JP2007075022A - 遺伝子多型検出キット - Google Patents

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Abstract

【課題】誤認識の危険性が著しく少なく、かつ簡便な操作によって遺伝子多型を検出することができるキットを提供する。
【解決手段】特定の配列(第1領域、第2領域及び第3領域からなり、第1領域は第2領域の下流に位置し、第2領域は検出すべき多型の塩基から構成され第3領域の下流に位置する配列)を有する、試料中の特定の核酸の塩基多型を検出するための遺伝子多型検出キットであり、第1オリゴヌクレオチド(第3領域に相補的な配列、第2領域に相補的な配列、及び特定の配列と相補性のないフラップ配列を有するオリゴヌクレオチド)と、第2オリゴヌクレオチド(第1領域に相補的な配列、及び任意の配列を有するオリゴヌクレオチド)と、フラップエンドヌクレアーゼとを含む、遺伝子多型検出キット。
【選択図】図6

Description

本発明は、SNPなどの検出を簡便に行うことができる遺伝子多型検出キットに関する。この遺伝子多型検出キットは、遺伝子解析の研究や臨床分野において利用することができる。例えば、薬剤投与や病気罹患率などの診断を行うために利用することができる。
フラップエンドヌクレアーゼ(FEN-1)が、ダブルフラップ(Double FLAP)構造と呼ばれる3塩基の立体構造を認識して、フラップ(FLAP)と呼ばれるオリゴヌクレオチドが遊離することが知られている(例えば、Harrington JJ and Lieber MR, Journal of Biological Chemistry, 1995 Mar 3; 270 (9): 4503-4508. Fig. 5.B参照)。
一方、SNP部位の塩基を判別する、いわゆるタイピングについては多くの手法が報告されている。そのうちの代表的なものとして、インベーダー法、タックマンPCR法、モレキュラービーコン法、プライマーエクステンション法などが挙げられる(例えば、Kirk BW, Feinsod M, Favis R, Kliman RM and Barany F, Nucleic Acids Research, 2002 Aug 1; 30 (15): 3295-3311参照)。
インベーダー法は、2段階の酵素反応により、フラップ(FLAP)プローブから遊離した蛍光物質を測定する手法である。
具体的には、インベーダー法は、フラッププローブとインベーダープローブとが鋳型DNAにハイブリダイズしたダブルフラップ構造を形成し、酵素クリベース(Cleavase)がこの構造を認識しフラッププローブを切断することによってフラップ部分を遊離する工程を第1段階として;遊離したフラップをフレットと結合させ、再度クリベースで切断することで、フレットにおける消光物質と蛍光物質とを遊離させる工程を第2段階として含む。その結果、発生した蛍光を検出することで、SNPのアレル判定を行う。
この方法は、フレット(FRET)配列を共通化することにより、2段階目の反応を共通に行うことができるように工夫されているのが特徴である(例えば、特表2002−515737号公報参照)。
インベーダー法の利点を挙げると以下の通りである。1)ゲノム上の広い範囲でプローブを設計することが可能であり、その自由度は比較的高い;2)遺伝子変異部を含む領域を予めPCRで増幅しておくことを必ずしも必要としない;及び、3)合成にコストがかかるFRETを共通配列とすることで、SNPごとのプローブ設定費用が安価で済む。
タックマンPCR法、モレキュラービーコン法、プライマーエクステンション法、アレル特異的競合PCR法などは、PCRを基本とした手法である。PCRを用いた多型検出法としては、この他にもPCR−RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism;制限酵素断片長多型)法などが挙げられる。
PCR−RFLP法においては、電気泳動によって多型を検出する。この方法は、PCR産物の中に遺伝子変異部を認識する制限酵素が存在する場合、共通配列部位にプライマーを設定し、その内側、すなわちPCR産物内に多型性を持たせて増幅する。PCR増幅産物を上記制限酵素で切断し、得られた断片を電気泳動により展開し、断片の長さに基づいて多型の有無を判定する。
マトリックス介助レーザー脱離イオン化−飛行時間型マススペクトロメトリー(MALDI−TOF MS)は、一般的にタンパク質を対象に用いられることが多く、DNAへの適用は少ないが、マスアレイシステムは、MALDI−TOF MSも利用するSNP解析法である。マスアレイシステムにおいては、ダイデオキシヌクレオチドとデオキシヌクレオチドとの混合反応を用いた一塩基伸長により、質量数の異なるオリゴヌクレオチドを生成し、生成したオリゴヌクレオチドをMALDI−TOF MSで検出することでSNPの判別を行う。
カーク・BW(Kirk BW)、ファインソード・M(Feinsod M)、ファビス・R(Favis R)、クリーマン・RM(Kliman RM)、及びバーラーニ・F(Barany F)、複雑な疾患との長期関連性を探求する一塩基多型(Single nucleotide polymorphism seeking long term association with complex disease)、「ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research)」、第30巻、第15号、p.3295−3311、2002年8月1日 ハリントン・JJ(Harrington JJ)及びリーバー・MR(Lieber MR)、FEN−1結合に必要なDNA構造要素(DNA structural elements required for FEN-1 binding)、「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)」、第270巻、第9号、p.4503−4508、第5.B図、1995年3月3日 特表2002−515737号公報 特表2002−507883号公報
従来の方法では、例えば以下のような問題点がある。
インベーダー法では、クリベースを含む専用のキットと蛍光検出用のプレートリーダーとが必要になる。そして、インベーダー法に用いられるような蛍光標識は、一般的に高価である。
RFLP法では、以下に述べるように、検出サイトの自由度の低さ、操作の煩雑さ、誤認識の危険性などの問題がある。
すなわち、電気泳動を用いたタイピング法のうち、PCR−RFLP法が利用できるのは、PCR産物の中に遺伝子変異部を認識する制限酵素が存在する場合に限られるため、検出サイトの自由度が低い。
また、PCRの増幅産物や、制限酵素で切断された増幅産物の長さが短い場合には、アクリルアミド電気泳動や高濃度のアガロースゲルなどで電気泳動を行うため、操作が煩雑である。或いは、予めプライマーの末端を蛍光でラベル化し、蛍光シーケンサーなどで検出する必要があるため、高額な機器が必要となる。
RFLP法では、制限酵素サイトの有無で判定を行うため、仮に、制限酵素認識配列があるにもかかわらず酵素反応が進まなかった場合は、認識配列が無かった(すなわち変異が無かった)と判定される危険性がある。
