結果を図2に示す。また、1段目での不純物の除去効果をさらに詳細に確認するため、給液流量を3倍の毎分21mlとして、1段目及び2段目の電解槽から得られた電着鉄中の不純物元素含有量を求め、それぞれ図中の1/3及び2/3段目の位置に示した。
図2より、Pb及びCuともに1段目の電着鉄での含有量が高く、2段目以降は低下傾向を示しており、特に3段目以降では、Pb及びCuともに不純物元素含有量レベルが概ね0.1重量%以下の品位まで低下し、製品として支障とならない電着鉄が得られることが分かる。
以上より明かなように、実施例1では、隔膜として濾布を用いても、濾布を通してのアノード室からカソード室への液混入、槽電圧の上昇、アノードでのガス発生等を防止して電力コストの増加を抑えることができるとともに、不純物元素の共析を制御し不純物元素含有量の低い鉄を得ることができる。
(実施例2)
上記電解採取設備において電解槽の段数を3段にした以外は実施例1と同様に行ない、その結果、槽電圧の上昇が抑制されることから電力コストの増加を抑えることができること、及び不純物元素の共析を制御して不純物元素含有量の低い鉄を得ることができることを確認した。さらに、各電解槽の平均槽電圧と、各電解槽のアノード室からの排液中の3価の鉄イオンをICP発光分析法で分析し3価の鉄イオンの全鉄イオンに対する含有割合を求めた。結果を表1に示す。
(実施例3)
アノード室で電解槽の底に高さ20mmの塩化ビニール製のブロックを設置し、電極の有効面から電解槽の底までの距離を25mmから5mmと浅くしたこと以外は実施例2と同様に行ない、その結果、電力コストの増加を抑えることができること、及び不純物元素の共析を制御して不純物元素含有量の低い鉄を得ることができることを確認した。さらに、各電解槽の平均槽電圧と、各電解槽のアノード室からの排液中の3価の鉄イオンをICP発光分析法で分析し3価の鉄イオンの全鉄イオンに対する含有割合を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2007077449
表1から明らかなように、1、2段目の電解槽の槽電圧は、電極の有効面から電解槽の底までの距離が電解槽の底からアノードの有効面の上端までの距離の10%以上の割合である実施例2の方が、その割合が10%未満である実施例3に比べて、低い値が得られること、また、アノード室からの排液中の3価の鉄イオンの全鉄イオンに対する含有割合が100%になる3段目では、槽電圧の差が見られなくなることが分かる。すなわち、3段目の電解槽では、電解液自体が3価の鉄イオンのみとなっているので、電極の有効面から電解槽の底までの距離の影響がなくなったものと考えられる。
(実施例4)
上記電解液を、実施例1で得られた1段目の電解槽から得られた電着鉄を用い酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を−270mVに制御してセメンテーション処理に付した後に、1段目の電解槽のカソード室への給液として用いたこと以外は実施例1と同様に行ない、電力コストの増加を抑えることができることが確認された。その後、電着鉄を分析したところ、2段目以降の電解槽から得られた電着鉄のいずれもが、Pb及びCuともに製品として支障のない不純物元素含有量レベルである概ね0.1重量%以下の品位であった。
(比較例1)
下記の電解液と電解槽を用いて、得られた電着鉄の不純物元素組品位と槽電圧を評価した。
「電解液」
実施例1と同一組成の電解液を使用した。電解槽のカソード室への給液として、鉄濃度が56g/l、塩化物濃度が164g/l、不純物元素として鉛濃度と銅濃度がそれぞれ58mg/l、3mg/l、及びpHが1になるように、試薬を用いて調製した酸性塩化物水溶液を用いた。なお、試薬1級の塩化第1鉄、食塩、塩化鉛、塩化第銅、及び塩酸を用いた。また、電解槽のアノード室への給液は、カソードから濾布を通過してくる液により給液された。
「電解槽の構造」