その他、PCR反応を基本とした手法の一般的な問題点としては、以下が挙げられる。例えばプライマーエクステンション法や競合PCR法などにおいて、PCRで遺伝子変異部位を含む領域を増幅した後、別のプライマーで反応を行う場合、最初の増幅に用いたプライマーやdNTPを予め除く必要がある。プライマーエクステンション法の場合は、特に、ダイデオキシで伸長を止めるため、完全にdNTPを除く必要がある。そして、必ずPCR産物の精製工程を要する。例えば、マスアレイシステムにおいては最初に核酸増幅が行われるが、最初の増幅に用いたプライマーやdNTPは予め除く必要がある。このため、操作が煩雑であり、反応のコストも高い。
マスアレイシステムをはじめ、MALDI−TOF MSを用いた手法の一般的な問題点としては、以下が挙げられる。例えば、プローブの配列により、イオン化の際に分解が起こり、ピークの検出が難しい場合がある。また、一塩基の差(約300−400Da)を比較するため、質量分析装置について精度の高い調整が必要であり、未反応のオリゴヌクレオチドプローブとの区別がつけにくい場合がある。
そこで本発明の目的は、誤認識の危険性が著しく少なく、かつ簡便な操作によって遺伝子多型を検出することができるキットを提供することにある。また本発明の目的は、例えば電気泳動法を用いて多型を検出する場合であっても、所望の検出サイトがどのようなものであっても、それぞれ検出サイトに応じて自由にキット内容を設計し提供することが可能な遺伝子多型キットを提供することにある。
本発明は、以下の発明を含む。
下記(1)は、第1オリゴヌクレオチド、第2オリゴヌクレオチド、及びフラップエンドヌクレアーゼを含む、遺伝子多型検出キットに向けられる。第1オリゴヌクレオチド及び第2オリゴヌクレオチドは、検出すべき多型を有する特定の核酸にハイブリダイズすることによりフラップエンドヌクレアーゼによって特異的に認識されるダブルフラップ構造を形成することができるものである。また、下記(1)においては、第1オリゴヌクレオチドはフラップ配列を有し、フラップ配列は、検出すべき多型のアレルに応じて異なるように設計されている。
(1)特定の配列として、第1領域、第2領域及び第3領域からなる配列であって、前記第1領域は前記第2領域に隣接した下流に位置し、前記第2領域は検出すべき多型の塩基から構成され且つ前記第3領域に隣接した下流に位置する特定の配列を有する、試料中の特定の核酸の塩基多型を検出するための、遺伝子多型検出キットであり、
第1オリゴヌクレオチドとして、前記第3領域に相補的な配列、前記第2領域に相補的な配列、及び前記特定の配列と相補性のないフラップ配列を有するオリゴヌクレオチドであって、前記第3領域に相補的な配列は前記第2領域に相補的な配列に隣接した下流に位置し、前記第2領域に相補的な配列は前記フラップ配列に隣接した下流に位置し、且つ、前記フラップ配列が前記多型のアレルのそれぞれに応じて異なるように設計されたオリゴヌクレオチドと、
第2オリゴヌクレオチドとして、前記第1領域に相補的な配列、及び任意の配列を有するオリゴヌクレオチドであって、前記任意の配列は前記第1領域に相補的な配列に隣接した下流に位置するオリゴヌクレオチドと、
フラップエンドヌクレアーゼとを含む、遺伝子多型検出キット。
多型のアレルのそれぞれに応じて異なるように設計されたオリゴヌクレオチドは、通常は2種類のオリゴヌクレオチドであり、場合により、3種以上のオリゴヌクレオチドも許容する。
下記(2)においては、第1オリゴヌクレオチドのフラップ配列は、さらに、検出すべき多型の部位に応じて異なるように設計されている。
(2)前記試料中に検出すべき多型部位が複数箇所存在し、前記第1オリゴヌクレオチドとして、前記複数の検出すべき多型部位のそれぞれに応じて異なる前記フラップ配列を有するように設計されたオリゴヌクレオチドと、
第2オリゴヌクレオチドとして、前記複数の検出すべき多型部位のそれぞれに隣接する前記第1領域に対応するように設計されたオリゴヌクレオチドとを含む、(1)に記載の遺伝子多型検出キット。
下記(3)は、フラップ配列の設計に記載する。
(3)前記異なるフラップ配列はそれぞれ互いに長さにおいて異なる、(1)又は(2)に記載の遺伝子多型検出キット。
下記(4)及び(5)は、ダブルフラップ構造を認識したフラップエンドヌクレアーゼによって第1オリゴヌクレオチドから遊離された核酸断片(本明細書ではフラップ断片と記載することがある。)を検出するためのアイテムをさらに含むキットに向けられる。
下記(4)は、電気泳動法によって核酸断片を検出するためのキットに向けられる。
(4)希釈用バッファー、分離媒体、トラッキングダイ、及び/又は、キャピラリー電気泳動装置に試料をセットするための容器をさらに含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の遺伝子多型検出キット。
上記トラッキングダイは、ローディングバッファとしてキット中に含ませることができる。
上記容器としては、連結チューブやマイクロタイタープレートが挙げられる。
下記(5)は、質量分析法によって核酸断片を検出するためのキットに向けられる。
(5)マトリックス、及び/又は脱塩カラムをさらに含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の遺伝子多型検出キット。
上記マトリックスは、溶液の形態でキット中に含ませることができる。
上記脱塩カラムは、脱塩用フィルター付きチップとしてキット中に含ませることができる。
下記は、本発明のキットによって検出される対象について記載する。
前記特定の核酸は、cDNA、生物のゲノミック遺伝子、及び微生物の遺伝子から選ばれる核酸の配列を有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の遺伝子多型検出キット。
前記遺伝子は、DNA又はRNAの遺伝子である、上記の遺伝子多型検出キット。
前記多型が、一塩基多型、挿入多型、及び欠失多型から選ばれる、(1)〜(5)のいずれかに記載の遺伝子多型検出キット。
下記(6)は、特定の核酸を予め増幅させておくためのアイテムをさらに含むキットに向けられる。
(6)前記特定の配列を含む領域を増幅するためのプライマーと、核酸増幅試薬とをさらに含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の遺伝子多型検出キット。
25℃におけるpHが8.5〜9.5である核酸増幅反応液をさらに含む、上記の遺伝子多型検出キット。
本発明によると、例えば電気泳動法を用いて遺伝子多型検出を行う場合に、誤認識の危険性が著しく少なく、かつ簡便な操作によって遺伝子多型を検出することができるキットを提供することができる。
すなわち、本発明のキットが基づくところの遺伝子多型検出方法は、インベーダー法のように検出サイトについて高い自由度を有するため、本発明のキットにおいては、所望の検出サイトに応じて自由にキット内容を設計し提供することが可能である。電気泳動法を用いて遺伝子多型検出を行うことに向けられたキットとする場合に、多型部位に応じたキット内容を自由に設計し提供することができることは、大変有用である。
また、本発明の遺伝子多型検出キットを用いることにより、既存の電気泳動装置を用いることができ、且つ、オリゴヌクレオチドプローブに対して高価な標識が必要なくなるため、例えば従来のインベーダー法を用いた遺伝子多型検出法に比べ、簡便且つ安価に遺伝子多型検出を行うことができる。
さらに、本発明の遺伝子多型検出キットを用いると、酵素反応(すなわちフラップエンドヌクレアーゼによる反応)が起こらなかった場合には、フラップ配列を有するオリゴヌクレオチドプローブ(すなわち本発明における第1オリゴヌクレオチド)のバンド又はピークが残り、いずれのアレルについてもフラップ断片のバンド又はピークが検出されないため、例えば従来の制限酵素反応によるPCR−RFLP法を用いた遺伝子多型検出法に比べ、誤認識の危険性が極めて低い遺伝子多型検出を行うことができる。
本発明によると、例えば質量分析法を用いて遺伝子多型検出を行う場合に、簡便且つ感度良く遺伝子多型を検出することができるキットを提供することができる。
すなわち、本発明の遺伝子多型検出キットにおいては、オリゴヌクレオチドプローブのフラップ配列を、例えば長さにおいて任意に設定されたものとすることにより、検出されるフラップ断片と、未反応のオリゴヌクレオチドプローブとの区別を容易にすることができる。そして、各アレルに対応した2種類のオリゴヌクレオチドプローブ間において、フラップ配列を、例えば長さにおいて任意に設定されたものとすることにより、検出される各アレルに対応したフラップ断片の判別を容易にすることができる。さらに、オリゴヌクレオチドプローブのフラップ配列を、例えばPoly-Tなどのように、イオン化の条件下においても分解を受けにくい配列とすることにより、ピークの検出を常に容易にすることができる。従って、感度のよい検出を用意に行うことができる。しかも、質量分析装置に特別な精度を求めることなく、このような感度の良い検出を行うことができる。 また、本発明の遺伝子多型検出キットを用いることにより、オリゴヌクレオチドプローブに対して高価な標識が必要なくなるため、例えば従来のインベーダー法を用いた遺伝子多型検出法に比べ、安価に遺伝子多型検出を行うことができる。
さらに、本発明のキットを用いると、予め検出すべき多型を含む領域をPCR増幅する場合、増幅後に再度伸長反応を行うことがないため、余剰のプライマーやdNTPを除去する必要がない。このため、例えば従来のPCR反応を基本とした遺伝子多型検出法に比べ、簡便に遺伝子多型検出を行うことができる。
本発明の遺伝子多型検出キットは、フラップ配列を有する第1オリゴヌクレオチドと、第2オリゴヌクレオチドと、フラップエンドヌクレアーゼとを含む。第1オリゴヌクレオチド及び第2オリゴヌクレオチドは、検出すべき多型を有する特定の核酸にハイブリダイズすることによりフラップエンドヌクレアーゼによって特異的に認識される3本鎖構造であるダブルフラップ構造を形成することができるものである。
すなわち、本発明の遺伝子多型検出キットを用いることにより、検出すべき多型を有する特定の核酸を鋳型核酸として、鋳型核酸に対し、第1オリゴヌクレオチドと、第2オリゴヌクレオチドとがハイブリダイズすることにより、3本鎖構造体が形成され、フラップエンドヌクレアーゼが3本鎖構造体を特異的に認識することにより、フラップ配列を含む核酸断片が遊離する。遊離した核酸断片が適当な方法によって確認されることにより、多型が検出される。
核酸断片を確認するための方法としては、異なる核酸断片同士を識別することができるような方法であれば特に限定されない。例えば、核酸断片の大きさや分子量に基づいて識別を行うことができる方法として、液体クロマトグラフィー法、電気泳動法、質量分析法などが挙げられる。この中でも、電気泳動法を用いて核酸断片を確認する場合、本発明のキットは、電気泳動法に用いられる試薬及び/又は器具をさらに含むことができる。また、質量分析法を用いて核酸断片を確認する場合、本発明のキットは、質量分析法に用いられる試薬及び/又は器具をさらに含むことができる。
また、本発明のキットを用いて遺伝子多型検出を行うにおいて、あらかじめ検出したい多型を含む領域を増幅しておくことができる。この場合、本発明のキットは、遺伝子を増幅するための試薬をさらに含むことができる。
本発明のキットによる検出の対象としては、特に限定されないが、例えば、cDNA、ヒトを含む様々な生物のゲノミック遺伝子、ウイルス及び細菌を含む様々な微生物の遺伝子などが挙げられる。従って、これら核酸の配列を有するものを鋳型核酸とすることができる。また、これら検出対象となる遺伝子としては、DNAの遺伝子及びRNAの遺伝子を問わない。
鋳型核酸を含む試料としても特に限定されない。すなわち、生体試料、生体由来試料、抽出核酸試料などに対して多型検出を行うことができる。ここで、生体試料や生体由来試料は、核酸の抽出操作を行わず、核酸包含体(例えば細胞、真菌、細菌、ウイルスなど、核酸を内部に含有する膜構造体)を維持した形態の試料である。生体試料の例としては、臓器、組織、体液、排泄物などが挙げられる。体液には、血液試料、髄液、唾液、乳等が含まれる。血液試料には、全血、血漿、血清等が含まれる。排泄物には、尿、便などが含まれる。生体由来試料は、生体試料から核酸包含体を回収した試料をいう。核酸包含体の回収方法としては特に限定されないが、遠心・超遠心操作、ポリエチレングリコールなどの共沈剤、吸着担体などを用いた方法が挙げられる。抽出核酸試料は、核酸の抽出操作を行った試料であり、抽出後さらに核酸を精製した試料であっても良い。抽出方法としては、酵素、界面活性剤、カオトロピック剤などを用いた方法が挙げられ、精製方法としては、フェノール/クロロホルム、イオン交換樹脂、ガラスフィルター、ガラスビーズ、磁気ビーズ、タンパク凝集作用を有する試薬などを用いた方法が挙げられる。
本発明で検出できる多型は特に限定されず、いわゆる単一ヌクレオチド多型(1塩基多型:single nucleotide polymorphism:SNP)及び複数ヌクレオチドからなる配列にわたる多型の両方を含む。本発明においては、多型にはさらに変異も含むものとする。具体的には、本発明で検出できる多型の例としては、一塩基多型、挿入多型、欠失多型などが挙げられる。
3本鎖構造体の一例を、図1に示す。
本発明において、特定の核酸である鋳型核酸は、第1領域、第2領域及び第3領域から構成される特定の配列を含む。第1領域は第2領域に隣接した下流に位置し、第2領域は第3領域に隣接した下流に位置する。このうち第2領域が、検出すべき多型の塩基から構成される領域である。
第1オリゴヌクレオチドは、フラップ配列を有し、第2領域から第3領域に特異的なオリゴヌクレオチドである。フラップ配列は、特定の配列と相補性のない配列(具体的には、第1領域に相補性のない配列)である。すなわち第1オリゴヌクレオチドは、第3領域に相補的な配列、第2領域に相補的な配列、及び特定の配列と相補性のないフラップ配列を有する。そして、第3領域に相補的な配列は第2領域に相補的な配列に隣接した下流に位置し、第2領域に相補的な配列はフラップ配列に隣接した下流に位置する。さらに、第1オリゴヌクレオチドは、第3領域に相補的な配列に隣接する上流に、鋳型核酸と相補性のない配列(具体的には、鋳型核酸における、特定の配列に隣接する下流の配列と相補性のない配列)を有していても良い。
第1オリゴヌクレオチドは、試料中の多型部位一箇所つき、多型のアレルそれぞれに応じて設計されている。例えば、第1オリゴヌクレオチドとしては、アレル特異的な2種のオリゴヌクレオチドを用いることができる。そして、これらアレル特異的な第1オリゴヌクレオチドの一方及び/又は他方から生じるフラップ断片が、電気泳動法や質量分析法などの方法によって識別可能となるように、第1オリゴヌクレオチドそれぞれのフラップ部分が設計される。電気泳動法や質量分析法などの方法によっていずれのアレルが検出されたかの区別が可能となるように、第1オリゴヌクレオチドのそれぞれは、フラップ部分の配列において、アレルに応じて異なるように設計される。例えば、質量分析法を用いる場合、フラップ配列は、質量分析におけるイオン化の条件下において分解を受けにくい配列とすることが好ましい。このような配列としては、例えばTのみからなる配列(poly-T)などが挙げられる。