電解槽の構造は、長さ60mm、横幅90mm、深さ170mmの大きさの塩化ビニール製のものであった。この電解槽の長さ方向をアノード側で20mm、カソード側で40mmとなる位置でテトロン(商品名)製の濾布で仕切った。アノード室には、電極面積が65×120mmのペルメレック電極(株)製の塩素発生型不溶性アノード1枚を設置した。カソード室には、厚さ2mmのチタン板を電極面積がアノードと同じようになるようにマスキングしたカソード1枚を設置した。両電極の極間距離が60mmとなるように電解槽の壁側に装入し固定した。電極の裏面はいずれも全面をマスキングした。電解液は、定量ポンプで所定の流量でカソード室の液面部付近に給液し、アノード室の槽底部から排出するようにした。電解液の排出は、電解槽の底から150mmの位置からオーバーフローさせるようにしたので電解槽の液量はカソード室で540ml、アノード室で270mlとなる。
上記電解槽を用いて、カソード室へ上記電解液を温度60℃に加温した後、毎分7mlの流量で給液した。電解電流を3.1A(電流密度400A/m)に調整して24時間通電した。なお、初期槽電圧は2.6V程度であり、その後上昇し停電時の槽電圧は約3.2Vであった。通電終了後、電解槽のカソードを引き上げて電着鉄を剥ぎ取り、これを2M塩酸と純水で洗浄し、秤量後分析した。なお、電着鉄量は69.6gであり、電流効率は90%であった。その結果、電着鉄中のPb及びCu品位は、各々1重量%、及び0.4重量%であった。
以上より明かなように、実施例1の3〜5段目で得られた場合に比べて、得られる電着鉄中の不純物元素含有量が高いことが示される。
以上より明らかなように、本発明の酸性塩化物水溶液からの鉄の電解採取方法は、メッキ、酸洗浄処理、鉄鋼製錬、非鉄金属製錬等の中間工程水、廃液等の処理分野において、鉄イオンを含む酸性塩化物水溶液から鉄を電解採取する際に、隔膜として安価な濾布を用いかつ経済的な電力コストで、不純物元素の共析を制御し不純物元素含有量の低い鉄を得ることができる方法として好適である。
本発明に用いる電解槽の構造の一例を表す概略図である。 実施例1で得られた各段の電着鉄中のPb及びCu品位の変化を表す図であある。
符号の説明
1 電解槽
2 カソード室
3 アノード室
4 濾布
5 カソード
6 不溶性アノード
7 カソード室給液口
8 カソード室排液口
9 アノード室給液口
10 アノード室排液口

Claims (7)

  1. 濾布で仕切られたカソード室とアノード室から構成される電解槽を多段に直列に配置した電解採取設備において、1段目の電解槽のカソード室への給液として鉄イオンと不純物元素イオンを含む酸性塩化物水溶液(A)を供給し、鉄イオンの一部を電解析出させた後、排出させたカソード液を次段の電解槽のカソード室に供給し、一方、同時に1段目の電解槽のアノード室への給液として酸性塩化物水溶液(A)に比べて不純物元素含有量が少ない酸性塩化物水溶液(B)を供給し、鉄イオンを酸化させた後、排出させたアノード液を次段の電解槽のアノード室に供給することを特徴とする鉄の電解採取方法。
  2. 前記電解採取設備は、3段以上の電解槽からなることを特徴とする請求項1に記載の鉄の電解採取方法。
  3. 前記1段目の電解槽のカソード室への給液のpHは、0.5〜1.5に調整されることを特徴とする請求項1に記載の鉄の電解採取方法。
  4. 前記酸性塩化物水溶液(B)は、最終段の電解槽から排出されたカソード液であることを特徴とする請求項1に記載の鉄の電解採取方法。
  5. カソード室の給排液は、カソード室の槽底部に供給し液面部から排出し、一方、アノード室の給排液は、アノード室の液面部に供給し槽底部から排出することを特徴とする請求項1に記載の鉄の電解採取方法。
  6. 前記電解槽は、アノード室において電解槽の底からアノードの有効面の下端までの距離を電解槽の底からアノードの有効面の上端までの距離の10%以上の割合に設定し、かつアノード室とカソード室の間に設けた仕切りの内、電解槽の底からアノード有効面の下端までの部分に液移動のできない堰を設ける構造にすることを特徴とする請求項1に記載の鉄の電解採取方法。
  7. 前記酸性塩化物水溶液(A)は、1段目の電解槽から得られた電着鉄の一部と接触させることにより液中の不純物元素含有量を低下させた後、1段目の電解槽のカソード室に供給することを特徴とする請求項1に記載の鉄の電解採取方法。
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