遺伝子多型検出法においては、試料中の複数の多型部位を検出ターゲットにする場合が多い。この場合、第1オリゴヌクレオチドは、検出すべき複数の多型部位の箇所それぞれに応じて設計されている。例えば、第1オリゴヌクレオチドとしては、アレル特異的な2種の第1オリゴヌクレオチドのセットを、多型部位の種類の数だけ用いることができる。そして、これら多型部位に応じて設計された第1オリゴヌクレオチドから生じるフラップ断片のそれぞれが、電気泳動法や質量分析法などの方法によって識別可能となるように、第1オリゴヌクレオチドそれぞれのフラップ部分を設定することができる。電気泳動法や質量分析法などの方法によっていずれの部位の多型が検出されたかの区別が可能となるように、第1オリゴヌクレオチドのそれぞれは、フラップ部分の配列において、多型の部位に応じて異なるように設計することができる。
フラップ配列が互いに異なる第1オリゴヌクレオチドにおいては、フラップ配列の長さが互いに異なるものが好ましい。例えば、フラップ配列が、単一の塩基から構成され長さにおいてのみ互いに異なるものとすることができる。
第1オリゴヌクレオチド及びフラップ配列の長さとしては特に限定されず、本発明で用いる電気泳動装置や質量分析装置などの装置の分離能を考慮して、当業者が適宜設定することができる。未反応の第1オリゴヌクレオチド、一方のアレルに対応するフラップ断片、及び他方のアレルに対応するフラップ断片が、電気泳動結果やマススペクトルなどにおいて判別がつくように、それぞれの長さを設定すると良い。例えば、第1オリゴヌクレオチドを、例えば25〜140merの長さに設定することができる。この設定された長さのうち、フラップ配列を例えば10〜50merの長さに設定することができる。さらに、異なる第1オリゴヌクレオチド間においては、フラップ配列は、互いに1〜20merの長さの差をもって設定すると良い。また、上の設定された長さのうち、第2及び第3領域に相補的な配列は例えば15〜80merの長さに設定することができる。
第2オリゴヌクレオチドは、第1領域に特異的なオリゴヌクレオチドである。第2オリゴヌクレオチドは、第1領域に相補的な配列、及び、任意の配列を有する。そして、任意の配列は、第1領域に相補的な配列に隣接した下流に位置する。さらに、第2オリゴヌクレオチドは、第1領域に相補的な配列に隣接する下流に、鋳型核酸と相補性のない配列(具体的には、鋳型核酸における、特定の配列に隣接する上流の配列と相補性のない配列)を有していても良い。
第2オリゴヌクレオチドの長さとしては特に限定されないが、例えば15〜60merの長さに設定することができる。この設定された長さのうち、第2オリゴヌクレオチドにおける任意の配列は、例えば多型を構成する配列と同じ長さにすることができる。例えば、SNPを検出する場合、任意の配列は1merとすると良い。上の設定された長さのうち、第1領域に相補的な配列は例えば9〜59merの長さに設定することができる。
フラップエンドヌクレアーゼは、核酸の特殊な構造、すなわち3本鎖構造(ダブルフラップ構造)を認識し、第1オリゴヌクレオチドを切断することによってフラップ配列を含む核酸断片を遊離することができるものであれば特に限定されない。具体的には、鋳型核酸、第1オリゴヌクレオチド及び第2オリゴヌクレオチドが3本鎖構造体を形成したとき、3重鎖部分を認識し、第1オリゴヌクレオチドを切断する酵素であれば良い。例えば、クリベース(cleavase)や、特開平11−75849号公報に記載されている熱耐性フラップエンドヌクレアーゼが挙げられる。例えば多型がSNPでクリベースを用いる場合、図2に示すように、3本鎖構造体のSNPの部位の構造がクリベースによって認識され(図2(a))、SNP部位に対応する塩基の3´側で第1オリゴヌクレオチドが切断され、フラップ配列及びSNP部位に対応する塩基を有する核酸断片(以下、フラップ断片と記載する。)が遊離する(図2(b))。
本発明のキットを用いて遺伝子多型検出を行うとき、3本鎖構造体の形成及びフラップ断片の遊離における反応は、例えば以下の条件で行うことができる。用いるフラップエンドヌクレアーゼにもよるが等温で55〜75℃、5分〜18時間の条件下で反応行うことができる。クリベースを用いる場合は、55〜68℃、5分〜18時間で反応を行うことができ、例えば63℃で30分程度の条件で反応を行うと良い。この反応に先立って核酸増幅を行った場合(核酸増幅については後述する)、用いたプライマーなどの試薬類は除去する必要はない。
また、この反応の直前に、一本鎖にするための条件に供することが好ましい。このために、反応液を例えば90℃以上で5分以上保持することができる。
フラップ断片の確認に電気泳動法を用いる場合、切断反応(すなわちフラップ配列を遊離する反応)を行った後の反応液を、電気泳動に供する。当該反応液は、例えば蛍光検出のために用いられる試薬(後述)と混合することができる。混合は、切断反応に用いた容器内で行ってもよいし、分注作業を行うことにより切断反応に用いた容器以外の場所で行っても良い。また、切断反応後の反応液は、必要に応じ、希釈用バッファーで適切な濃度に希釈することができる。このような希釈用バッファーとしては、TAEバッファー、TBEバッファー、TPEバッファー、TEバッファーなどが挙げられる。
本発明では、第1オリゴヌクレオチドにおけるフラップ配列を任意に設定することができるため、電気泳動の条件としては、反応液に含まれる、鋳型核酸、第1オリゴヌクレオチド、フラップ断片、及び第2オリゴヌクレオチド(以下、これらをまとめて核酸種と記載する)が、互いに識別可能に分離されるほどの分解能でもって分離できる条件であれば、特に限定されない。
本発明で用いることができる電気泳動装置としては、例えば、スラブゲル電気泳動装置やキャピラリー電気泳動装置が挙げられる。
スラブゲル電気泳動装置を用いる場合は、公知の方法を特に限定することなく用いることができる。好ましくは、分離媒体としてポリアクリルアミドゲルを用いる方法を行う。
本発明においては、特に、操作簡便性と分離能との観点から、キャピラリー電気泳動装置を用いることが好ましい。ここで、キャピラリー電気泳動装置には、毛細管を分離流路として用いるキャピラリー電気泳動装置や、マイクロエレクトロメカニカルシステム技術を用いて基板内に微細流路を形成したデバイス(いわゆるマイクロチップ)を用いて、基板内の微細流路を分離流路とするキャピラリー電気泳動装置のいずれも含む。
キャピラリー電気泳動装置におけるキャピラリーもしくは基板の材質としては、ガラス、溶融石英、含フッ素炭化水素樹脂製などが挙げられる。分離流路(本明細書においては、単に、キャピラリーと記載することがある)の内径としては、10〜1000μm、好ましくは50〜200μmである。マイクロチップを用いたキャピラリー電気泳動装置としては、MCE−2010(島津製作所製)、SV1210(日立製作所製)、2100バイオアナライザー(アジレント社製)などが挙げられる。
キャピラリー電気泳動装置を用いる場合は、適切な容器に切断反応後の試料を入れ、装置にセットする。装置に試料をセットするための容器としては、連結チューブやマイクロタイタープレートなどが挙げられる。連結チューブとしては、8連チューブ、12連チューブなどが挙げられる。チューブの容量としては、0.2mlや0.5ml容量のものが挙げられる。マイクロタイタープレートとしては、96MTP(96ウェルマイクロタイタープレート)、384MTP(384ウェルマイクロタイタープレート)などが挙げられる。
キャピラリー電気泳動装置における泳動方式としては、ミセル導電クロマトグラフィー(Micellar electrokinetic capillary chromatography;以下、MECCと記載する)や、キャピラリーゲル電気泳動(Capillary Gel Electrophoresis;以下、CGEと記載する)が挙げられる。MECCでは、キャピラリー内に臨界ミセル濃度以上にイオン性界面活性剤を含んだ泳動用緩衝液を満たして、核酸種の分離を行う。核酸種の分離においては、イオン性界面活性剤として、硫酸ドデシルナトリウムを使用することが好ましい。CGEは、キャピラリー内にポリアクリルアミドやアガロースなどのゲルと泳動液とを満たし、ゲルによる分子ふるい効果を利用して試料に含まれる核酸種の各成分イオンの分離を行う。CGEには、キャピラリーに、ゲルではなく非架橋のポリアクリルアミド、デキストラン、セルロース誘導体などの親水性高分子が溶解した電解液を満たして、CGEと同様に分子ふるい効果を利用して核酸種の各成分イオンの分離を行うキャピラリー電気泳動も含まれる。比較的低分子の核酸種の分離を行う際には、分離媒体として、ヒドロキシエチルセルロース、高濃度(例えば8〜15w/w%)トリス-ホウ酸-EDTA系のポリアクリルアミドゲル、濃度勾配(例えば、2〜8w/w%の勾配)トリス-ホウ酸-EDTA系のポリアクリルアミドゲル、POP−7ポリマー(アプライドバイオシステムズ社製)や、Long Ranger(宝酒造社製)などを用いることができる。
電気泳動において展開した核酸種の検出には、蛍光検出法を用いることができる。蛍光検出法の具体的方法としては、公知の方法を特に限定することなく用いることができる。検出のために用いられる試薬としては、トラッキングダイやインターカレイターなどが挙げられる。トラッキングダイは、グリセロールやスクロースなどの、比重を大きくするための添加物など混合されたローディングバッファとして使用される。トラッキングダイの具体例としては、キシレンシアノールやブロモフェノールブルー、オレンジII、オレンジGなどから少なくとも1種が選ばれる。インターカレイターとしては、蛍光やUVで検出可能な、核酸種の2本鎖にインターカレイトして蛍光を発する物質であれば特に限定されることなく、例えば、エチジウムブロマイド、アクリジンオレンジ、SYBER Green、SYBER Goldなどが挙げられる。これらインターカレイターは、例えば、分離媒体に含ませて使用することができる。
多型の検出は、電気泳動による展開後、設定したフラップ配列のサイズに基づき、フラップ断片の存在を確認することによって行うことができる。フラップエンドヌクレアーゼによる切断反応の前において検出される第1オリゴヌクレオチドのバンド又はピークが、切断反応後に消失するとともに、フラップ断片のバンド又はピークが検出されていることを確認することが好ましい。
このようにフラップ断片の確認を電気泳動法によって行う場合は、本発明のキットに、電気泳動を行うために用いられる器具及び/又は試薬を含ませることができる。電気泳動を行うために用いられる器具及び/又は試薬としては、特に限定されることはなく、通常電気泳動に用いられるものを含ませることができる。具体的には、上記器具としては、例えばキャピラリー電気泳動装置に試料をセットするための容器が挙げられる。また、上記試薬としては、例えば、希釈用バッファー、分離媒体、トラッキングダイなどから選ばれる。それぞれのアイテムの更なる具体例については、すでに述べたとおりである。
フラップ断片の確認に質量分析法を用いる場合、フラップエンドヌクレアーゼによる反応後、反応液を脱塩処理し、マトリックスと混合し、測定用プレートにアプライすると良い。脱塩処理には、脱塩カラムを用いると良い。脱塩カラムとしては、ZipTip(ミリポア社製)などが挙げられる。脱塩カラムは、フィルター付きチップの形状のものなどを用いることができる。
マトリックスとしては、2,4,6−トリヒドロキシアセトフェノン(2,4,6-trihydroxyacetophenone)、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノン(2,3,4-trihydroxyacetophenone)、3−ヒドロキシピコリン酸 (3-hydroxypicolinic acid;3-HPA)、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸メチルエステル(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid methyl ester)などから選ぶことができる。これらマトリックスは、例えば適当な溶媒に溶解することにより調製された溶液として用いられる。このような溶媒としては、例えばアセトニトリル−トリフルオロ酢酸水溶液などが挙げられる。マトリックス溶液の組成は、当業者が適宜決定することができる。
測定プレートを、質量分析装置に導入し、通常の方法に従って測定を行うことができる。本発明では、第1オリゴヌクレオチドにおけるフラップ配列を任意に設定することができるため、用いる質量分析装置としては特に限定されることなく、既存の質量分析装置を用いることができる。質量分析装置としては、マトリックス介助レーザー脱離イオン化(MALDI)イオン源を有するものが好ましい。そして、MALDIイオン源は、飛行時間(TOF)型質量分析計と組み合わせて用いられることがさらに好ましい。MALDI−TOF MSとしては、例えば、AXIMA(島津製作所製)やABI Voyager(パセプティブ・バイオシステムズ社製)などが挙げられる。
マススペクトルにおいては、設定したフラップ配列の質量数に基づき、フラップ断片の存在を確認することによって、多型を検出することができる。フラップエンドヌクレアーゼによる切断反応の前において検出される第1オリゴヌクレオチドのピークが、切断反応後に消失するとともに、フラップ断片のピークが検出されていることを確認することが好ましい。
このようにフラップ断片の確認を質量分析法によって行う場合は、本発明のキットに、質量分析を行うために用いられる器具及び/又は試薬を含ませることができる。このような器具及び/又は試薬としては、特に限定されることはなく、通常質量分析を行うために用いられるものを含ませることができる。なお、本発明において、質量分析を行うために用いられる器具及び/又は試薬としては、質量分析の前処理に用いられるものも含む。具体的には、上記器具としては、例えば脱塩処理用の脱塩カラムが挙げられる。また、上記試薬としては、マトリックスが挙げられる。それぞれのアイテムの更なる具体例については、すでに述べたとおりである。
本発明のキットは、試料の脱塩、試料とマトリックスとの混合、及びMS検出用プレート作製までの工程が自動で行われる場合などに有用に用いられる。このように自動化された場合、多検体について効率よく遺伝子多型検出を行うことが可能である。
以下に、より具体的な例を挙げて、本発明のキットを用いた多型検出について説明する。
例えば、第1オリゴヌクレオチドとして設計したオリゴヌクレオチドにおける、第2領域(すなわち多型塩基)に対応する塩基が、鋳型核酸において想定した多型部位とマッチする場合は、3本鎖構造を形成し(図2(a))、クリベースがこの構造を認識することによって第1オリゴヌクレオチドを切断し、フラップ断片が遊離する(図2(b))。したがって、第1オリゴヌクレオチドが検出されず、フラップ配列が検出される。
反対に、第1オリゴヌクレオチドとして設計したオリゴヌクレオチドにおける、多型塩基に対応する塩基が、鋳型核酸において想定した多型部位とマッチしない場合は、クリベースが認識することができる3本鎖構造が形成されないため、第1オリゴヌクレオチドは切断されず、フラップ断片は遊離しない(図3)。したがって、第1オリゴヌクレオチドが検出され、フラップ断片は検出されない。
例えば、あるSNP部位がT又はCを取りうる場合、第1オリゴヌクレオチドとして、T用のオリゴヌクレオチド及びC用のオリゴヌクレオチドを用意する。T用オリゴヌクレオチドとC用オリゴヌクレオチドとは、第2領域(すなわちSNP)に相補的な塩基としてそれぞれAとGとを有し、フラップ配列が互いに異なるように設計される。フラップ配列は、T用オリゴヌクレオチドとC用オリゴヌクレオチドとで互いに長さが異なるように設計されることが好ましい。
例えば、T用オリゴヌクレオチドのフラップ配列をPoly-T12(すなわち12個のTで構成される配列)とした場合、図4に模式的に示した反応が起これば、Poly-T12の長さのフラップ配列を有するフラップ断片を検出することによってSNPを検出することができる。一方、C用オリゴヌクレオチドのフラップ配列をPoly-T15(すなわち15個のTで構成される配列)とした場合、図5に模式的に示した反応が起これば、Poly-T15の長さのフラップ配列を有するフラップ断片を検出することによってSNPを検出することができる。そして、検出の結果、フラップ配列Poly-T12を有するフラップ断片が検出され、フラップ配列Poly-T15を有するフラップ断片が検出されない場合は、SNPがT/Tのホモ接合体であるとのタイピングを行うことができる。また、フラップ配列Poly-T12を有するフラップ断片とフラップ配列Poly-T15を有するフラップ断片との両方が検出される場合は、SNPがT/Cのヘテロ接合体であるとタイピングできる。さらに、フラップ配列Poly-T12を有するフラップ断片が検出されず、フラップ配列Poly-T15を有するフラップ断片が検出される場合は、SNPがC/Cのホモ接合体であるとのタイピングを行うことができる。
その他の多型についても同様にタイピングを行うことができる。
本発明のキットを用いて遺伝子多型検出を行うにおいては、ゲノムから直接3本鎖構造形成及びフラップエンドヌクレアーゼによる切断反応を行ってもよいし、検出すべき多型を含む特定の配列を含む領域を予め増幅させておいても良い。
特定の配列を含む領域を増幅させるための方法としては特に限定されないが、例えばPCRを行うことができる。試料中の複数の多型を検出する場合は、相当する複数の特定の配列に対し、マルチプレックスPCRを行うことができる。
核酸増幅においては、ホットスタート法を用いることが好ましい。ホットスタート法を用いることによって、プライマーのミスアニーリングやオリゴマー化を防止することができ、望ましくない核酸増幅を防止することができる。また、ホットスタート法を用いると、多くの領域を同時に増幅することができるため、効率よく多型検出を行うことを可能にする。
ゲノムの増幅において、1つの多型部位を増幅するためにはその多型部位をはさんで結合する1対のプライマーを用いる。対象となる試料中の検出すべき多型が複数である場合、検出すべき多型部位が互いに離れた位置に存在する場合には、多型部位の種類の数の2倍のプライマーを用いる。しかし、例えば複数の多型、たとえば2つの多型が接近している場合には、2つの多型部位それぞれを挟んでプライマーを結合させて増幅を行っても良い、2つの多型部位の間にプライマーを結合させず、2つの多型部位の両端に1対のプライマーを結合させて増幅を行っても良い。
PCR反応液は、上記プライマーに加えて、核酸増幅試薬として、pH緩衝液、MgCl、KClなどの塩類、デオキシリボヌクレオチド類、及び熱安定性合成酵素などを含む。その他の核酸増幅試薬として、界面活性剤やタンパク質などの物質を必要に応じて添加することができる。
pH緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンと、塩酸、硝酸、硫酸などの鉱酸とを組み合わせたもの、及び、その他種々のpH緩衝液を用いることができる。pH調製された緩衝液は、PCR反応液の中で10mMから100mMの間の濃度で使用することが好ましい。
プライマーはPCR反応による核酸合成の開始点として働くオリゴヌクレオチドをいう。プライマーは合成したものであっても良く、生物界から単離したものであっても良い。
熱安定性合成酵素はプライマー付加による核酸合成のための酵素であり、化学合成系も含む。適切な合成酵素としては、E.coliのDNAポリメラーゼ、E.coliのDNAポリメラーゼのクレノーフラグメント、T4DNAポリメラーゼ、TaqDNAポリメラーゼ、T.litoralisDNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼ、Hot Start Taqポリメラーゼ、KODDNAポリメラーゼ、EX TaqDNAポリメラーゼ、逆転写酵素などがあるが、これらに限定されるものではない。なお、熱安定性とは、高温下、好ましくは65〜95℃でもその活性を保持する化合物の性質を意味する。
増幅反応におけるその他の条件としては特に限定されず、公知の方法における条件に基づいて反応を行うことができる。試料に生体試料や生体由来試料を用いる場合は、増幅反応を、25℃におけるpHが8.5〜9.5となる反応液中で行うことが好ましい。そうすることにより、生体試料や生体由来試料に、直接核酸増幅反応液を作用させ、反応を行うことも可能である。
このように、本発明のキットを用いて遺伝子多型検出を行うときに、予め増幅を行う場合、本発明のキットには、遺伝子増幅用の試薬として、特定の配列を含む領域を増幅するためのプライマーと、核酸増幅試薬とをさらに含ませることができる。各アイテムの更なる具体例については、すでに述べたとおりである。また、例えば特定の核酸を含む試料を、生体試料や生体由来試料とする場合、25℃におけるpHが8.5〜9.5である核酸増幅反応液を含ませることができる。
以下に、本実施例1及び比較例1で用いたオリゴヌクレオチドの配列を挙げる。右肩に*印を付している塩基は、多型部位として想定した塩基、又は、その塩基に対応する相補塩基又は非相補塩基である。
Inv_A:AGTCTGTACTAATTGCACATG*TATTGTTGGGGATTTTCCAT(配列番号1)
Inv_Cw1:TTTTTTTTTTTTC*ATGTGCAATTAGTACAGACT(配列番号2)
Inv_Cm:TTTTTTTTTTTTTTTA*ATGTGCAATTAGTACAGACT(配列番号3)
Inv_B1:ATGGAAAATCCCCAACAATAG*(配列番号4)
<実施例1>
1.オリゴヌクレオチドの調製
鋳型核酸として、配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドInv_Aと、第1オリゴヌクレオチドとして、配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドInv_Cw1と、第2オリゴヌクレオチドとして、配列番号4に示される配列を有するオリゴヌクレオチドInv_B1とについて、プロリゴ・ジャパン株式会社に合成を委託し、合成されたそれぞれのオリゴヌクレオチドを、DW(蒸留水)で100pmol/mlになるよう調製した。
ここで、鋳型核酸Inv_Aの21番目の塩基をSNPとして想定する。第1オリゴヌクレオチドInv_Cw1が有する塩基配列(配列番号2)は、鋳型核酸が有する塩基配列(配列番号1)の1〜21番目の塩基配列に相補的な塩基配列と、フラップ配列(Poly-T12)とを有する。第2オリゴヌクレオチドInv_B1の塩基配列(配列番号4)は、鋳型核酸が有する塩基配列(配列番号1)の22〜32番目の塩基配列に相補的な塩基配列と、鋳型核酸と無関係な配列とを有する。
2.ダブルフラップ構造の形成及びフラップの切断
以下の成分をDW中に含む反応溶液7μlを調製した。
Inv_A(鋳型核酸)水溶液 0.5μl
Inv_Cw1(第1オリゴヌクレオチド)水溶液 1μl
Inv_B1(第2オリゴヌクレオチド)水溶液 1μl
Enzyme Mix(フラップエンドヌクレアーゼ) 0.3μl
Buffer(0.8g/ml PEG800、0.2mmol/ml MOPS) 0.3μl
なお、Enzyme Mixは、Invader DNA Assay (THIRD WAVE TECHNOLOGIES)のKitに含まれているものを使用した。
反応溶液7μlを、0.5mlマイクロチューブに入れ、さらに、蒸発を防ぐため、ミネラルオイルを反応液に重層した。サーマルサイクラーにマイクロチューブをセットし、95℃3分、60℃60分の反応を行なった。
3.マイクロチップ電気泳動装置によるフラップ切断の確認
反応終了後、マイクロチューブ内の反応溶液から1μlを取り出し、泳動バッファ50μlで希釈し、測定用サンプルとした。泳動バッファは、0.125×Tris-Borate-EDTA(TBE):ホルムアミドが3:1(v/v)の混合液を使用した。
調製された測定用サンプルを、MCE2010 レーザー誘起蛍光機(島津製作所製)を用いて、蛍光色素サイバーゴールド(モレキュラーブローブ社製)を用いた低分子分離用ゲルを用いて測定した。
電気泳動の結果を図6(a)に示す。図6(a)においては、横軸は秒(sec)、縦軸は蛍光強度(mV)を示す(後述の図6(b)においても同じ)。図6(a)が示すように、13merのピーク(図中(i)の位置におけるピーク)及び20merのピーク(図中(ii) の位置におけるピーク)が検出された。これは、第1オリゴヌクレオチドInv_Cw1が切断されることにより、第1オリゴヌクレオチドInv_Cw1から、(Poly-T12)+(1塩基)の13merのフラップ断片と、残りの20merのオリゴヌクレオチド断片とが生成したためと考えられる。また、第1オリゴヌクレオチドInv_Cw1の33merのピーク(図中(iii) の位置におけるピーク)が消失していることからも、ダブルフラップ構造が認識されてフラップが切断されたと考えられる。
<比較例1>
第1オリゴヌクレオチドとして、配列番号3に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドInv_Cm(プロリゴ・ジャパン株式会社に合成を委託)を用いたこと以外は、実施例1の方法と同じ操作を行った。ここで、第1オリゴヌクレオチドInv_Cmが有する塩基配列(配列番号3)は、鋳型核酸が有する塩基配列(配列番号1)の1〜20番目の塩基配列に相補的な塩基配列と、21番目の塩基に相補的でない塩基と、フラップ配列(Poly-T15)とを有する。
電気泳動の結果を図6(b)に示す。図6(b)が示すように、36merのピーク(図中(iii’) の位置におけるピーク)が検出された。すなわち、第1オリゴヌクレオチドInv_Cmがそのまま検出された。さらに、フラップ断片に相当する16merのピーク(図中(i’) の位置におけるピーク)と、第1オリゴヌクレオチドからフラップ断片が遊離した場合の残りのオリゴヌクレオチド断片に相当する20merのピーク(図中(ii) の位置におけるピーク)とは検出されなかった。このことから、Inv_Aの21番目の塩基がInv_Cmと相補的でないために、ダブルフラップ構造を形成することができず、認識サイトが存在しなかったため、酵素が働かなかったと考えられる。
以上のように、実施例1において、SNPがプローブと相補的であればフラップエンドヌクレアーゼによる反応が起こりSNPが検出され、一方、比較例1において、SNPがプローブと相補的でなければフラップエンドヌクレアーゼによる反応が起こらないことが確認できた。これにより、SNPを判別することができたといえる。
以下に、本実施例2及び比較例2で用いたオリゴヌクレオチドの配列を挙げる。右肩に*印を付している塩基は、多型部位として想定した塩基、又は、その塩基に対応する相補塩基又は非相補塩基である。
Inv_A:AGTCTGTACTAATTGCACATG*TATTGTTGGGGATTTTCCAT(配列番号1)
Inv_A40merA:AGTCTGTACTAATTGCACATG*TATTGTTGGGGAT(配列番号5)
Inv_Cw1:TTTTTTTTTTTTC*ATGTGCAATTAGTACAGACT(配列番号2)
Inv_Cm:TTTTTTTTTTTTTTTA*ATGTGCAATTAGTACAGACT(配列番号3)
Inv_B1:ATGGAAAATCCCCAACAATAG*(配列番号4)
<実施例2>
1.オリゴヌクレオチドの調製
鋳型核酸として、配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドInv_Aと、第1オリゴヌクレオチドとして、配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドInv_Cw1と、第2オリゴヌクレオチドとして、配列番号4に示される配列を有するオリゴヌクレオチドInv_B1とについて、プロリゴ・ジャパン株式会社に合成を委託し、合成されたそれぞれのオリゴヌクレオチドを、DW(蒸留水)で100pmol/mlになるよう調製した。
ここで、鋳型核酸Inv_Aの21番目の塩基をSNPとして想定する。第1オリゴヌクレオチドInv_Cw1が有する塩基配列(配列番号2)は、鋳型核酸が有する塩基配列(配列番号1)の1〜21番目の塩基配列に相補的な塩基配列と、フラップ配列(Poly-T12)とを有する。第2オリゴヌクレオチドInv_B1の塩基配列(配列番号4)は、鋳型核酸が有する塩基配列(配列番号1)の22〜32番目の塩基配列に相補的な塩基配列と、鋳型核酸と無関係な配列とを有する。
2.ダブルフラップ構造の形成及びフラップの切断
以下の成分をDW中に含む反応溶液7μlを調製した。
Inv_A(鋳型核酸)水溶液 0.5μl
Inv_Cw1(第1オリゴヌクレオチド)水溶液 1μl
Inv_B1(第2オリゴヌクレオチド)水溶液 1μl
Enzyme Mix(フラップエンドヌクレアーゼ) 0.3μl
Buffer(0.8g/ml PEG800、0.2mmol/ml MOPS) 0.3μl
なお、Enzyme Mixは、Invader DNA Assay (THIRD WAVE TECHNOLOGIES)のKitに含まれているものを使用した。
反応溶液7μlを、0.5mlマイクロチューブに入れ、さらに、蒸発を防ぐため、ミネラルオイルを反応液に重層した。サーマルサイクラーにマイクロチューブをセットし、95℃3分、60℃60分の反応を行なった。
3.質量分析装置によるフラップ断片の確認
反応終了後、マイクロチューブ内の反応溶液から2μlを取り出し、ZipTipC18で脱塩処理を行い、測定用サンプルとした。測定用サンプルは、MSプレート上に50v/v%アセトニトリル水溶液0.5μlで溶出した。さらに、マトリックス液として、3-HPA(3−ヒドロキシピコリン酸)溶液
(0.3M 3-HPA−0.07Mアンモニウムリン酸塩水溶液とアセトニトリルとの50v/v%溶液)を0.5μl重層した。測定は、AXIMA-CFR(島津製作所製)を用いて、Linear-Negativeモードで行った。
得られたマススペクトルを図7(a)に示す。図7において、横軸は質量/電荷、縦軸は相対強度(%Int.)を示す。図7(a)が示すように、13merのピーク及び20merのピークが検出された。これは、第1オリゴヌクレオチドInv_Cw1が切断されることにより、第1オリゴヌクレオチドInv_Cw1から、(Poly-T12)+(1塩基:G)の13merのフラップ断片と、残りの20merのオリゴヌクレオチド断片とが生成したためと考えられる。また、図7(a)に示したスペクトルにおいては、第1オリゴヌクレオチドInv_Cw1に相当する33mer付近の質量/電荷の範囲は示されていないが、33merのピークは消失している。このことからも、ダブルフラップ構造が認識されてフラップが切断されたと考えられる。
<比較例2>
鋳型核酸として、配列番号5に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドInv_A40merAと、第1オリゴヌクレオチドとして、配列番号3に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドInv_Cm(いずれもプロリゴ・ジャパン株式会社に合成を委託)を用いたこと以外は、実施例2の方法と同じ操作を行った。ここで、第1オリゴヌクレオチドInv_Cmが有する塩基配列(配列番号3)は、鋳型核酸が有する塩基配列(配列番号5)の1〜20番目の塩基配列に相補的な塩基配列と、21番目の塩基に相補的でない塩基と、フラップ配列(Poly-T15)とを有する。
得られたマススペクトルを図7(b)に示す。図7(b)が示すように、フラップ断片に相当する16merのピークと、第1オリゴヌクレオチドからフラップ断片が遊離した場合の残りのオリゴヌクレオチド断片に相当する20merのピークとは検出されなかった。また、図7(b)に示したスペクトルにおいては、第1オリゴヌクレオチドInv_Cmに相当する36mer付近の質量/電荷の範囲は示されていないが、36merのピークが検出されている。このことから、Inv_A40merAの21番目の塩基がInv_Cmと相補的でないために、ダブルフラップ構造を形成することができず、認識サイトが存在しなかったため、酵素が働かなかったと考えられる。
以上のように、実施例2において、SNPがプローブと相補的であればフラップエンドヌクレアーゼによる反応が起こりSNPが検出され、一方、比較例2において、SNPがプローブと相補的でなければフラップエンドヌクレアーゼによる反応が起こらないことが確認できた。これにより、SNPを判別することができたといえる。
本発明の鋳型核酸、第1オリゴヌクレオチド及び第2オリゴヌクレオチドが3本鎖構造体を形成したときの一例を示した模式図である。 第1オリゴヌクレオチドとして設計したオリゴヌクレオチドが多型部位において鋳型核酸とマッチすることにより形成した本発明の3本鎖構造体の模式図(a)、及び3本鎖構造体がフラップエンドヌクレアーゼによって切断反応を受け、フラップ断片が遊離した様子を示す模式図(b)である。 第1オリゴヌクレオチドとして設計したオリゴヌクレオチドが多型部位において鋳型核酸とマッチしない場合を表した模式図である。 SNPとしてCが検出される場合を表した模式図である。 SNPとしてTが検出される場合を表した模式図である。 実施例1において得られた電気泳動の結果(a)及び比較例1において得られた電気泳動の結果(b)である。 実施例2において得られたマススペクトル(a)及び比較例2において得られたマススペクトル(b)である。
配列番号1は、合成オリゴヌクレオチドである。
配列番号2は、合成オリゴヌクレオチドである。
配列番号3は、合成オリゴヌクレオチドである。
配列番号4は、合成オリゴヌクレオチドである。
配列番号5は、合成オリゴヌクレオチドである。

Claims (6)

  1. 特定の配列として、第1領域、第2領域及び第3領域からなる配列であって、前記第1領域は前記第2領域に隣接した下流に位置し、前記第2領域は検出すべき多型の塩基から構成され且つ前記第3領域に隣接した下流に位置する特定の配列を有する、試料中の特定の核酸の塩基多型を検出するための、遺伝子多型検出キットであり、
    第1オリゴヌクレオチドとして、前記第3領域に相補的な配列、前記第2領域に相補的な配列、及び前記特定の配列と相補性のないフラップ配列を有するオリゴヌクレオチドであって、前記第3領域に相補的な配列は前記第2領域に相補的な配列に隣接した下流に位置し、前記第2領域に相補的な配列は前記フラップ配列に隣接した下流に位置し、且つ、前記フラップ配列が前記多型のアレルのそれぞれに応じて異なるように設計されたオリゴヌクレオチドと、
    第2オリゴヌクレオチドとして、前記第1領域に相補的な配列、及び任意の配列を有するオリゴヌクレオチドであって、前記任意の配列は前記第1領域に相補的な配列に隣接した下流に位置するオリゴヌクレオチドと、
    フラップエンドヌクレアーゼとを含む、遺伝子多型検出キット。
  2. 前記試料中に検出すべき多型部位が複数箇所存在し、前記第1オリゴヌクレオチドとして、前記複数の検出すべき多型部位のそれぞれに応じて異なる前記フラップ配列を有するように設計されたオリゴヌクレオチドと、
    第2オリゴヌクレオチドとして、前記複数の検出すべき多型部位のそれぞれに隣接する前記第1領域に対応するように設計されたオリゴヌクレオチドとを含む、請求項1に記載の遺伝子多型検出キット。
  3. 前記異なるフラップ配列はそれぞれ互いに長さにおいて異なる、請求項1又は2に記載の遺伝子多型検出キット。
  4. 希釈用バッファー、分離媒体、トラッキングダイ、及び/又は、キャピラリー電気泳動装置に試料をセットするための容器をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の遺伝子多型検出キット。
  5. マトリックス、及び/又は脱塩カラムをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遺伝子多型検出キット。
  6. 前記特定の配列を含む領域を増幅するためのプライマーと、核酸増幅試薬とをさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の遺伝子多型検出キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5723993B2 (ja) * 2012-10-19 2015-05-27 株式会社日立製作所 遺伝子分析方法および遺伝子分析装置および分析用キット

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